JP5020875B2 - ガスセンサ - Google Patents

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本発明は、被測定ガス中の所定ガス成分の濃度を測定するためのガスセンサ、特に、窒素酸化物(NOx)の濃度を測定対象とするガスセンサに関する。
従来、被測定ガス中の所望のガス成分の濃度を知るために、各種の測定装置が用いられている。例えば、燃焼ガス等の被測定ガス中のNOx濃度を測定する装置として、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質の層上にPt電極およびRh電極を形成したセンサ素子を有するガスセンサが公知である(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−284223号公報
特許文献1に記載されるようなガスセンサを自動車エンジン等の内燃機関の排気系に取り付けて内燃機関を駆動させる際、排気ガスに含まれる水蒸気が凝縮して水滴となりセンサ素子表面に付着することがある。さらに、付着した水滴は素子表面を移動し、外気を導入するためにセンサ素子表面に設けられた開口部を通じてセンサ素子内部へ侵入することがある。
排気ガスに含まれる水蒸気が凝縮して形成された水滴には、Mg、Na、Ca等の電解質が溶解しているほか、すす等の微粒子成分も含まれている。これらの物質が、所定ガス成分の濃度測定のためにセンサ素子内部に設けられた電極(測定電極)を被覆保護する多孔質体の膜を目詰まりさせることがある(以下、測定電極を被覆保護する多孔質体の膜の目詰まりを生じさせる、Mg、Na、Ca等の電解質、および、すす等の微粒子成分をまとめて汚染物質と称する)。
このような測定電極の保護膜の目詰まりが原因となって、NOx等の被測定ガス成分に対するガスセンサの感度、つまりは測定精度がガスセンサの使用とともに徐々に低下してしまうという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、センサ素子内部への凝縮水の侵入を抑制し、経時的に使用することによる測定精度の低下が抑制されたガスセンサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、被測定ガス中の所定ガス成分を検出するガスセンサであって、表面が撥水性を有する緻密な材料を主成分として構成され、外部空間から被測定ガスを導入する少なくとも一つの開口部を一先端部に備えるセンサ素子と、前記センサ素子の前記一先端部から前記センサ素子の他端部に向かって2mm以上の位置より前記他端部までを覆うように前記センサ素子側面に設けられ、前記センサ素子表面の構成材料よりも多孔性の高い多孔質体からなる多孔層と、備え、前記少なくとも一つの開口部は細長の略矩形状の開口部であり、前記少なくとも一つの開口部の短手方向の長さの和が8μm以上60μm以下であることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のガスセンサにおいて、前記少なくとも一つの開口部の短手方向の長さの和が20μm以上40μm以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のガスセンサにおいて、前記多孔層が前記センサ素子の4つの側面に形成されてなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガスセンサにおいて、前記多孔質体が、アルミナ、アルミナスピネルマグネシウム、およびジルコニアのうちの少なくとも一種類を主成分として構成されてなることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記所定ガス成分が窒素酸化物ガスであり、前記センサ素子がジルコニアを主成分として構成されることによってNOxセンサとなっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガスセンサである。
請求項1ないし請求項5の発明によれば、開口部の短手方向の長さを好適な範囲のものとしているので、素子先端部表面に付着した水滴が開口部を通じてセンサ素子内部へ侵入することを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、開口部の短手方向の長さを、より好適な範囲のものとしているので、素子先端部表面に付着した水滴が開口部を通じてセンサ素子内部へ侵入することをより確実に防ぐことができる。
また、請求項1ないし請求項の発明によれば、センサ素子の一先端部から他端部へ所定の距離より他端部側のセンサ素子側面に多孔層を形成しているので、ガスセンサの一先端部が鉛直上方に向けられ使用される際、センサ素子側面にて多孔層が形成されていない領域に水滴が付着しても、これらは、多孔層へ移動し吸収され、多孔層内部を伝播させられるようになっている。これにより、素子先端部表面への水滴の移動を抑制し、ひいては、センサ素子内部への水滴の侵入を抑制することができる。
<第1の実施の形態>
<ガスセンサの構成概要>
