JP5018855B2 - 電気化学デバイス及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電気化学デバイス及びその製造方法に関するものである。
従来の電気化学デバイスは、アルミニウムからなる外装体中にリチウムイオン電池(LIB)や、電気二重層キャパシタ(EDLC)などの電池素体を封入している。すなわち、アルミニウムラミネートからなる外装体内に電池素体を配置し、外装体内には必要に応じて電解液を導入し、外装体の周辺部を封止していた。
電池素体からは、アノード及びカソードのリードが延びており、それぞれは、外装体の封止部の隙間を抜けて、外部に延びている。また、アルミニウムラミネートの内側には樹脂層が設けられており、封止部を熱圧着することで、封止が行われる。この封止部とリードとの間の構造について、幾つかの研究が行われている。下記特許文献1は、封止部におけるリードに複数の孔を設けることにより、かかる箇所における接着面積を高める工夫がされている。また、下記特許文献2は、封止部におけるリードの幅を狭めることにより、かかる箇所における接着面積を高める工夫がされている。
特開2003−86153号公報 特開2003−86152号公報
しかしながら、本願発明者らの知見によれば、リード自体は、ブレードを金属フィルムに当てて切断しているので、切断の際に、幅方向端部が微妙に捲れるように湾曲をすることに気がついた。また、切断の際に、リードの幅方向端部にバリが発生する場合もあり、この湾曲やバリが、外装体内側の樹脂層を傷つけ、金属フィルムに到達して短絡・リークパスを形成する場合や、湾曲面内の空間内に樹脂層が熱圧着時に充填されない場合がある。本願発明者らは、これらが原因となって、多くの場合、時間の経過伴って、内部の液体やガスが漏れたり、リードが短絡するなどの不良品が発生するため、高品質の電気化学デバイスが得られないという問題を発見した。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高品質な電気化学デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係る電気化学デバイスは、金属フィルムを含む外装体と、外装体内に封入された電池素体と、少なくとも外装体の封止部の内側に設けられた樹脂層と、電池素体から外装体の封止部の樹脂層間を介して、外装体の外部に延びたリードと、を備え、前記リードは前記封止部に位置する平坦化加工部を有し、前記平坦化加工部の厚みはその外側の未加工部の厚みよりも薄く設定され、前記未加工部と前記平坦化加工部との境界には上下面に段差が形成され、前記リードの延びる方向をX軸方向とし、前記封止部のX軸方向の寸法X2は、前記平坦化加工部のX軸方向の寸法X1よりも、長く設定され、前記平坦化加工部の上下面の前記段差が前記樹脂層内に食い込んでおり、前記平坦化加工部において、リードの湾曲面の一方向の弧の一端と、この一端から延びてリードに接触する点とを結ぶ線分の長さL1、線分からリードの湾曲面までの最短距離の最大値L2、リードの厚みZ1、樹脂層の全厚みZ2、リードの湾曲率Rは、以下の関係:34%≦Z1/Z2≦59%、R=L2/L10.05%<R≦1.43%を満たし、前記リードの厚みZ1は、以下の関係:30μm≦Z1≦200μmを満たし、前記リードの長手方向に垂直な断面内において、前記湾曲面と前記線分によって囲まれた面積Sは、以下の関係:0<S≦0.02mmを満たすことを特徴とする。
この場合、リードの端部の尖りが抑制され、特定範囲の厚みにある樹脂層及び上下の金属フィルムを傷つけにくくなり、封止された外装体の密閉性が向上する。なお、本発明は従来技術とは全く異なるものであるが、理論的な従来技術との差異を明確にするという意味で、また、ブレードによって切断したリードの湾曲は完全には除去できないため、湾曲率Rからは0%を除くこととした。
また、リードの厚みZ1は、以下の関係:30μm≦Z1≦200μmを満たすことが好ましい。
この場合、熱圧着に耐えうる強度を有するという効果がある。
前記リードの長手方向に垂直な断面内において、前記湾曲面と前記線分によって囲まれた面積Sは、以下の関係:0<S≦0.02mmを満たすことが好ましい。
この場合、かかる面積Sを規定する領域内にも、樹脂層が充填されやすくなり、外装体の密閉性が向上するという効果がある。従来技術では、この空間内に、気体が充填され、素子が高温になった時や電解液の電気分解により内圧が高まったとき、封止部からガスや電解液が漏れるといった現象が観察されたが、本発明では、このような不具合は著しく改善される。
また、本発明に係る電気化学デバイスの製造方法は、少なくとも前記リードの前記封止部に位置する領域をプレス加工し、前記リードの平坦性を向上させる工程と、平坦性が向上した前記リードを、前記封止部の前記樹脂層間に配置し、これらを前記外装体とともに熱圧着する工程とを備えることを特徴とする。
この場合、熱圧着時に樹脂層は軟化してリードの周囲に密着するが、リードは予めプレス加工によって平坦化されているため、樹脂層との密着性が高くなり、高品質の電気化学デバイスが製造される。
また、本発明に係る電気化学デバイスの製造方法は、前記プレス加工時の圧力Pと、前記熱圧着時の圧力Pとは、以下の関係:P>Pを満たすことが好ましい。すなわち、通常の熱圧着よりも高い圧力でプレスを行うと、リードの平坦性を向上させるという意味では効果がある。
また、本発明に係る電気化学デバイスの製造方法は、前記プレス加工時の圧力Pと、前記熱圧着時の圧力Pとは、以下の関係:2.0kgf/cm(1.96×10Pa)≦P≦6.0kgf/cm(5.88×10Pa)、1.0kgf/cm(0.98×10Pa)≦P≦4.0kgf/cm(3.92×10Pa)を満たすことが好ましい。この場合、プレス加工時のリード形状をとどめたまま、熱圧着を行うことが出来るという効果がある。
