JP5014947B2 - 表層溶融処理装置及び表層溶融処理開始方法 - Google Patents

表層溶融処理装置及び表層溶融処理開始方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば鋼の連続鋳造鋳片あるいは圧延途上の鋼片の表層を、プラズマによって加熱したり、溶融処理するための表層溶融処理装置及び表層溶融処理開始方法に関する。
例えば連続鋳造後の鋳片や圧延途中の鋼片等の鋳鋼片の表層を改質する処理方法として、例えば搬送される鋳鋼片の表層をプラズマアークの熱によって加熱して溶融し、この溶融した表層部分に他の溶質成分を添加することにより表層を改質する方法が提案されている(特許文献1)。
このように鋳鋼片の表層を溶融処理する場合には、鋳鋼片に対し、プラズマアークによって均一に加熱、溶融させ、可能な限り鋳鋼片の表層を均一に溶融処理する必要がある。そこで、交流磁場の電磁力を用いてプラズマアークを鋳鋼片の搬送方向と直交する方向に往復運動させて、鋳鋼片の表層を溶融し、表面処理を行う方法が提案されている(特許文献2)。なお、本願において「鋳鋼片」とは、「鋳片」と「鋼片」を総称したものであり、「鋳片」とは鋳造後の鋼材を、「鋼片」とは鋳片を圧延した後の鋼材を意味している。
特開2004−195512号公報 特開昭54−142152号公報
このような鋳鋼片の表層溶融処理においては、切断された鋳鋼片に対して直流プラズマによって溶融処理を開始する際に、直流プラズマの着火を行う必要がある。この直流プラズマの着火を行うための装置として、従来より、例えば図6に示す鋳片の表層溶融処理装置100が用いられている。表層溶融処理装置100は、例えば直方体形状のチャンバ101を有している。チャンバ101の側面には、鋳片Hをチャンバ101内に搬入するための搬入口102と、鋳片Hを搬出するための搬出口103とが形成されている。チャンバ101の上面には、鋳片Hとの間に直流プラズマによるプラズマアークPを形成するプラズマトーチ104が貫通して設けられている。プラズマトーチ104は、例えば鋳片Hの搬送方向Dと直角方向に並列に複数配置され、これらの複数のプラズマトーチ104は、チャンバ101の上面外側に設けられた昇降装置105によって昇降自在になっている。チャンバ101の内部であって鋳片Hの上方には、例えばループ状の電磁コイル106がプラズマトーチ104を挟んで鋳片Hの搬送方向Dの前方及び後方の両側に設けられている。チャンバ101の外部には、直流電源107が設けられている。直流電源107は、プラズマトーチ104と鋳片Hに接触するアース108に接続され、プラズマトーチ104内の電極(陰極)と鋳片H(陽極)との間に直流電流を流すことができる。
そして、先ず、図6(a)に示すように、プラズマトーチ104を鋳片Hから例えば10mm程度の距離に下降させる。次に、プラズマトーチ104内の電極(陰極)とプラズマトーチ104の外筒であるノズルとの間に例えば数10kHzの高周波電圧を印加し、放電させて直流プラズマを発生させる。そして、直流電源107によってプラズマトーチの電極(陰極)とプラズマアーク電極(陽極)との間に直流電流を供給し、プラズマトーチ104内の電極(陰極)とノズルとの間に例えばアルゴンガス等の不活性ガスを流す。そうすると、プラズマトーチ104と鋳片Hとの間に直流プラズマによるプラズマアークPが形成される。そして、図6(b)に示すように、プラズマトーチ104を上昇させ、電磁コイル106によって交流磁場を発生させて、扁平プラズマアークPを形成する。そして、鋳片Hの表層の溶融処理が開始する。
しかしながら、この表層溶融処理装置100を用いた場合、並列に配置したプラズマトーチ104をその電流ケーブルも併せて昇降装置105によって機械的に昇降させる必要があり、表層溶融処理装置100が大型化していた。また、チャンバ101の内部は、通常、酸化を抑制するために不活性ガス雰囲気に維持されるため、プラズマトーチ104が昇降する部分では、チャンバ101とプラズマトーチ104との間でガスシール性を保つ必要がある。そして、このチャンバ101とプラズマトーチ104との隙間のガスシールは、プラズマトーチ104による高温の輻射雰囲気という過酷な温度の中に対しても耐久性を有し、また、プラズマトーチ104の昇降に対する耐久性も有している必要がある。ガスシールにはこのような耐久性が要求されるため、表層溶融処理装置100が高価な装置となっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、プラズマを用いた鋳鋼片の表層の溶融処理において、当該溶融処理する表層溶融処理装置の小型化及び低廉化を図ることを目的とする。