図1は、本発明に係るガスセンサの一例であるガスセンサ100の構成を概略的に示す断面模式図である。ガスセンサ100は、測定対象とするガス(被測定ガス)中の所定のガス成分を検出し、さらにはその濃度を測定するためのものである。本実施の形態においては、ガスセンサ100が窒素酸化物(NOx)を検出対象成分とするNOxセンサである場合を例として説明を行う。係るガスセンサ100は、ジルコニア(ZrO2)等の酸素イオン伝導性固体電解質からなるセンサ素子101を有する。なお、センサ素子101を構成するジルコニア等の固体電解質は、緻密に構成されており撥水性を有している。このため、固体電解質表面に付着した水滴が素子内部に吸収されないようになっている。
図1に例示するセンサ素子101は、それぞれが酸素イオン伝導性の固体電解質からなる第1基板層1と、第2基板層2と、第3基板層3と、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6との6つの層が、図面視で下側からこの順に積層された構造を有する。係るセンサ素子101は、例えば、各層に対応するセラミックスグリーンシートに所定の加工およびパターン印刷などを行った後に、それらを積層して所定の大きさにカットし焼成することによって製造される。
センサ素子101の一先端部であって、第2固体電解質層6の下面と第1固体電解質層4の上面との間には、第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11(以下、第1ガス導入孔10と第2ガス導入孔11とをまとめてガス導入部とも称する)と、第1緩衝空間12と、第1拡散律速部13と、第1内部空所20と、第2拡散律速部30と、第2内部空所40とが、この順に連通する態様にて隣接形成されてなる。以下、第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11が設けられてなる側のセンサ素子101の端部を素子先端部とも称する。
第1緩衝空間12と、第1内部空所20と、第2内部空所40とは、スペーサ層5をくり抜いた態様にて設けられた上部を第2固体電解質層6の下面で、下部を第1固体電解質層4の上面で、側部をスペーサ層5の側面で区画された内部空間である。第1ガス導入孔10と、第2ガス導入孔11と、第1拡散律速部13と、第2拡散律速部30とはいずれも、2本の横長の(図面に垂直な方向に開口が長手方向を有する)スリットとして設けられる。第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11から第2内部空所40に至る部位をガス流通部とも称する。
第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11は、外部空間からセンサ素子101内部に被測定ガスを取り込み、該取り込んだ被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与して第1緩衝空間12へ導入するための部位である。第1ガス導入孔10は、センサ素子101の素子先端部側の表面(素子先端部表面101A)において、外部空間に対して開口する開口部10aを有する。また、第2ガス導入孔11は、素子先端部表面101Aにおいて、外部空間に対して開口する開口部11aを有する。
係るガスセンサ100においては、開口部10aおよび11aを所定の大きさの横長なスリット形状、すなわち、横長の略矩形状とすることで、素子先端部表面101Aに付着した凝縮水のセンサ素子101内部への侵入を抑制できるように構成されている。なお、凝縮水の素子内部への侵入抑制についての詳細は後述する。
第1緩衝空間12は、外部空間における被測定ガスの圧力変動(被測定ガスが自動車の排気ガスの場合であれば排気圧の脈動)によって生じる被測定ガスの濃度変動を打ち消すことを目的として設けられてなる。
第1拡散律速部13は、第1緩衝空間12から第1拡散律速部13に導入される被測定ガスに、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
第1内部空所20は、第1拡散律速部13を通じて導入された被測定ガス中の酸素分圧を調整するための空間として設けられる。係る酸素分圧は、主ポンプセル21が作動することによって調整される。
主ポンプセル21は、第1内部空所20に面する第2固体電解質層6の下面のほぼ全面に設けられた内側ポンプ電極22と、第2固体電解質層6の上面の内側ポンプ電極22と対応する領域に外部空間に露出する態様にて設けられた外側ポンプ電極23と、これらの電極に挟まれた第2固体電解質層6とによって構成される電気化学的ポンプセルである。内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23とは、平面視矩形状の多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2のサーメット電極)として形成される。なお、内側ポンプ電極22は、被測定ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
主ポンプセル21においては、内側ポンプ電極22と外側ポンプ電極23との間にセンサ素子101外部に備わる可変電源24により所望のポンプ電圧Vp1を印加して、外側ポンプ電極23と内側ポンプ電極22との間に正方向あるいは負方向にポンプ電流Ip1を流すことにより第1内部空所20内の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは、外部空間の酸素を第1内部空所に汲み入れることが可能となっている。
