JP2003000248A - 改良された核酸抽出方法 - Google Patents

改良された核酸抽出方法

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JP2003000248A
JP2003000248A JP2001128081A JP2001128081A JP2003000248A JP 2003000248 A JP2003000248 A JP 2003000248A JP 2001128081 A JP2001128081 A JP 2001128081A JP 2001128081 A JP2001128081 A JP 2001128081A JP 2003000248 A JP2003000248 A JP 2003000248A
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acceleration
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JP2001128081A
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Juichi Saito
寿一 斉藤
Norihiko Ishiguro
敬彦 石黒
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】10000g以上の加速度を生ずる高速遠心が
不用で、この結果、設備的問題や、偽陽性(汚染)の原
因となり得るミストを発生させることのない、核酸抽出
法を提供する。 【解決手段】(1)該試料100μlに対して40μg
以上の割合で、多糖をキャリアーとして添加する工程、
(2)グアニジン塩、およびキャリアーと核酸を不溶化
させるためのアルコールを添加する工程、(3)不溶化
した核酸およびキャリアーを、2000g〜10000
gの加速度が得られる遠心で分離する工程からなる核酸
抽出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸を含有する試
料から核酸を抽出する方法に関するものであり、バイオ
テクノロジーおよび臨床診断分野で利用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】核酸を含有する試料からの核酸の抽出
は、バイオテクノロジーおよび臨床診断等の分野で重要
な操作である。特に、遺伝子検査においては細胞中ある
いはウイルス中の核酸を分離して、その後の核酸増幅あ
るいは検出工程に使用する必要がある。しかし、従来の
核酸抽出方法は煩雑な操作を要求するため、容器間ある
いは環境からの核酸の汚染を避けて、再現性良く抽出す
るためには熟練した技術が必要だった。そのため、核酸
抽出工程は遺伝子検査の多数検体処理の障壁のひとつと
なっており、簡便な抽出方法が望まれてきた。
【0003】核酸抽出の従来法としては、劇物であるフ
ェノールおよびクロロホルムを使用するプロテアーゼK
/フェノール法(Sambrook,Jら, Mole
cular Cloning,A Laborator
y Manual,2nded.,Cold Spri
ng Harbor Laboratory Pres
s(1989)7−12〜7−15)およびAGPC法
(Chomczynski,P.およびSacchi,
N.,Analytical Biochemistr
y(1987)162,156−159)がある。ま
た、特開平7−59572号公報には、フェノールおよ
びクロロホルムを使用しない簡便な抽出方法が開示され
ている。すなわち、(1)デキストラン、アクリルアミ
ドおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選
ばれる1種以上のキャリアーを試料と混合して混合液を
形成する工程、(2)チオシアン酸グアニジン、塩酸グ
アニジン、チオシアン酸カリウムおよびチオシアン酸ナ
トリウムからなる群から選ばれる試薬Aと、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルア
ルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチ
ルアルコールおよびtert−アミルアルコールからな
る群から選ばれる1種以上の試薬Bを含む試薬Cを工程
(1)の混合液に混合して核酸およびキャリアーを不溶
化する工程、(3)不溶化された核酸およびキャリアー
