JP5015498B2 - センサ装置 - Google Patents
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Description
図3に示すように、磁気センサ1は、四つの磁気抵抗素子31,32,33,34をホイートストンブリッジ状に接続した回路を備えている。磁気センサ1は、被検出体であるステアリングシャフト等の回転に起因して生ずる磁界の変化(正確には、磁束の方向の変化)を第一の磁気抵抗素子31と第二の磁気抵抗素子32との間のノードN1と、第三の磁気抵抗素子33と第四の磁気抵抗素子34との間のノードN2との電位差E12の変化として検出する。この検出値に基づいて、被検出体の回転角度が求められる。このため、磁気センサ1は、磁気センサ1に対する磁界の方向がその方向変化の検出基準となる所定方向のとき、電位差E12が0Vに近いものほど磁気センサとして高性能であることが知られている。すなわち、第一の磁気抵抗素子31の電気抵抗値をR1、第二の磁気抵抗素子32の電気抵抗値をR2、第三の磁気抵抗素子33の電気抵抗値をR3、第四の磁気抵抗素子34の電気抵抗値をR4としたとき、「R1×R4=R2×R3」の関係式が成り立つことが好ましい。ここで、磁気センサ1は、電位差E12を0Vに近づけるために、すなわち前記関係式を成り立たせるために、四つの磁気抵抗素子31,32,33,34の各々は、電気抵抗値R1,R2,R3,R4が等しくなるように予め設定されたパターンで基板上に形成されている。そして、四つの磁気抵抗素子31,32,33,34の各々は、それらを保護するための保護膜により覆われている。
請求項1に記載の発明は、基板と、同基板上に設けられるセンサエレメントと、同センサエレメントを覆うように同基板上全体に設けられる保護膜とを備え、物理変化を同センサエレメント各々を通じて変換される電気信号の変化として検出するセンサ装置において、前記保護膜の一部に、上方に開口する開口部が設けられ、前記開口部の隅は、円弧形状又は面取りされた形状に形成され、前記開口部の隅が面取りされた形状の場合、面取りされた隅を構成する直線及び曲線の少なくとも一方を組み合わせた前記開口部の隅の内側の角度が鈍角となることをその要旨としている。
同構成によれば、開口部が保護膜を貫通するように形成されるため、保護膜の残留応力がセンサエレメントに与える影響を更に低減することができ、センサ装置における保護膜の残留応力に起因するセンサ装置の電気的特性の変化を更に抑制することができる。
前記開口部は、前記センサエレメントが露出しない態様で形成されることをその要旨としている。
同構成によれば、センサエレメントの周囲に開口部が形成されるため、保護膜の残留応力に起因するセンサ装置の電気的特性の変化を好適に抑制することができる。
図1は、磁気センサの要部平面図である。図2は、図1に示される磁気センサのA−A断面図である。図3は、磁気センサの電気回路図である。
(1)層間絶縁膜40及びパッシベーション膜60からなる保護膜の一部に開口部61,62,63,64を設けることによって、保護膜の残留応力が磁気抵抗素子31に与える影響を低減することができる。そのため、各磁気抵抗素子の電気抵抗値R1,R2,R3,R4の保護膜の残留応力に起因するセンサ装置の電気的特性の変化、ここでは抵抗変化を抑制することができる。また、開口部61,62,63,64の四隅は円弧状に形成されるため、直角や鋭角によって形成されるものと比較して応力集中が緩和される。
・図4に示されるように、磁気抵抗素子31の外形形状を四角形として扱ったとき、四角形を構成する四辺のうちの隣り合う二辺に沿って二つの平面視L字状の開口部65,66が独立して設けられ、この開口部65,66の隅は円弧状に形成される構成を採用してもよい。また、開口部は、なるべく連続して形成するのがよい。
・上記実施形態において、開口部を曲線を組み合わせた形状とし、互いに交わる二つの曲線のなす角度が鈍角となるような構成にしてもよい。
・図9に示されるように、層間絶縁膜40はエッチングが行われず、パッシベーション膜にのみエッチングが行われる構成を採用してもよい。或いは、三層以上の保護膜により磁気抵抗素子31が覆われている構成において、最上層から複数層に亘って保護膜の一部がエッチングにより除去されている構成を採用してもよい。また、全ての層を貫通するように保護膜の一部がエッチングにより除去されている構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、絶縁膜20を構成する材料は、二酸化珪素等の酸化膜であったが、窒化珪素等の窒化膜を採用してもよい。
・上記実施形態では、パッシベーション膜60を構成する材料は、窒化珪素等の窒化膜であったが、二酸化珪素等の酸化膜を採用してもよい。
・上記実施形態では、センサエレメントとして磁気抵抗素子を採用したが、磁気以外に光、熱、圧力等の物理変化を検出するフォトダイオード、サーミスタ、圧電素子等を採用してもよい。
Claims (8)
- 基板と、同基板上に設けられるセンサエレメントと、同センサエレメントを覆うように同基板上全体に設けられる保護膜とを備え、物理変化を同センサエレメント各々を通じて変換される電気信号の変化として検出するセンサ装置において、
前記保護膜の一部に、上方に開口する開口部が設けられ、
前記開口部の隅は、円弧形状又は面取りされた形状に形成され、
前記開口部の隅が面取りされた形状の場合、面取りされた隅を構成する直線及び曲線の少なくとも一方を組み合わせた前記開口部の隅の内側の角度が鈍角に形成される
ことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1に記載のセンサ装置において、
前記保護膜は複数層に形成され、前記開口部は、少なくとも最上層の一部に設けられる
ことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1又は2に記載のセンサ装置において、
前記開口部は、前記保護膜を貫通するように形成される
ことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記開口部は、前記センサエレメントが露出しない態様で形成される
ことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記開口部は、前記センサエレメントの周囲に形成される
ことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記開口部は、エッチングによって形成する
ことを特徴とするセンサ装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ装置において、
前記開口部は、レーザによって形成する
ことを特徴とするセンサ装置。 - 基板と、同基板上に設けられるセンサエレメントと、同センサエレメントを覆うように設けられる保護膜とを備え、物理変化を同センサエレメント各々を通じて変換される電気信号の変化として検出するセンサ装置において、
前記保護膜の隅は、円弧形状又は面取りされた形状に形成され、
前記保護膜の隅が面取りされた形状の場合、面取りされた隅を構成する直線及び曲線の少なくとも一方を組み合わせた前記保護膜の隅の内側の角度が鈍角に形成される
ことを特徴とするセンサ装置。
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