第2拡散律速部30は、第1内部空所20から第2内部空所40に導入される被測定ガスに、所定の拡散抵抗を付与する部位である。
第2内部空所40は、第2拡散律速部30を通じて導入された該被測定ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の測定に係る処理を行うための空間として設けられる。
NOx濃度の測定は、測定用ポンプセル41が作動することによって可能となる。測定用ポンプセル41は、第3基板層3の上面と第1固体電解質層4とに挟まれる基準電極42と、第2内部空所40に面する第1固体電解質層4の上面であって、第2拡散律速部30から離間した位置に設けられた測定電極44と、第1固体電解質層4とによって構成された電気化学的ポンプセルである。基準電極42と測定電極44は、いずれも平面視ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極である。なお、基準電極42の周囲には、多孔質アルミナからなり、基準ガス導入空間につながる大気導入層48が設けられてなる。測定電極44は、被測定ガス成分たるNOxを還元し得る金属と、ジルコニアからなる多孔質サーメットにて構成される。これによって、測定電極44は、第2内部空所40内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する。
さらに、測定電極44は、第3拡散律速部45によって被覆されてなる。第3拡散律速部45は、アルミナを成分とする多孔質体によって構成される膜であり、測定電極44に流入するNOxの量を制限する役割を担う。
測定用ポンプセル41においては、測定電極44と基準電極42との間に、直流電源46を通じて一定電圧であるポンプ電圧Vp2が印加されることによって、NOxを還元し、これによって発生した第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間43に汲み出せるようになっている。この測定用ポンプセル41の動作によって流れるポンプ電流Ip2は、電流計47によって検出されるようになっている。
また、第2内部空所40では、あらかじめ第1内部空所20において酸素分圧が調整された後、第2拡散律速部30を通じて導入された被測定ガスに対して、さらに、補助ポンプセル50による酸素分圧の調整が行われるようになっている。これにより、ガスセンサ100においては、高精度でのNOx濃度測定が実現される。
補助ポンプセル50は、第2内部空所40に面する第2固体電解質層6の下面と略全面に設けられた補助ポンプ電極51と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4と、基準電極42とによって構成される、補助的な電気化学的ポンプセルである。
補助ポンプ電極51は、内側ポンプ電極22と同様に、被測定ガス中のNO成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
補助ポンプセル50においては、補助ポンプ電極31と基準電極42との間にセンサ素子101外部に備わる直流電源52を通じて一定電圧Vp3を印加することにより、第2内部空所40内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間43に汲み出せるようになっている。
また、センサ素子101においては、内側ポンプ電極22と基準電極42と、第2固体電解質層6と、スペーサ層5と、第1固体電解質層4とによって電気化学的センサセルである制御用酸素分圧検出センサセル60が構成されている。
制御用酸素分圧検出センサセル60は、第1内部空所20内の雰囲気と基準ガス導入空間43の基準ガス(大気)との間の酸素濃度差に起因して生じる内側ポンプ電極22と基準電極42との間に発生する起電力V1に基づいて、第1内部空所20内の雰囲気中の酸素分圧を検出できるようになっている。検出された酸素分圧は可変電源24をフィードバック制御するために使用される。具体的には、第1内部空所20の雰囲気の酸素分圧が、第2内部空所40において酸素分圧制御が行え得る程度に十分低い所定の値となるように、主ポンプセル21に印加されるポンプ電圧が制御される。
さらに、センサ素子101においては、第2基板層2と第3基板層3とに上下から挟まれた態様にて、ヒータ70が形成されてなる。ヒータ70は、第1基板層1の下面に設けられたヒータ電極71を通して外部から給電されることより発熱する。ヒータが発熱することによって、センサ素子101を構成する固体電解質の酸素イオン伝導性が高められる。ヒータ70は、第1内部空所20から第2内部空所40の全域に渡って埋設されており、センサ素子101の所定の場所を所定の温度に加熱、保温することができるようになっている。なお、ヒータ70の上下面には、第2基板層2および第3基板層3との電気的絶縁性を得る目的で、アルミナ等からなるヒータ絶縁層72が形成されている。
