JP5017102B2 - エラストマー組成物、空気バリア、及びこれらの製造方法 - Google Patents

エラストマー組成物、空気バリア、及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本出願は、2004年6月15日に提出された米国仮出願No.60/576,617号に基づき優先権を主張する。この文献を本明細書参照により援用する。
本出願は、エラストマー組成物から作られる新規な空気バリアに関する。特に、本出願は新しい配列分布を有し、実質的に長鎖分岐のない新規なC乃至Cイソオレフィンベースのポリマーから作られる、インナーライナー、エアースリーブ等の新規な空気バリアに関する。
C乃至Cイソオレフィン及びマルチオレフィンのイソブチレンベースのコポリマーである、ハロブチルゴムは乗用車、トラック、バス、及び航空機等の乗り物のタイヤにおいて、空気バリアのための空気保持が最も優れたポリマーである。ブロモブチルゴム、クロロブチルゴム、Exxpro(TM)ポリマー(エクソンモービル ケミカル、ベイタウン、テキサスより入手可能)及びハロゲン化された星状分岐ブチルゴムは最終使用製品において望まれる性質に応じて、前述のような製品に用いることができる。
これらのポリマーは通常、炭素カチオン重合プロセス中で調製される。イソブチレンの炭素カチオン重合及びイソプレンのようなコモノマーを用いたその共重合は、機械的のも操作的にも複雑である。例えば、Organic Chemistry、SIXTH EDITION, Morrison and Boyd, Prentice−Hall, 1084−1085, Englewood Cliffs, New Jersey 1992、及びK.Matyjaszewski,ed、Cationic Polymerization、Marcel Dekker、Inc.,Nwe York 1996参照のこと。この触媒システムは通常、開始剤及びルイス酸の2の成分から構成されている。ルイス酸の例としては、AlCl、BF等がある。開始剤の例としては、HCl、RCOOH(Rはアルキル基)等のブレンステッド酸(Bronsted acid)及びHO等がある。重合工程の間、通常、開始工程といわれる工程において、ルイス酸/開始剤剤ペアとイソブチレンを反応させ、カルベニウムイオンを生成する。続いて、プロパゲーション工程と通常言われる工程において、形成されたカルベニウムイオンへ更なるモノマー単位を添加する。これらの工程は通常希釈剤又は溶剤中で行われる。温度、希釈剤の極性、及び対イオンはプロパゲーションに影響する。これらの中で、通常、希釈剤が重要であると考えられている。
希釈メチルクロライド中のスラリー重合工程(ブチルゴム、ポリイソブチレンゴムを生産するための)は工業的に広く使用されている。通常、重合工程は、広範に渡って、反応混合物の希釈剤として、低温、通常−90℃未満の条件下で、メチルクロライドを使用する。メチルクロライドは、ポリマー生成物ではなく、モノマー及びアルミニウムクロライド触媒を溶解することやその他の各種理由から使用されている。メチルクロライドは、低温重合及びポリマーと未反応モノマーとの効率的な分離にそれぞれ適した凍結温度及び沸騰温度を有する。メチルクロライド中のスラリー重合プロセスは、反応混合物中の容量に基づき、溶液重合では約8%乃至12%でるポリマー濃度に対して、約26%乃至37%の濃度を達成することから、ポリマー重合において多大な追加的な利益を生み出している。許容範囲である相対的に低い粘度の重合塊が得られるので、表面熱交換を用いて重合反応の熱をより効果的に除去することが可能である。メチルクロライド中のスラリー重合プロセスは、高分子重量ポリイソブチレン及びイソブチレン−イソプレンブチルゴムポリマーの製造に使用される。同様に、イソブチレンとパラスチレンの重合はメチルクロライドを用いて行われる。同様に、星状分岐ブチルラバーもメチルクロライドを用いて製造される。
しかしながら、メチルクロライドを用いた重合には多くの問題がある。例えば、メチルクロライド中で重合されたポリマーは、反応槽中のポリマー粒子が互いに凝集して、反応槽の壁、熱伝導面、羽、撹拌器/ポンプへ付着する傾向がある。凝集の速度は反応槽の温度が上昇するにつれて速くなる。凝集された粒子は付着する傾向があり、それらが触れる全ての表面において成長し及び重合の反応熱を除去するために用いられる熱伝導面だけでなく反応槽の排出ライン等を覆ってしまう。このようなことは重合器において、低い温度条件が維持されなければならないことから深刻な問題である。
通常これらのゴムを作るために用いる商業用の反応槽は、ポンプインペラーにより高循環速度を生じる、良好な撹拌性能を有する容量10乃至30リットル以上の反応槽である。重合及びポンプは両者とも熱を発生することから、重合システムは、スラリーを冷却するために、熱を除去するシステムを必要とする。そのような連続フロー撹拌タンク反応槽(CFSTR)の例は、参照により本明細書に援用される米国特許No.5,417,930号に記載されている。以下前記反応槽を単に「反応槽」又は「ブチル反応槽」と言う。これらの反応槽の中で、スラリーはポンプによって熱交換器の管を通して循環させられる一方で、シェル側の沸騰エチレンがスラリーを冷却し、スラリー温度は沸騰エチレン温度、必要とされている熱流束、および熱伝達への全体の抵抗によって決定される。スラリー側では、熱交換器表面は次第にポリマーを蓄積し、熱伝達を抑制する。それは、スラリー温度を、上昇させる傾向を生じる。このことはしばしば、大部分の反応槽で実際に用いることが適切な、スラリー、希釈剤、及び未反応モノマーの総容量に対し26乃至37容量%のスラリー濃度を制限する結果となる。ポリマーの蓄積については幾つかの特許文献において開示されている(米国特許No.2,534,698号、及び米国特許2,548,415号及び米国特許No.2,644,809号)。しかしながら、これらの特許は好ましい商業プロセスを実施するために解決すべき、ポリマー蓄積に関する多くの問題を十分に解決してはいなかった。
米国特許No.2,534,698号は、とりわけ、イソブチレンと1分子あたり4乃至14炭素原子を有するポリオレフィンの混合物を、重合温度において液体である、1分子あたり1乃至5炭素原子を有し、且つその中に実質的な溶液を含まないフッ素置換脂肪族炭化水素の中へ、1/2乃至10部の割合で分散する工程及び、イソブチレンと1分子あたり4乃至14炭素原子を有するポリオレフィンの分散混合物をフリエデル−クラフツ(Friedel−Crafts)触媒を用いて−20℃乃至−164℃の温度で重合する工程を含む重合プロセスを開示した。しかしながら、‘698号は適したフルオロカーボン中で実質的に不溶性となるモノマー、コモノマー及び触媒の2相系となることを示唆しているので、その使用が困難且つ不満足であった。
米国特許No.2,548,415号は、特に、主要な成分であるイソブチレン及びマイナー成分であるイソプレンからなる供給原料流れを重合反応槽に連続的に提供する工程、1/2乃至10容量のエチリデンジフルオリド希釈剤で前記混合物を希釈する工程、エチリデンジフルオリド三フッ化ホウ素溶液からなるあらかじめ調整された重合触媒の液体流れを反応混合物であるへイソブチレンイソプレン混合物中に連続的に添加することによる共重合工程、及び共重合反応全体を通じて温度を−40℃乃至−103℃に維持することを含むコポリマーを調製するための連続重合工程を開示した。‘415号は、三フッ化ホウ素及びその複合体のルイス酸触媒としての使用及び好ましい組み合わせとして1,1−ジフルオロエタンを開示している。この組み合わせはモノマー、コモノマー、触媒のすべてが可溶化であるシステムを提供するが、反応付着物を低減するという観点からすると、この方法におけるポリマーの溶解性は不十分である。また、三フッ化ホウ素は各種理由により好ましい商業的ブチルポリマーの触媒ではない。
米国特許No.2,644,809号は、特に、一分子あたり4乃至8炭素原子を有するモノオレフィンの主要成分を一分子あたり4乃至14炭素原子を有するマルチオレフィンのマイナー成分と共に混合する工程、得られた混合物を、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン及びこれらの混合物からなる群より選択される液体1乃至10単位容量(混合オレフィンに基づき算出)に、モノオレフィン及びマルチオレフィンを溶解し、溶解したフリエデル−クラフツ(Friedel−Crafts)触媒を用いて重合する工程と、−20℃の温度及び液体の凍結温度の間の温度で重合を行う工程とを含む重合方法を開示した。‘809号は理想的なスラリー性質を有するクロロフルオロカーボンの使用及び反応槽付着物の最小化の効果を開示したが、クロロフルオロカーボン(CFC)の追加によるジオレフィン(すなわち、イソプレン)の取り込みも示唆した。CFCの製造及び流通については政府による厳しい規制があることから、この物質を商業的製造に用いることは魅力がない。
更に、Thaler,W.A., Buckley,Sr,D.J., High Molecular−weight,High Unsaturation Copolymers of Isobutylene and Conjugated Dienes, 49(4) Rubber Chemical Technology,960(1976)は、特に、イソブチレンとイソプレン(ブチルゴム)、のコポリマー及びヘプタンの中でイソブチレンとシクロペンタジエンのコポリマーのカチオンスラリー重合を開示した。
発明が解決しようとする課題
それゆえ、粒子の凝集を低減し、及び/又はメチルクロライドのような塩化炭化水素の量を減らす新しい重合システムを作り出すための、希釈剤又は希釈剤の混合物を見つけ出すことが望まれている。更に、このような方法を用いた新しいポリマーを見つけることはエラストマーに対する世界的需要を増加させ、及び/又は新しい最終製品を提供することにもなる。
ハイドロフルオロカーボン(HFC’s)は、オゾン減損性質が低いことから環境にやさしい冷媒として使用されているので、魅力的な物質である。これらの低オゾン減損性質は、塩素を欠くことと関連していると考えられている。HFCはハイドロカーボン、塩化ハイドロカーボンと比較すると明らかに低燃性である。上記重合工程にそのような化学物質を使用することは重要である。
例えば、長鎖枝はポリマーの溶液及び流動学的な性質に影響することが知られている。イソブチレン/イソプレンコポリマーはわずかな量の長鎖枝を有することが知られている。長鎖枝の程度は、通常、コポリマー中のイソプレンのレベルにより増加する。分岐とイソプレンの取り込みとは直接関係することから、ポリマー中にイソプレンを高い割合で含むイソブチレン/イソプレンコポリマーの流動学的性質をより少ない割合で含むものと組み合わせることは、複雑な検討事項を必要とする。
更に、イソブチレン/イソプレン共重合は、異なったモノマー供給割合、温度、触媒、及び溶媒又は希釈剤を含む各種重合条件下で、行われてきた。これらのシステムは、例えば、Cationic Polymerizations of Olefins: A Critical Inventory, J.P. Kennedy,(10−12 and 86−137)Wiley−Interscience, Nwe York, 1972、及びCarbocationic Polymerization, J.P. Kennedy, E.Marechal, Wiley−Interscience,Nwe York,1982に記載されている。
イソブチレン及びイソプレンの共重合は溶液又はスラリー中で行われてきた。溶液重合はしばしば、モノマー、触媒及び調製されたコポリマーの溶媒として提供される塩化処理炭化水素、又は炭化水素と塩化炭化水素との混合物を採用してきた。典型的な例はエチルクロライド/ヘキサン混合物である。スラリー共重合において、塩化炭化水素、通常、メチルクロライドは、モノマー及び触媒の溶媒として用いられてきた、しかし、コポリマー生成物は希釈剤中で不溶性である。
調製されたポリマーにおけるポリマー鎖に沿ったモノマーの配置である、配列分布は、用いられるコモノマーの固有の反応性のほかに、重合条件によっても影響される。コポリマーの配列分布は、隣接構造単位の組み合わせで表現される。例えば、2のモノマー単位の配列はダイアドと言われる。3のモノマー単位の配列はトライアドと言われる。4モノマー単位の配列はテトラドと言われ、そのように以下続く。同じコモノマーを取り込んでいるが異なる条件下で調製されたポリマーはコポリマー鎖中のダイアド(又はトライアド等)で現されるそれらの配列分布において、違いが存在する。配列分布及びコモノマーの取り込みは、共重合中においても化学的事象の競合性質があることから、確率統計により機械的に関連付けられる。このような性質の関係付けにおいて助けとなるパラメータは、クロスプロパゲーション(異種モノマーの付加)に対するホモプロパゲーション(同種モノマーの付加)の速度定数の比である、反応比である。同じコモノマーを取り込み、異なる配列分布を有するコモノマーは、しばしば異なる物理的性質を有する。例えば、Chemical Microstructure of Polymer Chains, J.L. Koenig, Wiley−Interscience, New York, 1980及びPolymer Sequence Determination: Carbon−13 NMR Method, J.C. Randall, Academic Press, 1977参照のこと。極端であるけれども明確な例は、ランダム共重合体とブロック共重合体の物質的属性の比較における違いである。
共役ジエンはカーボカチオン共重合システムにおいて、イソブチレンよりも反応が低いことが知られている。既知の直鎖共役ジエンにおいて、イソプレンはイソブチレンとの共重合において反応性の高いジエンのひとつである。共役ジエンの低い反応性傾向は、調製されたコポリマーの配列分布に現れている。所与のコポリマー組成物において、イソプレン単位はコポリマー鎖の他のイソプレンの後に続く傾向を示さない。従って、BII(B=イソブチレン、I=イソプレン)、IIB及びIIIのトライアド分画の反応性は、他の反応性の高いコモノマーを用いたシステムと比較して、相対的に低い。
イソブチレン/イソプレン共重合は、しばしば、塩化炭化水素、又は炭化水素及び塩化炭化水素の混合物中で行われることから、変更可能な配列分布の程度は限られている。制限される配列分布の範囲は、イソブチレン/イソプレン共重合反応に対するイソプレンの反応速度を測定することでわかる。例えば、J.E.Puskas, “Carbocationic Polymerizations” in Encyclopedis of Polymer Science ant Technology,(DOI:10.1002/0471440264.pst040)John Wiley & Sons, New York,2003参照のこと。イソプレン反応比の値である、rIPは、各種重合条件下で、調製されたコポリマー中の利用可能なイソプレンを中心とするトライアド分画(BII、IIB及びIII)の範囲が1.4以下の狭い範囲を示す。所与のコモノマー取り込みにおいて、イソプレンを中心とするトライアド分画を異なる濃度で用いることができる重合システムを発見することは、架橋部位及び官能基の同時導入に適したコポリマーの調製にとって好ましい。
同様に、イソブチレン/p−メチルスチレン共重合も異なるモノマー供給速度、温度、触媒及び溶媒又は希釈剤を含む各種重合条件下で行われている。これらのシステムの多くは、例えば、H.−C.wang,K.W. Powers in Elastomerics 1992, January, 14; Z.Fodor, R.Faust in J.Macromol. Sci−Pure Appl. Chem. 1994, A31,1985; I.Orszagh, A.Nagy, J.P.Kennedy, J.Phys. Org.Chem. 1995, 8, 2258に開示されている。
イソブチレン及びp−メチルスチレンの共重合は溶液中及びスラリー中で行われる。溶液共重合では、モノマー、触媒及び調製されるコポリマーの溶媒としてしばしば塩化炭化水素、又は炭化水素と塩化炭化水素との混合物を用いる。典型的な例はメチルクロライド/ヘキサンの混合物である。スラリー共重合において、塩化炭化水素、通常メチルクロライドは、モノマー及び触媒の溶媒として用いられるが、生成したポリマーは希釈剤中で不溶性である。
調製されたポリマーの配列分布、すなわち、ポリマー鎖に沿ったモノマー単位の配置の特徴は、用いたコモノマーの固有の反応性のほかに、重合条件により影響を受ける。コポリマーの配列分布は、隣接構造単位の組み合わせで表現される。例えば、2のモノマー単位の配列はダイアドと言われる。3のモノマー単位の配列はトライアドと言われる。4モノマー単位の配列はテトラドと言われ、そのように以下続く。同じコモノマーを取り込んでいるが異なる条件下で調製されたポリマーはコポリマー鎖中のダイアド(又はトライアド等)で現されるそれらの配列分布において、違いが存在する。配列分布及びコモノマーの取り込みは、共重合中に含まれる化学イベントの競合性質による確率統計に機械的にリンクさせる。この関係の性質において助けとなるパラメータは、クロスプロパゲーション(異種モノマーの付加)に対するホモプロパゲーション(同種モノマーの付加)の速度定数の比である、反応比である。同じコモノマーを取り込み、異なる配列分布を有するコモノマーは、しばしば異なる物理的性質を有する。例えば、Chemical Microstructure of Polymer Chains, J.L. Koenig, Wiley−Interscience, New York, 1980及びPolymer Sequence Determination: Carbon−13 NMR Method, J.C. Randall, Academic Press, 1977参照のこと。極端であるけれども明確な例はランダム共重合体とブロック共重合体の物質的な属性の比較である。
カーボカチオン共重合システムにおいてp−アルキルスチレンはイソブチレンより反応性があることが知られている。既知の直鎖p−アルキルスチレンの中で、p−メチルスチレンはもっとも広範にイソブチレンとの共重合に用いられている。p−アルキルスチレンのより高い反応性は、調製されたコポリマーの配列分布に現れている。所与のコポリマー組成物において、p−メチルスチレン単位はコポリマー鎖中の他のp−メチルスチレンの後に存在する傾向がある。従って、BSB(B=イソブチレン、S=p−メチルスチレン)トライアドは、コモノマーの反応性がより似ている重合システムよりも相対的に低い濃度で存在する。
イソブチレン/p−メチルスチレン共重合は、しばしば塩化炭化水素又は炭化水素と塩化炭化水素の混合物中で行われることから、変更可能な配列分布の程度が限られている。このような制限はイソブチレン/p−メチルスチレン共重合におけるp−メチルスチレンの反応速度を調べることによりわかる。例えば、H.−C.wang,K.W. Powers inElastomerics 1992, January, 14; Z.Fodor, R.Faust in J.Macromol. Sci−Pure Appl. Chem. 1994, A31,1985; I.Orszagh, A.Nagy, J.P.Kennedy, J.Phys. Org.Chem. 1995, 8, 2258に開示されている。既知の利用可能な共重合条件を用いて調製されたものとは異なる、p−アルキルスチレンを中心とするトライアド分画を調製することができるシステムを発見することが好ましい。イソオレフィン−p−アルキルスチレン−イソオレフィントライアド分画の濃度が高いコポリマーは、架橋部位及び官能基の両方を有する物質の調製に有用である。
それゆえ、新規な配列分布を有し且つ長鎖分岐が実質的にない、新規なC乃至Cイソオレフィンベースポリマーから作られるインナーライナー、エアースリーブ、及びインナーチューブは重要である。
他の背景技術に関する文献は、国際公開公報02/32992号、国際公開公報02/32993号、国際公開公報02/34794号、国際公開公報02/098964号、国際公開公報00/04061号、欧州公開公報0320263号、ドイツ公開公報10061727号、米国特許公開公報No.2003・150504号、米国特許公開公報No.2003/187173号、米国特許公開公報No.2004/106735号、米国特許No.6,710,119号、米国特許No.5,624,878号、米国特許No.5,527,870号及び米国特許No.3,470,143号を含む。
本発明は、ハイドロフルオロカーボンを含む希釈剤を含む新規な重合方法により製造される新規なポリマーから作られる、インナーライナー、インナーチューブ及びエアースリーブのような空気バリアのためのエラストマー組成物を提供する。
a)本発明の1の側面において、前記空気バリアは、長鎖分岐を実質的に有さない又は長鎖分岐を全く有さないポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む。
特に、本発明は、イソオレフィン、好ましくは、イソブチレン及びマルチオレフィン、好ましくは、共役ジエン、より好ましくはイソプレンのコポリマーを含み、実質的に長鎖分岐のない硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。更に、本発明はイソオレフィン、好ましくは、イソブチレン、及びマルチオレフィン、好ましくは共役ジエン、より好ましくは、イソプレンを含み、長鎖分岐のないコポリマーを含む硬化エラストマー組成物を提供する。
本発明の他の側面において、本発明は、イソオレフィン、好ましくはイソブチレン、マルチオレフィン、好ましくは共役ジエン、より好ましくはイソプレン、1以上のルイス酸、1以上の開始剤及び1以上のハイドロフルオロカーボンを含む希釈剤を接触させる工程を含む方法により製造されたコポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。前記コポリマーは実質的に長鎖分岐を有しないか、又は長鎖分岐を有しない。
1つの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン又はイソプレンが存在する場合、その含量は0.5モル%より大きいい。
