JP5021610B2 - 滅菌法 - Google Patents

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Description

本発明は、充填クロマトグラフィーカラムの滅菌法に関する。本発明は、充填クロマトグラフィーカラムの滅菌システム、生体分子の精製におけるかかる滅菌充填クロマトグラフィーカラムの使用並びにかかる滅菌充填クロマトグラフィーカラム自体も包含する。
タンパク質及びペプチドのような生体分子のバイオ生産法の急速な発達によって、かかるプロセスに用いられる機器に新たな条件が課せられている。例えば、製薬業界では、最終製品は当局から薬品としての認可を得るため、純度及び安全性に関する所定の条件を満足する必要がある。生体分子の製造プロセスには、濾過、沈殿、クロマトグラフィーなどの幾つかの精製段階が通常必要とされる。液体クロマトグラフィーは周知の慣用技術であり、簡潔に説明すると、混合物の成分の物理的・化学的特性の差に基づく成分の分画といえる。具体的には、クロマトグラフィーでは2つの互いに非混和性の相を接触させるが、一方の相はマトリックス又は樹脂として知られる固定相であり、もう一方の相は移動相である。移動相に導入された試料混合物は、移動相によって系内を運ばれる際に固定相と移動相の間で一連の相互作用を受ける。相互作用には試料中の成分の物理的・化学的性質の差が利用され、かかる相互作用がカラム内を移動する各成分の移動度を支配する。クロマトグラフィーは、その高い汎用性から、生物工学的処理及びその他1種以上の有用成分を他の成分(役に立たなかったり、有益性に乏しいこともある)も含む液体混合物から分離することが望まれる方法で広く使用されている。例えば、クロマトグラフィーは、ウィルス、核酸、パイロジェン、ファインケミカル、食品添加物、診断薬及び医薬品などの除去及び/又は単離を要する方法で有用である。
タンパク質及びペプチドのような生体分子の従来の調製法では、一般に、容器、フィルター、クロマトグラフィーカラムなどを通常は水酸化ナトリウム溶液で最初に定置洗浄(CIP)で衛生化し、次いでバイオバーデンをできるだけ低く維持しながら操作する。滅菌製品を得るため、最終段階まで非常にクリーンな状態に維持し、最終段階では製品を滅菌フィルターに通して滅菌容器に移す。
しかし、かかる従来法の周知の問題は、大きなDNA分子、ウィルス及びタンパク質複合体のような三次元構造の大きい製品については、回収率を損なわずには濾過滅菌できないことである。例えば、一般の滅菌フィルターは孔径0.22μmであるのに対して、例えばワクシニアウィルス、棒状ウィルスは最大260nmの直径を有し、長さは最大700μmに達することがある。化学薬品の添加又はオートクレーブ滅菌のような製品の別の滅菌法も知られている。しかし、高純度が条件とされることから、医薬品分子の生物工学的調製では化学薬品の添加を避けるのが通例である。さらに、オートクレーブ滅菌は、生物を容易に死滅させるか或いは少なくともコンフォメーションを実質的に変化させて生物活性を根絶させる温度及び圧力を伴うので、ウィルス及びプラスミドのような製品には適さない。
以上の最終製品の滅菌法の代替法は、無菌原料を出発材料として、予め滅菌しておいた機器を使用してプロセス全体を実施することである。ここでいう「機器」には、一般に発酵培地を含む発酵槽、管材、その他の容器、フィルター、遠心分離機、クロマトグラフィーカラムなどがある。プロセス機器の滅菌に最も多用される方法の一つは一般にオートクレーブ滅菌であり、上述の機器のうち、適宜培養液を入れた発酵槽は、容易に移動できる寸法のものであれば、一般に何の深刻な問題もなくオートクレーブ滅菌されている。一般に、管材、容器及びフィルターも簡単にオートクレーブ滅菌できる。中空繊維の内部に樹脂の薄層を固定化した中空繊維として知られるフィルターの場合、蒸気及び/又は熱湯で滅菌されているし、オートクレーブ滅菌でもうまく行く。これは主に、中空繊維内の樹脂層が十分に薄く、均一性及び充填材特性に関して何の問題も起こさないからである。
ただし、クロマトグラフィー機器に関してはオートクレーブ滅菌法は複雑である。まず、大規模処理では、クロマトグラフィーカラムはオートクレーブ内に簡単には移動できない寸法のものであることが多い。次に、オートクレーブ内での充填クロマトグラフィーカラムのような密閉容器の内圧は、例えば充填材の均一性その他の特性に重大な問題を引き起こしかねない。そのため、クロマトグラフィーカラムとクロマトグラフィーマトリックスの滅菌は別々に行われるのが一般的であり、後段でカラムの充填段階が必要とされる。かかる充填には、時間とコストがかかるだけでなく、汚染なしで確実に実施するのが難しい。第三に、オートクレーブ時の樹脂内での低い熱輸送のため、滅菌には極めて長い処理時間を要し、それでもマトリックス全体で適切に達成されないこともある。
様々な成分を別個に滅菌する例が、ヒトの血液から所定の物質を除去するために用いられる結合タンパク質を含むパイロジェンフリーの無菌カラムの製造方法に関する米国特許第5817528号(Boehm他)に開示されている。米国特許第5817528号によれば、タンパク質含有最終製品の滅菌は、各生産段階でパイロジェンフリーの無菌原料を準備することによって達成される。具体的には、この方法ではパイロジェンフリーの精製タンパク質溶液とアガロースのようなパイロジェンフリーの無菌カラムマトリックス材料とを準備する。パイロジェンフリーの無菌活性マトリックス材料及びパイロジェンフリーの精製タンパク質溶液を次いで無菌条件下で混合してマトリックス材料にタンパク質をカップリングさせ、タンパク質結合マトリックス材料を無菌条件下でパイロジェンフリーの無菌ハウジングに充填してパイロジェンフリーの無菌カラムを得る。しかし、かかるプロセスは数多くの処理段階を必要とし、各段階ごとに総費用が増すので工業プロセスでは不利である。
