JP5014980B2 - 核酸精製のための固相支持体として修飾された表面 - Google Patents

核酸精製のための固相支持体として修飾された表面 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本願は、全体の内容が参照として本明細書に具体的に組み入れられる、2004年3月18日提出の米国仮出願第60/554,278号および2004年9月30日提出の米国正式出願第10/955,974号の恩典を主張する。
発明の背景
1. 発明の分野
本発明は、一般に、核酸を精製する分野に関する。特に、本発明は、ポリマー修飾表面および/または樹脂系表面を使用する、核酸、例えば、RNA、DNAおよび/またはPNAの精製に関する。
2. 関連技術の説明
逆転写、クローニング、制限分析および配列決定などの多数の分子生物学技法は生体物質の処理または分析に関係する。これに関して最も普通に分析される物質は、RNAおよびDNAなどのポリヌクレオチドである。これらの技法は、一般に、このような物質がこのような処理または分析手法を妨害する可能性のある夾雑物を実質的に含まないことを必要とする。このような夾雑物には、一般に、化学反応(例えば、核酸またはタンパク質のハイブリダイゼーション、酵素触媒反応および分子生物学技法に使用される他の種類の反応)を遮断もしくは阻害する物質、関心対象の核酸もしくは他の生体物質の分解または脱重合を触媒する物質、または核酸が実際に試料中に存在しない場合に、関心対象のある量の標的生体物質の試料における存在を示す「バックグラウンド」を提供する物質が含まれる。夾雑物には、関心対象の核酸物質が単離されるインビボまたはインビトロ媒体由来の高分子物質、酵素、他の種類のタンパク質、多糖またはポリヌクレオチドなどの高分子物質および脂質、低分子量酵素阻害剤またはヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドなどの低分子量物質も含まれる。夾雑物は、他の物質から物質を単離するために使用される化学物質または他の物質から標的生体物質に導入されることもある。この最後の種類の一般的な夾雑物には、微量金属、色素および有機溶媒が含まれる。
分子生物学的適用のための夾雑物を実質的に含まないポリヌクレオチドの入手は、このようなポリヌクレオチドが典型的に見出される複雑な系によって複雑化される。これらの系、例えば、組織の細胞、血液、リンパ液、乳汁、唾液、粘液、尿、糞便、精液等などの生体液の細胞、標的核酸増幅が実施されている培養中、アガロースまたはポリアクリルアミドゲルまたは溶液中の細胞は、典型的には、分子生物学的手法に使用する前に、関心対象のポリヌクレオチドを単離しなければならない有意な量の夾雑物を含む。
夾雑物からのポリヌクレオチドの精製を可能にする種々の技法が開発されている。これらの技法の一部は、公知であるカオトロピック塩の存在下においてガラスまたはシリカゲル粒子に核酸を吸着することに関係する(Vogelstein, and Gillespie, 1979(非特許文献1))。この方法によると、ヨウ化ナトリウム、過塩素酸ナトリウムまたはチオシアン酸グアニジンなどの高濃度のカオトロピック塩を使用して、アガロースゲルからDNAを単離精製し、種々の抽出物からRNAおよびDNA調製物を単離精製する(Boom et al., 1990(非特許文献2); Yamado et al., 1990(非特許文献3))。
カオトロピック試薬の存在下におけるミネラル基質への核酸の吸着を生ずる物理的過程は詳細には理解されていないが、この吸着の理由は、水性媒体の高次構造の妨害にあると考えられる。これにより、ガラスまたはシリカゲル粒子の表面上に溶解した核酸が吸着するまたは表面上で核酸が変性する。高濃度のカオトロピック塩の存在下では、この吸着はほとんど定量的に生じる。吸着した核酸の溶出は、低イオン強度(塩濃度)の緩衝液の存在下で実施される。
従来の方法は、ガラス、シリカ、ゼオライトまたは珪藻土を使用する核酸およびそれらの断片の単離を可能にする(Little, 米国特許第5,075,430号(特許文献1);Boom, 米国特許第5,234,809号(特許文献2))。これらの方法は、分離を促進するためにフィルターもしくはカラムを用いる形態または磁気的に応答する粒子(以降、「磁性粒子」)を用いる形態で使用してもよい。例えば、(Smith, 米国特許第6,027,945号(特許文献3))は、シリカ磁性ビーズからのRNAおよびDNAの精製を開示している。
シリカ磁性粒子は一部の試料では使用が限定されている。例えば、シリカビーズは、ヒト血漿などのある種の生体試料からRNAを効率的に単離することができないことを本発明者らは見出している。従って、特に自動化ハイスループット試料調製のための合理化された手法に適合可能な方法でRNAに結合し、精製することができる他の支持体化学物質の必要性が存在する。
カルボキシコーティング磁性粒子はDNAを単離するために使用することができるが、RNAの精製のためのこのような粒子の使用を支持する例またはデータを提供していないことをHawkins(米国特許第5,705,628号(特許文献4))は開示している。さらに、これらの粒子は、カルボキシ基を含まないデキストラン修飾粒子とは化学的に別個である。
NargessiおよびPourfarzaneh(米国特許出願第20030092045号(特許文献5))は、DNA、RNAおよびPNAなどの核酸の単離および精製におけるセルロース粒子またはセルロース紙の使用を開示していると考えられる。PEGとNaClとの組み合わせは、核酸の結合を可能にし、次いで水またはTE緩衝液で意図的に溶出されうることが示唆されている。しかし、この出願は、RNAの精製のためのこのような粒子の用途を支持する例またはデータを提供していない。さらに、この出願は、Sephadex G-25によるDNAの精製を報告していると考えられる、PEGおよびNaClを含むもの以外の結合緩衝液が記載されていない。この論文は、磁性粒子を使用する核酸、特にRNAの精製についての何かを開示または示唆していると思われない。
長鎖炭水化物分子は核酸を沈殿するために使用されている。例えば、デキストランおよびグリコーゲンはDNAの共沈剤として使用されている。適当な塩濃度と組み合わせたポリエチレングリコール(PEG)は核酸沈殿を誘発する。さらに、PEG/塩条件は、カルボキシ修飾(米国特許第5,705,628号(特許文献4))およびセルロース粒子(米国特許第20030092045号(特許文献5))を使用するDNA精製を可能にする。
デキストランは、スクロース基質上で増殖するとき、細菌によって産生される多糖ファミリーを記載している。デキストランは、主にα(1→6)結合によって結合されているグルコースポリマーである。数多くのデキストランが存在し、これらは、分岐の程度およびα-D-グルコピラノシルモノマーのポリマー鎖長によって識別される。デキストランは平均分子量によって識別される;例えば、デキストラン40は40,000の平均分子量を有するが、デキストラン75は75,000の平均分子量を有する。歴史的には、デキストランは食物産業において使用されており、治療的には血漿増量剤および血流補助薬として使用されている。デキストランはまた磁性微粒子の臨床適用を出現させるための用途も見出している;デキストランは、生体適合性および生体分解性ならびに種々の異なる化学の範囲で官能基化されうる化学的な「ハンドル」(ヒドロキシル基)の豊富さのために、このような粒子の好ましいコーティングである。この適用では、デキストランコーティング粒子は、標的薬物送達のための磁性キャリアとして使用することができる。例えば、Micromod Partikeltechnologie GmbHは、薬物標的化またはMRIコントラスト画像化の目的のためにサイズが50 nm〜250 nmの数種のデキストラン修飾粒子を販売している。これらの粒子のうちの2つ(Nanomag(登録商標)Dextran(Plain)およびNanomag(登録商標)Dextran-SO3H)が本明細書に関連して記載されている。Advanced Magnetics, Inc.は、リンパ節の画像診断の局所化剤(localizing agent)としての利用性が見出されているCombidex(登録商標)と呼ばれるデキストラン修飾磁性粒子を提供している。
一方、生体試料からの核酸の精製におけるデキストラン修飾粒子、特に磁性デキストラン修飾粒子の適用例は不足している。Sephadex(American Biosciences)として公知の架橋デキストランは、種々の分子生物学プロトコールにおいてDNAを精製するために現在使用されているが、この精製は、DNAと非磁性Sephadex粒子自体との間の特異的な結合相互作用を必要としない非有機、非カオトロピック溶液におけるサイズ排除によって実施される。実際、DNA精製におけるSephadexの最適な適用は、生物的夾雑物が含有されていない標的DNAポリマーからの、組み込まれていない(「遊離の」)デオキシヌクレオチドの容易な分離を可能にするであろう。生体試料から核酸を効率的に単離するためにSephadexを使用する実施態様は存在しない。
PEGで修飾されている磁性粒子は商業的に入手可能である。Micromod Partikeltechnologie GmbHは、PEG-300で修飾されている種々のサイズの数種の磁性粒子を販売している;すなわち、平均分子量300 g/molのPEGポリマーである。しかし、核酸精製のためのこれらの粒子の以前の使用はなかったと思われる。
上記を考慮すると、本願の提出時の当技術分野の状態に存在する問題の一部または全てを克服する核酸精製プロトコールの必要性が存在する。
Little, 米国特許第5,075,430号 Boom, 米国特許第5,234,809号 Smith, 米国特許第6,027,945号 Hawkins, 米国特許第5,705,628号 Nargessi and Pourfarzaneh, 米国特許出願第20030092045号 Vogelstein, and Gillespie, 1979 Boom et al., 1990 Yamado et al., 1990
発明の概要
本発明は、一般に、核酸を精製する分野に関する。特に、本発明は、ポリマー修飾表面および/または樹脂系表面を使用する核酸、例えば、RNA、DNAおよび/またはPNAの精製に関する。
ある一般的な実施態様において、本発明は、ポリマーまたは樹脂を含む1つまたは複数の表面に少なくとも1つのポリヌクレオチドを可逆的に結合する方法であって、以下の段階を含む方法に関する:表面を、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する溶液と接触させる段階;および溶液の塩濃度および/または有機溶媒濃度を調節して、表面へのポリヌクレオチドの結合を可能にする段階。
ポリマーの使用に関するさらに特定の実施態様は、ポリマーを含む1つまたは複数の表面に少なくとも1つのポリヌクレオチドを可逆的に結合する方法であって、以下の段階を含む方法に関する:表面を、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する溶液と接触させる段階;および溶液の塩濃度および/または有機溶媒濃度を調節して、表面へのポリヌクレオチドの結合を可能にする段階。一部の実施態様において、表面がポリマーを含む場合には、ポリマーは、ポリビニルピロリドン(Polyvinypyrrolidone)、ポリエチレングリコールまたはポリマーポリオールを含むとさらに規定される。一部の実施態様において、任意のポリマーポリオールはセルロースではありえない。
一部の好ましい態様において、ポリマーはポリマーポリオールである。本発明に関連して、「ポリマーポリオール」という用語は、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソースまたはヘプトースの少なくとも10個のモノマーを含む化合物を意味する。好ましいポリマーポリオールには以下が含まれるが、それに限定されるわけではない:デキストラン、例えば本明細書に記載するまたは当技術分野において公知のデキストラン、および、例えば非限定的に、キサンタンガム、グリコーゲン、フィコール、アラビアゴム、カラゲナン(carageenan)、アミロース、寒天、アミロペクチン、キシランまたはβ-グルカンといった多糖。当然のことながら、当業者は、本明細書の開示内容を追従することによって本発明に関連して機能する多糖、デキストランまたは他のポリマーポリオールの任意の数を決定することができる。他の好ましいポリマーには、本明細書に記載するものなどのポリエチレングリコールが含まれる。さらに、ポリマーは、本明細書に開示するものなどであるが、これに限定されないポリビニルピロリドン(PVP)であってもよい。
本発明のある態様において、利用性を示すポリマーの種々の機能的な特徴がある。例えば、ある態様において、ポリマーは親水性である。さらに、本発明に関連して、ポリマーが許容されるレベルで溶液中のポリヌクレオチドに結合する場合には、有用である。例えば、ある態様において、ポリマーは、溶液中のポリヌクレオチドの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または実質的に100%に結合する。当然のことながら、この結合の程度は、これらの割合の任意の2つの間の範囲として記載することもできる。また、ポリマーは、ある態様において、溶液中の核酸と共沈するポリマーとさらに規定してもよい。本発明のこの局面に関連して、「共沈剤」は、溶液中の核酸の沈殿を増強することができる任意の化学物質を意味する。
一部の好ましい態様において、表面は、1つまたは複数の磁性微粒子などの1つまたは複数の磁性粒子上である。このような磁性粒子の使用は、溶液からの結合型ポリヌクレオチドの分離を促進することができる。
他の態様において、塩濃度は、1つまたは複数の塩の濃度であってもよい。塩は、周期表の任意のI族またはII族陽イオンを、任意のVII族陰イオンおよびリン酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、過塩素酸塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、イソチオシアン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、過マンガン酸塩、シュウ酸塩または炭酸塩を含む陰イオンと組み合わせたものを挙げることができるが、それに限定されるわけではない。このような塩の特定の例には、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化バリウム、塩化セシウム、過塩素酸ナトリウム、イソチオシアン酸グアニジニウム(guanidinium isothiocyanate)、塩酸グアニジニウム(guanidinium hydrochloride)、ヨウ化カリウムおよびヨウ化ナトリウムが含まれるが、それに限定されるわけではない。当然のことながら、当業者は、本発明に使用するのに好適な塩を決定することができる。ある態様において、塩濃度は0.1 M〜5 Mであり、さらに好ましくは、0.5 M〜3 Mであり、さらに好ましくは、1 M〜2.5 Mである。有機溶媒濃度は、C1〜C5アルコール、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシドまたはアセトンを含むが、これらに限定されない1つまたは複数の有機溶媒の濃度であってもよい。有機溶媒の濃度は、ある態様において、溶液の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%もしくは70%であるようにまたはこれらの点のうち任意の2点の間に規定される割合範囲内であるように調節してもよい。一部の特定の態様において、濃度は溶液の約5%〜50%の間に、ある態様のためには20%〜50%の間に、さらに好ましくは、ある態様のためには30%〜50%の間に、本発明に好ましいある態様では約30%〜40%の間に調節してもよい。一部の特定の態様において、それは、イソチオシアン酸グアニジニウム、例えば、約0.5 M〜約3.0 Mの濃度のイソチオシアン酸グアニジニウムである。
ポリヌクレオチドは、天然、合成および/または組換えポリヌクレオチドを含むが、これらに限定されない任意の形態のポリヌクレオチドであってもよい。ポリヌクレオチドは、細菌ポリヌクレオチドまたは真核生物ポリヌクレオチドまたはウイルスポリヌクレオチドまたはウイルス成分をコードするポリヌクレオチドであってもよい。ポリヌクレオチドは、DNA重合の反応産物であってもよい。ポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNAまたは合成DNAなどのDNAであってもよい。ポリヌクレオチドはRNAであってもよい。ある態様において、本発明の方法の条件は、長さ100塩基以下のRNAなどの小型RNAの回収を可能にするように調節することができる。このような小型RNAの特定の例には、siRNAおよび/またはmiRNAが含まれる。RNAは増幅されたRNAであってもよい。
本発明のある態様は、溶液を調製する段階であると規定される段階をさらに含む。例えば、溶液を調製する段階は、RNA増幅反応、インビトロ転写反応、逆転写反応、第2鎖DNA合成反応、DNase反応および/またはPCR反応を実施する段階を含んでもよい。溶液を調製する段階は細胞を溶解する段階をも含んでもよい。さらに別のある態様において溶液を調製する段階は、溶液中のRNA、DNAまたはPNAをレポーター色素に結合する段階を含む。
本発明のある特定の態様において、本発明の方法は、RNA、DNAまたはPNAを単離または濃縮する方法とさらに規定される。例えば、これらの方法は、DNA、例えば、非限定的に、ゲノムDNAを単離または濃縮する方法に関してもよい。本発明の方法は、PCR産物を単離または濃縮する方法とさらに規定してもよい。本発明の方法は、RNAを単離または濃縮する方法、例えば、非限定的に、細胞全RNAを単離または濃縮する方法とさらに規定してもよい。本発明は、ウイルスおよび/または細菌RNAおよび/またはDNAを単離または濃縮する方法に関してもよい。本発明は、増幅RNAを単離または濃縮する方法に関するとさらに規定してもよい。本発明の方法を使用して、非標準的ヌクレオチド、すなわち、天然型から1つまたは複数の方法で修飾されたヌクレオチドを含むRNAを単離または濃縮することが可能である。
さらに、単離または濃縮前にポリヌクレオチド、例えば、RNA、DNAまたはPNAをレポーター色素に結合することが可能である。このようなRNA、DNAまたはPNAをフラグメント化し、次いでフラグメント化したRNA、DNAまたはPNAの少なくとも一部をマイクロアレイにハイブリダイゼーションすることができる。当然のことながら、ある態様において、RNA、DNAまたはPNAの少なくとも一部をマイクロアレイにハイブリダイゼーションする前にフラグメント化する必要はない。
