JP5013745B2 - 色素化合物及びその製造方法、並びに該色素化合物を含有するインク - Google Patents
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[式(1)中、R1は、水素原子、エチル基、フェニル基の何れかを表わし、R2は、エチル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換されたフェニル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがスルホン酸基に置換されたフェニル基の何れかを表わし、R3は、メチル基又はフェニル基を表わし、Z1 は、水素原子を表わし、Z 2 は、水素原子、フッ素原子、スルホン酸基の何れかを表わし、Z 3 は水素原子を表わし、Yは、酸素原子又はイミノ基を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。]
尚、上記のYにおけるイミノ基とは、NH、NH2 +、及びその塩(イミニウム塩)を含むものであり、後述する一般式(2)においても同様である。又、下記一般式(5)、(7)におけるNHは、NH及びその塩を含むものである。
[式(7)中、R1 は、水素原子を表わし、R 2 は、エチル基又は水素原子のうちの1つがメトキシ基に置換されたフェニル基を表わし、R 3 は、メチル基を表わし、Z 1 は、水素原子を表わし、Z 2 は、スルホン酸基を表わし、Z 3 は、水素原子を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。]
[1]下記一般式(3)で表わされるニトリル化合物を、下記一般式(4)で表わされるGrignard試薬と反応させて、下記一般式(5)で表わされるイミン型化合物又はそのイミニウム塩を得る第1の工程と、
[2]次いで、下記一般式(6)で表わされるアニリン誘導体のジアゾ成分とのカップリングを行う第2の工程とを有するイミン型色素化合物及びそのイミニウム塩の製造方法である。
[式(3)中、R1 は、水素原子を表わし、R3は、メチル基を表わす。]
[式(4)中、R2は、エチル基又は水素原子のうちの1つがメトキシ基に置換されたフェニル基を表わし、Xは臭素原子を表わす。]
[式(5)中、R1 は、水素原子を表わし、R 2 は、エチル基又は水素原子のうちの1つがメトキシ基に置換されたフェニル基を表わし、R 3 は、メチル基を表わす。]
[式(6)中、Z1 は、水素原子を表わし、Z 2 は、スルホン酸基を表わし、Z 3 は、水素原子を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。]
[式(8)中、R1 は、水素原子、エチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、R 2 は、エチル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがスルホン酸基に置換されたフェニル基、1−プロピニル基、ビニル基、ヘキシル基、水素原子の一つがスルホン酸基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがN,N−ジメチルアミノ基に置換されたフェニル基の何れかを表わし、R 3 は、メチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、Z 1 は、水素原子又はカルボキシル基を表わし、Z 2 は、水素原子、フッ素原子、スルホン酸基の何れかを表わし、Z 3 は、水素原子を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。]
[1]前記一般式(7)で表わされるイミン型色素化合物又はそのイミニウム塩を得る製造方法の中間段階で得られる前記一般式(5)で表わされるイミン型化合物又はそのイミニウム塩を、加水分解して下記一般式(9)で表わされるカルボニル型化合物を得る工程と、
[2]次いで、得られた下記一般式(9)で表わされるカルボニル型化合物と前記一般式(6)で表わされるアニリン誘導体のジアゾ成分とをカップリングさせるカップリング工程とを有することを特徴とするカルボニル型色素化合物の製造方法である。
[式(9)中、R1 は、水素原子、エチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、R 2 は、エチル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがスルホン酸基に置換されたフェニル基、1−プロピニル基、ビニル基、ヘキシル基、水素原子の一つがスルホン酸基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがN,N−ジメチルアミノ基に置換されたフェニル基の何れかを表わし、R 3 は、メチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わす。]