このような構成を有するガスセンサ100においては、主ポンプセル21と補助ポンプセル50とを作動させることによって酸素分圧が常に一定の低い値(NOxの測定に実質的に影響がない値)に保たれた被測定ガスが測定用ポンプセル41に与えられる。従って、NOxの還元によって発生する酸素が汲み出されることによって測定用ポンプセル41を流れるポンプ電流は、還元されるNOx濃度に略比例することになる。これに基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を知ることができるようになっている。
また、係るガスセンサ100においては、外側ポンプ電極23の保護等を目的として、センサ素子101の長手方向(図1においては図面視左右方向)の4つの側面(すなわち、素子先端部表面101Aと辺を共有する側面)に、多孔質体にて構成される多孔層80が形成されている。なお、図1においては、センサ素子101の上下面に形成された多孔層のみを図示している。
多孔層80は、少なくともセンサ素子101を構成する固体電解質よりも多孔性の多孔質体からなり、好ましくは、アルミナ(Al23)、アルミナスピネルマグネシウム(MgAl24)、ジルコニア(ZrO2)のうち少なくとも一種類を主成分として構成される多孔質体からなる層である。
多孔層80は、素子先端部から基準ガス導入空間43側の端部(以下、素子他端部)へ長手方向の所定の距離tの位置より素子他端部側のセンサ素子101側面を、外側ポンプ電極23を含めて覆うように形成されている。係るガスセンサ100においては、このよに多孔層80を形成することによって、外側ポンプ電極23を被覆保護するとともに、センサ素子101側面に付着した凝縮水が素子先端部表面101Aに移動し付着するのを抑制している。凝縮水の素子先端部表面101Aへの到達の抑制についての詳細は後述する。
<ガス導入孔の構成>
次に、第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11によるセンサ素子101内部への侵入の抑制について説明する。上述したように、第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11は、素子先端部表面101Aにおいて、開口部10aおよび11aを有する。
図2は、第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11の形成態様を例示すべく示す、センサ素子101を素子先端部表面101Aの側から見た様子を模式的に示す図である。図2に示すように、第1ガス導入孔10は、第2固体電解質層6の下面に接するように設けられた横長なスリット形状(略矩形状の)の開口部10aを有する。また、第2ガス導入孔11は、第1固体電解質層4の上面に接するように設けられた横長なスリット形状(略矩形状の)の開口部11aを有する。
本実施の形態においては、素子先端部表面101Aにおいて、外気をセンサ素子101内部に取り入れる開口部10aおよび11aをこのように横長のスリット形状とし、さらに、開口部10aおよび11aを好適な大きさとすることで、素子先端部表面101Aに付着した水滴のセンサ素子101内部への侵入を抑制している。素子先端部表面101Aに付着した水滴のセンサ素子101内部への侵入を抑制することによって、排気ガス中の水蒸気が凝縮することで形成される水滴に含まれるMgやすす等の汚染物質がセンサ素子101内部に侵入し、さらに、測定電極44を被覆保護する第3拡散律速部45等への目詰まりすることを抑制することができる。したがって、このような目詰まりによるセンサ出力(ポンプ電流Ip2)の低下、および、センサ出力の低下によって生じるセンサの測定精度の低下を抑制することができる。
実際、水滴の侵入を好適に抑制できる開口部10aおよび11aの大きさは、センサ素子101内部への水滴の侵入を抑制しつつ、かつ、ガスセンサ100における測定の応答性(測定対象とするガス成分の濃度変化に正確かつ迅速に追従した測定が実現される程度)を確保可能な範囲となるように決められる。
図2においては、開口部10aの縦方向(短手方向)の長さを長さx1で、横方向(長手方向)の長さを長さy1で示す。また、開口部11aの縦方向の長さを長さx2、および、横方向の長さを長さy2で示す。また、開口部10aの面積をS1、開口部11aの面積をS2で示す。本実施の形態においては、開口部10aおよび開口部11aの形状は略矩形であるので、S1=x1×y1、S2=x2×y2としてよい。
素子先端部表面101Aに付着した凝縮水のセンサ素子101内部への侵入の抑制を良好に行えつつ、十分なセンサの応答性が確保できる開口部10aおよび11aの範囲は以下で示すものである。
開口部10aおよび11aについては、縦方向の長さx1およびx2との和をXとして、
X=x1+x2
が、8μm以上60μm以下であることが好適である。これは、センサ素子101の厚さに対して、150分の1以上20分の1以下である。さらに好ましくは、長さXが20μ以上40μm以下の範囲である。これは、センサ素子101の厚さに対して、60分の1以上30分の1以下である。
また、開口部10aおよび11aの面積の和をSとして、
S=S1+S2
が、0.02mm2以上0.1mm2以下であることが好適である。これは、素子先端部表面101Aの面積に対して、255分の1以上51分の1以下である。さらに好ましくは、面積Sが0.05mm2以上0.08mm2以下の範囲である。これは、素子先端部表面101Aの面積に対して、102分の1以上64分の1以下である。
なお、実際のガスセンサ100の使用時において、素子先端部表面101Aに付着する水滴の大きさは概ね500μm以上であり、上述したような厚みおよび面積の範囲において、水滴の侵入を良好に防止することができる。
<多孔体層の構成>
次に、多孔層80による凝縮水の素子先端部表面101Aへの付着の抑制について説明する。多孔層80は、上述したように、センサ素子101と長手方向(図1においては図面視左右方向)の4つの側面(すなわち、素子先端部表面101Aと辺を共有する側面)に、所定の厚さで形成されている。多孔層80は、例えば、センサ素子101の製造工程において、焼成を行う前の素子表面に多孔質体を塗布し、その後焼成することによって形成することができる。
ガスセンサ100を実際に自動車エンジン等の内燃機関の排気系に取り付けて使用する際、通常、センサ素子101の先端部をやや鉛直上方に向けて使用することとなる。したがって、多孔層80を備えるガスセンサ100においては、素子先端部表面101Aから長手方向に距離tの領域の素子側面に水滴が付着した場合、該水滴は、緻密に構成された固体電解質表面を伝って、センサ素子他端部の方へ移動することとなる。そして、多孔層80に接触した水滴は、多孔質体の毛細管現象によって多孔層80の内部に吸収され、多孔層80内部を伝播することとなる。ガスセンサ100を実際に使用する際、約800℃で使用されるため、多孔層80内部を伝播した水滴は順次蒸発することとなる。
以上のように、素子側面部において、素子先端部表面101Aから距離tの範囲の素子側面に付着した水滴は、センサ素子101表面の固体電解質層上を伝って、多孔層80に吸収されることとなるので、水滴が素子先端部表面へ移動することおよび付着することを抑制できる。
このような距離tは、Mg等の汚染物質が第3拡散律速部45に目詰まりすることによるセンサの感度の低下を抑制できるような範囲となるように決められることとなる。また、一方で、多孔層80は、外側ポンプ電極23を被覆するように形成される必要もある。多孔層80を形成するにおいて、距離tの好ましい範囲は2.0mm以上である。これは、センサ素子101の長手方向の長さに対して34分の1以上である。
以上のような開口部10aおよび11aの構成によって、係るガスセンサ100においては、素子先端部表面からセンサ素子101内部への水滴の侵入を抑制するのに加えて、さらに、多孔層80によって素子先端部表面への水滴の移動を抑制するので、センサ素子101内部への水滴の侵入を効率よく抑制することができる。これにより、凝縮水に含まれるMgやすす等の汚染物質が素子内部に侵入し、さらに、測定電極44を被覆保護する第3拡散律速部45等への目詰まりを低減することができる。よって、このような目詰まりによるセンサ出力(ポンプ電流Ip2)の低下、および、出力低下によって生じるセンサの測定精度の低下を抑制することができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態に係るガスセンサ100において、第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11は、素子先端部表面101Aに設けられた2本の横長なスリット形状の開口部10aおよび11aを有していた。また、第1ガス導入孔10および第2ガス導入孔11より導入された外気は、第1緩衝空間12、第1拡散律速部13を通して第1内部空所20に導入される態様であった。第2の実施の形態においては、ガス導入部と第1拡散律速部13との間に、さらに、第2緩衝空間14と第4拡散律速部15とを設けてなる。
図3は、第2の実施の形態に係るセンサ素子101の構成を概略的に示す部分拡大図である。具体的には、図面視で下側から、第1固体電解質層4と、スペーサ層5と、第2固体電解質層6と、多孔層80とを示す。なお、ガス導入部と第1拡散律速部13との間に設けられた第2緩衝空間14と、第4拡散律速部15と以外の構成要素については第1の実施の形態に係るガスセンサ100と同様の構成であるので、同一の符号を付してその説明については省略する。
第2緩衝空間14は、第1緩衝空間12同様に、外部空間おける被測定ガスの圧力変動によって生じる被測定ガス中の濃度変動を打ち消すことを目的として設けられてなる内部空間である。
第4拡散律速部15は、ガス導入孔10およびガス導入孔11を通じて第2緩衝空間14に導入された被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与して第1緩衝空間12に導入する部位である。第4拡散律速部15は、第1拡散律速部および第2拡散律速部と同様に、2本の横長なスリットとして設けられる。
また、第2の実施の形態に係るセンサ素子101を素子先端部表面101Aから見た様子は、図2に示すものと同様である。すなわち、第1の実施の形態に係るセンサ素子101と同様の様子をしている。図2に示すように、第1ガス導入孔10は、第2固体電解質層6の下面に接するように設けられた横長なスリット形状(略矩形状の)の開口部10aを有する。また、第2ガス導入孔11は、第1固体電解質層4の上面に接するように設けられた横長なスリット形状(略矩形状の)の開口部11aを有する。
第2の実施の形態に係るガスセンサ100においては、第1の実施の形態に係るガスセンサ100と同様に水滴の侵入および素子先端部表面101Aへの付着を防止するとともに、さらに、第1拡散律速部および第2拡散律速部を設けることによって、外気の脈動によってセンサ素子101内部に急激に導入された被測定ガスの圧力変動を効率よく防止することができる。
また、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、素子先端部表面101Aに付着した凝縮水のセンサ素子101内部への侵入の抑制を良好に行えつつ、十分なセンサの応答性が確保できる開口部10aおよび11aの範囲は以下で示すものである。
すなわち、開口部10aおよび11aについては、縦方向の長さx1およびx2との和をXとして、
X=x1+x2
が、8μm以上60μm以下であることが好適である。さらに好ましくは、長さXが20μ以上40μm以下の範囲である。
また、開口部10aおよび11aの面積の和をSとして、
S=S1+S2
が、0.02mm2以上0.1mm2以下であることが好適である。さらに好ましくは、面積Sが0.05mm2以上0.08mm2以下の範囲である。
<第3の実施の形態>
第1および第2の実施の形態に係るガスセンサ100おいて、ガス導入部は、第1ガス導入孔10が第2固体電解質層6の下面に接する態様にて構成され、第2ガス導入孔11が第1固体電解質層4の上面に接する態様にて構成されていた。第3の実施の形態においては、ガス導入部が第2ガス導入孔11の一方のみで構成される態様について説明する。
図4は、第3の実施の形態に係るガスセンサ100の構成を概略的に示す部分拡大図である。図4に示すガスセンサ100は、図1に示す第1の実施の形態に係るガスセンサ100において、開口部10aの縦方向の長さx1を0とし、ガス導入部を第2ガス導入孔11の一方のみとしたものである。すなわち、素子先端部表面101Aから見た素子先端部表面の様子は図5に示す通りである。また、係る実施の形態においては、図5に示すように、開口部11aにおける縦方向の長さx3、および、横方向の長さy3を示す。また、開口部11aの面積をS3とする。なお、図4および図5において、第1ガス導入孔10および開口部10a以外は第1の実施の形態に係るガスセンサと同様の構成であるので、同一の符号を付してその説明は省略する。
また、第3の実施の形態において、素子先端部表面101Aに付着した凝縮水のセンサ素子101内部への侵入の抑制を良好に行えつつ、十分なセンサの応答性が確保できる開口部11aの範囲は以下で示すものである。
すなわち、開口部11aの縦方向の長さx3が8μm以上60μm以下であることが好適である。さらに好ましくは、縦方向の長さx3が20μ以上40μm以下の範囲である。
また、開口部11aの面積S3が、0.02mm2以上0.1mm2以下であることが好適である。さらに好ましくは、面積S3が0.05mm2以上0.08mm2以下の範囲である。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態においては、ガス導入部が第1ガス導入孔10の一方のみで構成される態様について説明する。
図6は、第4の実施の形態に係るガスセンサ100の構成を概略的に示す部分拡大図である。図6に示すガスセンサ100は、図3に示す第2の実施の形態において、開口部11aの縦方向の長さx2を0とし、ガス導入部を第1ガス導入孔11の一方のみとしたものである。すなわち、素子先端部表面101Aから見た素子先端部表面の様子は図7に示す通りである。係る実施の形態においては、図7に示すように、開口部10aにおける縦方向の長さx4、および、横方向の長さy4を示す。また、開口部10aの面積をS4とする。なお、図6および図7において、第2ガス導入孔11および開口部11a以外は第2の実施の形態に係るガスセンサと同様の構成であるので、同一の符号を付してその説明は省略する。
また、第4の実施の形態において、素子先端部表面101Aに付着した凝縮水のセンサ素子101内部への侵入の抑制を良好に行えつつ、十分なセンサの応答性が確保できる開口部10aの範囲は以下で示すものである。
すなわち、開口部10aの縦方向の長さx4が8μm以上60μm以下であることが好適である。さらに好ましくは、縦方向の長さx4が20μ以上40μm以下の範囲である。
また、開口部10aの面積S4が、0.02mm2以上0.1mm2以下であることが好適である。さらに好ましくは、面積S4が0.05mm2以上0.08mm2以下の範囲である。
<変形例>
以上の説明においては、ガス導入孔および開口部が一つ、あるいは、二つの場合について説明したが、本発明の適用はこれに限られるものではなく、三つ以上のガス導入孔および開口部を有する構成であってもよい。
(実施例1)
本実施例では、開口部10aおよび開口部11aの縦方向の長さを違えた(すなわち、開口部10aおよび開口部11aの面積を違えた)種々のガスセンサ100を用意し、その応答性と、開口部10aおよび11aを好適な範囲とした場合のセンサ出力の劣化(つまり、測定精度の劣化)の抑制効果について試験を行った。
係る実施例においては、以下のようなガスセンサを用いて試験を行った。図8は、実施例1に係るガスセンサの構成を概略的に示す部分拡大図である。実施例1に係るガスセンサは、第1の実施の形態の形態に係るガスセンサにおいて、距離tを0としたものである。以下に、上記の実施例1に係るガスセンサを用いて行った試験の方法を説明する。