ある態様において、本発明は、以下の段階を含む方法に関する:ポリヌクレオチドを含有する溶液から少なくとも1つのポリヌクレオチドを分離する方法であって、ポリマーを含む少なくとも1つの表面と少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する溶液を混合して混合物を作製する段階であって、表面はポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールまたはポリマーポリオールを含むとさらに規定されるが、ポリマーポリオールはセルロースでありえない、段階;少なくとも1つのポリヌクレオチドが少なくとも1つの表面に結合する濃度に、混合物の塩濃度および有機溶媒濃度を調節する段階;混合物の残りから少なくとも1つのポリヌクレオチド表面に結合したまま、少なくとも1つの修飾された表面を分離する段階;ならびに表面に溶出緩衝液を接触させ、それによって少なくとも1つの表面から少なくとも1つのポリヌクレオチドを分離する段階。好ましいある態様において、ポリマーは、ポリマーポリオール、デキストラン、多糖、溶液中のポリヌクレオチドの少なくとも10%に結合するポリマー、および/または上記に規定するように、核酸と共沈するポリマーである。本発明のこの局面の好ましい態様において、表面は微粒子などの磁性粒子上であり、表面の分離は磁石を使用して実施してもよく、または磁石を使用して実施される。さらに特定の態様において、少なくとも1つの表面に結合している少なくとも1つのポリヌクレオチドは、表面に結合している1つまたは複数の不純物を溶解するが、少なくとも1つのポリヌクレオチドを少なくとも1つの表面に結合させておく緩衝溶液で洗浄される。少なくとも1つのポリヌクレオチドは、例えば、少なくとも1つのRNAとさらに規定してもよい。本発明の方法は、よりさらに具体的には、実質的なDNA結合を可能にしないが表面へのRNA結合を可能にする選択的な結合溶液を使用する段階を含む方法において、少なくとも1つの表面に結合した少なくとも1つのRNAを結合する段階を含んでもよい。あるこのような態様において、表面に結合したRNAは選択的な洗浄溶液で洗浄することができ、選択的な結合溶液は、表面に結合したDNAフラグメントを実質的に溶解するがRNAフラグメントを実質的に表面に結合させたままにする。または、本発明の方法を実施することにより、表面から少なくとも1つのRNAフラグメントを溶出するがDNAフラグメントを実質的に表面に結合させたままにする選択的溶出溶液で、少なくとも1つの表面に結合した少なくとも1つのRNAを溶出することができる。ある態様において、少なくとも1つのポリヌクレオチドは少なくとも1つの支持体に結合したまま、1つまたは複数の酵素によって消化される。ポリヌクレオチドは本明細書において上記または下記の、および/または当業者に公知の種類のポリヌクレオチドのいずれかであってもよい。同様に、溶液は本明細書において上記または下記の、および/または当業者に公知の溶液のいずれかであってもよい。これらの方法は、本明細書に記載するポリヌクレオチドを単離または濃縮する方法とさらに規定してもよい。本発明の方法は上記の溶液を調製する段階も含んでもよく、調製する段階は細胞を溶解する段階を含んでもよい。
本発明のある態様において、ポリヌクレオチドを結合し、結合したポリヌクレオチドを洗浄する条件は、DNAを排除する際の、例えばRNAの優先的な回収を可能にするように調節することができる。汚染DNAは、逆転写PCR(商標)(RT-PCR)などの下流の反応におけるRNA分析の解釈を混乱させる可能性があるので、この能力は一部のプロトコールにおいて重要である。これに関しては、本発明は、少なくとも1つのポリマー修飾表面に結合した少なくとも1つのRNAが、ポリマー修飾表面への実質的なDNA結合を可能にしないが、ポリマー修飾表面へのRNA結合を可能にする選択的な結合溶液に含まれる態様に関する。他の特定の態様は、ポリマー修飾表面に結合したRNAを選択的洗浄溶液で洗浄する段階に関係し、選択的結合溶液は、ポリマー修飾表面に結合したDNAフラグメントを実質的に溶解するが、RNAフラグメントをポリマー修飾表面に実質的に結合させたままにする。さらに、少なくとも1つのポリマー修飾表面に結合した少なくとも1つのRNAフラグメントを、少なくとも1つのRNAフラグメントをポリマー修飾表面から溶出するが、DNAフラグメントを実質的にポリマー修飾表面に結合させておく選択的溶出溶液で溶出することができる。
本書類全体に記載されている方法は、多種多様の起源からRNAまたはDNAを精製するために使用することができる。例えば、ポリヌクレオチドは、生体試料、組織溶解液、血液試料、血液分画、インビトロ転写反応液、逆転写反応液、第2鎖DNA合成反応液、DNase反応液またはPCR反応とさらに規定される溶液に含まれてもよい。当然のことながら、このリストは完全ではない。さらに、ポリマー粒子から溶出されるポリヌクレオチドは、核酸増幅を含むが、それに限定されるわけではない数多くのその後の酵素反応に好適である。ポリヌクレオチドがポリマー微粒子に結合している間にポリヌクレオチドに生化学反応を実施することもできる。
本発明の方法は、定義によって1本鎖であるRNAおよび2本鎖DNAの両方、さらに、小型および大型核酸フラグメントを精製することができるので、本発明は、ポリヌクレオチド分離が望ましい本質的に任意の事情における適用性を有する。また、本発明は、ポリヌクレオチドを用いて実施される操作および単離の標準化を可能にする。本発明の方法は、現在使用されている方法の場合においてガラスフィルターを通過する溶液の流動を妨げる可能性のある、例えば大きい組織粒子によって制限されない容易な精製を可能にすることによって、組織溶解液からのRNAの単離を簡単にする。本発明の方法はまた、ヒト血液または血液分画からRNAを精製することができる利点も有するが、現在利用可能なシリカビーズはこのためには不適当である場合がある。本発明の方法はまた、迅速であるので、ポリヌクレオチドを単離する際に迅速なスループットを可能にし、高収率のポリヌクレオチドを実施し、作製することが低価格で、簡単であるという利点も有する。本発明の方法は、さらに、金属、汚染タンパク質または他の望ましくない生体分子およびポリヌクレオチドの分析または酵素的操作を妨害する可能性のある有機溶媒または塩などの不純物を実質的に含まないポリヌクレオチドを精製することを可能にするという利点を有する。本発明の方法は、アミノアリル、ビオチン、シアニン色素または他のレポーター化学物質で修飾されたものなどの修飾RNAの従来より効率的な精製を可能にする。このような修飾RNAは、修飾によって提供されるRNAの化学的特性の変化により、従来の方法を使用して精製することが本発明より困難であることが多い。これらの特性は、分子生物学に有用な多数の手法の適用性と合わさることにより、本発明の方法は自動化に特に好適になる。
本発明の他の局面は、ポリマーを含む1つまたは複数の表面に少なくとも1つのポリヌクレオチドを可逆的に結合する方法であって、以下の段階を含む方法に関する:表面と、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する溶液とを接触させる段階;および溶液の塩濃度および/または溶液中の非ポリエチレングリコール核酸共沈剤の濃度を調節して、表面へのポリヌクレオチドの結合を可能にする段階;ただし、ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールまたはポリマーポリオールを含むとさらに規定されるが、任意のポリマーグリコールはセルロースでありえない。例示的な非ポリエチレングリコール核酸共沈剤には:PVP、フィコールおよび/またはアラビアゴムが含まれる。
本発明はまた、本発明を実施するためのキットに関する。このようなキットは以下の1つまたは複数を含んでもよい:結合緩衝液またはその1つもしくは複数の成分および少なくとも1つのポリマー修飾表面。結合緩衝液は、上記のように、使用中に表面の表面(the surface of the surface)にポリヌクレオチドを結合するのに好適な濃度の好適な塩および好適な有機溶媒を含む。結合緩衝液はまた、ポリ(A)またはポリ(C) RNA、tRNAまたは酵母RNAなどのキャリヤー化合物も含んでもよい。ポリマー修飾表面は、さらに、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールまたはポリマーポリオールを含むとさらに規定されてもよく、ある態様においてポリマーポリオールはセルロースでない。本発明のキットは、さらに、溶出緩衝液またはその1つまたは複数の成分を含んでもよく、溶出緩衝液は、使用中に表面に結合したポリヌクレオチドを溶解することができる。キットは、さらに、洗浄緩衝液またはその1つまたは複数の成分を含んでもよく、洗浄緩衝液は表面に結合した不純物を溶解することができるが、使用中に表面に結合した選択的なポリヌクレオチドを溶解することができない。ある局面において、有機試薬の非存在下における核酸の精製が望ましい。結果として、キットは、フィコール、PVPおよび/または以下に記載する他の核酸共沈剤などの塩および非有機成分も含んでもよい。
他の態様において、キットは、使用中にRNAまたはDNAの無傷性を保持する試薬またはその1つまたは複数の成分を含んでもよい。このような試薬には、本書類全体において考察されているものが含まれるが、それに限定されるわけではない。キットはまた、採血のための真空チューブおよび/または試料処理のためのマルチウェルプレートまたはチューブなどの試料採取のための特殊化した容器も含んでもよい。キットは、PCR、RT-PCRおよび/またはRNA増幅を含む、核酸増幅に必要な試薬を含んでもよい(米国特許第5,545,522号)。このようなキットは、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、RNase H、DNaseおよび/またはRNAポリメラーゼなどの酵素ならびに適当な緩衝液および補助因子(金属イオンおよびヌクレオチド/デオキシヌクレオチドなど)を含んでもよい。本発明は、核酸増幅と併用して使用して、RNAまたはDNA重合後に反応液の他の成分からのRNAまたはDNAの分離を可能にすることができる。さらに、精製は、核酸がレポーター色素で修飾される標識反応の後が望ましいことがあり、未結合の色素と色素結合RNAまたはDNAの分離が望ましい。
キットはまた、異なる種類の表面化学物質の混合物を含んでもよい。例えば、各々がそれぞれDNAまたはRNAに結合する2つのマトリックスを組み合わせることによってより効率的なDNAまたはRNA精製が可能となりうる。または、個別にRNAに結合する粒子を、DNAに結合する粒子と組み合わせて、1つのチューブ内での全核酸の精製を可能にすることができる。
本発明のキットは、キットの使用中に、RNAだけ、DNAだけまたはRNAとDNAとを共に単離するために役立つかどうかを制御するために、エンドユーザーにより適合可能でありうる。例えば、適当な希釈技法を使用することによって、エンドユーザーは、その使用によりDNAおよびRNAの両方が単離される濃度に、またはRNA単離のために選択的であると思われる濃度に溶出または洗浄ストック溶液を希釈してもよい。
本発明の別の局面は、樹脂を含む1つまたは複数の表面に少なくとも1つのポリヌクレオチドを可逆的に結合する方法であって、以下の段階を含む方法に関する:表面と、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する溶液とを接触させる段階;および溶液の塩濃度および/または有機溶媒濃度を調節して、樹脂へのポリヌクレオチドの結合を可能にする段階。樹脂の非限定的な例には、イソシアネート、グリセロール(ジオール)、ピペリジノ-メチル、ポリDMAP、DIPAM、アミノメチル、ポリスチレンアルデヒド、トリス(2-アミノメチル)アミン、モルホリノ-メチル、BOBA、トリフェニル-ホスフィンまたはベンジルチオ-メチルが含まれる。特定の局面において、樹脂はフェニルセファロース、グリセロール(ジオール)、モルホリノ-メチル、ピペリジノ-メチルまたはポリスチレンアルデヒドである。本書類全体に考察されているこれらの樹脂および他の樹脂ならびに当技術分野において公知の樹脂は本発明に有用であると考慮される。同様に、上記および本書類全体に考察されている塩濃度、ポリヌクレオチドおよび結合型ポリヌクレオチドならびに溶液も本発明のこの局面に有用であると考慮される。
本発明のポリマーと同様に、本発明のある態様において利用性を示す樹脂の種々の機能的な特徴が存在する。樹脂が許容されるレベルで溶液中のポリヌクレオチドに結合する場合には有用である。上記および本書類全体において考察されるレベルが考慮される。例えば、このようなレベルには、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または実質的に100%の溶液中のポリヌクレオチドへの樹脂の結合が含まれる。また、ある態様において、樹脂は、溶液中の核酸と共沈する樹脂としてさらに規定されてもよい。
本発明の別の局面は、ポリヌクレオチドを含有する溶液から少なくとも1つのポリヌクレオチドを分離する方法であって、以下の段階を含む方法を提供する:樹脂を含む少なくとも1つの表面および少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する溶液を混合して混合物を作製する段階;少なくとも1つのポリヌクレオチドが少なくとも1つの表面に結合する濃度に、混合物の塩濃度および有機溶媒濃度を調節する段階;混合物の残りから少なくとも1つのポリヌクレオチド表面に結合したまま少なくとも1つの表面を分離する段階;ならびに表面に溶出緩衝液を接触させ、それによって少なくとも1つの表面から少なくとも1つのポリヌクレオチドを分離する段階。上記および本書類全体において考察される樹脂、ポリヌクレオチドおよび結合型ポリヌクレオチド、塩および対応する塩濃度ならびに溶液は、本発明のこの局面に有用であると考慮される。例えば、樹脂はイソシアネート、グリセロール(ジオール)、ピペリジノ-メチル、ポリDMAP、DIPAM、アミノメチル、ポリスチレンアルデヒド、トリス(2-アミノメチル)アミン、モルホリノ-メチル、BOBA、トリフェニル-ホスフィンまたはベンジルチオ-メチルであってもよい。
本発明のキットは以下の1つまたは複数を含んでもよい:結合緩衝液またはその1つもしくは複数の成分および少なくとも1つの樹脂修飾表面。このようなキットは、溶出緩衝液またはその1つもしくは複数の成分、洗浄緩衝液またはその1つもしくは複数の成分および/または使用中にRNAまたはDNAの無傷性を保持する試薬またはその1つもしくは複数の成分を含んでもよい。キットは、上記に考察する追加の要素も含んでもよい。上記および本書類の全体において考察される結合緩衝液、樹脂、溶出緩衝液、洗浄緩衝液、試薬および追加の要素は、本発明のこの局面に有用であると考慮される。
本明細書において考察される任意の態様は、本発明の任意の方法、キット、試薬または組成物に関して実施することができ、逆も言えることが考慮される。さらに、本発明の組成物を使用して本発明の方法を実施することができる。
特許請求の範囲および/または明細書において「含む(comprising)」という用語に関連して使用される「ある1つの("a" or "an")」という用語の使用は「1つ」を意味することができるが、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」および「1つまたは1つより多い」の意味にも一致する。
本願全体において、「約」という用語は、値を求めるために使用される装置、方法の本質的な値の変動、または検討被験者間に存在する変動を値が含むことを示すために使用される。
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物だけを示すことが明確に示されていない限りまたは代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するために使用されるが、本開示は、代替物だけ、および、「および/または」を指すという定義を支持する。
本明細書および特許請求の範囲において使用される「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの任意の形態の含む(comprising))、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの任意の形態の有する(having))、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの任意の形態の含む(including))または「含有する(containing)」(ならびに「含有する(contains)および「含有する(contain)などの任意の形態の含有する(containing))は包含的でありまたは制約がなく、列挙されていない追加の要素または方法の段階を排除しない。
本発明の他の目的、特徴および利点は以下の詳細な説明から明らかになる。しかし、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の特定の態様を示しているが、本発明の精神および範囲内の種々の変更および改良が本詳細な説明から当業者に明らかになるので、例示のためだけに提供されていることが理解されるべきである。
発明の詳細な説明
ポリヌクレオチドは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールまたはポリマーポリオールコーティング表面などの種々のポリマーおよび/または樹脂コーティング固体表面に可逆的に結合する。この結合を使用して、ポリヌクレオチドならびにタンパク質、単糖、多糖、脂質、遊離ヌクレオチドおよびRNAなどの他の生体分子を含む溶液および入手可能な細胞膜などの細胞成分からDNA、RNAおよび/またはPNAなどのポリヌクレオチドを簡便かつ迅速に分離する方法を可能にすることができる。本発明はまた、DNAを実質的に含まないRNAを精製する方法も提供する。
A. ポリマー、樹脂およびコーティング表面