前記の目的を達成するため、搬送されていく鋳鋼片との間にプラズマアークを発生させるプラズマトーチを備えた表層溶融処理装置であって、前記プラズマトーチと鋳鋼片の間に、プラズマアークを形成させる処理開始機構を有し、前記処理開始機構は、前記プラズマトーチの直下に位置するプラズマアーク電極と、前記プラズマアーク電極を昇降させる昇降装置とを備え、前記プラズマアーク電極は、前記昇降装置によって、前記プラズマトーチとの間でプラズマアークを形成できる位置まで上昇可能であり、かつ前記鋳鋼片の上面よりも低い位置まで下降可能であり、前記プラズマアーク電極は、前記鋳鋼片の搬送を妨げない位置まで退避可能であることを特徴としている。
本発明によれば、プラズマトーチの直下に昇降自在のプラズマアーク電極が設けられ、プラズマアーク電極は、プラズマトーチとの間でプラズマアークを形成できる位置まで上昇可能なので、例えば鋳鋼片の表層の溶融処理を開始する際に、プラズマアーク電極を上昇させてプラズマアーク電極とプラズマトーチとの間にプラズマアークを形成することができる。そして、プラズマアーク電極は、鋳鋼片の上面よりも低い位置まで下降可能なので、プラズマアークが形成された状態のプラズマアーク電極を下降させ、プラズマトーチとプラズマアーク電極との距離がプラズマトーチと鋳鋼片との距離よりも長くなる位置、すなわちプラズマアーク電極の上面が鋳鋼片の上面と同じ高さあるいは低い位置において、プラズマアークを鋳鋼片に円滑に移行させることができる。これによって、従来のようにプラズマトーチを昇降させずに、プラズマトーチと鋳鋼片との間にプラズマアークを形成することができるので、プラズマトーチを昇降させるための大掛かりな昇降装置が不要となる。したがって、表層溶融処理装置を小型化することができる。また、従来のようにプラズマトーチを昇降させる必要がなくなるので、プラズマトーチとチャンバとの間に設けられていた高価なガスシールが不要になり、表層溶融処理装置を低廉化することができる。したがって、本発明によれば、表層溶融処理装置の小型化及び低廉化を図ることができる。さらに、本発明のプラズマアーク電極は、鋳鋼片の搬送を妨げない位置まで退避可能であるので、鋳鋼片の表層溶融処理の稼動効率が悪化することもない。
前記プラズマアーク電極は、前記鋳鋼片の下面よりも低い位置まで下降して退避してもよい。
前記プラズマアーク電極は、前記鋳鋼片の搬送方向前方に倒れることで退避してもよい。
前記プラズマアーク電極の上面が鋳鋼片の上面と同じ高さとなる位置において、当該プラズマアーク電極への電圧の印加を停止又は開始する制御部を有していてもよい。
別な観点による本発明は、搬送されていく鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させて鋳鋼片の表層を溶融処理する方法において、前記鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させるにあたり、前記鋳鋼片の上方かつ前記プラズマトーチの直下に位置するプラズマアーク電極とプラズマトーチとの間にプラズマアークを形成し、その後この状態で前記プラズマアーク電極を、前記鋳鋼片の少なくとも上面位置まで下降させて、プラズマアーク電極とプラズマトーチとの間に発生しているプラズマアークを鋳鋼片側に移行し、次いで前記プラズマアーク電極を前記鋳鋼片の搬送を妨げない位置まで退避させることを特徴としている。
前記プラズマアーク電極を、前記鋳鋼片の少なくとも上面位置まで下降させた時点で、プラズマアーク電極への電圧の印加を停止してもよい。
