JP5000665B2 - 磁気検出装置およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に、外部磁界により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を備え、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗変化に基づいて磁界検出信号を出力する磁気検出装置及びその製造方法に関する。
外部磁界により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用したGMR素子等の磁気抵抗効果素子は、以下の特許文献に示すようなハードディスク装置に内臓される薄膜磁気ヘッドとしての需要と、例えば、折畳み式携帯電話の開閉検知等に使用される磁気検出装置(センサ)としての需要とがある。
後者の磁気検出装置として用いられる場合、従来では接触式のものや、非接触式でもホール素子等が一般的に使用されていたが、磁気抵抗効果素子では、非接触式で且つ外部磁界が比較的弱くても適切に抵抗変化することから高性能及び高寿命を期待できる。
磁気検出装置は、基板上に、複数組の集積回路及び磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を形成し、各組毎に前記基板をダイシングして個々にチップ化し、その後、パッケージ化して製品となる。
上記した薄膜磁気ヘッドの場合、通常、磁気抵抗効果素子上にはシールド層や、書き込み用のインダクティブヘッド等が積層形成される。一方、磁気検出装置(センサ)の場合、前記磁気抵抗効果素子上は無機絶縁材料の絶縁保護層で覆われるものの、前記絶縁保護層がむき出しのまま、ダイシング工程等が行われるので、前記絶縁保護層でしっかりと前記磁気抵抗効果素子上を覆っていないと製造過程による腐食の問題が生じやすく、特に以下に説明する構造上の理由により従来では、前記絶縁保護層を厚い膜厚で形成していた。
特開2003−85712号公報 特開平6−274832号公報
図6に示すように、基板61上に形成された磁気抵抗効果素子62の両側端部62a上には電極層63,63が形成されている。
図6に示すように前記電極層63上から前記磁気抵抗効果素子62上にかけてアルミナ(Al)層64が形成され、さらに前記アルミナ層64上に重ねてシリカ(SiO)層65が形成されている。
前記アルミナ層64は耐熱性や耐候性に優れ、特に酸素の透過を抑制し、前記磁気抵抗効果素子62の酸化による劣化(電気抵抗の変動等)を適切に防ぐことが出来るものの、前記アルミナ層64は耐水性が低く、特に、前記基板をダイシングするときの研除液によって前記アルミナ層64が溶解するため、それを防ぐためにシリカ層65を前記アルミナ層64上に重ねて形成している。
しかしながら図6に示すように、前記磁気抵抗効果素子62と電極層63間には急峻な段差部66があり、前記アルミナ層64の前記段差部66付近での付き回りはシャドー効果により非常に悪い。このため、前記段差部66付近の前記磁気抵抗効果素子62上を適切に前記アルミナ層64で覆うには、前記アルミナ層64の膜厚を厚く形成しなければならず、よって、前記アルミナ層64とシリカ層65とを合わせたトータル膜厚が非常に厚くなってしまうといった問題があった。
具体的には前記アルミナ層64の平均膜厚を1000Å以上で形成し、また前記シリカ層65の平均膜厚も1000Å程度で形成していたので、トータル膜厚は2000Å以上となっていた。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、磁気抵抗効果素子に対する耐環境性の向上と、薄型化を実現できる磁気検出装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明における磁気検出装置は、
基板上に、外部磁界により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を備える抵抗素子部と、前記抵抗素子部に接続され、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化に基づいて磁界検出信号を出力する集積回路と、を有し、
前記磁気抵抗効果素子上はアルミナ(Al)層で覆われ、前記アルミナ層上には前記磁気抵抗効果素子の端部と電気的に接続される電極層が形成され、前記電極層上から前記磁気抵抗効果素子上に設けられた前記アルミナ層上にかけてシリカ(SiO)層が形成されることを特徴とするものである。
本発明では、従来のように、前記アルミナ層は、磁気抵抗効果素子上から電極層上にかけて形成された段差面上に形成されない。すなわち本発明では前記アルミナ層は、前記磁気抵抗効果素子上の全面(ただし電極層との接続部分を除く)を覆っている。前記電極層は前記アルミナ層上に形成され、そして前記シリカ層は前記電極層上から前記アルミナ層上にかけて形成されている。このように本発明では、前記電極層の部分では前記アルミナ層は前記電極層と磁気抵抗効果素子との間に介在し、従来のように磁気抵抗効果素子上から段差部を介して電極層上に乗り上げ形成しないので、前記アルミナ層の膜厚を従来より薄く形成しても前記磁気抵抗効果素子上を適切に絶縁保護でき、前記アルミナ層とシリカ層とのトータル膜厚を従来よりも薄く形成することが出来る。