RNAまたはDNAを結合し、効率的な結合を可能にするのに十分な表面積を有するポリマー修飾固体表面および/または樹脂修飾固体表面を本発明に使用することができる。微粒子、ファイバー、ビーズおよび支持体は好適な表面を含む。本発明の一部の特定の態様において、磁性微粒子を使用する。本明細書において使用する「磁性微粒子」は、磁場によって誘引される磁気的に反応性の微粒子である。本発明の方法に使用される磁性微粒子は、磁性金属酸化物コアを含み、DNA、RNAまたはPNAに結合することができる表面を形成するポリマーコートが一般に取り囲んでいる。磁性金属酸化物コアは、好ましくは、酸化鉄であり、鉄はFe2+とFe3+の混合物である。好ましいFe2+/Fe3+比は、好ましくは、2/1であるが、約0.5/1〜約4/1まで変わってもよい。
1. デキストランおよびデキストラン修飾表面
「デキストラン修飾表面」は、デキストランを含む粒子、微粒子、ビーズ、磁性ビーズ、樹脂または任意の粒状物質である。
好適なデキストランポリマーには、約1,000〜約410,000または好ましくは、約25,000〜約100,000の適切な分子量のポリマーが含まれる。デキストラン磁性微粒子の製造は、開示内容の全体が参照として本明細書に組み入れられる、米国特許第4,452,773号に記載されている。酸化鉄コア(Polysciences, Inc.,から入手可能なBioMag(登録商標)酸化鉄粒子、カタログ番号#84200-10)を含む未修飾の磁性微粒子も本発明の方法に使用することができる。
アミン、カルボキシレート、スルホネート、トリメチルアミン、エポキシドまたは他の基などの官能基でデキストラン微粒子をさらに修飾することが有利である場合がある。本明細書において使用する「官能基」という用語は、各々が、ヒドロキシル基または微粒子の表面のデキストランのヒドロキシル基に結合した化学的スペーサーに結合した遊離官能基を有する部分でコーティングされているデキストラン修飾表面を指す;結果として、微粒子の表面は、前記部分を含む官能基によりコーティングされている。官能基は、溶液中のDNA、RNAまたはPNAの生物親和性吸着因子として作用することができる。一態様において、官能基はスルホン酸である。この官能基は、低pHにおける結合を可能にして、(スルホネートがプロトン化されている場合に)結合を最大にする潜在的な利点を有するが、スルホネートのpKaよりはるかに大きいpHにおいてポリヌクレオチドを溶出することによって「荷電変更(charge-switch)」を可能にする。この荷電変更は、支持体の表面に「ハードな(hard)」負電荷を形成し、負に荷電したポリヌクレオチドを排除し、ポリヌクレオチドの回収の改善を可能にする助けとなることができる。
官能基にデキストラン微粒子の表面をコーティングさせる重要性は、一部の核酸の収率の改善が、プレーンな(plain)デキストラン支持体に対してデキストランスルホネートで観察されるという観察によって実証される。金属酸化物コアを有する利点は、磁気的な分離が本発明の実施を容易にするという観察によって例示される。Polysciences, Inc.から市販される酸化鉄コアを有する微粒子(カタログ番号#84200-10)は、本明細書に記載するように、本発明の方法においてRNAに結合しなかった。
磁性微粒子を使用する場合には、その粒子は、規則的または不規則的であってもよい種々の形状であってもよい;好ましくは、形状は微粒子の表面積を最大にする。磁性微粒子は、例えば、ろ過または磁気的分離による溶液からの分離が困難でないサイズであるべきである。また、磁性微粒子は、表面積が最小になるほどまたはミクロスケールの操作に好適でないほど大きくないことが必要である。好適なサイズは約0.1ミクロン平均径〜約100ミクロン平均径の範囲である。好ましいサイズは約0.25〜1.0ミクロン平均径である。
好適な磁性微粒子は市販品されている。例えば、以下に提供する実施例において、デキストランを含む多数の形態の化学的に別個の磁性ビーズは、ポリヌクレオチドに結合して精製することが示された。これらには、1)Nanomag(登録商標) Dextran(ND);2)Nanomag(登録商標) Dextran-SO3H(ND-SO3H);3)BioMag(登録商標) Dextran-Coated Charcoal;および4)BioMag(登録商標)Plus Dextranが含まれた。各々、以下のさらなる化学的および物理的仕様によって規定される。特注のデキストランコーティングビーズは、Polysciences, Inc.に委託され、核酸精製の同等に有用な支持体であった。これらのデキストラン粒子の一部は以下にさらに詳細に記載されている。しかし、本発明は、いかなる意味においても、これらの特定の粒子に限定されない。
Nanomag(登録商標)Dextran(Plain)(「ND」とも呼ばれる)は、製品番号:09-00-252および製品名:Nanomag(登録商標)-DとしてMicomodによって供給される。Nanomag(登録商標)Dextran(Plain)は、平面を有し、サイズ250 nm、固形分25 mg/ml、多分散指数(polydispersity index):<0.2、クラスター型形状であり、密度4.0 g/ccm、磁化43 emu/g粒子(H=1000 Oe)および飽和磁化:>67 emu/g粒子(H>10.000 Oe)である。Nanomag(登録商標)Dextran(Plain)は、pH>4の緩衝水溶液中で安定であるが、有機溶媒またはpH<4の酸性溶液中で安定でない。本品は、7.5*10E11粒子/mlおよび3.1*10E10粒子/mgの水性懸濁液の形態で提供される。製品は4℃において少なくとも6ヶ月保存することができる。ある例において、最初に製品を836×gで20分間遠心分離して、磁性反応性の最も小さい粒子を除去し、0.05%アジ化ナトリウムを保存剤として添加する。この方法で処理される場合には、粒子は、典型的には、10 mg/mlの濃度で供給される。
Nanomag(登録商標)Dextran-SO3Hは、製品番号:09-09-252および製品名:Nanomag(登録商標)-D(SO3H)としてMicromodによって供給される。本品はSO3H表面を有し、サイズ250 nm、固形分25 mg/ml、多分散指数:<0.2、クラスター型形状、密度4.0 g/ccm、磁化43 emu/g粒子(H=1000 Oe)および飽和磁化:>67 emu/g粒子(H>10.000 Oe)である。本品は、pH>4の緩衝水溶液中で安定であるが、有機溶媒またはpH<4の酸性溶液中で安定でない。本品は、3.0*10E11粒子/mlおよび3.1*10E10粒子/mgの水性懸濁液の形態で提供される。製品は4℃において少なくとも6ヶ月保存することができる。
BioMag(登録商標)Dextran-Coated Charcoalは、カタログ番号84510EでPolysciences, Inc.によって供給される。BioMag Dextran-Coated Charcoalは、Norit活性炭およびデキストランに共有結合しているサイズ約1μmのBioMag粒子の懸濁液である。懸濁液は、保存剤として0.1%アジ化ナトリウムを添加した蒸留水に入れた形態で供給される。BioMag Dextran-Coated Charcoalの各ロットは、粒子スラリー1mLあたり合計5 mgのBioMagおよびデキストランコーティングチャコールを含む。
BioMag(登録商標)Plus Dextranは、特注合成品としてPolysciencesによって供給される。この粒子は、Dextran-40(Amersham)が結合しているサイズ約0.5〜1μmのBioMag粒子の懸濁液である。懸濁液は、50 mg/mlの濃度で蒸留水に入れた形態で供給される。
当然のことながら、当業者は、本明細書の開示内容および本明細書に開示されているプロトコールを使用して、過度の実験を行わないで、任意の数のデキストラン組成物を入手し、本発明における好適性について試験することができる。
2. ポリエチレングリコールおよびポリエチレングリコール修飾表面
本発明のある態様においてポリエチレングリコール(PEG)およびPEG修飾表面を使用してポリヌクレオチドを精製する。「PEG修飾表面」は、PEGを含む、粒子、微粒子、ビーズ、磁性ビーズ、樹脂または任意の粒状物質である。
PEGは、乳化剤、可塑剤および繊維潤滑剤を製造するために使用される水溶性有機物である。PEGはまた、モノクローナル抗体作製のためのハイブリドーマを作製するための膜融合因子としておよび一部の酵素反応の効率を改善することができる増量剤(bulking agent)としても使用される。PEGは、エチレングリコールモノマーのポリマー形態であり、(CH2O)n(式中、nは任意の多数の反復であってよい)の式を有する。例えば、nは10〜100,000であってもよい。本発明のある態様は、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1,000、1,250、1,500、1,750、2,000、2,500、3,000、3,500、4,000、4,500、5,000、5,500、6,000、6,500、7,000、7,500、8,000、8,500、9,000、9,500、10,000、11,000、12,000、12,500、15,000、16,000、17,000、17,500、18,000、19,000、20,000、25,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000またはそれより大きいn、またはこれらの任意の点の間の任意の整数であるn、またはこれらの点の任意の2点の間で誘導可能な任意の範囲内であるnを有するPEGを使用する。
多数の形態のPEGが市販品されている。例えば、Sigmaは、PEG-200、PEG-300、PEG-400、PEG-600、PEG-1000、PEG-1300〜1600、PEG-1450、PEG-3000〜3700、PEG-3500、PEG-6000、PEG-8000およびPEG-17500を販売している。さらに、当業者は追加の形態のPEGを入手することができる。
PEGを含む好適な磁性微粒子は市販品されている。例えばNanomag(登録商標)PEG-300(Plain)は、製品番号:09-54-252および製品名:Nanomag(登録商標)-DとしてMicromodによって供給される。本品は、PEG-300表面を有し、サイズ250 nm、固形分10 mg/ml、多分散指数:<0.2、クラスター型形状、密度4.0 g/ccm、磁化43 emu/g粒子(H=1000 Oe)および飽和磁化:>67 emu/g粒子(H>10.000 Oe)である。本品は、pH>4の緩衝水溶液において安定であるが、有機溶媒またはpH<4の酸性溶液中で安定でない。本品は、1 mlあたり3.0*10E11粒子および1 mgあたり3.1*10E10粒子の水性懸濁液の形態で提供される。製品は4℃において少なくとも6ヶ月保存することができる。
当然のことながら、当業者は、本明細書の開示内容および本明細書に開示されているプロトコールを使用して、過度の実験を行わないで、任意の数のPEG組成物を入手し、本発明における好適性について試験することができる。
3. ポリビニルピロリドンおよびポリビニルピロリドン修飾表面
本発明のある態様においてポリビニルピロリドン(PVP)およびPVP修飾表面は、ポリヌクレオチドを精製するために使用される。「PVP修飾表面」は、PVPを含む粒子、微粒子、ビーズ、磁性ビーズ、樹脂または任意の粒状物質である。
PVPは、デンハルト(Denhardt)液などの核酸ハイブリドーマ液に使用され、一部の核酸抽出プロトコール、特に植物からの核酸の単離を助けるプロトコールに含まれる。PVPは、フェノール類およびアルカロイドと複合体を形成し、種々の分子生物学的適用に先立って試料を調製する際にこれらの望ましくない夾雑物を除去するために使用することができる。PVPはn-ビニルピロリドンモノマーから製造され、化学物質供給業者から種々の分子量が容易に入手可能である。例えば、Sigmaは、10K、40K、360K分子量PVP製剤(Sigma)および多数の他の製品を販売している。
当然のことながら、当業者は、本明細書の開示内容および本明細書に開示されているプロトコールを使用して、過度の実験を行わないで、任意の数のPVP組成物を入手し、本発明における好適性について試験することができる。
4. 多糖および多糖修飾表面
本発明のある態様において多糖および多糖修飾表面は、ポリヌクレオチドを精製するために使用される。「多糖修飾表面」は、多糖を含む粒子、微粒子、ビーズ、磁性ビーズ、樹脂または任意の粒状物質である。
多糖は、反復する糖モチーフに基づいている。このクラスの化合物はポリオールとしても公知である。これらには、デキストラン、フィコール、グリコーゲン、アラビアゴム、キサンタンガム、カラゲナン(carageenan)、アミロース、寒天、アミロペクチン、キシラン、β-グルカンおよび多数の他のものが含まれる。グリコーゲンまたはデキストランなどのポリマー多糖は、核酸沈殿反応に使用して、これとの共沈により微量の核酸の回収を改善する。有効な核酸共沈剤である任意のポリマーポリオールは、固相支持体に結合すると、RNAまたはDNAの精製に利用性を有する。
当然のことながら、当業者は、本明細書の開示内容および本明細書に開示されているプロトコールを使用して、過度の実験を行わないで、任意の数の多糖組成物を入手し、本発明における好適性について試験することができる。
5. 化学的樹脂および化学的樹脂修飾表面
本発明のある態様において、化学的樹脂および化学的樹脂修飾表面をポリヌクレオチドを精製するために使用することができる。このような樹脂には、イソシアネート、グリセロール、ピペリジノ-メチル、ポリDMAP(ポリマー結合ジメチル4-アミノピリジン)、DIPAM(ジイソプロピルアミノメチル)、アミノメチル、ポリスチレンアルデヒド、トリス(2-アミノメチル)アミン、モルホリノ-メチル、BOBA(3-ベンジルオキシベンズアルデヒド)、トリフェニル-ホスフィンまたはベンジルチオ-メチルが含まれるが、それに限定されるわけではない。「樹脂修飾表面」は、上記の樹脂を含む粒子、微粒子、ビーズ、磁性ビーズ、樹脂または任意の粒状物質である。
当然のことながら、当業者は、本明細書の開示内容および本明細書に開示されているプロトコールを使用して、過度の実験を行わないで、任意の数のデキストラン組成物を入手し、本発明における好適性について試験することができる。
B. ポリヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを含有する溶液
「ポリヌクレオチド」は、DNA、RNA、またはPNAなどの合成DNAアナログであってもよい(Nielsen et al., 1991)。
「ポリヌクレオチドを含有する溶液」は、DNA、RNAおよび/またはPNAを含有する溶液などの任意の水溶液であってよい。このような溶液は、他の生体分子、無機化合物および有機化合物などの他の成分も含有してもよい。溶液は、増幅手法の反応生成物であるDNAまたはRNAを含有してもよい。溶液は生体試料から誘導してもよい。本明細書において使用する「生体試料」は、生体物質、すなわち組織の細胞、血液、唾液、リンパ液、乳汁、粘液、尿、糞便、精液等などの生体液の細胞、または培養中の増殖された細胞に由来する溶液である。標的核酸は、生体試料内に含まれるウイルス粒子のDNAまたはRNAであってもよい。溶液はまた組織溶解液であってもよい。本明細書において使用する「溶解液」はポリヌクレオチドを含有し、細胞膜が破壊されており、その結果含有されるポリヌクレオチドを含む細胞の内容物が溶液中に存在する、細胞を含有する溶液である。
溶液は血液または血漿もしくは血清などの血液分画であってもよい。磁性微粒子を組み合わせた溶液中のポリヌクレオチドはRNA、DNAおよび/またはPNAであってよい。また、ポリヌクレオチドは同種(すなわち、同じヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチド)であってもよい。または、ポリヌクレオチドは異種(すなわち、異なるヌクレオチド配列のポリヌクレオチド)であってもよい。
C. ポリヌクレオチドを含有する溶液からのポリヌクレオチドの分離
以下は、RNAおよびDNAで例示されているポリヌクレオチドに関連する本発明の説明である。本発明は、同様の方法でのPNAの分離にも有用であることが理解されるべきである。
上記のように、官能基コーティング表面(例えば、スルホン酸基コーティング表面)であるかまたはそれを有するポリマー修飾磁性微粒子へのポリヌクレオチドの結合は、磁性粒子の表面にポリヌクレオチドを可逆的に結合するのに各々好適な濃度に塩濃度および有機溶媒濃度を調節する段階を含む。好適な塩には、イソチオシアン酸グアニジニウム(GITC)、塩酸グアニジニウム、塩化ナトリウム(NaCl)、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)、塩化リチウム(LiCl)、塩化バリウム (BaCl2)、カリウム(KCl)、塩化カルシウム(CaCl2)、塩化マグネシウム(MgCl2)および塩化セシウム(CeCl)を挙げることができる。一般的に、GITCが使用される。尿素およびチオ尿素などの他の溶質を組み合わせてもよい。好適な有機溶媒には、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、アセトンまたはジメチルスルホキシドを挙げることができる。好ましい溶媒はエタノール、プロパノール(イソプロパノール)およびジメチルスルホキシドである。十分量の塩および十分な濃度の有機溶媒を、磁性微粒子およびポリヌクレオチドの組み合わせを含有する溶液と組み合わせて、約0.5 M〜約2.0 Mの最終塩濃度および約20%〜約50%の最終有機溶媒濃度を形成する。2者の適当な濃度において、ポリヌクレオチドはデキストラン微粒子の表面に結合する。磁性微粒子へのポリヌクレオチドの結合は迅速であり、それは、一般に2分以内に完了する。
磁性微粒子を過剰に使用する場合には、低塩溶液への溶出によるRNAの収率は、典型的には、100%に近づく。
一態様において、ポリヌクレオチドが結合している磁性微粒子は、溶出緩衝液による洗浄によってポリマー微粒子からポリヌクレオチドを分離する前に、好適な洗浄緩衝液で洗浄される。好適な洗浄緩衝液はいくつかの特徴を有し、2つ以上の種類の洗浄緩衝液を使用してもよい。第一に、洗浄緩衝液は、磁性微粒子に結合しているポリヌクレオチドが微粒子から溶出しないで、微粒子に結合した状態であるように、十分に高い塩濃度および/または有機溶媒濃度を有する必要がある。好適な塩濃度は、好ましくは、20〜50%有機溶媒の存在下において、約0.5 M〜5.0 Mであり、好ましくは、約2 Mである。洗浄液は、約50%超、好ましくは、約80%超の濃度の、塩を含有しない有機溶媒を含んでもよい。第二に、緩衝液は、ポリヌクレオチドまたは微粒子に結合している不純物が溶解されるように選択される。これが生ずる可能性は、組成が異なる2つの洗浄液を使用することによって増加される。緩衝液のpHおよび溶質組成および濃度は、存在することが予想される不純物の種類の応じて変更してもよい。磁性微粒子は、不純物を望ましく除去するのに必要とされるだけ洗浄してもよい。しかし、洗浄の回数は、好ましくは、結合しているポリヌクレオチドおよび/または粒子自体の収率の損失を最小にするために2または3回に制限される。微粒子を過剰に使用する場合には、洗浄緩衝液による洗浄および溶出緩衝液による溶出後のRNAの収率は典型的には80%以上である。