前記プラズマアーク電極を、前記鋳鋼片の少なくとも上面位置まで上昇させた時点で、プラズマアーク電極への電圧の印加を開始してもよい。
本発明によれば、従来設けられていたプラズマトーチを昇降させる機構やガスシールが不要になり、表層溶融処理装置の小型化及び低廉化を図ることができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1及び図2は、本実施の形態にかかる鋳片Hの表層溶融処理装置1の構成の概略を示す縦断面図である。鋳片Hは、例えば厚さ250mm、幅1200mmの連続鋳造鋳片であり、0.2質量%の炭素を含有する炭素鋼である。
表層溶融処理装置1は、水平方向に搬送される鋳片Hの搬送ライン上に設けられている。表層溶融処理装置1は、図1及び図2に示すように、例えば直方体形状のチャンバ2を有している。チャンバ2の側面には、鋳片Hを搬入するための搬入口3が形成され、搬入口3には、開閉シャッター4が設けられている。チャンバ2の搬入口3に対向する側面には、鋳片Hを搬出するための搬出口5が形成され、搬出口5には、開閉シャッター6が設けられている。なお、鋼片Hの表層の溶融処理中、チャンバ2の雰囲気は、例えばアルゴンガスや水素とアルゴンガスの混合ガスの雰囲気に維持されている。
チャンバ2の上面には、チャンバ2の上面を貫通し、チャンバ2に固定されたプラズマトーチ7が設けられている。プラズマトーチ7は外筒であるノズル7aを有し、ノズル7aの内部には電極7bが設けられている。プラズマトーチ7は、搬送方向Dと直角方向に沿って、例えば100mm間隔で並列に複数、例えば12本配置されている。プラズマトーチ7は、電圧の印加によって、直流プラズマを発生させることができ、直流電源8から電圧を印加し直流電流を供給することによって、後述するプラズマアーク電極11あるいは鋳片Hとの間に直流プラズマによるプラズマアークPを形成することができる。なお、プラズマアークPを生成するために、プラズマトーチ7内には、例えばアルゴンガスや水素とアルゴンガスの混合ガスがプラズマガスとして流される。
プラズマトーチ7の下方には、プラズマトーチ7と鋳片Hとの間にプラズマアークPを形成するための処理開始機構10が設けられている。処理開始機構10は、鋳片Hの搬送方向Dと直角方向に延び、チャンバ2内を昇降自在のプラズマアーク電極11を有している。プラズマアーク電極11は、プラズマトーチ7の直下であって、鋳片Hの搬送方向Dの前方に位置している。プラズマアーク電極11は、その両端を支持部材12によって支持されている。支持部材12の下端には、プラズマアーク電極11を昇降させる昇降装置13が設けられている。昇降装置13は、チャンバ2の下面の外側に設けられている。昇降装置13の上部には、チャンバ2の下面を貫通するケーシング14が設けられ、支持部材12はケーシング14内を昇降できるようになっている。ケーシング14とチャンバ2との間の隙間にはシール材が設けられている。このように構成された処理開始機構10によって、プラズマアーク電極11は、プラズマトーチ7との間でプラズマアークPを形成できる位置まで上昇することができ、鋳片Hの搬送を妨げない位置、すなわち鋳片Hの下面より低い位置まで下降することができる。プラズマアーク電極11と直流電源8との間には、プラズマアーク電極11への直流電流の供給を制御するスイッチ15が設けられている。そして、プラズマアーク電極11は、鋳片Hの上方の位置において、スイッチ15を入れた状態で直流電源8から電圧を印加し直流電流を供給することによって、直流プラズマの陽極となり、プラズマトーチ7との間でプラズマアークPを形成できる。なお、プラズマアーク電極11は、例えば長さ1200mm、直径6mmのタングステン棒材を用いることができる。タングステン棒材には、トリア(二酸化トリウム)が含有されているのが好ましい。