を液相と分離する工程からなる核酸抽出法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プロテアーゼK/フェ
ノール法およびAGPC法は劇物であるフェノールおよ
びクロロホルムを使用することから、操作の際の安全性
および使用済試薬の廃棄に課題がある。
【0005】特開平7−59572号公報に開示された
方法では不溶化された核酸およびキャリアーと液相の分
離にろ過あるいは遠心を使用する。一般的に、得られた
不溶化物を少量の溶液に溶解して高濃度な抽出物を得た
い場合、ろ過は適当でないため遠心分離が用いられる。
しかし、特開平7−59572号公報には遠心条件に関
する詳細な記述なく、通常は10000g以上の加速度
を生ずる高速遠心を実施する(前述のプロテアーゼK/
フェノール法およびAGPC法も同様の遠心を必要とす
る)。このことは、設備的問題だけでなく、偽陽性(汚
染)の原因となり得るミストを発生させる危険性を有し
ている。また、これらの操作を自動化する場合の大きな
障害ともなっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の核酸抽
出法の課題を解決した核酸抽出の改良法であって、フェ
ノールやクロロホルムのような劇物を使用せず、卓上小
型遠心機でも達成可能な比較的低速度の遠心で抽出でき
る簡便な核酸抽出方法を提供する。請求項1に記載した
本発明は、核酸を含有する試料から核酸を抽出する方法
であって、(1)該試料100μlに対して40μg以
上の割合で、多糖をキャリアーとして添加する工程、
(2)グアニジン塩、およびキャリアーと核酸を不溶化
させるためのアルコールを添加する工程、(3)不溶化
した核酸およびキャリアーを、2000g〜10000
gの加速度が得られる遠心で分離する工程からなること
を特徴とする。請求項2に記載した本発明は請求項1の
発明に係り、前記キャリアーが分子量40万〜200万
のデキストランであることを特徴とする。請求項3に記
載した本発明は請求項1の発明に係り、前記グアニジン
塩がチオシアン酸グアニジンであることを特徴とする。
そして請求項4に記載した本発明は請求項1の発明に係
り、前記核酸およびキャリアーを不溶化させるためのア
ルコールがイソプロピルアルコールであることを特徴と
する。以下に本発明を詳細に説明する。
【0007】本発明中の、核酸とは1本鎖あるいは2本
鎖のRNAまたはDNAで、染色体(ウイルスゲノムを
含む)DNA、ミトコンドリアDNA、プラスミドDN
A、メッセンジャーRNA、リボゾームRNA、トラン
スファーRNA、ウイルスゲノムRNA、核酸増幅産物
などがあげられる。核酸を含有する試料とは、前記核酸
溶液、前記核酸を有する細胞(細菌)、ウイルス、また
はこれらを含む生体成分(血液、血漿、血清、喀痰、糞
尿など)に由来する試料である。
【0008】本発明では、前記核酸を含有する試料10
0μlに対して40μg以上の割合で、多糖をキャリア
ーとして添加する。キャリアー添加量は40μg以上な
らば特に限定されるものではなく、溶解度などを考慮し
て任意に設定することができるが、さらに好適には40
μg〜160μgの範囲で選ぶのが望ましい。キャリア
ーはアルコール(後述)を添加した場合に核酸とともに
不溶化し、核酸を絡めて大きな不溶物を形成する性質を
有する。キャリアーとしては各種分子量のデキストラン
あるいはグリコーゲンから少なくとも1種を選ぶことが
できるが、分子量40万〜200万のデキストランが望
ましい。
【0009】引き続き、キャリアーを添加した試料にグ
アニジン塩、およびキャリアーと核酸を不溶化させるた
めのアルコールを添加する。グアニジン塩は細胞膜(細
胞壁)、ウイルス粒子などのタンパク質を変性、可溶化
する性質を有する。これによって核酸は溶液中に露出さ
れ、アルコールによって不溶化される。グアニジン塩は
チオシアン酸グアニジンあるいは塩酸グアニジンから選
ぶことができるが、チオシアン酸グアニジンを終濃度
1.5M〜4.5Mになるように添加することが望まし
く、さらに好適には終濃度2M〜3Mになるように添加
することが望ましい。
【0010】キャリアーおよび核酸を不溶化させるため
のアルコールは核酸、キャリアーを不溶化するとともに
塩など核酸以外の不要な共存物質を不溶化しないものが
適切である。該アルコールとしてはn−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コールおよびtert−アミルアルコールから少なくと
も1種を選ぶことができるが、イソプロピルアルコール
を終濃度40%〜80%となるように添加することが望