以上により本発明では、磁気抵抗効果素子に対する耐環境性の向上と、磁気検出装置の薄型化を実現できる。
また本発明では、前記抵抗素子部は、外部磁界により電気抵抗が変化しない固定抵抗素子を有し、前記固定抵抗素子は、前記磁気抵抗効果素子と同じ材料層で且つ積層順が異なる構成であり、前記磁気抵抗効果素子上と同様に、前記固定抵抗素子上も、前記アルミナ層で覆われ、前記アルミナ層上には前記固定抵抗素子の端部と電気的に接続される電極層が形成され、前記電極層上から前記固定抵抗素子上に設けられた前記アルミナ層上にかけて前記シリカ層が形成されることが好ましい。
これにより、前記固定抵抗素子上も、良好な耐環境性を維持しつつ、薄い絶縁保護層で覆うことができ、より効果的に、磁気検出装置の薄型化を実現できる。
本発明では、前記基板上に、前記集積回路が形成され、前記集積回路上は絶縁層で覆われ、前記絶縁層上に前記抵抗素子部が設けられ、前記絶縁層上の前記抵抗素子部と前記基板上の前記集積回路とが導通接続されていることが好ましい。これにより、磁気検出装置の小型化を実現でき、また前記集積回路及び前記抵抗素子部の双方を適切に絶縁保護できて好ましい。
本発明では、前記アルミナ層の平均膜厚は200〜800Åの範囲内であることが好ましい。また、前記シリカ層の平均膜厚は200〜1200Åの範囲内であることが好ましい。
また本発明は、基板上に、外部磁界により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を備える抵抗素子部と、前記抵抗素子部に接続され、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化に基づいて磁界検出信号を出力する集積回路と、を有する磁気検出装置の製造方法において、
(a) 前記基板上に、複数組の前記集積回路及び前記抵抗素子部を形成する工程、
(b) 各磁気抵抗効果素子上をアルミナ(Al)層で覆う工程、
(c) 前記アルミナ層上に各磁気抵抗効果素子の端部と電気的に接続される電極層を夫々形成する工程、
(d) 前記電極層上から、各磁気抵抗効果素子上に形成された前記アルミナ層上にかけてシリカ(SiO)を形成する工程、
(e) 前記シリカ層が露出した状態で、前記基板を各組ごとに、研削液を噴射しながらダイシングし、個々にチップ化する工程、
を有することを特徴とするものである。
本発明では、電極層を形成する前に、前記(b)工程で、前記アルミナ層を前記磁気抵抗効果素子上に形成するので、薄い膜厚のアルミナ層でも効果的に前記磁気抵抗効果素子上を覆うことが出来る。
よって前記アルミナ層と前記シリカ層のトータル膜厚を従来よりも薄く出来、磁気検出装置の薄型化を促進できる。
本発明では、このように前記磁気抵抗効果素子上を覆う絶縁保護層のトータル膜厚を薄くしても、最表層のシリカ層により、前記(e)工程での個々にチップ化するダイシング工程で使用される研削液に磁気検出装置が曝されても適切に、研削液から磁気抵抗効果素子を保護でき、また、磁気抵抗効果素子上は薄い膜厚でも適切にアルミナ層で覆われているので、酸素の透過を適切にシャットアウトできる等、耐環境性を適切に向上させることができる。
また本発明では、前記(a)工程を以下の工程により行うことが好ましい。
(a−1) 前記基板上に、複数組の前記集積回路を形成する工程、
(a−2) 前記集積回路上を絶縁層で覆う工程、
(a−3) 前記絶縁層上に複数組の前記抵抗素子部を形成し、各抵抗素子部と各集積回路とを導通接続させる工程。
これにより、磁気検出装置の小型化を実現でき、また前記集積回路及び前記抵抗素子部の双方を適切に絶縁保護できて好ましい。
また本発明では、前記抵抗素子部は、外部磁界により電気抵抗が変化しない固定抵抗素子を有し、前記固定抵抗素子を前記磁気抵抗効果素子と同じ材料層で且つ積層順を変えて形成し、前記磁気抵抗効果素子上と同様に、
前記(b)工程時に、前記固定抵抗素子上を、前記アルミナ層で覆い、
前記(c)工程時に、前記アルミナ層上に各固定抵抗素子の端部と電気的に接続される電極層を夫々形成し、
前記(d)工程時に、前記電極層上から、各固定抵抗素子上に形成された前記アルミナ層上にかけて前記シリカ層を形成することが好ましい。
これにより、前記固定抵抗素子上も良好な耐環境性を保ちつつ、前記固定抵抗素子上のアルミナ層とシリカ層からなる絶縁保護層のトータル膜厚を薄くできる。
本発明によれば、磁気抵抗効果素子に対する耐環境性の向上と、磁気検出装置の薄型化を実現できる。
図1は本実施の形態の磁気検出装置を示す斜視図、図2は、図1の磁気検出装置をII−II線から膜厚(高さ)方向へ切断し矢印方向から断面図、図3は、図1に示す磁気検出装置を磁気抵抗効果素子に沿ってIII−III線から膜厚(高さ)方向へ切断し矢印方向から部分拡大断面図、である。
