JP5019128B2 - 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法 - Google Patents

動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5019128B2
JP5019128B2 JP2008073758A JP2008073758A JP5019128B2 JP 5019128 B2 JP5019128 B2 JP 5019128B2 JP 2008073758 A JP2008073758 A JP 2008073758A JP 2008073758 A JP2008073758 A JP 2008073758A JP 5019128 B2 JP5019128 B2 JP 5019128B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chain
power transmission
pulley
transmission member
width direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008073758A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009228748A (ja
JP2009228748A5 (ja
Inventor
繁夫 鎌本
こず恵 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2008073758A priority Critical patent/JP5019128B2/ja
Publication of JP2009228748A publication Critical patent/JP2009228748A/ja
Publication of JP2009228748A5 publication Critical patent/JP2009228748A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5019128B2 publication Critical patent/JP5019128B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法に関する。
例えば、自動車のプーリ式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)等の動力伝達装置に用いられる無端状の動力伝達チェーンは、複数のリンクプレートをピンで連結して形成されており、一対のプーリに巻き掛けられた状態で使用される。
ピンの一対の端面がプーリのシーブ面に係合することにより、動力伝達チェーンとプーリとの間で動力が伝達される。
特開2006−144929号公報
CVTの場合、動力伝達チェーンに関するプーリの巻き掛け半径(以下、プーリの巻き掛け半径という)は、変化する。また、プーリの巻き掛け半径の上限および下限は、CVTが搭載される車両の仕様等に応じて様々である。このため、CVTの駆動時における、プーリへのピンの進入角度は、一定ではない。このため、プーリの巻き掛け半径に応じて、ピン端面のうちプーリに接触する箇所が異なってくる。その結果、プーリの巻き掛け半径によっては、ピン端面のエッジがプーリに接触するエッジ当たりが生じるおそれがある。エッジ当たりが生じると、ピン端面やプーリのシーブ面の摩耗が促進されてしまう。
エッジ当たりを抑制するために、例えば、CVTの仕様に応じて、リンクに対するピンの向き(迎え角)を変更することが考えられる。しかしながら、この場合、リンクの形状を変更してリンクに対するピンの向きを変更する必要がある。リンクは、通例、プレス加工によって形成されるので、金型の形状変更が伴い、手間がかかる。
本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、摩耗が生じ難く、しかも摩耗を抑制するための設計変更を容易に行える動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、チェーン進行方向(X)に並ぶ複数のリンク(2)と、チェーン進行方向とは直交するチェーン幅方向(W)に延び、複数のリンクを互いに連結する複数の連結部材(50)とを備え、上記連結部材は、プーリ(60,70)のシーブ面(62a,63a,72a,73a)に動力伝達可能に接触する端面(17,17A)を有する長尺の動力伝達部材(3,3A)を含み、上記動力伝達部材は、チェーン幅方向に沿って延び且つチェーン進行方向とは反対の方向を向く平坦な後面(13)を含み、上記端面には、上記動力伝達部材がプーリに噛み込むときに上記端面とプーリとの間に楕円形状の接触領域(21,21A)を形成するための凸湾曲部(20,20A)が形成され、上記動力伝達部材をチェーン幅方向から見たときに、上記凸湾曲部は、下記の条件1)および2)を満たす中心(M)および上記接触領域の長手方向に沿う主方向(N1,N1A)を有していることを特徴とする動力伝達チェーン(1,1A)を提供するものである。1)上記後面とは直交する方向を動力伝達部材の厚み方向(K2)とし、上記後面に沿い且つ上記チェーン幅方向とは直交する方向を動力伝達部材の高さ方向(K1)として、上記凸湾曲部の上記中心は、動力伝達部材の厚み中心および高さ中心の双方に一致する位置またはこの位置の近傍に配置されている。2)上記動力伝達チェーンをチェーン幅方向から見たときに、上記凸湾曲部の上記主方向は、上記後面に対して、上記プーリに対する動力伝達部材の進入角度(Z)の大きさに応じて設定された所定の傾斜角度(P)で傾斜している(請求項1)。