[式(10)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、−SO3M、−COOMを表わし(但しR4及びR5が同時に水素原子となる場合を除く)、Wは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基の何れかを表わす。フタロシアニン環への置換基の置換位置は、β位であり、Mはカウンターイオンを表わす。lは0乃至2、mは1乃至3、nは1乃至3の整数値を表わし、l+m+n=3又は4の整数値である。]
[式(11)中、フタロシアニン環への置換基の置換位置は、β位であり、Mはカウンターイオンを表わす。]
[色素化合物]
本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討の結果、下記一般式(1)で表わされる色素化合物は、高い彩度を有し、しかも、耐光性、耐ガス性及び耐湿堅牢度が良好な画像を与えることのできる優れた色素であることを見出して本発明に至った。
[式(1)中、R1は、水素原子、置換してもよいアルキル基、置換してもよいアリール基、置換してもよいアラルキル基の何れかを表わし、R2は、置換してもよいアルキル基、置換してもよいアリール基、置換してもよいアラルキル基、置換してもよいシクロアルキル基、置換してもよいアルケニル基、置換してもよいアルキニル基の何れかを表わし、R3は、置換してもよいアルキル基、置換してもよいアリール基、置換してもよいアラルキル基の何れかを表わし、Z1乃至Z3は、それぞれ独立して、水素原子又は任意の置換基を表わし、Yは、酸素原子又はイミノ基を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。]
これは、上記したような構造の前記一般式(2)で表わされる色素化合物を用いて画像を形成した場合には、画像の耐候性、特に耐オゾン性が向上するためである。
リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン;
アンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム;
エチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム;
n−プロピルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジイソプロピルアンモニウム;
n−ブチルアンモニウム、テトラn−ブチルアンモニウム、イソブチルアンモニウム;
モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等のアンモニウム又は有機アンモニウムが挙げられる。上記した中でも特に好ましいのは、水素原子、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムである場合である。
尚、式中のMは、例えば、本発明の色素化合物を用いてインクジェット記録用の水性インクとした場合には解離してカウンターイオンとなると考えられるため「カウンターイオンを表わす」としたが、インク中で解離していないものを排除する意味ではない。他の色素化合物における「カウンターイオンを表わす」の語も同様である。
次に、上記したような構造を有する本発明の色素化合物の製造方法について説明する。本発明の色素化合物を工業的に有利に得ることができる製造方法としては、下記に述べる3種の方法がある。以下、これらの方法を、第1〜第3の製造方法として説明する。
本発明の色素化合物を得る方法の一つは、下記の2工程によって、下記一般式(7)で表わされるイミン型色素化合物又はそのイミニウム塩を製造する方法が挙げられる。尚、各一般式における各符号は先に説明した通りであるので、以下省略する。
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒等;
の単独又は混合溶媒が挙げられる。かかる溶媒の使用量は特に制限されないが、通常、前記一般式(3)で表わされるニトリル化合物に対して100質量倍以下であるのが好ましい。前記一般式(3)で表わされるニトリル化合物と、前記一般式(4)で表わされるGrignard試薬との反応温度は、通常−76℃〜反応液の還流温度の範囲、好ましくは0℃〜反応液の還流温度の範囲である。
本発明の色素化合物を得る他の方法としては、下記の方法によって、下記一般式(8)で表わされるカルボニル型色素化合物を製造する方法が挙げられる。即ち、前記のようにして得た一般式(7)で表わされるイミン型色素化合物又はそのイミニウム塩を加水分解して、下記一般式(8)で表わされるカルボニル型色素化合物を製造する。
本発明の色素化合物を得る他の方法としては、下記の方法によって、下記一般式(8)で表わされるカルボニル型色素化合物を製造する方法が挙げられる。即ち、前記の方法により得た前記一般式(5)で表わされるイミン型化合物又はそのイミニウム塩を加水分解して前記一般式(9)で表わされるカルボニル型化合物を得る。次いで、前記一般式(6)で表わされるアニリン誘導体のジアゾ成分とのカップリングを行う。そして、該カップリング工程により、前記一般式(8)で表わされるカルボニル型色素化合物を製造する。
