JP5018078B2 - 電池によって駆動される装置 - Google Patents

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Description

本発明は、コイン型電池によって駆動される装置に関するものである。
電源を供給されて作動する電子腕時計やその他の小型の装置には、コイン型すなわち円板形の電池が多く使用されている。このようなコイン型の電池に関する提案もいくつか発表されている。
あるコイン型電池の提案では、直径30mm、厚さ3.5mmのリチウムイオン電池において、正極リードが電池ケースに溶接されて正極の接点部を構成し、負極リードが封口キャップに溶接されて負極の接点部を構成する。さらに、正極の接点部を構成する電池ケースと、負極の接点部を構成する封口キャップとの間の近接した領域が、絶縁封口用ガスケットによって絶縁されている(特許文献1参照)。
また、コイン型アルカリ電池の提案では、正極の接点部を構成する正極缶と、負極の接点部を構成する負極カップとの近接した領域が、ガスケットによって絶縁されている(特許文献2参照)。
このようなコイン型の電池は、正極の接点部と負極の接点部とがガスケットによって絶縁されているので、紙や合成樹脂などの梱包部材に収容されている場合には、正極と負極とがショートすることはないが、梱包部材から取り出した後は、不注意な取り扱いによって正極と負極とが容易にショートするおそれがあった。このようなコイン型の電池だけでなく、携帯電話装置やデジタルカメラなどの電子機器に収容する小型の電池においても、正極の接点部と負極の接点部とが近接した構造になっているので、不注意な取り扱いによって正極と負極とが容易にショートするおそれがあった。
このため、本願の出願人によって、正極と負極とがショートしないような電池の構造が提案された(特許文献3参照)。図12は、この提案によるコイン型の電池の構造を示す側面図である。図12(A)において、コイン型の電池200は、正極の接点部を構成する電池ケース11と負極の接点部を構成する電池ケース12とが、ガスケットなどの絶縁部材13によって絶縁されている。図12(B)は、電池200の電池ケース12を絶縁性の塗料又は絶縁性のシートなどの絶縁薄膜部材14で被覆した図である。図12(C)は、絶縁薄膜部材14で被覆した電池200を装置の電池ホルダ(図示せず)に収容した図である。図12(C)に示すように、電池ホルダの導電性の端子300の突起300aが絶縁薄膜部材14を剥離して電池ケース12に接触している。なお、図には示していないが、他の導電性の端子が電池ケース11に接触している。
したがって、電池200を梱包部材から取り出した場合でも、負極の接点部を構成する電池ケース12が絶縁薄膜部材14によって被覆されているので、正極と負極とがショートしない。電池200を装置に電池ホルダに収容したときに、電池ホルダの導電性の端子300の突起300aが絶縁薄膜部材14を剥離して電池ケース12に接触するので、電池200から装置に電源が供給される。
特開2003−217562号公報 特開2004−022362号公報 特開2005−340036号公報
しかしながら、上記特許文献3において、電池200を装置に電池ホルダに収容したときに、電池ホルダの導電性の端子300の突起300aによって絶縁薄膜部材14が完全に剥離しない可能性もあり得る。例えば、突起300aの先端が何らかの原因で摩耗して鋭利性が低くなっていた場合、あるいは、絶縁薄膜部材14の材質が不均一で、突起300aに当接する部分が規格値より厚い場合には、絶縁薄膜部材14が完全に剥離しない可能性がある。
本発明の目的は、このような従来の課題を解決するためのものであり、絶縁薄膜部材で接点部を被覆されたコイン型電池を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起が絶縁薄膜部材を完全に剥離して接点部に接触できる装置を提供することである。
請求項1に記載の装置は、所定の収容手段に収容されたコイン型電池によって駆動される装置であって、正極の接点部と、負極の接点部と、前記正極の接点部および前記負極の接点部の少なくとも一方の接点部の表面に部分的に密着し、部分的に隙間を有する状態で被覆される絶縁部材と、を前記収納手段に備え、前記絶縁部材は、前記隙間を有する状態で被覆された部分が前記収容手段に設けられた導電性の突起によって突き破られて、当該導電性の突起と前記少なくとも一方の接点部とが接触することを特徴とする。
請求項1の装置において、請求項2に記載したように、前記少なくとも一方の接点部は、表面の一部に凹部を有し、当該凹部によって前記絶縁部材が隙間を有する状態で被覆されることを特徴とする。
