JP5018574B2 - 転がり軸受装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、転がり軸受装置に関し、特に、外輪の形状に特徴を有する転がり軸受装置の製造方法に関する。
車輪を取り付けるためのハブ輪と軸受とが別体となっており、軸受をハブ輪に嵌入して用いる車両用軸受装置(いわゆる第1世代ハブユニット)である転がり軸受装置において、軸受の外輪端部にシール装置を内嵌すると、シール装置の反力により、外輪が径方向において外方(以下、単に「外方」とする。)に膨出し、外輪端部の外径が大きくなるため、軸受をハブ輪へ嵌入することが困難となるという問題点があった。これに対して軸受の軸方向において外部側(以下、単に「外部側」とする。)、および軸方向において車体側(以下、単に「車体側」とする。)の端部に、軸方向において内側に比して外輪の外径が小径である小径部を設け嵌入を容易にする技術が用いられている。以下、図を用いて説明する。
図3(a)および図3(b)に示すように、外輪101の軸方向において外部側(以下、単に、「外部側」という。)の端部115には内径が一定な平坦部117が形成されている。この平坦部117には外部から軸受装置内部、即ち外輪101と、外部側内輪140および車体側内輪141によって構成された内輪104とに囲まれた空間130に水分等が浸入することを防止するシール部材121が内嵌されている。従って、シール部材121の反力により外輪101の端部115は、径方向において外方(以下、単に、「外方」という。)に膨出量D104だけ膨出する。外輪101の端部115が膨出した結果、ハブ輪102の内径より外輪101の外径が大きくなると、転がり軸受装置110をハブ輪102へ嵌入することが困難となる。そこで、外輪101の端部115の径を他の外輪部分の径より小径とした小径部111が設けられている。なお、小径部111の外径は他の外輪部分の径D101より減少量D106だけ小さくなっている。この減少量D106は外輪101が膨出する膨出量D104より大きいため、外輪101の端部115の膨出を原因として転がり軸受装置110をハブ輪102へ嵌入することが困難となることを防止する。
また同様に、図3(a)および図3(c)に示すように、外輪101の軸方向において車体側(以下、単に、「車体側」という。)の端部116には内径が一定な平坦部118が形成されている。平坦部118には外部から軸受装置内部、即ち外輪101と、外部側内輪140および車体側内輪141によって構成された内輪104とに囲まれた空間130に水分等が浸入することを防止するシール部材122が内嵌されている。従って、シール部材122の反力により外輪101の端部115は、外方に膨出量D105だけ膨出する。外輪101の端部116が膨出した結果、ハブ輪102の内径より外輪101の外径が大きくなると、転がり軸受装置110をハブ輪102へ嵌入することが困難となる。そこで、外輪101の端部116の径を他の外輪部分の径より小径とした小径部119が、設けられている。なお、小径部119の外径は他の外輪部分の径D101より減少量D107だけ小さくなっている。この減少量D107は外輪101が膨出する膨出量D105より大きいため、外輪101の端部116の膨出を原因として転がり軸受装置110をハブ輪102へ嵌入することが困難となることを防止する。
しかし、小径部111,119を設けることにより外輪端部115,116の肉厚は他の外輪の肉厚に比べ減少量D106および減少量D107だけ小さくなる。小径部111,119の肉厚を基準として、外輪101の強度設計を行うと、外輪101の他の部分が必要以上に肉厚となり、転がり軸受装置110の重量が増加する。また、外輪101が肉厚となることに伴い、転動体の回転中心から転がり軸受装置110の回転中心までの距離が小さくなるため、転がり軸受装置110の定格荷重が小さくなり問題であった。
そこで、図4(a)および図4(b)に示すように、この小径部に短円筒状の抑えリング105を小径部111,119に外嵌することにより、外輪101の端部115,116を補強する技術が提示されている。抑えリング105を外嵌することにより、外輪101の肉厚を小さくしても、外輪101の端部115,116の強度を十分に確保できる。この為、軽量化と耐久性の確保とを両立できる構造を実現できると記載されている(例えば、特許文献1)。
