JP2003339379A - 核酸分離方法 - Google Patents

核酸分離方法

Info

Publication number
JP2003339379A
JP2003339379A JP2002150836A JP2002150836A JP2003339379A JP 2003339379 A JP2003339379 A JP 2003339379A JP 2002150836 A JP2002150836 A JP 2002150836A JP 2002150836 A JP2002150836 A JP 2002150836A JP 2003339379 A JP2003339379 A JP 2003339379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
nucleic acid
polymer
aqueous
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002150836A
Other languages
English (en)
Inventor
Juichi Saito
寿一 斉藤
Yoshifumi Kurihara
芳文 栗原
Norihiko Ishiguro
敬彦 石黒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2002150836A priority Critical patent/JP2003339379A/ja
Priority to DE60300318T priority patent/DE60300318T2/de
Priority to EP03011621A priority patent/EP1375660B1/en
Priority to US10/443,824 priority patent/US20040005616A1/en
Publication of JP2003339379A publication Critical patent/JP2003339379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/10Processes for the isolation, preparation or purification of DNA or RNA
    • C12N15/1003Extracting or separating nucleic acids from biological samples, e.g. pure separation or isolation methods; Conditions, buffers or apparatuses therefor

Abstract

(57)【要約】 【課題】フェノール、クロロホルムなどの劇物を使用せ
ず、また遠心分離やろ過といった分離手段を必要としな
い、自動化およびマイクロ化・集積化に適する核酸分離
方法を提供する。 【解決手段】 核酸を含有する試料について、第一の水
溶性ポリマーを含む水溶液(第一ポリマー水溶液)と、
第一の水溶性ポリマーと水性2相を形成する第二の水溶
性ポリマーを含む水溶液(第二ポリマー水溶液)を形成
し、ここで第一ポリマー水溶液と第二ポリマー水溶液の
いずれか一方または両方は、試料と界面活性剤の両方を
含む水溶液であり、第一ポリマー水溶液および第二ポリ
マー水溶液を接触させ、核酸とその他の成分を別個の水
溶液に分離する、核酸の分離方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸を含有する試
料について、核酸とその他の成分を分離する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】核酸を含有する試料からの核酸の分離
(取得)は、バイオテクノロジーおよび臨床診断等の分
野で重要な操作である。例えば、遺伝子検査において
は、細胞中またはウイルス中の核酸を他の成分から分離
して、その後の核酸増幅工程や核酸検出工程に使用す
る。
【0003】従来知られた核酸の分離方法として、劇物
であるフェノールおよびクロロホルムを使用するプロテ
アーゼK/フェノール法(Sambrook,Jら,
Molecular Cloning,A Labor
atory Manual,2nd ed.,Cold
Spring Harbor Laboratory
Press(1989)7.12−7.15)やAG
PC法(Chomczynski,P.およびSacc
hi,N.,Analytical Biochemi
stry(1987)162,156−159)があ
る。またこれらの他にも、特開平7−59572号公報