図1に示す磁気検出装置1は、磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20および集積回路3が一体化されたICパッケージである。
この磁気検出装置1は、マグネットMなどの磁界発生部材が接近したときに、前記磁気抵抗効果素子10の電気抵抗変化に基づいて前記集積回路にてON信号(磁界検出信号)が生成され出力される。
例えば、図1に示す磁気検出装置1は、折り畳み式の携帯電話においてキースイッチが配列された本体部に内蔵される。液晶デバイスなどの表示装置を有する折り畳み部には、マグネットMが搭載され、本体部と折り畳み部とが折り畳み状態となったときに、前記マグネットMが磁気検出装置1に接近し、マグネットMから発せられる磁界が磁気検出装置1で検出されて、この磁気検出装置1からON信号が生成され出力される。
磁気抵抗効果素子10は、磁気抵抗効果を利用して、外部磁界によって電気抵抗が変化するものである。固定抵抗素子20は、磁気抵抗効果素子10が反応する大きさの外部磁界によっては電気抵抗が実質的に変化しないものである。
磁気抵抗効果素子10は巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を利用して外部磁界を検出するものである。前記磁気抵抗効果素子10は、下から反強磁性層/固定磁性層/非磁性層/フリー磁性層の順(あるいは、その逆の積層順でもよい)の基本積層構造を有する。前記反強磁性層は、Ir・Mn合金(イリジウム・マンガン合金)やPt・Mn合金(白金・マンガン合金)などで形成される。固定磁性層やフリー磁性層は、Co・Fe合金(コバルト・鉄合金)やNi・Fe合金(ニッケル・鉄合金)などで形成される。前記非磁性層は、Cu(銅)などの非磁性導電材料で形成される。前記磁気抵抗効果素子10は、そのほか、保護層や下地層等を有して構成される。
前記固定抵抗素子20は、磁気抵抗効果素子10と同じ材料層で形成されることが好ましい。すなわち前記固定抵抗素子20も前記磁気抵抗効果素子10と同じように、反強磁性層、固定磁性層、非磁性層、及びフリー磁性層の各層を有している。ただし、積層順が前記磁気抵抗効果素子10とは異なって、前記固定抵抗素子20では、例えば下から反強磁性層/固定磁性層/フリー磁性層/非磁性層の順(あるいは、その逆の積層順でもよい)に形成される。このように前記フリー磁性層が前記固定磁性層と接して形成されていることで、前記フリー磁性層は、もはや外部磁界に対して磁化方向が変動する磁性層として機能せず磁化方向が固定磁性層と同様に固定される。この結果、前記固定抵抗素子20は外部磁界によっても磁気抵抗効果素子10のように抵抗変化しない。前記固定抵抗素子20は、前記磁気抵抗効果素子10と同じ材料層で形成されることで、前記磁気抵抗効果素子10と前記固定抵抗素子20との温度係数(TCR)のばらつきを抑制することが出来る。
前記磁気抵抗効果素子10は、GMR素子以外に、異方性磁気抵抗効果を利用したAMR素子、トンネル磁気抵抗効果を利用したTMR素子であってもよい。
図1に示すように、磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20は、その平面形状がミアンダパターンで形成されており、その基本的な電気抵抗値が高くなっている。前記ミアンダパターンで形成することで、消費電流を低減させることができる。前記磁気抵抗効果素子10を構成する固定磁性層は、反強磁性層との間で生じる交換結合磁界により、図1に示すPin方向に磁化固定されている。
前記磁気抵抗効果素子10は、前記固定磁性層とフリー磁性層との磁化方向の関係で電気抵抗が変化する。前記マグネットMからの外部磁界が、前記固定磁性層のPIN方向と反平行な方向に作用すると、前記フリー磁性層は前記PIN方向と反対方向に磁化され電気抵抗は最大になる。一方、前記マグネットMからの外部磁界が、前記固定磁性層のPIN方向と平行な方向に作用すると、前記フリー磁性層は前記PIN方向と同じ方向に磁化され電気抵抗は最小になる。
図1に示すように、磁気抵抗効果素子10の一方の端部には、低抵抗材料で形成された電極層15が設けられ、他方の端部には同じく低抵抗材料で形成された電極層18が設けられている。固定抵抗素子20の一方の端部には、低抵抗材料で形成された電極層16が設けられ、他方の端部にも、低抵抗材料で形成された電極層19が設けられている。そして、磁気抵抗効果素子10の電極層15と固定抵抗素子20の電極層16とが、リード層17で接続され、磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20とが直列に接続されている。なお前記電極層15、16及び前記リード層17は一体的に形成されている。