温度は、本発明のDNAまたはRNAを分離する方法において重要であるとは考えられない。周囲温度が好ましいが、水の氷点以上および水の沸点以下の任意の温度を使用することができる。
高イオン強度および少なくとも33%のイソプロパノールにおいて全てのサイズのポリヌクレオチドフラグメントが磁性微粒子に結合する。高イオン強度は0.5 Mより大きい塩濃度をいう。しかし、DNAまたはRNAの小型フラグメントは、低いイオン強度、例えば、約0.5 M塩濃度以下および少なくとも33%のイソプロパノールにおいて大きいDNAフラグメントより低い親和性で結合する。
本発明のさらに別の態様は、好ましい使用方法を使用する場合に、磁性微粒子は酵素を溶出しないという発見に基づいている(実施例12および15)。磁性微粒子は酵素の機能も阻害しない(実施例27)。従って、例えば、生化学的修飾を生じさせる条件下において結合ポリヌクレオチドを生化学的に修飾することができる酵素に結合ポリヌクレオチドを暴露することによって、磁性微粒子に結合したDNAに生化学反応を実施することが可能である。好ましくは、生化学反応は精製後の結合ポリヌクレオチド(例えば、溶解液またはPCR(商標)などの生化学反応が実施された溶液から分離された、微粒子に結合しているRNAまたはDNA)に実施される。精製後の結合ポリヌクレオチドは、好適な洗浄緩衝液で洗浄してもよい。残存する塩はある種の酵素の活性を阻害することがあるので、高イオン強度塩溶液による洗浄の次に、低いイオン強度溶液による洗浄を実施することが好ましい。この溶液のイオン強度は、残存する十分量の塩が除去されて酵素の阻害を防止する程度に低い必要があるが、結合ポリヌクレオチドの実質的な損失が生じるほど低くしないことが必要である。ある場合において、結合ポリヌクレオチドは溶出されて効率的な酵素-基質相互作用を可能にすることがあり、残存ポリヌクレオチドは、酵素反応が完了したら容易に再結合されうる。特定の一例は、酵素DNaseを使用して、ポリマー微粒子に結合することができるDNAをRNAと共に溶液から除去するDNAの消化である。
本発明の一態様は、RNAを含有する溶液からRNAを分離する方法に関する。これは、表面にポリマーがコーティングされている磁性微粒子などの固体表面にRNAを可逆的に結合する第1の段階を含む。この方法では、磁性微粒子を、RNAを含有する溶液と合わせ、その後、得られた組み合わせの塩濃度および有機溶媒濃度を、RNAを微粒子の表面に結合するのに好適な濃度に調節する。一態様において、十分量の塩および有機溶媒を、磁性微粒子結合RNAを含有する溶液に添加し、約0.5 M〜5.0 Mの塩の最終濃度および約20%〜約50%のエタノール、イソプロパノール、アセトンまたはジメチルスルホキシド(DMSO)の最終濃度を生ずる。結果として、RNAはポリマー磁性微粒子の表面に結合される。その後、得られた組み合わせ中の磁性微粒子を上清から分離する。RNAが結合している磁性微粒子を任意に好適な洗浄緩衝液で洗浄してから、好適な溶出緩衝液と接触させて、磁性微粒子からRNAを溶出し、分離する。最終段階において、ポリマー磁性粒子を、溶液にポリヌクレオチドを含有する溶出緩衝液から分離する。磁性微粒子は、例えば、ろ過または磁場を適用して微粒子を引き寄せることによって溶出緩衝液から分離される。
D. キット
性質が磁性であってもよいポリマー修飾および/または樹脂修飾固体表面にポリヌクレオチドを結合することによって、ポリヌクレオチドを含有する溶液からDNA、RNAおよびPNAなどのポリヌクレオチドを分離するために必要な試薬の一部または全てを含むキットも本明細書において提供される。これらのキットは、修飾表面を有する非磁性または磁性微粒子および結合緩衝液を含むことが多い。結合緩衝液は、通常、磁性微粒子の表面にDNAを結合するのに好適な濃度で共に存在する好適な塩および好適な有機溶媒を含む。または、有機溶媒は含まれない場合があるが、ユーザーが適宜それを提供することが期待される。
一態様において、本発明のキットは、ポリマーまたは樹脂微粒子に結合したRNAまたはDNAなどのポリヌクレオチドを溶解することができる溶出緩衝液をさらに含む。このような溶出緩衝液は、典型的には、低イオン強度溶液であり、好ましくは、イオン強度100 mM以下または50 mM以下であり、最も好ましくは、15 mM以下である。このような溶出緩衝液は、水、0.1 mM EDTA、ならびに/または1〜10 mM Tris(pH 7〜9)および0.1〜1 mM EDTAの組み合わせを含んでもよい。溶出緩衝液は、GOOD緩衝液、HEPES、またはpHを約7〜約9に維持することができる任意の他の緩衝液などの任意の他の緩衝液も含んでもよい。他の例示的な溶出緩衝液は、pHを約4〜7に維持することができるクエン酸ナトリウムなどの緩衝液を含んでもよい。または、結合緩衝液および/または溶出緩衝液の代わりに、キットは、既知の量の水を添加して、望ましい濃度の結合および/または溶出緩衝液を作製することができる、結合および/または溶出緩衝液を作製するための試薬を含んでもよい。加えて、キットは、溶液からの磁性微粒子の分離を可能にする磁石装置を含んでもよい。
ある態様において、キットは、微粒子に結合した不純物を溶解するが、微粒子に結合したポリヌクレオチドを溶出しない洗浄緩衝液をさらに含む。本発明に関して、「洗浄緩衝液」は、標的核酸の結合を保持することが期待されるが、使用中にタンパク質、DNAまたは塩などの望ましくない夾雑物を除去する任意の溶液である。好ましい洗浄緩衝液は30〜100%エタノール、イソプロパノールまたはDMSOを含む。最も好ましい洗浄緩衝液は70〜90%エタノールである。溶出液への塩の持ち込み(carryover)は下流の反応を潜在的に阻害する可能性があるので、洗浄緩衝液の主要な特徴は、高塩濃度を使用しないで、核酸結合を実質的に維持する方法で洗浄することができることである。または、洗浄緩衝液の代わりに、キットは、既知の量の水を添加して望ましい濃度の洗浄緩衝液を作製することができる、洗浄緩衝液を作製する試薬を含んでもよい。
さらに別の態様において、キットは、無傷の組織から溶解液を作製するために必要な試薬を含む。RNAが本発明を使用して精製される予定である場合には、このような試薬は、組織構造を破壊すること、および細胞内容物を可溶化することの双方が可能であり、ならびに他の場合にはRNAの無傷性を脅かす可能性のある細胞RNase活性を制御する、GITCおよび/または界面活性剤を含んでもよい。これに関しては、以下に開示されているヌクレアーゼ阻害剤のいずれかである:(i)2004年2月25日提出のLathamらによる、「Nuclease Inhibitors for Use In Biological Applications」の名称の米国仮出願;および(ii)1999年9月24日提出の米国仮出願第60/155,874号の恩典を主張する、現在では米国特許第6,664,379号である2000年9月25日提出の出願第09/669,301号の継続出願である、2003年9月30日提出の同時係属中の米国出願第10,675,860号の一部継続出願である、2004年2月25日提出のLanthamらによる、名称「Improved Nuclease Inhibitor Cocktail」の米国正式出願。上記の出願の各々の全体の内容は、放棄することなく参照として具体的に本明細書に組み入れられる。
さらに別の態様において、キットは、RNAまたはDNAを保存するおよび/または血液もしくは血液分画(血漿、血清および/または白血球細胞)、唾液、リンパ液、乳汁、唾液、粘液、尿、糞便または精液などの生体液からRNAまたはDNAを抽出するために必要な試薬を含む。RNAは宿主または細菌の全RNAまたはポリ(A)末端(poly(A)-tailed)RNAまたはウイルスRNAであってよい。DNAは宿主または細菌の全DNAまたはウイルスDNAであってよい。細菌RNAもしくはDNAの単離またはウイルスRNAもしくはDNAの単離は、以下の疾患に寄与する遺伝的要素を含んでもよい:ヒト免疫不全症候群、ヘルペス、肝炎、インフルエンザ、単核球症、肺炎、ヒト生殖器パピローマウイルス感染症、癌、手足口病(Foot and Mouth disease)、豚水疱病、小反芻動物病、ランピースキン(Lumpy skin)病、ブルータング(Bluetongue)、アフリカウマ病、豚コレラ、ニューカッスル病、水疱性口内炎、牛疫、牛肺疫、リフトバレー(Rift Valley)熱、羊痘および山羊痘、アフリカ豚コレラ、オウム病、鶏伝染性気管支炎、鶏伝染性喉頭気管炎、鶏マイコプラズマ症(M.ガリセプチカム(M. gallisepticum))、鶏結核病、アヒルウイルス腸炎、アヒルウイルス肝炎、家禽コレラ、家禽ジフテリア、家禽チフス、伝染性滑液嚢病(ガンボロ(Gumboro)病)、マレック(Marek)病、ひな白痢、牛アナプラズマ病、牛バベシア症、牛ブルセラ症、牛嚢尾虫症、牛生殖器カンピロバクター感染症、牛結核病、牛ウイルス性下痢、デルマトフィルス症、牛流行性白血病、出血性敗血症、牛伝染性鼻気管炎/伝染性膿疱性外陰膣炎、悪性カタル熱、高病原性鳥インフルエンザ、西ナイルウイルス病、鳥白血病、豚コレラ、ウマ伝染性子宮炎、媾疫、伝染性リンパ管炎、ウマ脳脊髄炎、(東部および西部)、ウマ伝染性貧血、ウマインフルエンザ、ウマピロプラズマ病、ウマ鼻肺炎、ウマウイルス性動脈炎、鼻疽、ウマ疥癬、ウマポックス、日本脳炎、スーラ(Surra)病(トリパノソーマ・エバンシ(Trypanosoma evansi))、ベネズエラウマ脳脊髄炎、リーシュマニア症(Leishmaniosis)、脾脱疽、オーエスキー(Aujeszky)病、エキノコックス症/包虫症、心水病、レプトスピラ症、新大陸スクリューワーム(コクリオミア・ホミニボラックス(Cochliomyia hominivorax))、旧大陸スクリューワーム(クリソミア・ベジアナ(Chrysomya bezziana))、パラ結核病、Q熱、狂犬病、旋毛虫症、重症急性呼吸器症候群(SARS)。
さらに別の態様において、キットは、PCR、RT-PCRおよび/またはRNA増幅を含む核酸増幅に必要な試薬を含む(米国特許第5,545,522号)。このようなキットは、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、RNase H、DNaseおよび/またはRNAポリメラーゼなどの酵素、ならびに適当な緩衝液および補因子(金属イオンおよびヌクレオチド/デオキシヌクレオチドなど)を含んでもよい。本発明は核酸増幅と併用して使用して、RNAまたはDNA重合後の反応液において他の成分からのRNAまたはDNAの分離を可能にすることができる。加えて、核酸がレポーター色素で修飾される標識反応の後の精製が望ましく、未結合の色素と色素結合RNAまたはDNAの分離が望ましい。
本発明による例示的なRNA増幅キットは以下の成分の1つ、複数または全てを含んでもよい:逆転写酵素、第1鎖緩衝液、dNTPミックス、RNase阻害剤タンパク質、T7オリゴ(dT)プライマー、RNase H、第2ラウンドプライマー、対照RNA、第2鎖緩衝液、DNAポリメラーゼ、cDNA結合磁性ビーズ、cDNA洗浄緩衝液、増幅RNA(aRNA)結合緩衝液、aRNA結合ビーズ(デキストラン)、ビーズ再懸濁溶液、aRNA洗浄液、RNAフラグメント化試薬、T7 RNAポリメラーゼミックス、T7 RNAポリメラーゼ緩衝液、溶出溶液およびヌクレアーゼフリー水。これらのキットは、さらに特殊化された態様のための、例えば、非限定的に以下の1つまたは複数のような、種々の他の成分を含んでもよい:アミノアリルヌクレオチド(AA-UTPなど)、ビオチン化ヌクレオチド(ビオチンUTPなど)、Cy修飾ヌクレオチド、遊離Cy色素および/またはDNase/DNase緩衝液。さらに、cDNAおよびaRNA両方の精製のためにデキストラン磁性ビーズを使用することができるが、cDNAまたはaRNAどちらかを分離するために種々の別の磁性ビーズおよび/または別の分離方法のいずれかを使用することができる。当然のことながら、一部のキットは、他の起源から必要とされるキット内に含まれない成分を得て反応を実施することを希望して、これらの成分のサブセットだけを含んでもよい。さらに、所定のキットは、1回または複数回の反応を実施するのに十分量の、1つまたは複数の成分を含んでもよい。
本発明は、種々の起源から全RNAを単離するためのキットを考慮した。本発明により細胞または組織からRNAを単離するための全RNA単離キットは、以下の成分の1つ、複数または全てを含んでもよい:溶解/結合液、RNA結合ビーズ(例えば、デキストランコーティングビーズ)、ビーズ再懸濁液、洗浄液、溶出液、DNase I緩衝液、ヌクレアーゼフリー水、処理プレートおよび/または処理プレート蓋。典型的には、血漿、血清、乳汁等からウイルスRNAを単離するためのウイルスRNA単離キットは以下の成分の1つ、いくつかまたは全てを含んでもよい:ウイルスRNA溶解/結合液、キャリヤーRNA、RNA結合ビーズ、ビーズ再懸濁液、1つまたは複数の洗浄液、ヌクレアーゼフリー水、処理プレートおよび/または処理プレート蓋。当然のことながら、一部のキットは、他の起源から必要とされるキット内に含まれない成分を得て反応を実施することを希望して、これらの成分のサブセットだけを含んでもよい。さらに、所定のキットは、1回または複数回の反応を実施するのに十分量の1つまたは複数の成分を含んでもよい。
キットは、異なる種類の表面化学の混合物を含んでもよい。例えば、各々がそれぞれDNAまたはRNAに結合する2つのマトリックスを組み合わせることによって、さらに効率的なDNAまたはRNA精製が可能になりうる。または、個別にRNAに結合する粒子を、DNAに結合する粒子と合わせて、1つのチューブでの全核酸の精製を可能にすることができる。
本発明は、ここで、いかなる意味においても非限定的な以下の実施例によって例示される。
実施例
以下の実施例は、本発明の好ましい態様を実証するために含まれる。以下の実施例に開示する開示内容は、本発明を実施する際に十分に機能するために本発明者らによって発見された開示内容を提供しており、従って本発明を実施するための好ましい形態を構成すると考えることができることが当業者に理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示を考慮して、本発明の精神および範囲から逸脱しないで、多数の変更を開示されている具体的な態様に加えることができ、類似または同様の結果を得ることができることを理解している。
実施例1
デキストラン磁性ビーズを使用して希釈液から精製したRNAの収率および無傷性
デキストラン粒子がRNAに結合し、溶出する能力を実証する研究において、50μlの0.5×イソチオシアン酸グアニジニウム(GITC)溶解液(Ambion)および50μlの100%エタノール(従って、エタノールの最終濃度は50%)を含有する96ウェルプレートのウェル内の250ugの磁性ビーズに合計10 ugのRNA(ラット腎臓全RNA、Ambion)を添加した。溶液を室温(23℃)において2〜3分インキュベーションし、次いで従来の磁石(Magnetic Stand-96、Ambion)にプレートを接触させることによって粒子を側面に引き付けてから結合緩衝液を除去した。結合RNAは、25μlのRNaseフリー水(Ambion)に直接溶出された。NanoDrop分光光度計を使用してRNA収率を吸光度によって定量した。RNAの無傷性は、RNA Labchipでの分離後に2100 BioAnalyzer(Agilent)分析ソフトウェアを使用して評価した。注入RNAは28S/18S比が〜1.0であった。表1に示すように、注入RNAの92%が回収された(25μlの溶液は、それぞれ、365および366 ng/μlを含有する)。さらに、溶出後のRNAの完全性は注入物質と等価であった。従って、無傷RNAは、デキストランビーズを使用して希釈溶液から効率的に回収することができる。
(表1)デキストラン含有粒子上での精製後のRNAの収率および無傷性
Figure 0005014980
実施例2
デキストラン磁性ビーズのRNA結合能力
デキストラン粒子について、それらの質量の大きい割合がRNAに結合することを実証するために、結合能力測定を実施した。最初に、40μlの1% Nanomag Dextranまたは100μlの2.5% Nanomag Dextran-SO3Hビーズを1 mlの水または0.5×GITC溶解緩衝液(Ambion)で3回事前洗浄した。最後の洗浄後、ビーズの最終濃度が1%となるように、ビーズを0.5×GITC溶解緩衝液(Ambion)のいずれかの洗浄液に再懸濁させた。次に、5μlの1%ビーズスラリー(50μg)を、0.5×GITC溶解緩衝液(Ambion)、50%エタノールおよび10μgのRNA(ラット腎臓全RNA、Ambion)を含有する100 ul溶液に添加した。試料を室温において2〜3分インキュベーションし、磁性粒子を従来の磁石(Magnetic Stand-96、Ambion)でペレット化した。次いで、残存する結合緩衝液を、ピペットチップの小さい開口部で吸引することによって注意深く除去した。RNAを50μlのRNaseフリー水(Ambion)に溶出した。表2に示すように、注入した10μgの全RNAの6.7〜7.1μg(67〜71%)がデキストランビーズから溶出された。従って、Nanomag DextranおよびNanomag Dextran-SO3Hビーズは、それら質量の少なくとも20%がRNAに結合することができる。水または溶解緩衝液におけるビーズの事前洗浄は、RNAの回収効率に測定できるほどの影響を与えなかった。デキストラン粒子の質量より大きい質量のRNAを効率的に精製することができることを本発明者らはさらに実証した(実施例28)。
(表2)デキストラン磁性ビーズのRNA結合能力
Figure 0005014980
実施例3
デキストランを使用するゲノムDNAの精製