通例、動力伝達チェーンは、複数(例えば、2つ)のプーリに巻き掛けられるようになっている。そして、チェーン進行方向の上流側のプーリから送り出された動力伝達部材が、順次、下流側のプーリに噛み込まれる。ここで、上流側のプーリと下流側のプーリとの間で変速が行われる場合には、動力伝達部材は、所定の進入角度を持って上記下流側のプーリに噛み込まれる。その結果、動力伝達部材の端面の凸湾曲部のうち、端面の外周縁部(エッジ)近傍に接触領域が形成される傾向となる。また、進入角度によって、端面における接触領域の位置は異なってくる。
本発明によれば、凸湾曲部の主方向を後面に対して所定の傾斜角度で傾斜させ、且つ、凸湾曲部の中心を、動力伝達部材の厚み中心および高さ中心の双方に一致する位置またはこの位置の近傍に配置している。その結果、動力伝達部材が所定の進入角度を持ってプーリに噛み込まれたときに、端面のうち接触領域が形成される部分を端面の中心近傍に配置できるとともに、接触領域の面積を十分に確保することができる。これにより、端面の外周縁部にプーリのシーブ面が接触するエッジ当たりを防止できる。したがって、端面の局所的な摩耗やプーリに対するスリップを防止して実用上の耐久性を十分に確保できる。また、プーリへの進入角度が異なるようにされた動力伝達チェーンについては、端面における接触領域の位置は異なってくるが、このような動力伝達チェーンに対しては、端面の凸湾曲部の主方向の向きを変更する小変更で済み、摩耗を抑制するための設計変更を容易に行うことができる。
また、本発明において、上記プーリに対する動力伝達部材の進入角度(Z)の大きさに応じて、上記傾斜角度が設定されているので、端面のうち接触領域が形成される部分の面積をより多く確保でき、その結果、エッジ当たりをより確実に防止できる。
また、本発明において、相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリ(60,70)と、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する上記の動力伝達チェーンとを備える場合がある(請求項)。
この場合、実用上の耐久性に優れ、さらには動力伝達部材の進入角度の変更に応じた動力伝達部材の設計変更を容易に行うことのできる動力伝達装置を実現できる。
また、本発明は、チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、チェーン進行方向とは直交するチェーン幅方向に延び、複数のリンクを互いに連結する複数の連結部材とを備え、上記連結部材は、プーリのシーブ面に動力伝達可能に接触する端面を有する長尺の動力伝達部材を含み、上記動力伝達部材は、チェーン幅方向に沿って延び且つチェーン進行方向とは反対の方向を向く平坦な後面を含み、上記端面には、上記動力伝達部材がプーリに噛み込むときに上記端面とプーリとの間に楕円形状の接触領域を形成するための凸湾曲部が形成される動力伝達チェーンの製造方法において、チェーン直線領域でのリンクに対する動力伝達部材の外周部(11)の位置を変化させることなく、プーリに対する動力伝達部材の進入角度の大きさに応じて、チェーン直線領域での動力伝達部材をチェーン幅方向から見たときの上記凸湾曲部の上記接触領域の長手方向に沿う主方向の向きを変化させることを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法を提供するものである(請求項3)。
通例、リンクは、金型を用いてプレス成形される。このため、動力伝達部材の進入角度の変更に応じてリンクの形状を異ならせることにより、リンクによって保持される動力伝達部材の向きを最適化することは、金型の変更等の、手間が大きく且つコストのかかる作業が必要である。
これに対し、本発明によれば、研削等によって形成される端面の形状を変更するというわずかな変更作業で、動力伝達部材の進入角度の変更に応じて端面形状を最適化できる。したがって、動力伝達部材が所定の進入角度を持ってプーリに噛み込まれたときに、端面のうち接触領域が形成される部分の面積を十分に確保するための設計変更作業が、簡易で済む。このように、簡易な作業で、動力伝達部材の進入角度に応じて、端面に十分な面積の接触領域を形成できることから、端面の外周縁部にプーリのシーブ面が接触するエッジ当たりを防止でき、端面の局所的な摩耗を防止して実用上の耐久性を十分に確保できる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施の形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える動力伝達装置としてのチェーン式無段変速機(以下では、単に無段変速機ともいう)の要部構成を模式的に示す斜視図である。図1を参照して、無段変速機100は、自動車等の車両に搭載されるものであり、第1のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドライブプーリ60と、第2のプーリとしての金属(構造用鋼等)製のドリブンプーリ70と、これらの両プーリ60,70間に巻き掛けられた無端状の動力伝達チェーン1(以下では、単にチェーンともいう)とを備えている。なお、図1中のチェーン1は、理解を容易にするために一部断面を示している。
図2は、図1のドライブプーリ60(ドリブンプーリ70)およびチェーン1の部分的な拡大断面図である。図1および図2を参照して、ドライブプーリ60は、車両の駆動源に動力伝達可能に連なる入力軸61に同行回転可能に取り付けられるものであり、固定シーブ62と可動シーブ63とを備えている。固定シーブ62および可動シーブ63は、相対向する一対のシーブ面62a,63aをそれぞれ有している。各シーブ面62a,63aは円錐面状の傾斜面を含んでいる。