特開2000−130444
しかし、抑えリング105を外輪101に外嵌すると、抑えリング105が外方に突出するため、抑えリング105が大きい場合、ハブ輪102に外輪101を内嵌する際に抑えリング105がハブ輪102に当たり、内嵌作業の支障となる。一方、抑えリング105を極度に薄くすることにより抑えリング105がハブ輪102に当たることを抑制すると、抑えリング105の製造が技術的に困難になるとともに、抑えリング105が極端に薄いため、外輪101の端部116を十分に補強することができなくなる。一方、抑えリング105の厚みを吸収できる程度まで、小径部119の外径を小さくすると、抑えリング105の厚みは確保できるものの、外輪101の端部116の肉厚が極端に薄くなり、抑えリング105によっても十分に補強することは困難である。従って、この技術は、転がり軸受装置110をハブ輪に挿入する必要があるいわゆる第1世代ハブユニットの転がり軸受装置には、適用困難である。また、適用が可能であった場合にも、抑えリング105を使用することにより部品点数が増加し、コストアップとなる。
そこで、本発明はかかる実情を鑑みてなされたもので、第1世代ハブユニットに容易に適用できる技術でありかつ部品点数を従来に比して増加させることなく、転がり軸受装置をハブ輪に容易に嵌入できる構造を有する転がり軸受装置であって、外輪端部の強度を従来に比して大きくすることができる転がり軸受装置を供給することを目的とする。
なお、「シール部材が内嵌されることにより端部の外径が増加する領域」については実験的または経験的に求めることができるが、通常は、外輪の軸方向における外側末端から、シール部材が内嵌されている部分の軸方向における大きさの3倍程度、軸方向において内側よりの位置までの領域である。
本発明の製造方法は、転がり軸受装置の製造方法であって、前記転がり軸受装置は、ハブ輪に内嵌される略円筒状の外輪と、前記外輪の径方向において内方に配設される内輪と、前記外輪の軸方向における端部に内嵌され、前記内輪に摺接し、前記内輪および前記外輪により形成された空間内部への水分の浸入を防止または抑制するシール部材とを備え、前記外輪は、前記端部に外径漸減部を有し、前記外径漸減部は、前記シール部材が前記端部に内嵌されることによる前記端部の外径の増加量に対応し、前記外輪の軸方向において外側に向かうにつれて外径が漸減し、前記シール部材が前記端部に内嵌されることにより前記端部の外径が増加する全領域に形成され、前記転がり軸受の製造方法は、前記外輪を粗形成する第1工程と、前記粗形成された前記外輪の整形をする第2工程と、前記整形された前記外輪に前記外径漸減部を形成する第3工程とを少なくとも含む。
上記製造方法は、前記第3工程の後において前記外輪を削る工程および前記外輪を磨く工程を行わないことが好ましい。
上記製造方法は、本発明にかかる転がり軸受装置の製造方法である。従って、製造された転がり軸受装置は、シール部材が内嵌されることによる前記端部の外径の増加量に対応し、外径が軸方向において外側に向い漸減する外径漸減部を、外輪の軸方向における端部に設けたため、シール部材が内嵌されることによる外輪の外径の増加量を外径漸減部が吸収することができる。よって、外輪端部の外径増加により、外輪端部の外径がハブ輪の内径より大きくなったため、転がり軸受装置がハブ輪に嵌合困難となることを抑制する。
また、外径漸減部は、シール部材が内嵌されることによる端部の外径の増加に対応し、外径が外側に向い漸減する。即ち、外径の漸減量は、シール部材が内嵌された後の外輪の増加量と等しいかやや大きいため、外径の漸減量は上記従来の転がり軸受装置における小径部に対して大きくすることが可能となる。従って、外輪端部の肉厚も、上記従来の転がり軸受装置の外輪小径部の肉厚に比べ、大きくすることが可能となる。外径漸減部の肉厚を基準として、外輪の強度設計を行うとき、外輪の他の部分の厚みを上記従来に比して小さくすることが可能となり、転がり軸受装置の重量を従来に比して減少させうる。