DNAはRNAと同様、本明細書に記載するものなどのデキストラン粒子を使用して精製することができる。2本鎖DNA(dsDNA)の結合および溶出を評価するために、以下の研究を実施した。合計5μlの1% NDまたはND-SO3Hビーズを、100μlのGITC溶解液(Ambion)、100 ulの66%または100%エタノールまたはイソプロパノール、および500 ngのλゲノムDNAと合わせた。DNAをビーズに結合後、従来の磁石(Magnetic Stand-96、Ambion)で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、80%エタノール、100 mM NaCl、4.5 mM EDTAおよび10 mM Tris(pH 7.5)を含有する200 ulの溶液でビーズペレットを2回洗浄した。dsDNAを、70℃に事前に加熱しておいた8μlの10 mM Tris(pH 8.0)、1 mM EDTAで溶出し、1%アガロースゲルで分離した。PicoGreen(Molecular Probes)で染色することによってDNAを可視化し、STORM Phosphorimager 860(Molecular Devices)でスキャンすることによって蛍光強度を測定した。図1に示すように、注入したDNAの約25%を、NDおよびND-SO3Hビーズを使用して単離することができた。
実施例4
デキストラン粒子を使用するdsDNA PCR(商標)産物の精製
ゲノムDNAはデキストランビーズを使用して単離することができるが、試験した条件下における効率はわずか25%であった。より小型のdsDNAフラグメントを大きい効率で回収することができるかどうかを判定するために、830 bp PCR(商標)フラグメントをα32P-ATPでボディーラベルして、デキストラン磁性粒子への結合およびデキストラン磁性粒子からの溶出のためのレポーターを提供した。DNAclear(商標)(Ambion)を使用してDNAを精製した。次いで、このPCR(商標)産物の合計10 ngを、5μlの1% ND、ND-SO3H、Charcoal DextranまたはSicistar-Mビーズ(Micromod社販売の磁性シリカビーズ、カタログ番号#39-00-153)に添加した。DNAは、以下を含有する300μlに結合させた:i)2M GITC、50 mM TrisCl(pH 8.0)、22%イソプロパノール(G2);ii)2M GITC、50 mM TrisCl(pH 8.0)、33%イソプロパノール(G3);またはiii)1.7 M GITC、43 mM TrisCl(pH 8.0)、44%イソプロパノール(G4)。試料を23℃において2〜3分インキュベーションし、Magnetic Stand-96(Ambion)を使用してビーズをペレット化し、上清を除去した。次に、粒子をグアニジニウム溶解緩衝液(200μl)で1回、80%エタノール(200μl)を含有する溶液で2回洗浄した。最後に、10 mM TrisCl(pH 8.0)および1 mM EDTAを含有する18μlの高温の溶液(70℃に事前加熱)でDNAを溶出した。残存ビーズおよび溶出液の試料をろ紙にスポットし、STORM PhosphorImagerで放射能強度を定量した。図2に示すように、注入したdsDNAの50〜60%を、NDおよびND-SO3H磁性ビーズを使用して回収することができたが、磁性シリカビーズでは最大〜40%しか回収できなかった。従って、デキストランビーズは、これらの条件下ではシリカ粒子より優れていることが証明された。
実施例5
2本鎖DNAはデキストランコーティングBioMag(登録商標) Plus磁性ビーズを使用して効率的に精製することができる
デキストランコーティング粒子を製造するための異なる方法を使用してDNA精製を評価するために、BioMag(登録商標) Plus磁性ビーズプラットホームを使用して特注のデキストランビーズをPolysciences, Inc.が製造した。この粒子を使用して2本鎖DNAの精製を評価し、Micromod社製造の2つのロットのND磁性ビーズおよびAgencourt Bioscience Corporation社製の別のDNA結合磁性ビーズ(AMPure(登録商標))と比較した。
100 ngの注入DNA(100 bpラダー、NEB)を使用して三連の反応を実施した。合計100 ugのビーズ(NDまたはBioMag(登録商標) Plus)を、2.1 M GITC中の、100 ng DNA(100〜1517 bp)、0.21%N-ラウリルサルコシン、42 mMクエン酸ナトリウムおよび42%イソプロパノールと合わせた。2〜3分結合後、従来の磁石(Magnetic Stand-96、Ambion)を使用して磁性ビーズを分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、100 ulの80%エタノール、10 mM KCl、2 mM Tris(pH 7.0)、0.2 mM EDTAで2回洗浄した。結合dsDNAを20 ulヌクレアーゼフリー水で溶出した。溶出液をT10E1で40倍希釈し、次いで供給業者のプロトコールによりPicogreen(Molecular Probes)を使用してアッセイした。表3に示すように、デキストランBioMag(登録商標)Plusは、NDビーズのDNA収率の2倍を回収し、AMPure(登録商標)試薬よりわずかに多く回収した。従って、デキストランBioMag(登録商標) Plus表面は、DNA精製を必要とする任意の適用に有用性を有することが期待される。
(表3)デキストランBioMag(登録商標) Plus粒子は、両方のNanomag(登録商標)-Dプレーン粒子より2倍多く回収する。値は三連の反応の平均である。
Figure 0005014980
実施例6
全RNAは、デキストランコーティングBioMag(登録商標) Plus磁性粒子を使用して効率的に精製することができる
デキストランBioMag(登録商標) Plus磁性ビーズもRNA精製アッセイにおいて評価して、これらの粒子を使用するRNA回収がNDビーズと同じくらい効率的であるかどうかを判定した。3 ugの全RNA(マウス肝臓、Ambion)を使用して三連の反応を実施した。2.1 M GITC、0.21% N-ラウリルサルコシン、42 mMクエン酸ナトリウムおよび42%イソプロパノール中でRNAと100 ugのデキストランコーティング粒子を合わせることによってRNA結合を開始した。2〜3分間結合後、従来の磁石(Magnetic Stand-96、Ambion)を使用して磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを100 ulの80%エタノール、10 mM KCl、2 mM Tris(pH 7.0)、0.2 mM EDTAで2回洗浄した。結合dsDNAを20 ulの溶出液(20 ul 1 mM KCl、0.2 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0))で溶出した。溶出液は、NanoDrop分光光度計を使用してA260によってRNA含量について直接アッセイした。表4に示すように、デキストランBioMag(登録商標) Plusは、NDビーズと同様に多くのRNAを回収した。従って、デキストランBioMag(登録商標) Plus粒子は、ND粒子と同様に、RNA精製を必要とする任意の適用に有用性を有することが期待される。
(表4)Nanomag(登録商標)-DプレーンおよびデキストランBioMag(登録商標) Plusは共に溶液から全RNAを効率的に精製した。値は三連の反応の平均である。
Figure 0005014980
ND1およびND2は、Nanomagデキストラン磁性ビーズの2つの異なる製造ロットを表す。
実施例7
全RNAは、ガラスフィルターを使用して得られるものより大きい回収率でデキストランコーティングBioMag(登録商標) Plus磁性粒子を使用して固定された組織から効率的に精製することができる
本発明が固定された組織に機能することができることを実証するために、マウス肝臓を犠牲にした動物から切開し、氷上の10倍容量の10%中性緩衝ホルマリンに入れて4℃において6ヶ月置いた。合計1 gの固定肝臓組織を以下のエタノール(EtOH)処理を通じて推移させた:氷上30% EtOH 10分;氷上40% EtOH 10分;氷上50% EtOH 10分;氷上60% EtOH 10分;氷上70% EtOH 10分;氷上80% EtOH 10分;氷上90% EtOH 10分;および氷上100% EtOH 4℃において終夜。次いで、組織をEtOHから取り出し、乾燥し、5 mLのプロテイナーゼK消化緩衝液(3% SDS、50 mM クエン酸Na、pH 7.5の200 mM Tris-HCl)に入れた。試料をホモジナイズし、15 mLのプロテイナーゼK消化緩衝液および10 mgプロテイナーゼKを添加した。溶解液を50℃において4時間インキュベーションした。合計50 uL(2.5 mgの組織に等価)を取り出して、ガラスファイバーフィルター法(mirVana miRNA単離キット(Ambionカタログ番号#1560))またはデキストラン磁性ビーズ法(MagMAX全RNA単離キット(Ambionカタログ番号#1830))を使用してRNAを抽出した。
驚くべき結果として、デキストラン磁性ビーズプロトコールは、A260および定量的RT-PCRによって定量したとき、ガラスフィルタープロトコールより5倍より多い量のRNAを回収した。結果として、デキストラン修飾磁性粒子は、ガラスファイバーフィルターを使用する従来の方法で可能なものより多い量のRNAを固定組織から獲得する予想外の能力を実証した。
実施例8
デキストラン磁性ビーズ精製後のdsDNAのサイズ分画
フラグメントサイズによるDNA精製効率を求めるための研究を実施した。一連のPCRフラグメント(122、226、830および1500 bp)をα32P-ATPでボディーラベルし、プールした(各サイズ2.75〜16.7 ng)。次いで、このプールを、17 mM TricCl pH 8.0、33%イソプロパノール、および1.7 M GITCまたは1.7 M NaClのいずれかを含有する300 ulの溶液中の100 ug NDビーズに添加した。ビーズにDNAを結合後、従来の磁石(Magnetic Stand-96、Ambion)を用いて磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200 ulの溶液で2回洗浄した。dsDNAを、事前に70℃に加熱しておいた20μlの10 mM Tris(pH 8.0)で溶出した。合成10 ulの試料を5%ポリアクリルアミドゲルにロードした。STORM PhosphorImagerを使用して、回収された放射性フラグメントの強度を定量した。表5に示すように、dsDNAは最高70%の効率で精製することができるが、長さ100 ntのフラグメントの回収率は低かった。サイズ100 bp未満のDNAの回収の「カットオフ」が望ましいが、それは、望ましくないオリゴデオキシヌクレオチドが精製中に損失することを意味するからである。
(表5)デキストラン表面によるDNAのサイズ分画。各サイズdsDNAの回収率を示す
Figure 0005014980
実施例9
デキストラン表面を使用して、溶液から汚染DNAプライマーを除去することができる
合計100 ugのNDプレーンビーズを、オリゴ(dT)およびT7プロモーター配列(長さ53塩基)を含む100 ugのオリゴデオキシヌクレオチドと合わせ、5'末端を32Pで標識した微量の同じオリゴヌクレオチドを添加した。これらの試薬を、17 mM TrisHCl pH 8.0、33%イソプロパノール、および1.7 M GITCまたは1.7 M NaClのいずれかの溶液中で混合した。23℃において2〜3分インキュベーション後、従来の磁石(Magetic Stand-96、Ambion)で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200 ulの溶液で2回洗浄した。依然として結合している任意のDNAを、事前に70℃に加熱した20μlの10 mM Tris(pH 8.0)で溶出した。表6に示すように、注入したT7オリゴ(dT)プライマーは4%未満しか回収されず、デキストランビーズは、cDNA合成段階由来の望ましくないプライマーを持ち込まないで、cDNAなどの長いDNAを効果的に精製することができることを示している。さらに、>100 bpのDNAフラグメントは存在しなかったので、この研究は極端な例を示している。このような長いDNAは、精製を必要とする典型的な酵素反応に存在すると思われ、結合性の低いプライマーを打ち負かし、さらにプライマーの持ち込み量を低下することが期待される。
(表6)デキストラン磁性ビーズは小さいDNAフラグメントを回収しない
Figure 0005014980
実施例10
磁気的に最も反応性の粒子についてデキストランビーズ集団を濃縮して、アッセイする方法
Micromod社供給の公称250 nmのND粒子は、典型的には、粒子サイズ分布が50 nM未満〜500 nm超である。RNA精製中(33%イソプロパノールおよび1.7 M NaCl中での結合、次に80% ETOH洗浄および70CでのdH2Oにおける溶出)、これらの粒子は>80%のRNA収率を実現するが、溶出液は、溶出ペレットからの一部のビーズの損失を反映する茶色みがかった色がつく。強い彩度は、例えば、100 ugのビーズを使用して>50 ugのRNAを精製した場合には、RNA試料の高い濃縮率を明らかにしている。ペレットから溶出液へのビーズの「ドリフト(drift)」は、RNA結合段階の塩としてNaClではなくGITCを使用した場合に特に顕著であった。磁石スタンドで>1時間インキュベーションさせると溶出液中の残存ビーズは堆積し、単純な遠心分離段階において溶液から迅速に除去することができる。浮揚性が最も大きい粒子、おそらく最も小さい粒子、は、磁石にあまり引き寄せられないことをこれらの所見は示している。この問題を解決するためには、溶出液に残存する色の量を定量するアッセイが必要とされた。40 ulの容量においてデキストランビーズの連続希釈液を作製し、NanoDrop分光光度計のUV-Visスキャンを使用してスキャンした。380 nmの吸光度は、3 logの範囲にわたってビーズ濃度との強い線形の相関を示した(r>0.99)。濃度の関数としてのA380吸光度データを表7に示す。結果として、この分光光度アッセイを使用して、溶出液中の残存ビーズの濃度をモニターすることができる。
(表7)残存デキストラン磁性ビーズを測定するためのアッセイ:A380とデキストラン粒子濃度との間に線形の関係がある
Figure 0005014980
このアッセイを使用して、遠心分離濃縮段階を実施する場合および実施しない場合のNDビーズロットの溶出の質(A380シグナルによって反映される)を比較した(表8)。試料を836xgで20分遠心分離し、ペレットを保持した。この段階で注入したND粒子の約60%が除去された。遠心分離によって濃縮したロットは、磁気的に濃縮したビーズロットおよび濃縮しないビーズロットより溶出の質の4倍の改善を示した。平均粒子サイズおよび多分散性が溶出の透明さに最も影響することが認識された。
(表8)遠心分離濃縮段階はデキストラン磁性ビーズからの溶出液の透明さを改善し、溶出された試料中の残存ビーズ蓄積を最小にする
Figure 0005014980
実施例11
核酸をデキストラン粒子に結合するための別の塩
GITCおよびNaCl以外の数多くの塩が、NDビーズを使用するDNAまたはRNAの効率的な精製を可能にすると思われると本発明者らは仮定した。従って、ある範囲の塩および塩濃度ならびにアルコール分画を調査して、100 ngのDNA(100 bpラダー、NEBカタログ番号#N3231S)の注入量ならびに標準的な洗浄および溶出条件を使用して別の結合条件を特定した。表9に示すように、0.6 M Na2SO3および1.7 M NaNO3が実質的にNaClと同様に効果的であった。KCl、CsCl、KSCN、KOAcおよびNaOAcなどの他の塩は、1.7 M NaClの最良の条件と比較したとき、注入したDNAの半分より大きい回収率を可能にした。また、DNA精製は、33%イソプロパノールおよび1.66 M NaClにおいて最適であった。
(表9)グアニジニウムおよび塩化ナトリウム以外の塩を、デキストラン粒子を用いてDNAを精製するために使用することができる。
Figure 0005014980
実施例12
デキストラン表面による精製後に残存するRNase AおよびDNase Iの測定
任意のRNA精製支持体の重要な特徴は、RNAの無傷性を損なうと思われるヌクレアーゼを排除してRNAを単離することができるということである。従って、以下の研究を実施した。25 U wt DNase I(Ambion)または0.00125 U RNase A(Ambion)を1.58 M NaCl、16.67 mM Tris/33%イソプロパノールまたは6 M GITC、16.67 mM Tris/33%イソプロパノールと混合した。合計1 ugのマウス肝臓全RNA(Ambion)を添加し、50 ugのNDビーズを提供した。23Cにおいて2〜3分インキュベーションした後、従来の磁石で磁性粒子を分離し、上清を除去した。ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200 ulの溶液で2回洗浄した。結合種を、70℃に事前に加熱しておいたヌクレアーゼフリー水で溶出した。製造業者の使用説明書により、残存ヌクレアーゼ活性量をDNaseAlert(商標)またはRNaseAlert(商標)(Ambion)によって測定した。合計5 ulの溶出液を、DNaseAlert(登録商標)基質を含有する95 ulの1×DNase I緩衝液またはRNaseAlert(商標)基質を含有する95 ul 1×RNaseAlert(商標)緩衝液に添加した。両アッセイは検出限界が<0.5%残存ヌクレアーゼである。GITCまたはNaClを結合塩として使用するかどうかにかかわらず、精製中のDNase IおよびRNase Iの除去は本質的に定量的であった(表10)。従って、記載した条件下において、デキストランビーズは、ヌクレアーゼなどの有意な量のタンパク質を共精製(co-purifying)しないでRNAまたはDNAを選択的に精製する。
(表10)デキストラン磁性粒子による核酸精製後のヌクレアーゼ除去効率
Figure 0005014980
実施例13
デキストラン磁性ビーズを使用するヒト血漿からのRNAの精製