各シーブ面62a,63aは、ドライブプーリ60の中心軸線A1に直交する第1の直交平面B1に対して傾斜しており、各シーブ面62a,63aの母線と上記第1の直交平面B1とのなす角度としてのプーリ半角Cは、例えば、11°に設定されている。これらシーブ面62a,63a間に溝が区画され、この溝によってチェーン1を強圧に挟んで保持するようになっている。
また、可動シーブ63には、溝幅を変更するための油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、入力軸61の軸方向(図2の左右方向)に可動シーブ63を移動させることにより、溝幅を変化させるようになっている。それにより、入力軸61の径方向(図2の上下方向)にチェーン1を移動させて、プーリ60のチェーン1に関する有効半径D1(以下、プーリ60の有効半径D1ともいう)を変更できるようになっている。
一方、ドリブンプーリ70は、図1および図2に示すように、駆動輪(図示せず)に動力伝達可能に連なる出力軸71に同行回転可能に取り付けられており、ドライブプーリ60と同様に、チェーン1を強圧で挟む溝を形成するための相対向する一対のシーブ面73a,72aをそれぞれ有する固定シーブ73および可動シーブ72を備えている。
各シーブ面73a,72aは、ドリブンプーリ70の中心軸線A2に直交する第2の直交平面B2に対して傾斜しており、各シーブ面73a,72aの母線と上記第2の直交平面B2とのなす角度としてのプーリ半角Cは、例えば、11°に設定されている。ドライブプーリ60のプーリ半角Cとドリブンプーリ70のプーリ半角Cとは等しい。
ドリブンプーリ70の可動シーブ72には、ドライブプーリ60の可動シーブ63と同様に油圧アクチュエータ(図示せず)が接続されており、変速時に、この可動シーブ72を移動させることにより溝幅を変化させるようになっている。それにより、チェーン1を移動させて、プーリ70のチェーン1に関する有効半径D2(以下、プーリ70の有効半径D2ともいう)を変更できるようになっている。
図3は、チェーン1の要部の横断面図である。図4は、チェーン1の直線領域の要部の縦断面図である。なお、以下では、図4を参照して説明するときは、チェーン1の直線領域をチェーン幅方向Wから見た状態を基準として説明する。
図3および図4を参照して、チェーン1は、複数のリンク2と、これらのリンク2を互いに屈曲可能に連結する複数の連結部材50とを備えている。
以下では、チェーン1の進行方向に平行な方向をチェーン進行方向Xといい、チェーン進行方向Xに直交する方向のうち連結部材50の長手方向に平行な方向をチェーン幅方向Wといい、チェーン進行方向Xおよびチェーン幅方向Wの双方に直交する方向を直交方向Vという。
また、直交方向Vの一方V1は、チェーン1が屈曲しているときにおけるチェーン径方向の外側を向く方向であり、直交方向Vの他方V2は、チェーン1が屈曲しているときにおけるチェーン径方向の内側を向く方向である。
各リンク2は、板状の鋼板を金型でプレス成形してなるものであり、チェーン進行方向Xの前後に並ぶ第1の貫通孔としての前貫通孔9と、第2の貫通孔としての後貫通孔10とがそれぞれ形成されている。リンク2は、チェーン進行方向Xに並んでいるとともにチェーン幅方向Wに並んでいる。
チェーン進行方向Xに隣接するリンク2同士は、相対的にチェーン進行方向Xの上流側にあるリンク2の前貫通孔9と、相対的にチェーン進行方向Xの下流側にあるリンク2の後貫通孔10とが、チェーン幅方向Wに並んで互いに対応している。これら対応する貫通孔9,10を挿通する連結部材50によって、チェーン進行方向Xに隣り合うリンク2同士が屈曲可能に連結されており、全体として無端状をなすチェーン1が形成されている。
各連結部材50は、動力伝達部材としての第1のピン3と、第2のピン4とを含んでいる。
第1のピン3は、チェーン幅方向Wに延びる長尺の部材である。第1のピン3の外周部としての周面11は、チェーン幅方向Wと平行に延びる滑らかな面に形成されており、チェーン進行方向Xの前方を向く対向部としての前部12と、チェーン進行方向Xとは反対の方向を向く平坦な後面としての後部13と、直交方向Vに相対向する一対の端部としての一端部14および他端部15とを有している。
前部12は、対をなす第2のピン4と対向しており、第2のピン4の後述する後部平坦部19と接触部T(チェーン幅方向Wからみて、接触点)で転がり摺動接触している。後部13は、平坦面とされており、チェーン進行方向Xと直交する第3の直交平面D3に対して、所定の迎え角Eを有している。迎え角Eは、例えば5°〜12°程度とされている。この後部13は、チェーン直線領域をチェーン幅方向Wから見たときに、直交方向Vに対して傾斜する傾斜方向Fに沿って延びており、直交方向Vの他方V2側を向いている。傾斜方向Fと直交方向Vとのなす角度は、上記迎え角Eである。
図2および図4を参照して、第1のピン3の長手方向の一対の端部16には、それぞれ、端面17が設けられている。各端面17は、チェーン幅方向Wの外側に向けて凸湾曲しており、直交方向Vの他方V2側を向いている。第1のピン3の周面11の一端部14は、他端部15よりもチェーン幅方向Wに幅広に形成されている。
各端面17には、凸湾曲部20が形成されている。凸湾曲部20は、接触領域21が形成される部分であり、対応する端面17の少なくとも一部(本実施の形態において、全域)に形成されている。
接触領域21は、第1のピン3が対応するプーリ60,70に噛み込むときに端面17のうち当該対応するプーリ60,70と接触する領域である。すなわち、これらの接触領域21が、各プーリ60,70の対応するシーブ面62a,63a,72a,73aに薄膜状の潤滑油膜を介して摩擦接触(係合)する。
第1のピン3は、上記対応するシーブ面62a,63a,72a,73a間に挟持され、これにより、第1のピン3と各プーリ60,70との間で動力が伝達される。第1のピン3は、その端面17の凸湾曲部20が直接動力伝達に寄与するため、例えば、軸受用鋼(SUJ2)等の、高強度且つ耐摩耗性に優れた材料で形成されている。