あるいは、請求項1の装置において、請求項3に記載したように、前記絶縁部材の前記少なくとも一方の接点部を被覆する面は、前記少なくとも一方の接点部に密着する凸状の面と、前記少なくとも一方の接点部との間に隙間を形成する凹状の面とを有することを特徴とする。
本発明の装置によれば、絶縁薄膜部材で接点部を被覆したコイン型電池を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起が絶縁薄膜部材を完全に剥離して接点部に接触できるという効果が得られる。
以下、本発明による電池の構造の第1実施形態および第2実施形態について、図1ないし図11を参照して説明する。
図1は、第1実施形態におけるコイン型の電池100の構造を示す図である。図1(A)は電池100の側面図であり、正極の接点部を構成する電池ケース1と負極の接点部を構成する電池ケース2とが、ガスケットなどの絶縁部材3によって絶縁されている。図1(B)は、電池ケース2側から見た電池100の平面図である。図1に示すように、電池ケース2の中央には円錐形状の凹部2aが形成されている。
図2は、図1の電池200の電池ケース2の表面を絶縁薄膜部材で被覆した状態を示す側面図である。図2(A)に示すように、電池ケース2の表面を絶縁薄膜部材5で被覆した場合には、凹部2aによって電池ケース2と絶縁薄膜部材5との間に隙間が形成され、その他の部分では電池ケース2と絶縁薄膜部材5とが密着する。図2(B)は、絶縁薄膜部材4で被覆した電池100を装置の電池ホルダ(図示せず)に収容した図である。図2(B)に示すように、電池ホルダの導電性の端子300の突起300aが、凹部2aに対応する部分の絶縁薄膜部材4を突き破って、電池ケース2に接触する。すなわち、凹部2aによって形成される隙間内に導電性の突起300aが達するので、導電性の突起300aと電池ケース2とが完全に接触する。なお、図には示していないが、他の導電性の端子が電池ケース1に接触しているので、電池100の正極の接点部および負極の接点部を介して、電池100の電源が装置に供給される。
以上のように、この第1実施形態の電池は、正極の接点部を構成する電池ケース1と、負極の接点部を構成する電池ケース2と、電池ケース2の表面に部分的に密着し、電池ケース2に形成された凹部2aにより部分的に隙間を有する状態で被覆される絶縁薄膜部材4と、を備え、その縁薄膜部材4は、隙間を有する状態で被覆された部分が装置の収容手段に設けられた導電性の突起によって突き破られて、その導電性の突起と電池ケース2とが接触するような構造になっている。
したがって、絶縁薄膜部材4で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起300aが絶縁薄膜部材4を完全に剥離して電池ケース2に接触できる。
次に、第1実施形態の変形例について説明する。
図3は、負極の接点部を構成する電池ケース2の表面を示す第1の変形例の平面図である。図3に示すように、電池ケース2の表面には、7個の凹部2bが形成されている。図示しない装置の収容手段には、この7個の凹部2bに対応する位置に7個の導電性の突起が設けられ、これらの突起が絶縁薄膜部材(図示せず)を突き破って、電池ケース2の7個の凹部2bに接触する。
したがって、絶縁薄膜部材で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の7箇所において導電性の突起が絶縁薄膜部材をより完全に剥離して電池ケース2に接触できる。
図4は、負極の接点部を構成する電池ケース2の表面を示す第2の変形例の平面図である。図4に示すように、電池ケース2の表面には、縦横の溝部2cが形成されている。図示しない装置の収容手段には、この溝部2cに対応する位置に複数の導電性の突起が設けられ、これらの突起が絶縁薄膜部材(図示せず)を突き破って電池ケース2の溝部2cの複数の箇所に接触する。
したがって、絶縁薄膜部材で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の複数の箇所において導電性の突起が絶縁薄膜部材をより完全に剥離して電池ケース2に接触できる。
図5は、負極の接点部を構成する電池ケースの凹部形状を示す第3の変形例の側面図である。図5において、上記第1実施形態と同様に、正極の接点部を構成する電池ケース1と、負極の接点部を構成する電池ケース2とが、ガスケットなどの絶縁部材3によって絶縁されている。ただし、電池ケース2の表面の中央部に形成された凹部2dは、第1実施形態のような円錐形状ではなく、円筒形状になっている。
したがって、第1実施形態と同様に、絶縁薄膜部材で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起が絶縁薄膜部材を完全に剥離して電池ケース2に接触できるとともに、導電性の突起の形状や電池ケース2の製造上の自由度が拡がる。