本発明によれば、高品質な電気化学デバイスを提供することができる。
電気化学デバイスの斜視図である。 図1に示した電気化学デバイスのII−II矢印断面図である。 電気化学デバイスの封止部近傍の拡大斜視図である。 リードの平坦化加工部の拡大斜視図である。 一方向に湾曲したリードの縦断面図(A)、S字型に湾曲したリードの縦断面図(B)である。 角部を加工したリードの縦断面図である。 種々の条件の場合のリードの縦断面図である。
以下、実施の形態に係る電気化学デバイスについて説明する。なお、説明において、同一要素には、同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は電気化学デバイスの斜視図であり、図2は図1に示した電気化学デバイスのII−II矢印断面図、図3は電気化学デバイスの封止部近傍の拡大斜視図である。なお、これらの図では、図示の如く、XYZ三次元直交座標系が設定されている。
この電気化学デバイスは、電気二重層キャパシタ(EDLC)であり、金属フィルムM1,M2を含む外装体Pと、外装体P内に封入された電池素体20(図2参照)と、少なくとも外装体Pの封止部(トップシール部)P1の内側に設けられた樹脂層R1,R2と、電池素体20から外装体Pの封止部P1の樹脂層R1,R2間を介して、外装体Pの外部に延びたリードA1,K1とを備えている。リードA1,K1は、X軸方向に沿って延びており、幅方向はY軸、厚み方向はZ軸に一致する。
樹脂層R1,R2は、金属フィルムM1,M2の内側の全面に貼り付けられているが、これらは、長方形の外装体Pの四辺周囲の封止部P1,P2,P3,P4に位置する箇所の金属フィルムM1,M2に設けられていてもよい。これらの封止部P1,P2,P3,P4は、熱圧着によって封止されている。外装体Pの四辺の封止部P1,P2,P3,P4に囲まれた中央領域P0内部には、電池素体20が配置される。アノードとしてのリードA1と、カソードとしてのリードK1との間には、電圧を印加して電池素体20を充電することもでき、また、電池素体20に充電された電力を、これらから取り出すこともできる。
図2を参照し、封止部P1におけるリードA1(K1)の厚みをZ1、樹脂層R1,R2全体の厚みをZ2、外装体全体の厚みをZ3とする。この場合、リードA1(K1)の厚みZ1、樹脂層R1,R2の全厚みZ2は、30%≦Z1/Z2≦60%の関係を満たすことが好ましい。
また、図3に示す電池素体20の構造としては、無数のものが考えられる。本例では、アノード(正極)側の電極として、銅などの金属箔からなる集電体1と、活性炭質構造体などからなる分極性電極2を結合したものを用いる。また、カソード(負極)側の電極として、アルミニウムなどの金属箔からなる集電体5と、活性炭質構造体などからなる分極性電極4とを結合したものを用いる。また、これらの正極と負極との間にはセパレータ3が介在している。もちろん、複数の電池素体を積層させてもよいが、ここでは、簡略化のため、1つの電池素体のみが収納された例を示している。
分極性電極2,4は、多孔質材料からなり、活性炭にバインダー樹脂を混ぜて製造する。バインダー樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素を含む高分子化合物、又は、スチレンブタジエンゴムのようなゴム系の高分子化合物が挙げられる。必要に応じてカーボンブラック、カーボンナノチューブ、又は黒鉛の微粒子、微細繊維を導電助剤として配合することもできる。
集電体1,5としては、銅箔やアルミニウム箔の表面をエッチングによって表面を荒く加工したものを使用することができる。なお、電極製造方法として、活性炭に導電補助剤とバインダーを加えてシート状にして集電極に接着する方法のほか、活性炭をスラリー状にして集電極に塗工する方法なども無数に存在する。
セパレータ3は、例えば重量比10%以上のポリオレフィン系樹脂を含有した不織布または多孔質フィルムからなる。ポリオレフィン系樹脂の軟化点温度以上の温度環境下で、一対の分極性電極に圧力を加えることにより、分極性電極とセパレータとは接着することもできる。セパレータとして、セルロース不織布やアラミド繊維の不織布を用いることもできる。
外装体P内に充填される電解液LQとしては、水溶液系と有機系のものが知られている。有機系の電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、アセトニトリルなどあり、溶質としては、アンモニウム塩、アミン塩、或いはアミジン塩などが知られている。
また、図3に示すように、正極及び負極の集電体1,5は、リードA1,K1にそれぞれ結合されている。なお、これらは一体の金属箔からなることとしてもよい。リードA1,K1には、プレス加工によって形成された平坦化加工部7が設けられている。この部分の厚みは、上述のとおりであり、この部分の厚みは外側の未加工部の厚みよりも薄く設定され、未加工部と平坦化加工部7との境界には段差が形成されている。平坦化加工部7は、平坦で対向する2つの押圧面を有するプレス機内に、リードA1,K1を挿入し、これらをプレス加工により平坦化する。封止部P1などもプレス機で熱圧着加工するため、平坦化加工には、従来からある熱圧着用のプレス機を用いればよい。
図4は、リードの平坦化加工部の拡大斜視図である。
図3に示した封止部P1のX軸方向の寸法X2は、図4に示す平坦化加工部7のX軸方向の寸法X1よりも、若干長く設定されている。封止部P1には全領域に樹脂層R1,R2が設けられているので、平坦化加工部7の上下面の段差が樹脂層R1,R2内に食い込むこととなり、リードA1(K1)のX軸方向の移動が規制される。また、平坦化を目的とすれば、X2≦X1であってもよい。リードA1(K1)の幅Y1は、例えば3.5mmに設定される。