上記したような反応によって得られる最終生成物は、通常の有機合成反応の後処理方法に従って処理した後、精製を行うことで目的の用途に用いる。又、得られた反応生成物の同定は、下記に挙げる装置を用いた複数の分析方法によって行った。即ち、使用した分析装置は、1H及び13C核磁気共鳴分光分析(ECA−400、日本電子(株)製)、高速液体クロマトグラフィー(LC−20A、(株)島津製作所製)、LC/TOF MS(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)、UV/Vis分光光度計(U−3310形分光光度計、(株)日立製作所製)である。
以上説明した本発明の色素化合物は、鮮やかな色調を有し、その優れた分光特性により、着色剤、好ましくは画像情報の記録用材料として用いることができる。具体的には、以下に詳述する、インクジェット用インクを始めとして、その他、印刷用インク、塗料又は筆記具用インクの材料(色材)として好適に用いることができる。
N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩;
アルカンスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩;
N−メチル−N−アシルタウリン塩;
アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、油脂硫酸エステル塩;
アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩等のアニオン性界面活性剤や;
アルキルアミン塩類、塩化、臭化又はヨウ化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化、臭化又はヨウ化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルベンザルコニウム、塩化アルキルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤;
アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキル又はジアルキルジエチレントリアミノ酢酸、アルキルアミンオキシド等の両性界面活性剤が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール;
脂肪酸ポリエチレングリコール、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、脂肪酸アルカノールアミド等が挙げられる。
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレングリコール等の非イオン性高分子等が挙げられる。
アラビアゴム等の天然ゴム;
サポニン等のグルコキシド、アルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等のセルロース誘導体;
リグニンスルホン酸塩;
セラック等の天然高分子や、レシチン、酵素分解レシチンといった食品用界面活性剤が挙げられる。
次に、本発明のインクジェット記録方法に用いることができる記録装置について説明する。本発明のインクを用いて記録を行うのに好適な記録装置としては、これらのインクが収容されるインク収容部を有する記録ヘッドの室内のインクに、記録信号に対応した熱的又は力学的エネルギーを与え、該エネルギーによりインク液滴を発生させる装置が挙げられる。
下記のようにして、前記した一般式(1)で表わされる色素化合物(14)、色素化合物(16)、更には、色素化合物(17)〜(33)を得た。
(下記色素化合物(14)の製造)
合成例3では、前記一般式(1)において、R1が水素原子、R2がエチル基、R3がメチル基、Yが酸素原子、Z1及びZ3が水素原子、Z2が−SO3M、Mがナトリウムである下記の構造を有する色素化合物(14)を製造した。
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、室温)の結果[図1]:
δ[ppm]=1.02(t、3H)、2.73(q、2H)、7.60(d、1H)、7.60(dd、1H)、7.73(d、1H)、8.29(s、1H)、7.60−7.69(m、2H)、8.00(d、1H)
δ[ppm]=8.7、15.4、39.2、117.8、124.9、127.8、129.7、130.1、130.6、139.5、145.9、150.8、165.1、168.8、173.9、213.2
m/z=430.03(M−Na)-
純度=93.9面積%、保持時間12.1分(0.1mM TFA溶液−MeOH)
λmax=430.5nm、ε=38993M-1cm-1(溶剤:H2O、室温中)
(別法による前記色素化合物(14)の製造)
5−スルホアントラニル酸を13.0g、水を100mL、及び35%の塩酸5.0mLを混合し、溶液を5℃以下まで冷却した。これに亜硝酸ナトリウム4.2gを添加して1時間撹拌してジアゾ化液を得た。別途、合成例1で製造した前記化合物(12)の粗体10.5gと、メタノール100mLとを混合し、この混合溶液を5℃以下まで冷却した。次いで、この液中に、先に得たジアゾ化液をゆっくりと滴下し、10時間撹拌した。その後、析出した結晶を濾別し、充分な水で洗浄した。得られた結晶を2.0Mの塩酸200mLに分散し、60℃で3時間加熱した。この溶液を冷却し、結晶を濾別した。得られた結晶を500mLの水に分散させ、1.0Mの水酸化ナトリウム水溶液で中和、溶解した。この水溶液を電気透析により脱塩した後、乾燥させることによって化合物(14)の黄色粉末22.5gを得た。得られた化合物について、先に述べた装置及び条件で、NMR分析、質量分析、HPLC分析及びUV/Vis分光分析を行ったところ、その結果は、合成例3で得られたものと一致した。
