前記問題点に鑑み、本発明は、非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が絶縁性に形成されている場合よりも、第2層の熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子が発生した熱の放熱性を向上させることができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
詳細には、本発明は、導電性の第2層を介して隣接する2つの金属製スプレッダが電気的に短絡してしまうおそれを排除することができ、更に、第2層のうち、金属製スプレッダと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
更に、本発明は、導電性の第2層を介して隣接する2つのリードフレームが電気的に短絡してしまうおそれを排除することができ、更に、第2層のうち、リードフレームと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、ヒートシンク(1)と、
ヒートシンク(1)の上面全体に配置された樹脂を母材とする絶縁性の第1層(2)と、
第1層(2)上に配置された樹脂を母材とする第2層(3a)と、
第2層(3a)上に配置された金属製スプレッダ(4a)と、
金属製スプレッダ(4a)上に配置された半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)と、
金属製スプレッダ(4a)に電気的に接続された外部端子(6a)と、
ヒートシンク(1)の下面および外部端子(6a)の一部が露出するように半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)を封止する封止用樹脂(8)とを具備する半導体装置の製造方法において、
ヒートシンク(1)上に硬化状態の第1層(2)を形成し、次いで、
第2層(3a)に印加される電圧と第2層(3a)を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって導電性に形成された第2層(3a)を、第1層(2)上のうち、金属製スプレッダ(4a)と接触する部分にのみ位置するように、かつ、第1層(2)上のうち、金属製スプレッダ(4a)と接触しない部分には位置しないように配置し、次いで、
熱処理を行うことによって、第2層(3a)を、第1層(2)よりも硬度が低い半硬化状態にし、
この時に、半硬化状態の導電性の第2層(3a)の外縁が金属製スプレッダ(4a)の外縁(4a’)よりも1mm内側に位置し、次いで、
コイルばね(22a)によって付勢された押圧ピン(21a)によって、金属製スプレッダ(4a)を半硬化状態の導電性の第2層(3a)に対して押圧し、
その結果、金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)の下側に位置する半硬化状態の導電性の第2層(3a)の厚さが2分の1程度になり、それにより、金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)の下側に位置していた半硬化状態の導電性の第2層(3a)の一部が、金属製スプレッダ(4a)の外縁(4a’)よりも外側に流れ出て上側に盛り上がり、金属製スプレッダ(4a)の側面と接触し、次いで、
金属製スプレッダ(4a)が半硬化状態の導電性の第2層(3a)に対して押圧せしめられている状態で、導電性の第2層(3a)を加熱して熱硬化させ、それにより、硬化状態の絶縁性の第1層(2)および金属製スプレッダ(4a)に対する第2層(3a)の接合強度を増加させ、次いで、
半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)を金属製スプレッダ(4a)上に搭載すると共に、外部端子(6a)を金属製スプレッダ(4a)に電気的に接続し、次いで、
ヒートシンク(1)の下面および外部端子(6a)の一部が露出するように封止用樹脂(8)によって半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)を封止することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、ヒートシンク(1)と、
ヒートシンク(1)の上面全体に配置された樹脂を母材とする絶縁性の第1層(2)と、
第1層(2)上に配置された樹脂を母材とする第2層(3a)と、
第2層(3a)上に配置された金属製スプレッダ(4a)と、
金属製スプレッダ(4a)上に配置された半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)と、
金属製スプレッダ(4a)に電気的に接続された外部端子(6a)と、
ヒートシンク(1)の下面および外部端子(6a)の一部が露出するように半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)を封止する封止用樹脂(8)とを具備する半導体装置の製造方法において、
ヒートシンク(1)上に硬化状態の第1層(2)を形成し、次いで、
第2層(3a)に印加される電圧と第2層(3a)を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって導電性に形成された第2層(3a)を、金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)に配置し、次いで、
熱処理を行うことによって、第2層(3a)を、第1層(2)よりも硬度が低い半硬化状態にし、
この時に、半硬化状態の導電性の第2層(3a)の外縁が金属製スプレッダ(4a)の外縁(4a’)よりも1mm内側に位置し、次いで、
コイルばね(22a)によって付勢された押圧ピン(21a)によって、半硬化状態の導電性の第2層(3a)が下面(4a2)に形成された金属製スプレッダ(4a)を第1層(2)に対して押圧し、
その結果、金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)の下側に位置する半硬化状態の導電性の第2層(3a)の厚さが2分の1程度になり、それにより、金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)の下側に位置していた半硬化状態の導電性の第2層(3a)の一部が、金属製スプレッダ(4a)の外縁(4a’)よりも外側に流れ出て上側に盛り上がり、金属製スプレッダ(4a)の側面と接触し、次いで、
半硬化状態の導電性の第2層(3a)が下面(4a2)に形成された金属製スプレッダ(4a)が第1層(2)に対して押圧せしめられている状態で、導電性の第2層(3a)を加熱して熱硬化させ、それにより、硬化状態の絶縁性の第1層(2)および金属製スプレッダ(4a)に対する第2層(3a)の接合強度を増加させ、次いで、