図3および図4を参照して、第2のピン4(ストリップ、またはインターピースともいう)は、第1のピン3と同様の材料により形成された、チェーン幅方向Wに延びる長尺の部材である。
第2のピン4は、その一対の端部が上記各プーリのシーブ面に接触しないように、第1のピン3よりも短く形成されており、対をなす第1のピン3に対して、チェーン進行方向Xの前方に配置されている。
第2のピン4の周面18は、チェーン幅方向Wと平行に延びる滑らかな面とされており、チェーン進行方向Xとは反対の方向を向く対向部としての後部平坦部19を有している。後部平坦部19は、直交方向Vに関する第2のピン4の中間部に形成された、チェーン進行方向Xと直交する平坦面であり、対をなす第1のピン3の前部12と対向している。
チェーン1は、いわゆる圧入タイプのチェーンとされている。具体的には、各リンク2の前貫通孔9には、対応する第1のピン3が遊嵌されているとともに、対応する第2のピン4が圧入固定され、各リンク2の後貫通孔10には、対応する第1のピン3が圧入固定されているとともに、対応する第2のピン4が遊嵌されている。
上記の構成により、第1のピン3の前部12と対をなす第2のピン4の後部平坦部19とは、チェーン進行方向Xに隣接するリンク2間の屈曲に伴って移動する接触部T上で、互いに転がり摺動接触する。転がり摺動接触とは、転がり接触およびすべり接触の少なくとも一方を含む接触をいう。なお、各第1および第2のピン3,4は、対応する前貫通孔9および後貫通孔10に遊嵌されていてもよい。
前部12は、チェーン進行方向Xに突出する湾曲状をなしている。具体的には、前部12のうち、チェーン1の直線領域における接触部T1に対して直交方向Vの一方V1側にある部分の断面形状は、インボリュート曲線を含んでいる。また、前部12のうち、上記接触部T1に対して直交方向Vの他方V2側にある部分の断面形状は、滑らかな湾曲線とされている。これにより、チェーン幅方向Wから見て、対応するリンク2間の屈曲に伴う接触部Tの移動軌跡は、第1のピン3を基準とするインボリュート曲線を含む。
これにより、隣接するリンク2同士が屈曲する際に、対応する第1および第2のピン3,4が滑らかに転がり接触でき、リンク2同士の滑らかな屈曲を達成できる。その結果、チェーン1の弦振動的な運動を抑制できる。
図5(A)は、チェーン幅方向Wから見た第1のピン3の側面図であり、図5(B)は、図5(A)のVB−VB線に沿う断面図であり、図5(C)は、図5(A)のVC−VC線に沿う断面図である。
図5(A)を参照して、第1のピン3は、後部13とは直交する方向が厚み方向K2とされている。厚み方向K2に関する第1のピン3の長さ(厚み)は、例えば、3mm程度とされている。
また、第1のピン3は、後部13に沿い且つチェーン幅方向Wとは直交する方向が、高さ方向K1とされている。高さ方向K1に関する第1のピン3の長さ(高さ)は、例えば、7mm程度とされている。
凸湾曲部20は、端面17にクラウニング加工を施すことにより形成された、チェーン幅方向Wの外側に突出する面であり、全体が滑らかに凸湾曲している。
本実施の形態の特徴の1つとして、第1のピン3をチェーン幅方向Wからみたとき、凸湾曲部20は、下記の条件1)および2)を満たす中心Mおよび第1の主方向N1を有している点にある。
1)凸湾曲部20の中心Mは、厚み方向K2に関する端面17の中心および高さ方向K1に関する端面17の中心の双方と一致する位置またはこの位置の近傍に配置されている。なお、上記した、「近傍」とは、厚み方向K2に関する端面17の中心および高さ方向K1に関する端面17の中心の双方と一致する位置とは実質的に同じ位置にあることを指しており、中心Mは、上記一致する位置とは製造誤差等の原因によって、完全に一致してなくてもよい。
2)第1のピン3をチェーン幅方向Wから見たときに、上記第1の主方向N1は、後部13に対して所定の傾斜角度Pで傾斜している。
上記した、厚み方向K2に関する端面17の中心とは、厚み方向K2に関する第1のピン3の最大幅部22の中心を通り後部13と平行な位置をいう。また、高さ方向K1に関する端面17の中心とは、高さ方向K1に関する最大幅部23の中心を通り後部13と直交する位置をいう。
チェーン幅方向Wから見て、凸湾曲部20は、第1の主方向N1と、この第1の主方向N1に直交する第2の主方向N2とを有している。凸湾曲部20は、第1の主方向N1に沿ってクラウニング加工を施すとともに、第2の主方向N2に沿ってクラウニング加工を施すことにより形成されている。
チェーン幅方向Wから見て、第1の主方向N1が後部13(高さ方向K1)に対してなす所定の傾斜角度Pは、例えば、0°より大きく、且つ15°以下とされている。15°以下とすることにより、凸湾曲部20の現実的なレイアウトを実現できる。傾斜角度Pの上限は、10°であることが好ましい。
本実施の形態において、第1の主方向N1は、チェーン進行方向Xに進むに従い直交方向Xの他方V2側に進む方向となっており、中心Mを通っている。なお、図5(B)は、第1の主方向N1に沿い且つチェーン幅方向Wとは平行な第1の平行平面Q1に沿って第1のピン3を切断した断面図である。
図5(A)を参照して、本実施の形態において、第2の主方向N2は、チェーン進行方向Xに進むに従い直交方向Xの一方V1側に進む方向となっている。なお、図5(C)は、第2の主方向N2に沿い且つチェーン幅方向Wとは平行な第2の平行平面Q2に沿って第1のピン3を切断した断面図である。
図5(A)および図5(B)を参照して、第1のピン3を第1の平行平面Q1で切断したとき、凸湾曲部20の断面形状は、単一の曲率半径としての第1の主曲率半径R1を有する円弧線となる。この第1の主曲率半径R1は、後述する第2の主曲率半径R2と比べて大きくされており、例えば、160mm程度とされている。この第1の平行平面Q1上に中心Mが配置されている。第1の平行平面Q1において、中心Mにおける凸湾曲部20の法線Sがチェーン幅方向Wとなす角度は、プーリ半角Cと等しい。凸湾曲部20を第1の平行平面Q1と平行な任意の平面で切断したときの凸湾曲部20の断面形状は、第1の主曲率半径R1を有する円弧線となる。