に記載された、(1)デキストラン、アクリルアミドお
よびカルボキシメチルセルロースからなる群から選ばれ
る1種以上のキャリアーを試料と混合して混合液を形成
する工程、(2)チオシアン酸グアニジン、塩酸グアニ
ジン、チオシアン酸カリウムおよびチオシアン酸ナトリ
ウムからなる群から選ばれる試薬Aと、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコ
ール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルア
ルコールおよびtert−アミルアルコールからなる群
から選ばれる1種以上の試薬Bを含む試薬Cを工程
(1)の混合液に混合して核酸およびキャリアーを不溶
化する工程、(3)不溶化された核酸およびキャリアー
を液相と分離する工程とからなる、フェノールやクロロ
ホルムを使用しない核酸の分離方法もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の方法に
おいて、プロテアーゼK/フェノール法およびAGPC
法では、劇物であるフェノールやクロロホルムを使用し
なければならないことから、操作の際の安全性および使
用済試薬の廃棄に課題がある。またこれらの方法では、
核酸を分離する際に高速遠心による操作が必須で、特別
な機器が必要になるという課題もある。
【0005】特開平7−59572号公報に開示された
方法では、劇物であるフェノールやクロロホルムは不要
であり、液相からの核酸の分離も、高速遠心に比較すれ
ば簡便に実施できるものの、なおも不溶化された核酸と
キャリアーを液相から分離するためにろ過または遠心が
必要になるという課題がある。
【0006】以上のように、従来の核酸の分離方法は、
操作が複雑で、また実施に当たっては特別な機器が必要
になるという課題がある。またこのように複雑な操作が
要求されるために従来の方法は自動化が困難で、この結
果、試料間または試料と環境間での核酸の汚染を避けつ
つ、多数の試料について核酸の分離・取得を迅速かつ再
現性良く実施するためには熟練した技術が必要であっ
た。
【0007】そこで本発明の目的は、フェノールやクロ
ロホルムのような劇物を使用せず、ろ過や遠心といった
特別な機器を必要としない、従って自動化が容易な核酸
の分離(取得)方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】従来の核酸の分離・取得
方法に存在している課題は、タンパク質などの夾雑物質
を含む粗精製物から核酸をいかに簡便に分離するか、と
いう点にある。近年、ろ過や遠心等の分離操作を利用し
ない分離方法として、水性2相分配によるタンパク質の
分離が試みられているが、現在までのところ水性2相分
配によるタンパク質を含む粗精製物からの核酸の分離・
取得については具体的な条件等の報告はない。
【0009】そこで本願発明者らは、水性2相分配を利
用する核酸の分離について鋭意検討を行い、本発明を完
成するに至った。すなわち、前記目的を達成するために
なされた本願請求項1の発明は、核酸を含有する試料に
ついて、試料、第一の水溶性ポリマー、第一の水溶性ポ
リマーと水性2相を形成する第二の水溶性ポリマーおよ
び界面活性剤を含む水溶液を形成し、該水溶液を静置し
て水性2相を形成させ、核酸とその他の成分を別個の相
に分離する、核酸の分離方法である。
【0010】また本願請求項2の発明は、操作の自動化
等のために特に好ましい核酸の分離方法であり、核酸を
含有する試料について、第一の水溶性ポリマーを含む水
溶液(第一ポリマー水溶液)と、第一の水溶性ポリマー
と水性2相を形成する第二の水溶性ポリマーを含む水溶
液(第二ポリマー水溶液)を形成し、ここで第一ポリマ
ー水溶液と第二ポリマー水溶液のいずれか一方または両
方は、試料と界面活性剤の両方を含む水溶液であり、第
一ポリマー水溶液および第二ポリマー水溶液を接触さ
せ、核酸とその他の成分を別個の水溶液に分離する、核
酸の分離方法である。本願請求項3の発明は、前記請求
項2の発明に係り、第一ポリマー水溶液および第二ポリ
マー水溶液のそれぞれを流動させ、層流を形成させるこ
とによって第一ポリマー水溶液および第二ポリマー水溶
液を接触させることを特徴とする。
【0011】本願請求項4の発明は、前記請求項1また
は2の発明に係り、第一の水溶性ポリマーがポリエチレ
ングリコールであり、第二の水溶性ポリマーがデキスト
ランであることを特徴とする。
【0012】本願請求項5の発明は、界面活性剤が非イ
オン性界面活性剤であることを特徴とする。本願請求項
6の発明は、前記請求項5の発明に係り、非イオン性界
面活性剤が終濃度0.05%以上であることを特徴とす