前記電極層18,19のどちから一方は、入力端子、他方はアース端子であり、前記リード層17は出力端子である。外部磁界が及ばないとき、前記出力端子の電位は中点電位であり、外部磁界が及ぶと、前記磁気抵抗効果素子10の抵抗値が変動し、それに基づいて、前記リード層17から出力される電位が変動する。前記リード層17と接続される集積回路3では、外部磁界に対する前記磁気抵抗効果素子10の電気抵抗変化に基づく電位変化を検出し、さらにその検出結果に基づいてON・OFFの切換信号(磁界検出信号)を生成している。
図2に示すように、前記磁気検出装置1は、例えばケイ素(Si)で形成された基板2上に、集積回路3を構成する配線層35や、能動素子36〜38及び抵抗器39等が形成されている。前記能動素子36〜38は、IC、差動増幅器、コンパレータ、出力トランジスタ等である。
前記配線層35は、例えば、アルミニウム(Al)で形成される。これにより前記配線層35を低抵抗で形成できる。
図2に示すように、前記配線層35上から、前記能動素子36〜38上、前記抵抗器39上及び前記基板2上にかけて、下から絶縁下面層41、レジスト層42、及び絶縁上面層43の順に形成されて成る絶縁層40が形成されている。
前記絶縁層40には、前記配線層35上の一部に穴部45が形成され、前記穴部45から前記配線層35の上面が露出している。前記穴部45の平面形状は円形状、矩形状等、特に限定されるものではない。
図2に示すように、前記絶縁下面層41は、例えば、窒化ケイ素(SiN)で形成され、前記穴部45を除く前記配線層35上、前記能動素子36〜38上、前記抵抗器39上及び前記基板2上の全域に形成されている。前記絶縁下面層41は例えばスパッタ成膜される。
図2に示すように、前記絶縁下面層41上にレジスト層(平坦化レジスト)42が形成されている。前記集積回路3上での絶縁下面層41の表面に形成された凹部内には前記レジスト層42が埋められ、前記レジスト層42の表面42aは全体的に前記絶縁下面層41の表面41aよりも平坦化面に近くなっている。特に、集積回路3が形成されていない部分では、前記絶縁下面層41の表面も前記レジスト層42の表面42aと同様に高い平坦化度を有するが、前記集積回路3が形成されている部分では、前記絶縁下面層41の表面41aは、前記レジスト層42の表面42aに比べて平坦化度が悪い。前記レジスト層42を前記絶縁下面層41上に重ねることで、少なくとも、前記絶縁下面層41に覆われた前記基板2と集積回路3間の段差を緩和できる。
前記レジスト層42上には、例えば、窒化ケイ素(SiN)で形成された絶縁上面層43が形成されている。前記絶縁上面層43を設けることで、より確実に絶縁性を確保できる。前記絶縁層40の構造は図2に示す3層構造に限定されない。例えば前記絶縁下面層41と前記レジスト層42の2層構造を提示できる。
図1,図2に示すように前記絶縁層40上に、前記磁気抵抗効果素子10及び前記固定抵抗素子20を有して構成される抵抗素子部4が形成される。前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20の各端部には、前記電極層15,16,18,19が形成され、図2に示すように、前記磁気抵抗効果素子10の電極層15と、前記固定抵抗素子20の電極層16間を繋ぐ前記リード層17が前記穴部45内を通って前記配線層35の露出面上にまで延出形成される。これにより、前記磁気抵抗効果素子10と前記固定抵抗素子20とが前記配線層35に、前記電極層15,16及び前記リード層17を介して電気的に接続されている。
なお前記絶縁層40に形成された穴部45は、前記磁気抵抗効果素子10の電極層18、及び前記固定抵抗素子20の電極層19と対向する位置にも形成され、図2と同様の断面形状を有して、前記磁気抵抗効果素子10が図示しない配線層上に前記電極層18を介して電気的に接続され、また、前記固定抵抗素子20が、図示しない配線層上に前記電極層19を介して電気的に接続されている。
図2に示すように、前記磁気抵抗効果素子10上は無機絶縁保護層30で覆われている。前記無機絶縁保護層30は、前記磁気抵抗効果素子10上を覆うアルミナ(Al)層31と、前記アルミナ層31上を覆うシリカ(SiO)層32との2層構造である。
図2及び図3に示すように、前記アルミナ層31は前記磁気抵抗効果素子10上に、前記電極層15,18と電気的に接続される端部10a上を除いて形成されている。図3に示すように、前記アルミナ層31は前記磁気抵抗効果素子10の露出部分がないように、前記磁気抵抗効果素子10の上面のみならず側面10bの周囲を完全に覆っている。よって図2に示すように、前記磁気抵抗効果素子10の前記電極層15,18と重ならない側面10bにも前記アルミナ層31が設けられている。
前記アルミナ層31には前記磁気抵抗効果素子10の端部10a上に貫通孔31aが形成され、前記電極層15,18が前記貫通孔31a内から前記アルミナ層31上にかけて形成されている。
そして、前記シリカ層32が前記磁気抵抗効果素子10上に形成されたアルミナ層31上から前記電極層15,18上にかけて形成されている。