1つの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン、又はイソプレンが存在する場合、その含量は1.0モル%より大きい。
1つの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン、又はイソプレンが存在する場合、その含量は2.5モル%より大きい。
1つの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン、又はイソプレンが存在する場合、その含量は5.0モル%より大きい。
前記各態様において、前記コポリマーはハロゲン化され、ハロゲン化コポリマーを形成する。
前記各態様において、前記コポリマーは塩素又は臭素でハロゲン化される。
前記各態様において、ハロゲン含量はハロゲン化コポリマーの重量に基づいて0.5重量%より大きい。
前記各態様において、前記ハロゲン含量はハロゲン化コポリマーの重量に基づいて0.5重量%乃至3.0重量%である。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは50,000より大きいのMwを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは100,000より大きいのMwを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは500,000より大きいのMwを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは1,000,000より大きいのMwを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは2より大きいのMWDを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは2乃至6のMWDを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは少なくとも20±5(125℃においてML 1+8、ASTM D 1646)のムーニー粘度を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは少なくとも20±5乃至60±5125℃においてML 1+8、ASTM D 1646)のムーニー粘度を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは本明細書における三重検出SECにより測定される、0.978以上のg’vis.avg.を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは本明細書における三重検出SECにより測定される、0.980以上のg’vis.avg.を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは本明細書における三重検出SECにより測定される、0.990以上のg’vis.avg.を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは本明細書における三重検出SECにより測定される、0.995以上のg’vis.avg.を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは長鎖分岐を有しない。
b)本発明の他の側面において、本発明は、新規な配列分布を有するイソオレフィン、好ましくは、イソブチレン、及びマルチオレフィン、好ましくは共役ジエン、より好ましくは、イソプレンを含むコポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。
1つの態様において、本発明は、イソオレフィン、好ましくはイソブチレン、及びマルチオレフィン、好ましくは、共役ジエン、好ましくはイソプレンを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。前記コポリマーは、

F=mA/(1+mA)
(式中、mはコポリマー配列分布パラメーターであり、Aはコポリマー中のイソオレフィン対マルチオレフィンのモル比であり、Fはコポリマー中のイソオレフィン−マルチオレフィン−マルチオレフィントライアド分画であり、mは1.5より大きい)、で定義されるコポリマー配列分布を有する。
前記の態様において、mは2.0より大きい。
前記の態様において、mは2.5より大きい。
前記の態様において、mは3.5より大きい。
他の態様において、本発明は、イソオレフィン、好ましくはイソブチレン、及びマルチオレフィン、好ましくは、共役ジエン、とくに好ましくはイソプレンを含コポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。前記コポリマーは、

F=mA/(1+mA)
(式中、mはコポリマー配列分布パラメーターであり、Aはコポリマー中のイソオレフィンに対するマルチオレフィンのモル比であり、Fはコポリマー中のイソオレフィン−マルチオレフィン−マルチオレフィントライアド分画であり、mは1.10乃至1.25である)
で定義される配列分布を有する。
前記態様において、mは1.15乃至1.20である。
前記態様において、mは、1.15乃至1.25である。
前記態様において、mは約1.20である。
本発明の他の側面において、本発明はイソオレフィン、好ましくはイソブチレン、マルチオレフィン、好ましくは共役ジエン、特に好ましくは、イソプレン、1以上のルイス酸、1以上の開始剤、及び1以上のハイドロフルオロカーボン(HFC’s)を含む希釈剤を接触させる工程を含む方法により製造されたコポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。前記コポリマーは、

F=mA/(1+mA)
(式中、mはコポリマー配列分布パラメーターであり、Aはコポリマー中のマルチオレフィンに対するイソオレフィンのモル比であり、Fはコポリマー中のイソオレフィン−マルチオレフィン−マルチオレフィントライアド分画であり、mは1.5以上か又は1.10乃至1.25である、
で定義される配列分布を有する。
前記態様において、mは2.0より大きい。
前記態様において、mは2.5より大きい。
前記態様において、mは3.5より大きい。
前記態様において、mは1.15乃至1.20である。
前記態様において、mは1.15乃至1.25である。
前記態様において、mは約1.20である。
前記態様のいずれかにおいて、コポリマーは、ハロゲン化コポリマーを形成するためにハロゲン化される。
前記の態様のいずれかにおいて、ハロゲン化コポリマーは塩素又は臭素を用いてハロゲン化される。
前記いずれかの態様において、ハロゲン含量はハロゲン化コポリマーの重量に基づいて0.5重量%より大きい。
前記いずれかの態様において、ハロゲン含量はハロゲン化コポリマーの重量に基づいて0.5重量%乃至3.0重量%である。
前記いずれかの態様において、前記コポリマーは50,000より大きいのMwを有する。
前記いずれかの態様において、前記コポリマーは100,000より大きいのMwを有する。
前記いずれかの態様において、前記コポリマーは500,000より大きいのMwを有する。
前記いずれかの態様において、前記コポリマーは1,000,000より大きいのMwを有する。
前記いずれかの態様において、前記コポリマーは2より大きいのMWDを有する。
前記いずれかの態様において、前記コポリマーは2乃至6のMWDを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは少なくとも20±5(125℃においてML 1+8、ASTM D 1646)のムーニー粘度を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは20±1乃至60±5(125℃においてML 1+8、ASTM D 1646)のムーニー粘度を有する。
前記いずれかの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン、又はイソプレンが存在する場合、含量は0.5重量%より大きいである。
前記いずれかの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン、又はイソプレンが存在する場合、含量は1.0重量%より大きいである。
前記いずれかの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン、又はイソプレンは、存在する場合、含量は2.5重量%より大きいである。
前記いずれかの態様において、マルチオレフィン、又は共役ジエン、又はイソプレンは、存在する場合、含量は5.0重量%より大きいである。
c)本発明の1の側面において、本発明は、新規な配列分布を有する、イソオレフィン、好ましくはイソブチレン、及びアルキルスチレン、好ましくはメチルスチレン、特に好ましくはパラ−メチルスチレン、を含むコポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。前記コポリマーはハロゲン化されてもよい。
1つの態様において、本発明はイソオレフィン、及びアルキルスチレンを含むコポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。前記コポリマーは、

F=1−{m−A/(1+mA)}
(式中mはコポリマー配列分布パラメーターであり、Aはコポリマー中のイソオレフィンに対するアルキルスチレンのモル比であり、Fはコポリマー中のアルキルスチレン−イソオレフィン−アルキルスチレントライアド分画であり、mは38未満である)
で定義されるコポリマー配列分布を有する。
他の態様において、本発明はイソオレフィン、好ましくはイソブチレン、アルキルスチレン、1以上のルイス酸、1以上の開始剤、及び1以上のヒドロフルオロカーボン(HFC’s)を含む希釈剤を接触させる工程を含む方法により製造されるコポリマーを含む硬化エラストマー組成物を含む空気バリアを提供する。前記コポリマーは

F=1−{m−A/(1+mA)}
(式中、mはコポリマー配列分布パラメーターであり、Aはコポリマー中のイソオレフィンに対するアルキルスチレンのモル比であり、Fはコポリマー中のアルキルスチレン−イソオレフィン−アルキルスチレントライアド分画であり、mは38未満である)
で、定義されるコポリマー配列分布を有する。
1つの態様において、前記イソオレフィンはイソブチレンであり、前記アルキルスチレンはメチルスチレン、好ましくはパラ−メチルスチレンである。
本セクションの、前記態様のいずれかにおいて、アルキルスチレン含量は0.5モル%より大きいである。
本セクションの、前記態様のいずれかにおいて、アルキルスチレン含量は1.5モル%より大きいである。
本セクションの、前記態様のいずれかにおいて、アルキルスチレン含量は6.0モル%より大きいである。
本セクションの、前記態様のいずれかにおいて、アルキルスチレン含量は12.5モル%より大きいである。
前記態様のいずれかにおいて、前記コポリマーはハロゲン化コポリマーを形成するためにハロゲン化される。
前記態様において、ハロゲン化コポリマーは塩素又は臭素でハロゲン化される。
前記態様のいずれかにおいて、ハロゲンが存在する場合、その含量は、0.2モル%より大きい。
本セクションにおける前記態様のいずれかにおいて、ハロゲンが存在する場合、その含量は、0.2モル%乃至5.0モル%、好ましくは0.2モル%乃至2.0モル%である。
前記態様のいずれかにおいて、前記コポリマーは50,000より大きいのMwを有する。
前記態様のいずれかにおいて、前記コポリマーは100,000より大きいのMwを有する。
前記態様のいずれかにおいて、前記コポリマーは500,000より大きいのMwを有する。
前記態様のいずれかにおいて、前記コポリマーは1,000,000より大きいのMwを有する。
前記態様のいずれかにおいて、前記コポリマーは3より小さいのMWDを有する。
前記態様のいずれかにおいて、前記コポリマーは2乃至5のMWDを有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは少なくとも20±5(125℃においてML 1+8、ASTM D 1646)のムーニー粘度を有する。
前記のいずれかの態様において、前記コポリマーは20±5乃至60±5125℃においてML 1+8、ASTM D 1646)のムーニー粘度を有する。
前記態様のいずれかにおいて、mは38より小さいである。
前記態様のいずれかにおいて、mは36より小さいである。
前記態様のいずれかにおいて、mは35より小さいである。
前記態様のいずれかにおいて、mは30以下である。
前記態様のいずれかにおいて、mは1乃至38である。
前記態様のいずれかにおいて、mは1乃至36である。
前記態様のいずれかにおいて、mは1乃至35である。
前記態様のいずれかにおいて、mは1乃至30である。
d)前記a)、b)、又はc)の態様のいずれかにおいて、本発明の硬化エラストマー組成物は、少なくとも1の天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリ(イソプレン−co−ブタジエン)ゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリスチレン、イソブチレン/メチルシクロペンタジエンコポリマーゴム、イソブチレン/メチルシクロペンタジエンコポリマーゴム、二トリルゴム、プロピレンオキサイドポリマー、星状分岐ブチルゴム及びハロゲン化星状分岐ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、星状分岐ポリイソブチレンゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレンコポリマー)ゴム、ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)及びハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−p−メチルスチレン)、ポリ((イソブチレン−co−イソプレン−co−スチレン)、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−スチレン)、ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−α−メチルスチレン)ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−α−メチルスチレン)又はこれらの混合物からなる群より選択される第二ゴムを含むブレンドを更に含む。
発明を実施するための好ましい態様
発明の詳細な説明
本発明の様々な特定の態様、バージョン、および具体例を、請求する発明の理解のためにここで採用される好ましい態様および定義を含めて以下に記載する。侵害の判断にあっては、本発明の範囲は、いずれか任意の1以上のクレームその均等物、および記載された要件または制限を参照して決定される。
本明細書において、周期律表の族の新しい番号付けスキームは、CHEMICAL AND ENGINEERING NEWS,63(5)に従って用いた。
触媒システムは、本発明のオレフィンモノマーの重合を触媒するために用いる任意のルイス酸又は金属複合体、少なくとも1の開始剤及び任意に添加される他のマイナー触媒成分を含む。
希釈剤は、希釈する又は溶解する試薬を意味する。希釈剤は特に本明細書で定義するルイス酸、他の金属複合体、開始剤、モノマー等の添加剤の溶媒として作用することができる化学物質を含む。本発明の実施において、希釈剤は、重合培地、すなわち、触媒システムの成分、モノマー等成分の一般的性質を変えない。しかしながら、希釈剤と反応物の間の相互作用は起こると考えられている。好ましい態様において、希釈剤は感知できるほどまでには、触媒システムの成分、モノマー等と反応しない。更に、希釈剤は少なくとも2以上の希釈剤の混合物も含む。
反応槽は化学反応が起こる任意の容器である。
スラリーは、希釈剤、モノマー、ルイス酸、および開始剤から析出した一定容量の希釈剤を含有するポリマーのことを言う。このスラリー濃度は、スラリー全体の容量に基づいた部分的にまたは完全に析出したポリマーの容量%のことである。
ポリマーはホモポリマー、コポリマー、インターポリマー、ターポリマー等を意味するために用いる。同様に、コポリマーは少なくとも2種のモノマー、及び任意で、他のモノマーを含むポリマーをも意味する。
ポリマーがモノマーを含むというとき、前記モノマーは重合されたモノマーの形態、又はモノマーの誘導体の形態でポリマー中に存在する。しかしながら、説明の便宜上、「モノマーを含む」、という句又はこれと同様の表現も使用される。同様に、触媒成分が中性で安定な形態の成分を含むものとして記載される場合には、イオン性の形態の成分はポリマーを製造するためモノマーと反応する形態であるということを意味することは当業者に周知のことである。
イソオレフィンは同じ炭素上に2の置換基を有する任意のオレフィンモノマーを意味する。
マルチオレフィンは、2つの二重結合を有する任意のモノマーのことをいう。好ましい態様において、前記マルチオレフィンはイソプレンのような共役二重結合等の2の共役二重結合を含む任意のモノマーである。
本明細書で用いるエラストマーはASTM D 1566の定義による任意のポリマー又はポリマー成分の組成物を意味する。
エラストマー組成物は上で定義されたエラストマーを含むあらゆる組成物を意味する。硬化エラストマー組成物はエラストマー組成物を硬化するために用いるメカニズムの如何にかかわらず、当該技術分野において従来用いられている物質又は方法による、硬化工程又は硬化剤を含む工程を経たあらゆるエラストマー組成物を意味する。
アルキルは、例えばメチル基(CH3)またはエチル基(CH3CH2)などのように、アルカンから化学式中の1以上の水素を取り去ることにより誘導することができるパラフィン性炭化水素基のことをいう。
アリールは、例えばベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどように、芳香族化合物性を示す環構造を形成し、代表的にはその構造内に交互の二重結合(「不飽和」)を有する炭化水素基のことをいう。したがって、アリール基は、例えばフェニルまたはC65のように、芳香族化合物から化学式中の1以上の水素を取り去ることにより誘導することができる基である。
置換とは、例えばハロゲン(塩素、臭素、フッ素、またはヨウ素)、アミノ、ニトロ、スルフォキシ(スルフォネート、アルキルスルフォネート)、チオール、アルキルチオール、およびヒドロキシ;アルキル、およびメチル、エチル、プロピル、tert−ブチル、イソプロピル、イソブチルなどを含む1〜20の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル;アルコキシ、および例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、およびデシルオキシを含む1〜20の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルコキシ;ハロアルキル、即ち、少なくとも1つのハロゲン原子により置換された1〜20の炭素原子を有する直鎖状または分枝状アルキル、例えばクロロメチル、ブロモメチル、フルオロメチル、イオドメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2−フルオロエチル、3−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、3−フルオロプロピル、4−クロロブチル、4−フルオロブチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、ジフルオロメチル、ジイオドメチル、2,2−ジクロロエチル、2,2−ジブロモエチル、2,2−ジフルオロエチル、3,3−ジクロロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、4,4−ジクロロブチル、4,4−ジフルオロブチル、トリクロロメチル、4,4−ジフルオロブチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,3,3−トリフルオロプロピル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、および2,2,3,3−テトラフルオロプロピルを含むハロアルキルから選択される少なくとも1つの置換基による少なくとも1つの水素原子の置換をいう。したがって、例えば「置換スチレン単位」にはp−メチルスチレン、p−エチルスチレンなどが含まれる。
ポリマー分子重量はカラムヒーターを装備したウォーターズ、アライアンス2690及びウォーターズ410示差屈折率検出器を用いたSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)により決定することができる。500、1000、2000、10、10、及び10Åのポアサイズのウォーアターズ、スチラゲル HR5μカラムのセットと共にテトラヒドロフランを溶離剤として用いた(1ml/min、35℃)。分子重量及び分子量分布の計算のために、狭い分子重量のポリイソブチレンスタンダード(American Polymer Standards)を基にした較正を行った。
ポリマー分子重量はSEC以外の異なる較正及び実施手順を用いても決定することができる。ポリマー分子重量を特徴づけるためのSEC(GPC又はゲル浸透クロマトグラフィーとして知られている)の方法論は多くの文献に記載されている。そのような文献のひとつは、L.H. Tung in Polymer Yearbook、H.−G.Elias and R.A. Pethrick, Eds., Harwood Academic Publishers, New York, 1984,pgs.93−100である。
コモノマーの取り込みは、H−NMRスペクトロメトリーにより決定することができる。NMR測定は400MHz又は500MHzに対応する磁界強度において得られる。H−NMRスペクトラはポリマーのCDCl溶液を用いたBurker Avance スペクトロメータシステムにおいて室温で記録される。全てのケミカルシフトはTMSを基準とする。