図5(A)および図5(C)を参照して、第1のピン3を第2の平行平面Q2で切断したとき、凸湾曲部20の断面形状は、単一の曲率半径としての第2の主曲率半径R2を有する円弧線となる。この第2の主曲率半径R2は、例えば、50mm程度とされている。この第2の平行平面Q2上に、凸湾曲部20の中心Mが配置されている。凸湾曲部20を第2の平行平面Q2と平行な任意の平面で切断したときの凸湾曲部20の断面形状は、第2の主曲率半径R2を有する円弧線となる。
図5(A)および図5(B)を参照して、チェーン幅方向Wとは直交する平面Gに対してプーリ半角Cだけ傾いた傾斜平面Hであって、直交方向Vの他方V2に進むに従いチェーン幅方向Wの内側に進む傾斜平面Hで凸湾曲部20を切断したとき、凸湾曲部20の断面の外周縁形状は、楕円形形状24となる(図5(A)において、一つの楕円形形状24aを例示している)。チェーン幅方向Wから見たとき、楕円形形状24は、第1の主方向N1に縦長で且つ第2の主方向N2に短い。なお、傾斜平面Hと直交する斜め方向Jから見た端面17と、チェーン幅方向Wから見た端面17とは、実質的に同じ形状をなす。
図5(A)を参照して、第1のピン3の接触領域21は、第1のピン3の端面17の外周縁部25を避けて配置されている。接触領域21は、当該接触領域21をチェーン幅方向Wから見たときに、第1の主方向N1に縦長で且つ第2の主方向N2に短い楕円形形状をなす。すなわち、接触領域21は、上記楕円形形状24と同一または相似な形状をなす(図5(A)において、楕円形形状24aと同一な接触領域21を示している)。接触領域21の中心は、凸湾曲部20の中心と略一致する。
図2および図5(A)を参照して、各プーリ60,70の有効半径D1,D2は、以下のようにして定義される。すなわち、ドライブプーリ60の有効半径D1は、ドライブプーリ60に挟持された第1のピン3の端面17の凸湾曲部20の中心Mと、ドライブプーリ60の中心軸線A1との間のプーリ60の径方向の距離として定義される。
同様に、ドリブンプーリ70の有効半径D2は、ドリブンプーリ70に挟持された第1のピン3の端面17の凸湾曲部20の中心Mと、ドリブンプーリ70の中心軸線A2との間のプーリ70の径方向の距離として定義される。
図6(A)〜図6(C)は、それぞれ、無段変速機100におけるチェーン1の動作について説明するための要部の模式図である。なお、図6(A)〜図6(C)において、第1のピン3を誇張して拡大表示している。
図6(A)を参照して、無段変速機100の減速比が最も高い場合(アンダードライブ時)には、ドライブプーリ60の有効半径D1が最小値とされ、ドリブンプーリ70の有効半径D2が最大値とされる。無段変速機100で減速が行われる場合、有効半径D1が相対的に小さく、有効半径D2が相対的に大きい。
図6(B)を参照して、無段変速機100で変速が行われない場合、すなわち、減速比=増速比=1の場合には、ドライブプーリ60の有効半径D1およびドリブンプーリ70の有効半径D2は互いに等しい値とされる。
図6(C)を参照して、無段変速機100の増速比が最も高い場合(オーバードライブ時)には、ドライブプーリ60の有効半径D1が最大値とされ、ドリブンプーリ70の有効半径D2が最小値とされる。無段変速機100で増速が行われる場合、有効半径D1が相対的に大きく、有効半径D2が相対的に小さい。
図6(A)を参照して、ここで、チェーン1は、プルタイプチェーンであり、各プーリ60,70間に存在する2つのチェーン直線領域Y1,Y2のうち、ドライブプーリ60に引き込まれる側のチェーン直線領域Y1をドライブプーリ60が引っ張ることにより、このチェーン直線領域Y1に引張力が作用し、ドリブンプーリ70を回転駆動する。
チェーン1は、所定の進入角度Zで、ドライブプーリ60に噛み込まれる。このときの進入角度Zは、例えば、2つの平面α1,α2がなす角度として定義される。一方の平面α1は、各プーリ60,70の中心軸線A1,A2を含む平面である。他方の平面α2は、一方のチェーン直線領域Y1における、各第1のピン3の凸湾曲部20の中心Mを含む平面である。
図6(A)のように、無段変速機100で減速が行われる場合には、進入角度Zは正の値をとる。一方、図6(C)のように、無段変速機100で増速が行われる場合には、進入角度Zは負の値をとる。
本実施の形態では、アンダードライブ時の進入角度Zの絶対値が相対的に大きく、オーバードライブ時の進入角度Zの絶対値が相対的に小さい。よって、進入角度Zの絶対値の最大値は、正側のほうが負側よりも大きい。このため、進入角度Zが正側となるアンダードライブ時を基準として端面17の凸湾曲部20の形状が決定される。具体的には、図7を参照して、上記したように、凸湾曲部20の第1の主方向N1が、チェーン進行方向Xに進むに従い、直交方向Vの他方V2(チェーン内径側)に進むようにする。
アンダードライブ時、後部13は、平面α1に対して傾いている。一方、チェーン幅方向Wから見て、第1の主方向N1は、平面α1に対して略直交している。その結果、第1のピン3がドライブプーリ60に噛み込まれるときに形成される接触領域21は、端面17の外周縁部25(エッジ)から離れた位置に形成され、且つ、中心Mの周囲に形成される。
なお、図8(A)および図8(B)に示すように、アンダードライブ時の進入角度Zの絶対値が相対的に小さく、オーバードライブ時の進入角度Zの絶対値が相対的に大きくされている場合には、チェーン1Aの進入角度Zの絶対値の最大値は、負側のほうが正側よりも大きい。このため、進入角度Zが負側となるオーバードライブ時を基準として、端面17Aの凸湾曲部20Aの形状が決定される。なお、図8(A)および図8(B)において、第1のピン3Aを誇張して拡大表示している。
