JP5605831B2 - 電子部品、電子装置、及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
この蓄放電機能により、電気二重層キャパシタは、例えば、電子機器の時計機能や半導体メモリなどのバックアップ電源、マイクロコンピュータやICメモリなどの電子装置の予備電源などに用いられている。
このような小型化・薄型化の要望に応えるため、下記の特許文献1では、凹部を有する容器に分極用の電極と電解質を収納し、開口部を封口板で封止した電気二重層キャパシタが提案されている。
また、機械的な精度の影響から電極を配置する際に電極間の距離が広くなる傾向があり、これによって、できあがった製品の内部抵抗が高くなる傾向があった。
電気二重層キャパシタの薄型化と低コスト化の要望に応えつつ、上記問題を如何に解決するかが課題となっていた。
請求項2に記載の発明では、前記容器は、樹脂製のシート材を積層して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品を提供する。
請求項3に記載の発明では、前記空洞部を形成するシート材には、前記空洞部に対応する開口部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品を提供する。
請求項4に記載の発明では、請求項1から請求項3までのうちの何れか1つの請求項に記載の電子部品と、前記電子部品に蓄電する蓄電手段と、所定の機能を発揮する他の電子部品と、前記蓄電した電荷を用いて前記他の電子部品に電力を供給する電力供給手段と、を具備したことを特徴とする電子装置を提供する。
請求項5に記載の発明では、帯形状に形成された金属板の中央部の表面に電極活物質を塗布する電極活物質形成ステップと、前記電極活物質を形成した部分の金属板の一部を切除して、対向する一対の電極を前記帯形状に沿って複数形成する電極形成ステップと、前記形成された一対の電極の個々を、それぞれ容器の空洞部に電解質と共に封入する封入ステップと、前記金属板を切断して、個々の容器を分離する分離ステップと、を有することを特徴とする電子部品の製造方法を提供する。
請求項6に記載の発明では、前記封入ステップでは、前記金属板の前記電極が形成されていない側の端部が前記容器の外部に貫通するように前記金属板の表裏面に樹脂製のシートを積層することにより前記容器を形成することを特徴とする請求項5に記載の電子部品の製造方法を提供する。
電気二重層キャパシタ1(図1)は、樹脂製のシート材で構成された底面板8、枠4、上面板5、封口板6を積層し、内部に空洞部15が形成されたパッケージを有し、空洞部15には、金属板2a、2bの表面に形成された電極3a、3bが所定距離を隔てて対向して電解質と共に封入されている。金属板2a、2bは、空洞部15を貫通してパッケージの外部に至り、底面板8側に屈曲して表面実装用の接続端子を形成している。
電極3a、3b、及び金属板2a、2bの貫通部分が同一平面に形成されているため、電気二重層キャパシタ1を薄型化することができる。
また、次に説明するように、電極活物質を塗布した金属板をプレス加工で打ち抜いて電極3a、3bを形成するため、集電体に電極を個別に設置する手間が省け、かつ、電極間の距離も正確に設定することができる。
更に、底面板8と封口板6は、強度の高いFRP(繊維強化プラスチック)を使用するためパッケージの強度を確保することができる。
まず、金属板2となるフープ材(図2(a))の両端に接続端子用のメッキを施し(図2(b))、フープ材の中央に電極活物質を塗布して電極3を形成する(図2(c))。
次に、フープ材をプレス加工で打ち抜いて、電極3a、3bの組を同時に複数作成する(図2(d))。
次に、フープ材の底面には底面板8を、上面には枠4、上面板5を積層して空洞部15を形成する(図3(a)〜(c)、図4(a))。
上面板5に形成された注入口16から電解質を適量注入し、封口板6で上面板5の全体を覆って注入口16を封口する(図4(b))。
最後に、個々の電気二重層キャパシタ1を切り抜いて電気二重層キャパシタ1が完成する(図5)。
(2)実施の形態の詳細
本実施の形態の電子部品を構成する電気化学セルについて図面を参照して説明する。なお、以下では、実施の形態として電気二重層キャパシタを例として説明するが、電子部品を非水電解質電池など、他の種類の電気化学セルとすることも可能である。
電気二重層キャパシタ1は、例えば、高さが1[mm]以下、縦が2.5[mm]程度、横が3.0[mm]程度の直方体形状を有している。
底面板8、枠4、上面板5、封口板6は、電極3を収納する空洞部15(キャビティ)を有するパッケージを形成している。