半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)を金属製スプレッダ(4a)上に搭載すると共に、外部端子(6a)を金属製スプレッダ(4a)に電気的に接続し、次いで、
ヒートシンク(1)の下面および外部端子(6a)の一部が露出するように封止用樹脂(8)によって半導体素子(5,5−1,5−2,5−3)を封止することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)に対して第2層(3a)を接合する前に、金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)に対して平行に延びる多数の微小溝(4c)を金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)に形成し、次いで、微小溝(4c)の凹部の両側の凸部の頂部をプレス加工によって潰すことにより、微小溝(4c)の凹部をアンダーカット形状に形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、プレス加工によって潰されるストロークが大きい部分と、プレス加工によって潰されるストロークが小さい部分とを金属製スプレッダ(4a)の下面(4a2)に設けることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置の製造方法が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、ヒートシンク(1)と、
ヒートシンク(1)の上面全体に配置された樹脂を母材とする絶縁性の第1層(2)と、
第1層(2)上に配置された樹脂を母材とする第2層(3a)と、
第2層(3a)上に配置されたリードフレーム(14)と、
リードフレーム(14)上に配置された半導体素子(5a,5b,5c)と、
ヒートシンク(1)の下面およびリードフレーム(14)の一部が露出するように半導体素子(5a,5b,5c)を封止する封止用樹脂(8)とを具備する半導体装置の製造方法において、
ヒートシンク(1)上に硬化状態の第1層(2)を形成し、次いで、
第2層(3a)に印加される電圧と第2層(3a)を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって導電性に形成された第2層(3a)を、第1層(2)上のうち、リードフレーム(14)と接触する部分にのみ位置するように、かつ、第1層(2)上のうち、リードフレーム(14)と接触しない部分には位置しないように配置し、次いで、
熱処理を行うことによって、第2層(3a)を、第1層(2)よりも硬度が低い半硬化状態にし、
この時に、半硬化状態の導電性の第2層(3a)の外縁がリードフレーム(14)の外縁(14a’)よりも1mm内側に位置し、次いで、
コイルばね(10b)によって付勢された押圧部材(10a1,10a1’,10a1”)によって、リードフレーム(14)を半硬化状態の導電性の第2層(3a)に対して押圧し、
その結果、リードフレーム(14)の下面の下側に位置する半硬化状態の導電性の第2層(3a)の厚さが2分の1程度になり、それにより、リードフレーム(14)の下面の下側に位置していた半硬化状態の導電性の第2層(3a)の一部が、リードフレーム(14)の外縁(14a’)よりも外側に流れ出て上側に盛り上がり、リードフレーム(14)の側面と接触し、次いで、
リードフレーム(14)が半硬化状態の導電性の第2層(3a)に対して押圧せしめられている状態で、導電性の第2層(3a)を加熱して熱硬化させ、それにより、硬化状態の絶縁性の第1層(2)およびリードフレーム(14)に対する第2層(3a)の接合強度を増加させ、次いで、
半導体素子(5a,5b,5c)をリードフレーム(14)上に搭載し、次いで、
ヒートシンク(1)の下面およびリードフレーム(14)の一部が露出するように封止用樹脂(8)によって半導体素子(5a,5b,5c)を封止することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、ヒートシンク(1)と、
ヒートシンク(1)の上面全体に配置された樹脂を母材とする絶縁性の第1層(2)と、
第1層(2)上に配置された樹脂を母材とする第2層(3a)と、
第2層(3a)上に配置されたリードフレーム(14)と、
リードフレーム(14)上に配置された半導体素子(5a,5b,5c)と、
ヒートシンク(1)の下面およびリードフレーム(14)の一部が露出するように半導体素子(5a,5b,5c)を封止する封止用樹脂(8)とを具備する半導体装置の製造方法において、
ヒートシンク(1)上に硬化状態の第1層(2)を形成し、次いで、
第2層(3a)に印加される電圧と第2層(3a)を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって導電性に形成された第2層(3a)を、リードフレーム(14)の下面に配置し、次いで、
熱処理を行うことによって、第2層(3a)を、第1層(2)よりも硬度が低い半硬化状態にし、
この時に、半硬化状態の導電性の第2層(3a)の外縁がリードフレーム(14)の外縁(14a’)よりも1mm内側に位置し、次いで、
コイルばね(10b)によって付勢された押圧部材(10a1,10a1’,10a1”)によって、半硬化状態の導電性の第2層(3a)が下面に形成されたリードフレーム(14)を第1層(2)に対して押圧し、
その結果、リードフレーム(14)の下面の下側に位置する半硬化状態の導電性の第2層(3a)の厚さが2分の1程度になり、それにより、リードフレーム(14)の下面の下側に位置していた半硬化状態の導電性の第2層(3a)の一部が、リードフレーム(14)の外縁(14a’)よりも外側に流れ出て上側に盛り上がり、リードフレーム(14)の側面と接触し、次いで、
半硬化状態の導電性の第2層(3a)が下面に形成されたリードフレーム(14)が第1層(2)に対して押圧せしめられている状態で、導電性の第2層(3a)を加熱して熱硬化させ、それにより、硬化状態の絶縁性の第1層(2)およびリードフレーム(14)に対する第2層(3a)の接合強度を増加させ、次いで、
半導体素子(5a,5b,5c)をリードフレーム(14)上に搭載し、次いで、
ヒートシンク(1)の下面およびリードフレーム(14)の一部が露出するように封止用樹脂(8)によって半導体素子(5a,5b,5c)を封止することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、リードフレーム(14)の下面に対して第2層(3a)を接合する前に、リードフレーム(14)の下面に対して平行に延びる多数の微小溝をリードフレーム(14)の下面に形成し、次いで、微小溝の凹部の両側の凸部の頂部をプレス加工によって潰すことにより、微小溝の凹部をアンダーカット形状に形成することを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、プレス加工によって潰されるストロークが大きい部分と、プレス加工によって潰されるストロークが小さい部分とをリードフレーム(14)の下面に設けることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法が提供される。