図6は、負極の接点部を構成する電池ケースの凹部形状を示す第4の変形例の側面図である。図6において、上記第1実施形態と同様に、正極の接点部を構成する電池ケース1と、負極の接点部を構成する電池ケース2とが、ガスケットなどの絶縁部材3によって絶縁されている。ただし、電池ケース2の表面の中央部に形成された凹部2dは、第1実施形態のような円錐形状および第3の変形例のような円筒形状ではなく、半球すなわちドーム形状になっている。
したがって、第1実施形態と同様に、絶縁薄膜部材で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起が絶縁薄膜部材を完全に剥離して電池ケース2に接触できるとともに、第3の変形例と同様に、導電性の突起の形状や電池ケース2の製造上の自由度が拡がる。
なお、この第1実施形態および変形例においては、負極の接点部を構成する電池ケース2に凹部又は溝部が形成される構造にしたが、凹部又は溝部が形成されるのは電池ケース2だけに限定されない。正極の接点部を構成する電池ケース1に凹部又は溝部を形成する構造にしてもよい。あるいは、負極の接点部を構成する電池ケース2および正極の接点部を構成する電池ケース1の両方に凹部又は溝部を形成する構造にしてもよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の電池は、図1に示した第1実施形態の電池100とほとんど同じであるが、第2実施形態の電池の電池ケースには凹部や溝部は形成されていない。すなわち、第2実施形態の電池は、図12(A)に示した従来の電池200と同じ構造である。ただし、負極の接点部を構成する電池ケースを被覆する絶縁薄膜部材が従来の電池200とは異なっている。
図7は、第2実施形態における電池の負極の接点部を構成する電池ケースを被覆するための、絶縁薄膜部材5の構造を示す外観図である。図8は、図7の絶縁薄膜部材5のX−X線に沿った断面図である。図7において、絶縁薄膜部材5の表面には、円筒形の突起6が多数形成されている。これら突起6の上面には接着剤7が塗布又は他の方法によって固着されている。この接着剤7によって絶縁薄膜部材5を第2実施形態における電池に貼り付けることができる。
図9は、第2実施形態におけるコイン型の電池100の構造を示す図である。図9(A)は電池100の側面図であり、正極の接点部を構成する電池ケース1と負極の接点部を構成する電池ケース2とが、ガスケットなどの絶縁部材3によって絶縁されている。図9(B)は、図9(A)におけるコイン型の電池100の電池ケース2の表面に図7および図8に示した絶縁薄膜部材5を貼り付けた状態を示す側面図である。図9(B)に示すように、絶縁薄膜部材5は突起6の上面の接着剤7によって、電池100の電池ケース2の表面に部分的に密着し、突起6が形成されてない部分には隙間8が形成される。一方、この電池100を収容する装置の電池ホルダ(図示せず)には、導電性の突起が複数設けられており、電池100が電池ホルダに収容されたときに、絶縁薄膜部材5が電池ケース2に密着する凸状の面と電池ケース2との間に隙間8を形成する凹状の面とを有するので、隙間8が形成されている部分の絶縁薄膜部材5が導電性の突起によって突き破られて、導電性の突起と電池ケース2の表面とが接触する。
したがって、第1実施形態と同様に、絶縁薄膜部材5で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起が絶縁薄膜部材5を完全に剥離して電池ケース2に接触できる。
図10は、第2実施形態における電池の負極の接点部を構成する電池ケースを被覆するための、絶縁薄膜部材5の第1の変形例の構造を示す外観図である。この絶縁薄膜部材5の場合には、その表面に複数のレール型の突起6が並列に形成されている。それぞれの突起6の上面には接着剤7が塗布又はその他の方法で固着されている。図10のX−X線に沿った断面図は、図8に示したものと同じである。この絶縁薄膜部材5を図9(A)の電池100の電池ケース2に貼り付けた状態は、図9(B)に示したものと同じである。また、この電池100を収容する装置の電池ホルダ(図示せず)には、導電性の突起が複数設けられており、電池100が電池ホルダに収容されたときに、絶縁薄膜部材5が電池ケース2に密着する凸状の面と電池ケース2との間に隙間8を形成する凹状の面とを有するので、隙間8が形成されている部分の絶縁薄膜部材5が導電性の突起によって突き破られて、導電性の突起と電池ケース2の表面とが接触する。
したがって、図7の絶縁薄膜部材5の場合と同様に、図10の絶縁薄膜部材5で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起が絶縁薄膜部材5を完全に剥離して電池ケース2に接触できる。