デキストランビーズがライフサイエンス適用のための有用性を有するためには、汚染タンパク質、炭水化物、脂質等を含まない希釈率の高い溶液ではなく、比較的粗い生体試料から、この表面がRNAを単離することができることを実証することが重要である。従って、以下の研究を実施した。67μlの100%ヒト血漿または10%ヒト血漿(水で希釈)を含有する溶液を、67μlの修飾グアニジニウム溶解緩衝液(6M GITC、50 mM TrisCl(pH 8.0)および10 mM EDTA)および67μlの100%イソプロパノールと合わせた。溶液を混合した後、2μgのRNA(ラット腎臓全RNA、Ambion)を添加した。合計5μlの5%デキストランビーズ(Nanomag Dextran、Nanomag Dextran-SO3HまたはCharcoal Dextran)を添加し、試料を23℃において2〜3分インキュベーションした。Magnetic Stand-96(Ambion)を使用してビーズをペレット化し、水溶液を除去した。次いで、デキストラン粒子をグアニジニウム溶解緩衝液で1回洗浄し、80%エタノール、10 mM KCl、2 mM Tris(pH 7.0)、0.2 mM EDTAを含有する溶液で2回洗浄した。RNAを25μlの溶出緩衝液(1 mM Tris(pH 7.0)、5 mM KCN、0.1 mM EDTA)で溶出した。表11は、(ヒト血漿中の全タンパク質は〜50 mg/mlであると仮定するとき)例えば全タンパク質のバックグラウンドはRNAのそれより100〜1000倍大きかったが、注入したRNAはこの「現実世界の」生体試料から効率的に回収されうることを明らかにしている。重要なことに、シリカ系磁性粒子は、ごく少量のRNAしか単離することができなかったので、この適用において無効であった。さらに、異なる2社製造の2種のかなり異なる種類のデキストランビーズは、この適用において効果的であることを証明しており、従ってRNAを精製する際のデキストラン表面の一般的な有用性を伝えている。
(表11)ヒト血漿を含有する試料からのRNAの回収
Figure 0005014980
実施例14
RT-PCRにおいてデキストランビーズから精製したRNAの機能性
実施例13においてデキストランビーズから溶出したRNAがRT-PCRに適格であることを確実にするために、ラットEGF mRNAに対するプライマー/TaqManプローブセットをデザインした。2 ulの溶出したRNAから2μlの1:1000希釈までわたる連続希釈セットをリアルタイムRT-PCRにおいて試験して、RNAの機能性を評価した。供給業者の使用説明書によりMessageSensor RTキット(Ambion)を使用し、ワンステッププロトコールを使用してRNAをアッセイした。比較のために、注入したラット腎臓RNAの10倍希釈液(160 ng〜160 pg)もアッセイした。試料は全てRT-PCRにおいて容易に検出され、連続希釈液の傾斜は、サイクル閾値(Ct)対理論的な注入RNA質量のプロットにおいて-3.1〜-3.9の範囲であった(図3)。これらの傾斜は、理想に近いPCR(商標)増幅効率を示す。一般に、デキストランビーズから溶出される試料は、精製されていない対応する(ストックの)RNA対照より〜2 Ct低かった。しかし、このアッセイにおいて特徴付けられる試料は、対照に存在するRNA質量の65〜75%を含有した。結果として、対照と検討試料間の感度の実際の差は〜1.5 Ctであり、リアルタイムRT-PCRにおける試料間の変動は、典型的には、少なくとも0.5〜1.0 Ctである。さらに、10%血漿から精製したRNAと100%血漿から精製したRNA間の感度には有意義な差はなかった(後者は「未精製度が大きい」試料である)。従って、RNAは血漿から効率的に精製することができること、さらに、このRNAはRT-PCRにおいて容易に増幅して、全RNA分子集団からランダムに選択された転写標的の定量を可能にすることをこれらのデータは実証している。
実施例15
汚染RNaseはデキストラン磁性粒子から溶出されない
67μlの100%ヒト血漿を含有する溶液を、67μlの修飾グアニジニウム溶解緩衝液(6M GITC、50 mM TrisCl(pH 8.0)および10 mM EDTA)および67μlの100%イソプロパノールと合わせた。溶液を混合後、2μgのRNA(ラット腎臓全RNA、Ambion)を添加した。合計5μlの5%デキストランビーズ(Nanomag Dextran、Nanomag Dextran-SO3HまたはCharcoal Dextran)を添加し、試料を23℃において2〜3分インキュベーションした。Magnetic Stand-96(Ambion)を使用してビーズをペレット化し、水溶液を除去した。次いで、デキストラン粒子をグアニジニウム溶解緩衝液で1回洗浄し、80%エタノール、10 mM KCl、2 mM Tris(pH 7.0)、0.2 mM EDTAを含有する溶液で2回洗浄した。RNAを25μlの溶出緩衝液(1 mM Tris(pH 7.0)、5 mM KCl、0.1 mM EDTA)で溶出した。次いで、この溶出液の1μlを、RNase活性を報告するために設計された極めて感度の高い放射性同位体アッセイにおいて試験した。このアッセイは、RNA基質のインビトロにおける転写によって合成された放射性RNAを使用する。放射性RNAは、T7 MAXIscript(商標)転写キット(AMbion)を使用して合成された。インビトロにおける転写反応混合物は、例えば、1.0μgの線状化DNA鋳型、2μlの10×転写緩衝液、0.02μlのUTP[α-32P](800 Ci/mmol)、2μlの各10 mMリボヌクレオチドおよび2μlのT7 RNAポリメラーゼミックスを含有してもよく、最終容量を20μlにする。反応液を37℃において30分インキュベーションする。転写物はフェノール:クロロホルム抽出によって精製し、RNase不活性化アッセイに直接使用した(2.2×105カウント/分(プローブの比放射能の概算)/2.3 ng RNA)。
合計1μlのRNAプローブを試験試料と共に、最終容量10μlにおいて37℃で2時間インキュベーションした。インキュベーション後、RNAを変性6 M尿素5%アクリルアミドゲルにおいて分画化した。次いで、ゲルをX線フィルムに露出した。比較目的のために、未処理のRNAも試験試料と共に対照として分画化した。検出可能なRNase活性を含有しない試験試料は、未処理の対照RNAと同じ単一のバンドを生じた。RNase活性は、RNA強度の減少によって、および無傷RNAの下方でのスメアの出現によって示される。1μlの溶出RNA試料をこの放射性同位体アッセイにおいて評価したとき、オートラジオグラフ上には有意なRNAの分解は観察されなかった。このアッセイの検出限界は数フェムトグラムのRNase Aの程度であるので、これらの結果は、ビーズはRNAと共にいかなる有意義な量のRNase Aをも精製しないことを実証している。
実施例16
デキストランおよびPEGビーズを使用してヒト血漿からRNAを精製することができる
デキストラン(ND)、デキストランスルホネート(NDS)またはPEGで修飾した磁性ビーズを使用して、種々の試料マトリックスからの異なるサイズのRNA転写物の回収を評価した。最初に、ヒト血漿(50μl)を100μlの溶解/結合溶液(2.5 M GITC、0.25% N-ラウリルサルコシン、50 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)、50%イソプロパノール)と混合して、血漿試料に存在するヌクレアーゼを不活性化した。次いで、合計200 ngの各RNA転写物を各試料に添加した。それぞれの磁性ビーズ(100 ug)各々も添加した。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、1.7 M GITC、0.17% N-ラウリルサルコシン、33 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)、33%イソプロパノールを含有する溶液で2回、次いで10 mM KCl、2 mM TrisCl(pH 7.0)および80%エタノールで2回連続して洗浄した。RNAを1 mM KCl、0.2 mMクエン酸ナトリウムで溶出した。溶出液を1%変性アガロースゲルで分析し、臭化エチジウムで染色した(図4)。デキストラン、デキストランスルホネートまたはPEGでコーティングされた表面を使用して、100 b程度の小さいRNAおよび9 kb程度の大きいRNAを精製することができることを、データは明らかにした。
実施例17
デキストラン表面は、種々の複雑な生体試料種からRNAを精製する
広域的な有用性のためには、デキストラン磁性粒子は、多数の異なる試料種からRNAを精製する際に有用でなければならない。試料マトリックス(50μlの水、ブレインハートインフュージョン(BHI)培地、ウイルス輸送培地(VTM)、口腔および鼻腔スワブ、乳汁または血清)を100μlの溶解/結合液(2.5 M GITC、0.25%N-ラウリルサルコシン、50 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)、50%イソプロパノール)と合わせた;乳汁はヌクレアーゼフリーH20で50%に希釈した。次いで、RNA転写物(各250 ngの100〜9000 nt)を全ての試料培地に添加した。次いで、ND磁性粒子(100 ug)を添加した。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石で磁性粒子を分離し、上清を除去した。ビーズペレットを、1.7 M GITC、0.17%N-ラウリルサルコシン、33 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)、33%イソプロパノールを含有する溶液で2回、次いでさらに10 mM KCl、2 mM TrisCl(pH 7.0)および80%エタノールで2回連続して洗浄した。RNAを1 mM KCl、0.2 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)で溶出した。RNAを1%変性アガロースゲルで分析し、SYBRゴールドで染色した。図5は、種々のサイズの高品質の無傷のRNAが異なる試料マトリックスから効率的かつ効果的に回収されたことを例示している。
実施例18
デキストラン粒子は、水およびヒト血漿試料からRNAを精製して、2〜3転写物コピー程度の少数のRT-PCR検出を可能にする
公知の真核生物または原核生物における同定がない「エイリアン」対照RNAの20〜1,000,000コピーを、溶解/結合溶液(2.5 M GITC、0.25% N-ラウリルサルコシン、50 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)、50%イソプロパノール)中の水またはヒト血漿の混合物に添加した。別に、全ての試料あたり同じコピー数(50コピー/μL)のアーマード(armored)EV(エンテロウイルス)RNA(Ambion)を溶解/結合溶液中の水またはヒト血漿の組み合わせに添加した。回収率を最大にするために、キャリヤーRNA(2 ugのポリ(A) RNA)も含めた。合計100 ugのNDビーズを精製支持体として添加した。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石を用いて磁性粒子を分離し、上清を除去した。ビーズペレットを、1.7 M GITC、0.17%N-ラウリルサルコシン、33 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)、33%イソプロパノールを含有する溶液で2回、次いでさらに10 mM KCl、2 mM TrisCl(pH 7.0)および80%エタノールでさらに2回洗浄した。RNAを、1 mM KCl、0.2 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)で溶出した。回収したキャリヤーRNAを260 nmの吸光度によって測定し、アーマードEV RNAおよびエイリアン対照RNAを、25μLのqRT-PCT反応において、3μLの溶出RNAを使用するqRT-PCRによって検出した。キャリヤーRNAの回収率は60〜80%であった。従って、このプロトコールにより、水または血漿においてRNA転写物の高感度検出が可能になる:20コピー程度の少数のRNA注入量を、400μLの水または血漿において測定することができた(または実際のRT-PCRチューブにおいては2.4コピーの注入量)(表12)。
(表12)デキストラン粒子は水およびヒト血漿から低コピーRNAを精製して、高感度RT-PCRを可能にする
Figure 0005014980
実施例19
デキストラン磁性粒子によるウイルスRNA単離は、現在の最良の方法と比較したとき、優れたRT-PCR感度を提供する
臨床気管(TR)および排泄腔スワブ(CL)試料の外来性ニューカッスル病ウイルス(END)を、デキストラン磁性ビーズプロトコール(実施例17に示す)または現在NVSL認証されているフィルターに基づく方法である競合他社のプロトコールを使用して単離した。各試料の10倍少ない試料容量をデキストラン磁性ビーズプロトコールに使用した;示すデータは、注入した試料容量については正規化されていない。表13に示すように、qRT-PCRによって得られた低Ct値によって実証されるように、デキストラン磁性粒子を使用すると、多量のウイルスRNAが試料から検出された。
(表13)デキストラン磁性ビーズは、確立されている方法より感度の高いウイルスRNA単離プロトコールを可能にする
Figure 0005014980
実施例20
培養細胞からの全RNA単離におけるデキストランビーズの有用性:注入した細胞数を変化させたときの直線的なRNA回収
注入数を変化させた4つの細胞種からの全RNA単離のために3つのロットのNDビーズを使用した。使用した4つの細胞系統はHela、K562、A549およびJurkatであった;細胞注入数は各々500,000、200,000、100,000、1,000であった。データの要約中の「K」は「1000」を示す。8単位のDNase I(2 U/μl)を16μlのDNase I緩衝液(37℃において10分間事前加温しておいた)に添加し、その後全RNAに添加した。それ以外は、標準的なプロトコールに従った(実施例18参照)。ヒトTATA結合タンパク質(hTBP)に特異的なプライマーおよびプローブを使用したqRT-PCRによって直線的なRNA回収が確認された(表14)。デキストランビーズの異なる製造ロット間でRNA回収の有意な差は観察されなかった。「RT+」は、逆転写酵素をqRT-PCRに添加したことを示すが、「RT-」は、逆転写酵素を添加しなかったことを示す。「RT-」反応の増幅は残存するゲノムDNA汚染によって生じ、典型的にはこの転写標的のRNA量より1000倍少ない。デキストラン磁性ビーズを使用して抽出したRNAはRT-PCR注入量の直線範囲にわたって反応性であり、再現性よく定量されることをデータは明らかに実証している。
(表14)hTBP RT-PCRのRT-PCR検出は、デキストラン磁性ビーズ精製による種々の培養細胞系統からの直線的なRNA回収を明らかにしている
Figure 0005014980
Figure 0005014980
Figure 0005014980
Figure 0005014980
Figure 0005014980
実施例21
デキストラン磁性ビーズを使用した生物組織からのRNAの精製
デキストランビーズが組織から全RNAを精製することができるかどうかを判定するために、以下の研究を実施した。3匹のマウスの脾臓(急速冷凍、Pel-Freez)をGITC溶解緩衝液(RNAqueousキット、Ambion)中でホモジナイズして、溶解液(108 mg/ml)を作製した。100 ulの溶解液(10.8 mg組織に等価)を、33% EtOHまたは33%イソプロパノール中の200 ulの0.5×GITC溶解液および5μlの5%デキストランビーズ溶液中と合わせることによって、この溶解液の内因性RNAを磁性粒子に結合した。試料を23℃において2〜3分インキュベーションした。次いで、Magnetic Stand-96(Ambion)を使用してビーズをペレット化し、水溶液を除去した。次に、デキストラン粒子をグアニジニウム溶解緩衝液(200μl)で1回、80%エタノールを含有する溶液(200μl)で2回洗浄した。10 mM TrisCl(pH 8.0)および1 mM EDTAを含有する30μlの溶液でRNAを溶出した。表15に示すように、Nanomag DextranおよびNanomag Dextran SO3Hビーズは、脾臓組織のRNAの高収率での回収を可能にした。比較として、Charcoal Dextranは、Nanomagビーズを使用して単離したRNAの10〜15%しか回収しなかった。重要なことに、デキストランビーズの各々によって精製したRNAは無傷性が高かった(図6)。また、デキストラン微粒子で単離したRNAの電気泳動プロファイルは、33%イソプロパノールを使用する場合には、ゲノムDNAを回収することができるが、33%エタノールを使用する場合には、該DNAは実質的に存在しないことを明らかにしている。従って、デキストランビーズを精製支持体として使用する場合には、結合液中の有機成分の性質は、DNAを排除したRNAの回収、または全核酸の回収を調節することができる。
(表15)デキストランビーズを使用するマウス脾臓組織からのRNA収率
Figure 0005014980
実施例22
PEGコーティング磁性粒子によるRNAの精製
PEG300をコーティングした磁性粒子(250 nm)はMicromod(ドイツ)から入手可能である。これらの粒子を使用したRNA精製を以下の実験において評価した:MessageAmp II(Ambion)で増幅した32 ugの未修飾RNAを50 ugのNanomag PEGまたはND粒子と合わせた。結合条件は、33%イソプロパノール存在下において、1.7 M NaCl、1.7 M GITCまたは1.45 M NaCl/尿素のいずれかを含んだ。全ての精製反応は96ウェルポリスチレンプレートにおいて実施した。成分を添加、混合し、室温において10分インキュベーションした。次いで、プレートを96ウェル磁性プレートに15分置き、ビーズをペレット化させた。上清を除去し、試料を80%エタノールで2回洗浄し、RNAを70CにおいてdH2Oで溶出した。精製したaRNA試料の濃度をNanoDrop分光光度計で測定した。表16に示すように、Nanomag PEGビーズは、全ての条件においてNDビーズと同様に多くのRNAを回収した。この知見は、RNA精製のためのPEGコーティング磁性粒子の有用性を実証している。
(表16)PEG磁性ビーズは増幅RNAを効率的に精製する
Figure 0005014980
実施例23
デキストランビーズはcDNAを効率的に精製して、高収率の増幅RNAを可能にする