リードA1(K1)の平坦化加工部7の上面を7A,下面を7Bとする。これらは概ね平坦である。平坦化加工部7の上下面間の距離はZ1であり、未加工部の上下面間の距離はZ0である。上述のように、Z1<Z0が満たされている。厚みZ1は、30μm≦Z1≦200μmを満たすことが好ましい。この場合、下限を下回る場合には断線する傾向があり、上限を上回る場合にはリード表面を自然に覆うことが難しくなる傾向にある。すなわち、リード表面を無理なく覆うことができる上、熱圧着時(180℃)にちぎれない強度を保つことができる(リードが破断しない)という効果がある。なお、Z0の値は、例えば100μmとし、Z1の値は例えば80μmとする。
上記平坦化加工部7のYZ断面形状について、詳細に説明する。
図5(A)は、一方向に湾曲したリードの縦断面図(YZ断面)、図5(B)は、S字型に湾曲したリードの縦断面図(YZ断面)である。リードは、金属フィルムに2枚のブレードを当てて細く切断することで形成されるが、2枚のブレードを当てる向きが同一の面である場合には、一方向のみに湾曲し、異なる面である場合にはS字型に湾曲する。
図5(A)において、リードA1(K1)の湾曲面の一方向の弧の一端(点A)と、この一端(点A)から延びてリードA1(K1)に接触する点(点B)とを結ぶ線分の長さ(AB)をL1とし、この線分(AB)からリードA1(K1)の湾曲面(下面7B)までの最短距離(点Cと点Dとの間の距離)の最大値をL2とする。なお、湾曲面が円弧の場合には、点Dは、幅方向の中点を通る中央線と、湾曲面との交点になる。
同様に、図5(B)において、リードA1(K1)の湾曲面の一方向の弧の一端(点X)と、この一端(点X)から延びてリードA1(K1)に接触する点(点Y)とを結ぶ線分の長さ(XY)をL1とし、この線分(XY)からリードA1(K1)の湾曲面(下面7B)までの最短距離(線分XYに垂直な線分の点Wまでの距離)の最大値をL2とする。
同様に、線分TSに関して補足説明をすると、リードA1(K1)の湾曲面の一方向の弧の一端(点S)と、この一端(点S)から延びてリードA1(K1)に接触する点(点T)とを結ぶ線分の長さ(ST)をL1とし、この線分(ST)からリードA1(K1)の湾曲面(上面7A)までの最短距離(線分STに垂直な線分の点Uまでの距離)の最大値をL2とする。
なお、S字を構成する湾曲面がそれぞれ円弧の場合には、幅方向の中点を通る中央線と、上下の湾曲面との交点U,Zは、それぞれカーブの変曲点になる。
図5(A)、図5(B)の場合、湾曲率Rは、R=L2/L1として定義することができ、この場合、本実施形態では、0<R≦2%を満たしている。なお、上述のように、樹脂層の厚みZ2に対するリード厚みZ1の比率α(=Z1/Z2)は、30%≦α≦60%を満たしている。
上記数値範囲の場合、リードの端部A,X,Sの尖りが抑制され、特定範囲の厚みにある樹脂層及び上下の金属フィルムM1,M2を傷つけにくくなり、封止された外装体の密閉性が向上する。なお、本実施形態のリードは従来技術のものとは全く異なるものであるが、理論的な従来技術との差異を明確にするという意味で、また、ブレードによって切断したリードの湾曲は完全には除去できないため、湾曲率Rからは0%を除くこととした。
上記数値範囲外の場合、図7の(A)、(B)に示すように、リードA1(K1)の湾曲が大きく、樹脂層が薄い場合には、図の領域Jにおいて、リードA1(K1)が樹脂層を突き破り、金属フィルムM2に当接し、外装体内部の液体漏れや金属フィルムを介したリードA1(K1)の電気的短絡が生じる虞があるが、上記数値範囲内では、このような不具合が著しく改善される。
また、図5(A)において、すなわちリードの長手方向に垂直な断面内において、湾曲面(下面7B)と線分(AB)によって囲まれた面積S1は、0<S1≦0.02mmを満たすことが好ましい。なお、面積が0.02mmとなる寸法は、概ね幅が3.5mm、距離d=10μmのときである。図5(B)において、すなわちリードの長手方向に垂直な断面内において、湾曲面(下面7B)と線分(XY)によって囲まれた面積S2、湾曲面(上面7A)と線分(TS)によって囲まれた面積S3は、0<S2≦0.01mm、0<S3≦0.01mmを満たすことが好ましい。
この場合、かかる面積Sを規定する領域内にも、樹脂層が充填されやすくなり、外装体の密閉性が向上するという効果がある。
すなわち、図7(C)、(D)に示すように、従来技術では、この空間内に、気体AIRが充填され、素子が高温になった時や電解液の電気分解により内圧が高まったとき、封止部からガスや電解液が漏れるといった現象が観察されたが、本実施形態では、このような不具合は著しく改善される。
図6は、角部を加工したリードの縦断面図(YZ断面)である。
なお、リードA1(K1)の幅方向周囲の樹脂の充填性などを向上させるため、YZ平面内における4隅の角部を線分(平面)C1,C2,C3,C4に沿って、それぞれ斜めに切断してもよい。これらの平面C1〜C4は、それぞれYZ断面内における4辺の隣接する2辺とそれぞれ交差している。これにより、リード側方の樹脂充填性が向上し、かかる部分に非充填空間が形成され、この空間に空気が入り込むことによる上記と同様の不具合を解消することができる。
上記電気化学デバイスの製造方法は、以下の通りである。
まず、リードA1,K2は、上述のように、プレス機により、平坦化処理を行う。次に、電池素体20を用意し、これの正負の電極にリードA1,K1を接続する。次に、内面に樹脂層R1,R2が形成された金属フィルムM1,M2を用意する。外装体P内に電池素体20を入れ、その一辺の封止部P1を熱圧着により封止して、残りの封止部は必要に応じて開放しておく。次に、これらからなる外装体Pの残りの2箇所の封止部を熱圧着により封止し、例えば、最後の一辺の封止部を開放した段階で電解液を入れ、電解液を入れた後に、残りの一辺の封止部の熱圧着を行う。これにより電気化学デバイス10が完成する。