また、外輪の肉厚が小さくなることに伴い、転動体の回転中心から転がり軸受装置の回転中心までの距離も上記従来に比して大きくすることができるため、転がり軸受装置の定格荷重を上記従来に比して大きくすることが可能となる。
また、外輪端部の肉厚を、上記従来の転がり軸受装置の外輪小径部の肉厚に比べ、大きくすることが可能なため、従来のように抑えリングなどの別個の部材を必要とすることもなく、別個の部材を使用することによる部品点数の増加およびコストアップを抑制する。更に、外径が軸方向において外側に向い漸減するため、外径の急峻に減少する部分等の応力が集中する部分を外径漸減部内に有さない。
また、上記製造方法は、外輪の粗形成をする第1工程と、粗形成された外輪の整形をする第2工程と、整形された外輪に外径漸減部を形成する第3工程とを備える転がり軸受装置の製造方法である、即ち、外輪が粗形成および整形された後に外径漸減部を形成するため、第3工程により形成された外径漸減部の形状が、後工程の影響を受けることがない。従って、外径漸減部が微細な形状であっても、正確に形成することが可能となるとともに、後の工程による外径漸減部の磨耗による消滅を防止または抑制することが可能となる。
本発明によれば、第1世代ハブユニットに容易に適用できる技術であって、部品点数を増加させることなく、軸受端部の強度を上記従来に比して大きくした軸受装置を供給することができる。
本形態にかかる転がり軸受装置の構造を、図面を用いて、以下に説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかる転がり軸受装置10は、略円筒形状の外輪1を有しているとともに、この外輪1がハブ輪2に内嵌されるいわゆる第1世代ハブユニットに用いられる軸受装置であり、従動輪に用いられている。外輪内周面12には軌道面13および軌道面14が設けられている。この軌道面13,14が設けられている部分の外輪内径D2は中心軸方向において外側(以下、単に「外側」とする。)に向って漸増しており、かつ外輪外径D1は略一定であるため、外輪1の肉厚D3は、軌道面において外方に向かい漸減する。
図1および図2(a)に示すように、軌道面13の外側、即ち外輪1の軸方向において外部側(以下、単に、「外部側」という。)の端部15には内径が一定な平坦部17が形成されている。この平坦部17には外部から軸受装置内部、即ち内輪4および外輪1により形成された空間30の内部に水分等が浸入することを防止または抑制するシール部材21が内嵌されているため、シール部材21の反力により外輪1の端部15は、径方向において外方(以下、単に、「外方」という。)に膨出量D4だけ膨出する。そのため外輪1の外径部においてシール部材21の嵌合による影響が及ぶ範囲L1、即ち、シール部材21の反力により膨出する範囲の外輪1の外径D1を、膨出量D4に対応させて、外部側(外側)に向って漸減させることにより、外径漸減部11を形成させている。シール部材21の嵌合による影響が及ぶ範囲L1は、一般的には、外輪1の外部側の末端23を始点として、シール部材21の軸方向における大きさの3倍程度車体側の位置24を終点とする範囲である。この外径漸減部11の外部側末端、即ち外部側末端において外径D1の減少量D6は外輪の膨出量D4と等しいかやや大きくなるため、内嵌されたシール部材21の反力により膨出した外輪1の端部15が、ハブ輪2へ外輪1を嵌入する際の支障となることが防止または抑制される。また、外径D1の減少量D6は外輪が膨出する膨出量D4と等しいかやや大きいため、上記従来の外径の減少量D106に比して、外径D1の減少量D6は小さい。即ち、外輪1の厚みの最も小さい部分の厚みを上記従来に比べ大きくすることができる。更に、従来の小径部111に比して、外径漸減部11における外輪1の厚みの変化は滑らかであるため、応力の集中が抑制される。また、影響が及ぶ範囲L1全域にわたって外径漸減部11を設けているため、転がり軸受装置10をハブ輪2に嵌入した状態における応力の集中を一層抑制することができる。