滅菌溶液での洗浄によって実施されるインサイチュ滅菌に適した液体クロマトグラフィーカラムに関する米国特許第5423982号(Jungbauer他)には、充填クロマトグラフィーカラムの滅菌法が開示されている。出口に多層焼結金属フィルターと波形拡張リングとを備えたクロマトグラフィーカラムの特定の構成によって、微生物が滅菌用溶液から逃れることのできる「デッドスペース」を低減又はなくすと記載されている。米国特許第5423982号で充填ベッドに用いられる滅菌用溶液は1500ppmの過酢酸を滅菌剤として含んでいる。
化学滅菌法のもう一つの例が、強い酸化剤による酸化に高い耐性をもつ液体クロマトグラフィー樹脂の滅菌法に関する米国特許第5676837号(Jungbaruer他)に開示されている。米国特許第5676837号によれば、通例用いられる滅菌剤の一例は中性又は酸性pHのエタノール/水であり、典型的な濃度は約20%エタノールである。しかし、周知の通り、20%エタノールは殺胞子作用がないため、完全には滅菌性でなく、また、かかる処理によって高分子量凝集体が不安定化されかねない。米国特許第5676837号には、機器などに慣用される滅菌技術、即ち湿熱による微生物の破壊は、クロマトグラフィー樹脂の滅菌にはそれらに共通する温度感受性のため用いられてこなかったと記載されている。米国特許第5676837号では、上述の難点を避けるため、濃度約0.1〜2Mの酢酸緩衝液も含有する過カルボン酸の水溶液での洗浄によってクロマトグラフィー樹脂を滅菌する方法が提案されている。滅菌は別の容器で或いは充填クロマトグラフィーカラムに溶液を流すことによって実施できる。
米国特許第5817528号明細書 米国特許第5423982号明細書 米国特許第5676837号明細書
以上要するに、当技術分野では、クロマトグラフィーカラムの胞子破壊を含めた滅菌のための堅固な方法に対するニーズが、特にウィルスベクター及びプラスミドDNAのような大きな目標物質の製造プロセスに関して依然として存在する。特に、滅菌プロセスに適応性のある滅菌充填クロマトグラフィーカラムに対するニーズが存在する。
本発明は、充填クロマトグラフィーカラムの清浄化及び滅菌に関する。本発明の一態様では、充填クロマトグラフィーカラムの新規滅菌法を提供する。これは、充填クロマトグラフィーカラムに水溶液を圧力及び熱と共に加えることによって達成できる。
別の態様では、かかる滅菌法であって、化学薬品を添加せず、マトリックスの充填特性を損なわず、及び/又は官能化クロマトグラフィーマトリックスの結合性を損なわない方法を提供する。
本発明の別の態様では、クロマトグラフィーカラム(特に大規模処理用のもの)を滅菌するための新規システムを提供する。特定の態様では、かかる滅菌システムであって、無菌条件下で大きな製品を精製できるシステムを提供する。
別の態様では、滅菌充填クロマトグラフィーカラムを提供する。
本発明のその他の態様及び利点は、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
図面の簡単な説明
図1は、本発明のプロセスの流れの概略図である。
図2は、実施例1で使用した機器の概略図であり、これについては以下で詳細に説明する。
図3は、実施例2で実施した圧力/流れ試験の結果を示す図である。具体的には、図3aは、アニオン交換基で官能化された滅菌及び非滅菌クロマトグラフィーマトリックスの流れ/圧力試験で得られた結果を示す図であり、図3bは、リガンドのない(官能化されていない)滅菌及び非滅菌クロマトグラフィーマトリックスの流れ/圧力試験で得られた結果を示す図である。
図4は、実施例3におけるアニオン交換基で官能化された滅菌及び非滅菌クロマトグラフィーマトリックスでの機能試験で得られた結果を示す図である。具体的には、3種類のモデルタンパク質の混合物のクロマトグラフィー溶出プロファイルを示す。
図5は、実施例5に記載の液溜め(容器)、ピストンポンプ及びカラムを備える本発明に係る加熱滅菌用のシステムを示す図である。
図6は、実施例6に記載の滅菌前の充填カラムの特性の試験結果を示す図である。
図7は、実施例6に記載の滅菌後の充填カラムの特性の試験結果を示す図である。
定義
クロマトグラフィーカラムに関して「充填」という用語は、容器が固定相(クロマトグラフィー樹脂、分離マトリックス又は媒体としても知られる。)で実質的に充填されていることを意味する。また、当業者には明らかであろうが、「充填」には、カラム全体で均質で一定の流れを示すと一般に認められる段数及び非対称性が想定される(例えば、“Protein Purification” Ed. Jan−Christer Jansson & Lars Ryden; and ”Practical High−Performance Liquid Chromatography”, Veronika R. Meyer , 2nd edition, 1993, Ed. John Wiley & Sons, p.39−40参照)。
「過熱」溶液という用語は、蒸気へと変換されることなく沸点を超える温度に加熱された液体を意味する。
本明細書で用いる「生体分子」という用語は、酵素及び抗体のようなタンパク質、ペプチド、DNA、RNA及びPNAのような核酸、ウィルス、細胞及び細胞成分を包含する。
「バイオバーデン」という用語は、製品及び/又はパッケージで生存可能な微生物の集団を意味する。