プラズマトーチ7と鋳片Hの間には、プラズマアークPに対して交流磁場を発生させるための電磁コイル21、22が、プラズマアークP(プラズマアーク電極11)を挟んで対向して平行に設けられている。電磁コイル21、22は、例えばループ状で、鋳片Hの搬送方向Dと直角方向に延びている。これらの電磁コイル21、22の水平距離は、プラズマアーク電極11を通過させることができる距離、例えば80mmである。そして、電磁コイル21、22は、交流電源(図示せず)からの交流電流の供給によって、電磁コイル21、22の間に交流磁場を発生させ、プラズマアークPに周期的に電磁力を作用させる。そうすると、プラズマアークPを、供給される交流の周波数に応じて鋳片Hの搬送方向Dと直角方向に往復移動させることができる。
鋳片Hの下面には、直流電源8に接続されたアース23が接触している。アース23に、直流電源8から電圧を印加し直流電流を供給することによって、鋳片Hを直流プラズマの陽極にすることができる。
これらの直流電源8からプラズマトーチ7への直流電流の供給、プラズマアーク電極11への直流電流の供給(スイッチ15の制御)、アース23への直流電流の供給は、チャンバ2の外部に設けられた制御部30によって制御される。
本実施の形態にかかる表層溶融処理装置1は以上のように構成されており、次にその表層溶融処理装置1で行われる鋳片Hの溶融処理について説明する。本実施の形態においては、鋳片Hの上面からの深さが例えば5mmまでの表層について溶融処理を行う。
先ず、搬入口3の開閉シャッター4を開き、鋳片Hをチャンバ2内に搬入する。搬入された鋳片Hは、プラズマアーク電極11から鋳片Hの搬送方向Dの後方で停止させる。鋳片Hの停止位置は、プラズマアーク電極11と鋳片Hとの隙間の搬送方向Dの水平距離が、プラズマアークPの直径以下、例えば20mm以下となる位置である。このとき、プラズマアーク電極11は、昇降装置13によって、プラズマトーチ7の下端から10mm下方の位置に配置されている。
次に、プラズマトーチ7のノズル7aと電極7b(陰極)との間に、例えば20kHz、300Vの高周波電圧を印加する。この高周波電圧によって、プラズマトーチ7内では直流プラズマが発生する。そして、スイッチ15を入れた状態で、直流電源8によってプラズマトーチ7の電極7b(陰極)とプラズマアーク電極11(陽極)との間に例えば100Aの直流電源を流し、プラズマトーチ7のノズル7aと電極7b(陰極)との間に例えばアルゴンガスを流入させる。そうすると、図1及び図2に示すように、プラズマトーチ7とプラズマアーク電極11との間に直流プラズマによるプラズマアークPが形成される。
プラズマトーチ7とプラズマアーク電極11との間に直流プラズマによるプラズマアークPが形成されると、図3に示すように、昇降装置13によってプラズマアーク電極11を下降させる。このとき、直流電源8はアース23を通じて鋳型Hと接続されており、鋳片Hを直流プラズマの陽極にしておく。そして、プラズマトーチ7とプラズマアーク電極11との距離がプラズマトーチ7と鋳片Hとの距離よりも長くなる位置、すなわちプラズマアーク電極11の上面が鋳片Hの上面と同じ高さあるいは低い位置まで、プラズマアーク電極11が下降すると、プラズマアーク電極11と鋳片Hとの水平距離がプラズマアークPの直径以下なので、プラズマアークPがプラズマアーク電極11から鋳片Hに円滑に移行する。なお、プラズマアークPが鋳片Hに移行すると、制御部30によって、所定のタイミングでスイッチ15を切りプラズマアーク電極11への直流電流の供給が停止される。
その後、プラズマアーク電極11をさらに下降させ、図4に示すように、鋳片Hよりも低い位置まで下降させる。そして、例えば5mm/秒の搬送速度で鋳片Hを搬送し、鋳片Hの表層の溶融処理を開始する。このとき、制御部30によって、プラズマトーチ7と鋳片Hとの間の直流電流を例えば500Aまで上昇させると共に、電磁コイル21、22に交流電源(図示せず)から交流電流を供給し、交流電流により発生する電磁力によってプラズマアークPを鋳片Hの搬送方向Dと直角方向に往復運動させる。そして、鋳片Hの表層はプラズマアークPの熱によって溶融し、この溶融した部分に他の溶質成分を添加することによって鋳片Hの表層が改質される。