図11は、第2実施形態における電池の負極の接点部を構成する電池ケースを被覆するための、絶縁薄膜部材5の第2の変形例の構造を示す外観図および部分断面図である。図11の外観図に示すように、絶縁薄膜部材5の表面には、接着剤7で被膜された多数の球状のスペーサ9が設けられている。したがって、図11(B)の部分断面図から明らかなように、この絶縁薄膜部材5を図9(A)の電池100の電池ケース2に貼り付けた状態は、図9(B)に示したものと同じである。また、この電池100を収容する装置の電池ホルダ(図示せず)には、導電性の突起が複数設けられており、電池100が電池ホルダに収容されたときに、絶縁薄膜部材5が電池ケース2に密着する凸状の面と電池ケース2との間に隙間8を形成する凹状の面とを有するので、隙間8が形成されている部分の絶縁薄膜部材5が導電性の突起によって突き破られて、導電性の突起と電池ケース2の表面とが接触する。
したがって、図7および図10の絶縁薄膜部材5の場合と同様に、図10の絶縁薄膜部材5で電池ケース2を被覆した電池100を装置の収容手段に収容した場合に、収容手段の導電性の突起が絶縁薄膜部材5を完全に剥離して電池ケース2に接触できる。
上記各実施形態および変形例の電池100は、様々な小型機器に使用されているコイン型の形状であるので、極めて広い産業分野において優れた電池を提供することができる。
上記各実施形態および変形例の電池100から電源を供給される装置は、電池100を収容する収容手段である電池ホルダと、電池ホルダに電池100が収容された際に、隙間を有する状態で被覆された絶縁薄膜部材5の部分を突き破って、負極の接点部を構成する電池ケース2に接触する導電性の突起と、その電池ケース2と導電性の突起とが接触することにより、電池100から供給される電源によって作動するので、収容手段に収容された電池の接点部を被覆した絶縁薄膜部材を完全に剥離して、電池から電源を供給できる。
上記各実施形態および変形例においては、コイン型の電池100およびその電池100から電源を供給される装置を例に採って本発明を説明したが、本発明の電池はコイン型に限定されるものではない。正極の接点部と負極の接点部とが近接している全ての電池に適用することができる。すなわち、本発明は上記各実施形態および変形例の電池およびその電池から電源を供給される装置に限定されるものではなく、その技術的範囲の属する限り、当業者によって容易に考えられる様々な他の実施形態および変形例が可能である。
本発明の第1実施形態における電池の構造を示す図。 図1の電池の電池ケースの表面を絶縁薄膜部材で被覆した状態を示す側面図。 第1実施形態における負極の接点部を構成する電池ケースの表面を示す第1の変形例の平面図。 第1実施形態における負極の接点部を構成する電池ケースの表面を示す第2の変形例の平面図 第1実施形態における負極の接点部を構成する電池ケースの凹部形状を示す第3の変形例の側面図。 第1実施形態における負極の接点部を構成する電池ケースの凹部形状を示す第4の変形例の側面図。 本発明の第2実施形態における電池に使用する絶縁薄膜部材の外観図。 図7の絶縁薄膜部材のX−X線に沿った断面図。 本発明の第2実施形態における電池の構造を示す図。 第2実施形態における絶縁薄膜部材の第1の変形例の外観図。 第2実施形態における絶縁薄膜部材の第2の変形例の外観図。 従来のコイン型の電池の構造を示す側面図。
符号の説明
1 正極の電池ケース
2 負極の電池ケース
2a、2b、2c、2d、2e 凹部
3 ガスケット
4、5 絶縁薄膜部材
6 突起
7 接着剤
8 隙間
9 スペーサ
100 電池
300a 導電性の突起

Claims (3)

  1. 所定の収容手段に収容されたコイン型電池によって駆動される装置であって、
    正極の接点部と、
    負極の接点部と、
    前記正極の接点部および前記負極の接点部の少なくとも一方の接点部の表面に部分的に密着し、部分的に隙間を有する状態で被覆される絶縁部材と、
    を前記収納手段に備え、
    前記絶縁部材は、前記隙間を有する状態で被覆された部分が前記収容手段に設けられた導電性の突起によって突き破られて、当該導電性の突起と前記少なくとも一方の接点部とが接触することを特徴とする装置。
  2. 前記少なくとも一方の接点部は、表面の一部に凹部を有し、当該凹部によって前記絶縁部材が隙間を有する状態で被覆されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記絶縁部材の前記少なくとも一方の接点部を被覆する面は、前記少なくとも一方の接点部に密着する凸状の面と、前記少なくとも一方の接点部との間に隙間を形成する凹状の面とを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
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