また、底面板8が形成されている側が基板に表面実装される側であり、以下では、底面板8の側を下方、封口板6の側を上方とする。
本実施の形態では、金属板2としてステンレススチールを用いるが、アルミニウムや銅系の純金属、合金、またはクラッド材など他の種類の金属を用いてもよい。
電極3a、3bは、後述するように、金属板2a、2bを構成するフープ材に、活性炭を主成分とする電極活物質を塗布・圧延し、これを固化することにより形成されている。
また、図示しないが、電極3a、3bの間に短絡を防止するためのセパレータを設置することもできる。
セパレータの材質として、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、変性PEEK、PTFE(テトラフルオロエチレン)などの耐熱性樹脂などの表面に親水性を付与した材料から成る不織布、又はガラス繊維やセラミック多孔質体を用いることができる。また、セパレータの代わりにゲル状のポリマー電解質を配置することも出来る。
なお、本実施の形態では、金属板2の先端をパッケージの外側に向けて屈曲させたが内側に屈曲してもよい。
また、金属板2a、2bのパッケージを貫通する部分(底面板8と枠4で挟まれた部分)は、同一平面上の対向する側に形成されており、更に、電極3a、3bも同一平面上に形成されている。このため、電気二重層キャパシタ1の薄型化を図ることができる。
また、メッキの他に、蒸着などの気相法を用いてこれら金属の層を形成することもできる。
FRPの他に、例えば、PTFE(テトラフルオロエチレン)、PFA(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂を用いることも可能である。
また、PFAは、SUS材などと接合し易いという性質があるので、PFAを接合部材として使用し、まず、金属板2の底面にPFAを接合し、更にその下にFRPを接合して底面板8を構成してもよい。
なお、FRP、PTFE、PFAの他に、使用可能な樹脂としては、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、変性PEEK、芳香族ポリアミド、変性芳香族ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチックがある。
枠4は、金属板2の上面に熱圧着などにより接合しており、電極3a、3bは、枠4の開口部内に位置している。
図示しないが、上面板5の中央には、電解質を空洞部15に注入するための注入口が設けられている。
底面板8の上面、枠4の内周面、及び上面板5の下面により、電極3a、3bを収納する空洞部15が形成され、内部には電解質が適量注入されている。
なお、空洞部15には、電極3a、3bと液絡を形成且つ維持するために含浸材を封入しておき、含浸材に電解質を含浸させるように構成することもできる。含浸材の材質としては、上述のセパレーターやポリマー電解質と同一の材料を用いることができる。
封口板6により、上面板5の注入口が封口され、空洞部15が密閉される。
封口板6をFRPとすることにより、パッケージの強度を高めることができる。
なお、封口板6をPTFEなどの他の種類の樹脂で構成することも可能である。
また、これら積層する樹脂シートの材質は、熱膨張係数が等しいか近いものが望ましい。熱膨張係数を揃えることで、電気二重層キャパシタ1をリフローなどで加熱した際にパッケージが破損することなく密閉製を保つことができる。
枠4の開口部は、電極3a、3bの外周に合わせて矩形に形成されており、電極3a、3bの周囲を囲んでいる。
枠4の4辺のうち、金属板2a、2bが貫通している部分は、金属板2a、2bに接合しており、その他の部分は、枠4と同じ外形を有する底面板8と接合している。
そして、電極3aの凸部は、電極3bの凹部(凸部の間)に同一平面内で所定距離を隔てて対向し、電極3bの凸部は、電極3aの凹部に同一平面内で所定距離を隔てて対向している。
このように、電極3a、3bに凹凸を形成して、凸部と凹部を対向させたのは、電極3a、3bの対向する領域を多くし、内部抵抗を低減するためである。
まず、図2(a)に示したように、金属板2を構成するフープ材を用意する。
このフープ材は、図に向かって上下方向に帯状に形成されており、上端部分、及び下端部分の破線は、フープ材の続きの部分を省略していることを示している。
なお、本実施の形態では、金属板2の両側の表裏面にメッキするが、基板に接する側だけメッキしてもよい。
より詳細には、活性炭やカーボンブラック(導電体として機能する)などを有機溶剤を含む結着剤と加えて練り、これを塗布・圧延する。その後、練ったものを乾燥させると、電極3が金属板2の表面に付着する。