合計1 ugのHeLa-S3全RNA(Ambionカタログ番号#7852)を、製造業者の使用説明書によりAmbion社のMessageAmp IIキットを使用して二連の反応において増幅した。追加の二連のセットの反応において、ガラスフィルターカラムを用いるcDNA精製段階をND粒子を使用する磁性ビーズ精製と代えたことを除いて製造業者のプロトコールを観察した。17 mM TrisCl pH 8.0、33%イソプロパノールおよび1.7 M NaCl中でcDNA(100 ul)を100 ugのNDビーズに結合させた。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石(Magetic Stand-96、Ambion)で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200 ulの溶液で2回洗浄し、結合cDNAを20μlのヌクレアーゼフリー水で溶出した。全ての反応についてインビトロ転写を4時間実施した。表17に示すように、cDNAクリーンアップのレベルにおいて、NDビーズでガラスフィルター精製段階を置換したことにより、対照の90 ug aRNAと比較して、80 ugのaRNAを生じた。得られたaRNAの平均長は、〜1308 nt対〜1238 ntと、実際、よりわずかに長かった。従って、NDビーズはcDNAを精製する際に非常に効果的で、効率的なRNA増幅を可能にし、(全RNAの3%をmRNAと仮定すると)2660倍の増幅が単一のラウンドにおいて達成され得る。さらに、増幅RNAの広範囲の提示の目標を損なう可能性のある、DNA長の亜集団における選択的な損失はなかった。
(表17)デキストラン表面を使用してRNA増幅中にcDNAを精製することができる
Figure 0005014980
実施例24
デキストランビーズは、ヌクレオチドまたはシアニン色素による望ましくない汚染を生じないで核酸を精製する
合計100 ugのNDプレーンビーズを、Ambion社のMEGAscript転写緩衝液中で、7.5 mMのATP、GTP、CTP、TTT、または1.88 mM ビオチン-UTP、または3.75 mMアミノアリル-UTPまたは80%単一パックのCy5色素(CyScribe(商標)Cy6反応色素、Amersham)と合わせた。これらの試薬を、17 mM TrisCl pH8.0、33%イソプロパノールおよび1.6 M NaClの溶液中で混合した。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石(Magnetic Stand-96、Ambion)で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200 ulの溶液で2回洗浄した。依然として結合している任意のヌクレオチドを、70℃に事前に加熱しておいた20μlのヌクレアーゼフリー水で溶出した。残存ヌクレオチドの割合(%)を、NanoDrop分光光度計を使用してA260吸光度の値および各ヌクレオチド種の適切な吸光係数によって測定した。表18に示すように、任意のヌクレオチドは4%未満が回収され、デキストランビーズはヌクレオチドに対する親和性がほとんどないことを示しており、この種は精製中に>100 b RNAから効率的に分離することができる。この所見は、残存する修飾ヌクレオチドがマイクロアレイからのバックグラウンドシグナルを上昇することがある、aRNAの精製に適用されるので、重要である。さらに、>100 b のRNAフラグメントは存在しなかったので、この研究は極端な例を示す。これらのより長いRNAは、精製を必要とする典型的な酵素反応に存在すると思われ、結合力の弱いプライマーよりも優勢で、プライマー持ち込み量をさらに低下することが期待されるであろう。
(表18)デキストラン磁性ビーズを用いる核酸精製後には未修飾および修飾ヌクレオチドならびにCy5蛍光色素は回収されない
Figure 0005014980
実施例25
PEGコーティング表面は、汚染ヌクレオチドを生じないでRNA精製を可能にする
合計100 ugのPEG磁性ビーズを、Ambion社のMEGAscript転写緩衝液中で、(各々)7.5 mMのATP、GTP、CTP、TTP、または1.88 mM ビオチン-UTP(Enzo)、または3.75 mMアミノアリル-UTP(Ambion)または80%単一パックのCy5色素(CyScribe(商標)Cy5反応色素、Amersham)と合わせた。これらの試薬を、17 mM TrisCl pH8.0、33%イソプロパノールおよび1.6 M NaClの溶液中で混合した。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石(Magetic Stand-96、Ambion)で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200 ulの溶液で2回洗浄した。依然として結合している任意のヌクレオチドを、70℃に事前に加熱しておいた40μlのヌクレアーゼフリー水で溶出した。残存ヌクレオチドの割合を、NanoDrop分光光度計を使用してA260吸光度の値および各ヌクレオチド種の適当な吸光係数によって測定した。表19に示すように、任意のヌクレオチドは3%未満が回収され、PEGビーズはヌクレオチドに対する親和性がほとんどないことを示しており、この種は精製中に>100 b RNAから効率的に分離することができる。この知見は、残存する修飾ヌクレオチドがマイクロアレイからのバックグラウンドシグナルを上昇することがある、aRNAの精製に適用されるので、重要である。さらに、>100 b のRNAフラグメントは存在しなかったので、この研究は極端な例を示す。これらのより長いRNAは、精製を必要とする典型的な酵素反応に存在すると思われ、結合力の弱いプライマーよりも優勢で、プライマー持ち込み量をさらに低下することが期待されるであろう。
(表19)PEG磁性ビーズを用いる核酸精製後には未修飾および修飾ヌクレオチドは回収されない
Figure 0005014980
実施例26
デキストランビーズは、RNA増幅手法においてcDNAおよび標識した増幅RNAを効率的に精製する
合計500 ngのHeLa-S3全RNA(Ambion)を、製造業者の使用説明書によりAmbion社のMessageAmp IIキットを使用して二連の反応において増幅した。追加の二連のセットの反応において、ガラスフィルターカラムの代わりにND磁性ビーズを使用することによって製造業者のプロトコールを変更し、cDNA(第2鎖cDNA合成段階の後)およびaRNA(インビトロ転写段階の後)の両方を精製した。17 mM TrisCl pH 8.0、33%イソプロパノール、および1.7 M NaCl中でcDNA(100 ul)を100 ugのNDビーズに結合させた。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200 ulの溶液で2回洗浄し、結合cDNAを20μlのヌクレアーゼフリー水で溶出した。
aRNA(40 ul)をヌクレアーゼフリー水で100 ulに希釈し、NDビーズを用いるcDNA精製について記載したものと同じ方法で処理した。全てのインビトロ転写反応(4時間インキュベーション)のヌクレオチドプールにビオチン-UTP/ビオチン-CTPまたはアミノアリル-UTPを混合して、マイクロアレイ分析を実施する予定の典型的なRNA増幅反応を模倣した。
表20に示すように、cDNAおよびaRNAクリーンアップの両方のレベルにおいて、NDビーズへガラスフィルター精製段階を置換すると、ガラスフィルター試料のaRNA収率の74〜79%を生じた。得られた標識aRNAの平均長さはほぼ同じか、またはよりわずかに長かった。従って、NDビーズは、完全なRNA増幅反応に関連するcDNAおよび標識aRNAを精製する際に非常に効果的である。さらに、増幅RNAの広範囲の提示の目標を損なう可能性のある、DNA長の亜集団における選択的な損失はなかった。
(表20)デキストラン表面は、RNA増幅中にcDNAおよび修飾aRNAを精製する
Figure 0005014980
下線付きの値は異常データである。
実施例27
デキストラン粒子はインビトロ転写の合理化された手法に適合性である
同一のデキストランビーズを使用して、RNA増幅手法においてcDNAおよびaRNAを精製することができるので、本発明者らは、cDNA精製後にビーズを簡単に残せれば、手法は合理化されると思われると理由づけた。この方法の利点は、インビトロ転写(IVT)中に溶液に存在するビーズは転写段階直後にaRNA精製に利用可能であると思われ、ビーズの追加の添加が必要ないと思われることである。この経済的な方法は試料の取扱を最小にし、エラーを少なくし、再現性を増加する可能性がある。
従って、100 ugのNDビーズをMEGAscript転写反応(Ambion)に添加し、100 ngのpTRI-Xef1プラスミド鋳型を使用して供給業者の使用説明書により実施した。比較のために、任意のビーズを含有しない対照反応を加えた。4時間の反応後、RNA(100 ul)は、17 mM TrisCl pH 8.0、33%イソプロパノールおよび1.7 M NaCl中で(対照反応に添加した、または検討試料にすでに存在する)100 ugのNDビーズに結合した。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石で磁性粒子を分離し、上清を除去した。次いで、ビーズペレットを、80%エタノールを含有する200μlの溶液で2回洗浄し、結合cDNAを40μlのヌクレアーゼフリー水で溶出した。合計1 ulの溶出液をRNA LabChipで分離し、Agilent 2100 Bioanalyzerソフトウェアを使用した分析によりRNA収率を算出した。RNA収率が、IVT段階中にデキストランビーズの存在によって大きく影響されなかったことを表21は明らかにしている。結果として、反応はこのアプローチによって顕著に合理化されうる。
(表21)インビトロ転写中の100 ugのデキストラン粒子の存在は、合成されるRNAの収率を有意に低下しない
Figure 0005014980
実施例28
デキストラン粒子は、修飾ヌクレオシドを含むRNAを効率的に精製する
修飾ヌクレオシドを含有するRNA分子をマイクロアレイプロトコールのレポーターとして使用する。NDビーズ(250 nm)がアミノアリル、Cyまたはビオチン修飾RNAを精製する能力を評価し、Agencourt Bioscience Corp.社製のRNA結合磁性粒子であるRNAclean(商標)製品と比較した。インビトロ転写反応は、典型的には、高収率のこれらの修飾RNAを作製するので、各精製反応に、高注入量の修飾aRNAを添加した。Ambion社のMegaScriptキットおよびCy修飾ヌクレオチドを使用してCy標識Xef転写物を作製した。HeLa全RNAから増幅したCy標識RNAは、Ambion社のMessegeAmpキットおよびCy修飾ヌクレオチドを使用して作製した。最適化した結合条件を使用して、20 ugものCy修飾Xef aRNAおよび10 ugものCy修飾Hela全aRNAの精製を、反応ごとにアッセイした。精製反応は以下の成分を添加した96ウェルプレートにおいて実施した:100 ug ND粒子、1.7 M NaCl、1.7 mM Tris pH 8、および33%イソプロパノール。また、0.33X IVT緩衝液およびT7RNAポリメラーゼ(800 U/rxn)を添加して、IVTからの持ち込みを模倣した。各反応について、上記の成分を十分に混合し、室温において10分インキュベーションしてから96ウェルmagnetic stand(Ambion)に20分置き粒子をペレット化させた。結合上清を除去し、ビーズを80%エタノールで2回洗浄し、次に70CにおいてdH2Oで溶出した。NanoDrop分光光度計を使用して結果を測定した。ND粒子は、注入したCy修飾Xef RNAの93%もの収率を生じた(表22)。同様の傾向は、81%の回収率を生じたHela全RNAから増幅したCy修飾aRNAの精製にも適用できた。デキストラン粒子が、かさ高な疎水性Cy修飾で修飾されたRNAを結合するのに効果的であることを、これらの結果は実証している。さらに、デキストラン磁性ビーズは、RNAclean(商標)磁性粒子より50%多いCy修飾RNAを回収した。
ビオチン化およびアミノアリル修飾aRNAを、MessageAmp RNA増幅反応において適当な修飾ヌクレオチドを使用して作製した。多数の反応にわたって均一なRNA注入量を達成するために、ビオチン化およびアミノアリル修飾RNA試料のプールから別個のストックを作製した。上記に引用した条件を使用して結合反応を実施したが、96ウェルプレートの容量の制約により反応を2倍スケールダウンした(50 ugのビーズが75 ugの修飾RNAに結合)。ND粒子は両方の修飾aRNAの>80%を回収した(表22)。デキストランコーティング粒子を使用して、インビトロ転写反応から修飾RNAを精製し、「クリーンアップする」ことができることを、これらのデータは示している。
(表22)デキストラン表面は、市販の他のRNA結合磁性ビーズより効率的に修飾aRNAを精製する
Figure 0005014980
実施例29
デキストラン磁性ビーズは、増幅されたビオチン化またはアミノアリルRNAを効率的に精製し、標準的なRNA増幅方法とのマイクロアレイ一致を可能にする
デキストランビーズを使用するaRNA精製と従来のガラスファイバーに基づく方法を比較するための研究を実施した。HeLa全RNA(Ambion)は、RNA増幅反応あたり0.1 ugまたは1 ugの注入量を使用した。Ambion社のMessageAmp II試薬およびプロトコールを第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNA合成ならびに増幅RNAを合成するインビトロ転写反応に使用した。インビトロ転写段階に2つの別個の反応時間4および14時間を使用した。2本鎖cDNAクリーンアップのためのカルボキシレートビーズに基づく方法(AMPure(登録商標)、Agencourt Bioscience Corp.)と組み合わせた増幅RNA精製のためのデキストランビーズ方法を、2本鎖cDNAおよびaRNA精製のためにガラスファイバースピンカラムを使用する標準的なMessageAmpプロトコールと比較した。
増幅RNAの精製は以下のプロトコールにより実施した。インビトロ転写反応液(40 ul)を、100 ulのaRNA結合溶液(5 M GITC、0.5% N-ラウリルサルコシン、100 mM酢酸ナトリウム(pH 7.0)およびNDビーズを含有する20 ulの懸濁液(1 M GITC、0.1 % N-ラウリルサルコシン、20 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)および30%イソプロパノール中の、100 ugの粒子)と合わせた。溶液をU底96ウェルプレートの底部で2分撹拌し、磁気スタンドに3〜5分セットした。上清を除去し、ビーズを80%エタノール、10 mM KCl、2 mM Tris(pH 7.0)および0.2 mM EDTAで2回洗浄した。2回目の洗浄後、aRNAを40 ulの1 mM KCl、0.2 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)で溶出した。
試験した各条件について3反復を実施した。全ての条件について、デキストラン粒子プロトコールは、標準的なガラスファイバースピンカラムプロトコールよりすぐれた増幅RNAの収率および少なくとも等価な品質(すなわち、RNAサイズ分布)を生じた(表23)。Affymetrix社のGeneChipヒトフォーカスアレイに適用するとき、2つの方法は同じバックグラウンド、シグナル強度、プレゼントコール(present calls)の割合を非常に高い相関(>99.5%)で生じた(表24および25)。
(表23)デキストラン磁性ビーズベースプレートプラットホームは、ガラスフィルタープラットホームより大きいaRNA収率を生じる。プレート=デキストラン磁性ビーズプラットホーム;チューブ=ガラスフィルタースピンカラム
Figure 0005014980
(表24)マイクロアレイ性能:デキストランビーズプレートプラットホームと単一チューブにおけるガラスフィルター精製との比較
Figure 0005014980
(表25)磁性ビーズに基づくRNA増幅およびラベリングのマイクロアレイ結果は既存の方法と高い相関を示す
Figure 0005014980
キー:下線付きの値=1個のプレート内のウェル間の相関;*=プレート対チューブの相関
実施例30
修飾ビーズ表面の組み合わせは核酸精製選択肢の多用途性を可能にする
種々の官能性を有するデキストラン磁性ビーズを入手することができる。例えば、Polysciences, Inc.社製の一部の粒子はMicromod社製の一部の粒子より効率的にdsDNAを回収することが見出されている。結果として、両クラスの粒子を含有する1つのチューブは、1つのクラス単独よりも効率的に全核酸(RNAおよびDNA)を単離することを期待できる。例えば、5000個のHeLa細胞を含有する100 ulを200 ulの溶解結合溶液(2M GuSCN、12.5 mM クエン酸Na(pH 7.0)、0.25% Nラウリルサルコシン、0.05 M BME、50%イソプロパノール)に添加する。Polysciences, Inc.によって特注製造された合計50 ugのNDビーズおよび50 ugのデキストランを精製支持体として添加する。23Cにおいて2〜3分インキュベーション後、従来の磁石を用いて磁性粒子を分離し、上清を除去する。ビーズペレットを、1.3 M GITC、0.17% N-ラウリルサルコシン、8 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)および33%イソプロパノールを含有する200 ulの溶液で連続して2回洗浄し、次いで10 mM KCl、2 mM TrisCl(pH 7.0)および80%エタノールでさらに2回洗浄する。核酸を1 mM KCl、0.2 mMクエン酸ナトリウム(pH 7.0)で溶出する。RNAおよびDNAの回収は、A260の分光光度法によって、DNAおよびRNA定量のためのQuant-ITキット(Molecular Probes)を使用する蛍光定量によって、またはRT+およびRT-反応を使用するリアルタイムRT-PCRによってモニターすることができる。
当然のことながら、当業者は、本明細書の開示内容および当業者に公知の方法を使用して、本発明に有用な多種多様の粒子を設計または選択し、製造または購入によって、入手することができる。当業者は、さらに、これらの粒子の機能を検討し、適当な目標を達成するために本発明の適当な態様においてそれらを使用することができる。
実施例31
共沈剤を固体表面に結合するとき、利用性を予見する共沈アッセイ
高スループット適用は、使用の容易さを改善し、試料スループット大きくし、変動を小さくするためにコーティング磁性粒子を使用することが多い。現在、高スループット核酸精製の大半のためにごく少数の化学物質しか広範に使用されていない。