以上の実施の形態によれば、鋳片Hの表層の溶融処理を開始する際に、プラズマトーチ7で直流プラズマを発生させた後、プラズマアーク電極11を上昇させた状態で、直流電源8によって、プラズマトーチ7の電極(陰極)とプラズマアーク電極(陽極)との間に直流電流を流しているので、プラズマトーチ7とプラズマアーク電極11との間にプラズマアークPを形成することができる。そして、このプラズマアーク電極11を、当該プラズマアーク電極11の上面が鋳片Hの上面と同じ高さあるいは低い位置まで下降させることで、プラズマアークPを鋳片Hに円滑に移行させることができる。これによって、従来のようにプラズマトーチを昇降させずに、プラズマトーチと鋳鋼片との間にプラズマアークを形成することができるので、プラズマトーチを昇降させるための大掛かりな昇降装置が不要となる。したがって、表層溶融処理装置1を小型化することができる。また、従来のようにプラズマトーチを昇降させずに、プラズマトーチ7をチャンバ2に固定することができるので、従来のプラズマトーチとチャンバとの間に設けられていた高価なガスシールが不要になり、高いシール性を確保しつつ、表層溶融処理装置1を低廉化することができる。さらに、従来のガスシールを交換する必要がなくなるので、表層溶融処理装置1のメンテナンスコストも削減することができる。したがって、本発明によれば、表層溶融処理装置1の小型化及び低廉化を図ることができる。
また、従来のようにプラズマトーチを昇降させる必要がなくなるので、電磁コイルの間にプラズマトーチの直径分の距離を確保する必要がなくなる。これによって、電磁コイル21、22の間の水平距離が短くなるので(本実施例では約80mm)、電磁コイル21、22の間に発生する交流磁場の制御性を向上させることができると共に、電磁コイル21、22に供給する交流電流を省力でき、交流電源を小型化できる。したがって、表層溶融処理装置1の小型化を図ることができる。
さらに、本発明のプラズマアーク電極11は、鋳片Hの搬送方向Dの前方に位置し、鋳片Hの下面より低い位置まで下降するので、鋳片Hの表層の溶融処理が開始後も鋳片Hの搬送を妨げず、鋳片Hの表層溶融処理の稼動効率が悪化することもない。
以上の実施の形態では、処理開始機構10の昇降装置13はチャンバ2の外部に設けられ、プラズマアーク電極11は鋳片Hの下方まで下降できるようになっていたが、図5に示すように、昇降装置13はチャンバ2の内部に設けられ、処理開始機構10は、昇降装置13の下部を中心として鋳片Hの搬送方向D前方に倒れる構造であってもよい。かかる場合、先ず、前記の実施の形態と同様に、プラズマトーチ7とプラズマアーク電極11との間にプラズマアークPを形成した後、プラズマアーク電極11を鋳片Hの上面と同じ高さあるいは低い位置まで下降させ、プラズマアークPをプラズマアーク電極11から鋳片Hに移行させる。そして、処理開始機構10を昇降装置13の下端を中心に例えば水平になるまで倒す。これによって、鋳片Hの表層の溶融処理が開始後も鋳片Hの搬送を妨げず、鋳片Hの表層溶融処理の稼動効率が悪化することがない。
以上の実施の形態における制御部30において、直流電源8からプラズマアーク電極11への直流電流の供給を自動制御するようにしてもよい。例えば昇降装置13でプラズマアーク電極11の上下方向の位置を計測し、その計測結果を昇降装置13から制御部30に出力する。そして制御部30では、プラズマアーク電極11の上面が鋳片Hの上面と同じ高さの位置まで、プラズマアーク電極11が下降した際に、プラズマアーク電極11への直流電流の供給を停止するようにスイッチ15を切る。このようにプラズマアーク電極11への直流電流の供給が停止すると、プラズマアーク電極11が直流プラズマの陽極でなくなる。そうすると、プラズマアークPは、プラズマアーク電極11から直流プラズマの陽極である鋳片Hに円滑に移行する。また、次の鋳片Hの表層の溶融処理を開始する際には、プラズマアーク電極11が再び上昇し、プラズマアーク電極11の上面と鋳片Hの上面とが同じ高さとなる位置において、制御部30によってスイッチ15を入れ、直流電源8からプラズマアーク電極11への直流電流の供給を開始する。そして、プラズマトーチ7とプラズマアーク電極11との間にプラズマアークPが形成される。このように、制御部30で直流電源8からの直流電流の供給をプラズマアーク電極11の位置に基づいて自動制御しているので、直流電流の供給の無駄がなくなり、エネルギー資源の節約につながる。