ましく、さらに好適には終濃度45%〜55%となるよ
うに添加することが望ましい。さらに、前記チオシアン
酸グアニジンおよび前記イソプロピルアルコールはあら
かじめ混合しておいても良い。また、ここで核酸分解酵
素を抑制し得るクエン酸ナトリウム、EDTA等のキレ
ート剤やジチオスレイトール(DTT)、βメルカプト
エタノール等の還元剤を添加しても良い。
【0011】次に、不溶化した核酸およびキャリアー
を、2000g〜10000gの加速度が得られる遠心
で液相と分離する。遠心分離の際の加速度は2000g
以上が得られれば十分であるが、卓上小型遠心機を用い
ても容易に達成できる加速度2000g〜10000g
が望ましく、さらに好適には2300g〜6000gの
加速度の遠心が望ましい。遠心時間は、使用するチュー
ブなどの条件から任意に設定することができるが、3分
間以上ならば十分であり、時間節約のためには3〜5分
間が望ましい。
【0012】なお、不溶化した核酸およびキャリアーは
必要に応じて洗浄液で少なくとも1回洗浄しても良い。
該洗浄液は不溶化した核酸およびキャリアーが溶解しな
い程度のアルコールを含み、必要に応じて塩や界面活性
剤を添加するここもできる。得られた核酸は、所望の溶
液に溶解して、ポリメレース・チェイン・リアクション
(PCR)をはじめとする既知の核酸増幅法あるいはハ
イブリダイゼーション法などの核酸検出法に適用でき
る。
【0013】
【発明の実施形態】以下に本発明を実施例により更に詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定され
るものではない。
【0014】実施例1 低加速度遠心(2270g)に
おける核酸回収率の評価 (1)HCV(C型肝炎ウイルス)cDNA由来の塩基
番号1〜1865(配列および塩基番号はKato,
N.ら Proc.Natl.Acad.Sci.US
A(1990),87,9524−9528に従う)を
含む2本鎖DNAの希釈系列、37コピー、1.1×1
2コピー、3.3×102コピー、103コピー、104
コピー/100μl希釈液を調製した。希釈液の組成を
以下に示した。
【0015】希釈液の組成 10mM Tris・HCl(pH7.9) 0.15M NaCl 5% ウシ血清アルブミン 0.5mM EDTA (2)DNA非添加の希釈液(以後、Neg希釈液とす
る)および前記希釈系列のそれぞれ100μlを1.5
mlチューブ(エッペンドルフ)にとり、それぞれに試
薬1を2μl(デキストラン量20μg)添加し、混合
した。試薬1の組成を以下に示す。
【0016】試薬1の組成 10mg/mlデキストラン(分子量48万) 3mM NaN3 (3)各チューブに試薬2を500μl添加し、混合し
た。試薬2の組成を以下に示す。
【0017】試薬2の組成 2.4M チオシアン酸グアニジン 15mM クエン酸三ナトリウム 60% イソプロピルアルコール (4)引き続き、各希釈系列のチューブをそれぞれ22
70g(トミー工業(株)のMC−150型遠心機で5
500rpm)、あるいは16860g(トミー工業
(株)のMC−150型遠心機で15000rpm)の
加速度で3分間遠心した。
【0018】(5)上清をアスピレーターで除いた後、
試薬3を300μl添加し、攪拌した。試薬3の組成を
以下に示す。
【0019】試薬3の組成 133mM KCl 60% イソプロピルアルコール (6)操作(4)に対応させて、それぞれを2270g
あるいは16860gの加速度で3分間遠心した。
【0020】(7)上清をアスピレーターで吸引、除去
した後、沈殿を10μlのTEに溶解した。TEの組成
を以下に示す。
【0021】TEの組成 10mM Tris・HCl(pH8.0) 0.1mM EDTA (8)各チューブから10μlをとり、0.5ml P
CRチューブ(GeneAmp Thin−Walle
d Reaction Tubes、(株)パーキンエ
ルマージャパン)に移した。
【0022】(9)引き続いて、65μlのPCRミッ
クス(組成を以下に示した)を添加した後、60μlの
ミネラルオイルを重層した。サーマルサイクラー(Ge
neAmp 9600 PCR system、(株)
パーキンエルマージャパン)でPCRを以下の条件で実
施した。
【0023】PCRミックスの組成 11.5mM Tris・HCl(pH8.3) 57.7mM KCl 2.6mM MgCl2 0.3mM dNTP(dATP、dGTP、dCT
P、TTPそれぞれ0.3mM) 0.28mM プライマー(R)(配列番号1)(HC
V cDNA塩基番号248〜267(Kato,N.