また同様に、図1および図2(b)に示すように、軌道面14の外側、即ち外輪1の軸方向において車体側(以下、単に、「車体側」という。)の端部16には内径が一定な平坦部18が形成されている。この平坦部18には外部から軸受装置内部、即ち内輪および外輪により形成された空間30の内部に水分等が浸入することを防止または抑制するシール部材22が内嵌されているため、シール部材22の反力により外輪1の端部16は、外方に膨出量D5だけ膨出する。そのため、外輪外径部においてシール部材22の嵌合による影響が及ぶ範囲L2、即ち、シール部材22の反力により膨出する範囲の外輪1の外径D1を、膨出量に対応して、外部側に向って漸減させることにより外径漸減部19を形成させている。シール部材22の嵌合による影響が及ぶ範囲L2は、一般的には、外輪1の車体側の末端25を始点として、シール部材22の軸方向における大きさの3倍程度外部側の位置26を終点とする範囲である。この外径漸減部11の外部側末端、即ち外部側末端において、外径D1の減少量D7は外輪が膨出する膨出量D5と等しいかやや大きくなるため、内嵌されたシール部材22の反力により膨出した外輪1の端部16が、ハブ輪2へ外輪1を嵌入する際の支障となることが防止または抑制される。また、外径D1の減少量D7は外輪が膨出する膨出量D5と等しいかやや大きいため、上記従来の外径の減少量D107に比して、外径D1の減少量D7は小さい。即ち、外輪1の厚みの最も小さい部分の厚みを上記従来に比べ大きくすることができる。更に、従来の小径部119に比して、外径漸減部19における外輪1の厚みの変化は滑らかであるため、応力の集中が抑制される。また、影響が及ぶ範囲L2全域にわたって外径漸減部19を設けているため、転がり軸受装置10をハブ輪2に嵌入した状態における応力の集中を一層抑制することができる。なお、外径漸減部19における外輪外径D1の減少量D7は実験により求めることができる。
一方、外輪1の径方向において内方(以下、単に「内方」という。)に配設される内輪4は外部側に配される略円筒形状の外部側内輪40と車体側に配される略円筒形状の車体側内輪41とから構成される。外部側内輪40および車体側内輪41は図示しない車両本体から延設された固定軸6に固定されている。この外部側内輪40の外周面42には、外輪1の軌道面13と対向する位置に軌道面43が設けられるとともに、車体側内輪41の外周面45には、外輪1の軌道面14と対向する位置に軌道面44が設けられる。この軌道面43,44が設けられている部分の内輪外径は外側に向って漸増している。この軌道面13と軌道面43との間に、転動体51が回転可能に介装されているとともに、軌道面14と軌道面44との間に、転動体52が回転可能に介装されている。
上記説明した転がり軸受装置10の外輪1は、以下の工程を含む製造方法により形成される。まず、第1工程として外輪が粗形成される。軸受鋼により外輪1を形成する場合、粗形成は、通常、鍛造および鍛造された外輪を旋盤により荒削りする旋削により行われる。粗形成された外輪に、必要に応じて焼入れ等が行われた後、第2工程として整形が行われる。整形は、通常、研削および研削に続く研磨によって行われ、正確な形状に外輪が加工される。更に第3工程として、整形された外輪に、研削あるいは研磨によって外径漸減部11,19が形成されるとともに、外輪形成が完了する。このように外径漸減部11,19の形成は整形工程の後に行われるため、外径漸減部11,19の形成後には、研削および研削等の外輪を削ったり磨いたりする工程が行われないため、形成された外径漸減部11,19の形状が変化することがなく、正確に外径漸減部11,19を形成することができる。また、外径漸減部11,19の形成後には、研削および研削等の外輪を削ったり磨いたりする工程が行われないため、外径漸減部11,19が摩消することもない。
なお、従来、小径部111,119は旋削工程において作成されていたため、続く研削・研磨の工程において段差が消滅する可能性があった。従って、段差の消滅を防止または抑制できる程度の大きさ、例えば、250μm程度の大きさを有する段差を持つ小径部111,119を形成することが、必要であった。本実施形態における外径漸減部11,19は最終工程たる研磨工程の後に形成され、形成された外径漸減部11,19が以後の工程により消滅することはないため、外輪1の膨出量に応じた量、例えば、20μm程度研削または研磨することにより、外径漸減部11,19を形成すればよい。