「Fo」値という用語は微生物学の分野での通常の定義に従って用いる。例えば、121℃で15分間滅菌したときはF値は15分となる。そこで、Fo値はz値が10℃(18°F)(これはボツリヌス菌のz値である。)の生物を所定数死滅させるのに必要な121.1℃(250°F)での時間を示す基準値である。D値は所定の温度で細菌集団(栄養細胞又は胞子のいずれも)の90%を死滅(1log10サイクル)させるのに必要とされる分単位の時間を示し、z値は所定の熱死滅時間曲線がD値の1logサイクルを超えるのに必要な度(温度)数に相当する。F値は、所定の温度において所定のz値の生物を所定数の死滅させるのに必要な分単位の時間に等しい。従って、F値は滅菌のための熱処理容量の尺度である。
「リガンド」という用語は、本明細書では、目標化合物と相互作用し得る官能基又は分子をいう。クロマトグラフィーマトリックスでは、複数のリガンドが多孔質又は非多孔質担体にリンカー又はスペーサとして知られる長鎖成分を介して結合している。広く知られたリガンドは、荷電基(イオン交換リガンド)、疎水性基、金属と錯化し得る基(IMACリガンド)、抗体抗原相互作用のように特異的標的に生物学的親和性を示す基(アフィニティリガンド)を有する。疎水性基と荷電基のように、かかる相互作用基を2種以上含む混成モードリガンドも周知である。
第1の態様では、本発明は分離マトリックスを充填した1以上のクロマトグラフィーカラムを滅菌する方法であって、カラムの充填材に過熱水溶液を流して1以上の実質的に滅菌された充填クロマトグラフィーカラムを得ることを含んでなる方法に関する。特定の実施形態では、カラムは過熱溶液の通過後に滅菌される。
好適な実施形態は、分離マトリックスを充填した1以上のクロマトグラフィーカラムを滅菌する方法であって、その場の支配的圧力下で過熱水溶液を与える温度に水溶液を加熱し、カラムの充填材に過熱水溶液を流して1以上の実質的に滅菌された充填クロマトグラフィーカラムを得ることを含んでなる方法である。これに関して、水溶液が過熱される温度まで水溶液を加熱することは明らかである。
当業者には明らかであろうが、有効な滅菌に要する過熱水溶液での処理時間(つまり、分離マトリックスと過熱水溶液との接触時間)は、除去すべき夾雑物の性状に依存する。例えば、ある種の細菌は他のものよりも熱処理に弱く、胞子のような他の夾雑物は概して完全に死滅させるのに一段と過酷な条件が必要とされる。好適な実施形態では、溶液を流すことによって、問題とするシステムについてのFo条件を満足する充填カラムの無菌性が得られる。一実施形態では、この方法は過熱水溶液を実質的に均一な流れでカラムの充填材に流すことを含む。
そこで、本発明の方法はあらゆる大きさのクロマトグラフィーカラムに有用であり、上述の通り、滅菌カラムに滅菌クロマトグラフィーマトリックスを充填する必要がない。この方法は簡単な方法であり、自動化システムに容易に適用できる。特定の実施形態では、本発明はカラムに過熱水溶液を流すことによる充填クロマトグラフィーカラムの殺菌に関する。
当業者には明らかであろうが、適当な温度及び圧力は、緩衝液の緩衝成分のように個々のケースで用いられる水溶液に応じて異なる。ただし、標準的な教科書から状態図を容易に入手でき、標準的な水溶液の適切な圧力/温度範囲及び値を知ることができる。そこで、水溶液の温度を、既存の圧力でカラムとその充填材をすべて滅菌できる過熱液を与える温度に維持する。この温度は好ましくは100℃超であり、100〜150℃の範囲、例えば100〜140、好ましくは110〜130℃とし得る。同様に、温度に応じて、圧力は、大気圧を0〜35bar超える範囲、例えば1〜20bar、好ましくは1〜15bar、さらに好ましくは1〜3bar超える範囲とし得る。特定の実施形態では、圧力は大気圧よりも約1bar高い。
一実施形態では、液体を121℃超の温度及び大気圧を1bar以上超える圧力に少なくとも12分間、例えば15分間保つ。さらに長い時間を用いてもよいことは当業者には明らかであろう。
潜在的に有害な化学薬品が滅菌用の液体によって充填クロマトグラフィーカラムに加えられることがないので、本発明の方法の利点はその安全性にある。そこで、液体は純水又は実質的に純粋な水のような水溶液である。ただし、大半のクロマトグラフィー用途では、使用前にカラムを適切な緩衝液で平衡化する。従って、使用準備の整った滅菌クロマトグラフィーカラムを提供するため、本発明の方法の好適な実施形態では、水溶液は緩衝液である。この実施形態では、緩衝液は、PBS又はトリス緩衝液のようなクロマトグラフィーで常用される緩衝液であればよく、NaClのような適当な塩を含んでいてもよい。
以上から明らかな通り、水溶液をカラムに流すが、カラムは通常は管の形をしている。そこで、一実施形態では、カラム内の流れは軸流であり、水溶液はカラムの一端の入口で添加され、入口と実質的に反対側の端部の出口から取り出す。別の実施形態では、カラム内の流れは半径流であり、水溶液をカラムの中央に添加し、カラムの外周から取り出す。カラムの通過は、ポンプ、重力又は差圧によって達成できる。
以上から明らかな通り、充填クロマトグラフィーカラムの滅菌は、本発明では過熱水溶液によって達成される。簡単な実施形態では、水溶液中のクロマトグラフィーマトリックスを含む加圧充填クロマトグラフィーカラムを、カラム周囲の加熱マントルで加熱する。加熱マントルは慣用機器であり、例えば、電気又は蒸気加熱式マントルとして入手できる。別の実施形態では、過熱水溶液をカラムに流す。システム内に所要の圧力を与えるため、好適には加熱開始前に圧力を加える。一実施形態では、この方法はカラムに流す前に水溶液を加熱することを含む。過熱は熱交換器又はボイラーのような慣用ヒーターで達成できる。
当業者には明らかであろうが、充填カラムを有効に滅菌するため、カラム全体の条件の制御を維持し、好ましくは、カラム充填材の非対称性の測定によって制御される液体の均一な流れをできるだけ均一な温度で維持することが重要である。これを監視する最も簡単な方法は、液体の温度が、液体の入口温度、流速、カラム寸法、充填材料、滅菌すべき夾雑物などに応じて設定される所定の値を下回ることがないように、カラムの出口で温度をチェックすることである。そこで、一実施形態では、本発明の方法はカラムの出口で液体温度をモニターすることを含む。これは、周知の通り、簡単な温度センサーで達成できる。一実施形態では、カラムからの出口温度が所定の値に達するまで、加熱した液体を充填カラムに流す。所定の値に達した時点で、処理期間が開始したとみなす。最も好適な実施形態では、管材及び適宜弁などを通しての輸送によってある程度の熱損失が生じるので、液体はカラム内での所要温度よりも高い温度に加熱する。
滅菌システムを制御できるように、センサーで好ましくは加熱又は気化装置にフィードバックして、必要に応じて加熱を補正する。一実施形態では、この方法は、出口での液体温度に基づいてカラム入口での液体温度を制御することを含む。最も好適な実施形態では、かかる制御及び液体温度調節は自動である。
当技術分野で周知の通り、滅菌処理中に充填クロマトグラフィーカラムの均一性を維持することが重要である。これを試験するための慣用法は段数を求めることであり、具体的には、滅菌によって段数に変化がなかったことを確認することである。本発明の好適な実施形態では、滅菌による段数の変化は10%未満、好ましくは5%未満である。段数の測定は当技術分野の常法に従って当業者が容易になし得る。例えば、“Protein Purification”(Ed. Jan−Christer Jansson & Lars Ryden)参照。また、充填クロマトグラフィーカラムの対称性因子も滅菌によって変化すべきでない。そこで、一実施形態では、対称性因子の変化は1.5未満である。対称性因子は、標準的な方法に従って滅菌充填クロマトグラフィーカラムを用いて得られるクロマトグラムから簡単に求まる。
本発明で滅菌されるカラムは、用いる温度及び圧力条件に耐えることが知られている適切な材料からなるものであればよい。そこで、クロマトグラフィーカラムは、例えば適切なプラスチック材料、スチール又はガラスからなるものでもよく、フィルター、分配手段、管材、取付具、バッグのような慣用要素を伴うこともある。当業者には明らかであろうが、用いる圧力及び温度条件に耐えることができるものでなければならないのは、システム全体、つまり上述の慣用要素を含めたカラムである。
カラムに充填し得るクロマトグラフィーマトリックスは、この方法の条件に耐えるものであればどのようなものであってもよく、例えば有機又は無機、多孔質又は非多孔質の実質的に球状の粒子が挙げられる。別の実施形態では、クロマトグラフィーマトリックスは、多孔質モノリスのようなモノリスである。クロマトグラフィーカラムの充填法は当技術分野で周知である。クロマトグラフィー充填材として広く用いられている有機ポリマーの例は、スチレン/DVB共重合体のような合成ポリマー並びに天然ポリマーである。一実施形態では、マトリックスは、アガロース、寒天、セルロース、デキストラン、キトサン、コンニャク、カラギーナン、ジェラン及びアルギン酸塩のような架橋炭水化物材料からなる。かかるマトリックスは常法、例えば逆懸濁ゲル化(S Hjerten: Biochim Biophys Acta 79(2), 393−398(1964))で容易に調製できるし、或いはSepharose(商標)Fast Flow(GE Healthcare社(スウェーデン、ウプサラ))のような市販品として入手することもできる。
クロマトグラフィーマトリックスは、リガンドの固定化のような表面改質で官能化したものでもよい。これに関して、「表面」という用語は、多孔質粒子の外表面と細孔表面とを包括的にいう。表面へのリガンドの固定化法は当技術分野で周知である。例えば、Immobilized Affinity Ligand Techniques, Hermanson et al, Greg T. Hermanson, A. Krishna Mallia and Paul K. Smith, Academic Press, INC, 1992参照。そこで、一実施形態では、多孔質粒子の表面は1以上のリガンドを呈する。
本発明に従って滅菌されるクロマトグラフィーカラムの充填材は、本発明の方法で用いる過熱水溶液での滅菌に耐えることができるものであれば、どのような種類のリガンドを含んでいてもよい。従って、リガンドは、本滅菌法の温度及び/又は圧力条件に弱い官能基、構造又は結合を含んでいるべきではない。例えばある種のペプチド結合は、高温及び/又は高圧に感受性を示すことがある。そこで、特定の実施形態では、リガンドはペプチド結合を含まない。ある種の核酸も、本滅菌法の温度及び/又は圧力条件に感受性を示すことがあり、本発明に従って滅菌するクロマトグラフィーカラムに充填した樹脂のリガンドとしては避けられる。そこで、別の実施形態では、リガンドは本発明の方法の温度及び/又は圧力条件に感受性の核酸を一切含まない。本発明の方法の特定の実施形態では、リガンドは、
イオン交換リガンド、マルチモーダルリガンド、チオフィリックリガンド及び疎水性クロマトグラフィー(HIC)リガンドからなる群から選択される。粒子に固定化されたリガンドは、デキストラン又は合成ポリマーのような「可撓性アーム」としても知られるエキステンダーを介して結合したものでもよい。
本発明者は、上述の米国特許第5676837号(Jungbauer)の記載内容とは逆に、熱湯の使用によって樹脂に影響を与えずにクロマトグラフィー樹脂中の微生物を死滅させることができることを示す。また、本発明の方法は数回繰り返すことができることも判明した。加えて、本発明では、本発明に従って滅菌されるクロマトグラフィーカラムで精製される製品に影響を与える可能性がある化学薬品を一切加えない。さらに、本発明では、均一性のようなカラムの充填特性が処理によって影響されないことが判明した。これは、充填材におけるデッドスペースの問題を避けるために特殊な装備が必要とされることを示唆している上述の米国特許第5423982号(Jungbauer他)に照らすと、極めて予想外の結果である。対照的に、本発明の方法は、段の数又は対称性因子に何ら重大な影響も与えずに、慣用されるあらゆる充填クロマトグラフィーカラムにも適用できる。
本発明は、培地のような流体混合物から1種以上の生体分子を分離するための、上述の滅菌充填クロマトグラフィーカラムの使用も包含する。本発明に従って滅菌されたカラムを用いて精製される製品は、薬剤又は薬剤標的、治療用のベクター、例えば遺伝子又は細胞治療に用いられるプラスミド、ウィルス又は細胞など、機能性食品のような栄養補助食品、診断剤などであってもよい。本発明で精製される生体分子の特定の用途は個別化医療用の薬剤である。
本発明の使用は、捕捉段階、即ち多段階プロトコルにおける最初のクロマトグラフィー段階であってもよい。この実施形態では、製品の純度は、30〜80%のように問題とする生体分子の捕捉で一般に得られるものであればよい。別法では、本発明の使用は、多段階プロトコルにおける中間段階であってもよい。この実施形態では、製品の純度は、70〜95%のように問題とする生体分子の中間洗浄で一般に得られるものであればよい。別の代替形態では、本発明の使用は、高度精製段階、即ち多段階プロトコルにおける最終クロマトグラフィー段階であってもよい。この実施形態では、製品の純度は、95〜99.5%の範囲、好ましくは99.5%以上のように問題とする生体分子の高度精製で一般に得られるものであればよい。
特定の実施形態では、本使用は多段階プロトコルであり、最終製品は実質的に純粋な標品として得られるウィルス及び/又はプラスミドDNAである。ここでいう「実質的に純粋」とは、98%以上の純度をいい、例えば約99%以上、好ましくは約99.5%以上をいう。この実施形態は、本発明に従って滅菌されたシステムに関して以下で説明するように、滅菌充填クロマトグラフィーカラムの使用に加えて、他のプロセス段階を含んでいてもよい。
第2の態様では、本発明は、液溜めと、ヒーターと、1以上の充填クロマトグラフィーカラムと、1以上の温度センサー(好ましくはクロマトグラフィーカラムの出口に配置される。)とを備えたクロマトグラフィーカラムの滅菌システムに関する。このシステムは、一定圧力を維持することができるように周知の方法で密封される。一実施形態では、このシステムは1以上のポンプ及び/又は管材も備える。充填クロマトグラフィーカラムは、上述のようにどのような種類のクロマトグラフィーカラムであってもよい。一実施形態では、充填クロマトグラフィーカラムは、使用回数の限られたクロマトグラフィーカラムであり、これは限られた回数の使用(1〜10回の使用)に最適な充填クロマトグラフィーカラムを意味する。使用回数の限られた製品は商業的には「使い捨て製品」として知られる。
液溜めは水又は水性緩衝液のような上述の水溶液のいずれをを含んでいてもよく、水溶液はシステムを滅菌するため過熱された状態で用いられる。そこで、一実施形態では、ヒーターが所望の温度に水溶液を加熱できる態様で装置に連結される。一実施形態では、ヒーターは熱交換器又はボイラーである。クロマトグラフィーカラム及びその充填材は上述の実施形態のいずれのものでもよい。
本発明は、上述したもののようなシステムに過熱水溶液を流すことによるシステムの滅菌も包含する。一実施形態では、本システムは、1以上の充填クロマトグラフィーカラムの他に、フィルター、容器、緩衝液のような液体及び遠心機からなる群から選択される1以上の構成要素を備える。特定の実施形態では、本システムは、オートクレーブで別途滅菌された発酵槽に連結される。この実施形態では、過熱水溶液は、発酵槽の下流でシステムに添加される。
特定の実施形態では、本発明は、構成要素のキットを滅菌する方法であり、構成要素は別途配置されていてもよいし、或いは特定の制御装置との使用に適した形式で一つに組み立てられていてもよい。かかるキットは、フィルター、容器及び遠心機からなる群から選択される2以上の構成要素を含んでいればよい。
特定の実施形態では、このシステムは、滅菌プロセスで用いられる温度及び/又は圧力の制御のための自動化手段を備える。かかる制御は上述の通り行われ、好ましくはコンピュータで支援される。この種の動作の制御ユニットは当業者に周知である。
本発明に従って滅菌したシステムは、例えばタンパク質、ペプチド、核酸、ウィルス、細胞などの生体分子のような製品を無菌条件下で精製するのに使用できる。このシステムの一つの利点は、生体分子の調製に現在使用されているプロセスでは滅菌濾過が困難な大きなウィルス及び核酸のような大きい分子にも適用できることである。
第3の態様では、本発明は、充填状態で滅菌され、添加された殺菌剤の痕跡を含まない充填クロマトグラフィーカラムに関する。そこで、カラムは潜在的に有害な化学薬品を実質的に含まない。カラムは、上述の材料のいずれからなるものでもよく、上述の充填材のいずれを含んでいてもよい。さらに、本発明の滅菌カラムは、クロマトグラフィーシステムへの取付に適した管材及び取付具を備えていてもよい。本発明の方法は、本態様の充填カラムの滅菌に用いられる。特定の実施形態では、滅菌充填クロマトグラフィーカラムは使用回数の限られたクロマトグラフィーカラムであり、これは限られた回数の使用(1〜10回の使用)に最適な充填クロマトグラフィーカラムを意味する。使用回数の限られた製品は商業的には「使い捨て製品」として知られる。
最後に、本発明は充填クロマトグラフィーカラムの洗浄法であって、カラムの充填材が粒子からなる分離マトリックスを含み、当該方法が、その場の支配的圧力下で過熱水溶液を与える温度まで水溶液を加熱し、カラムの充填材に過熱水溶液を流して1以上の実質的に滅菌された充填クロマトグラフィーカラムを得ることを含む方法も包含する。適切な液体、クロマトグラフィーカラム及び充填材及び機器についての上述の説明は、本実施形態にも同様に当てはまる。本発明の洗浄は、一般に0.1〜1M NaOH、pH14が用いられる慣用の定置洗浄(CIP)プロトコルの代替法として使用することもできる。これによって、試料ローディング緩衝液中でのカラム滅菌と試料ローディングと目標分子の溶出とからなり、次のサイクルを再度開始できるようになるまでの生産サイクルを短縮できる。
図面の詳細な説明
図1は、本発明のプロセスの概略を示す。簡潔に述べると、図1は、カラムを充填し、システムに連結して流れを開始し、最後に熱及び圧力を加えることを示す。
図2は、以下の実施例1で使用する機器の概略を示す。簡潔に述べると、図2は、どのように液体をクロマトグラフィーカラム(抽出セル)に送液し、オーブン内で加熱し、液体をカラムの底部から取り出し、バイアルに回収すればよいかを示す。
図3は、以下の実施例2で実施した圧力/流れ試験の結果を示す。具体的には、図3aは、滅菌及び非滅菌ANX Sepharose 4 Fast Flowの流れ/圧力試験で得られた結果を示す。圧力をx軸にbar単位で示し、流れはy軸にcm/h単位で示す。上の曲線(菱形)は滅菌前の媒体での結果を示し、下の曲線(四角形)は滅菌した媒体での結果を示す。図から明らかな通り、本発明の滅菌は、マトリックスに何ら実質的な影響を与えていない。図3bは、滅菌及び非滅菌Sepharose 4 Fast Flowの流れ/圧力試験による結果を示す。圧力をx軸にbar単位で示し、流れはy軸にcm/h単位で示す。上の曲線(菱形)は滅菌していない媒体での結果を示し、下の曲線(四角形)は滅菌した媒体での結果を示す。図から明らかな通り、本発明の滅菌はマトリックスに何ら実質的な影響を与えていない。
図4は、実施例3に記載のASE処理ANX Sephorose(商標)4 Fast Flow及び未処理ANX Sepharose(商標)4 Fast Flowでの機能試験で得られた結果を示す。溶出量をx軸にml単位で示し、UV吸収率は左側のy軸にmAU単位で示し、導電率は右側のy軸にmS/cm単位で示す。図4は、3種類のタンパク質の混合物のクロマトグラフィー溶出プロファイルを示す。実線は未処理媒体を示し、点線はASE処理媒体を示す。各種タンパク質の保持時間はいずれの媒体でも同じであり、同じ機能性能を示す。
図5は、以下の実施例5に記載の本発明の加熱滅菌に用いたシステムを示す。容器(1)は滅菌用の溶液を含む。液体は弁(V1)を通ってピストンポンプ(P1)に至る。ポンプは高い流れ精度を有し、流量計は必要ない。緩衝液は電気熱交換器(H1)を通過する。センサー(S2)は、熱交換器(H1)を制御する調節装置にフィードバックを与える。別のセンサー(S1)を用いて、弁(V5)で運ばれる圧力を調節する。カラム(C1)の前には、過圧を避けるための安全弁がある。カラム(C1)は、電気加熱式ジャケット(H2)を備える。さらに別のセンサー(T3)で、調節装置制御(H2)にフィードバックする。センサー(S4)で出口温度をモニターする。冷却器(H3)で、システムから圧力弁(V5)を介して離れる前の緩衝液を室温まで冷却する。加熱される機器はすべて縁されている。
図6は、実施例6に記載の本発明の処理を行う前の充填カラムの特性の試験結果を示す。ダウンフロー:4732段/m及び非対称性0.83。アップフロー:5138段/m及び非対称性0.87。
図7は、実施例6に記載の滅菌後の充填カラムの特性の試験結果を示す。ダウンフロー:5777段/m及び非対称性0.89。アップフロー:5574段/m及び非対称性0.88。図6及び図7から明らかな通り、滅菌は充填媒体に悪影響を与えない。
以下の実施例は例示を目的とするものにすぎず、特許請求の範囲で規定される本発明の技術的範囲を限定ものではない。
実施例1:媒体の滅菌
本例では、本発明の滅菌をSepharose 4 Fast FlowとANX Sepharose 4 Fast Flow(いずれもGE Healthcare社(スウェーデン、ウプサラ))の2種類の分離媒体で試験した。
Sepharose 4 Fast Flowは架橋アガロースからなるものであり、ANX Sepharose 4 Fast Flowは高度置換ジエチルアミノエチレンを有するSepharose 4 Fast Flowである。ANX Sepharose 4 Fast Flowを滅菌する際は、媒体の加水分解を避けるため対イオンを移動相に使用した。
滅菌技術の簡単な説明
本例では、高速溶媒抽出(ASE)と呼ばれる加圧流体抽出(PFE)に媒体を曝露した。ASEでは、図2に示すように、媒体をセルに充填し、セルに溶媒を満たしてから加熱・加圧し、温度及び圧力を所定時間保ち、清浄溶媒をセルに送液し、最後にNガスで溶媒をセルからパージする。
装置
試料の予備処理及びセルの充填
ANX Sepharose 4 Fast Flow(HS)に対しては、0.1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/HClを移動相として使用し、Sepharose 4 Fast Flowに対しては、0.1M NaClを使用した。
1.沈降媒体約50mLを、G3ガラスフィルター上で、5×50mlの緩衝液0.1Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/HCl又は0.1M NaClで洗浄した。
2.ゲルをビーカーに移し、実際の緩衝液で希釈して50%ゲル混合物とした。
3.次いで33mL抽出セルに充填した。
滅菌/抽出
充填セルをASEセルホルダーに配置した。緩衝液を溶媒ホルダーに配置した。システムを実際の溶媒で3回濯いだ。25個の試料バイアルを試料ホルダーに配置した。3回分の濯ぎバイアルもセルホルダーの濯ぎ位置に配置した。
滅菌(抽出)に用いた方法パラメータを以下に挙げる。
セル容積は33mlであった。
オーブン温度は121℃であった。
圧力は34.5分であった。
これらの条件での時間は、12分であった。
加熱時間は6分であった。
洗浄量はセル容積の90%であった。
窒素パージは20秒間行った。
サイクル数は1回であった。
滅菌処理を25回繰り返した。
実施例2:ASE処理媒体及び非処理媒体の流れ/圧力分析
材料
G3ガラスフィルター上で25mLのASE処理媒体ANX Sephorase 4 Fast Flow(HS)T−304627及びSepharose 4 Fast Flow T−302447を10カラム体積(cv)の0.1M NaClで別々に洗浄した。ゲル混合物をXK 16/10カラムに流し込み、ゲルを沈降させた。ゲルの高さが10.5cmとなるまでゲル混合物をカラムに追加した。上部アダプターを取り付け、移動相としての0.1M NaClで2mL/minの流速でゲルを充填した。ゲルの高さは2mL/minで100±1mmに調節した。0.1M NaClでの流れ/圧力試験は表2に記載の通り行った。各流速での圧力をモニターし、記録した。カラムは各測定点の間に5分間平衡化させた。
圧力をモニターした流速は5、7、10、12、15、20、25、27、30及び35ml/minであった。
ASE処理していない媒体ANX Sepharose 4 Fast Flow(HS)T−304627及びSepharose 4FF T−302447は上述の手順で試験した。
すべての媒体を流れ/圧力試験した後、同じ流れ特性でのバックグラウンド圧力試験を0.1M NaClのみで実施した(カラムに媒体なし)。
結果
結果を図3a及び図3bに示す。図3a及び図3bから明らかな通り、本発明の滅菌はマトリックスに何ら実質的な影響を与えていない。
実施例3:ANX Sepharose(商標)4 Fast Flowの機能試験
性能
標準及び滅菌(ASE処理)ANX Sepharose 4 Fast Flowを15分間2ml/min(2bar)の流速で4.6/50PEEKカラムに充填した。理論段相当高さ(HETP)を、0.2ml/minの10μl 2M NaClで測定した。次に、カラムを0.1ml/minの20mMピペラジンpH6.2で較正し、20mMピペラジンpH6.2中にGammabind(4mg/mL)とβ−ラクトグロブリンA(11mg/mL)とβ−ラクトグロブリンB(11mg/mL)のモデルタンパク質を含む100μL試料をカラムにロードした。溶出は21カラム体積を超える0.30M NaCl、20mMピペラジンpH6.2への線形勾配で行った。
結果
結果を図4に示す。図4から明らかな通り、本発明の滅菌は媒体に何ら実質的な影響を与えていない。
実施例4:ANX Sepharose 4FFの塩素イオン容量の測定
装置
性能
3Gガラスフィルター上で10mlのASE処理AnX Sepharose 4 Fast Flow(HS)T−304627を10×10mLのミリQ水で洗浄した。洗浄ゲルをビーカーに移し、ミリQ水で希釈して50%ゲル混合物とした。3.735mL試料の取得には「キューブ」を用いた。ゲル混合物を「キューブ」に流し込み、真空吸引を1分間行った。「キューブ」内の真空吸引したゲルをG3ガラスフィルターに移した。重複して分析を行った。2×20mLの0.1M HClをガラスフィルターに添加した。過剰のClは5×0.001M HClで除去した。ゲルを2分間真空吸引し、約80mLの0.1M NaNOで滴定容器に定量的に移した。数滴のHNOを各滴定容器に添加した。各滴定容器を0.0999M AgNOで当量点まで滴定した。ASE処理していないANX Sepharose 4 Fast Flow(HS)T−304627をASE処理媒体と同様に処理し、滴定した。
結果
以下の表に、塩素イオン容量の結果を示す。表1から明らかな通り、本発明の滅菌は媒体に何ら実質的な影響を与えていない。
実施例5:カラムの充填及び滅菌
本実施例で用いたシステムを図5に示す。本例では、本発明の滅菌を1種類の分離媒体Sepharose(商標)4 Fast Flow(GE Healthcare社(スウェーデン、ウプサラ))で試験した。電気加熱式ジャケットを備えたFine Line 100カラム(GE Healthcare社製)に媒体を充填した。12cmの沈降ベッド高さに相当する媒体をカラムに流し込み、カラムを満たすのに十分な精製水(PW)中に懸濁した。カラムアダプターの下に空気がトラップされないようにアダプターを懸濁中に浸漬した。アダプターを60cm/hの速度で下げ、過剰のPWをカラム底部から流出させた。充填媒体が10cmのベッド高さに達した時点で充填を中止した。HETPを実施例6に記載の通り試験した。カラムを図5に示すシステムに接続した。滅菌プロセス中食塩水(0.1M NaSO)をカラムに送液した(120ml/min、90cm/h)。加熱電源を入れ、カラム出口の温度が121℃に達してから処理をさらに20分間続けた後、加熱電源が切った。カラムを流し続けながらシステムを放冷した。カラムが室温に達したら、再度HETPを試験した。
実施例6:カラムのHETP試験
0.01カラム体積の2%アセトンを、実施例5に記載の通り処理したカラムに注入し、30cm/hの流速の精製水(PW)で溶出した。280nmのUVトレースをモニターして、評価に用いた。液体はアップフロー及びダウンフローで注入した。結果を図6及び図7に示す。
本発明のプロセスの流れの概略図。 実施例1で使用した機器の概略図。 アニオン交換基で官能化された滅菌及び非滅菌クロマトグラフィーマトリックスの流れ/圧力試験で得られた結果を示す図。 リガンドのない(官能化されていない)滅菌及び非滅菌クロマトグラフィーマトリックスの流れ/圧力試験で得られた結果を示す図。 実施例3におけるアニオン交換基で官能化された滅菌及び非滅菌クロマトグラフィーマトリックスでの機能試験で得られた結果を示す図であり、3種類のモデルタンパク質の混合物のクロマトグラフィー溶出プロファイルを示す。 実施例5に記載の液溜め(容器)、ピストンポンプ及びカラムを備える本発明に係る加熱滅菌用のシステムを示す図。 実施例6に記載の滅菌前の充填カラムの特性の試験結果を示す図。 実施例6に記載の滅菌後の充填カラムの特性の試験結果を示す図。

Claims (21)

  1. 分離マトリックスを充填した1以上のクロマトグラフィーカラムを滅菌する方法であって、カラムの充填材に、蒸気へと変換させずに沸点を超える温度に加熱された過熱水溶液を流して1以上の実質的に滅菌された充填クロマトグラフィーカラムを得ることを含んでなり、上記水溶液が緩衝液である、方法。
  2. 大気圧を0〜35bar超えるその場の支配的圧力下で過熱水溶液を与える温度に水溶液を加熱し、カラムの充填材に過熱水溶液を流して1以上の実質的に滅菌された充填クロマトグラフィーカラムを得ることを含む、請求項1記載の方法。
  3. 過熱水溶液を実質的に均一な流れでカラムの充填材に流すことを含む、請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. カラム全体を通して過熱水溶液の温度及び圧力を実質的に維持する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 過熱水溶液を充填クロマトグラフィーカラムの一端の入口に添加し、入口と実質的に反対側に位置する出口から取り出す、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 過熱水溶液を充填クロマトグラフィーカラムの中央に添加し、充填クロマトグラフィーカラムの外周から取り出す、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記溶液をヒーターからクロマトグラフィーカラムまで及び/又はクロマトグラフィーカラムを通して送液する、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. さらに、カラム出口で水溶液温度をモニターすることを含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の方法。
  9. 出口の温度に基づいて、カラム入口での温度を制御することを含む、請求項8記載の方法。
  10. 前記マトリックスが多孔質粒子からなる、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記マトリックスが架橋多糖類粒子からなる、請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記マトリックスが合成ポリマー粒子からなる、請求項1乃至請求項10のいずれ1項記載の方法。
  13. 前記マトリックスがモノリシック材料からなる、請求項1乃至請求項9のいずれか1項記載の方法。
  14. 前記多孔質粒子の表面が1以上のリガンドを呈する、請求項10記載の方法。
  15. 前記リガンドが感熱性ペプチド結合を実質的に含まない、請求項14記載の方法。
  16. 前記リガンドが、イオン交換リガンド、マルチモーダルリガンド、チオフィリックリガンド及び疎水性クロマトグラフィー(HIC)リガンドからなる群から選択される、請求項14又は請求項15記載の方法。
  17. 流体混合物から1種以上の生体分子を分離するための、請求項1乃至請求項16のいずれか1項記載の方法で滅菌された充填クロマトグラフィーカラムの使用。
  18. ウィルス及び/又は核酸を実質的に純粋な生成物として得るための、請求項17記載の使用。
  19. 水性緩衝液を含む液溜めと、過熱液体を与えるヒーターと、充填クロマトグラフィーカラムと、クロマトグラフィーカラムの一端に位置する1以上の温度センサーとを備える、クロマトグラフィーカラムの滅菌システム。
  20. 管材、ポンプ手段、弁、フィルター、容器及び緩衝液からなる群から選択される1以上の追加の構成要素を備える、請求項19記載のシステム。
  21. 滅菌処理中の温度及び圧力を制御する自動化手段を備える、請求項19又は請求項20記載のシステム。
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