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明が分離(取得)の対象とする核酸
は、1本鎖または2本鎖のRNAやDNAであり、核酸
を含有する試料とは前記のような核酸を含有する試料で
ある。かかる試料としては、例えば、核酸伸長反応、核
酸増幅反応、核酸修飾反応などの反応後の反応液、血
清、血漿および尿などの生体成分、さらに、ウイルス、
細菌、そして細胞などを破砕して得られた未精製または
部分精製した試料を例示できる。ここで、破砕方法には
特別の制限はなく、既知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0014】本発明では、まず、試料、第一の水溶性ポ
リマー、第一の水溶性ポリマーと水性2相を形成する第
二の水溶性ポリマーおよび界面活性剤を含む水溶液を形
成する。第一の水溶性ポリマーおよび前記第二の水溶性
ポリマーは、相互に水性2相を形成するものであれば特
に限定されない。相互に水性2相を形成するか否かが不
明な水溶性ポリマーを用いる場合や、水性2相を形成す
ることは明らかであるが、所定濃度とした場合に水性2
相を形成するか否かが不明な場合には、例えば、予めそ
れらの水溶液を用意して水性2相を形成するか否かを確
かめ、形成された水性2相の上層および下層をそれぞれ
回収し、それらを使用することもできる。
【0015】本発明に使用する第一および第二の水溶性
ポリマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール、
デキストラン、フィコールおよびこれらポリマーの誘導
体を例示することができる。なかでも、水性2相を容易
に形成するポリエチレングリコールとデキストランを、
それぞれ第一または第二の水溶性ポリマーとして使用す
ることが好ましい。第一および第二の水溶性ポリマーと
して、好ましくポリエチレングリコールとデキストラン
を組み合わせて使用する場合には、平均分子量3000
から10000のポリエチレングリコールと、平均分子
量10万から200万のデキストランを組み合わせるこ
とが特に好ましい。またこの場合には、ポリエチレング
リコールおよびデキストランは終濃度、すなわち、試
料、第一の水溶性ポリマー、第二の水溶性ポリマーおよ
び界面活性剤を含む水溶液における濃度が8%以上とな
るようにすることが好ましく、扱い易さを考慮すると終
濃度8%以上15%以下となるようにすることが特に好
ましい。なお当然のことながら、ポリエチレングリコー
ルおよびデキストランは、所望の終濃度より高い濃度の
水溶液としてあらかじめ調製しておくことが可能であ
る。
【0016】界面活性剤は、試料の液性や後工程への影
響、すなわち、例えば分離した核酸について核酸増幅操
作を実施する場合には該増幅操作に与える阻害効果等、
を考慮して任意に選択することができ、特に限定されな
いが、核酸増幅操作等への影響が少ない非イオン性界面
活性剤が好ましい。かかる好ましい非イオン性界面活性
剤は特に限定されないが、例えば、Triton X−
100に代表されるポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテルやTween 20に代表されるポリオキシ
エチレンモノラウリン酸ソルビタン等を例示することが
できる。なお界面活性剤は、二種類以上のものを混合し
て使用することもできる。本発明において、非イオン性
界面活性剤を使用する場合には、核酸の分離を良好とす
るために終濃度、すなわち、試料、第一の水溶性ポリマ
ー、第二の水溶性ポリマーおよび界面活性剤を含む水溶
液における濃度が0.05%以上となるようにすること
が特に好ましい。
【0017】試料、第一の水溶性ポリマー、第一の水溶
性ポリマーと水性2相を形成する第二の水溶性ポリマー
および界面活性剤を含む水溶液を形成するに際しては、
必要に応じて、水や緩衝液を用いることができる。また
水溶液を形成する操作は、最終的に上記のような水溶液
を形成すれば試料や各試薬の混合順序等に何ら制限はな
く、例えば、全てを混合した後に水等を加えて水溶液と
しても良いし、また例えば試料を第一の水溶性ポリマー
と混合して水溶液とし、これに界面活性剤や第二の水溶
性ポリマーを加えても良いし、また更には、例えば第一
の水溶性ポリマーを水溶液とし、これに試料、界面活性
剤および第二の水溶性ポリマーを加える等しても良い。
【0018】以上の水溶液を静置すると水性2相が形成
され、核酸とタンパク質等のその他の成分は別々の相に
分離される。例えば第一および第二の水溶性ポリマーと
してポリエチレングリコールとデキストラン、界面活性
剤として非イオン性界面活性剤を用いた場合は、ポリエ
チレングリコールが主である上層(以後、ポリエチレン