上記実施形態の転がり軸受装置によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態にかかる転がり軸受装置によれば、シール部材21,22が内嵌されることによる端部の外径D1の増加量D4,D5に対応し、外径D1が軸方向において外側に向い漸減する外径漸減部11,19を、外輪1の軸方向における端部15,16に設けたため、シール部材21,22が内嵌されることによる外輪1の外径D1の増加量を外径漸減部11,19が吸収することができる。従って、外輪端部15,16の外径D1の増加により外輪端部の外径がハブ輪の内径より大きくなったため、転がり軸受装置10がハブ輪に嵌合困難となることを、抑制する。
(2)上記実施形態にかかる転がり軸受装置によれば、外径漸減部11,19は、シール部材21,22が内嵌されることによる端部の外径D1の増加に対応し、外径が外側に向い漸減する。即ち、外径の漸減量は、シール部材が内嵌された後の外輪の増加量D4,D5と等しいかやや大きいため、外径の漸減量は上記従来の転がり軸受装置110における小径部111,119に対して小さくすることが可能となる。従って、外輪1の端部15,16の肉厚も、上記従来の転がり軸受装置110の外輪小径部111,119の肉厚に比べ、大きくすることが可能となる。外径漸減部11,19の肉厚を基準として、外輪1の強度設計を行うとき、外輪1の他の部分の厚みを上記従来に比して小さくすることが可能となり、転がり軸受装置10の重量を従来に比して減少させうる。
(3)上記実施形態にかかる転がり軸受装置によれば、外輪1の肉厚が小さくなることに伴い、転動体51,52の回転中心から転がり軸受装置10の回転中心までの距離も上記従来に比して大きくできるため、転がり軸受装置10の定格荷重を上記従来に比して大きくすることが可能となる。
(4)上記実施形態にかかる転がり軸受装置によれば、外輪端部15,16の肉厚を、上記従来の転がり軸受装置110の外輪端部115,116の肉厚に比べ、大きくすることが可能なため、従来のように抑えリング105などの別個の部材を必要とすることもなく、別個の部材を使用することによる部品点数の増加およびコストアップを抑制する。更に、外径D1が外側に向い漸減するため、外径D1が急峻な減少する部分等の応力が集中する部分を外径漸減部11,19内に有さない。
(5)上記実施形態にかかる転がり軸受装置によれば、シール部材21,22が内嵌されることにより端部15,16の外径D1が増加する全領域にわたって、外径漸減部11,19が設けられるため、端部15,16の外径増加により、端部15,16の外径がハブ輪2の内径より大きくなったため、転がり軸受装置10がハブ輪2に嵌合困難となることを一層抑制する。
(6)上記実施形態にかかる転がり軸受装置10の製造方法は、外輪1の粗形成をする第1工程と、粗形成された外輪1の整形をする第2工程と、整形された外輪1に外径漸減部11,19を形成する第3工程とを備える転がり軸受装置10の製造方法である。即ち、外輪1が粗形成および整形された後に外径漸減部11,19を形成するため、第3工程により外径漸減部11,19の形状が後工程により影響を受けることがない。従って、外径漸減部11,19が、例えば最大漸減幅20μm程度の微細な形状であっても、正確に形成することが可能となるとともに、後の工程による外径漸減部11,19の磨消を防止または抑制することが可能となる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態にかかる転がり軸受装置は、外輪1が粗形成および整形された後に外径漸減部11,19を形成する製造方法により製造されているが、他の製造方法により製造されても良い。即ち、形成された外径漸減部11,19の漸減幅が以後の工程により変化たり、外径漸減部11,19が消滅したりしない製造方法であれば、他の製造方法によって製造しても良い。