(色素化合物(16)の製造)
前記一般式(1)において、R1が水素原子、R2がp−メトキシフェニル基、R3がメチル基、Yがイミノ基、Z1及びZ3が水素原子、Z2が−SO3M、Mがナトリウムである下記の構造を有する色素化合物(16)の製造を行った。
[1]1H NMR(400MHz、DMSO−d6、室温)の結果:
δ[ppm]=2.10(s、3H)、2.38(s、3H)、7.14(d、2H)、7.84(d、1H)、7.94(d、1H)、8.07(d、2H)、8.24(s、1H)
δ[ppm]=15.0、56.0、113.8、115.0、115.2、115.6、123.9、126.0、128.7、129.7、131.5、132.6、143.3、144.0、149.3、160.7、162.0、165.2、167.4
m/z=507.06(M−Na)-
純度=93.2面積%、保持時間5.79分(0.1mM TFA溶液−MeOH)
λmax=438.0nm、ε=46392M-1cm-1(溶剤:H2O、室温中)
上記合成例に準じた方法で、前記一般式(1)中の、R1乃至R3、Z1乃至Z3、Y、及びMが、それぞれ表1に示したものとなる構造の新規色素化合物(17)〜(33)を得た。これらの化合物の構造は、前記した色素化合物(14)の場合と同様の装置及び方法で、NMR分析、質量分析、UV/Vis分光分析及びHPLC分析を行って確認した。
<イエローインクの調製例1>
前記色素化合物(14)を3.5部、アセチレノールEH(川研ファインケミカル(株)製)を1部、エチレングリコールを7.5部、グリセリンを7.5部、及び尿素7.5部を加えた後、全体で100部となるようにイオン交換水を加えた。そして、これらの成分を十分に撹拌して溶解させ、イエローインク(A)を作成した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(16)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(B)を調製した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(17)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(C)を調製した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(18)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(D)を調製した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(20)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(E)を調製した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(22)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(F)を調製した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(23)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(G)を調製した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(27)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(H)を調製した。
インクの調製例1で使用した色素化合物(14)を色素化合物(28)に変更した以外は同様の操作を行って、イエローインク(I)を調製した。
前記した色素化合物(27)を4.0部、下記の銅フタロシアニン型の色素化合物(34)を1.0部、アセチレノールEH(川研ファインケミカル(株)製)を1部、エチレングリコールを7.5部、グリセリンを7.5部、尿素を7.5部加えた後、全体で100部となるようにイオン交換水を加えた。そして、これらの成分を十分に撹拌して溶解させ、グリーンインク(L)を作成した。
グリーンインクの調製例1で使用した前記色素化合物(34)を、下記の銅フタロシアニン型の色素化合物(35)に変更した以外は同様の操作を行い、グリーンインク(M)を調製した。
イエローインクの調製例1で使用した色素化合物(14)をC.I.Direct Blue199に変更した以外は同様の操作を行い、シアンインク(N)を調製した。