ら)に相補的) 0.28mM プライマー(F)(配列番号2) (HCV cDNA塩基番号10〜31(Kato,
N.ら)と相同) 0.023% TritonX−100 0.035U/μl AmpliTaq Gold
((株)パーキンエルマージャパン製) PCR条件 95℃、9分間 95℃、30秒間 62℃、30秒間 72℃、1分間 〜を40サイクル。
【0024】(10)PCR産物10μlを3%アガロ
ースで電気泳動した後、SYBRGreenII(宝酒
造)で染色した。電気泳動のバンドをデンシトメーター
(デンシトグラフ、アトー(株)製)で確認、定量し
た。
【0025】電気泳動の結果 を図1、電気泳動のバン
ド濃さをデンシトメーターで測定した結果を図2に示し
た。キャリアーとして20μgのデキストランを添加し
た場合、2270gの遠心によるDNAの回収率は16
860gの場合の約1/3であった(図2)。デキスト
ランの添加量20μgは16860gで遠心する場合で
は十分量であるが、この条件で遠心加速度を小さくする
(2270g)と核酸の回収率が低下することが示され
た。
【0026】実施例2 キャリアーとしてのデキストラ
ン添加量の検討。
【0027】(1)HCV(C型肝炎ウイルス)cDN
A由来の塩基番号1〜1865を含む(実施例1参照)
2本鎖DNA、37コピー/100μl 希釈液(Po
s希釈液とする)を調製した。希釈液の組成を以下に示
した。
【0028】希釈液の組成 10mM Tris・HCl(pH7.9) 0.15M NaCl 5% ウシ血清アルブミン 0.5mM EDTA (2)Pos希釈液100μlを1.5mlチューブ
(エッペンドルフ)にとり、試薬1を2μl(デキスト
ラン量20μg)、4μl(デキストラン量40μ
g)、8μl(デキストラン量80μg)、12μl
(デキストラン量120μg)、16μl(デキストラ
ン量160μg)、添加し、混合した。
【0029】試薬1の組成 10mg/mlデキストラン(分子量48万) 3mM NaN3 (3)各チューブに試薬2を500μl添加し、混合し
た。試薬2の組成を以下に示す。
【0030】試薬2の組成 2.4M チオシアン酸グアニジン 15mM クエン酸三ナトリウム 60% イソプロピルアルコール (4)各チューブを2270g(実施例1に従う)の加
速度で3分間遠心した。同時に、デキストラン添加量2
0μgで加速度16860g(実施例1に従う)の場合
も実施した。
【0031】(5)上清をアスピレーターで除いた後、
試薬3を300μl添加し、攪拌した。試薬3の組成を
以下に示す。
【0032】試薬3の組成 133mM KCl 60% イソプロピルアルコール (6)操作(4)に対応させて、それぞれを2270g
あるいは16860gの加速度で3分間遠心した。
【0033】(7)上清をアスピレーターで吸引、除去
した後、沈殿を10μlのTEに溶解した。TEの組成
を以下に示す。
【0034】TEの組成 10mM Tris・HCl(pH8.0) 0.1mM EDTA (8)各チューブから10μlをとり、0.5ml P
CRチューブ(GeneAmp Thin−Walle
d Reaction Tubes、(株)パーキンエ
ルマージャパン)に移した。
【0035】(9)引き続いて、65μlのPCRミッ
クス(組成を以下に示した)を添加した後、60μlの
ミネラルオイルを重層した。サーマルサイクラー(Ge
neAmp 9600 PCR system、(株)
パーキンエルマージャパン)でPCRを以下の条件で実
施した。
【0036】PCRミックスの組成 11.5mM Tris・HCl(pH8.3) 57.7mM KCl 2.6mM MgCl2 0.3mM dNTP(dATP、dGTP、dCT
P、TTPそれぞれ0.3mM) 0.28mM プライマー(R)(配列番号3) 0.28mM プライマー(F)(配列番号4) 0.023% TritonX−100 0.035U/μl AmpliTaq Gold
((株)パーキンエルマージャパン製) PCR条件 95℃、9分間 95℃、30秒間 62℃、30秒間 72℃、1分間 〜を40サイクル。
【0037】(10)PCR産物10μlを3%アガロ
ースで電気泳動した後、SYBRGreenII(宝酒
造)で染色した。電気泳動のバンドをデンシトメーター
(デンシトグラフ、アトー(株))で確認、定量した。
【0038】電気泳動の結果 を図3、電気泳動のバン
ド濃さをデンシトメーターで測定した結果を図4に示し
た。遠心加速度2270gにおいて、デキストラン添加
量を40μg以上とすると、16860gの場合に匹敵
するPCR産物が得られた(図4)。デキストラン添加
量40μg以上とすることで、2270gという低加速
度の遠心でも高収率な核酸抽出が可能となった。