以上、説明したように、上記実施形態の電気化学デバイス10の製造方法は、少なくともリードA1、K1の封止部P1(図3参照)に位置する領域をプレス加工し、リードA1,K1の平坦性を向上させる工程と、平坦性が向上したリードA1,K1を、封止部P1の樹脂層R1、R2間に配置し、これらを外装体Pとともに熱圧着する工程とを備えている。
この場合、熱圧着時に樹脂層R1,R2は軟化してリードの周囲に密着するが、リードA1,K1は予めプレス加工によって平坦化されているため、樹脂層R1,R2との密着性が高くなり、高品質の電気化学デバイス10が製造される。
また、この電気化学デバイス10の製造方法は、上記プレス加工時の圧力Pと、熱圧着時の圧力Pとは、P>Pの関係を満たしている。すなわち、通常の熱圧着よりも高い圧力でプレスを行うと、リードA1,K1の平坦性を向上させるという意味では効果がある。
また、プレス加工時の圧力Pと、熱圧着時の圧力Pとは、2.0kgf/cm(1.96×10Pa)≦P≦6.0kgf/cm(5.88×10Pa)、1.0kgf/cm(0.98×10Pa)≦P≦4.0kgf/cm(3.92×10Pa)を満たすことが好ましい。この場合、プレス加工時のリード形状をとどめたまま、熱圧着を行うことができるという効果がある。
なお、上述の金属箔リードの材料としては、アルミニウムが適当であるが、銅などを用いることもできる。また、樹脂層R1,R2の材料としては、熱溶融性又は熱可塑性樹脂である高分子樹脂(ポリプロピレン)が適当であるが、他の樹脂を用いることも可能である。なお、上述の電気化学デバイスは、EDLC以外のリチウムイオン電池などにも適用することが可能である。
上述の電気化学デバイスを試作する実験を行った。以下、比較例と共に実施例について説明する。
(比較例1)
まず、リードに平坦化処理を行わないで電気化学デバイスを製造した。リードの材料としては、幅Y1=3.5mm,厚さZ0=100μmのアルミニウム(Al)を用い、これをAl金属フィルムの内面をポリプロプレン樹脂層(単独の厚み88μm)でコーティングした外装体内に挟み込み、熱圧着(圧力3.0kgf/cm(2.94×10Pa)、温度180℃、時間7.0秒)を行い、電解液を入れない電気化学デバイス(セル)を作製すると、上述の問題が生じた。リード端子間抵抗が100MΩ未満となった場合に不良品とすると、この場合、サンプル数(50個)において、歩留まりβ1は、60%となった。なお、湾曲率R=2.86%(=0.1mm/3.5mm)、面積S1=0.18mmである。
更に、外装体内に電気二重層キャパシタ用電解液(TEA−BF4/アセトニトリルを1.5mol/L溶液)を注液し、−40〜80℃の温度域で、電圧2.5V〜1V、電流50mAの充放電試験を行うと、リード部分から電解液が漏洩した。電解液重量減少率が1%未満のもの(漏れ跡痕なし)を良品とし、それ以外を不良品とした。すなわち、電解液重量減少率が1%以上となる場合を不良品とすると、サンプル数(50個)において、100%の不良品が発生し、この場合の歩留まりβ2=0%となった。なお、「TEA−BF4」は、テトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモニウムであり、第4級アンモニウム塩からなる電解質である。なお、比較例1においては、リード厚みZ1と樹脂層厚みZ2の比率α(=Z1/Z2)=60%の場合を示している。
すなわち、以下の結果となった。
Z1=Z0=100μm
Z2=166μm
α=60%
R=2.86%
S=0.18mm
歩留まりβ1=60%
歩留まりβ2=0%
最終歩留まりβ=0%
(実施例1)
実施例1では、比較例1と同一の条件において、熱圧着予定の部分に対して、上述のように、プレス加工を行った。このプレス加工では、後に行うAl外装体との熱圧着(3.0kgf/cm)(2.94×10Pa)よりも高い圧力(4.0kgf/cm)(3.92×10Pa)で、熱圧着予定の範囲をプレス処理をした。これにより、平坦化処理後のAlリードの厚みは80μmに減少した。比率α=Z1/Z2=80μm/166μm=48%である。また、湾曲率R=0.14%(=5μm/3.5mm)、面積S1=0.009mmである。
次に、比較例1と同様に、リード封止部の熱圧着を行った。歩留りβ1の測定時においては、電解液は外装体内には注入していない。歩留りβ2の測定時においては、電解液を注入した。実施例1では、リードプレスを除く全ての条件は比較例1と同一である。
比較例1と同様に、外装体内に同一条件の電解液を注液し、同一条件の充放電試験を行った場合、電解液注入前の歩留まりβ1は90%に向上し、良品のリード端子間抵抗は100MΩ以上となった。また、サンプル数50個とし、注液後に液漏れが生じる不良品は、20%に減少し、この場合の歩留りβ2=80%となった。
すなわち、以下の結果となった。
Z1=80μm
Z2=166μm
α=48%
R=0.14%
S=0.009mm
歩留まりβ1=90%
歩留まりβ2=80%
最終歩留まりβ=72%
リード厚みZ2と、アルミ外装体内側の高分子密着層の厚みZ2の比の関係を変更する実験を行った。
(比較例2)比率α<30%の場合
Alリードの厚みZ1を25μm(プレス済み)とし、Z2=160μm(80μm×2)とした場合以外の条件は、すべて、実施例1と同様とした。この場合、α=15%である。この結果、Alリード厚みが薄すぎ、熱圧着時にAlリード自体が圧力で切断されやすくなってしまった。50個のサンプルのうち、40個において断線が生じ、10個は良品となった。すなわち、電解液注入前の歩留まりβ1は20%である。なお、湾曲率R=0.085%、面積S1=0.0053mmである。なお、たわみ部分の深さは3μmである。
すなわち、以下の結果となった。
Z1=25μm
Z2=160μm
α=15%
R=0.085%
S=0.0053mm
歩留まりβ1=20%
歩留まりβ2=28%