上記のイエローインクの調製例1〜9、比較用イエローインクの調製例1、2で得たイエローインク(A)〜(K)、及びグリーンインクの調製例1、2で得たグリーンインク(L)及び(M)について、下記のようにして評価した。これらのインクをそれぞれ、キヤノン(株)製バブルジェット(登録商標)プリンタPIXUS950iのインクカートリッジに充填した。そして、上記インクジェットプリンタにて、キヤノン(株)製写真光沢紙プロフェッショナルフォトペーパー(PR−101紙)に2cm四方のベタ画像を、5%duty〜100%dutyまで5%刻みで印字させて記録物を作成した。そして、得られた記録物を24時間自然乾燥して、評価用の記録物とした。
上記方法で得た写真光沢紙上の各記録物を反射濃度計Spectrolino(GretagMacbeth社製)にてL*a*b*表色系における光学濃度及び色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度は色特性の測定値に基づき、下記式によって算出した。
彩度(c*)=√{(a*)2+(b*)2}
◎:L*≧93
○:93>L*≧90
×:L*<90
◎:L*≧80
○:80>L*≧75
×:L*<75
得られた記録物をキセノン試験装置(XL−750、スガ試験機(株)製)に投入し、温度24℃、湿度60%の条件下、100klxの雰囲気下に168時間曝露した。そして、記録物の反射濃度を試験前後で測定し、これらの値を用いて下記の方法で評価した。初期のイエロー画像濃度をY0とし、曝露後のイエロー画像濃度をYfとし、これらの値からイエロー濃度残存率({Yf/Y0}×100[%])を算出した。得られたイエロー濃度残存率を用いて、下記の評価基準で評価を行った。即ち、濃度残存率が70%以上であれば、良好な耐光性であると判断した。
◎:イエロー濃度残存率80%以上
○:イエロー濃度残存率70%以上、80%未満
×:イエロー濃度残存率70%未満
得られた記録物をオゾンウェザーメーター(OMS−H、スガ試験機(株)製)にて、オゾン濃度10ppm、温度24℃、相対湿度60%の雰囲気下で記録物を4時間曝露した。そして、記録物の反射濃度を試験前後で測定した。得られた結果は耐光性の場合と同様の基準で判断した。
上記イエローインクの調製例1〜9、比較用イエローインクの調製例1及び2で得たイエローインク(A)〜(K)、及びグリーンインクの調製例1及び2で得たグリーンインク(L)及び(M)を、上記シアンインクの調製例により調製したシアンインク(N)を組み合わせて、各インクの重ね合わせの画像を形成した。具体的には、シアンインクを100%duty、イエローインク又はグリーンインクを100%dutyで記録媒体に付与して、各画像を形成した。尚、記録物の作成をする記録媒体には、キヤノン(株)製バブルジェット(登録商標)プリンタPIXUS950i、及びキヤノン(株)製写真光沢紙プロフェッショナルフォトペーパー(PR−101紙)を用いた。得られた記録物を温度24℃、湿度60%の環境で48時間放置し、その後、温度30℃、湿度80%の環境で168時間放置した。放置した後の記録物について、マイグレーションによる色調変化を目視により確認した。湿潤堅牢度の基準は以下の通りである。評価結果を表2に示す。
◎:マイグレーションによる滲みがない
○:マイグレーションによる問題とならない程度の滲みがある
×:マイグレーションによる問題となる滲みがある
Claims (8)
- 前記一般式(1)中、R 1 は、水素原子を表わし、Z 2 は、スルホン酸基を表わし、且つ、R 2 がエチル基のとき、R 3 はフェニル基である請求項1に記載の色素化合物。
- 下記一般式(7)で表わされるイミン型色素化合物又はそのイミニウム塩を得る製造方法において、
[式(7)中、R1は、水素原子を表わし、R2は、エチル基又は水素原子のうちの1つがメトキシ基に置換されたフェニル基を表わし、R3は、メチル基を表わし、Z1 は、水素原子を表わし、Z 2 は、スルホン酸基を表わし、Z 3 は、水素原子を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。]
下記一般式(3)で表わされるニトリル化合物を、下記一般式(4)で表わされるGrignard試薬と反応させて下記一般式(5)で表わされるイミン型化合物又はそのイミニウム塩を得る工程と、
次いで、上記工程で得られたイミン型化合物又はそのイミニウム塩と、下記一般式(6)で表わされるアニリン誘導体のジアゾ成分のカップリング工程とを有することを特徴とするイミン型色素化合物又はそのイミニウム塩の製造方法。
[式(3)中、R1 は、水素原子を表わし、R3は、メチル基を表わす。]
[式(4)中、R2は、エチル基又は水素原子のうちの1つがメトキシ基に置換されたフェニル基を表わし、Xは臭素原子を表わす。]
[式(5)中、R1は、水素原子を表わし、R2は、エチル基又は水素原子のうちの1つがメトキシ基に置換されたフェニル基を表わし、R3は、メチル基を表わす。]
[式(6)中、Z1 は、水素原子を表わし、Z 2 は、スルホン酸基を表わし、Z 3 は、水素原子を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。] - 下記一般式(8)で表わされるカルボニル型色素化合物の製造方法であって、