具体的には、図9に示すように、チェーン直線領域Y1Aにおいて、凸湾曲部20Aの第1の主方向N1Aが、チェーン進行方向Xに進むに従い、直交方向Vの一方V1(チェーン外径側)に進むようにする。第1および第2の主方向N1A,N2Aの向きが図9のようにされている点以外の構成については、チェーン1とチェーン1Aとは同様の構成を有している。
図10に示すように、オーバードライブ時、後部13は、平面α1に対して傾いている。一方、チェーン幅方向Wから見て、第1の主方向N1Aは、平面α1に対して略直交している。その結果、第1のピン3Aがドライブプーリ60に噛み込まれるときに形成される接触領域21Aは、端面17Aの外周縁部25(エッジ)から離れた位置に形成され、且つ、中心Mの周囲に形成される。
図6および図8を参照して、このように、ドライブプーリ60に対する各第1のピン3,3Aの進入角度Zの絶対値の最大値と、この最大値のときの進入角度Zが正の値か負の値であるかということとに基づいて、凸湾曲部20,20Aに関する上記傾斜角度Pが適宜設定される。
図4および図9を参照して、傾斜角度Pを適宜設定することにより、チェーン幅方向Wから見たときの各凸湾曲部20,20Aの第1および第2の主方向N1,N2;N1A,N2Aの向きを変化することができる。なお、傾斜角度Pを変更する場合でも、チェーン直線領域Y1,Y1Aでのリンク2に対する第1のピン3,3Aの周面11の位置を変化させることはしない。
図6および図8を参照して、チェーン1,1Aのそれぞれについて、チェーン進行方向Xの上流側のプーリとしてのドリブンプーリ70から送り出された第1のピン3,3Aが、順次、下流側のプーリとしてのドライブプーリ60に噛み込まれる。
そして、ドリブンプーリ70とドライブプーリ60との間で変速が行われる場合には、各第1のピン3,3Aは、所定の進入角度Zを持ってドライブプーリ60に噛み込まれる。その結果、各第1のピン3,3Aの端面17,17Aのうち、端面17,17Aの外周縁部25(エッジ)の近傍に接触領域21,21Aが形成され易い傾向となる。
しかしながら、本実施の形態によれば、各凸湾曲部20,20Aの第1の主方向N1,N1Aを第1のピン3,3Aの後部13に対して所定の傾斜角度Pで傾斜させ、且つ、凸湾曲部20,20Aの中心Mを、対応する第1のピン3,3Aの厚み中心および高さ中心の双方に一致する位置またはこの位置の近傍に配置している。
その結果、第1のピン3,3Aが進入角度Zを持ってドライブプーリ60に噛み込まれたときに、端面17,17Aのうち接触領域21,21Aが形成される部分を端面17,17Aの中心近傍に配置できるとともに、接触領域21,21Aの面積を十分に確保することができる。これにより、端面17,17Aの外周縁部25にドライブプーリ60のシーブ面62a,63aが接触するエッジ当たりを防止できる。したがって、各端面17,17Aの局所的な摩耗やドライブプーリ60に対するスリップを防止して実用上の耐久性を十分に確保できる。ドライブプーリ60のシーブ面62a,63aの摩耗も抑制でき、ドライブプーリ60の実用上の耐久性も向上できる。しかも、エッジ当たりの防止により、各第1のピン3,3Aがドライブプーリ60に接触するときの接触音を低減して騒音を低減できる。
また、ドライブプーリ60への進入角度Zがチェーン1とは異なるようにされたチェーン1Aについては、端面17Aにおける接触領域21Aの位置は異なってくるが、このようなチェーン1Aに対しては、端面17Aの凸湾曲部20Aの第1の主方向N1Aの向きを主方向N1とは異なるように変更する小変更で済み、摩耗を抑制するための設計変更を容易に行うことができる。
より具体的には、ドライブプーリ60に対する第1のピン3,3Aの進入角度Zの大きさに応じて、傾斜角度Pを設定していることにより、端面17,17Aのうち接触領域21,21Aが形成される部分の面積をより多く確保でき、その結果、エッジ当たりをより確実に防止できる。
以上より、実用上の耐久性および静粛性に優れ、さらにはドライブプーリ60への第1のピン3,3Aの進入角度Zの変更に応じた第1のピン3,3Aの設計変更を容易に行うことのできる無段変速機100を実現できる。
また、チェーン1およびチェーン1Aを製造する際には、チェーン直線領域Y1,Y1Aでのリンク2に対する第1のピン3,3Aの周面11の位置は変化させず、すなわち、迎え角Eは変更しない。一方、ドライブプーリ60に対する第1のピン3,3Aの進入角度Zの大きさに応じて、チェーン幅方向Wから見たときの各凸湾曲部20,20Aの第1の主方向N1,N1Aの向きを変化させるようになっている。
リンク2は、金型を用いてプレス成形される。このため、ドライブプーリ60への第1のピン3,3Aの進入角度Zの変更に応じてリンク2の形状を異ならせることにより、リンク2に保持される第1のピン3,3Aの向きを最適化することは、金型の変更等の、手間が大きく且つコストのかかる作業が必要である。
これに対し、本実施の形態では、クラウニング加工等の研削等によって形成される端面17,17Aの互いの形状を変更するというわずかな変更作業で、ドライブプーリ60への第1のピン3,3Aの進入角度Zの変更に応じて端面17,17Aの形状を最適化できる。したがって、各第1のピン3,3Aが進入角度Zを持ってドライブプーリ60に噛み込まれたときに、端面17,17Aのうち接触領域21,21Aが形成される部分の面積を十分に確保するための設計変更作業が、簡易で済む。このように、簡易な作業で、進入角度Zに応じて各端面17,17Aに十分な面積の接触領域21,21Aを形成できることから、端面17,17Aの外周縁部25にドライブプーリ60のシーブ面62a,63aが接触するエッジ当たりを防止でき、端面17,17Aの局所的な摩耗を防止して実用上の耐久性を十分に確保できる。