最終歩留まりβ=5.6%
(比較例3)比率α<30%の場合
Alリードの厚みZ1を80μm(プレス済み)とし、Z2=500μm(250μm×2)とした場合以外の条件は、すべて、実施例1と同様とした。この場合、α=16%である。この結果、樹脂層が厚すぎたため、熱圧着時にリード位置がズレた。50個のサンプルのうち、40個において顕著な位置ズレが生じ、10個は良品となった。すなわち、電解液注入前の歩留まりβ1は20%である。湾曲率R=0.14%(=5μm/3.5mm)、面積S1=0.009mmである。なお、たわみ部分深さは5μmである。
すなわち、以下の結果となった。
Z1=80μm
Z2=500μm
α=16%
R=0.14%
S=0.009mm
歩留まりβ1=20%
歩留まりβ2=56%
最終歩留まりβ=11.2%
なお、このような樹脂厚の場合には、樹脂の硬化後にフレキシビリティが低下してしまい、変形時にリードとの界面がはがれやすくなる。また、素子の全体厚みが厚くなってしまうので好ましくない。
(比較例4)比率α=60%超の場合
Alリードの厚みZ1を80μm(プレス済み)とし、Z2=100μm(50μm×2)とした場合以外の条件は、すべて、実施例1と同様とした。この場合、α=80%である。湾曲率R=0.14%(=5μm/3.5mm)、面積S1=0.009mmである。なお、たわみ部分深さは5μmである。この結果、電解液を入れる前の空セルの歩留まりβ1は56%となり、リードプレスの効果(バリ取り)は見られるが、実施例1の歩留まり(90%)よりも低くなった。この原因は、リード厚みに対して樹脂層が薄いため、十分にリードを被覆できず、ショートしてしまうためと考えられる。なお、電解液注入後の液漏れに関しては、歩留まりβ2は26%であった。
すなわち、以下の結果となった。
Z1=80μm
Z2=100μm
α=80%
R=0.14%(=5μm/3.5mm)
S=0.009mm
歩留まりβ1=56%
歩留まりβ2=26%
最終歩留まりβ=14.6%
(実施例2)比率α=50%の場合
Alリードの厚みZ1を90μm(プレス済み)とし、Z2=180μm(90μm×2)とした場合以外の条件は、すべて、実施例1と同様とした。この場合、α=50%である。湾曲率R=0.14%(=5μm/3.5mm)%(面積S1=0.009mm)である。たわみ部分深さは5μmである。この結果、電解液を入れる前の空セルの歩留まりβ1は80%となり、リードプレスの効果(バリ取り)は見られるが、実施例1の歩留まり(90%)よりも低くなった。この原因は、リード厚みに対して樹脂層が薄いため、十分にリードを被覆できず、ショートしてしまうためと考えられる。なお、電解液注入後の液漏れに関しては、歩留まりβ2は90%であった。
すなわち、以下の結果となった。
Z1=90μm
Z2=180μm
α=50%
R=0.14%(=5μm/3.5mm
S=0.009mm
歩留まりβ1=80%
歩留まりβ2=90%
最終歩留まりβ=72%
(比較例5)比率R>2%の場合(リード幅を狭める場合)
Alリードの幅Y1を0.5mm,厚さZ1=80μm(プレス済み)のアルミニウム(Al)を用い、Z2=160μm(80μm×2)とした場合以外の条件は、すべて、実施例1と同様とした。この場合、α=50%である。この結果、電解液を入れる前の空セルの歩留まりβ1は84%(42個)となり、リードプレスの効果(バリ取り)が見られるが、実施例1の歩留まり(90%)よりも低くなった。しかし,電解液注入後の液漏れに関しては、歩留まりβ2は32%であった。
これは,リード幅が狭くなることにより、たわみ強度が増加し、リードの変形が不十分であったための湾曲部からの液漏れである。この結果、50個のサンプルのうち、25個において液漏れが生じた。なお、湾曲率R=4.0(=20μm/0.5mm)%(面積S1=0.02mm)である。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=0.5mm
Z1=80μm
Z2=160μm
α=50%
R=4.0%(0.02mm/0.5mm)
S=0.02mm
歩留まりβ1=84%
歩留まりβ2=32%
最終歩留まりβ=26.9%
(比較例6)比率R>2%の場合(プレス圧力を下げる場合)
Al幅Y1=3.5mm,厚さZ1=80μm(プレス済み)を用い、Z2=160μm(80μm×2)とし、圧力1kgf/cm(0.98×10Pa)でプレス加工(プレス加工範囲以下)を行った。この時の湾曲率R=2.28%であり、これに熱圧着(圧力3.0kgf/cm(2.94×10Pa)、温度180℃、時間7.0秒)を行い、電解液を入れない電気化学デバイス(セル)を作製すると、上述の問題が生じた。リード端子間抵抗が100MΩ未満となった場合に不良品とすると、この場合、サンプル数(50個)において、歩留まりβ1は、32%となった。また、電解液注入後の液漏れに関しては、歩留まりβ2は44%(22個)であった。これらは、プレス圧力不足により湾曲矯正が不十分であったためである。なお、湾曲率R=2.28%(=0.08mm/3.5mm)、面積S1=0.14mmである。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=3.5mm
Z1=80μm
Z2=80μm
α=50%
R=2.28%(=0.08mm/3.5mm)
S=0.14mm
歩留まりβ1=32%
歩留まりβ2=44%
最終歩留まりβ=14.1%
次に、Z1の範囲についても条件を変動させた。
(比較例7)Z1<30μmの場合(薄い場合)