グリコール層と呼ぶ)とデキストランが主である下層
(以後、デキストラン層と呼ぶ)からなる水性2相が形
成され、核酸はデキストラン層に主に分離される。従っ
て、デキストラン層を回収すれば所望の核酸を取得する
ことができる。なお、分離された核酸を含む相が、例え
ば核酸増幅操作や核酸検出操作等にそのまま提供できる
場合には該相をかかる操作に提供すれば良く、核酸を該
相から回収する必要がある場合には公知の方法を採用し
て回収すれば良い。
【0019】本発明は、操作の自動化等のために特に好
ましい核酸の分離方法をも提供する。この発明では、ま
ず、第一の水溶性ポリマーを含む水溶液(第一ポリマー
水溶液)と、第一の水溶性ポリマーと水性2相を形成す
る第二の水溶性ポリマーを含む水溶液(第二ポリマー水
溶液)を形成する。第一の水溶性ポリマーおよび第二の
水溶性ポリマーについては、前記したようなものを例示
できるが、この発明においても第一および第二の水溶性
ポリマーとしてポリエチレングリコールとデキストラン
の組み合わせを用いることが好ましい。第一ポリマー水
溶液および第二ポリマー水溶液中の第一水溶性ポリマー
と第二水溶性ポリマーの濃度は、これら水溶液を混合し
た場合に水性2相を形成可能な濃度であればであれば特
に限定されない。第一の水溶性ポリマーと第二の水溶性
ポリマーとして、好ましくポリエチレングリコールおよ
びデキストランを組み合わせる場合には、それぞれの水
溶液として、前記のごとくあらかじめポリエチレングリ
コールおよびデキストランを終濃度が8%以上となるよ
うに混合して水性2相を形成させた後に該水性2相から
回収したポリエチレングリコール層液およびデキストラ
ン層液を用いることが好ましい。
【0020】この発明では、第一ポリマー水溶液と第二
ポリマー水溶液のいずれか一方または両方は、試料およ
び界面活性剤の両方を含み、試料のみ、または、界面活
性剤のみを含むことはない。界面活性剤についても、前
記したように、非イオン性界面活性剤、特にTrito
n X−100に代表されるポリオキシエチレンオクチ
ルフェニルエーテルやTween 20に代表されるポ
リオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン等が好まし
く、また非イオン性界面活性剤を使用する場合には、水
溶液における終濃度が0.05%以上となるようにする
ことが特に好ましい。
【0021】第一ポリマー水溶液と第二ポリマー水溶液
を接触させ、必要に応じて攪拌、静置して水性2相を形
成させれば、前記したように、核酸とタンパク質等のそ
の他の成分は別々の相に分離される。従って、上層また
は下層を回収すれば所望の核酸を取得することができ
る。この発明では、第一ポリマー水溶液と第二ポリマー
水溶液の接触を、溝や管等の流路内で、第一ポリマー水
溶液および第二ポリマー水溶液のそれぞれを流動させ、
層流を形成させることによって実施することが好まし
い。このような、層流形成による第一ポリマー水溶液と
第二ポリマー水溶液の接触は、光リソグラフィー等の既
存の技術によって基材上に構築されたマイクロチャンネ
ル内で実施することが可能であり、流路のマイクロ化に
よる核酸分配に要する時間の短時間化、発明の実施に要
する器具や基材の小型化、低価格化、そして更には発明
実施の自動化に寄与するものである。
【0022】例えば、第一ポリマー水溶液および第二ポ
リマー水溶液として、好ましくポリエチレングリコール
水溶液およびデキストラン水溶液を使用し、マイクロチ
ャンネル内でこれら水溶液を流動させ、層流を形成させ
ることによって接触させた場合には、夾雑タンパク質は
ポリエチレングリコール層に主に分配され、核酸はデキ
ストラン層に分配される。従って、デキストラン層を回
収すれば所望の核酸を取得することができる。なお、分
離された核酸を含む相が、例えば核酸増幅操作や核酸検
出操作等にそのまま提供できる場合には該相をかかる操
作に提供すれば良く、核酸を該相から回収する必要があ
る場合には公知の方法を採用して回収すれば良い。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定さ
れるものではない。
【0024】実施例1 界面活性剤を添加した水性2相
分配によるタンパク質と核酸の分離 (1)ポリエチレングリコール6000(平均分子量7
500)を終濃度9%、デキストラン(分子量48万)
を終濃度8.5%、Triton X−100を終濃度
0から0.5%となるように添加した水溶液1mlに、
100μgのウシ血清アルブミン(以後「BSA」と記
載する)、5×107コピーのHCV(C型肝炎ウイル
ス)cDNA由来のDNA(塩基番号1から1865
(配列および塩基番号はKato,N.ら,Proc.