ポリマー共沈剤は、核酸に非特異的に結合する磁性ビーズによる核酸捕獲を刺激することができる。核酸との多数の弱い相互作用を可能にするポリマー化合物は適合性のビーズ表面への沈殿を促進することができるが、非ポリマー化合物は、核酸との多数の接触の欠損によりこの共沈を達成することができないと思われる。同様に、沈殿条件を使用するとき、RNAおよびDNAの効果的な共沈剤はそのような核酸を固相支持体に捕獲することができる。しかし、多数の異なるビーズ化学物質を特注製造するのに必要な費用および時間は手が出せないことがある。従って、RNA結合のための種々の可能な基板を試験する別の方法を同定するために、各場合に必須の特注合成を行わないで、所定の表面化学でのRNA精製を予見することができるアッセイを考案した。
デキストランコーティング磁性粒子にRNAを誘導する能力において、等価な濃度のポリエチレングリコール(式(CH2O)n(式中、n〜8000))とモノマーエチレングリコールC2H6O2(n=2)とを比較することによってパイロット研究を実施した。高濃度の塩(1 M)の存在下では、PEGは、等価な濃度のモノマーの精製よりも、10 ugのマウス肝臓全RNA(Ambion)の精製を増強した。最終濃度26.6、13.3または6.6%のポリエチレングリコールおよび最終容量135.6 ulの1 M NaClに、RNA(10 ug/試料)を添加した。合計50 ugのデキストランビーズを添加し、成分を十分に混合した。結合反応液を23Cにおいて10分インキュベーションし、次に磁石スタンド上で15分インキュベーションして、ビーズをウェルの底に集合させた。上清を除去し、ビーズを200 ulの80% EtOHで洗浄した。エタノール洗浄の上清を吸引によって除去し、試料を70Cの60 ulのdH2Oで溶出した。NanoDrop分光光度計を使用してRNA濃度をA260測定値によって定量し、Agilent 2100バイオアナライザーを使用してRNA LabChip(登録商標)での分析によって確認した。5.6〜22.5%のPEGを添加すると精製されるRNA収率は>99%より大きくなったが、エチレングリコールは52%であっても注入したRNAの10%しか回収しなかった。PEG8000はRNAと相互作用して、デキストラン粒子への沈殿を促進することができるが、モノマーはできないことをこの結果は示している。PEGおよびRNAの共沈作用は両者間の実行可能な相互作用を示唆しているので、長鎖ポリエチレングリコールは効果的なRNA結合基質であるという考えを、これらの結果は支持している。さらに、PEGコーティング表面は溶液からRNAを捕獲し、効果的な精製支持体として作用することができることを本発明者らは実証している。
フィコール40,000 MW、70,000 MWおよびそのモノマー等価物スクロースを比較するための同様の研究を実施した。上記の結合条件を使用して、フィコール70K、40Kおよびスクロースを最終濃度26.6、13.3および6.6%において試験した。RNA収率を表26に示す。フィコール40については、最高濃度における粘性がビーズの磁石への移動を制限し、収率の低下に寄与した。対照試料と比較すると、フィコール40は、RNAの最大約74%に結合することができた。同じ濃度範囲のスクロースは、最良のフィコール40条件のそれの10%未満しか生じなかった。従って、RNA結合は、この炭水化物のモノマー形態ではなくポリマー形態の場合に最も効率的であった。さらに、このようなポリマー共沈剤を(塩と併用して)、アルコールの代替物として使用して、種々の固体表面への核酸の回収を可能にすることができる。
フィコール40、フィコール70および他のフィコールは、固相支持体に結合されると核酸精製に利用性を有する効果的な核酸共沈剤であるPEGのように、表面に直接結合されると、核酸精製における利用性を有する。
(表26)フィコールは、デキストランコーティング粒子によるRNAの精製の効果的な共沈剤であるが、そのモノマー等価物はそうではない
Figure 0005014980
実施例32
ポリビニルピロリドンは、デキストランコーティング粒子への高収率のRNAの回収を可能にする
ポリビニルピロリドン(PVP)はモノマーn-ビニルピロリドンから製造され、化学物質供給業者から種々の分子量が容易に入手可能である。実施例31に記載するRNA共沈アッセイを使用して、10K、40Kおよび360K分子量のPVP製剤(Sigma)を評価した。研究は1 M NaCl、20 ugのRNAおよび50 ugのデキストランコーティング磁性粒子を含んだ。溶出したRNAはA260によって定量し、選択した試料を、2100 Bioanalyzerを使用してRNA LabChip(登録商標)でも分析した。LabChipでアッセイした試料については、RNAの質(RNA Integrity NumberまたはRIN)も示す。3つのPVPポリマーは全て、任意のアルコールの非存在下において注入したRNAの高収率の回収を可能にしたことを、表27は明らかにしている。一般に、PVPのポリマー長さが増加するにつれて、同じRNA収率を達成するためには、低い正味濃度のPVPが必要とされた。従って、より長い鎖のPVP分子は、精製段階中に、RNAとの多数の相互作用を提供すると思われ、ビーズ表面への沈殿を達成するために少ない分子しか必要とされない。また、固相支持体に結合されるときに核酸精製において利用性を有するPEGと同様に、PVP-10、PVP-40およびPVP-360は各々、表面に直接結合されると核酸精製において利用性を有することが期待される。
(表27)PVPはRNAの効果的な共沈剤である
Figure 0005014980
実施例33
ポリマーポリオールは、コーティングした粒子へのRNAの回収を可能にする
表面でのRNAまたはDNAの精製において利用性を有することが期待される他のポリマー候補物質には、反復糖モチーフに基づいたものが挙げられる。これらには、グリコーゲン、アラビアゴム、キサンタンガム、カラギナン、アミロース、寒天、アミロペクチン、キシラン、β-グルカン等が挙げられる。このクラスの化合物はポリオールとしても公知である。1.2 M NaClにおいて25 ugの注入RNAおよび9.5、4.8または2.4%アラビアゴム(Fulka)を使用する研究において、共沈剤として9.5%アラビアゴムを使用して注入したRNAの〜53%を精製することができた(表28)。アラビアゴム中のポリマーは、固相支持体に結合されるとき、RNAまたはDNAに結合するために有用であると思われることをこれらのデータは示唆している。さらに広義的には、効果的な核酸共沈剤であるポリマーポリオールは、固相支持体に結合されると、RNAまたはDNAを精製する際に利用性を有することを本発明者らは期待している。
(表28)ポリマー共沈剤によるRNA精製の効率
Figure 0005014980
実施例34
他の有用なRNA精製化学物質の同定
12種の異なる化学的樹脂を、RNAに結合して精製する能力についてスクリーニングした。Xef RNA転写物を、Ambion社のMEGAScriptキットを使用して32Pを内部標識し、200,000 cpm/ul RNAの比活性まで1 ugのマウス全RNAに添加した(20 ul全RNA+2 ul放射性標識Xef転写物)。
化学的樹脂を、脱イオン水で20%まで水和した。RNA結合反応は全て以下を含有した:100 ul RNAqueous溶解緩衝液(Ambion)、1.1 ul RNAミックス(Xefトレーサーを有する全RNA)、100 ul溶媒(66%または100%ストック濃度)。これらの試薬を混合し、次いで20 ulの20%樹脂を添加した。短時間インキュベーション後、樹脂を微量遠心管で最大速度でペレット化した。未結合分画(上清)を除去し、残存する放射能をシンチレーション計数によって定量した。ペレットを200 ulのRNAqueous洗浄2/3溶液(Ambion)で洗浄した。樹脂を遠心分離によって彩度ペレット化し、洗浄液を除去し、計数した。イソシアネート、グリセロールおよびピペリジノメチル樹脂では、結合したRNAを25 ulの溶出緩衝液(1 mM Tris pH 8.0、0.1 mM EDTA、5 mM KCl)で室温において溶出し、95Cに事前に加熱しておいた同じ緩衝液で2回目の溶出を実施した。全ての他の樹脂については、RNAは、95Cに事前に加熱しておいた溶液で1段階において溶出した。このスクリーニングの結果、フェニルセファロース、グリセロール(ジオール)、モルホリノメチル、ピペリジノメチルおよびポリスチレンアルデヒドを含む数種の化学物質は、少なくとも1つの溶媒条件において>60%の効率でRNAを回収したことを明らかにした。このような化学物質は、種々の適用のための核酸精製に有用であることを証明しうることを本発明者らは期待している。
(表29)RNAの精製に適格である化学物質を同定するための樹脂スクリーニングの結果
Figure 0005014980
Figure 0005014980
Figure 0005014980
Figure 0005014980
本明細書に開示し、主張する組成物および/または方法は全て、本開示に関して過度の実験を行わないで、製造し、実行することができる。本発明の組成物および方法は好ましい態様に関して記載されているが、本発明の概念、精神および範囲から逸脱しないで、組成物および/または方法および本明細書に記載されている方法の段階または段階の順序に変更を適用することができることが当業者に明らかである。さらに具体的には、化学的および生理的に関連するある種の物質は、本明細書に記載されている物質と交換することができ、同じまたは同様の結果を達成すると思われることが明らかになる。当業者に明らかなこのような同様の交換および改良は全て、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の精神、範囲および概念の範囲内であると考えられる。
参照文献
以下の参照文献は、本明細書に記載されているものに補助的な、例示的な手法上または他の詳細を提供する程度に、参照として具体的に本明細書に組み入れられる。
Figure 0005014980
デキストラン磁性粒子を使用するλゲノムDNAの回収である。 デキストラン磁性粒子を使用する830塩基対PCR(商標)産物の精製である。 デキストラン磁性粒子を用いてヒト血漿から精製されたRNAを使用して得られたリアルタイムRT-PCR標準曲線である。 100ヌクレオチド程度の小さいRNA分子および9000ヌクレオチド程度の大きいRNA分子は、デキストランコーティングおよびPEGコーティング磁性粒子によって精製することができる。 デキストラン磁性粒子は、種々の異なる試料マトリックスから大型および小型のRNA分子を回収する。 デキストラン磁性粒子および種々の結合緩衝液を使用して凍結マウス脾臓組織から精製したRNAの電気泳動プロファイルである。

Claims (38)

  1. 以下の段階を含む、ポリヌクレオチドを含有する溶液から少なくとも1つのポリヌクレオチドを分離する方法:
    ポリヌクレオチドを含む溶液を調製する段階;
    少なくとも1つのデキストランを含む表面を有する磁性粒子と、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含有する該溶液とを混合して、混合物を作製する段階;
    該少なくとも1つのポリヌクレオチドが該少なくとも1つのデキストランを含む表面に結合する濃度に、該混合物の塩濃度および有機溶媒濃度を調節し、修飾されたデキストランを含む表面を作製する段階;
    該混合物の残りから、少なくとも1つのポリヌクレオチドが該デキストランを含む表面に結合したまま、少なくとも1つの修飾されたデキストランを含む表面を含む磁性粒子を分離する段階;および
    該修飾されたデキストランを含む表面を溶出緩衝液と接触させ、それによって該少なくとも1つの修飾されたデキストランを含む表面から少なくとも1つのポリヌクレオチドを分離する段階。
  2. 前記デキストランを含む表面が磁性微粒子上である、請求項1記載の方法。
  3. 前記デキストランを含む表面を含む磁性粒子の分離段階が、磁石を使用して実施される、請求項2記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つのデキストランを含む表面に結合した少なくとも1つのポリヌクレオチドを、該デキストランを含む表面に結合した1つまたは複数の不純物を溶解するが、該少なくとも1つのデキストランを含む表面に結合した少なくとも1つのポリヌクレオチドを残存させる緩衝溶液で洗浄する、請求項1記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つのポリヌクレオチドが、少なくとも1つのRNAであるとさらに規定される、請求項1記載の方法。
  6. 前記デキストランを含む表面へのDNAの結合を可能にしないが、該デキストランを含む表面へのRNAの結合を可能にする選択的な結合溶液を使用する段階を含む方法において、該少なくとも1つのデキストランを含む表面に結合した少なくとも1つのRNAを結合する段階を含むとさらに規定される、請求項5記載の方法。
  7. 前記デキストランを含む表面に結合したRNAを選択的な洗浄溶液で洗浄し、該選択的な結合溶液は、該デキストランを含む表面に結合したDNAフラグメントを溶解するが、RNAフラグメントを該デキストランを含む表面に結合させたままにする、請求項5記載の方法。
  8. 前記デキストランを含む表面から前記少なくとも1つのRNAフラグメントを溶出するが、DNAフラグメントを該デキストランを含む表面に結合させたままにする選択的溶出溶液で、該少なくとも1つのデキストランを含む表面に結合した少なくとも1つのRNAを溶出する、請求項5記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つのポリヌクレオチドが、少なくとも1つのデキストランを含む表面に結合したまま、1つまたは複数の酵素で消化される、請求項1記載の方法。
  10. 前記ポリヌクレオチドが、ウイルスRNAまたはウイルスDNAである、請求項1記載の方法。
  11. 前記溶液が生体試料または生体試料の溶解物である、請求項1記載の方法。
  12. 前記溶液が、インビトロ転写反応物、逆転写反応物、第2鎖DNA合成反応物、DNase反応物、PCR反応物またはRNA増幅反応物である、請求項1記載の方法。
  13. DNA、RNAおよび/またはPNAを単離または濃縮する方法としてさらに規定される、請求項1記載の方法。
  14. 前記溶液を調製する段階が、RNA増幅反応、インビトロ転写反応、逆転写反応、第2鎖DNA合成反応、DNase反応および/またはPCR反応を実施する段階を含む、請求項1記載の方法。
  15. 前記溶液を調製する段階が細胞を溶解する段階を含む、請求項1記載の方法。
  16. 前記塩濃度が、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化バリウム、塩化セシウム、過塩素酸ナトリウム、イソチオシアン酸グアニジニウム(guanidinium isothiocyanate)、塩酸グアニジニウム(guanidinium hydrochloride)、ヨウ化カリウムおよびヨウ化ナトリウムのうち少なくとも1つを含む、1つまたは複数の塩の濃度である、請求項1記載の方法。
  17. 前記塩濃度が0.1 M〜5 Mである、請求項16記載の方法。
  18. 前記有機溶媒濃度が、C1〜C5アルコール、ポリエチレングリコール、ジメチルスルホキシドまたはアセトンの少なくとも1つを含む、1つまたは複数の有機溶媒の濃度である、請求項1記載の方法。
  19. 前記有機溶媒の濃度が、5%〜50%に調節される、請求項18記載の方法。
  20. 前記塩が、イソチオシアン酸グアニジニウムである、請求項16記載の方法。
  21. 前記ポリヌクレオチド溶液が、血液の溶解物、血液分画、生体由来の新鮮組織、生体由来の固定組織または培養細胞を含む、請求項1記載の方法。
  22. 前記ポリヌクレオチドが、細菌RNAまたは細菌DNAである、請求項1記載の方法。
  23. 前記ポリヌクレオチドが、宿主RNAまたは宿主DNAである、請求項1記載の方法。
  24. 前記ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1記載の方法。
  25. 前記溶液を調製する段階が、該溶液中のRNA、DNAまたはPNAをレポーター色素に結合する段階を含む、請求項1記載の方法。
  26. RNA、DNAまたはPNAを単離または濃縮する方法としてさらに規定される、請求項1記載の方法。
  27. 前記RNA、DNAまたはPNAをレポーター色素に結合する段階をさらに含む、請求項26記載の方法。
  28. 前記RNA、DNAまたはPNAをフラグメント化する段階、次いでフラグメント化したRNA、DNAまたはPNAの少なくとも一部をマイクロアレイにハイブリダイズする段階をさらに含む、請求項26記載の方法。
  29. 前記RNA、DNAまたはPNAの少なくとも一部をマイクロアレイにハイブリダイズする段階をさらに含む、請求項26記載の方法。
  30. 前記ポリヌクレオチドを含む溶液が、生体由来の固定組織から調製される、請求項1記載の方法。
  31. 前記有機溶媒が、ポリビニルピロリドン、エタノール、またはイソプロパノールを含む、請求項1記載の方法。
  32. 前記少なくとも1つのデキストランを含む表面が、ポリエチレングリコール、またはFicoll(商標)をさらに含む、請求項1記載の方法。
  33. 前記デキストランがデキストランスルホネートである、請求項1記載の方法。
  34. 結合緩衝液またはその1つもしくは複数の成分、および少なくとも1つのポリマー修飾表面を含む磁性粒子を含むキットであって、該結合緩衝液が、使用中に前記ポリマー修飾表面にポリヌクレオチドを結合するのに好適な濃度の好適な塩および好適な有機溶媒を含み、該ポリマー修飾表面が、デキストランを含むとさらに規定される、キット。
  35. 溶出緩衝液またはその1つもしくは複数の成分をさらに含み、該溶出緩衝液が、使用中に前記ポリマー修飾表面に結合したポリヌクレオチドを溶解することができる、請求項34記載のキット。
  36. 洗浄緩衝液またはその1つもしくは複数の成分をさらに含み、該洗浄緩衝液が、使用中に前記ポリマー修飾表面に結合した不純物を溶解することができるが、該ポリマー修飾表面に結合した選択的なポリヌクレオチドを溶解することができない、請求項34記載のキット。
  37. 使用中にRNAまたはDNAの無傷性を保存する、試薬またはその1つもしくは複数の成分をさらに含む、請求項35記載のキット。
  38. 前記デキストランがデキストランスルホネートである、請求項35記載のキット。
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