【0039】実施例3 HCV陽性血清からのウイルス
RNAの抽出。
【0040】(1)HCV(C型肝炎ウイルス)陽性血
清(5×105コピー/100μl)を正常人血清(以
後、Neg血清とする)で希釈して、104コピー/1
00μl 血清(以後、Pos血清とする)を調製し
た。
【0041】(2)NegおよびPos血清100μl
を1.5mlチューブ(エッペンドルフ)にとり、それ
ぞれに試薬1を2μl(デキストラン量20μg)ある
いは10μl(デキストラン量100μg)添加し、混
合した。試薬1の組成を以下に示す。
【0042】試薬1の組成 10mg/mlデキストラン(分子量48万) 3mM NaN3 (3)各チューブに試薬2を500μl添加し、混合し
た。試薬2の組成を以下に示す。
【0043】試薬2の組成 2.4M チオシアン酸グアニジン 15mM クエン酸三ナトリウム 60% イソプロピルアルコール (4)デキストラン100μgを添加したものについて
は2270g(実施例1に従う)、デキストラン20μ
gを添加したものについては16860g(実施例1に
従う)の加速度で3分間遠心した。
【0044】(5)上清をアスピレーターで除いた後、
試薬3を300μl添加し、攪拌した。試薬3の組成を
以下に示す。
【0045】試薬3の組成 133mM KCl 60% イソプロピルアルコール (6)操作(4)に対応させて、それぞれを2270g
あるいは16860gの加速度で3分間遠心した。
【0046】(7)上清をアスピレーターで除いた後、
沈殿を10μlのサンプル希釈液に溶解した。サンプル
希釈液の組成を以下に示す。
【0047】サンプル希釈液の組成 10mM Tris・HCl(pH8.0) 5mM DTT 0.25U/μl リボヌクレエースインヒビター(宝
酒造) (8)各チューブから5μlをとり、0.5ml PC
Rチューブ(GeneAmp Thin−Walled
Reaction Tubes、(株)パーキンエル
マージャパン製)に移した。
【0048】(9)10μlのRTミックスを添加し、
60μlのミネラルオイルを重層した後、サーマルサイ
クラー(GeneAmp 9600 PCR syst
em、(株)パーキンエルマージャパン製)を用いて、
逆転写反応を行った。RTミックスと逆転写反応条件を
以下に示す。
【0049】RTミックスの組成 15mM Tris・HCl(pH8.3) 75mM KCl 6.8mM MgCl2 2.0mM dNTP(dATP、dGTP、dCT
P、TTPそれぞれ0.3mM) 1.8mM プライマー(R)(配列番号5) 3U/μl MMLV逆転写酵素(LIFE TECH
NOLOGIES) 逆転写反応条件 42℃、10分間 99℃、6分間 (10)各チューブに60μlのPCRミックスを添加
した後、サーマルサイクラー((株)パーキンエルマー
ジャパン)でPCRを実施した。PCRミックスおよび
PCR条件を以下に示す。
【0050】PCRミックスの組成 10mM Tris・HCl(pH8.3) 50mM KCl 1.6mM MgCl2 0.3mM プライマー(F)(配列番号6) 0.025% TritonX−100 0.038U/μl AmpliTaq Gold
((株)パーキンエルマージャパン製) PCR条件 95℃、9分間 95℃、30秒間 62℃、30秒間 72℃、1分間 〜を40サイクル。
【0051】(11)PCR産物10μlを3%アガロ
ースで電気泳動した後、SYBRGreenII(宝酒
造)で染色した。電気泳動のバンドをデンシトメーター
(デンシトグラフ、アトー(株))で確認、定量した。
【0052】電気泳動の結果を図5、電気泳動のバンド
濃さをデンシトメーターで測定した結果を図6に示し
た。遠心加速度2270gでもデキストランを100μ
g添加した場合、16860gの場合に匹敵するPCR
産物が得られた(図6)。血清中のHCV粒子からのR
NA抽出についても、デキストランを100μg添加す
ることで2270gという低加速度でも高収率に抽出で
きることが示された。
【0053】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明は、フェノ
ールやクロロホルムなどの劇物を使用せずに、簡易な卓
上小型遠心機で容易に発生し得る2000g〜1000
0gの加速度の遠心によって分離できる簡便な核酸抽出