本実施形態では、前記磁気抵抗効果素子10上は前記端部10a上を除いて前記アルミナ層31で覆われ、前記アルミナ層31の上に電極層15,18が形成されている。従来のように前記アルミナ層31を前記磁気抵抗効果素子10上から段差部21を介して電極層15,18上に乗り上げ形成する場合、急峻な段差部21付近には、シャドー効果によって前記アルミナ層31がスパッタ法でうまく付着せず、よって前記段差部21付近の磁気抵抗効果素子10上を適切にアルミナ層31で覆うために、前記アルミナ層31の膜厚を厚く形成することが必要であった。
これに対し本実施形態では、前記磁気抵抗効果素子10上全体(ただし貫通孔31aの部分は除く)をアルミナ層31で覆い、前記電極層15,18を前記アルミナ層31上に形成している。このように本実施形態では、前記電極層15,18の部分では前記アルミナ層31は前記電極層15,18と磁気抵抗効果素子10との間に介在し、従来のように磁気抵抗効果素子10上から段差部21を介して電極層15,18上に乗り上げ形成しないので、前記アルミナ層31の膜厚を従来より薄くしても、適切に前記磁気抵抗効果素子10上を前記アルミナ層31で覆うことができ磁気抵抗効果素子10を適切に絶縁保護できる。
本実施形態では、アルミナ層31の平均膜厚H1は200〜800Åの範囲内であることが好ましい。前記平均膜厚H1は前記磁気抵抗効果素子10の上面に形成されたアルミナ層31で測定される。
前記アルミナ層31は、酸素を透過しにくく、耐候性や耐熱性に優れる一方、ダイシング時の研削液等に曝されると溶解するという問題があるため、シリカ層32が前記電極層15,18上から前記磁気抵抗効果素子10上に設けられたアルミナ層31上にかけて形成されている。前記シリカ層32は前記アルミナ層31よりも耐水性に優れている。前記シリカ層32は、前記アルミナ層31の上面のみならず側面31bも適切に覆っている。
図3に示すように、シリカ層32の平均膜厚はH2で形成される。ここで、前記シリカ層32は、前記磁気抵抗効果素子10と電極層15,18間の段差部21を埋める必要があるため従来と同程度の膜厚で形成されたとしても、本実施形態では、前記アルミナ層31と前記シリカ層32を合わせた無機絶縁保護層30のトータル膜厚H3(=H1+H2)を、前記アルミナ層31を薄く形成できることで、従来よりも薄い膜厚で形成できる。
よって、本実施形態の磁気検出装置1では、磁気抵抗効果素子10に対する良好な耐環境性を維持しつつ、前記アルミナ層31と前記シリカ層32から成る無機絶縁保護層30のトータル膜厚H3を、従来よりも薄い膜厚で形成できる。ここで耐環境性とは、耐水性、耐熱性及び耐候性(ただし耐候性には耐水性を含まないとする)等を含む上位概念と定義される。
ところで図3の実施形態では、前記電極層15,18上はシリカ層32のみで覆われている。よって、前記電極層15,18は耐環境性に優れた材質で形成されることが望ましい。前記電極層15,18は、Al、NiCu、Au、Cr、Ti、Ta等の単体構造、あるいは、Ti/Au、Ta/Cr、Ta/Au/Ta、Cr/Au/Cr等の積層構造で形成されることが好ましい。
また前記電極層15,18を耐環境性に優れた材質で形成することで、前記シリカ層32の膜厚を従来より薄くすることができ、前記無機絶縁保護層30のトータル膜厚H3を従来に比べてよりいっそう薄く形成することが可能である。このとき、前記シリカ層32の平均膜厚H2は200〜1200Åの範囲内であることが好適である。前記シリカ層32の平均膜厚H2は前記磁気抵抗効果素子10の上面に形成されたシリカ層32で測定される。
また、本実施形態では、前記電極層15,18の平均膜厚に比べて、前記磁気抵抗効果素子10の平均膜厚のほうが薄いことが好ましい。これにより、前記アルミナ層31を従来に比べて薄く形成しても前記磁気抵抗効果素子10の側面10bを適切にアルミナ層31で覆うことができ、前記磁気抵抗効果素子10全体を適切に前記アルミナ層31で絶縁保護できる。前記電極層15,18の平均膜厚は1500〜3000Åで、前記磁気抵抗効果素子10の平均膜厚は200〜300Åであることが好ましい。
なお図2に示すように前記リード層17上も前記シリカ層32のみで覆われているので、前記リード層17も前記電極層15,18と同様に、耐環境性に優れた材質で形成することが好ましい。
本実施形態では前記固定抵抗素子20上も磁気抵抗効果素子10上と同様に、アルミナ層31で覆われ、前記アルミナ層31上には前記固定抵抗素子20の端部と電気的に接続される電極層16,19が形成され、前記電極層16,19上から前記アルミナ層31上かけて前記シリカ層32が形成されることが好適である。
特に上記したように、前記固定抵抗素子20が前記磁気抵抗効果素子10と同じ材料層で且つ積層順が異なる構成である場合、前記固定抵抗素子20の耐環境性は、前記磁気抵抗効果素子10と同様に低いため、前記固定抵抗素子20上を前記無機絶縁保護層30で覆うことでより効果的に耐環境性の向上を図ることが可能である。
なお本実施形態では磁気抵抗効果素子10上に下からアルミナ層31、シリカ層32の順で積層しているが、これが逆の積層であると耐環境性の向上を図ることはできない。