Natl.Acad.Sci.USA(1990),8
7,9524−9528に従った)を含む2本鎖DNA
(以後「HCV DNA」と記載する))を添加し、混
合した。
【0025】(2)上記水溶液を静置し、2相形成させ
た後、上層(ポリエチレングリコールを主に含む)およ
び下層(デキストランを主に含む)をそれぞれ回収し
た。
【0026】(3)回収した水溶液50μlに、350
μlの蒸留水と100μlのタンパク定量用試薬(BI
O−RAD PROTEIN ASSAY、商品名、B
io−Rad Lab.製)を添加し、595nmにお
ける吸光度を測定した。
【0027】(4)また回収した水溶液をTE(下記参
照)にて10倍に希釈し、希釈液10μlをPCRチュ
ーブ(容量0.5ml、GeneAmp Thin−W
alled Reaction Tubes、商品名、
(株)パーキンエルマージャパン製)にとった。
【0028】TEの組成 10mM Tris・HCl(pH8.0) 0.1mM EDTA (5)引き続き、65μlのPCRミックス(組成を以
下に示す)を添加した後、60μlのミネラルオイルを
重層した。サーマルサイクラー(GeneAmp 96
00 PCR system、商品名、(株)パーキン
エルマージャパン製)を用い、PCRを以下の条件で実
施した。
【0029】PCRミックスの組成 11.5mM Tris・HCl(pH8.3) 57.7mM KCl 2.6mM MgCl2 0.3mM dNTP(dATP、dGTP、dCTP
およびTTPそれぞれ0.3mM) 0.28mM プライマー(R)(HCV cDNAの
塩基番号248から267(Kato,N.ら)に相補
的、配列番号1) 0.28mM プライマー(F)(HCV cDNA塩
基番号10から31(Kato,N.らと相同、配列番
号2) 0.023% TritonX−100 0.035U/μl AmpliTaq Gold(商
品名、(株)パーキンエルマージャパン製) PCR条件 95℃、9分間 95℃、30秒間 62℃、30秒間 72℃、1分間 からを40サイクル。
【0030】(6)PCR産物10μlを4%アガロー
スで電気泳動した後、SYBR GreenII(商品
名、宝酒造(株)製)で染色した。電気泳動のバンド濃
さをデンシトメーター(デンシトグラフ、商品名、アト
ー(株)製)で測定した。
【0031】上記(3)のタンパク定量試薬を添加した
場合の吸光度、および、上記(6)の電気泳動のバンド
濃さの測定した結果を図1に示した。Triton X
−100を0.05%以上添加することにより、HCV
DNAは下層に主に分配され、BSAは上層に主に分
配された。以上から、0.05%以上のTritonX
−100存在下において、HCV DNAとBSAを分
離可能であることが示された。
【0032】実施例2 水性2相分配によるタンパク質
と核酸の分離 (1)ポリエチレングリコール6000(平均分子量7
500)を終濃度6から9.6%、デキストラン(分子
量48万)を終濃度5.5から8.8%、Triton
X−100を終濃度0.1%となるように添加した水
溶液1mlに、100μgのBSA、5×107コピー
のHCV DNAを添加し、混合した。
【0033】(2)上記水溶液を静置し、2相形成させ
た後、上層(ポリエチレングリコールを主に含む)およ
び下層(デキストランを主に含む)をそれぞれ回収し
た。
【0034】(3)回収した水溶液100μlに、50
0μlの蒸留水と100μlのタンパク定量用試薬(B
IO−RAD PROTEIN ASSAY、商品名、
Bio−Rad Lab.製)を添加し、595nmに
おける吸光度を測定した。
【0035】(4)また回収した水溶液をTEにて10
倍に希釈し、希釈液10μlをPCRチューブ(容量
0.5ml、GeneAmp Thin−Walled
Reaction Tubes、商品名、(株)パー
キンエルマージャパン製)にとった。
【0036】(5)引き続き、65μlのPCRミック
ス(実施例1と同一)を添加した後、60μlのミネラ
ルオイルを重層した。サーマルサイクラー(GeneA
mp9600 PCR system、商品名、(株)
パーキンエルマージャパン製)を用い、PCRを実施例
1と同一の条件で実施した。
【0037】(6)PCR産物10μlを4%アガロー
スで電気泳動した後、SYBR GreenII(商品
名、宝酒造(株)製)で染色した。電気泳動のバンド濃
さをデンシトメーター(デンシトグラフ、商品名、アト
ー(株)製)で測定した。
【0038】上記(3)のタンパク定量試薬を添加した
場合の吸光度、および、上記(6)の電気泳動のバンド
濃さの測定した結果を図2に示した。HCV DNA
は、ポリエチレングリコール7.2%、デキストラン
6.6%以下で上層に主に分配され、ポリエチレングリ
コール8.4%、デキストラン7.7%以上で下層に主
に分配された。一方、BSAはいずれの濃度でも上層に
主に分配された。以上から、Triton X−100
存在下において、ポリエチレングリコールおよびデキス
トラン濃度が約8%以上の場合、HCV DNAとBS
Aを分離可能であることが示された。
【0039】実施例3 層流形成による水性2相分配 (1)ポリエチレングリコール6000(平均分子量7
500)を終濃度11.3%、デキストラン(分子量4
8万)を終濃度10.6%となるように添加した水溶液
2mlを混合、静置して2相を形成させた。
【0040】(2)2相の上層(以後、PEG層液と呼
ぶ)および下層(以後、DEX層液と呼ぶ)のそれぞれ