方法を提供する。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Tosoh Corporation <120> 改良された核酸抽出方法 <130> 211-0457 <160> 6 <210> 1 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(R) <400> 1 gcctttcgcg acccaacact 20 <210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(F) <400> 2 acactccacc atagatcact cc 22 <210> 3 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(R) <400> 3 gcctttcgcg acccaacact 20 <210> 4 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(F) <400> 4 acactccacc atagatcact cc 22 <210> 5 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(R) <400> 5 gcctttcgcg acccaacact 20 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> プライマー(F) <400> 6 acactccacc atagatcact cc 22
【図面の簡単な説明】
【図1】PCR産物10μlを3%アガロースで電気泳
動し、SYBR GreenIIで染色した結果を示し
た(写真は白黒反転画像)。φX174/HaeIII
は分子量マーカー。図中の矢印がPCR産物のバンドの
位置。104コピー/100μl(加速度16860
g)の場合のPCR産物を、バンド濃さ測定のためのマ
ーカー(以後、電気泳動マーカーとする)としてレーン
14、27に泳動した。
【図2】図2は、図1の電気泳動のバンド濃さをデンシ
トメーターで測定した結果である。電気泳動マーカーの
バンド濃さに対する各産物のバンド濃さの比率(以後、
相対黒化度とする)を示した。
【図3】PCR産物10μlを3%アガロースで電気泳
動し、SYBR GreenIIで染色した結果を示し
た(写真は白黒反転画像)。φX174/HaeIII
は分子量マーカー。図中の矢印がPCR産物のバンドの
位置。レーン12、18に電気泳動マーカー(図1の電
気泳動で用いたもの)を泳動した。
【図4】図3の電気泳動で得られたバンドの相対黒化度
(図2の説明参照)をデンシトメーターで測定した結果
を示した。黒抜きは加速度16860g、白抜きは加速
度2270gの場合を表す。
【図5】RT−PCR産物10μlを3%アガロースで
電気泳動し、SYBR GreenIIで染色した結果
を示した(写真は白黒反転画像)。φX174/Hae
IIIは分子量マーカー。図中の矢印がPCR産物のバ
ンドの位置。レーン10に電気泳動マーカー(図1の電
気泳動で用いたもの)を泳動した。
【図6】図5の電気泳動で得られたバンドの相対黒化度
(図2の説明参照)をデンシトメーターで測定した結果
を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G045 BA11 BA13 BB02 BB03 BB10 BB29 BB32 CA25 CA26 CB03 CB04 CB07 FB05 2G052 AA28 AA30 AA32 AA33 AA36 AD34 ED16 ED17 FB05 FD01 FD09 FD20 GA11 GA22 JA04 JA09 JA24 4B024 AA11 AA20 CA04 CA11 HA12 4B063 QA01 QA18 QQ42 QQ52 QR42 QR55 QR62 QS13 QS25 QS34

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核酸を含有する試料から核酸を抽出する方
    法であって、(1)該試料100μlに対して40μg
    以上の割合で、多糖をキャリアーとして添加する工程、
    (2)グアニジン塩、およびキャリアーと核酸を不溶化
    させるためのアルコールを添加する工程、(3)不溶化
    した核酸およびキャリアーを、2000g〜10000
    gの加速度が得られる遠心で分離する工程からなること
    を特徴とする核酸抽出方法。
  2. 【請求項2】前記キャリアーが、分子量40万〜200
    万のデキストランであることを特徴とする請求項1に記
    載の核酸抽出方法。
  3. 【請求項3】前記グアニジン塩がチオシアン酸グアニジ
    ンであることを特徴とする請求項1に記載の核酸抽出方
    法。
  4. 【請求項4】前記核酸およびキャリアーを不溶化させる
    ためのアルコールがイソプロピルアルコールであること
    を特徴とする請求項1に記載の核酸抽出方法。
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