すなわち下からシリカ層32、アルミナ層31の順で積層されると、前記アルミナ層31は耐水性が低いために、水分を吸収すると溶け出す。そして前記シリカ層32は耐候性、耐熱性が低いために、前記アルミナ層31の溶解により前記シリカ層32が露出すると、その部分を通じて前記磁気抵抗効果素子10が酸素の影響等を受けて腐食する。よって、本実施形態では、下からアルミナ層31、シリカ層32の順に積層するのに限定される。
また本実施形態では、基板2上に集積回路3と抵抗素子部4とが平面方向に並設されている形態を除外しないが、図2に示すように、集積回路3は基板2上に形成され、前記集積回路3上は絶縁層40で覆われ、前記絶縁層40上に抵抗素子部4が形成される形態であると、前記磁気検出装置1の小型化を促進できて好適である。特に、図2に示すように、リード層17を前記配線層35の直上に設けることで、配線層35とリード層17とを平面に展開して配置したものに比べて、小さい面積で装置を構成できる。前記電極層18,19も図示しない配線層の直上に設けられている。また、図2のような積層構造とすることで、前記集積回路3を適切に絶縁保護でき、しかも平坦化面を成す絶縁層40上に磁気抵抗効果素子10を形成できるので、前記磁気抵抗効果素子10を高精度に形成でき、よって小型化で、しかも磁気感度に優れた磁気検出装置1を実現できる。
図1〜図3に示す本実施形態の磁気検出装置1は、樹脂等によってパッケージ化されて製品化される。
本実施形態の磁気検出装置1によれば、磁気抵抗効果素子10(及び固定抵抗素子20)に対する耐環境性の向上と、薄型化を実現できる。
本実施形態の磁気検出装置1の製造方法について図4を用いて説明する。図4Aに示す工程では、基板44上に、複数組の配線層35と能動素子36〜38及び抵抗器39等を有する集積回路3を形成する。前記集積回路3をCVD工程、スパッタリング工程、さらにはメッキ工程などの薄膜形成プロセスにより行う。
前記基板44は、複数組の前記集積回路3を形成できる大きさで形成される。すなわち図1及び図2に示す製品状態での基板2よりも大きい大きさである。
次に、各集積回路3上及び前記基板44上にかけて、窒化ケイ素(SiN)等で形成された絶縁下面層41をスパッタ或いはCVD成膜する。
次に図4Bに示す工程では、前記絶縁下面層41上にレジスト層42を例えばスピンコートやスクリーン印刷等で塗布し、前記レジスト層42を露光現象してちょうど前記配線層35の上面の一部と膜厚方向で対向する位置に穴部42dを形成する。そして前記穴部42dに覆われていない前記絶縁下面層41をエッチングで除去して前記配線層35上の一部を露出させる。前記レジスト層42は、その後、熱硬化させられる。
上記した図4B工程では、前記レジスト層42をマスクとして利用し、前記レジスト層42に形成された穴部42dから露出する前記絶縁下面層41をエッチングすることで、前記絶縁下面層41にも穴部41dを簡単に形成できる。
次に、前記レジスト層42上に、Al、SiO、窒化ケイ素(SiN)等で形成された絶縁上面層43をスパッタ法等にて成膜する。前記絶縁上面層43を、例えばリフトオフ用レジスト(図示しない)を用いて、前記穴部41d,42d上に前記絶縁上面層43が形成されないようにパターン形成できる。前記絶縁上面層43を形成しなくてもよい。
次に図4C工程では、前記絶縁上面層43上に、前記集積回路3と同数組の磁気抵抗効果素子10、及び固定抵抗素子20を、スパッタ、メッキ、エッチング等の薄膜形成技術を用いて所定形状に形成する。
そして、前記磁気抵抗効果素子10上、及び、固定抵抗素子20上の全面をアルミナ(Al)層31で覆う。前記アルミナ層31をスパッタ法にて成膜する。このとき前記アルミナ層31の平均膜厚を200〜800Åの範囲内で形成することが好ましい。
前記磁気抵抗効果素子10の上面及び固定抵抗素子20の上面は平坦な面で形成されているので、前記アルミナ層31を薄い膜厚で形成しても前記磁気抵抗効果素子10上及び前記固定抵抗素子20上を適切にアルミナ層31で覆うことが可能である。また、前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20の膜厚は200〜300Å程度であるため、前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20と絶縁上面層43間には、されほど大きさ段差は形成されず、前記アルミナ層31を上記程度の薄い膜厚で形成しても前記磁気抵抗効果素子10の側面及び前記固定抵抗素子20の側面も前記アルミナ層31で適切に覆うことが可能である。
図4Cに示すように、前記アルミナ層31には、次の工程で形成される電極層と磁気抵抗効果素子10、及び電極層と固定抵抗素子20とを電気的に接続させるための貫通孔31aを形成する。また前記アルミナ層31が前記配線層35上に形成された穴部41d,42d内にも形成されたとき、前記アルミナ層31を除去して前記配線層35を露出させる。上記した貫通孔31aの形成や除去工程はエッチングで行うことができる。あるいは予め、アルミナ層31を形成しない部分にリフトオフ用のレジスト層を設けておき、前記レジスト層が形成された部分以外を適切にアルミナ層31で覆った後、前記レジスト層を除去してもよい。