を回収した。
【0041】(3)DEX層液0.8mlにTrito
n X−100を0.2%になるように添加し、さらに
100μgのBSAおよび5×107コピーのHCV
DNAを添加し、1mlとした。一方、PEG層液0.
8mlに蒸留水0.2mlを加えて1mlとした。
【0042】(4)PEG層液およびDEX層液を図3
に示した流路チップの開口部A、Bのそれぞれよりシリ
ンジポンプを用いて流速100μl/minで導入し、
層流を形成させた後、開口部C、Dから回収した。
【0043】(5)回収した各水溶液50μlに、35
0μlの蒸留水と100μlのタンパク定量用試薬(B
IO−RAD PROTEIN ASSAY、商品名、
Bio−Rad Lab.製)を添加し、595nmに
おける吸光度を測定した。
【0044】(6)また回収した水溶液をTEにて10
倍に希釈し、希釈液10μlをPCRチューブ(容量
0.5ml、GeneAmp Thin−Walled
Reaction Tubes、商品名、(株)パー
キンエルマージャパン製造)にとった。
【0045】(7)引き続き、65μlのPCRミック
ス(実施例1と同一)を添加した後、60μlのミネラ
ルオイルを重層した。サーマルサイクラー(GeneA
mp9600 PCR system、商品名、(株)
パーキンエルマージャパン製)を用い、PCRを実施例
1と同一の条件で実施した。
【0046】(8)PCR産物10μlを4%アガロー
スで電気泳動した後、SYBR GreenII(商品
名、宝酒造(株)製)で染色した。電気泳動のバンド濃
さをデンシトメーター(デンシトグラフ、商品名、アト
ー(株)製)で測定した。
【0047】上記(5)のタンパク定量試薬を添加した
場合の吸光度、および、上記(8)の電気泳動のバンド
濃さの測定した結果を図4に示した。HCV DNAは
DEX層液に分配され、BSAはPEG層液に主に分配
された。以上から、図3に示した流路チップを用い、層
流形成させて2相分配を行うことによって迅速に(核酸
を含む水溶液100μlの回収に要した時間は約1分間
である)HCV DNAとBSAを分離可能であること
が示された。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、フェノールやクロロホルムのような劇物を使
用せず、またろ過や遠心といった特別な機器をも必要と
しない、従って自動化が容易な核酸の分離(取得)方法
が提供される。また本発明は、マイクロ化または集積化
されたプレート等のマイクロチャンネル内で実施するこ
とも可能である。この結果、本発明は、かかるプレート
内で核酸を分離し、その後核酸の増幅操作を実施して任
意核酸の存在や存在量を測定するためのマイクロプレー
トを提供するうえで、重要な方法を提供するものであ
る。
【0049】
【配列表】
SEQUENCE LISTING <110> Tosoh Corporation <120> 核酸分離方法 <130> PA211-0772 <160> 2 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(R) <400> 1 gcctttcgcg acccaacact 20 <210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(F)<400> 2 acactccacc atagatcact cc 22
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の結果、すなわち、回収した水溶液に
タンパク定量用試薬を添加した場合の595nmにおけ
る吸光度、および、PCR産物を電気泳動した場合のバ
ンド濃さ(黒化度)の相対値(コントロールに対する
比、なおコンとロールは、106コピー/テストのHC
V DNAのPCR産物を電気泳動したものである)を
示した。横軸には、水性2相分配系におけるTrito
nX−100の終濃度をとった。NDとは、相対黒化度
0.08未満で、PCR産物のバンドが検出されなかっ
たものを示す。
【図2】実施例2の結果、すなわち、回収した水溶液液
にタンパク定量用試薬を添加した場合の595nmにお
ける吸光度、およびPCR産物を電気泳動した場合のバ
ンド濃さ(黒化度)の相対値(コントロールに対する
比、なおコンとロールは、106コピー/テストのHC
V DNAのPCR産物を電気泳動したものである)を
示した。横軸には、水性2相分配系におけるポリエチレ
ングリコール(PEG)およびデキストラン(DEX)
の終濃度をとった。
【図3】実施例3において、層流形成による2相分配を
行うために用いた流路チップ等を示した。開口部A、
B、C、Dは流路に通ずる開口部であり、実施例3では
AおよびBからシリンジポンプによってPEG層液およ
びDEX層液のそれぞれを導入する(流速:100μl
/min)ことによって層流形成部にて層流を形成させ
た。また層流により、PEG層液およびDEX層液を接
触させた後、CおよびDより各水溶液を回収した。
【図4】実施例3の結果、すなわち、層流形成による水
性2相から回収した水溶液にタンパク定量用試薬を添加
した場合の595nmにおける吸光度、およびPCR産
物を電気泳動した場合のバンド濃さ(黒化度)の相対値
(コントロールに対する比、なおコントロールは、10
6コピー/テストのHCV DNAのPCR産物を電気泳