リードの材料としては、幅Y1=3.5mm,厚さZ0=40μmのアルミニウムを用い、プレス加工を行いZ1=20μmに加工した。これをAl金属フィルムの内面をポリプロプレン樹脂層(単独の厚み80μm×2=160μm)でコーティングした外装体内に挟み込み、熱圧着(圧力3.0kgf/cm(2.94×10Pa)、温度180℃、時間7.0秒)を行い、電解液を入れない電気化学デバイス(セル)を作製すると、上述の問題が生じた。リード端子間抵抗が100MΩ未満となった場合に不良品とすると、この場合、サンプル数(50個)において、歩留まりβ1は、25%となった。また、電解液注入後の液漏れに関しては、歩留まりβ2は45%であった。なお、湾曲率R=0.29%(=0.01mm/3.5mm)、面積S1=0.02mmである。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=3.5mm
Z0=40μm
Z1=20μm
Z2=160μm
α=25%
R=0.29%
S=0.02mm
歩留まりβ1=25%
歩留まりβ2=45%
最終歩留まりβ=11.3%
(比較例8)Z1>200μmの場合(厚い場合)
リードの材料としては、幅Y1=10mm,厚さZ0=250μmのアルミニウムを用い、プレス加工を行いZ1=80μmに加工した。これをAl金属フィルムの内面をポリプロプレン樹脂層(単独の厚み80μm×2=160μm)でコーティングした外装体内に挟み込み、熱圧着(圧力3.0kgf/cm(2.94×10Pa)、温度180℃、時間7.0秒)を行い、電解液を入れない電気化学デバイス(セル)を作製すると、上述の問題が生じた。リード端子間抵抗が100MΩ未満となった場合に不良品とすると、この場合、サンプル数(50個)において、歩留まりβ1は、14%(7個)となった。また、測定可能な試料すべてで液漏れが確認され、注液後歩留まりβは0%となった。
これは、リード厚みZ1が厚すぎるため、熱圧着時に容易に樹脂層を貫通してし、短絡しやすいためである。また、その厚みのために、アルミ外装体のトレース性も悪く、隙間をポリプロピレンで充填することが困難であるためである。
なお、湾曲率R=1.5%(=0.15mm/10.0mm)、面積S1=0.75mmである。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=10.0mm
Z0=250μm
Z1=80μm
Z2=160μm
α=138%
R=1.5%
S=0.75mm
歩留まりβ1=14%
歩留まりβ2=0%
最終歩留まりβ=0%
次に、圧力P、Pについて変動させた。
(比較例9)P>6kgf/cm(5.88×10Pa)の場合(強プレスの場合)
リードの材料としては、幅Y1=3.5mm,厚さZ0=100μmのアルミニウムを用い、7.0kgf/cm(6.86×10Pa)でプレス加工を行いZ1=50μmに加工した(サンプル数50個)。しかし、この段階で全てのリードに一部断線が認められたり、横方向に曲がってしまうなど不具合が生じてしまった。引き続き、上例と同様にサンプルを作製したところ、歩留まりβ1は20%(10個)であり、β2は16%(8個)であった。
プレス加工圧力が高すぎると、リードの変形が起こりすぎ、断線やねじれが起こってしまうため好ましくないと思われる。
なお、湾曲率Rはゆがみにより測定不能であった。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=3.5mm
Z0=100μm
Z1=50μm
Z2=160μm
=7.0kgf/cm(6.86×10Pa)
α=59%
R=測定不能
S=測定不能
歩留まりβ1=20%
歩留まりβ2=16%
最終歩留まりβ=3.2%
(実施例3)比率α=56%の場合
Alリードの厚みZ1を90μm(プレス済み)とし、Z2=160μm(80μm×2)とした場合以外の条件は、すべて、実施例1と同様とした。この場合、α=56%であり、以下の結果となった。
Z1=90μm
Z2=160μm
α=56%
R=0.14%(=5μm/3.5mm
S=0.009mm
歩留まりβ1=82%
歩留まりβ2=75%
最終歩留まりβ=61.5%
(実施例4)比率α=47%の場合
Alリードの厚みZ1を75μm(プレス済み)とし、Z2=160μm(80μm×2)とし、P(Pa)=4.31×10Paとした場合以外の条件は、すべて、実施例3と同様とした。この場合、α=47%であり、以下の結果となった。
Z1=75μm
Z2=160μm
α=47%
R=0.14%(=5μm/3.5mm)
S=0.009mm
=4.31×10Pa
T=2.94×10Pa
歩留まりβ1=90%
歩留まりβ2=88%
最終歩留まりβ=79.2%
(実施例5)比率α=41%の場合
Alリードの厚みZ1を65μm(プレス済み)とし、Z2=160μm(80μm×2)とし、P(Pa)=4.31×10Paとした場合以外の条件は、すべて、実施例3と同様とした。この場合、α=47%であり、以下の結果となった。
Z1=65μm
Z2=160μm
α=41%
R=0.14%(=5μm/3.5mm)
S=0.009mm
=4.16×10Pa
T=2.94×10Pa
歩留まりβ1=84%
歩留まりβ2=90%
最終歩留まりβ=75.6%
(実施例6)比率α=34%の場合
Alリードの厚みZ1を60μm(プレス済み)とし、Z2=160μm(80μm×2)とし、P(Pa)=3.92×10Paとした場合以外の条件は、すべて、実施例3と同様とした。この場合、α=34%であり、以下の結果となった。
Z1=60μm
Z2=160μm
α=34%
R=0.14%(=5μm/3.5mm)
S=0.009mm
=3.92×10Pa
T=2.94×10Pa
歩留まりβ1=78%
歩留まりβ2=90%
最終歩留まりβ=70.2%
(実施例7)比率α=56%の場合
Alリードの厚みZ1を28μm(プレス済み)とし、Z2=50μm(25μm×2)とし、P(Pa)=3.92×10Paとした場合以外の条件は、すべて、実施例3と同様とした。この場合、α=56%であり、以下の結果となった。
Z1=28μm
Z2=50μm
α=56%