電極活物質を塗布する幅は、後に枠4が接合する金属板2の部分を確保するように設定されている。
これにより、電極3aと電極3bの組がフープ材に沿って複数同時に作成される。なお、電極3aと電極3bが分離しないように、電極3aと電極3bの組の間に両者を連結するブリッジ10はプレス加工により取り残されることで形成される。
なお、電極3a、3bをプレス加工で抜く際に、接続端子の曲げ加工をプレス加工によって同時に行ってもよい。あるいは、接続端子の曲げ加工をした後に電極3a、3bをプレス加工で形成してもよい。
なお、以下では、フープ材の平面図の上に、B−B線における断面図も図示する。
底面板8の横幅(フープ材の幅方向)は、屈曲部12a、12bの距離程度であり、縦方向(フープ材の長手方向)には、電極3a、3bの外側に所定量はみ出している。なお、底面板8に、電極3と同じ厚さで同じ幅の凹部を形成しておき、当該凹部に電極3をはめ込んでもよい。
底面板8と枠4は、金属板2と接している部分は、金属板2と接合し、底面板8と枠4が接する部分(電極3a、3bから外側にはみ出した部分)は、底面板8と枠4が直接接合する。
底面板8と枠4を接合することにより、電極3a、3bが底部に形成された凹部を有する容器が形成される。
また、電解質の含浸材を用いる場合は、含浸材を設置した後上面板5を接合する。
上面板5を接合した後、注入口16から電解質を注入する。電解質は、例えば、PC(プロピレンカーボネート)などの非水溶媒に(CH3)・(CH4)3NBF4などの支持塩を溶かした溶液で構成されている。
また、電解質をゲルや固体で構成することも可能である。この場合は、電解質を電極3a、3bに設置した後、上面板5を接合する。
以上の工程により、図5に示したように、フープ材に沿って電気二重層キャパシタ1が同時に複数製造される。
なお、以上に説明した実施の形態では、底面板8、枠4、上面板5、封口板6を熱圧着により接合したが、接合部分をレーザで溶かして溶着させたり、あるいは、二液性または一液性の接着剤を用いて接合してもよい。
(1)シート状の金属板に電極活物質を塗布して固化した後に、これを打ち抜くことにより、設計通りの形状、及び間隔の電極3a、3bを一度に複数形成することができる。これにより、製造コストの低減と、不良発生率の低減を図ることができる。
(2)電極3が同一平面に形成されるため、薄型化を図ることができる。
(3)シート状の金属板2に一度に複数の電気二重層キャパシタ1を形成するため、製造コストの低減を図ることができる。
(4)樹脂製のシート材を積層することにより容易にパッケージを作成することができる。
(5)強度の高いFRPのシートと接着性の高いPFAのシートなど、性質の異なる樹脂製シートを組み合わせることにより強度と気密性を兼ね備えたパッケージを形成することができる。
図6(a)は、変形例に係る電気二重層キャパシタ1aの側面断面図であり、図6(b)は、電気二重層キャパシタ1aの平面断面図である。
なお、図6(a)は、図6(b)のB−B線における断面図であり、図6(b)は、図6(a)のA−A線における断面図である。先に説明した実施の形態と同じ構成には同じ符号を付してある。
また、底面板8には、ひねった金属板2a、2bを収納する凹部17が形成されている。
なお、図示しないが、電極3aと電極3bの間にはセパレータが設置されており、電解質が満たされている。
また、電極3aの隣接する2つ凸部の間の部分31aを蛇腹にプレス加工し(即ち、部分31aを電極3aの平面に垂直な方向に凹凸させる)、電極3bの部分31bも同様に加工すると、電極3aと電極3bの間隔を狭めてより内部抵抗を低減することが可能である。
図7(a)は、電極3cと電極3dは、辺が斜めの凸部と凹部を有し、互いに自己の凸部が相手の凹部に対向するように電極3を形成した例である。
電極3は、プレス加工で打ち抜いて形成するため、型を準備することにより任意の形状の電極3を形成することができる。また、曲線を用いて凹凸部を形成することもできる。
図7(b)は、電極3eと電極3fが凹凸部を有さず、直線の辺が所定間隔を隔てて対向している例である。
このように、電極3は、凹凸部がなくても形成することができる。
リードフレーム41は、ステンレススチールやアルミニウムの板材の中央部分に電極活物質を塗布してプレスで抜くことにより形成される。
すると、金属板の上に対向する矩形の電極3g、3hが形成され、領域42に樹脂製のシート材を積層すると、電気二重層キャパシタが形成される。
このように、フープ材を用いずとも、金属板から抜き出したリードフレーム41を用いて電気二重層キャパシタを作成することもできる。