・上記実施形態にかかる転がり軸受装置において、外径漸減部11,19は、外径が増加する全領域にわたって形成されているが、他の構成であっても良い。例えば、外径が増加する領域の一部のみに形成されていてもよい。即ち、転がり軸受装置10をハブ輪2に嵌入する際に支障が生じなければ良いのであるから、外径が増加する領域の一部に応力が集中することが問題とならなければ、外径漸減部の形成領域を小さくすることにより加工の手間が減少し、コストダウンに資する。
・上記実施形態にかかる転がり軸受装置において、外輪1の外部側の端部15に外径漸減部11を設けるとともに、外輪1の車体側の端部16に外径漸減部19を設けているが、他の構成であっても良い。本実施形態においては外部側より転がり軸受装置10をハブ輪2に嵌入するため、外輪1の車体側の端部16のみに外径漸減部19を設けても良い。この場合においては挿入の最初の段階でハブ輪2の外部側開口部に外輪1の末端25が挿入できれば、車体側に押圧をかけることにより、転がり軸受装置10をハブ輪2に嵌入することができる。外輪1外部側の端部15に応力が集中することが問題とならない場合においては、外輪1の外部側の端部15の外径漸減部11を割愛することにより、コストダウンを図ることが可能である。
本発明は、ハブ輪に嵌入する形式の転がり軸受装置に、広く利用可能である。
本発明にかかる転がり軸受装置の一実施形態について説明する図面であって、軸方向断面図である。 本発明にかかる転がり軸受装置の一実施形態について説明する図面であって、(a)は組み付け前の外輪の外部側端部の一部拡大断面図であり、(b)は組み付け前の外輪の車体側端部の一部拡大断面図である。 従来の転がり軸受装置の一実施形態について説明する図面であって、(a)は軸方向一部断面図であり、(b)は組み付け前の外輪の外部側端部の一部拡大断面図であり、(c)は組み付け前の外輪の車体側端部の一部拡大断面図である。 従来の転がり軸受装置の他の実施形態について説明する図面であって、(a)は外輪の外部側端部の一部拡大断面図であり、(b)は外輪および抑えリングを車体側から見た図である。
符号の説明
1…外輪、2…ハブ輪、4…内輪、6…固定軸、10…転がり軸受装置、11…外径漸減部、12…外輪内周面、13…軌道面、14…軌道面、15…端部、16…端部、17…平坦部、18…平坦部、19…外径漸減部、21…シール部材、22…シール部材、23…末端、24…位置、25…末端、30…空間、40…外部側内輪、41…車体側内輪、42…外周面、43…軌道面、44…軌道面、45…外周面、51…転動体、52…転動体、101…外輪、102…ハブ輪、104…内輪、105…抑えリング、110…転がり軸受装置、111…小径部、113…軌道面、114…軌道面、115…端部、116…端部、117…平坦部、118…平坦部、119…小径部、121…シール部材、122…シール部材、130…空間、140…外部側内輪、141…車体側内輪。

Claims (2)

  1. 転がり軸受装置の製造方法であって、
    前記転がり軸受装置は、
    ハブ輪に内嵌される略円筒状の外輪と、
    前記外輪の径方向において内方に配設される内輪と、
    前記外輪の軸方向における端部に内嵌され前記内輪に摺接し、前記内輪および前記外輪により形成された空間内部への水分の浸入を防止または抑制するシール部材と
    を備え、
    前記外輪は、前記端部に外径漸減部を有し、
    前記外径漸減部は、前記シール部材が前記端部に内嵌されることによる前記端部の外径の増加量に対応し、前記外輪の軸方向において外側に向かうにつれて外径が漸減し、前記シール部材が前記端部に内嵌されることにより前記端部の外径が増加する全領域に形成され、
    前記転がり軸受の製造方法は、
    前記外輪を粗形成する第1工程と、
    前記粗形成された前記外輪の整形をする第2工程と、
    前記整形された前記外輪に前記外径漸減部を形成する第3工程と
    を少なくとも含む
    転がり軸受装置の製造方法。
  2. 前記第3工程の後において前記外輪を削る工程および前記外輪を磨く工程を行わない
    請求項1に記載の転がり軸受装置の製造方法。
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