R=0.14%(=5μm/3.5mm)
S=0.009mm
=3.92×10Pa
T=2.94×10Pa
歩留まりβ1=42%
歩留まりβ2=96%
最終歩留まりβ=40.3%
(実施例8)比率α=56%の場合
Alリードの厚みZ1を205μm(プレス済み)とし、Z2=366μm(183μm×2)とし、P(Pa)=3.92×10Paとした場合以外の条件は、すべて、実施例3と同様とした。この場合、α=56%であり、以下の結果となった。
Z1=205μm
Z2=366μm
α=56%
R=0.14%(=5μm/3.5mm)
S=0.009mm
=3.92×10Pa
T=2.94×10Pa
歩留まりβ1=78%
歩留まりβ2=62%
最終歩留まりβ=48.4%
(実施例9)P<2kgf/cm(1.96×10Pa)かつP>Pの場合(弱プレスの場合)
リードの材料としては、幅Y1=3.5mm,厚さZ0=100μmのアルミニウムを用い、1.5kgf/cm(1.47×10Pa)でプレス加工を行いZ1=95μmに加工した。これをAl金属フィルムの内面をポリプロプレン樹脂層(単独の厚み80μm×2=160μm)でコーティングした外装体内に挟み込み、熱圧着(圧力3.0kgf/cm(2.94×10Pa)、温度180℃、時間7.0秒)を行い、電解液を入れない電気化学デバイス(セル)を作製すると、サンプル数(50個)において、歩留まりβ1は70%(35個)であり、β2は74%(37個)であった。
β1に関しては、未処理と比較するとさほど変わらない値であったため、Pがバリを潰すには不十分であると考えられる。しかしながら、リードの湾曲を除去する効果は多少あると思われ、漏れ歩留まりβ2は向上した。
なお、湾曲率R=1.43%(=0.05mm/3.5mm)、面積S1=0.03mmである。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=3.5mm
Z0=100μm
Z1=95μm
Z2=160μm
=1.5kgf/cm(1.47×10Pa)
α=59%
R=1.43%
S=0.03mm
歩留まりβ1=70%
歩留まりβ2=74%
最終歩留まりβ=51.8%
(実施例10)比率α=59%で初期のプレス圧力を上げた場合
Alリードの厚みZ1を95μm(プレス済み)とし、Z2=160μm(80μm×2)とし、R=0.05%、S1=0.005mm、P(Pa)=6.01×10Paとした場合以外の条件は、すべて、実施例9と同様とした。この場合、α=59%であり、以下の結果となった。
Z1=95μm
Z2=160μm
α=59%
R=0.05%
S=0.005mm
=6.01×10Pa
T=2.94×10Pa
歩留まりβ1=84%
歩留まりβ2=72%
最終歩留まりβ=60.5%
(実施例11)P<1kgf/cm(0.98×10Pa)の場合(弱熱圧着の場合)
リードの材料としては、幅Y1=3.5mm,厚さZ0=100μmのアルミニウムを用い、4.0kgf/cm(3.92×10Pa)でプレス加工を行いZ1=77μmに加工した。これをAl金属フィルムの内面をポリプロプレン樹脂層(単独の厚み65μm×2)でコーティングした外装体内に挟み込み、熱圧着(圧力0.8kgf/cm(0.78×10Pa)、温度180℃、時間7.0秒)を行い、電解液を入れない電気化学デバイス(セル)を作製すると、サンプル数(50個)において、歩留まりβ1は82%(41個)であり、β2は64%(32個)であった。
β1に関しては、バリ潰れの効果があらわれ、ショートしづらくなったと考えられるが、β2に関しては、熱圧着圧力が不足しており、たため、Pがバリを潰すには不十分であると考えられる。しかしながら、リードの湾曲を除去する効果は多少あると思われ、漏れ歩留まりβ2は向上した。
なお、湾曲率R=0.143%(=0.005mm/3.5mm)、面積S1=0.009mmである。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=3.5mm
Z0=100μm
Z1=77μm
Z2=130μm
=3.92×10Pa
T=0.78×10Pa
α=59%
R=0.143%
S=0.009mm
歩留まりβ1=82%
歩留まりβ2=64%
最終歩留まりβ=52.5%
(実施例12)P>4kgf/cm(3.92×10Pa)の場合(強熱圧着の場合)
リードの材料としては、幅Y1=3.5mm,厚さZ0=100μmのアルミニウムを用い、4.0kgf/cm(3.92×10Pa)でプレス加工を行いZ1=77μmに加工した。これをAl金属フィルムの内面をポリプロプレン樹脂層(単独の厚み80μm)でコーティングした外装体内に挟み込み、熱圧着(圧力5.0kgf/cm(4.90×10Pa)、温度180℃、温度7.0秒)を行い、電解液を入れない電気化学デバイス(セル)を作製すると、サンプル数(50個)において、歩留まりβ1は88%(44個)であり、β2は74%(37個)であった。
β1に関しては、プレス処理によりバリ潰れの効果は十二分と思われるが、熱圧着時の圧力が高すぎるため、リードが樹脂層を突き抜けてしまったと思われる。
なお、湾曲率R=0.143%(=0.005mm/3.5mm)、面積S1=0.009mmである。
すなわち、以下の結果となった。
Y1=3.5mm
Z0=100μm
Z1=77μm
Z2=130μm
=4.0kgf/cm(3.92×10Pa)
T=5.0kgf/cm(4.90×10Pa)
α=59%
R=0.143%
S=0.009mm
歩留まりβ1=88%
歩留まりβ2=74%
最終歩留まりβ=65.1%
(実施例13−17)
実施例13〜実施例17では、実施例1における面積S、初期のプレス圧力Pのみを変更して、実験を行った。
(評価のまとめ)
上述の実験結果は、以下の表に示される。
Figure 0005018855

Figure 0005018855