本発明は、以上の実施の形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、本発明を、動力伝達部材としてのピン等に固定され、且つピンよりもチェーン幅方向の外側に突出した動力伝達ブロックを含む、いわゆるブロックタイプチェーンに適用することができる。
さらに、ドライブプーリ60およびドリブンプーリ70の双方の溝幅が変動する態様に限定されるものではなく、何れか一方の溝幅のみが変動し、他方が変動しない固定幅にした態様であっても良い。また、上記では溝幅が連続的(無段階)に変動する態様について説明したが、段階的に変動したり、固定式(無変速)である等の他の動力伝達装置に適用しても良い。
本発明の一実施の形態に係る動力伝達チェーンを備える無段変速機の要部構成を模式的に示す斜視図である。 図1のドライブプーリ(ドリブンプーリ)およびチェーンの部分的な拡大断面図である。 チェーンの要部の横断面図である。 チェーンの直線領域の要部の縦断面図である。 (A)は、チェーン幅方向から見た第1のピンの側面図であり、(B)は、図5(A)のVB−VB線に沿う断面図であり、(C)は、図5(A)のVC−VC線に沿う断面図である。 (A)〜(C)は、それぞれ、無段変速機におけるチェーンの動作について説明するための要部の模式図である。 図6(A)の要部の拡大図である。 (A)および(B)は、ドライブプーリへの第1のピンの進入角度の絶対値の最大値が異なるようにされた場合の模式図である。 図8のチェーン直線領域の要部の一部断面図である。 図8(B)の要部の拡大図である。
符号の説明
1…動力伝達チェーン、2…リンク、3,3A…第1のピン(動力伝達部材)、11…(第1のピンの)周面(外周部)、13…後部(後面)、17,17A…端面、20,20A…凸湾曲部、21,21A…接触領域、50…連結部材、60,70…プーリ、62a,63a,72a,73a…シーブ面、100…無段変速機(動力伝達装置)、K1…高さ方向、K2…厚み方向、M…中心、N1,N1A…第1の主方向(主方向)、P…傾斜角度、W…チェーン幅方向、X…チェーン進行方向、Y1,Y1A…チェーン直線領域、Z…進入角度。

Claims (3)

  1. チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、
    チェーン進行方向とは直交するチェーン幅方向に延び、複数のリンクを互いに連結する複数の連結部材とを備え、
    上記連結部材は、プーリのシーブ面に動力伝達可能に接触する端面を有する長尺の動力伝達部材を含み、
    上記動力伝達部材は、チェーン幅方向に沿って延び且つチェーン進行方向とは反対の方向を向く平坦な後面を含み、
    上記端面には、上記動力伝達部材がプーリに噛み込むときに上記端面とプーリとの間に楕円形状の接触領域を形成するための凸湾曲部が形成され、
    上記動力伝達部材をチェーン幅方向から見たときに、上記凸湾曲部は、下記の条件1)および2)を満たす中心および上記接触領域の長手方向に沿う主方向を有していることを特徴とする動力伝達チェーン。
    1)上記後面とは直交する方向を動力伝達部材の厚み方向とし、上記後面に沿い且つ上記チェーン幅方向とは直交する方向を動力伝達部材の高さ方向として、上記凸湾曲部の上記中心は、動力伝達部材の厚み中心および高さ中心の双方に一致する位置またはこの位置の近傍に配置されている。
    2)上記動力伝達チェーンをチェーン幅方向から見たときに、上記凸湾曲部の上記主方向は、上記後面に対して、上記プーリに対する動力伝達部材の進入角度の大きさに応じて設定された所定の傾斜角度で傾斜している。
  2. 相対向する一対の円錐面状のシーブ面をそれぞれ有する第1および第2のプーリと、これらのプーリ間に巻き掛けられ、シーブ面に係合して動力を伝達する請求項1に記載の動力伝達チェーンとを備えることを特徴とする動力伝達装置。
  3. チェーン進行方向に並ぶ複数のリンクと、チェーン進行方向とは直交するチェーン幅方向に延び、複数のリンクを互いに連結する複数の連結部材とを備え、上記連結部材は、プーリのシーブ面に動力伝達可能に接触する端面を有する長尺の動力伝達部材を含み、 上記動力伝達部材は、チェーン幅方向に沿って延び且つチェーン進行方向とは反対の方向を向く平坦な後面を含み、上記端面には、上記動力伝達部材がプーリに噛み込むときに上記端面とプーリとの間に楕円形状の接触領域を形成するための凸湾曲部が形成される動力伝達チェーンの製造方法において、
    チェーン直線領域でのリンクに対する動力伝達部材の外周部の位置を変化させることなく、プーリに対する動力伝達部材の進入角度の大きさに応じて、チェーン直線領域での動力伝達部材をチェーン幅方向から見たときの上記凸湾曲部の上記接触領域の長手方向に沿う主方向の向きを変化させることを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
JP2008073758A 2008-03-21 2008-03-21 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法 Expired - Fee Related JP5019128B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073758A JP5019128B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008073758A JP5019128B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009228748A JP2009228748A (ja) 2009-10-08
JP2009228748A5 JP2009228748A5 (ja) 2011-10-27
JP5019128B2 true JP5019128B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=41244386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008073758A Expired - Fee Related JP5019128B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5019128B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112020002096A5 (de) * 2019-04-23 2022-01-13 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Laschenkette mit unterschiedlich hohen Laschen

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4761121B2 (ja) * 2005-08-18 2011-08-31 株式会社ジェイテクト 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009228748A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007051711A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP4826899B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP2007010049A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP2007139157A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP5252183B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP5152575B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
WO2007072559A1 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP5019128B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置、ならびに動力伝達チェーンの製造方法
JP2004301257A (ja) 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置
JP4761113B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP5126016B2 (ja) ベルト式無段変速機
JP2005214345A (ja) 動力伝達チェーンおよびその製造方法ならびに動力伝達装置
JP4423560B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP4893562B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2007271034A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP5125648B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP4770554B2 (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP4737511B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP4507077B2 (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP2011069410A (ja) 動力伝達装置
JP2007010050A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP2007263178A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置
JP2009079724A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2008215448A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JP2006138417A (ja) 動力伝達チェーンおよびこれを備える動力伝達装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110905

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120423

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120530

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5019128

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150622

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees