JP5016271B2 - 伸縮機構のロック装置 - Google Patents
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Description
この種のロック装置では、ストッパ部材をラックから離脱させたときに、ストッパ部材を引き出すためのハンドルが操作者へ向けた手前側へ移動することになる。そこで、このときの移動でハンドルが伸縮部材の側面から甚だしく突出することがないように、このハンドルのまわりをハウジングケースで取り囲むようにし、このハウジングケースごと、ロック装置全体を伸縮部材に埋め込むような構造にすることがあった(上記特許文献1中にて「ストッパ取付具12」として記載されているもの)。
またハウジングケースがダイキャスト製であったことからロック装置として大型化、重量化の傾向があり、また高コスト化にも繋がっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、伸縮足場などに設けられている伸縮機構に対して好適に採用可能なロック装置において、操作が容易であると共に、小型化、構造簡潔化、低コスト化等が図れるようにした伸縮機構のロック装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る伸縮機構のロック装置は、相対的に伸縮自在に組み合わされた一対の伸縮部材を有する伸縮機構に対して両伸縮部材を所定の伸縮位置で固定又は固定解除すべく設けるものであって、一方の伸縮部材に対して圧接と離反とを行うストッパ部材と、他方の伸縮部材に取り付けられた状態で上記ストッパ部材を圧接ポジションと離反ポジションとの間で移動自在に保持するブラケット部材と、このブラケット部材に保持されたストッパ部材を離反ポジションから圧接ポジションへ向く方向に付勢するバネと、前記ストッパ部材の前記移動方向に前記ストッパ部材と一体的に移動可能で、しかも、この移動方向に平行な軸線回りで前記ストッパ部材に対して回転可能に連結され、かつ、前記ブラケット部材に前記軸線回りで回動操作可能に組み付けられた操作部材とを有し、前記ブラケット部材と前記操作部材とには、前記操作部材を回動操作することによって、前記ストッパ部材を前記圧接ポジションと前記離反ポジションとに切り替え保持させるためのカム座とカム作用面とが形成してある。
また前記ストッパ部材と操作部材とはブラケット部材のストッパケースに対してケース口部内を通る領域で回転自在に連結されており、このうち操作部材のストッパ部材への連結部分には、所定角度の回動後と回動前とで上記ケース口部に対する嵌合と非嵌合とを切替可能とする落ち込み用段部が設けられていると共に、この落ち込み用段部の側縁にケース口部のカム座と当接するカム作用面が形成されている。
そのため、操作部材を回動操作すると、この操作部材の落ち込み用段部がブラケット部材のケース口部に嵌合して落ち込んだり、非嵌合によって乗り上げたりするようになる。このことが、ブラケット部材に対する操作部材の出入り動作となるわけで、この操作部材の出入り動作に伴い、操作部材に連結されているストッパ部材がブラケット部材に設けられたケース底部のストッパ通孔内を介して出退するようになるのである。
またブラケット部材は、ストッパケースと取付フランジ部とを有し、この取付フランジはストッパケースのケース口部から張出形成された簡潔構造になっているので、板金の折り曲げ加工等によって簡単に製作することができる。そのため、ロック装置全体として、小型化、構造簡潔化、低コスト化等が図れることになる。
このような構造を採用することでブラケット部材に対する操作部材及びストッパ部材の組み込みと、ブラケット部材へ組み込んだストッパ部材に対するバネの組み込みとが簡単且つ正確に行えるものとなる。従ってこの点もロック装置としての製作上の低コスト化に繋がり好適となる。
このようにすることで、ブラケット部材をプレス成形でき、徹底した低コスト化が図れるものとなる。
図1乃至図15は、本発明に係る伸縮機構用ロック装置1の一実施形態を示している。このロック装置1は、図16及び図17に例示する伸縮足場2などのように、相対的に伸縮自在に組み合わされた一対の伸縮部材(足場板本体)3,4を有する伸縮機構5に対して採用される。
両伸縮部材3,4は互いの伸縮時にすれ違い状に対向する面を有しており、これら対向面間において一方の伸縮部材3から他方の伸縮部材4へ向く状態でロック装置1を取り付けるようにする。すなわち、このロック装置1により、対向相手側となる伸縮部材4への圧接状態を生じさせたときに両伸縮部材3,4を所定の伸縮位置で固定し、また対向相手側となる伸縮部材4への圧接状態を解除させることによって両伸縮部材3,4の固定を解除して伸縮自在にさせるのである。
図1及び図2(A)、図2(B)はロック装置1の分解状態を示したものであり、図2(C)及び図3乃至図6はロック装置1の組立状態を示したものである。これらの図から明らかなように、このロック装置1は、ストッパ部材10とブラケット部材11とバネ12と操作部材13とを有している。
ストッパ部材10(図7及び図8を併せて参照)は縦長の直方体状に形成されたものであって、その長手方向一端部に操作部材13との連結部16が設けられ、他端部に圧接相手となる伸縮部材4へ向けた圧接側端部17が設けられている。連結部16は、逆T字状の開口のまま直方体形状を通り抜ける溝16aによって形成されている。また上記したように伸縮部材4にラック6が設けられている点に対応するため、この圧接側端部17にはラック6のラック歯に噛合するための歯17aが設けられている。
ブラケット部材11(図9乃至図11を併せて参照)はストッパケース24と取付フランジ部25とを有している。ストッパケース24に対し、その一端部から外側方へ張り出す状態で取付フランジ部25が設けられており、この取付フランジ部25には通孔25aが設けられている。
なお、本実施形態では取付フランジ部25がストッパケース24を中央に挟んだ両外側で対を成して設けられ、ブラケット部材11の全体が断面ハット形を呈するようにしてある。またこのブラケット部材11は、金属製の薄い板素材(鋼板、鉄板、ステンレス板、黄銅板、アルミ板等)をプレス成形したものとしてあり、板素材の中央部をコ字状に折曲することによってストッパケース24を形成し、また板素材の両端部をそれぞれ外フランジ状に折曲することによって一対の取付フランジ部25を形成してある。
ケース側面24aには、ストッパ通孔26と連通させた状態(即ち、ケース底24bへ向けて解放させる状態)で切欠27が形成されている。この切欠27は、ブラケット部材11(ストッパケース24)内へストッパ部材10を収納させたうえで、このストッパ部材10へバネ12を装着するときの利便性(装着しやすさ)を考慮して設けられたものである。
このバネ受け部材30は、ストッパ部材10に対してバネ12が装填されたときに、このバネ12の一端部を受けるためのもので、ストッパ部材10のバネ収容部20を通り抜けるようになっている。
操作部材13(図12乃至図15を併せて参照)はストッパ部材10に対する連結部40と、ツマミ部41とを有している。またこの操作部材13は、これら連結部40とツマミ部41との間に設けられた落ち込み用段部42を有している。
なお、これらストッパ部材10と操作部材13との連結部分は、ブラケット部材11のストッパケース24への組み付け時には、丁度そのケース口部24c内を通る領域となる。
落ち込み用段部42は、ブラケット部材11のストッパケース24に対し、そのケース口部24cに嵌合可能な大きさに形成されたものである。但し、連結部40における丸軸首43等の中心軸に対して回転対称形など(円形や正方形等)ではなく、操作部材13が回動操作されるとケース口部24cとは非嵌合になるような形状(本実施形態では長方形)として段部形成されている。
なお、このカム作用面42aは、操作部材13の回動操作を90°の範囲で往復させるように設定される場合であれば、落ち込み用段部42の両側の側縁に設けるものとする。
操作部材13はストッパ部材10との間で互いの連結部16,40を介して連結状態にあり、またストッパ部材10はバネ収容部20内でバネ受け部材30との間に付勢力(弾性圧縮力)を発生させたバネ12により、ブラケット部材11に引きつけられた状態を維持しようとしているので、結果として操作部材13は、落ち込み用段部42の段部高さ分(ケース口部24cに落ち込む量)に相当して落ち込みポジションとせり出しポジションとに切り替えられることになる。
また、この状態から操作部材13を回動操作して操作部材13の落ち込み用段部42がブラケット部材11のケース口部24cと非嵌合になる状態が、操作部材13のせり出しポジションであり、このときストッパ部材10は、ブラケット部材11のケース底部24bに設けられたストッパ通孔26から圧接側端部17を引き戻させる状態となる。この状態がストッパ部材10による離反ポジションである。