動したものである)を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA01 CA11 HA11 HA20 4B063 QA01 QA19 QR41 QR43 QR52 QS12 4D056 AB20 AC20 AC22 AC27 AC29 BA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸を含有する試料について、試料、第
    一の水溶性ポリマー、第一の水溶性ポリマーと水性2相
    を形成する第二の水溶性ポリマーおよび界面活性剤を含
    む水溶液を形成し、該水溶液を静置して水性2相を形成
    させ、核酸とその他の成分を別個の相に分離する、核酸
    の分離方法。
  2. 【請求項2】 核酸を含有する試料について、第一の水
    溶性ポリマーを含む水溶液(第一ポリマー水溶液)と、
    第一の水溶性ポリマーと水性2相を形成する第二の水溶
    性ポリマーを含む水溶液(第二ポリマー水溶液)を形成
    し、ここで第一ポリマー水溶液と第二ポリマー水溶液の
    いずれか一方または両方は、試料と界面活性剤の両方を
    含む水溶液であり、第一ポリマー水溶液および第二ポリ
    マー水溶液を接触させ、核酸とその他の成分を別個の水
    溶液に分離する、核酸の分離方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法において、第一ポ
    リマー水溶液および第二ポリマー水溶液のそれぞれを流
    動させ、層流を形成させることによって第一ポリマー水
    溶液および第二ポリマー水溶液を接触させることを特徴
    とする、核酸の分離方法。
  4. 【請求項4】 第一の水溶性ポリマーはポリエチレング
    リコールであり、第二の水溶性ポリマーはデキストラン
    であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 界面活性剤は非イオン性界面活性剤であ
    ることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 非イオン性界面活性剤は終濃度0.05
    %以上であることを特徴とする、請求項5に記載の方
    法。
JP2002150836A 2002-05-24 2002-05-24 核酸分離方法 Pending JP2003339379A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150836A JP2003339379A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 核酸分離方法
DE60300318T DE60300318T2 (de) 2002-05-24 2003-05-22 Verfahren für die Nukleinsäureisolierung
EP03011621A EP1375660B1 (en) 2002-05-24 2003-05-22 Method of isolating nucleic acid
US10/443,824 US20040005616A1 (en) 2002-05-24 2003-05-23 Method of isolating nucleic acid

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002150836A JP2003339379A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 核酸分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003339379A true JP2003339379A (ja) 2003-12-02

Family

ID=29717420

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002150836A Pending JP2003339379A (ja) 2002-05-24 2002-05-24 核酸分離方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20040005616A1 (ja)
EP (1) EP1375660B1 (ja)
JP (1) JP2003339379A (ja)
DE (1) DE60300318T2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529229A (ja) * 2004-03-18 2007-10-25 アンビオン インコーポレーティッド 核酸精製のための固相支持体として修飾された表面
WO2020066471A1 (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 株式会社マンダム 化粧料

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5637687A (en) * 1993-08-31 1997-06-10 Wiggins; James C. Methods and compositions for isolating nucleic acids
EP0842184B1 (fr) * 1996-03-20 2003-01-29 Bio Merieux Isolement de l'acide nucleique