コモノマー取り込み及び配列分布を特徴づけるために各種MNR法を用いることができる。これらの方法の多くは、本発明発明のポリマーに適用可能である。ポリマーの特徴づけのためのNMRスペクトロメトリーの応用を参照する一般的な文献はH.R.Kricheldorf in Polymer Yearbook、H.―G. Elias and R.A.Pethrick, Eds., Harwood Academic Publishers New York,1984,pgs.249−257である。
イソオレフィン及びマルチオレフィンのコポリマーに関する本発明の幾つかの態様において、ポリマー中の長鎖分岐の存在又は欠失は三重検出SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)を用いて検出することができる。Precision Detectors(ベリングハム、マサチューセッツ)PD240光散乱検出器、Viscotec(ヒューストン、テキサス)モデル150R粘性検出器及びウォーターズ示差屈折率検出器(150Cに装備)を備えたウォーターズ(ミルフォード マサチューセッツ)150Cクロマトグラフを40℃で操作して三重検出SECを行う。この検出器は第一に光散乱検出器、次に粘性検出器、そして第三に示差屈折率検出器に連結されている。3のPolymer Laboratories,Ltd.(Shropshier,United Kingdom)10μm混合B/LS GPCカラムと共にテトラヒドロフランを溶離液として用いた。この装置は19の幅の狭いポリマースタンダード(Polymer Laboratories,Ltd.)を用いて較正した。データはTriSECソフトウェア(Viscotek)を用いて入手し、解析のために、Wave Metric’s Igor Pro program (Lake Oswego,OR)へ転送した。直鎖ポリイソブチレンは粘性検出器により決定された固有粘度〔η〕linearと分子重量(光散乱検出器により検出された、Mw)の間の確立された関係を用いる。〔η〕linearとMwの関係はMark−Houwinkの式により表すことができる。
〔η〕linear=KM α
パラメーターK及びαはMwに対する固有粘度の両対数プロットにより得られる。αは傾きで、Kは切片である。確定された直鎖スタンダードに対する相関の有意偏差は長鎖分岐の存在を示している。一般的に、直鎖関係に対して有意な偏差を示すポリマーはより多くの長鎖分岐を含んでいる。スケーリングファクターg’もまた確立された直鎖関係に対する偏差を示している。
〔η〕sample=g’ 〔η〕linear
g’の値は、1以下、0以上と定義される。g’が1に等しいかこれに近いとき、サンプルは長鎖分岐を実質的に有しない。例えば、E.F. Casassa and G.C. Berry in Comprehensive Polymer Science, Vol. 2, (71−120) G. Allen and J.C. Bevington, Ed., Pergamon Press, New York, 1988参照のこと。三重検出SECにおいて、g’はクロマトグラフのカーブの一部のデータより計算される。粘性の平均g’vis.ave.は全体の分子重量分布から計算される。
g’vis.ave.=〔η〕ave./(KM α
特定の態様において、実質的に長鎖分岐を有しないポリマーは上で定義された三重検出SECにより決定されるg’vis.ave.が、0.978以上、あるいは0.980以上、あるいは0.985以上、あるいは0.990以上、あるいは0.995以上、あるいは、0.998以上、あるいは0.999以上であるポリマーであると定義される。国際公報US03/40341号に詳細が記されている。
イソオレフィン及びマルチオレフィンのコポリマーに関する他の態様において、トライアド配列分布は、125.7MHzの磁界強度及び50℃の温度で、Varian Unityを用いた13CMNRスペクトロメーターから得ることができる。ポリマーサンプルを、6乃至8重量%の濃度におけるCDCl(緩和剤としてクロミウム(III)アセチルアセトネートの1.5% wt./v.)に溶解する。自由誘導減衰は90°パルス、3.0秒リサイクルデレイ及び2.133秒捕捉で収集された。各データセットは、30,007Hz及び30,000スキャン/トランジエント(過渡電流)の掃引幅から構成されている。全てのケミカルシフトはテトラメチルシランを基準にする。
データ処理はNutsPro NMR Utility Transform Software from Acorn NMR, Inc. (Livermore, CA)を用いて行った。炭素13自由誘導減衰は65Kポイントのフーリエ変換及び1Hzの幅広化され、及び得られたスペクトラは位相化され、ベースライン修正された。測定の正確さを最適化するためにオレフィンの共鳴のエリアは、マニュアルインテグレーションよりもピーク解析により測定することができる。計算のために85% ローレンツ(Lorentzian )及び15% ガウシアンキャラクター(Gaussian character)のピークプロファイルを仮定した。線幅、高さ及び位置は適合を得るために変えることができる。
イソプレントライアド共鳴はC. Corno, A. Proni, A. Priola, and S. Cesca in Macromolecules 1980, 13, 1092 及びJ. L. White, T. D. Shaffer, C. J. Ruff, and J. P. Cross in Macromolecules 1995, 28, 3290に記載の情報に従ってアサインした。各トライアド構造のために、第四炭素及び第三炭素共鳴を観察した。BII(B=イソブチレン、I=イソプレン)オレフィントライアドフラクションは第四級及び第三級の各タイプの炭素について計算された。例えば、第三炭素に対するBII値は、BIB、BII、IIB及びIIIトライアドに対する全第三級インテグラルの合計によるIIB第三級炭素及びBII第三級炭素インテグラルの平均値を分割することにより計算する。BIIトライアド分画はIIBトライアド分画と等し定義される。一旦BIIトライアドフラクションが第三級及び第四級の各炭素タイプについて計算されると、これらの値は平均化され、コポリマー中に取り込まれたイソプレンの量との比較に用いる。コポリマー中に取り込まれているBII分画(全イソプレン中央トライアドのパーゼンテージとして現す、例えば100×BII分画)対モル%イソプレンのプロットが出来上がる。
特定の態様において、BIIトライアド分画及びコポリマー中に取り込まれたモル%イソプレンは以下のコポリマー配列分布の式により説明され、コポリマー配列分布パラメーター、mにより特徴付けられる。
BII=mA/(1+mA)
式中、mはコポリマー配列分布パラメーター
Aはコポリマー、[IP]/[IB]中のイソブチレンに対するイソプレンのモル比である、
Fはコポリマー中のBIIトライアド分画である。
この式の最良適合は各希釈剤中のイソブチレン及びイソプレン共重合のための値、mを与える。
13C NMRスペクトロメトリーにより得られたデータは最良適合を得るために、コポリマー配列分布式へ、反復相の溶液により適合させる。この式の最良適合は、各希釈剤中のイソブチレン及びイソプレンの共重合のための配列分布パラメーター、mを与える。詳細は国際公開公報No.US03/40910号参照のこと。
イソオレフィン及びアルキルルスチレンコポリマーに関する他の態様において、BSB(B−イソブチレン、S=p−メチルスチレン)ライアド分画は400又は500MHzの磁界強度においてH−NMRより得ることができる。ポリマーサンプルはCDClに1乃至2w/v%で溶解する。自由誘導減衰は45°パルス、1秒リサイクルデレイ、及び3.96アクイジション時間を用いて重水素化クロロホルム溶液を用いて収集した。全ケミカルシフトはテトラメチルシランを基準とした。
BSBトライアド共鳴はJ. R. Ashbaugh, C. J. Ruff, T. D. Shaffer J. Polym. ScL, A. Polym. Chem. 2000, 55, 1680に記載の情報に従ってアサインした。コポリマー中のBSBトライアドのパーセンテージは以下の式に従った、H NMRスペクトルにより計算した。
%BSB=100(4A/(A+B))
式中、A=2.8ppm共鳴のインテグラル値
B=2.6乃至2.2ppmの共鳴のインテグラル値。
特定態様において、BSBトライアド分画及びコポリマー中に取り込まれたP−アルキルスチレンのモル%は以下で説明するコポリマー分画配列分布式により説明され、コポリマー配列分布パラメーター、m、により特徴付けられる。
BSB=1−{mA/(1+mA)}
式中、mはコポリマー配列分布パラメーター、
Aはコポリマー中のイソブチレンに対するイソプレンのモル比、[PMS]/[IB]、
BSBは、コポリマー中のBSBトライアド分画。
H NMRにより得られたBSB及びp−メチルスチレン(p−MS)モル%は、最良適合を得るために、コポリマー配列分布式の反復解法により適合させる。この式の最良適合は、各キシレン希釈剤中のイソブチレン及びp−メチルスチレンの共重合に対する配列分布パラメーター、m、を与える。国際公開公報No.US/03/40852号に詳細が記載されている。
モノマー及びポリマー
本発明のシステムにより重合されるモノマーは、本発明を用いて重合することができるあらゆる炭化水素モノマーを含む。好ましいモノマーはオレフィンの1以上、置換オレフィン類、イソオレフィン、共役ジエン、非共役ジエン、スチレン及び/又は置換スチレン及びビニルエーテルを含む、前記スチレンはアルキル、アリル、ハライド、アルコキシ基により環上で置換されている。好ましくは、モノマーは、2乃至20炭素原子、より好ましくは2乃至9、より好ましくは3乃至9の炭素原子を含む。好ましいオレフィンの例はスチレン、パラ−アルキルスチレン、パラ−メチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロピルベンゼン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ペンテン、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、β−ピネン、ミルセン、6,6−ジメチル−フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ピペリルネン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル並びに同種のものを含む。モノマーは2以上のモノマーの組み合わせでもよい。スチレンブロックコポリマーもモノマーに用いることができる。好ましいブロックコポリマーはスチレン、パラ−メチルスチレン、アルファ−メチルスチレン等のスチレンのコポリマー、及びイソプレン、ブタジエン等のC乃至C30ジオレフィン及び同種のものを含む。特に好ましいモノマーの組み合わせは、1)イソブチレン及びパラメチルスチレン、2)イソブチレン及びイソプレン、イソブチレンのホモポリマーも含む。
更に、好ましいモノマーはCationic Polymerization of Olefins, A Critical Inventory, Joseph Kennedy, Wiley Interscience, New York 1975に記載されているようなカチオン的に重合可能なものを含む。モノマーには、モノマーが電子供与基を含むためにカチオンまたは成長中心の安定化が可能なモノマーのように、カチオン性重合が可能な任意のモノマーが含まれる。カチオン触媒の詳細について、Cationic Polymerization of Olefins, A Critical Inventory, Joseph Kennedy, Wiley Interscience, New York 1975を参照されたい。
前記モノマーは重合溶媒中に、1つの態様において、75重量%乃至0.01重量%、もしくは60重量%乃至0.1重量%、もしくは40重量%乃至0.2重量%、もしくは30乃至0.5重量%、もしくは、20重量%乃至0.8重量%、もしくは15重量%乃至1重量%存在する。
好ましいポリマーは、本セクションであげたあらゆるモノマーのホモポリマーを含む。ホモポリマーの例は、ポリイソブチレン、ポリパラ−メチルスチレン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリアルファ−メチルスチレンポリビニルエーテル(ポリメチルビニルエーテル、ポリエチルビニルエーテル等を含む)を含む。
好ましい、ポリマーは1)イソブチレン及びアルキルスチレンのコポリマー、及び2)イソブチレン及びイソプレンのコポリマーも含む。
1つの態様において、ブチルポリマーはコモノマー混合物を反応させることにより調製する。前記混合物は少なくとも(1)イソブチレン等のC乃至Cイソオレフィンモノマー成分と、(2)マルチオレフィン又は共役ジエンモノマー成分を有する。前記イソオレフィンは1つの態様において、全コモノマー混合物の重量に対して70乃至99.5重量%であり、他の態様において、85乃至99.5重量%である。更なる態様において、前記イソオレフィンは92乃至99.5重量%である。1つの態様において、共役ジエン成分はコモノマー混合物中に30乃至0.5重量%存在し、他の態様では15乃至0.5重量%である。更なる態様において、コモノマー混合物の8乃至0.5重量%が共役ジエンである。C乃至Cイソオレフィンは、1以上の、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、及び4−メチル−1−ペンテンである。マルチオレフィンはイソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、β−ピネン、ミルセン、6,6−ジメチル−フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、及びピペリルネン等のC乃至C14共役ジエンである。本発明のブチルゴムポリマーの1の態様は、85乃至99.5重量%のイソブチレンと15重量%乃至0.5重量%のイソプレンを反応させること、又は他の態様において、95乃至99.5重量%のイソブチレンと5.0重量%乃至0.5wtのイソプレンを反応させることにより得られる。以下の表は、前記重量%をモル%に換算した値を示している。
Figure 0005017102
1つの態様において、イソオレフィンとマルチオレフィンのトライアド分画と、コポリマーにとりこまれるモル%又はコポリマーに取り込まれるマルチオレフィンの関係は以下のコポリマー配列分布式により説明され、コポリマー配列分布パラメーター、mにより特徴付けられる
F=mA/(1+mA)
式中、mはコポリマー配列分布パラメーター、
Aはコポリマー中のイソオレフィンに対するマルチオレフィンのモル比
Bはコポリマー中のイソオレフィン−マルチオレフィン−マルチオレフィントライアド分画。
前記式の最良適合は、各希釈剤中のイソオレフィンとマルチオレフィンの共重合に対するmの値を与える。
特定の態様において、mは1.5より大きい、あるいは2.0より大きい、あるいは2.5より大きい、あるいは3.0より大きい、あるいは3.5より大きい。
他の態様において、mは1.10乃至1.15、あるいは1.15乃至1.20、あるいは1.15乃至1.25、あるいはmは約1.20である。
他の態様おいて、イソオレフィン及びp−メチルスチレンのトライアド分画並びにコポリマー中に取り込まれたp−アルキルスチレンのモル%は以下で述べるコポリマー配列分布式により説明され、コポリマー配列分布パラメーター、mにより特徴付けられる
F=1−{mA/(1+mA)}
式中、mはコポリマー配列分布パラメーター
Aはコポリマー中のイソオレフィンに対するp−アルキルスチレンのモル比、及び
Fはコポリマー中のp−アルキルスチレン−イソオレフィン−p−アルキルスチレントライアド分画。
前記式の最良適合は、各希釈液中のイソオレフィンとp−アルキルスチレンの重合にたいするmの値を与える。
特定の態様において、mは38より小さい、あるいは36より小さい、あるいは35より小さい、及びあるいは30より小さいである。
他の態様において、mは1乃至38、あるいは1乃至36、あるいは1乃至35、及びあるいは1乃至30である。
本発明は、更に、上で挙げた任意のモノマーの組み合わせを含む、ターポリマー及びテトラポリマーを含む。好ましいターポリマー及びテトラポリマーはイソブチレン、イソプレン及びビニルベンゼンを含むポリマー、イソブチレン、パラアルキルスチレン(好ましくはパラ−メチルスチレン)及びイソプレンを含むポリマー、シクロペンタジエン、イソブチレン及びパラアルキルスチレン(好ましくはパラメチルスチレン)を含むポリマー、シクロペンタジエン、イソブチレン及びメチルシクロペンタジエンを含むポリマー、イソブチレン、パラメチルスチレン及びシクロメンタジエンを含むポリマー、を含む。
ルイス酸
臭素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタニウム、ジルコニウム、スズ、バナジウム、ヒ素、アンチモン、及びビスマスを含む元素周期表の4、5、13、14及び15族の金属に基づくあらゆるルイス酸(共開始剤又は触媒とも言う)を用いることができる。当業者は本発明の実施に有用なルイス酸がわかる。1つの態様において、前記金属は、アルミニウム、臭素、及びチタニウムであり、アルミニウムが好ましい、代表的な例は、AlCl、(アルキル)AlCl、(C)AlCl、及び(CAlCl 、SnCl、TiClを含む。
更にルイス酸はイソブチレンコポリマーのカチオン共重合に有用な任意のものであることができる。この様なルイス酸は、アルミニウムトリクロライド、アルミニウムトリブロミド、エチルアルミニウムクジロライド、エチルアルミニウムセスクイクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムセスクイクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、チタニウムテトラクロライド等を含む。エチルアルミニウムジクロライド及びエチルアルミニウムセスクイクロライドが好ましい。
メチルアルモキサン(MAO)及びB(Cのような弱配位にデザインされたルイス酸も本発明に適したスイス酸である。
当業者は前述のルイス酸のリストは包括的なものであり、例示的なものであることを理解するだろう。重合工程中のルイス酸に関する詳細な情報について、例えば、国際公開公報No.US03/40903号及びUS03/40340号を参照のこと。
開始剤
本発明に有用な開始剤は、選ばれたルイス酸と好適な希釈剤中で、オレフィンと素早く複合体を生成することができる開始剤であり。このような開始剤により成長反応するポリマー鎖が形成される。代表的な例は、HO、HCl、RCOOH(Rはアルキル基)等のブロンステッド酸(Bronsted acid)及び(CHCCl、CC(CHCl及び(2−クロロ−2,4,4−トリメチルペンタン)等のアルキルハライドを含む。活性化された弱配位ルイス酸又はルイス酸塩がイソブチレン重合の開始剤に用いられてきた時のように、一部触媒システムとして作用することができるメタロセン及び他のそのような遷移金属がイソブチレン重合を開始するために用いられる。
1つの態様において、前記開始剤は、1以上の水酸化ハライド、カルボキシル酸、カルボキシル酸ハライド、スルホン酸、アルコール、フェノール、第三アルキルハライド、第三アラルキルハライド、第三アルキルエステル、第三アラルキルエステル、第三アルキルエーテル、第三アラルキルエーテル、アルキルハライド、アリルハライド、アルキルアリルハライド、又はアリルアルキル酸ハライドを含む。
当業者は前述の開始剤のリストは包括的なものではなく、例示のために提示されていることを理解するであろう。重合プロセスの開始剤の詳細については、例えば、国際公開公報US03/40903号及びUS03/40340号参照のこと。
ハイドロフルオロカーボン
ハイドロフルオロカーボンは、好ましくは、本発明において単独並びに他のハイドロフルオロカーボン又は他の希釈剤と共に、希釈剤として用いられる。本発明又は特許請求の範囲の目的のために、ハイドロフルオロカーボン(「HFC」又は「HFC」)は、少なくとも1つの炭素、少なくとも1つの水素、および少なくとも1つのフッ素が存在することを条件として、主要には水素、炭素およびフッ素から構成される飽和または不飽和の化合物と定義される。
特定の態様において、希釈剤は、式Cで表されるハイドロフルオロカーボンを含む。該式において、Xは、1乃至40、あるいは1乃至30、あるいは1乃至20、あるいは1乃至10、あるいは1乃至6、あるいは2乃至20、あるいは3乃至10、あるいは3乃至6の整数であり、最も好ましくは1乃至3の整数である。y及びzは少なくとも1の整数である。
