JP5019448B2 - 易開栓合成樹脂製キャップ - Google Patents
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Description
請求項2の発明は、上記問題点を解決する本発明の易開栓合成樹脂製キャップであって、筒壁外周部にナールが形成された螺子式合成樹脂製キャップにおいて、前記ナールの表面全体又は一部に微細凹凸が形成され、該微細凹凸は、表面粗さ基準線から10μm以上の凹凸が11〜40個/10mmの分布で存在しており、前記微細凹凸は、金型のナール形成キャビティ面にエッチング処理により微細凹凸を施し、該ナール形成キャビティ面が転写されることにより形成されたものであることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の易開栓合成樹脂製キャップにおいて、前記微細凹凸を施したナール表面の表面粗さは、最大高さRyが25〜100μmであることを特徴とするものである。
そして、微細凹凸をエッチング加工により形成することによって、ナール部表面をブラスト加工で粗面に形成した場合と比べて、粗面を形成する単位長あたりの山と谷の数を増大させることができ且つ高低差が大きくなり、加工面全体に安定した良好な粗面が得られ、接触面積を増大させる所望の微細凹凸を形成することができる。
そして、金型に形成したナール形成面の微細凹凸がキャップ成形時に転写されることにより、自動的にナール面全体或いは一部に微細凹凸が形成されるので、微細凹凸形成のための加工工程を設ける必要がなく、安価に易開栓キャップを得ることができる。
また、請求項3の発明によれば、前記請求項1又は2の効果をより効果的に達成するのに望ましいナールの微細凹凸加工面が得られる。表面粗さRyが25μ以下であると微細凹凸による接触面積の増大効果が少なく、100μ以上であると粗すぎて握った感じに違和感を与えると共にキャップ成形後の離型性が悪くなるので上記範囲が望ましい。
図1は、本実施形態に係る螺子式易開栓合成樹脂製キャップを示し、全体構成として筒壁外周面にナールが形成されている螺子式キャップであればよく、従来公知のキャップ構造が採用できる。本実施形態の易開栓合成樹脂製キャップ1は、天壁2から垂下し内周面に雄ネジが形成されている筒壁3の外周面にナール4が形成されている。ナール4は、図1に示すように筒壁上端部から筒壁下端リブ部5との間に周方向に等ピッチで形成されている。図1に示す実施形態のキャップは、アセプティック充填ボトル用キャップとして使用されるものである。ホットパック用と比べてナール数が少なくピッチが大きく、筒壁下端リブ部5の下端には複数本のブリッジ8を介してタンパーエビデントバンド(以下、TEバンドという)10が設けられている。ブリッジが形成されている筒壁下端リブ部5の下端とTEバンド上端との間の架橋部空間には、閉栓後のさらなる閉栓方向への回転に対して互いに係止関係にあり、開栓方向の回転に対してはカム作用関係にある筒壁側突起11及びTEバンド側突起12が形成されている。また、TEバンド10の内周面には開栓時にボトル顎部と係止するフラップ片等の係止部材が形成されている。
28mm口径ボトル用の図1に示す形状の合成樹脂製キャップを成形するための金型のキャビテイ型において、筒壁外周面のナール形成面のt1の範囲に相当する部分を除き他の部分をマスキングして、該金型のキャビティ面を次の条件で湿式エッチングを行なって、金型のナール形成キャビティ面に微細凹凸を形成した。
湿式エッチング:
マスキングを実施した金型のキャビティ型に耐酸系インクでエッチングパターンを転写した後、金型の前記ナール形成面のt1の範囲に、最大表面粗さRy=50μmを形成目標に、硝酸系腐食液に所定時間浸漬し、キャビティ型面の所定箇所に微細凹凸をエッチング処理により形成して、実施例の金型を得た。
合成樹脂キャップのナール面への微細凹凸の形成
以上のようにしてエッチングして粗面化処理した実施例の金型を用い、射出成形によりナール形成面のt1に示す範囲が微細凹凸加工された図1に示すような実施例の合成樹脂キャップを得た。
比較例1として、金型に実施例と同範囲に湿式エッチング処理により微細凹凸加工を施した。但し、比較例1では、最大表面粗さ30μmを形成目標に、実施例より短い時間硝酸系腐食液に浸漬し、キャビティ型面の所定箇所に微細凹凸をエッチング処理により形成して比較例1の金型を得た。得られた比較例1の金型を用いて射出成形して比較例1の合成樹脂キャップを得た。
比較例2、3として、実施例、比較例1と同様な形状の28mm口径ボトル用の合成樹脂キャップ成形用の金型のキャビティ型において、同様に非加工面をマスキングしてナール形成型面の同じ範囲をブラスト処理して微細の凹凸を形成した。ブラスト処理による加工も実施例の場合と同様に、金型のキャビティ面の最大表面粗さ50μmを目標にブラスト処理した比較例2の金型と、30μmを目標にブラスト処理した比較例3の金型を得た。得られた金型を用いて、合成樹脂キャップを射出成形して、スカート壁のナール形成面の所定範囲に微細な凹凸が形成された比較例2、3の合成樹脂キャップを得た。