SE9603599D0 (sv) * 1996-10-02 1996-10-02 Pharmacia Biotech Ab A method of separating a two phase system

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007529229A (ja) * 2004-03-18 2007-10-25 アンビオン インコーポレーティッド 核酸精製のための固相支持体として修飾された表面
US8426126B2 (en) 2004-03-18 2013-04-23 Applied Biosystems, Llc Modified surfaces as solid supports for nucleic acid purification
US9464315B2 (en) 2004-03-18 2016-10-11 Applied Biosystems, Llc Modified surfaces as solid supports for nucleic acid purification
WO2020066471A1 (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 株式会社マンダム 化粧料
JPWO2020066471A1 (ja) * 2018-09-28 2021-04-08 株式会社マンダム 化粧料

Also Published As

Publication number Publication date
EP1375660B1 (en) 2005-02-09
US20040005616A1 (en) 2004-01-08
EP1375660A1 (en) 2004-01-02
DE60300318T2 (de) 2006-01-12
DE60300318D1 (de) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2217703B1 (en) Method for isolation of genomic dna, rna and proteins from a single sample
Sharp et al. Mapping of adenovirus 2 RNA sequences in lytically infected cells and transformed cell lines
Durnam et al. A practical approach for quantitating specific mRNAs by solution hybridization
US5990302A (en) Method for isolating ribonucleic acid
JP2552691B2 (ja) 生物学的試料中の核酸評価のためのカオトロピック方法
CA2614069C (en) Nucleic acid isolation using polidocanol and derivatives
AU2621899A (en) Improved method for the isolation of nucleic acid
EP1932913A1 (en) Nucleic acid isolation using polidocanol and derivatives
JP3452717B2 (ja) 核酸合成法
KR101981398B1 (ko) 세포외소포체 용해 버퍼 및 이를 이용한 핵산 추출 방법
EP1137800B1 (de) Verfahren zur reinigung bzw. isolierung viraler nukleinsäuren
JP2003339379A (ja) 核酸分離方法
US8030479B2 (en) Method of separating small RNA molecules using kosmotropic salt
US7786295B2 (en) Method to isolate DNA
JP3494509B2 (ja) 核酸合成法
EP3521447B1 (en) Nucleic acid extraction method and kit using same
JP2003000248A (ja) 改良された核酸抽出方法
JPH07184695A (ja) C型肝炎ウイルスの簡易検出法
EP1616951A1 (en) Method of isolating nucleic acid and, for nucleic acid isolation, kit and apparatus
Hegde et al. Rapid and inexpensive method of PCR ready DNA isolation from human peripheral blood and saliva
EP4306651A1 (en) Composition and the use of cell lysis reagents
JPH1080279A (ja) 核酸合成法
JP2001078761A (ja) 核酸結合性磁性シリカ粒子担体
AU2002255555B2 (en) Method to isolate DNA
JPH0870892A (ja) 遺伝子分析用試料としてのパラフィン包埋組織標本の処理方法及び処理用キット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080311

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080708