[式(8)中、R1は、水素原子、エチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、R2は、エチル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがスルホン酸基に置換されたフェニル基、1−プロピニル基、ビニル基、ヘキシル基、水素原子の一つがスルホン酸基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがN,N−ジメチルアミノ基に置換されたフェニル基の何れかを表わし、R3は、メチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、Z1 は、水素原子又はカルボキシル基を表わし、Z 2 は、水素原子、フッ素原子、スルホン酸基の何れかを表わし、Z 3 は、水素原子を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。]
下記一般式(3)で表わされるニトリル化合物を、下記一般式(4)で表わされるGrignard試薬と反応させて下記一般式(5)で表わされるイミン型化合物又はそのイミニウム塩を得る工程と、
次いで、上記工程で得られたイミン型化合物又はそのイミニウム塩を加水分解して下記一般式(9)で表わされるカルボニル型化合物を得る工程と、
次いで、上記工程で得られたカルボニル型化合物と、下記一般式(6)で表わされるアニリン誘導体のジアゾ成分のカップリング工程とを有することを特徴とするカルボニル型色素化合物の製造方法。
[式(3)中、R1 は、水素原子、エチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、R 3 は、メチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わす。]
[式(4)中、R2は、エチル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがスルホン酸基に置換されたフェニル基、1−プロピニル基、ビニル基、ヘキシル基、水素原子の一つがスルホン酸基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがN,N−ジメチルアミノ基に置換されたフェニル基の何れかを表わし、Xは臭素原子を表わす。]
[式(5)中、R1は、水素原子、エチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、R2は、エチル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがスルホン酸基に置換されたフェニル基、1−プロピニル基、ビニル基、ヘキシル基、水素原子の一つがスルホン酸基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがN,N−ジメチルアミノ基に置換されたフェニル基の何れかを表わし、R3は、メチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わす。]
[式(9)中、R1は、水素原子、エチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わし、R2は、エチル基、水素原子の1つがメトキシ基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがスルホン酸基に置換されたフェニル基、1−プロピニル基、ビニル基、ヘキシル基、水素原子の一つがスルホン酸基に置換され、且つ、水素原子の別の1つがN,N−ジメチルアミノ基に置換されたフェニル基の何れかを表わし、R3は、メチル基、フェニル基、ベンジル基の何れかを表わす。]
[式(6)中、Z1 は、水素原子又はカルボキシル基を表わし、Z 2 は、水素原子、フッ素原子、スルホン酸基の何れかを表わし、Z 3 は、水素原子を表わし、Mはカウンターイオンを表わす。] - 少なくとも水性媒体及び色素化合物を含有するインクであって、上記色素化合物の少なくとも一つが、請求項1又は2に記載の色素化合物であることを特徴とするインク。
- インクジェット記録用である請求項5に記載のインク。
- 前記色素化合物として、更に銅フタロシアニン型色素化合物を含有する請求項5又は6に記載のインク。
- 前記銅フタロシアニン型色素化合物が、下記一般式(10)又は下記一般式(11)で表わされる請求項7に記載のインク。
[式(10)中、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、−SO3M及び−COOMの何れかを表し(但し、R4及びR5が同時に水素原子となる場合を除く)、Wは、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基を表わす。フタロシアニン環への置換基の置換位置は、β位であり、Mはカウンターイオンを表わす。lは0乃至2、mは1乃至3、nは1乃至3の整数値を表わし、l+m+n=3又は4の整数値である。]
[式(11)中、フタロシアニン環への置換基の置換位置は、β位であり、Mはカウンターイオンを表わす。]
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