例示的な例は、フルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、フルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、1−フルオロプロパン、2−フルオロプロパン、1,1−ジフルオロプロパン、1,2−ジフルオロプロパン、1,3−ジフルオロプロパン、2,2−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロプロパン、1,1,2−トリフルオロプロパン、1,1,3−トリフルオロプロパン、1,2,2−トリフルオロプロパン、1,2,3−トリフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロプロパン、1,1,1,3−テトラフルオロプロパン、1,1,2,2−テトラフルオロプロパン、1,1,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1,3,3−テトラフルオロプロパン、1,2,2,3−テトラフルオロプロパン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3―ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1−フルオロブタン、2−フルオロブタン、1,1−ジフルオロブタン、1,2−ジフルオロブタン、1,3−ジフルオロブタン、1,4−ジフルオロブタン、2,2−ジフルオロブタン、2,3−ジフルオロブタン、1,1,1−トリフルオロブタン、1,1,2−トリフルオロブタン、1,1,3−トリフルオロブタン、1,1,4−トリフルオロブタン、1,2,2−トリフルオロブタン、1,2,3−トリフルオロブタン、1,3,3−トリフルオロブタン、2,2,3−トリフルオロブタン、1,1,1,2−テトラフルオロブタン、1,1,1,3- テトラフルオロブタン、1,1,1,4−テトラフルオロブタン、1,1,2,2−テトラフルオロブタン、1,1,2,3−テトラフルオロブタン、1,1,2,4−テトラフルオロブタン、1,1,3,3−テトラフルオロブタン、1,1,3,4−テトラフルオロブタン、1,1,4,4−テトラフルオロブタン、1,2,2,3−テトラフルオロブタン、1,2,2,4−テトラフルオロブタン、1,2,3,3−テトラフルオロブタン、1,2,3,4−テトラフルオロブタン、2,2,3,3−テトラフルオロブタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,4−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,4−ペンタフルオロブタン、1,1,1,4,4−ペンタフルオロブタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロブタン、1,1,2,2,4−ペンタフルオロブタン、1,1,2,3,3 −ペンタフルオロブタン、1,1,2,4,4−ペンタフルオロブタン、1,1,3,3,4−ペンタフルオロブタン、1,2,2,3,3−ペンタフルオロブタン、1,2,2,3,4−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,2,2.4−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,3,3,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,2,2,4,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロブタン、1,2,2,3,3,4−ヘキサフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロブタン、1,1,1,2,2,4,4−ヘプタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,4−ヘプタフルオロブタン、1,1,1,2,3,3,4−ヘプタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4−ヘプタフルオロブタン、1,1,1,2,4,4,4−ヘプタフルオロブタン、1,1,1,3,3,4,4−ヘプタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,3,4−オクタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,4,4−オクタフルオロブタン、1,1,1,2,3,3,4,4−オクタフルオロブタン、1,1,1,2,2,4,4,4−オクタフルオロブタン、1,1,1,2,3,4,4,4−オクタフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,3,4,4−ノナフルオロブタン、1,1,1,2,2,3,4,4,4−ノナフルオロブタン、1−フルオロ−2−メチルプロパン、1,1−ジフルオロ−2−メチルプロパン、1,3−ジフルオロ−2−メチルプロパン、1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパン、l,l,3−トリフルオロ−2−メチルプロパン、l,3−ジフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン、1,1,3,3−テトラフルオロ−2−メチルプロパン、1,1,3−トリフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロ−2−メチルプロパン、1,1,3,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−(フルオロメチル)プロパン、フルオロシクロブタン、1,1−ジフルオロシクロブタン、1,2−ジフルオロシクロブタン、1,3−ジフルオロシクロブタン、1,1,2−トリフルオロシクロブタン、1,1,3−トリフルオロシクロブタン、1,2,3−トリフルオロシクロブタン、1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン、1,1,3,3−テトラフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3−ペンタフルオロシクロブタン、1,1,2,3,3−ペンタフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロシクロブタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロブタン、及びこれらの混合物、並びに 上で説明した不飽和HFCとの混合物を含む。特に好ましいHFC's はジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1−ジフルオロエタン、 1,1,1―トリフルオロエタン、フルオロメタン、及び1,1,1,2−テトラフルオロエタンを含む。
不飽和ハイドロフルオロカーボンの典型的な例は、ビニルフルオライド、1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、1−フルオロプロペン、1,1−ジフルオロプロペン、1,2−ジフルオロプロペン、1,3−ジフルオロプロペン、2,3−ジフルオロプロペン、3,3−ジフルオロプロペン、1,1,2−トリフルオロプロペン、1,1,3−トリフルオロプロペン、1,2,3−トリフルオロプロペン、1,3,3−トリフルオロプロペン、2,3,3−トリフルオロプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、1−フルオロ−1−ブテン、2−フルオロ−1−ブテン、3−フルオロ−1−ブテン、4−フルオロ−1−ブテン、1,1−ジフルオロ−1−ブテン、1,2−ジフルオロ−1−ブテン、1,3−ジフルオロプロペン、1,4−ジフルオロ−1−ブテン、2,3−ジフルオロ−1−ブテン、2,4−ジフルオロ−1−ブテン、3,3−ジフルオロ−1−ブテン、3,4−ジフルオロ−1−ブテン、4,4−ジフルオロ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロ−1−ブテン、1,1,3−トリフルオロ−1−ブテン、1,1,4−トリフルオロ−1−ブテン、1,2,3−トリフルオロ−1−ブテン、1,2,4−トリフルオロ−1−ブテン、1,3,3−トリフルオロ−1−ブテン、1,3,4−トリフルオロ−1−ブテン、1,4,4−トリフルオロ−1−ブテン、2,3,3−トリフルオロ−1−ブテン、2,3,4−トリフルオロ−1−ブテン、2,4,4、−トリフルオロ−1−ブテン、3,3,4−トリフルオロ−1−ブテン、3,4,4,−トリフルオロ−1−ブテン、4,4,4,−トリフルオロ−1−ブテン、1,1,2,3−テトラフルオロ−1−ブテン、1,1,2,4−テテオラフルオロ−1−ブテン、1,1,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン、1,1,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,1,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−ブテン、1,2,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,2,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,4,4,4,−テトラフルオロ−1−ブテン、2,3,3,4−テトラフルオロ−1−ブテン、2,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、2,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、3,4,4,4−テトラフルオロ−1−ブテン、1,1,2,3,3−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,2,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,1,3,3,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,1,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,2,3,3,4−ペンタフルオロー1−ブテン、1,2,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,2,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、2,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、3,3,4,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、1,1,2,3,3,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン、1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン、1,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン、1,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン、2,3,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブテン、1,1,2,3,3,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン、1,1,2,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン、1,1,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン、1,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブテン、1−フルオロ−2−ブテン、2−フルオロ−2−ブテン、1,1−ジフルオロ−2−ブテン、1,2−ジフルオロ−2−ブテン、1,3−ジフルオロー2−ブテン、1,4−ジフルオロ−2−ブテン、2,3−ジフルオロ−2−ブテン、1,1,1−トリフルオロ−2−ブテン、1,1,2−トリフルオロ−2−ブテン、1,1,3−トリフルオロ−2−ブテン、1,1,4−トリフルオロ−2−ブテン、1,2,3−トリフルオロ−2−ブテン、1,2,4−トリフルオロ−2−ブテン、1,1,1,2−テトラフルオロ−2−ブテン、1,1,1,3−テトラフルオロ−2−ブテン、1,1,1,4−テトラフルオロ−2−ブテン、1,1,2,3−テトラフルオロー2−ブテン、1,1,2,4−テトラフルオロ−2−ブテン、1,2,3,4−テトラフルオロ−2−ブテン、1,1,1,2,3−ペンタフルオロ−2−ブテン、1,1,1,2,4−ペンタフルオロ−2−ブテン、1,1,1,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン、1,1,1,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン、1,1,2,3,4−ペンタフルオロ−2−ブテン、1,1,2,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン、1,1,1,2,3,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,1,2,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,1,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,1,2,3,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,1,1,2,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、及び上で説明する飽和HFCとの混合物を含む、それらの混合物を含む。
1つの態様において、希釈剤は、非ペルフルオロ化合物を含むか、希釈剤は非ペルフルオロ希釈剤である。このような化合物となるペルフルオロ化合物は、炭素及びフッ素を含むペルフルオロ化合物を含む、好ましくは、前記触媒、モノマー及び希釈剤は単一相内に存在し、前述の化合物は、以下で詳細に説明するように、希釈剤と混和される。1つの態様において、前記ブレンドはクロロフルオロカーボン(CFC’s)又は塩素、フッ素、炭素を含む化合物を含む。
他の態様において、高重量平均分子量(Mw)(通常10,000Mw超、好ましくは50,000Mw超、より好ましくは50,000Mw超、より好ましくは100,000Mw超)が好ましく、好適な希釈剤は−85℃における誘電率が、10超、より好ましくは15超、より好ましくは40又はそれ以上であるハイドロフルオロカーボンである。他の態様において、低分子重量(通常、10,000Mw未満、好ましくは5,000未満、より好ましくは3,000未満)が好ましい場合には、誘電率は10未満であるか、あるいは誘電率が10超である場合には、大量の開始剤又は移行剤を入れる。希釈剤の誘電率εは、希釈剤剤に浸した(Cと測定される)平行版コンデンサー、既知の誘電率ε(Cと測定される)の参照液に浸した平行版コンデンサー、及び空気の曝した(ε=1)(Cと測定される)平行版コンデンサーのキャパシタンスを測定することにより決定される。各ケースにおいて、測定されたキャパシタンス、CMは、式、C=εC+Cにより与えられる、式中εはコンデンサーが浸された溶液の誘電率であり、Cはセルキャパシタンス及びCは浮遊容量である。これらの測定から、εが、式、ε=((C−C)ε+(C−C))/(C−C)により与えられる。あるいは、Brookhaven Instrument CorporationBIC−870のような、専用の装置が希釈剤の誘電率を直接測定するために用いられる。−85℃における幾つかの選択された希釈剤の誘電率(ε)を表2に示す。
Figure 0005017102
他の態様において、1以上のHFCが他の希釈剤又は希釈剤の混合物と組みあわせて用いられる。適した追加的な希釈剤は、炭化水素、特にヘキサン及びヘプタン、ハロゲン化炭化水素、特に塩化炭化水素及び同種のものを含む。特定の例はプロパン、イソブタン、ペンタン、メチルシクロペンタン、イソヘキサン、2−メチルペンタン、3−メチルペンタン、2−メチルブタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、3−エチルペンタン、2,2−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、3,3−ジメチルペンタン、2−メチルペンタン、3−エチルヘキサン、2,5−ジメチルへキサン、2,2,4−トリメチルペンタン、オクタン、ヘプタン、ブタン、エタン、メタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、1,1−ジメチルシクロペンタン、シス1,2−ジメチルシクロペンタン、トランス1,2−ジメチルシクロペンタン、トランス−1,3−ジメチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、オルト−キシレン、パラ−キシレン、メタ−キシレン、及びこれらのハロゲン化されたもの、好ましくはこれらの塩化されたもの、より好ましくは、これらのフッ素化されたものを含むがこれらに限定されない。前述の化合物の臭素化バージョンもまた好ましい。特定の例はメチルクロライド、メチレンクロライド、エチルクロライド、プロピルクロライド、ブチルクロライド、クロロホルム及び同種のものを含む。
1つの態様において、非活性オレフィンがHFCと組み合わせられる希釈剤として用いられる。例は、エチレン、プロピレン及び同種のものを含むがこれらに限定されない。
1つの態様において、前記HFCはメチルクロライドのような塩化炭化水素と組み合わせて用いられる。追加的な態様は、ヘキサン又は、塩素及びヘキサンと組み合わせてHCFを用いることを含む。他の態様において、HFCは、反応槽に適用する時点で好ましくは液体である、二酸化炭素、窒素、水素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、ゼノン及び/又は他の不活性ガス等の1以上の不活性ガスと組み合わせて用いられる。好ましい気体は二酸化炭素及び/又は窒素である。
他の態様において、HFCは、C乃至C40の直鎖、環状、又は分岐アルカンを含む硝酸化アルカンと組み合わせて用いられる。好ましい硝酸化アルカンはニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロブタン、ニトロペンタン、ニトロへキサン、ニトロヘプタン、ニトロオクタン、ニトロデカン、ニトロノナン、ニトロドデカン、ニトロウンデカン、ニトロシクロプロパン、ニトロブタン、ニトロペンタン、ニトロシクロへキサン、ニトロシクロヘプタン、ニトロシクロオクタン、ニトロシクロデカン、ニトロシクロノナン、ニトロシクロドデカン、ニトロシクロウンデカン、ニトロベンゼン、及びこれらのジ−、トリ−バーションを含むがこれらに限定されない。好ましい態様はニトロメタンと混合されたHFCである。
HFCは通常希釈剤の総容量に基づいて1乃至100容量%存在する。もしくは5乃至100容量%の間、もしくは10乃至100容量%の間、もしくは15乃至100容量%の間、もしくは20乃至100容量%の間、もしくは25乃至100容量%の間、もしくは30乃至100容量%の間、もしくは35乃至100容量%の間、もしくは40乃至100容量%の間、もしくは45乃至100容量%の間、もしくは50乃至100容量%の間、もしくは55乃至100容量%の間、もしくは60乃至100容量%の間、もしくは65乃至100容量%の間、もしくは70乃至100容量%の間、もしくは75乃至100容量%の間、もしくは80乃至100容量%の間、もしくは85乃至100容量%の間、もしくは90乃至100容量%の間、もしくは95乃至100容量%の間、もしくは97乃至100容量%の間、もしくは98乃至100容量%の間、もしくは99乃至100容量%の間で存在する。1つの態様においてHFCは1つ以上の塩化炭化水素とブレンドされる。他の好ましい態様において、HFCはジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン及び1,1,1,2−テトラフルオロエタン及びこれらの混合物からなる群より選択される。
他の態様において希釈剤又は希釈剤の混合物はポリマー中の溶解性に基づいて選択される。ある種の希釈剤はポリマー中で溶解している。好ましい希釈剤はポリマー中でほとんど乃至まったく溶解しない。ポリマー中の溶解性はポリマーを50乃至100ミクロンの間の厚さのフィルムに形成し、その後、それを−75℃で4時間(フィルムを十分に覆う)希釈剤中に浸すことより測定することができる。前記フィルムを希釈剤から取り出し、このフィルムの表面から余分な希釈剤を蒸発させるために90秒間室温に曝し、重量を測る。
含浸工程の後のフィルム重量の増加パーセンテージが取り込み量と定義される。前記希釈剤又は希釈剤の混合物は、ポリマーが4重量%未満の取り込み量、好ましくは3重量%未満の取り込み量、好ましくは2重量%未満の取り込み量、好ましくは1重量%未満の取り込み量、より好ましくは0.5重量%未満の取り込み量を有するように選択される。
好ましい態様において、前記希釈剤または希釈剤の混合物は、ポリマーの測定ガラス転移温度Tg間の差が任意の希釈剤の0.1重量%未満、未反応モノマーおよび添加物が50および100ミクロンの範囲の厚さのフィルム(希釈剤(フィルムを蔽うのに十分な)中に−75℃で4時間浸漬した)に形成した後に測定したポリマーのTgの15℃以内となるように選択される。このガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)により決定される。この技術は例えば、B. Wunderlich, “The Nature of the Glass Transition and its Determination by Thermal Analysis”, in Assignment of the Glass Transition, ASTM STP 1249, R. J. Seyler, Ed., American Society for Testing and Materials, Philadelphia, 1994, pp. 17−31に記載されている。このサンプルは上で説明されたように調整され、含浸の後直ちにDSCサンプルパンの中に密閉され、DSC測定の直前まで温度を−80℃以下に維持する。Tgの値はお互いに12℃以内であることが好ましい。好ましくは、お互いに11℃以内、好ましくはお互いに10℃以内、好ましくはお互いに9℃以内、好ましくはお互いに8℃以内、好ましくはお互いに7℃以内、好ましくはお互いに6℃以内、好ましくはお互いに5℃以内、好ましくはお互いに4℃以内、好ましくはお互いに3℃以内、好ましくはお互いに2℃以内、好ましくはお互いに1℃以内である。
重合工程
本発明は連続及びバッチ工程において行われる。更に、本発明は栓流反応槽及び/又は撹拌タンク反応槽において行われる。特に、本発明は「ブチル反応槽」において行われる。代表的な例は、定流撹拌タンク反応槽、栓流反応槽、流動床ベルト又はドラム反応槽、ジェット又はノズル反応槽、管型反応装置、及び自動冷凍煮沸プール反応槽から選択される。
他の態様において、冷却剤がチューブの一方に位置し、重合混合物が他の一方に位置するチューブ反応槽のように、熱移動表面を用いることにより熱を除去することができる。熱はまた、自動冷却沸騰プール型反応槽で見られるように、重合混合物を蒸発させることによっても除去することができる。他の例は、重合混合物が反応槽を通過するように混合物の一部が蒸発するプラグ流れ反応槽である。他の例は、熱移動表面の一方の側に冷却剤を用いる表面熱移動を通してプラグ流れ反応槽において熱が除去される場合である。他の例は、希釈剤/モノマー/触媒混合物がベルトまたはドラムに噴霧されて反応が進行する間に希釈剤が蒸発することにより熱が除去される移動ベルトまたはドラム上で重合が起こる反応槽になろう。さらに熱はそのような反応槽において表面熱移動(例えば、冷却剤がドラムの内側またはベルトの下にありポリマーがベルトまたはドラムの他の一方の側で生成される場合)により除去され得る。他の反応槽のタイプはジェットまたはノズル反応槽である。これらの反応槽は、モノマー、希釈剤および触媒がジェットまたはノズル中で混合されて、混合物が高速でノズルを通過する間に重合が起こるという短時間の滞留時間を有する。
好ましい反応槽には、バッチまたは連続様式のいずれかで操作され、撹拌機をもつタンクまたはチューブ型反応槽のいずれかで操作される連続流動撹拌タンク反応槽が含まれる。好ましい反応槽にはまた、重合が熱移動表面の一方の側で起こり、冷却剤が他の一方の側にある反応槽が含まれる。1つの例は、冷却剤を含むチューブが反応槽重合ゾーンの内側を通る反応槽である。他の例は、重合がチューブの内側で起こり、冷却剤がシェル内のチューブの外側にあるものであろう。
本発明は、モノマー、希釈剤および触媒が反応槽に充填され、次に重合が進行して完了し(例えば、クエンチングにより)、ポリマーが次に回収されるバッチ反応槽においても実施され得る。
特定の態様において、本発明はスラリー重合工程を用いて行うことができる。しかしながら、溶液重合工程のような他の重合方法も本発明に用いることができる。本発明の前記重合プロセスはカチオン重合工程でもよい。
1つの態様において、該重合は存在する触媒、モノマー、及び希釈剤が単一の相内に存在する場所で行われる。好ましくは、前記重合は触媒、モノマー、及び希釈剤が単一の相として存在している連続重合肯定において行うことができる。スラリー重合において、モノマー、触媒及び触媒はすべて希釈剤又は希釈剤の混合物に混和性である、すなわち、希釈剤との分離が良好な希釈剤から沈殿させる、連続した単一の相である。好ましくは、ほとんどないか全くないポリマーのTg抑制および/またはほとんどないか全くない希釈剤の重量取り込みにより示されるように、ポリマー「膨張」が減少するか全くないことがわかる。したがって、本発明における希釈剤中の重合は、良好な熱移動を有し低粘度で取り扱える高いポリマー濃度、反応槽汚染の低下、均一相重合および/または得られるポリマー混合物で直接運転できる連続反応の利便性を提供する。
反応槽内の反応したモノマーはスラリーの一部分を形成する。1つの態様において、スラリー中の固体濃度は10容量%以上である。他の態様において、スラリー中の固体濃度は25容量%以上で反応槽に存在する。更なる態様において、スラリー中の固体濃度は75容量%以下で反応槽に存在する。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は1から70容量%である。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は5乃至70容量%である。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は10乃至70容量%である。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は15乃至70容量%である。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は20乃至70容量%である。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は25乃至70容量%である。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は30乃至70容量%である。さらに他の態様において、スラリー中の固体濃度は40乃至70容量%である。
代表的には、連続流動撹拌タンク型反応槽を用いることができる。この反応槽は、一般的に、ターボミキサーまたは撹拌羽根、外部冷却被覆物および/または内部冷却チューブおよび/またはコイル、または望ましい反応温度を維持するための他の重合熱除去手段、モノマー、希釈剤および触媒(混合された、または分離された)の搬入手段(挿入パイプ等の)、感度検知手段、および他のものの中からポリマー、希釈剤および未反応モノマーを取り除く、支持ドラムまたはクエンチング・タンクへの流出物排出路または排出パイプのような有効な撹拌手段を備えている。好ましくは、反応槽は空気および湿気が排除されている。当業者は適切な組み合わせおよび操作を理解できる。
反応槽は、好ましくは過度なポリマー蓄積または希釈剤からの分離を避けるために、反応槽内の触媒およびモノマーの良好な混合、熱移動チューブまたはコイルを超えたまたは範囲内の良好な乱流、および反応容積全体の十分な液体流動を達成するように設計されている。
本発明の実施に利用することができる他の反応槽には、本発明に参照により取り込まれる米国特許5,417,930号に開示されているような、連続スラリープロセスを実施できる任意の従来からの反応槽およびそれらの均等物が含まれる。反応槽ポンプの撹拌羽根は、上昇ポンプ型のものまたは下降ポンプ型のものでもよい。前記反応槽は、望ましい特性を有する十分な量のポリマーが生成される供給原料流れを含むモノマー重合を触媒するのに有効な十分な量の本発明の触媒系を含む。1つの態様において、この供給原料流れは5重量%より大きな総モノマー濃度(モノマー、希釈剤および触媒系の総重量に基づく)、好ましくは15重量%より大きな総モノマー濃度を有し、他の態様において30重量%より大きな総モノマー濃度を有する。さらに他の態様において、供給原料流はモノマー、希釈剤および触媒系の総重量に基づいて5から50重量%モノマー濃度を有する。
ある態様において、供給原料流れはシリカカチオンを生成する化学種を実質的に含まない。シリカカチオンを生成する化学種を実質的に含まないということは、供給流中のこのシリカカチオンを生成する化学種がモノマー総重量に基づいて0.0005重量%未満しか含まれないことを意味する。シリカカチオンを生成する化学種の代表的な例としては、「R」がアルキルで「X」がハロゲン原子である、化学式 R123SiXまたはR12SiX2 などで表されるハロアルキルシリカ化合物が挙げられる。反応条件は、反応媒体を液体状態に維持し、望ましい特性を有する望ましいポリマーを生成するのに有効な望ましい温度、圧力および滞留時間を設定して行われる。モノマー供給原料流れは、典型的には成功条件下で触媒と可逆的に反応するいかなる不純物も実質的に含まないものである。例えば、ある態様において、モノマー供給原料流れは実質的に塩基(腐食剤のような)、硫黄含有化合物(H2S、COS、および例えばメチルメルカプタン、エチルメルカプタンのような有機メルカプタンのような)、窒素含有塩基、アルコールのような酸素含有塩基などを含むべきではない。しかしながら、モノマー原料はあまり純粋ではなく、代表的には総オレフィン量に対して95%未満であり、さらに好ましくは98%未満であり、99%未満である。好ましい態様において、前記不純物は10,000ppm未満(重量で)であり、好ましくは500ppm未満であり、好ましくは250ppm未満であり、好ましくは150ppm未満であり、好ましくは100ppm未満である。
通常の場合と同様に、反応時間、温度、濃度、反応物の性質、および類似の因子は生成物の分子量を決定する。重合反応温度は、例えば速度、温度コントロールなどの標準プロセスの変数および経済的考慮と同様に、目的ポリマーの分子量およびポリマー化するモノマーに基づいて都合よく選択される。重合温度は、0℃未満であり、1つの態様において好ましくは−10℃とスラリーの氷点との間の温度であり、他の態様において−25℃から−120℃である。さらに他の態様において、重合温度は−40℃から−100℃であり、さらに他の態様において−70℃から−100℃である。さらに他の望ましい態様において、温度範囲は−80℃から−100℃である。したがって、異なる反応条件により異なる分子量の生成物が生成される。ゆえに、望ましい反応生成物の合成は、当該分野で広く採用されている技術を用いて、反応中に定期的に採取した試料の測定により達成される。
好ましい態様において、重合温度は希釈剤の氷点を超える10℃以内であり、好ましくは希釈剤の氷点を超える8℃以内であり、好ましくは希釈剤の氷点を超える6℃以内であり、好ましくは希釈剤の氷点を超える4℃以内であり、好ましくは希釈剤の氷点を超える2℃以内であり、好ましくは希釈剤の氷点を超える1℃以内である。本発明およびクレームの目的のために「希釈剤の氷点を超えるX℃以内」という句が用いられる場合には、これは希釈剤の氷点プラスX℃ということを意味する。例えば、希釈剤の氷点が−98℃なら、希釈剤の氷点を超える10℃は−88℃である。
前記反応圧力は、1つの態様において0を超え14,000kPa(ここで0kPaは完全真空)までであり、他の態様において7kPa乃至ら12,000kPaであり、他の態様において100kPa乃至2000kPaであり、他の態様において200kPa乃至1500kPaであり、他の態様において200kPa乃至1200kPaであり、さらなる他の態様において200kPa乃至1000kPaであり、他の態様において7kPaから100kPaであり、他の態様において20kPa乃至70kPaであり、さらなる他の態様において40kPa乃至60kPaであり、他の態様において1000kPa乃至ら14,000kPaであり、他の態様において3000kPa乃至10,000kPaであり、さらなる他の態様において3,000kPa乃至6,000kPaである。
モノマー供給原料流れ、触媒、開始剤および希釈剤の接触順序は実施態様によって異なり得る。
他の態様において、前記開始剤およびルイス酸は、0.01秒から10時間の範囲の定められた時間で選択された希釈剤中において一緒に混合することにより予め複合体にされ、次に触媒ノズルまたは注入装置を通して連続反応槽に注入される。さらに他の態様において、ルイス酸および開始剤は別々に反応槽に添加される。他の態様において、開始剤は反応槽への注入前に供給原料モノマーに混合される。望ましくは、モノマーは反応槽へ入る前にルイス酸または開始剤と結合したルイス酸に接触させない。
本発明の他の態様において、前記開始剤およびルイス酸は、−40℃と希釈剤の氷点との間の温度で選択された希釈剤中において、0.01秒から数時間の間の接触時間で、0.1秒から5分で、好ましくは3分未満で、好ましくは反応槽への注入前0.2秒から1分の間に、一緒に混合することにより予め複合体にされ得る。
本発明の他の態様において、前記開始剤およびルイス酸は選択された希釈剤中で、80℃から−150℃の間、代表的には−40℃から−98℃の間の時間、一緒に混合することにより予め複合体にされ得る。
反応槽における総滞留時間は、例えば触媒活性および濃度、モノマー濃度、供給原料注入速度、生成速度、反応温度、および望ましい分子量に依存して変化し得、一般的には約数秒から5時間、代表的には約10分と60分の間であろう。滞留時間に影響する変数には、モノマーおよび希釈剤の供給原料注入速度および総反応槽容量が含まれる。
モノマーに対する触媒(ルイス酸)比は、カルボカチオン重合における当該技術分野の従来からのものが用いられる。本発明の1つの態様において、触媒に対するモノマーのモル比は、代表的には500乃至10000、他の態様においては2000乃至6500の範囲内である。さらに他の望ましい態様において、開始剤に対するルイス酸比は0.5乃至10、または0.75乃至8である。反応槽における開始剤の総濃度は、代表的には5乃至300ppm、たまは10乃至250ppmである。触媒供給原料流れ中の開始剤濃度は、1つの態様において代表的には50乃至3000ppmである。反応槽中の開始剤量を記述する他の方法は、ポリマーに対するその相対量によるものである。1つの態様において0.25から20モルポリマー/モル開始剤であり、他の態様において0.5から12モルポリマー/モル開始剤である。
前記反応槽は、望ましい特性を有する十分な量のポリマーが生成される供給原料流を含むモノマー重合を触媒するのに有効な十分な量の本発明の触媒系を含む。1つの態様において、供給原料流は20重量%より大きなモノマー濃度(モノマー、希釈剤および触媒系の総重量に基づいて)を有し、他の態様において25重量%より大きなモノマー濃度を有する。さらに他の態様において、供給原料流はモノマー、希釈剤および触媒系の総重量に基づいて30重量%乃至50重量%より大きなモノマー濃度を有する。
反応槽の触媒効率(ルイス酸に基づく)は、触媒1ポンド当たりポリマー10,000ポンドから触媒1ポンド当たりポリマー300ポンドの間に維持され、望ましくは開始剤に対するルイス酸のモル比をコントロールすることにより触媒1ポンド当たりポリマー4000ポンドから触媒1ポンド当たりポリマー1000ポンドの範囲に維持される。
1つの態様において、カチオン重合可能なモノマーの重合(ブチルゴムを生成するためのイソブチレンとイソプレンの重合のような)は数工程を含む。初めに、上昇ポンピングまたは下降ポンピング可能なポンプ撹拌羽根を有する反応槽が提供される。ポンプ撹拌羽根は代表的には電流量が測定可能な電気モータにより駆動される。反応槽は代表的には液体エチレンを含む被覆物の中に平行垂直反応チューブを装備している。チューブを含む総内容積は30から50リッターよりも大きく、したがって大スケール容積の重合反応が可能である。前記反応槽は代表的にはスラリー形成から重合反応熱を除くために液体エチレンを用いる。前記ポンプ撹拌羽根は反応チューブを通したスラリー、希釈剤、触媒系および未反応モノマーの一定の流れを維持する。極性希釈剤中のカチオン重合可能なモノマー(イソプレンおよびイソブチレンのような)の供給原料流れは反応槽に充填され、この供給原料流れはシリカ化合物を生成する0.0005重量%未満のカチオンを含み、代表的には芳香族モノマーを含まない。前記触媒系は次に反応槽に充填され、この触媒系は0.50乃至10.0のモル比で存在するルイス酸および開始剤を含む。反応槽内において、モノマーおよび触媒系の供給原料流れは互いに接触し、したがってこの反応はポリマーのスラリー(ブチルゴムのような)を形成し、ここでスラリー中の固体は20容量%乃至50容量%である。最終的に、このようにして形成されたポリマー(ブチルゴムのような)は出口または流出ラインを通って反応槽から排出され、一方、同時に供給原料流れが充填し続けられ、このようにして連続的なスラリー重合が継続する。有利にも本発明は、圧力不一致または「ジャンプ」によって測定されるように、例えば反応槽壁、熱移動表面、撹拌機および/または撹拌羽根、および流出ラインまたは排出口におけるポリマー蓄積量を極度に低減させることにより、多くの方法でこのプロセスを改善している。
1つの態様において、本発明の1つの態様から得られたポリマーは、約2から5の分子量分布を有し、100モルのモノマー当り0.5乃至2.5モルの不飽和結合を有するポリイソブチレン/イソプレン・ポリマーである。この生成物はハロゲン化ブチルゴムを得るために、次のハロゲン化反応に導くことができる。
エラストマー組成物及び最終製品
上で説明する本発明にしたがって製造されたポリマーは、最終製品へ製造されるエラストマー組成物を製造するために当該分野において既知の他の成分と混合される。例えば、エラストマー組成物は少なくとも1つのプラストマーを含む。
本発明に有用な前記プラストマーは、0.85乃至0.915g/cmの密度、及び0.10乃至30dg/分のメルトインデックス(MI)を有するポリオレフィンコポリマーであることができる。1つの態様において、有用なプラストマーはエチレン誘導単位及び少なくとも1のC乃至C10α−オレフィン誘導単位のコポリマーである、前記コポリマーは0.915g/cm未満の範囲の密度を有する。プラストマー中に存在するコモノマー(C乃至C10α―オレフィン誘導単位)の量は2重量%乃至35重量%の範囲、他の態様において5重量%乃至30重量%の範囲、更なる態様において15重量%乃至25重量%、更なる態様において20重量%ないし30重量%である。
本発明に有用なプラストマーは、1つの態様において、0.10乃至20dg/分のメルトインデックス(MI)(ASTM D 1238;90℃、2.1kg)を有する。他の態様において、0.2乃至10dg/分であり、更なる態様において0.3乃至8dg/分である。有用なプラストマーの平均分子重量の範囲は1つの態様において、10,000乃至800,000であり、他の態様において20,000乃至700,000である。前記プラストマーに有用な1%割線曲げ弾性率(ASTM D 790)の範囲は、1つの態様において10Mpa乃至150Mpaであり、他の態様において、20Mpa乃至100Mpaである。更に、本発明に組成物に有用なプラストマーは、1つの態様において50乃至62℃(第一融解ピーク)及び52乃至60℃(第二融解ピーク)の融解温度(Tm)を有し、他の態様において52乃至60℃(第一融解ピーク)及び70乃至80℃(第二融解ピーク)の融解温度(Tm)を有する。
本発明に有用なプラストマーはプロピレン、エチレン誘導単位と1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン等の高級α―オレフィンとのメタロセン触媒作用により製造されたコポリマーであり、1つの態様において0.860乃至0.900g/cmの間の密度を与えるために十分なこれらのコモノマーの単位を含む。好ましいプラストマーの分子量分布(Mw/Mn)の範囲は1つの態様において、2乃至5、他の態様において2.2乃至4である。市販により入手可能なプラストマーの例は、プラストマーの18乃至22重量%のエチレン及び1−ヘキセン及び1−ヘキサン誘導単位から作られており、0.895g/cmの密度及び3.5dg/分のMIを有するEXACT(エクソンモービル ケミカル カンパニー、ヒューストン、テキサス)並びにプラストマーの26乃至30重量%のエチレン及び1−オクテン及び1−オクタン誘導単位から作られており、0.882g/cmの密度及び1.0dg/分のMIを有するEXACT(エクソンモービル ケミカル カンパニー、ヒューストン、テキサス)である。
本発明の他の側面において、ポリブテンプロセスオイルが空気バリア組成物中に存在する。本発明のポリブテンプロセスオイルは、1つの態様において、3乃至8の炭素原子を有するオレフィンの低分子重量(15,000Mn未満)のホモポリマー又はコポリマーであり、他の態様において、炭素原子数は4乃至6である。更な態様において、ポリブテンはCラフィネートのホモポリマー又はコポリマーである。「ポリブテン」ポリマーと称するそのような低分子量ポリマーの態様は、例えば、SYNTHETIC LUBRICANTS AND HIGH−PERFORMANCE FUNCTIONAL FLUIDS 357−392 (Leslie R. Rudnick & Ronald L. Shubkin, ed., Marcel Dekker 1999)に記載されている(以下、「ポリブテンプロセスオイル」又は「ポリブテン」と言う)。
本発明の1つの態様において、前記ポリブテンプロセスオイルは、少なくともイソブテン誘導単位、1−ブテン誘導単位、及び2−ブテン誘導単位のコポリマーである。1つの態様において、前記ポリブテンは、これらの3の誘導単位のホモポリマー、コポリマー又はターポリマーであり、イソブテン誘導単位は前記ポリマーの40乃至100重量%であり、1−ブテン誘導単位は前記コポリマーの0乃至40重量%であり、2−ブテンはコポリマーの0乃至40重量%である。他の態様において前記ポリブテンはこれら3つの誘導単位のコポリマー又はターポリマーであり、イソブチレン誘導単位はコポリマーの40重量%ないし99重量%であり、1−ブテン誘導単位はコポリマーの2乃至40重量%であり、2−ブテンはコポリマーの0乃至30重量%である。更なる態様において、前記ポリブテンは3つの単位のターポリマーであり、イソブチレン誘導単位はコポリマーの40乃至96重量%、1−ブテン誘導単位はコポリマーの2乃至40重量%、及び2−ブテンはコポリマーの2乃至20重量%である。更なる態様において、前記ポリブテンはイソブチレン及び1−ブテンのホモポリマー又はコポリマーであり、イソブチレン誘導単位はホモポリマー又はコポリマーの65乃至100重量%及び1−ブテン誘導単位はコポリマーの0乃至35重量%である。
本発明に有用なポリブテンプロセスオイルは、通常、1つの態様において10,000未満の数平均分子量(Mn)を有する。他の態様において8000未満であり、更なる態様において6000未満である。1つの態様において、ポリブテンオイルは400より大きい数平均分子量、及び他の態様において700より大きい、更なる態様において900より大きい数平均分子量を有する。好ましい態様はあらゆる下限分子量と上限分子量の組み合わせを含む。例えば、本発明にポリブテンの1つの態様において、ポリブテンは400乃至10,000、の数平均分子量を有し、他の態様において及び700乃至8000の数平均分子量を有し、更なる態様において900乃至3000の数平均分子量を有する。ポリブテンプロセスオイルの有用な粘度の範囲は、1つの態様において100℃で10乃至6000cSt(センチストークス(centiStoces))及び他の態様において100℃で35乃至500cSt、及び更なる態様において、100℃において35cSt以上、及び更なる態様において100℃で100cSt以上である。
市販により入手可能なポリブテンプロセスオイルは、本発明の組成物に用いることができる、特定の分子重量を有する、合成液体ポリブテンである、PARAPOLTM450, 700, 950, 1300, 2400及び 2500等のPARAPOLTMプロセスオイルのシリーズである。PARAPOLTMオイルの分子量はゲル浸透クロマトグラフィーで測定して、420Mn(PARAPOLTM450)乃至2700(PARAPOLTM2500)である。PARAPOLTMオイルのMWDの範囲は、1つの態様において1.8乃至3であり、及び他の態様において2乃至2.8である。
以下、本発明の態様に有用なPARAPOLTMオイルの性質のいくつかを表3に示す。粘度はASTM D445−97にしたがって決定し、及び分子重量はゲル浸透クロマトグラフィーにより決定した。
Figure 0005017102
PARAPOLTMオイルの他の性質は以下の様である。PARAPOLTMプロセスオイルの密度の範囲は約0.85(PARAPOLTM 450)乃至0.91(PARAPOLTM2500)である。PARAPOLTMオイルの臭素価(CG/G)の範囲は450Mnプロセスオイルについて40、2700プロセスオイルについて8である。従って、PARAPOLTM450は本発明に組成物において低い粘度が望ましい場合に用いることができ、PARAPOLTM 2500は高粘度が望ましい場合に用いることができる。このように組成物の物理的性質は調整することができる。より具体的には「ポリブテンプロセスオイル」又は「ポリブテンプロセスオイル」の語は本明細書で開示された範囲の中の特定の、好ましいあらゆる粘度又は分子量(又は他の性質)を得るために、単一のオイル又は2以上のオイルを含む。
ポリブテンプロセスオイル又はオイル(複数)は本発明のエラストマー組成物中に、1つの態様において1乃至60phr、及び他の態様において2乃至40phr、他の態様において4乃至35phr、更なる態様において5乃至30phr、更なる態様において2乃至10phr、更なる態様において5乃至25phr、更なる態様において2乃至20phr存在する。ポリブテン(含量)の好ましい範囲は、ここで開示した範囲のあらゆる上限phrと下限phrの組み合わせを含む。好ましくは、ポリブテンプロセスオイルは、芳香族基又は不飽和を含まない。
空気バリアを製造するために適したエラストマー組成物は、組成物の中に存在し及び本発明の最終製品に用いられる第二ゴム又は「汎用的ゴム」成分を含む。これらのゴムは、エラストマー又はエラストマー組成物の任意の適した手段により混合される。これらのゴムは天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリ(イソプレン−co−ブタジエン)ゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDR)、ポリスルフィド、ニトリルゴム、プロピレンオキサイドポリマー、星状分岐ブチルゴム、及びハロゲン化星状分岐ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、塩化ブチルゴム、星状分岐ポリイソブチレンゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレンコポリマー)ゴム、ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)及び例えば、イソブチレン誘導単位、p−メチルスチレン誘導単位、及びp−ブロモメチルスチレン誘導単位のターポリマー等のハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
存在する第二ゴム成分の好ましい態様は天然ゴムである。天然ゴムはSubramaniam in RUBBER TECHNOLOGY 179−208 (Maurice Morton, ed., Chapman & Hall 1995)に詳細が記載されている。本発明の天然ゴムの好ましい態様はSMR CV, SMR 5, SMR 10, SMR 20, 及びSMR 50等のマレーシアゴム及びこれらの混合物を含む。前記天然ゴムは100℃(ML1+4)で30乃至120、より好ましくは40乃至65のムーニー粘度を有する。好ましい態様において天然ゴムは5乃至25phr組成物中に存在する。
ポリブタジエン(BR)ゴムは、本発明の組成物中に有用な他の好ましい第二ゴムである。ポリブタジエンゴムの100℃(ML1+4)で測定されるムーニー粘土の範囲は3乃至70、他の態様において40乃至65、更なる態様において45乃至60である。本発明に有用な市販されている合成ブタジエンの幾つかの例は、NATSYNTM(グッドイヤーケミカルカンパニー)及びBUDENETM1207又はBR1207(グッドイヤーケミカルカンパニー)である。好ましいゴムは高級cis−ポリブタジエン(cis−BR)である。「cis−ポリブタジエン」又は「高級cis−ポリブタジエン」は1,4−cis−ポリブタジエンも用いられることを意味する、cis成分の量は少なくとも95%である。高級cis−ポリブタジエン市販製品の例はBUDENETM1207に用いられているものである。
EPR及びEPD等のエチレン及びプロピレン誘導単位のゴムも第二ゴムに好ましい、EPDMの製造に用いられる適したコモノマーの例はエチルジエンノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン及びその他である。これらのゴムはRUBBER TECHNOLOGY 260−283 (1995)に記載されている。適したエチレン−プロピレンゴムはVISTALONTM(エクソンモービル ケミカル カンパニー、ヒューストン テキサス)として市販されている。
他の態様において、第二ゴムは、ターポリマー組成物の一部としてのハロゲン化された組成物である。前記ハロゲン化されたブチルゴムは臭素化ブチルゴムであり、他の態様においては塩化されたブチルゴムである。ハロゲン化ブチルゴムの一般的な性質及び製造はTHE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK 105−122 (Robert F. Ohm ed., R.T. Vanderbilt Co., Inc. 1990)、及びRUBBER TECHNOLOGY 311−321 (1995)に記載されている。ブチルゴム及びハロゲン化ブチルゴム及び星状分岐ブチルゴムはEdward Kresge and KC. Wang in 8 KIRK−OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY 934−955 (John Wiley & Sons, Inc. 4th ed. 1993)に記載されている。
本発明の第二ゴム組成物は少なくとも1の臭素化ブチルゴム、塩化ブチルゴム、星状分岐ブチルゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレンコポリマー)ゴム、例えばイソブチレン誘導単位等のターポリマー、p−メチルスチレン誘導単位及びp−ブロモメチルスチレン誘導単位(BrIBMS)等のハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)並びに米国特許5,162,445号、米国特許4,074,035号及び米国特許4,395,506号に記載の同種のハロゲン化芳香族インターポリマー、ハロゲン化されたイソブチレンコポリマー、ポリクロロプレン及び同種のもの、並びに上記の混合物を含むがこれらに限定されない。ハロゲン化されたブチル組成物の幾つかの態様は、米国特許4,703,091号 及び 米国特許4,632,963号にも記載されている。
エラストマー組成物の第二ゴム組成物は1つの態様において90phrまでの範囲で、他の態様においては50phrまでの範囲で、他の態様においては40phrまでの範囲で、及び更なる態様においては30phrまでの範囲で存在する。更なる態様において、第二ゴムは少なくとも2phr、他の態様において少なくとも5phr、更なる態様において少なくとも10phr存在する。好ましい態様は、あらゆる上限のphr及びあらゆる下限のphrのあらゆる組み合わせを含む。例えば、第二ゴムは、単独で又はNRのようなブレンドにおいて、1つの態様において5phr乃至40phr、他の態様において8乃至30phr、更なる態様において、10乃至25phr、更なる態様において5乃至25phr、更なる態様において5乃至15存在する。NRの好ましい範囲はあらゆる上限とあらゆる下限との組み合わせである。
エラストマー組成物は、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、クレイ及び剥離又は未剥離シリケート、タルク、二酸化チタン、及びカーボンブラック等の1以上の充填剤を有する。1つの態様において、前記充填剤はカーボンブラック又は修飾カーボンブラックであり、及びこれらの任意の組み合わせである。他の態様において充填剤はカーボンブラックとシリカのブレンドである。タイヤのトレッド及び側面として好ましい充填剤は、1つの態様において前記ブレンドの中に10乃至100phr、より好ましくは30乃至80phr、更なる態様において50乃至80phr存在する強化レベルカーボンブラックである。RUBBER TECHNOLOGY, 59−85に記載のような、カーボンブラックの有用なグレードはN110乃至N990である。より好ましくは、例えば、タイヤの側面に有用なカーボンブラックの態様は、N330、N351、N550、N660及びN762である。インナーライナー又は他の空気バリアに有用なカーボンブラックの例は、N550、N660、N650、N762、N990及びリーガル(Regal)85を含む。
クレイが充填剤として存在する場合、1つの態様において、膨張性クレイであり、剥離剤を用いて剥離されていてもされていなくても良い。本発明の目的に適した膨張性クレイ物質は特にモントモリロナイト、ノントトロナイト、バイデライト、 ボルコンスコイト、ラポナイト(laponite)、 ヘクトライト(hectorite)、 サポナイト、ソーコナイト(sauconite)、 マガダイト(magadite)、 ケニヤアイト(kenyaite)、ステベンサイト(stevensite)等の天然又は合成フィロ(phyllo)シリケート、特にスメティッククレイ、並びに バーミキュライト(vermiculite)、ハロサイト(halloysite)、酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト(hydrotalcite)及び同種のものを含む。これらの膨張性クレイは8−12Åの厚さを有する複数のシリケートプレートを含む粒子を含み、その内部層表面にNa、Ca2+、K,又はMg2+等の交換可能なカチオンを含む。
膨張性クレイは層状のシリケートの内部表面に存在するカチオンとイオン交換反応をさせることができる有機分子(膨張又は剥離剤又は添加剤)を用いて処理することにより剥離される。適した剥離剤はアンモニウム、アルカリアミン又はアルカリアンモニウム(1級、2級、3級及び4級)、脂肪族、芳香族又はアリル脂肪族ホスホニウム並びにスルホニウム誘導体、ホスフィン及び硫化物等のカチオン界面活性剤を含む。好ましいアミン化合物(又は対応するアンモニウムイオン)は構造式R2R3R4Nを有するものである、式中R2,R3、及びR4は、1つの態様においてC乃至C30のアルキル又はアルケンであり、他の態様においてC乃至C20のアルキル又はアルケンである。中R2,R3、及びR4は、同じであっても異なっていても良い。1つの態様において、剥離剤は、少なくともR2がC14乃至C20のアルキル又はアルケンである長鎖第三アミンと言われるものである。
本発明の充填剤は、任意のサイズを有するが、通常、例えば、約0.0001μm乃至約100μmの幅である。本明細書で用いるように、シリカは任意の型又は粒子サイズを有するシリカ又は他のケイ酸誘導体、並びに、溶液又は発熱処理等されて又は未処理表面を含む沈殿シリカ、コロイドシリカ、アルミニウムシリカ、カルシウムシリカ、ヒュームドシリカ等を意味する。
一つ以上の架橋剤が本発明エラストマー組成物に用いられることが好ましく、特にシリカが主な充填剤又はシリカが他の充填剤とともに存在する場合に好ましい。より好ましくは、カップリング剤はニ機能性有機シラン架橋剤である。「有機シラン架橋剤」は当業者に知られている充填剤及び/又は架橋剤及び/又はシラン強化剤であり、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス−(ベータ−メトキシエトキシ)シラン、メタクリロイルプロピルトリメチルシラン、ガンマ−アミノ−プロピルトリエトキシシラン(Witco社よりA1100という商品名で販売されている)、ガンマ−メルカプトロピルトリメトキシシラン(Witco社よりA189という商品名で販売されている)及び同種のもの、並びにこれらの混合物を含むがこれらに限定されない。1つの態様においてビス−(3−トリエトキシシイルプロピル)テトラスルフィド(Si69として販売)が用いられる。
他の加工助剤も本発明の組成物中に存在する。加工助剤は可塑剤、粘着剤、増量剤、化学添加物、均質剤、及びメルカプタン、石油、加硫油、植物油、ミネラルオイル、パラフィンオイル、ポリブテン酸、ナフテンオイル、芳香族オイル、ワックス、レジン、ロジン等の素練り促進剤を含むがこれらに限定されない。前記酸は通常1つの態様において1乃至70phr存在し、他の態様において3乃至60phr存在し、更なる態様において3乃至60phr存在し、更なる態様において5乃至50phr存在する。加工助剤の市販製品の例はナフテンプロセスオイルであるSUNDEXTM(Sun Chemicals)、800乃至3000の数平均分子量を有するポリブテンプロセスオイルであるPARAPOLTM(エクソンモービル ケミカル カンパニー)及びパラフィン系石油であるFLEXONTM(エクソンモービル ケミカル カンパニー)である。本発明の1つの態様において、パラフィンオイル、ナフテンオイル及び芳香族オイルは実質的に欠失している、すなわち、それらは空気バリアを作るための組成物に故意に添加されない、もしくは、存在するとしても空気バリアを作る組成物中に0.2重量%までしか存在しない。本発明の組成物の他の態様においてナフテンオイル及び芳香族オイルは実質的に欠失している。これらの市販製品の例は例えば、FLEXONオイル(幾つかの芳香族部分を含む)及びCALSOLオイル(ナフテンオイル)である。
本発明により製造された組成物は、ゴム混合物中に習慣的に用いられている、変色させていない又は変色していないプロセスオイル、顔料、促進剤、架橋剤、及び硬化剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等の他の成分及び添加剤を含む。一般的な架橋促進剤は、アミン、ジアミン、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、スルフェンイミド、チオカルバミド、キサンタン等を含むがこれらに限定されない。架橋剤及び硬化剤は硫黄、酸化亜鉛、及び脂肪酸を含む。過酸化硬化システム及びレジン硬化システムもまた用いられる。前記成分及び他の硬化剤は通常0.1乃至10phr組成物中に存在する。ポリマーの熱又は放射線誘導架橋が用いられる。
通常、ポリマーブレンド、例えばタイヤに用いられるポリマーブレンドは架橋されているのでポリマーの機械的性質が改善されている。加硫処理したゴム組成物の物理的性質、性能の特徴及び耐久性は加硫反応の間に形成された架橋の数(架橋密度)及びタイプに直接関係することは当業者に知られている(HeIt et al., The Post Vulcanization Stabilization for NR in RUBBER WORLD, 18−23 (1991)参照のこと)。
硫黄はジエン含有エラストマーのための最も一般的に加硫剤である。それはひし形の8員環又は非結晶の重合形態で存在する。硫黄加硫システムもまた、硫黄を活性化するための促進剤及び加硫の速度を制御するための抑制剤を含む。促進剤は加硫の開始剤及び速度並びに形成される架橋の数及びタイプを制御する。これらのファクターは加硫の性能を決定するにあたり重要な役割を果たしている。
活性剤は後に硫黄化剤を形成するために硫黄と反応するゴム−可溶化複合体を形成するのを促進するために反応することにより加硫の速度を増す化学物質である。抑制剤は、非加硫ゴムを完全に処理するための時間を確保するために硬化の開始を遅らせるために用いる。
ハロゲン化された星状分岐ブチルゴム、臭化ブチルゴム、塩化ブチルゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレンコポリマー)ゴム、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−メチルスチレン)、ポリクロロプレン、及びクロロスルホン化ポリエチレン等のハロゲン含有エラストマーは金属酸化物との反応により架橋される。金属酸化物は、その後に更に炭素−炭素結合へ更なる反応をする活性中間体を生成するためにポリマー中のハロゲン基を通じて反応する、亜鉛ハライドは副生成物として遊離される。そしてこれはこの反応の自己触媒として提供される。通常、ポリマーブレンドは例えば、硫酸、金属酸化物、有機金属化合物、ラジカル開始剤等を添加した後に加熱することにより架橋される。特にZnO、CaO、MgO、Al、CrO、FeO、FeO3、及びNiOの金属酸化物が本発明において機能し得る一般的な硬化剤である。これらの金属酸化物は、単独で、あるいは、対応する金属脂肪複合体との結合として、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等、又はステアリン酸等の単独で添加される有機及び脂肪酸との結合(体)として、添加される。任意で、硫酸、硫酸顆粒物、過酸化アルキル化合物、ジアミン、又はこれらの誘導体等の他の硬化剤との結合体で、添加される(例えばDuPontにより販売されているDIAK製品)(Formulation Design and Curing Characteristics of NBR Mixes for Seals, RUBBER WORLD 25−30 (1993)も参照のこと)。エラストマー組成物を硬化するこの方法は促進することができ、エラストマーブレンドの加硫のために用いられいてる。
本発明の硬化プロセスの促進は、組成物にある量の促進剤、しばしば有機化合物である、を添加することにより達成することができる。天然ゴムの加硫のメカニズムの促進は、硬化剤、促進剤、活性剤、及びポリマーの間で相互作用する複合体を含む。すなわち、利用可能な硬化剤の全ては、2つのポリマー鎖を互いに結合し、及びポリマー混合物の全体の強度を高めるのに有効な架橋を形成することにより消費される。多くの促進剤が当業者に知られており、ステアリン酸、ジフェニルグアニジン(DGP)、テトラメチルジスルフィド(TBTD)、4,4’−ジチオジモルフォリン(DTDM)、テトラ7ブチルチウラムジスルフィド(TBTD)、ベンゾチアゾルジスルフィド(MBTS)、ヘキサメチレン−1,6−ビスチオスルフェート−ジソディウムソルト−ジハイドレート(FlexsysによりDURALINKTMとして販売)、2−モルフォリノチオベンゾチアゾール(MBS又はMOR)、90%MORと10%MBTSとのブレンド(MOR90)、N−第三ブチル−2−ベンゾチアゾールスルファミド(TBBS)、及びN−オキシジエチレンチオカルバミル−N−オキシエチレンスルフェンアミド(OTOS)、ヘキサン酸2−メチル亜鉛(ZEN)及び「チオ尿素」を含むがこれらに限定されない。
空気バリア及び空気バリア組成物を含んだ物質は、単一工程又は複数工程において当業者に知られている従来技術により混合される。一つの態様において、酸化亜鉛及び他の硬化活性剤、及び促進剤と異なる段階でカーボンブラックが添加される。他の態様において、カーボンブラックがエラストマー組成物と共に処理された後で抗酸化剤、オゾン劣化防止剤及びプロセス物質が1の工程で添加され、酸化亜鉛が化合物の弾性率を最大にするために最終工程で添加される。従って、2又は3(又はそれ以上)の連続した工程が好ましい。追加的な工程は、充填剤、及びプロセスオイルの付加的な添加を含む。
組成物は任意の従来の加硫工程に従って、熱又は放射線を用いてそれらを処理することにより加硫させる。通常、加硫は1つの態様において約100℃乃至約250℃の範囲の温度であり、他の態様においては150℃乃至200℃であり、時間は1乃至150分のである。
空気バリア、より具体的にはタイヤクルージングラダー、タイヤインナーライナー、タイヤインナーチューブ、空気スリーブ、及び他のガスケット又は環状構造を含む工業的に生産される製品に適したエラストマー組成物は例えば、捏練、ローラーミル、押出成形混合、内部混合(バンバリーTM又はブラベンダーTM等の)等を含む従来の混合技術を用いることにより調製される。過度の発生熱を伴わずに充填剤、活性剤、及び硬化剤を分散させるような、混合の順如及び用いられる温度は、ゴム化合物の分野における当業者に知られている。有用な混合手順は、コポリマーゴム、カーボンブラック又は充填剤システム及び可塑剤が添加され、好適な成分の分散させるために、好ましい時間及び温度で組成物生物を混合することができるバンバリーTMミキサーを用いる。あるいは、ゴム及びカーボンブラック/充填剤(例えば、1/3乃至2/3)を短時間(例えば約1−3分)の間混合し、残りのカーボンブラック/充填剤及びオイルを混合する。混合は、混合される成分が約140℃乃至160℃の温度に達している間、約1乃至10分続けられる。冷却の後、ゴム粉砕機において又はバンバリーTMミキサー中で、成分のは早すぎる硬化を避けるための比較的低い温度、例えば、約80℃乃至約150℃の温度で前記成分を完全且つ均一に分散させる。混合のバリエーションは当業者に明らかであり、本発明は特定の混合手順に限定されない。混合は、組成物の全成分を完全且つ均一に分散させるために行われる。
インナーライナーストックは、その後、混合ざれたゴム組成物をおよそ30乃至80ミルゲージの厚さを有するシート状物質へと圧延し、インナーライナー製品に適した幅及び長さの小板へ前記シート状物質を切断することにより調製される。前記インナーライナーストックはタイヤ製造機において押出成形及び切断も行われる。
製造工程の本段階におけるシート状ストックは粘着性があり、未硬化の塊である。それゆえ、タイヤ構造に関係する一連の操作及び切断として変形及び引裂きを受ける。
インナーライナーは、その後、空気タイヤの構造における1つの要素として用いられ得る。空気タイヤは、トレッド及びサイドウォールの要素を有する外部表面、ゴム性マトリクスに組込まれたタイヤ強化用繊維(例えば、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、又は金属繊維)を含有する多くのプライ(ply)を含む中間カーカス層、及び、カーカス層の内部表面に積層されるインナーライナー層、からなる層状ラミネートから形成される。タイヤは、通常、上記の層を用いてタイヤ形成ドラムにおいて構築される。未硬化タイヤがドラム上に構築された後、当該未硬化タイヤは、加圧タイヤ造形ブラダー(bladder)を有する熱金型に置かれ、当該技術分野において周知の方法により、造形され、そして加硫温度まで加熱される。加硫温度は、一般に、約100℃乃至約250℃、より好ましくは150℃乃至200℃の範囲であり、加硫時間は、約1分から数時間、より好ましくは約5乃至30分であることができる。組立てられたタイヤの加硫は、タイヤ組立品の全ての要素(すなわち、インナーライナー、カーカス、及び外部のトレッド/サイドウォール層)の加硫を生じさせ、これらの要素間の接着を強化し、その結果、多層の硬化された単一のタイヤがもたらされる。
従って、本発明の1つの側面はC乃至Cイソオレフィン誘導単位及びプラストマーを含むエラストマーを含む空気バリアに好適な組成物である。ここにおいてプラストマーはエチレン誘導単位及びC乃至C10α−オレフィン誘導単位のコポリマーであり、前記プラストマーは0.195g/cm未満の密度を有する。更に、1つの態様において、ナフテン酸及び芳香族オイルは実質的に前記組成物には存在しない。
1つの態様において、前記プラストマーはエチレン誘導単位及び10重量%乃至30重量%のC乃至C10α−オレフィン誘導単位を含む。更なる態様において、前記プラストマーエチレン誘導単位及び10重量%乃至30重量%の1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン誘導単位から選択される単位を含む。更なる態様において、前記プラストマーはエチレン誘導単位及び10重量%乃至30重量%のオクテン誘導単位を含む。前記プラストマーは1つの態様において0.1乃至20dg/分のメルトインデックス、及び他の態様において0.1乃至10dg/分のメルトインデックスを示す。
1つの態様において、前記プラストマーは2phr乃至20phr、他の態様において10phr乃至15phr組成物中に存在する。
前記組成物の他の側面において、前記組成物はプロセスオイルも含む。前記オイルは、1つの態様においてパラフィンオイル、ポリブテンプロセスオイル、及びこれらの混合物から選択され、他の態様においてはポリブテンオイルである。前記プロセスオイルは1つの態様において2乃至20phr、及び他の態様において5乃至18phr存在する。ロジンオイルは本発明の組成物中に1つの態様において0.1乃至5phr及び他の態様において0.2乃至2phr存在する。好ましくは、オイル及び不飽和を含むプロセス剤1つの態様において本発明の組成物の2phr未満である。
前記組成物はカーボンブラック、修飾カーボンブラック、シリケート、クレイ、剥離クレイ、及びこれらの混合物から選択される充填剤を含む。
1つの態様において、前記組成物は、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム、イソプレン−ブタジエンゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、エチレン−プロピレンゴム、エチレンプロピレン−ジエンゴム(EPDM)、多硫化物、ニトリルゴム、プロピレン酸化ポリマー、ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)、ポリ(イソブチレン−co−p−シクロペンタジエン)、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−シクロペンタジエン)、及びこれらの混合物から選択される第二ゴムも含む。他の態様において、前記組成物は5乃至30phrの天然ゴムも含む。
本発明に有用なエラストマー組成物はC乃至Cイソオレフィン誘導単位を含む。前記C乃至Cイソオレフィン誘導単位はイソブチレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ブテン、2−ブテン、メチルビニルエーテル、インデン、ビニルトリメチルシラン、ヘキセン、及び4−メチル−1−ペンテンから選択される。
更に、前記エラストマーは、他の態様において、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ミルセン、6,6−ジメチル−フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、及びピペリレンから選択されるマルチオレフィン誘導単位を含む。
有用なエラストマーの更なる態様において、前記エラストマーは、スチレン、クロロスチレン、メトキシスチレン、イデン、及びイデン誘導単位、α−メチルスチレン、о−メチルスチレン、m−メチルスチレン、及びp−メチルスチレン及びp−tert−ブチルスチレンから選択されるスチレン誘導単位も含む。
本発明の組成物は硬化剤により硬化させる。1つの態様において、前記組成物は、硫黄、硫黄ベース組成物、金属酸化物、金属酸化物複合体、脂肪酸、過酸化物、ジアミン、及びこれらの混合物から選択される硬化剤も含む。
硬化組成物は空気バリアとして好ましい性質を有する。例えば、1つの態様において、組成物は−40℃未満の脆性値を有する。他の態様において前記組成物は25℃におけるショアA硬度が55未満である。更なる態様において前記組成物は65℃における空気透過性が3.50X10−8cm−cm/cm−sec−atmである。更なる態様において、前記組成物は4N/mmより大きいカーカスへの粘着力を有する。
前記組成物は数多くの製品に用いることができる。1つの態様において前記製品は、タイヤクルージングラダー、インナーライナー、タイヤインナチューブ、及びエアスリーブから選択される。本発明の組成物を用いて作ることができる他の有用な製品は、ホース、シール、モールド製品、ケーブルハウジング、及びTHE VANDERBILT RUBBER HANDBOOK 637−772 (R.T. Vanderbilt Company, Inc. 1990)に記載されている他の製品を含む。
従って、本発明の組成物は本明細書で開示される任意の態様により代替的に説明される。例えば、本発明の1つの側面は5−25phrのハロゲン化プロセスオイル、ハロゲン化星状分岐ブチルゴム、5―25phr天然ゴム及び5−25phrのプラストマーを含む空気バリアに好適な組成物として説明される。前記プラストマーはエチレン誘導単位及びC3乃至C10のα―オレフィン誘導単位のコポリマーであり、0.195g/cm未満の密度を有する。前記組成物の脆性値は−41℃未満である。
他の態様において、空気バリアに好適な組成物はC乃至Cイソオレフィン誘導単位を含むエラストマー及びプラストマーを含む。前記プラストマーはエチレン誘導単位及びC乃至C10α―オレフィン誘導単位のコポリマーである。この態様において、ロジン、硬化剤、及び促進剤等の他のマイナー成分も、それぞれ0.1乃至5phr存在する。及び更なる態様において、空気バリアに好適な組成物はC乃至Cイソオレフィン誘導単位を含むエラストマー、プラストマー、及びポリブテンプロセスオイルを含む。前記プラストマーはエチレン誘導単位及びC乃至C10α−オレフィン誘導単位のコポリマーであり、0.195g/cm未満の密度を有する。この態様においてこの態様において、ロジン、硬化剤、及び促進剤等の他のマイナー成分も、それぞれ0.1乃至5phr存在する。
以下に実施例は、本発明の態様を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
試験方法
硬化性は、表示温度及び3弧度(degree arc)においてODR2000を用いて測定した。試験試料は、T90+適切な成形ラグ(mold lag)に対応する時間の間、表示温度(典型的には、150℃乃至160℃)において硬化させた。可能である場合には、標準ASTM試験を用いて、硬化化合物の物理的性質を評価した。応力/歪関係(引張り強度、破断点伸び、モジュラス値、破断エネルギー)は、インストロン4202を用いて、室温で測定した。ショアーA硬度は、Zwick Duromaticを用いて、室温で測定した。100%モジュラスの測定における誤差(2σ)は、±0.11MPa単位であり、伸びの測定における誤差(2σ)は、±13%単位である。
本明細書において用いられる「MH」及び「ML」という値は、それぞれ「最大トルク」及び「最小トルク」について適用される。「MS」値はムーニースコーチ値であり、「ML(1+4)」値はムーニー粘度値である。後者の測定における誤差(2σ)は、c0.65ムーニー粘度単位である。「Tc」の値は硬化時間(分)であり、「Ts」はスコーチ時間である。
PARAPOLTMポリブテンプロセスオイルの分子量をゲル透過クロマトグラフィーにより測定した。得られた数平均分子量(Mn)の誤差は±20%である。分子量(Mn及びMw)及び分子量分布(MWD)を測定するための技術は、Cozewithらの米国特許4,540,753号及びそこで引用されている文献において、及び、Verstrateらの21MACROMOLECULES、3360頁、1988年において、概ね開示されている。典型的な測定では、3のカラムセットが30℃で操作される。用いられる溶離液は、安定化テトラヒドロフラン(THF)、又は1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)であることができる。カラムは、正確な分子量が既知のポリスチレン標準を用いて校正される。当該標準から得られるポリスチレンの保持容量の試験ポリマーの保持容量に対する相関により、ポリマーの分子量が得られる。PARAPOLTMポリブテンプロセスオイルの粘度は、ASTM D445−97により評価した。
引張り測定は、インストロンシリーズIXの自動化材料試験システム6.03.08を用い、外界温度において行った。0.08インチ(0.20cm)の幅の微小引張試験片(ドッグボーン型)、及び0.2インチ(0.5cm)の(2つのタブの間の)長さを用いた。試料の厚さを変化させ、システムコンピューターに接続したMitutoyo Digimatic Indicatorにより手動で測定した。試料は、20インチ/分(51cm/分)のクロスヘッド速度で引張り、応力/歪データを記録した。少なくとも3の試料を平均した応力/歪の値を報告する。引張り測定における誤差(2σ)は、±0.47MPa単位である。
酸素透過性はR.A. Pasternak in 8 JOURNAL OF POLYMER SCIENCE: PART A−2 467 (1970)に記載の薄フィルムを通過する酸素の動的測定の原則に基づき操作するMOCON OxTran Model 2/61を用いて測定した。測定の単位は、cc−mil/m2− day−mmHgである。一般的な方法を以下に示す。フラットフィルム又はゴムサンプルを無酸素キャリアガスを用いて残余酸素をパージした核酸セル内へ固定する。センサーが安定した0値を確立するまで、キャリアガスを送る。酸素又は空気を拡散セルのチャンバーの外側へ導入する。フィルムを通じて内側へ拡散している酸素を酸素拡散速度を測定するセンサーへ伝送する。
通気性は以下の方法により試験した。試料配合物からの薄い、加硫された試験試料を拡散セルに取り付け、油浴中で65℃に調整した。空気が所定の試料を通過するのに要する時間を記録し、その通気性を評価した。試験試料は、直径12.7cm及び厚さ0.38mmの円形プレートであった。通気性の測定における誤差(2σ)は、±0.245(x10)単位である。その他の試験方法は、表4に記載する。
実施例1
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られたブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適している。以下の例示された組成物及び表を参照することにより本発明をよりよく理解することができるが、本発明をこれらに限定することを意図していない。用いられる成分及びその市販元の概要を表に示す。実施例において提案された組成物は表6に、百分率で示す。近年の商用方法により作られたブチルゴムに対するこれらの予測される試験性質を表7にまとめた(これらの予測される試験性質は表16および18に示されるように実証された)。市販のブチルゴムを用いた化合物に対する結果は100で示し、改良された点は増加分の値で示される。
実施例組成物は従来技術により混合される。成分及びそれらの相対的な量を表6に示す。より詳しくは、成分の第一パスは、温度を約66℃に設定し、40psiRAM圧力におけるバンバリーTMサイズBRミキサーにおいて80rpmで混合される。エラストマーを0時間に添加する。カーボンブラック及びレジンを混合の30秒で添加し、オイル及び残りの成分をゴム混合物の温度が約110℃に達したときに添加する。混合を更に1分間行い、前記混合物をすくい出し、135℃で中身を放出する。前記混合物の第一工程のマスターバッチへ硬化剤を添加することにより粉砕機上でサンプルの仕上げを行う。
表7に示す予測されるデータは、本発明により作られたブチルゴムの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、好ましい硬化性、物理的性質及び老化物理性質の他に、等しいか又は改善された空気バリア性質を有することが予測された(表7に示す予測されるデータは表16および18に示されるように実証された)。表7のデータは、ポリブテンプロセスオイルの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、好ましい老化物理性質の他に、空気バリア性質を改善することも示している。
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実施例2
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られた臭化ブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適している。
実施例組成物は従来技術により混合される。成分及びそれらの相対的な量を表8に示す。より詳しくは、成分の第一パスは、温度を約66℃に設定し、40psiRAM圧力におけるバンバリーTMサイズBRミキサーにおいて80rpmで混合される。エラストマーを0時間に添加する。カーボンブラック及びレジンを混合の30秒で添加し、オイル及び残りの成分をゴム混合物の温度が約110℃に達したときに添加する。混合を更に1分間行い、前記混合物をすくい出し、135℃で中身を放出する。前記混合物の第一工程のマスターバッチへ硬化剤を添加することにより、第二混合工程の間に、60rpm及び40psiRAM圧力において、最大冷却を30℃に設定してあるバンバリーTMサイズBRミキサーにおいてサンプルの仕上げを行う。
表9のデータは、本発明により作られた臭化ブチルゴムの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、従来の臭化ブチルゴムと比較して、好ましい硬化性、物理的性質及び老化物理性質の他に、等しいか又は改善された空気バリア性質を提供することを示している。表9のデータは、ポリブテンプロセスオイルの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、好ましい老化物理性質の他に、臭化ブチルゴムの空気バリア性質を改善することも示している。表9のデータは、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値よりプラストマーの使用も、好ましい加工性を維持しつつ、本発明に従って作られた臭化ブチルゴムの空気バリア性質を改善することも示している。
ポリブテンプロセスオイル及び/又はプラストマーが本発明の組成物と共に存在する場合、前記組成物の空気保持値が改善されることを示す。
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実施例3
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られた臭化ブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適している。
実施例組成物は従来技術により混合される。成分及びそれらの相対的な量を表10に示す。より詳しくは、成分の第一通過は、温度を約66℃に設定し、40psiRAM圧力におけるバンバリーTMサイズBRミキサーにおいて80rpmで混合される。エラストマーを0時間に添加する。カーボンブラック及びレジンを混合の30秒で添加し、オイル及び残りの成分をゴム混合物の温度が約110℃に達したときに添加する。混合を更に1分間行い、前記混合物をすくい出し、135℃で中身を放出する。前記混合物の第一工程のマスターバッチへ硬化剤を添加することにより、第二混合工程の間に、60rpm及び40psiRAM圧力において、最大冷却を30℃に設定してあるKruppインターナルミキサーにおいてサンプルの仕上げを行う。
表11のデータは、本発明により作られた臭化ブチルゴムの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、従来の臭化ブチルゴムと比較して、好ましい硬化性、物理的性質及び老化物理性質の他に、等しいか又は改善された空気バリア性質を提供することを示している。表11のデータは、ポリブテンプロセスオイルの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、好ましい老化物理性質の他に、臭化ブチルゴムの空気バリア性質を改善することも示している。表11のデータは、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値よりナノクレイの使用も、好ましい加工性を維持しつつ、本発明に従って作られた臭化ブチルゴムの空気バリア性質を改善することも示している。
ポリブテンプロセスオイル及び/又はナノクレイが本発明の組成物と共に存在する場合、前記組成物の空気保持値が改善されることを示す。
Figure 0005017102
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実施例4
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られた臭化イソブチレン−co−パラ−メチルスチレンゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適している。
実施例組成物は従来技術により混合される。成分及びそれらの相対的な量を表12に示す。より詳しくは、成分の第一通過は、温度を約66℃に設定し、40psiRAM圧力におけるKruppインターナルミキサーにおいて80rpmで混合される。エラストマーを0時間に添加する。カーボンブラック及びレジンを混合の30秒で添加し、オイル及び残りの成分をゴム混合物の温度が約110℃に達したときに添加する。混合を更に1分間行い、前記混合物をすくい出し、135℃で中身を放出する。前記混合物の第一工程のマスターバッチへ硬化剤を添加することにより、第二混合工程の間に、60rpm及び40psiRAM圧力において、最大冷却を30℃に設定してあるKruppインターナルミキサーにおいてサンプルの仕上げを行う。
表13のデータは、本発明により作られた臭化イソブチレン−co−パラ−メチルスチレンゴムの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、従来の臭化イソブチレン−co−パラ−メチルスチレンゴムと比較して、好ましい硬化性、物理的性質及び老化物理性質の他に、等しいか又は改善された空気バリア性質を提供することを示している。表13のデータは、ポリブテンプロセスオイルの使用が、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値より好ましい加工性を維持しつつ、好ましい老化物理性質の他に、臭化ブチルゴムの空気バリア性質を改善することも示している。表13のデータは、ムーニー粘度及びスコーチ値においての値よりナノクレイの使用も、好ましい加工性を維持しつつ、本発明に従って作られた臭化ブチルゴムの空気バリア性質を改善することも示している。
ポリブテンプロセスオイル及び/又はナノクレイが本発明の組成物と共に存在する場合、前記組成物の空気保持値が改善されることを示す。
Figure 0005017102
Figure 0005017102
実施例5
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られたブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適しており、エクソンモービル ケミカル カンパニー(ヒューストン、テキサス)から入手可能である。以下の実施例及び表を参照することにより本明細書をよりよく理解することができるが、本発明をこれらに限定することは意図しない。
商用プロセスを用いて対照ブチルポリマーのほかに、本発明のブチルポリマーの特徴を表14にまとめた。R−134a中で作られたブチルポリマー(Butyl−HFC、実施例)は、MeCl中で作られた市販のButyl268参照ポリマー(比較例)よりも、わずかに分子重量が高く、わずかにイソプロピレン含量が低く、エクソンケミカルカンパニーより市販されている市販Butly268の製造仕様の範囲内であった。R−134から作られた前記ブチルポリマーは長鎖分岐がほとんど存在しないのに対して、MeCl又は炭化水素溶媒中で作られた従来のブチルポリマーは、CGP−3D解析の測定によると、すべて長鎖分岐を有していた。
Figure 0005017102
ブチルポリマーインナーチューブの例は従来技術により混合する。それらの成分と含量を表15に示す。特に、成分の第一パスは、85%の充填により、バンバリーTMサイズBRミキサー(1.5リットル)において、77rpmで混合される。エラストマーは、約60℃の開始温度において、0時間で添加される。カーボンブラックの2/3及び酸化亜鉛を混合の30秒後に添加し、カーボンブラックの1/3、パラフィンオイル(FLxonTMエクソンケミカルカンパニー)及びステアリン酸を混合工程の90秒後に添加する。更に、90秒混合した後、前記混合物を反応槽よりすくいだした。前記混合物は約145℃乃至150℃の温度で約300秒のときに放出された。75%の充填で、バンバリーTMサイズBRミキサーにおいて55rpmで第二パス成分を混合した。第一パスマスターバッチ混合物及び全ての残りの硬化組成物(硫酸、TMTD、及びMBTS)は、50℃の開始温度の0時間で添加された。混合の60秒後、前記混合物をすくいだした。前記混合物は、105乃至110℃の温度の120秒のときに放出した。サンプルは更に、分だし(シーティングアウト)の前に、ミル混合物の6クロスカット及び6ロールを用いて、2−ロールミル上で処理した。
硬化性質は180℃において3.0度arcを用いたODR2000を用いることにより測定した。サンプルを180℃で硬化し、Tc90+適切なモールドラグに対応する時間硬化を行った。
Figure 0005017102
表16において示した硬化性質及び物理的性質は、本発明のR−134a希釈剤(実施例1−4)中で作られたブチルゴムの使用が、MeClにおいて作られた対照ブチルポリマーと等しい硬化及び物理性質を有する一方で、ムーニー温度及び硬化Ts2スコーチ値にからわかるように、好ましい加工性質を維持していることを示している。
Figure 0005017102
実施例6
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られたブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適しており、エクソンモービル ケミカル カンパニー(ヒューストン、テキサス)から入手可能である。
ブチルポリマーインナーチューブの例は従来技術により混合する。それらの成分と含量を表15に示す。特に、成分の第一パスは、80%の充填で、バンバリーTMサイズBRミキサー(1.5リットル)において、77rpmで混合される。エラストマー(ネオプレンW、DunPont de Nemours)は、約65℃の開始温度において、0時間で添加される。カーボンブラックの2/3を混合の30秒後において添加し、カーボンブラック1/3、カストロールオイル及びSP−1045レジン(Schenectady Int.)を混合工程の90秒において添加する。更に、90秒混合した後、前記混合物を反応槽よりすくいだした。前記混合物は約174℃乃至180℃の温度で約450乃至510秒において放出された。第二パス成分は、70%の充填で、バンバリーTMサイズBRミキサーにおいて40rpmで混合された。第一パスマスターバッチ混合物及び全ての残りの硬化成分(硫黄、TMTD、及びMBTS)は、45乃至50℃の開始温度の0時間で添加された。混合の60秒後、前記混合物を反応槽よりすくいだした。前記混合物は、109乃至114℃の温度の120秒のときに放出されたた。サンプルは更に、分だし(シーティングアウト)の前に、2−ロールミル上で、ミル混合物の6クロスカット及び6ロールを用いることにより処理された。
硬化性質は180℃において3.0度arcを用いたODR2000を用いることにより測定した。サンプルを180℃で硬化し、Tc90+適切なモールドラグに対応する時間、硬化させた。
Figure 0005017102
表18において示した硬化性質及び物理的性質は、本発明のR−134a希釈剤(実施例5−8)中で作られたブチルゴムの使用は、MeClにおいて作られた対照ブチルポリマー(比較例4−6)と等しい硬化及び物理性質を有する一方で、ムーニー温度及び硬化Ts2スコーチ値にからわかるように好ましい加工性質を維持していることを示している。
Figure 0005017102
実施例7
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られた臭化ブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適しており、エクソンモービル ケミカル カンパニー (ヒューストン、テキサス)から入手可能である。
ブチル−MeCl及びブチル−HFCポリマーの臭素化(表14)は、シクロヘキサン中の5重量%ブチルポリマー溶液を用いて丸底フラスコ中で行った。フリーラジカル臭素化を最小化するために、反応槽は完全に光を遮断し、少量(ポリマー充填量を基準にして約200ppm)のBHTフリーラジカル抑制剤をポリマー溶液に添加した。シクロヘキサン中10重量%の臭素溶液を調製し、反応槽につけられたメモリ付漏斗に移した。好適な量の臭素溶液を、その後激しく攪拌しながらポリマー溶液に添加した。臭素化反応は臭素の添加が終了した後、2−5分過剰量の苛性アルカリを用いて停止させた。中性化されたポリマー溶液中の過剰量の苛性アルカリはその後、新鮮な水を用いて分離した漏斗中で何回か洗浄された。臭素化されたブチルポリマーはメタノール中の溶媒沈殿により分離され、適切な温度で、真空乾燥により一晩乾燥させた。
実施例のブロモブチルゴムインナーライナー組成物は従来技術により混合した。それらの成分と含量を表19に示す。特に、成分の第一パスは、ブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー(0.05リットル)において、60rpmで、温度を約140℃に設定して混合される。エラストマー及びStruktol40MSレジンは、0時間で添加した。カーボンブラックの3/4を混合の30秒後において添加した。更に、60秒混合した後、前記混合物をこすり落とし、残りのカーボンブラック、オイル及びSP−1068レジンを添加した。更に60秒攪拌した後、前記混合物を再びすくいだし、前記混合物は約145℃乃至155℃の温度で240秒において放出された。サンプルは約40℃に設定され、40rpmにおけるブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー第二パスにおいて仕上げられる。第一パスマスターバッチ混合物及び全ての残りの硬化成分を、0時間で添加した。更に混合の60秒後、前記混合物をすくいだした。前記混合物は、110℃の温度の最大温度において150秒のときに放出された。サンプルは更に、分だし(シーティングアウト)の前に、2−ロールミル上で、ミル混合物の6クロスカット及び6ロールを用いることにより処理された。
Figure 0005017102
表20に示すデータは、本発明により作られたブロモブチルゴムの使用(実施例9)は、従来市販されているブロモブチル2255(比較例7)又はMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴム(比較例8)と比較して改善された空気バリア性質を提供することを示している。実施例9の硬化及び物理的性質はMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴムと同程度であった。
Figure 0005017102
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られた臭化ブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適しており、エクソンモービル ケミカル カンパニー (ヒューストン、テキサス)から入手可能である。
実施例のナノクレイを含むブロモブチルゴムインナーライナー組成物は従来技術により混合した。それらの成分と含量を表21に示す。特に、成分の第一パスは、ブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー(0.05リットル)において、60rpmで、温度を約140℃に設定して混合される。エラストマー及びStruktol40MSレジンを0時間で添加した。カーボンブラックの3/4を混合の30秒後に添加した。更に、60秒混合した後、前記混合物をすくいだし、残りのカーボンブラック、オイル及びSP−1068レジンを添加した。更に60秒攪拌した後、前記混合物を再びすくいだし、前記混合物は約145℃乃至155℃の温度で240秒において放出した。サンプルは約40℃に設定され、40rpmにおけるブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー第二パスにおいて仕上げられる。第一パスマスターバッチ混合物及び全ての残りの硬化成分を0時間で添加された。更に混合の60秒後、前記混合物をすくいだした。前記混合物は、110℃の温度の最大温度において150秒のときに放出した。サンプルは更に、分だし(シーティングアウト)の前に、2−ロールミル上で、ミル混合物の6クロスカット及び6ロールを用いることにより処理された。
Figure 0005017102
表22に示すデータは、本発明により作られたナノクレイを含むブロモブチルゴムの使用(実施例10)は、好ましい物理的性質を維持しつつ、ナノクレイを含む従来市販されているブロモブチル2255(エクソンケミカルカンパニー、ムーニーネンド41−51)(比較例9)又はナノクレイを含むMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴム(比較例10)と比較して等しいか又は改善された空気バリア性質を提供することを示している。実施例10の硬化及び物理的性質はMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴム(比較例10)と同程度であった。
Figure 0005017102
実施例9
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られた臭化ブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適しており、エクソンモービル ケミカル カンパニー (ヒューストン、テキサス)から入手可能である。
実施例のポリブテン加工助剤を含むブロモブチルゴム組成物は従来技術により混合した。それらの成分と含量を表23に示す。特に、成分の第一パスは、ブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー(0.05リットル)において、60rpmで、温度を約140℃に設定して混合される。エラストマー及びStruktol40MSレジンは、0時間で添加した。カーボンブラックの3/4を混合の30秒後に添加した。更に、60秒混合した後、前記混合物をすくいだし、残りのカーボンブラック、オイル及びSP−1068レジンを添加した。更に60秒攪拌した後、前記混合物を再びすくいだし、前記混合物を約145℃乃至155℃の温度で240秒において放出した。サンプルは約40℃に設定され、40rpmにおけるブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー第二パスにおいて仕上げられる。第一パスマスターバッチ混合物及び全ての残りの硬化成分は、0時間で添加された。更に混合の60秒後、前記混合物をすくいだした。前記混合物は、110℃の温度の最大温度において150秒のときに放出した。サンプルは更に、分だし(シーティングアウト)の前に、2−ロールミル上で、ミル混合物の6クロスカット及び6ロールを用いることにより処理された。
Figure 0005017102
表24に示すデータは、本発明により作られたブロモブチルゴムはポリブテン加工助剤とともに使用したときに(実施例11)は、好ましい物理的性質を維持しつつ、ポリブテン加工助剤を使用した従来市販されているブロモブチル2255(エクソンケミカルカンパニー、ムーニーネンド41−51)(比較例11)又はポリブテン加工助剤を使用してMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴム(比較例12)と比較して等しいか又は改善された空気バリア性質を提供することを示している。オイルの代わりにポリブテン加工助剤を使用すると空気バリア性質を改善した。比較例11及び12に対して実施例11並びに比較例7及び8に対して実施例9をそれぞれ参照のこと。加えて、実施例11の硬化及び物理的性質はMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴムと同程度であった。
Figure 0005017102
実施例10
本発明はゴム組成物における本明細書で開示される新規な合成法に従って作られた臭化ブチルゴムの適用である。前記組成物は自転車、旅客自動車、トラック、バス、及び多の乗り物におけるインナーチューブとしての使用に適しており、エクソンモービル ケミカル カンパニー (ヒューストン、テキサス)から入手可能である。
実施例のポリブテン加工助剤及びナノクレイを含むブロモブチルゴム組成物は従来技術により混合した。それらの成分と含量を表25に示す。特に、成分の第一パスは、ブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー(0.05リットル)において、60rpmで、温度を約140℃に設定して混合される。エラストマー及びStruktol40MSレジンは、0時間で添加した。カーボンブラックの3/4を混合の30秒後において添加した。更に、60秒混合した後、前記混合物をすくいだし、残りのカーボンブラック、オイル及びSP−1068レジンを添加した。更に60秒攪拌した後、前記混合物を再びすくいだし、前記混合物を約145℃乃至155℃の温度で240秒において放出した。サンプルは約40℃に設定され、40rpmにおけるブラベンダーTMPRASTI−CORDERミキサー第二パスにおいて仕上げられる。第一パスマスターバッチ混合物及び全ての残りの硬化成分は、0時間で添加された。更に混合の60秒後、前記混合物をすくいだした。前記混合物は、110℃の温度の最大温度において150秒のときに放出した。サンプルは更に、分だし(シーティングアウト)の前に、2−ロールミル上で、ミル混合物の6クロスカット及び6ロールを用いることにより処理された。
Figure 0005017102
表26に示すデータは、本発明により作られたブロモブチルゴムはポリブテン加工助剤及びナノクレイとともに使用したときに(実施例12)は、好ましい物理的性質を維持しつつ、従来市販されているブロモブチル2255(エクソンケミカルカンパニー、ムーニーネンド41−51)(比較例13)又はMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴム(比較例14)と比較して等しいか又は改善された空気バリア性質を提供することを示している。実施例12の硬化及び物理的性質はMeCl希釈剤を用いて作られたブロモブチルゴム(比較例14)と同程度であった。
Figure 0005017102
特定の実施態様を参照することにより本発明を記載及び説明してきたが、当該技術分野における当業者には、本発明が本明細書に説明されていない多くの異なるバリエーションに適することが明らかであろう。従って、これらの理由により、当該添付される請求項は、本発明の正確な範囲を定める目的のみにおいて参照されるべきである。
全ての先行文献は、そのような取り込みが許容される全ての法域において、引用により本明細書中に完全に取り込まれる。さらに、本明細書中に引用されている、試験方法を含む全ての文献は、そのような取り込みが許容される全ての法域において、引用により本明細書中に完全に取り込まれる。

Claims (21)

  1. イソブチレン、マルチオレフィン、1以上のルイス酸(三フッ化ホウ素を除く)、1以上の開始剤及び1以上のハイドロフルオロカーボンを含む希釈剤を接触させる工程を含む方法により製造されたコポリマーであって、三重検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定して、0.978以上のg’vis.avg.を有するコポリマーを含む硬化エラストマー組成物。
  2. 前記マルチオレフィンが共役ジエンであることを特徴とする、請求項1に記載の硬化エラストマー組成物。
  3. マルチオレフィン含量が前記コポリマー中のイソブチレン及びマルチオレフィンの総モル数に基づいて0.5モル%より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化エラストマー組成物。
  4. 前記コポリマーが2より大きい分子量分布を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の硬化エラストマー組成物。
  5. 前記マルチオレフィンがメチルスチレンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化エラストマー組成物。
  6. 前記メチルスチレン含量が前記コポリマー中のイソブチレン及びメチルスチレンの総モル数をもとにして0.5モル%より大きいことを特徴とする請求項5に記載の硬化エラストマー組成物。
  7. 前記コポリマーがハロゲン化コポリマーを形成するためにハロゲン化されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の硬化エラストマー組成物。
  8. 前記ハロゲン化コポリマーが塩素又は臭素によりハロゲン化されることを特徴とする請求項7に記載の硬化エラストマー組成物。
  9. ハロゲン含量が前記ハロゲン化されたコポリマーに重量に基づいて0.5重量%より大きいことを特徴とする請求項7又は8に記載の硬化エラストマー組成物。
  10. 前記コポリマーが50,000より大きい重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物。
  11. 前記コポリマーが少なくとも20±5(125℃においてML1+8、ASTM D1646)のムーニー粘度を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物。
  12. 少なくとも1の天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(スチレン−co−ブタジエン)ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリ(イソプレン−co−ブタジエン)ゴム(IBR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリスチレン、イソブチレン/メチルシクロペンタジエンコポリマーゴム、イソブチレン/メチルシクロペンタジエンコポリマーゴム、二トリルゴム、プロピレンオキサイドポリマー、星状分岐ブチルゴム及びハロゲン化星状分岐ブチルゴム、臭素化ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、星状分岐ポリイソブチレンゴム、星状分岐臭素化ブチル(ポリイソブチレン/イソプレンコポリマー)ゴム、ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)及びハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−p−メチルスチレン)、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−p−メチルスチレン)、ポリ((イソブチレン−co−イソプレン−co−スチレン)、ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−スチレン)、ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−α−メチルスチレン)ハロゲン化ポリ(イソブチレン−co−イソプレン−co−α−メチルスチレン)又はこれらの混合物を含む、ブレンドを更に含む、請求項1乃至11のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物。
  13. 前記硬化エラストマー組成物が充填剤を含み、前記充填剤がカーボンブラック、修飾カーボンブラック、シリケート、カーボネート、クレイ、剥離クレイ、有機分子で処理したクレイ、又はこれらの混合物を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物。
  14. 前記硬化エラストマー組成物が加工助剤を含むことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物。
  15. 前記加工助剤がミネラルオイル、ポリブテン加工助剤、プラストマー、パラフィンオイル、及びこれらの混合物からなる群より選択され、前記プラストマーがエチレン誘導単位及び前記プラストマーの重量に基づいて10wt%乃至30wt%のC乃至C10α−オレフィン誘導単位を含むことを特徴とする請求項14に記載の硬化エラストマー組成物。
  16. 前記プラストマーが0.1乃至10dg/分のメルトインデックスを有することを特徴とする請求項15に記載の硬化エラストマー組成物。
  17. 前記プラストマーが前記硬化エラストマー組成物中に2乃至20phrの幅で存在することを特徴とする請求項15に記載の硬化エラストマー組成物。
  18. 前記硬化エラストマー組成物が、硫黄、硫黄ベース化合物、金属酸化物、金属酸化物複合体、脂肪酸、ペルオキサイド、ジアミン、又はこれらの混合物から選択される硬化剤で未硬化エラストマー組成物を硬化することにより得られたものであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物。
  19. 空気膜において請求項1乃至18のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物を使用する方法。
  20. 請求項1乃至19のいずれか1請求項に記載の硬化エラストマー組成物を含む製品。
  21. 前記製品が空気膜である請求項20に記載の製品。
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