ブラケット部材11に対する操作部材13及びストッパ部材10の組み込みと、ブラケット部材11へ組み込んだストッパ部材10に対するバネ12の組み込みとが簡単且つ正確に行えるので、この点でもロック装置1としての製作上の低コスト化が図られる。
例えば、各部材の材質や細部形状、構造などは、本発明の本質を変えない範囲で従来公知の適宜材質、形状、構造に変更可能である。
3 伸縮部材
4 伸縮部材
5 伸縮機構
10 ストッパ部材
11 ブラケット部材
12 バネ
13 操作部材
20 バネ収容部
24 ストッパケース
24b ケース底部
24c ケース口部
25 取付フランジ部
26 ストッパ通孔
27 切欠
30 バネ受け部材
35 カム座
42 落ち込み用段部
42a カム作用面
Claims (4)
- 相対的に伸縮自在に組み合わされた一対の伸縮部材(3,4)を有する伸縮機構(5)に対して両伸縮部材(3,4)を所定の伸縮位置で固定又は固定解除すべく設けるロック機構において、
一方の伸縮部材(4)に対して圧接と離反とを行うストッパ部材(10)と、
他方の伸縮部材(3)に取り付けられた状態で前記ストッパ部材(10)を圧接ポジションと離反ポジションとの間で移動自在に保持するブラケット部材(11)と、
このブラケット部材(11)に保持されたストッパ部材(10)を離反ポジションから圧接ポジションへ向く方向に付勢するバネ(12)と、
前記ストッパ部材(10)の前記移動方向に前記ストッパ部材(10)と一体的に移動可能で、しかも、この移動方向に平行な軸線回りで前記ストッパ部材(10)に対して回転可能に連結され、かつ、前記ブラケット部材(11)に前記軸線回りで回動操作可能に組み付けられた操作部材(13)とを有し、
前記ブラケット部材(11)と前記操作部材(13)とには、前記操作部材(13)を回動操作することによって、前記ストッパ部材(10)を前記圧接ポジションと前記離反ポジションとに切り替え保持させるためのカム座(35)とカム作用面(42a)とが形成してあることを特徴とする伸縮機構のロック装置。 - 前記ブラケット部材(11)は、ストッパ部材(10)をガタツキのない嵌合状態に収納するストッパケース(24)と、このストッパケース(24)のケース口部(24c)から側方へ向けて張出形成された伸縮部材(3)への取付フランジ部(25)とを有し、且つストッパケース(24)のケース底部(24b)にはストッパ部材(10)の圧接側端部(17)を出退自在にさせるストッパ通孔(26)が形成されていると共に、ストッパケース(24)から取付フランジ部(25)が張り出す根本部には前記操作部材(13)を前記ストッパ部材(10)の圧接ポジションと離反ポジションとに切り替えるカム座(35)が形成されており、
また、前記ストッパ部材(10)と操作部材(13)とはブラケット部材(11)のストッパケース(24)に対してケース口部(24c)内を通る領域で回転自在に連結されており、このうち操作部材(13)におけるストッパ部材(10)向けの連結部分には、所定角度の回動後と回動前とで前記ケース口部(24c)に対する嵌合と非嵌合とを切替可能とする落ち込み用段部(42)が設けられていると共に、この落ち込み用段部(42)の側縁にケース口部(24c)の前記カム座(35)と当接するカム作用面(42a)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の伸縮機構のロック装置。 - 前記ストッパ部材(10)には側面を貫通する状態でバネ(12)を嵌め込むバネ収容部(20)が設けられ、
前記ブラケット部材(11)にはストッパ部材(10)の前記バネ収容部(20)を通り抜ける状態でバネ(12)の後端部を受けるバネ受け部材(30)が設けられていると共に、ケース側面(24a)にはバネ(12)を装着するための切欠(27)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮機構のロック装置。 - 前記ブラケット部材(11)は、板素材の中央部をコ字状に折曲し更に両端部をそれぞれ外フランジ状に折曲することによって全体が断面ハット形に形成されたものであって、上記コ字状の折曲部分でストッパケース(24)が形成され上記フランジ状折曲部分で一対の取付フランジ部(25)が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の伸縮機構のロック装置。
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