電気二重層キャパシタ1のパッケージは、空洞部15を有し、内部に密閉された空洞部を有する容器として機能している。
電極3a、3bは、電極活物質が塗布された金属板2a、2bを用いて構成され、空洞部15にて所定の距離を隔てて対向するため、表面に電極活物質が塗布された金属板を用いて形成され、前記空洞部内で所定の距離を隔てて対向する一対の電極として機能している。
金属板2a、2bは、枠4と底面板8の間の同一平面において電極3a、3bの対向方向にパッケージの外部へ貫通するため、前記電極の各金属板の各々と一体形成され、同一平面内で前記容器の外部に貫通する一対の導電体として機能している。
空洞部15に封入された電解質は、電極3a、3bと接するため、前記一対の電極に接する電解質として機能している。
この場合、携帯電話は、主電源の電池を装着すると同時に電気二重層キャパシタ1を充電しておき、主電源の電池の取り外し時に、電気二重層キャパシタ1に蓄積された電荷を放電して電子機器の時計機能やメモリに電力を供給する。
そのため、当該携帯電話は、電気二重層キャパシタ1で構成された電子部品と、主電源の電池を装着すると同時などに前記電子部品に蓄電する蓄電手段と、電子機器の時計機能やメモリなどの所定の機能を発揮する他の電子部品と、蓄電した電荷を放電して電子機器の時計機能やメモリに電力を供給するなど、前記蓄電した電荷を用いて前記他の電子部品に電力を供給する電力供給手段を備えた電子装置として機能している。
フープ材の電極3を形成した部分をプレスによって打ち抜いて対向する電極3a、3bをフープ材に沿って複数製造するため、前記電極活物質を形成した部分の金属板の一部を切除して、対向する一対の電極を前記帯形状に沿って複数形成する電極形成ステップを有している。
また、電極3a、3bを電解質と共に空洞部15に封入するため、前記形成された一対の電極の個々を、それぞれ容器の空洞部に電解質と共に封入する封入ステップを有している。
更に、フープ材を切断して個々のパッケージを分離するため、前記金属板を切断して、個々の容器を分離する分離ステップを有している。
2 金属板
3 電極
4 枠
5 上面板
6 封口板
7 金属層
8 底面板
10 ブリッジ
12 屈曲部
15 空洞部
16 注入口
21 枠
22 底面板
31 部分
41 リードフレーム
42 領域
Claims (6)
- 内部に密閉された空洞部を有する容器と、
表面に電極活物質が塗布された金属板を用いて形成され、前記空洞部内で所定の距離を隔てて対向する一対の電極と、
前記電極の各金属板の各々と一体形成され、同一平面内で前記容器の外部に貫通する一対の導電体と、
前記一対の電極に接する電解質と、を具備し、
前記電極の対向部分は凹凸形状に形成されており、一方の電極の凸部が他方の電極の凹部に対向し、前記電極活物質が形成された表面が対面するように前記凸部の根元部分がねじってある
ことを特徴とする電子部品。 - 前記容器は、樹脂製のシート材を積層して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品。
- 前記空洞部を形成するシート材には、前記空洞部に対応する開口部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電子部品。
- 請求項1から請求項3までのうちの何れか1つの請求項に記載の電子部品と、
前記電子部品に蓄電する蓄電手段と、
所定の機能を発揮する他の電子部品と、
前記蓄電した電荷を用いて前記他の電子部品に電力を供給する電力供給手段と、
を具備したことを特徴とする電子装置。 - 帯形状に形成された金属板の中央部の表面に電極活物質を塗布する電極活物質形成ステップと、
前記電極活物質を形成した部分の金属板の一部を切除して、対向する一対の電極を前記帯形状に沿って複数形成する電極形成ステップと、
前記形成された一対の電極の個々を、それぞれ容器の空洞部に電解質と共に封入する封入ステップと、
前記金属板を切断して、個々の容器を分離する分離ステップと、
を有することを特徴とする電子部品の製造方法。 - 前記封入ステップでは、前記金属板の前記電極が形成されていない側の端部が前記容器の外部に貫通するように前記金属板の表裏面に樹脂製のシートを積層することにより前記容器を形成することを特徴とする請求項5に記載の電子部品の製造方法。
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JP2012023220A (ja) | 2012-02-02 |
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