(評価のまとめ)
(1)物の構造として、30%≦α≦60%、かつ、0<R≦2%の場合、実施例1〜12によって証明されるように、適正にプレス処理が行われている場合には、最終歩留まりβは(β1×β2)は30%を超え、大部分は40%を超えており、高くなっている。
上記実施例では、アルミ箔リードの平坦化により、アルミ箔リードの湾曲やたわみが減り、バリが潰れ、その結果、アルミ外装体の熱圧着時にもアルミ箔リードに均一に圧力がかかるため、リードによる樹脂層の突きぬけが減少したと考えられる(ショートの減少)。また、実施例の場合には、樹脂層との密着性が向上し、ガス/液漏れが減少している。すなわち、実施例のように、リード厚みZ1が、樹脂層厚みZ2の30%以上60%以下(30%≦α≦60%)の範囲であれば、実施例1と同様の効果が確認され、高品質の電気化学デバイスが得られた。
比較例2,3,7のように、比率αが下限値(30%)より小さいと、リード横端部形状が強調され、また、熱圧着中のズレやAlリードの断線などが生じ、接合界面のガス漏れ(隙間が生じる)が生じやすくなる傾向があった。この値αが、比較例4,8に記載のように、上限値(60%)を超えると、樹脂層がリードを被覆しきれなくなり、不良品となった。
(2)適正なプレス処理としては、実施例1〜8,10,11,13によって証明されるように、前処理としてのプレス圧力Pが、熱圧着時のプレス圧力Pよりも高いことが、必要であり、この場合にも、最終歩留まりβ=(β1×β2)は、40%を超えている。もちろん、このような大小関係が成立する場合においても、熱圧着時の圧力Pの絶対値が小さすぎる場合、例えば実施例11(P=0.78×10Pa)には、封止が十分度が高くないため、実施例10よりも歩留まりが低くなっており、大きすぎる場合、すなわち実施例12(P=4.90×10Pa)の圧力を超えた場合には、場合によっては封止時に被プレス部の破損等が生じる。したがって、圧力Pは、若干のマージン(下限0.2Pa、上限1.8Pa)をとって、0.98×10Pa≦P≦3.92×10Paを満たすことが好ましく、この場合には、実施例1〜10に記載のように、破損を抑制しつつ、十分な封止を行うことができる。なお、熱圧着の前処理としてのプレス処理時においては、外装体がないため、熱圧着時よりも概ね1Pa程度は高い圧力Pを許容することができる。したがって、圧力Pは、Pよりも若干高い、1.96×10Pa≦P≦5.88×10Paを満たすことが好ましい、
(3)リードの厚みZ1は、実施例1〜6、9〜13において証明されるように、歩留まりが50%を超えるという観点から、30μm≦Z1≦200μmを満たすことが好ましく、この場合には、歩留まりを高めることができる。
また、初期プレス後の面積S(熱圧着後の面積も実質的にこれに等しい)が、0.02mm以下である場合(実施例1〜15)は、最終的な歩留まりは30%を超えており、実施例1では、72%が得られているが、これを超えた場合、すなわち、0<S≦0.02mmの範囲外の場合には、実施例16、17に記載のように、最終歩留まりは、実施例1の場合よりも劣化する。
10…電気化学デバイス、P…外装体、M1,M2…金属フィルム、R1,R2…樹脂層、A1,K1…リード、20…電池素体、LQ…電解液、P1,P2,P3,P4…封止部。

Claims (4)

  1. 金属フィルムを含む外装体と、
    前記外装体内に封入された電池素体と、
    少なくとも前記外装体の封止部の内側に設けられた樹脂層と、
    前記電池素体から前記外装体の前記封止部の前記樹脂層間を介して、前記外装体の外部に延びたリードと、
    を備え、
    前記リードは前記封止部に位置する平坦化加工部を有し、前記平坦化加工部の厚みはその外側の未加工部の厚みよりも薄く設定され、前記未加工部と前記平坦化加工部との境界には上下面に段差が形成され、前記リードの延びる方向をX軸方向とし、前記封止部のX軸方向の寸法X2は、前記平坦化加工部のX軸方向の寸法X1よりも、長く設定され、前記平坦化加工部の上下面の前記段差が前記樹脂層内に食い込んでおり、
    前記平坦化加工部において、前記リードの湾曲面の一方向の弧の一端と、この一端から延びて前記リードに接触する点とを結ぶ線分の長さL1、前記線分から前記リードの湾曲面までの最短距離の最大値L2、前記リードの厚みZ1、前記樹脂層の全厚みZ2、前記リードの湾曲率Rは、以下の関係:
    34%≦Z1/Z2≦59%
    R=L2/L1
    0.05%<R≦1.43%
    を満たし、
    前記リードの厚みZ1は、以下の関係:
    30μm≦Z1≦200μm
    を満たし、
    前記リードの長手方向に垂直な断面内において、前記湾曲面と前記線分によって囲まれた面積Sは、以下の関係:
    0<S≦0.02mm
    を満たすことを特徴とする電気化学デバイス。
  2. 請求項1に記載の電気化学デバイスの製造方法であって、
    少なくとも前記リードの前記封止部に位置する領域をプレス加工し、前記リードの平坦性を向上させる工程と、
    平坦性が向上した前記リードを、前記封止部の前記樹脂層間に配置し、これらを前記外装体とともに熱圧着する工程と、
    を備えることを特徴とする電気化学デバイスの製造方法。
  3. 前記プレス加工時の圧力Pと、前記熱圧着時の圧力Pとは、以下の関係:
    >P
    を満たすことを特徴とする請求項2に記載の電気化学デバイスの製造方法。
  4. 前記プレス加工時の圧力Pと、前記熱圧着時の圧力Pとは、以下の関係:
    1.96×10Pa≦P≦5.88×10Pa
    0.98×10Pa≦P≦3.92×10Pa
    を満たすことを特徴とする請求項3に記載の電気化学デバイスの製造方法。
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