まず、Mg等の汚染物質を含む水滴が付着した状態を再現すべく、ガスセンサの第2固体電解質層6の上面が上側とした状態で、約100℃にセンサ素子を加熱したうえで、汚染物質を含む水滴のモデルとしての硝酸マグネシウム溶液(0.01mol/kg)を該素子ポンプ面に滴下した。該滴下は、10分間の間に計10ml行った。
なお、100℃程度に加熱するのは、本実施の形態に係るガスセンサを自動車エンジン等の内燃機関の排気系に取り付けて内燃機関を始動させる際の加熱状況を再現したものである。係る態様で使用される場合、ガスセンサは、クラックの発生防止のために約100℃に保持される。そして、このガスセンサを乾燥させた後、応答性の評価とセンサ出力の変化の評価とを行った。
ガスセンサの応答性の評価は、ガス導入部から導入された被測定ガスが、ガス流通部にて所定の処理を受けつつ第3拡散律速部45を通って測定電極へ到達した後、ポンプ電流Ip2として電流計47に検出されるまでの時間(応答時間)を求めることによって行われる。本実施例においては、上記の硝酸マグネシウム溶液の滴下を実施例1に係るガスセンサおよび以下に説明する比較例に係るガスセンサに対して行い、さらに、比較例に係るガスセンサの応答時間に対する実施例1に係るガスセンサの応答時間の比率を算出して、応答性の評価を行った。
図9は、比較例に係るガスセンサの構成を概略的に示す部分拡大図である。比較例に係るガスセンサは、第2の実施の形態に係るガスセンサ100において、ガス導入部の開口部の縦方向の長さをスペーサ層5の厚さと等しくしたものである。すなわち、第2の実施の形態に係る緩衝空間14が比較例に係るガスセンサにおいては、ガス導入孔16として機能することとなる。また、係るガスセンサにおける開口部位を開口部16aとして示す。素子先端部表面101Aの様子は図10に示すものである。比較例に係るガスセンサの開口部の縦方向の長さx5は0.2mmである。また、開口部の面積S5は、0.5mm2である。
応答時間の測定は、液化天然ガスと空気とを燃焼させNOxを含む混合気中のNOx濃度をガスセンサにて測定している際に、空気とNOをパルス的に注入し、該注入により生じる被測定ガス中のNO濃度変化が、ポンプ電流Ip2として電流計47に検出されるまでに係った時間を測定することで行われる。応答時間が短いほどセンサの応答性は高く、一方、応答時間が長いほどセンサの応答性は低いこととなる。本実施例では、ガスの温度を330℃〜370℃、ガスの流速を8〜12m/sとした。
続いて、上記の応答性の試験を行った実施例1に係るガスセンサについて硝酸マグネシウム溶液滴下前後におけるセンサ出力の変化の程度を評価した。
具体的には、実施例1に係るガスセンサについて、被測定ガス中のNO濃度を違えたときのポンプ電流Ip2の値の変化量を、前述の硝酸マグネシウム溶液(0.01mol/kg)の滴下前後において求めることで、センサ出力の劣化、すなわち、測定精度の劣化の程度を評価した。ここで、実施例に係るガスセンサの硝酸マグネシウム溶液滴下前における、被測定ガス中のNO濃度を違えたときのポンプ電流Ip2(センサ出力)の変化量はあらかじめ測定している。
被測定ガスとしては、窒素(N2)にH2Oを3%含む混合気(NOを含まない、すなわち、NO濃度が0ppmの混合気)と、係る混合気にさらにNOを500ppm含む混合気とを用いた。測定の際のガス流量は5L/min、ガス温度は40℃〜80℃とした。
硝酸マグネシウム溶液滴下前の、NOが0ppmのときとNOが500ppmのときのポンプ電流Ip2の出力差をDi、硝酸マグネシウム溶液滴下後の該出力差をDfとして、出力の変化率Dを、
D=(Df−Di)/Di ・・・(式1)
によって算出した。
図11は、開口部の縦方向の長さの和とセンサの応答性との関係及びセンサ出力の変化率との関係を示す図である。開口部の縦方向の長さの和が、8μm以上60μm以下である場合に、応答時間の比率が1.2であり、かつ、センサ出力の変化率が−10%の範囲であることが確認された。応答時間の比率およびセンサ出力の変化率がこのような範囲である場合、素子先端部表面101Aに付着した凝縮水のセンサ素子101内部への侵入の抑制を実現しつつ、かつ、十分なセンサの応答性が確保される。
図12は、開口部の面積の和とセンサの応答性との関係およびセンサ出力の変化率との関係を示す図である。
図12においても図11に示したのと同様に、開口部の面積の和が、0.02mm2以上0.1mm2以下である場合に、応答時間の比率が1.2であり、かつ、センサ出力の変化率が−10%の範囲であることが確認された。応答時間の比率およびセンサ出力の変化率がこのような範囲である場合、素子先端部表面101Aに付着した凝縮水のセンサ素子101内部への侵入の抑制を実現しつつ、かつ、十分なセンサの応答性が確保される。
以上より、ガス導入孔を上記のような好適な範囲の厚み、あるいは、面積とすることで、素子内部への水滴の侵入の抑制、つまり、汚染物質を含有する凝縮水が素子内部へ侵入による第3拡散律速部45の目詰まりを原因としたセンサ出力の低下、および、センサの測定精度の低下の抑制に効果があることが確認された。
(実施例2)
本実施例では、多孔層80の素子先端部表面101Aからの距離tを違えた種々のガスセンサ100を用意し、そのガスセンサの出力の劣化(つまり、測定精度の劣化)の抑制効果についての試験を行った。