次に図4Dに示す工程では、前記アルミナ層31に形成された貫通孔31aから前記配線層35上にかけて電極層15,16,18,19やリード層17をスパッタ法あるいはメッキ法等で形成する。これにより前記電極層15,16,18,19と前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20とを電気的に接続する。
本実施形態では前記電極層15,16,18,19及びリード層17を耐環境性に優れたAl、NiCu、Au、Cr、Ti、Ta等の単体構造、あるいは、Ti/Au、Ta/Cr、Ta/Au/Ta、Cr/Au/Cr等の積層構造で形成することが好ましい。
次に図4Dに示すように、前記電極層15,16,18,19及びリード層17上から前記磁気抵抗効果素子10上及び固定抵抗素子20上に形成されたアルミナ層31上にかけてシリカ(SiO)層32をスパッタ法等で形成する。
次に、例えば、前記磁気抵抗効果素子10を構成する反強磁性層と固定磁性層間に交換結合磁界を生じさせ、前記固定磁性層の磁化をpin方向に固定するために磁場中熱処理を施す。
本実施形態では、熱処理が施されても、前記磁気抵抗効果素子10上は耐熱性に優れたアルミナ層31で覆われており、前記アルミナ層31は熱環境下で酸素を透過せず、前記磁気抵抗効果素子10が酸化されるのを適切に抑制できる。よって、前記磁気抵抗効果素子10の抵抗値が酸化によって変動せず特性劣化を防止できる。
前記磁場中熱処理やそのほか熱処理工程は、前記貫通孔31aを形成する前の前記磁気抵抗効果素子10上の面をアルミナ層31で覆った状態で行ってもよい。
次に図4E工程では、前記基板44を複数組の集積回路3及び抵抗素子部4毎にダイシングし、個々にチップ化する。
図5に示すように、ダイシング工程では、前記基板44上に、複数組の集積回路3及び抵抗素子部4が積層されて成る図4D工程まで形成された複数組の磁気検出装置を備えた磁気検出装置集合体53を設置台50上に設置する。
そして、前記基板44を、ダイシングブレード(円形回転刃)51で切断するが、このとき、前記磁気検出装置集合体53上に、ノズル52から冷却水等の研削液Wを噴射しながらダイシングを行う。
図4Dに示すように、ダイシング時、磁気検出装置集合体53の最上層は前記シリカ層32であり、前記シリカ層32が露出していても前記シリカ層32は耐水性に優れるので、前記研削液Wに曝されても、前記シリカ層32は腐食、及び溶解することなく、前記シリカ層32の下に形成された前記アルミナ層31まで水は浸透しない。よって前記アルミナ層31が水によって腐食、溶解するといった問題が生じず、前記磁気抵抗効果素子10を適切に水分から保護できる。
本実施形態では、図4Cの工程で、磁気抵抗効果素子10上及び固定抵抗素子20上をアルミナ層31で覆った後、図4Dの工程で、前記磁気抵抗効果素子10及び固定抵抗素子20に電気的に接続される電極層15,16,18,19を前記アルミナ層31上に形成し、そして、前記電極層15,16,18,19上から前記磁気抵抗効果素子10上及び固定抵抗素子20上に形成されたアルミナ層31上にかけてシリカ層32を形成する。
よって本実施形態では、従来と違って、前記アルミナ層31を磁気抵抗効果素子10上から電極層上にかけての急峻な段差部を介して成膜せず、前記電極層の形成前に、前記磁気抵抗効果素子10上及び固定抵抗素子20上の平坦面上に形成するので、前記アルミナ層31を従来よりも薄い膜厚で形成しても、前記磁気抵抗効果素子10上及び固定抵抗素子20上を適切に前記アルミナ層31で覆うことが可能である。
そして前記アルミナ層31は耐水性が低いが、それをカバーするために、前記アルミナ層31上から電極層上にかけてシリカ層32を形成している。
本実施形態では上記のように、アルミナ層31を従来よりも薄く形成しているので、前記アルミナ層31とシリカ層32からなる無機絶縁保護層30のトータル膜厚を従来よりも薄く形成できる。
以上により、本実施形態の磁気検出装置の製造方法によれば、磁気抵抗効果素子10(及び固定抵抗素子20)に対する耐環境性を向上させるとともに、前記磁気検出装置1の薄型化を実現できる。
図4Eに示す工程では、前記ダイシングによって個々にチップ化された各磁気検出装置1を、モールド樹脂によってパッケージ化すると製品となる。
なお本実施形態では、磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20とが一つづつ設けられているが、例えば磁気抵抗効果素子10と固定抵抗素子20とが夫々2つ設けられブリッジ回路を構成していると、より磁気感度に優れた磁気検出装置にできて好ましい。