粗さの測定は、実施例及び比較例とも同様に、ミツトヨ社製「SURF TEST」(商品名)表面粗さ測定器を用い、キャップのナール山面をキャップ天面からみて周方向に0゜、90゜、180゜、270゜間隔で、軸方向10mmの範囲にわたって計4箇所で表面粗さを測定した。その測定結果を、実施例は図3に示し、比較例1〜4は図4〜図7に示している。なお、図示のグラフにおいて測定データの基準線(ゼロライン)は、粗さ曲線において偏差の二乗和が最小となる直線(最小二乗法)としている。その測定範囲における基準線から最も高い点までの高さと最も低い点までの深さの和を最大粗さ(Ry)と定義した場合、ナール形成面の周方向90゜毎の4箇所おいて10mmの範囲では、表1及び図3に示すように最大粗さ(Ry)は29.1〜37.8μmの範囲にあり平均が34.1μmであった。また、同様に比較例1では、最大粗さ(Ry)が19.1〜20.5μmの範囲にあり、平均が20.1μmであった。
前記実施例及び比較例1〜3の方法で製造した各合成樹脂キャップを比較例4(基準キャップ)との一対比較法によって開栓官能評価をおこなった。官能試験は、同一条件で、容量500mlのPETボトルに室温の内容液490mlを充填後、スタティックトルク150〜155N・cm、トップロード180N、ヘッド回転数200cpmで実施例及び比較例1〜4の各キャップを巻き締め、5℃の雰囲気で1週間保持したサンプルを、キャップ外面を濡らした状態で一般パネル24人に両者を開栓してもらい、明け易かった方を選択してもらう方式とした。最終的に得られた結果をサーストン・モステラー法(Thurston Mosteller法)を用いて有意差検定を行なった。
その結果を表1に示す。表1において、比較例4の基準キャップと比べて開栓し易いものに有意差を有するものには“有意差有り”、有意差がなかったものを“−”とした。その結果、実施例のキャップは基準キャップと比べ、24人中18人が明け易いと答えた。この結果は、上記有意差検定で危険率5%で「有意差有り」と検定される。したがって、実施例の場合は、基準キャップと比べて明らかに指滑りが少なく容易に開栓することができ、且つ指への違和感や痛みも生じない良好な開栓性を有していることが確認された。これに対して、比較例1〜3では、ナール面に微細凹凸を形成しているにも関わらず基準キャップとの有意差はなかった。
したがって、この実施例及び比較例からして、上記官能試験において実施例のみが開栓性に有意差を有し、比較例1〜3がナール表面に実施例と同様に微細凹凸加工を施しているにも関わらず、基準キャップと比べて開栓性に有意差を有しないという差が生じる原因は、単に粗面であるばかりでなく単位当たりの所定高さ以上の山(谷)の本数が存在する微細凹凸の分布状態が開栓性に最も影響を及ぼしていることにあるものと推察される。
金型のキャビティ面に微細凹凸加工を施すことによって、キャップ成形において樹脂とキャビティ型面が微細凹凸嵌合状態となるので、成形後の型抜き抵抗が増大し離型性が悪くなることが予測される。そこで、実施例及び比較例において、成形後の離型性をナール成形型面に微細凹凸加工が施されていない従来の金型で比較例4の合成樹脂キャップを成形する場合との離型性を比較した。その結果、実施例および比較例1〜3いずれの場合も基準キャップを成形する場合と殆ど変わらず、上記範囲の粗面粗さでは離型性に影響を与えないことが確認された。
2 天壁
3、21 筒壁
4、22 ナール
5 筒壁下端リブ部
8 ブリッジ
10 TEバンド
15、23 微細凹凸
Claims (3)
- 筒壁外周部にナールが形成された螺子式合成樹脂製キャップにおいて、前記ナールの表面全体又は一部に微細凹凸が形成され、該微細凹凸は、表面粗さ基準線から10μm以上の凹凸が11〜40個/10mmの分布で存在しており、前記微細凹凸がエッチング加工により形成されたものであることを特徴とする易開栓合成樹脂製キャップ。
- 筒壁外周部にナールが形成された螺子式合成樹脂製キャップにおいて、前記ナールの表面全体又は一部に微細凹凸が形成され、該微細凹凸は、表面粗さ基準線から10μm以上の凹凸が11〜40個/10mmの分布で存在しており、前記微細凹凸は、金型のナール形成キャビティ面にエッチング処理により微細凹凸を施し、該ナール形成キャビティ面が転写されることにより形成されたものであることを特徴とする易開栓合成樹脂製キャップ。
- 前記微細凹凸を施したナール表面の表面粗さは、最大高さRyが25〜100μmである請求項1又は2に記載の易開栓合成樹脂製キャップ。
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