係る実施例においては、以下のようなガスセンサを用いて試験を行った。図13は、実施例2に係るガスセンサの構成を概略的に示す部分拡大図である。図13において示すガスセンサについて、距離tを違えて試験を行った。図13に示す、実施例2に係るガスセンサは、図9に示すガスセンサ(実施例1における比較例に係るガスセンサ)において、距離tを種々の値に違えたものを示す。
試験は、実施例1におけるセンサ出力の変化の評価と同様の方法および試験条件にて行った。すなわち、係るガスセンサについて、被測定ガス中のNO濃度を違えたときのポンプ電流Ip2の値の変化量を、硝酸マグネシウム溶液(0.01mol/kg)の滴下前後において求めることで、センサ出力の変化、すなわち、測定精度の劣化の程度を評価した。なお、実施例1と同様に、センサ出力の変化率Dを(式1)にて算出した。
図14は、距離tに対するセンサ出力の変化率Dを示す図である。なお、距離tが0である点は、図9に示すガスセンサと同様のもの(実施例1の比較例に係るガスセンサと同様のもの)のセンサ出力の変化率を示すものである。
図14に示すように、距離tが0である場合と比較して、実施例に係るガスセンサはセンサ出力の変化率が小さくなることが確認された。距離tが2mm以上であるとき、センサ出力の変化率が0%〜−10%となることが確認された。センサ出力の変化率がこのような範囲にある場合は、素子先端部表面101Aに付着を抑制することができる。
以上より、多孔層80の位置を距離tより素子他端部側とすることにより、汚染物質を含有する凝縮水が素子内部へ侵入することによる第3拡散律速部45の目詰まりを原因としたセンサ出力の低下、および、センサの測定精度の低下の抑制に効果があることが確認された。
ガスセンサ100の構成を概略的に示す断面模式図である。 センサ素子101を素子先端部表面101Aの側から見た様子を模式的に示す図である。 第2の実施の形態に係るガスセンサ100の構成を概略的に示す部分拡大図である。 第3の実施の形態に係るガスセンサ100の構成を概略的に示す部分拡大図である。 第3の実施の形態に係るセンサ素子101を素子先端部表面101Aの側から見た様子を模式的に示す図である。 第4の実施の形態に係るガスセンサ100の構成を概略的に示す部分拡大図である。 第4の実施の形態に係るセンサ素子101を素子先端部表面101Aの側から見た様子を模式的に示す図である。 実施例1に係るガスセンサの構成を概略的に示す部分拡大図である。 比較例に係るガスセンサの構成を概略的に示す部分拡大図である。 比較例に係るセンサ素子を素子先端部表面101Aの側から見た様子を模式的に示す図である。 開口部の縦方向の長さの和とセンサの応答性との関係及びセンサ出力の変化率との関係を示す図である。 開口部の面積の和とセンサの応答性との関係およびセンサ出力の変化率との関係を示す図である。 実施例2に係るガスセンサの構成を概略的に示す部分拡大図である。 距離tとセンサ出力の変化率との関係を示す図である。
符号の説明
1 第1基板層
2 第2基板層
3 第3基板層
4 第1固体電解質層
5 スペーサ層
6 第2固体電解質層
10 第1ガス導入孔
11 第2ガス導入孔
80 多孔層
100 ガスセンサ
101 センサ素子

Claims (5)

  1. 被測定ガス中の所定ガス成分を検出するガスセンサであって、
    表面が撥水性を有する緻密な材料を主成分として構成され、外部空間から被測定ガスを導入する少なくとも一つの開口部を一先端部に備えるセンサ素子と、
    前記センサ素子の前記一先端部から前記センサ素子の他端部に向かって2mm以上の位置より前記他端部までを覆うように前記センサ素子側面に設けられ、前記センサ素子表面の構成材料よりも多孔性の高い多孔質体からなる多孔層と、
    を備え、
    前記少なくとも一つの開口部は細長の略矩形状の開口部であり、前記少なくとも一つの開口部の短手方向の長さの和が8μm以上60μm以下であることを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1に記載のガスセンサにおいて、
    前記少なくとも一つの開口部の短手方向の長さの和が20μm以上40μm以下であることを特徴とするガスセンサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガスセンサにおいて、
    前記多孔層が前記センサ素子の4つの側面に形成されてなることを特徴とするガスセンサ。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のガスセンサにおいて、
    前記多孔質体が、アルミナ、アルミナスピネルマグネシウム、およびジルコニアのうちの少なくとも一種類を主成分として構成されてなることを特徴とするガスセンサ。
  5. 前記所定ガス成分が窒素酸化物ガスであり、前記センサ素子がジルコニアを主成分として構成されることによってNOxセンサとなっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のガスセンサ。
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