本実施形態の磁気検出装置を示す斜視図、 図1の磁気検出装置をII−II線から膜厚(高さ)方向へ切断し矢印方向から見た断面図、 図1に示す磁気検出装置を磁気抵抗効果素子に沿ってIII−III線から膜厚(高さ)方向へ切断し矢印方向から見た部分拡大断面図、 本実施形態の磁気検出装置の製造工程を示す工程図(各図は、図2と同じ縦断面図である)、 ダイシング工程の模式図、 従来の磁気検出装置を膜厚(高さ)方向へ切断した際の切断面を示す断面図、
符号の説明
1 磁気検出装置
2、44 基板
3 集積回路
4 抵抗素子部
15、16、18、19 電極層
17 リード層
10 磁気抵抗効果素子
20 固定抵抗素子
21 段差部
30 無機絶縁保護層
31 アルミナ層
32 シリカ層
35 配線層
36〜38 能動素子
39 抵抗器
40 絶縁層
41 絶縁下面層
42 レジスト層
43 絶縁上面層
45 穴
50 設置台
51 ダイシングブレード
52 ノズル
53 磁気検出装置集合体
W 研削液

Claims (8)

  1. 基板上に、外部磁界により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を備える抵抗素子部と、前記抵抗素子部に接続され、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化に基づいて磁界検出信号を出力する集積回路と、を有し、
    前記磁気抵抗効果素子上はアルミナ(Al)層で覆われ、前記アルミナ層上には前記磁気抵抗効果素子の端部と電気的に接続される電極層が形成され、前記電極層上から前記磁気抵抗効果素子上に設けられた前記アルミナ層上にかけてシリカ(SiO)層が形成されることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 前記抵抗素子部は、外部磁界により電気抵抗が変化しない固定抵抗素子を有し、前記固定抵抗素子は、前記磁気抵抗効果素子と同じ材料層で且つ積層順が異なる構成であり、前記磁気抵抗効果素子上と同様に、前記固定抵抗素子上も、前記アルミナ層で覆われ、前記アルミナ層上には前記固定抵抗素子の端部と電気的に接続される電極層が形成され、前記電極層上から前記固定抵抗素子上に設けられた前記アルミナ層上にかけて前記シリカ層が形成される請求項1記載の磁気検出装置。
  3. 前記基板上に、前記集積回路が形成され、前記集積回路上は絶縁層で覆われ、前記絶縁層上に前記抵抗素子部が設けられ、前記絶縁層上の前記抵抗素子部と前記基板上の前記集積回路とが導通接続されている請求項1又は2に記載の磁気検出装置。
  4. 前記アルミナ層の平均膜厚は200〜800Åの範囲内である請求項1ないし3のいずれかに記載の磁気検出装置。
  5. 前記シリカ層の平均膜厚は200〜1200Åの範囲内である請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気検出装置。
  6. 基板上に、外部磁界により電気抵抗が変化する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子を備える抵抗素子部と、前記抵抗素子部に接続され、前記磁気抵抗効果素子の電気抵抗の変化に基づいて磁界検出信号を出力する集積回路と、を有する磁気検出装置の製造方法において、
    (a) 前記基板上に、複数組の前記集積回路及び前記抵抗素子部を形成する工程、
    (b) 各磁気抵抗効果素子上をアルミナ(Al)層で覆う工程、
    (c) 前記アルミナ層上に各磁気抵抗効果素子の端部と電気的に接続される電極層を形成する工程、
    (d) 前記電極層上から、各磁気抵抗効果素子上に形成された前記アルミナ層上にかけてシリカ(SiO)を形成する工程、
    (e) 前記シリカ層が露出した状態で、前記基板を各組ごとに、研削液を噴射しながらダイシングし、個々にチップ化する工程、
    を有することを特徴とする磁気検出装置の製造方法。
  7. 前記(a)工程を以下の工程により行う請求項6記載の磁気検出装置の製造方法。
    (a−1) 前記基板上に、複数組の前記集積回路を形成する工程、
    (a−2) 前記集積回路上を絶縁層で覆う工程、
    (a−3) 前記絶縁層上に複数組の前記抵抗素子部を形成し、各抵抗素子部と各集積回路とを導通接続させる工程。
  8. 前記抵抗素子部は、外部磁界により電気抵抗が変化しない固定抵抗素子を有し、前記固定抵抗素子を前記磁気抵抗効果素子と同じ材料層で且つ積層順を変えて形成し、前記磁気抵抗効果素子上と同様に、
    前記(b)工程時に、前記固定抵抗素子上を、前記アルミナ層で覆い、
    前記(c)工程時に、前記アルミナ層上に各固定抵抗素子の端部と電気的に接続される電極層を夫々形成し、
    前記(d)工程時に、前記電極層上から、各固定抵抗素子上に形成された前記アルミナ層上にかけて前記シリカ層を形成する請求項6または7に記載の磁気検出装置の製造方法。
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