本発明は、例えば鋼の連続鋳造鋳片あるいは圧延途上の鋼片の表層を、プラズマによって加熱したり、溶融処理するための表層溶融処理装置及び表層溶融処理開始方法に有用である。
本実施の形態にかかる表層溶融処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 本実施の形態にかかる表層溶融処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 プラズマアークがプラズマアーク電極から鋳片に移動した様子を示す説明図である。 プラズマアーク電極が鋳片の下方まで下降した様子を示す説明図である。 他の形態にかかる表層溶融処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。 従来の表層溶融処理装置の構成の概略を示す縦断面図であり、(a)はプラズマトーチを下降させた状態を示し、(b)はプラズマトーチを上昇させた状態を示している。
符号の説明
1 表層溶融処理装置
2 チャンバ
3 搬入口
4、6 開閉シャッター
5 搬出口
7 プラズマトーチ
7a ノズル
7b 電極
8 直流電源
10 処理開始機構
11 プラズマアーク電極
12 支持部材
13 昇降装置
14 ケーシング
15 スイッチ
21、22 電磁コイル
23 アース
30 制御部
D 搬送方向
H 鋳片
P プラズマアーク

Claims (7)

  1. 搬送されていく鋳鋼片との間にプラズマアークを発生させるプラズマトーチを備えた表層溶融処理装置であって、
    前記プラズマトーチと鋳鋼片の間に、プラズマアークを形成させる処理開始機構を有し、
    前記処理開始機構は、前記プラズマトーチの直下に位置するプラズマアーク電極と、前記プラズマアーク電極を昇降させる昇降装置とを備え、
    前記プラズマアーク電極は、前記昇降装置によって、前記プラズマトーチとの間でプラズマアークを形成できる位置まで上昇可能であり、かつ前記鋳鋼片の上面よりも低い位置まで下降可能であり、
    前記プラズマアーク電極は、前記鋳鋼片の搬送を妨げない位置まで退避可能であることを特徴とする、表層溶融処理装置。
  2. 前記プラズマアーク電極は、前記鋳鋼片の下面よりも低い位置まで下降して退避することを特徴とする、請求項1に記載の表層溶融処理装置。
  3. 前記プラズマアーク電極は、前記鋳鋼片の搬送方向前方に倒れることで退避することを特徴とする、請求項1に記載の表層溶融処理装置。
  4. 前記プラズマアーク電極の上面が鋳鋼片の上面と同じ高さとなる位置において、当該プラズマアーク電極への電圧の印加を停止又は開始する制御部を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の表層溶融処理装置。
  5. 搬送されていく鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させて鋳鋼片の表層を溶融処理する方法において、
    前記鋳鋼片とプラズマトーチとの間にプラズマアークを発生させるにあたり、
    前記鋳鋼片の上方かつ前記プラズマトーチの直下に位置するプラズマアーク電極とプラズマトーチとの間にプラズマアークを形成し、
    その後この状態で前記プラズマアーク電極を、前記鋳鋼片の少なくとも上面位置まで下降させて、プラズマアーク電極とプラズマトーチとの間に発生しているプラズマアークを鋳鋼片側に移行し、
    次いで前記プラズマアーク電極を前記鋳鋼片の搬送を妨げない位置まで退避させることを特徴とする、表層溶融処理開始方法。
  6. 前記プラズマアーク電極を、前記鋳鋼片の少なくとも上面位置まで下降させた時点で、プラズマアーク電極への電圧の印加を停止することを特徴とする、請求項5に記載の表層溶融処理開始方法。
  7. 前記プラズマアーク電極を、前記鋳鋼片の少なくとも上面位置まで上昇させた時点で、プラズマアーク電極への電圧の印加を開始することを特徴とする、請求項5又は6に記載の表層溶融処理開始方法。
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