請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、樹脂を母材とする絶縁性の第1層が、ヒートシンクの上面全体に配置される。また、樹脂を母材とする第2層が、第1層上に配置される。更に、金属製スプレッダが第2層上に配置される。また、半導体素子が金属製スプレッダ上に配置されると共に、外部端子が金属製スプレッダに電気的に接続される。更に、ヒートシンクの下面および外部端子の一部が露出するように、半導体素子が封止用樹脂によって封止される。
そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置では、半導体素子が発生した熱を、金属製スプレッダ、第2層、第1層およびヒートシンクを介して半導体装置の外側に放熱することができる。
更に、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、第2層に印加される電圧と第2層を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が導電性に形成される。
そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置によれば、例えばアルミナ、窒化珪素、結晶シリカなどのような非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が絶縁性に形成されている特開2000−260918号公報に記載された半導体装置よりも、第2層の熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子が発生した熱の放熱性を向上させることができる。
一方、仮に、導電性の第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、複数の金属製スプレッダが設けられる場合に、導電性の第2層を介して隣接する2つの金属製スプレッダが電気的に短絡してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、第2層が、第1層上のうち、金属製スプレッダと接触する部分にのみ配置され、金属製スプレッダと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、導電性の第2層を介して隣接する2つの金属製スプレッダが電気的に短絡してしまうおそれを排除することができる。
また、仮に、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、第2層のうち、金属製スプレッダと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、上述したように、第2層が、第1層上のうち、金属製スプレッダと接触する部分にのみ配置され、金属製スプレッダと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されるのに伴って、第2層のうち、金属製スプレッダと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる。
また、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、金属製スプレッダが第2層に対して押圧される時に、半導体素子が金属製スプレッダ上にまだ実装されていない。つまり、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、半導体素子が金属製スプレッダ上にまだ実装されていない状態で、金属製スプレッダが第2層に対して押圧される。そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子が既に実装されている金属製スプレッダが第2層に対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダを第2層に対して均一に押圧することができる。
更に、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、封止用樹脂によって半導体素子が封止される前の工程において、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられる。つまり、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられた後の工程において、封止用樹脂によって半導体素子が封止される。
そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、封止工程中の加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうのを回避するために封止工程中の加熱温度を低い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を十分に硬化させることができる。また、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層および第2層を十分に硬化させるために第1層および第2層の加熱温度を高い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を硬化させるための加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうおそれがない。
請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、金属製スプレッダが第2層に対して押圧される前に、第2層の外縁が金属製スプレッダの外縁よりも1mm内側に位置するように、第2層が第1層上に形成され、金属製スプレッダが第2層に対して押圧されると、第2層の厚さが2分の1程度になり、金属製スプレッダの下側に位置していた第2層の一部が、金属製スプレッダの外縁よりも外側に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダの側面と接触する。
そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層と金属製スプレッダの側面とが接触しない場合よりも、第2層と金属製スプレッダとの接合強度を増加させることができる。
請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層に対して金属製スプレッダを押圧する工程中に第1層の厚さが減少しないように、第1層が予め完全に硬化せしめられる。詳細には、請求項1に記載の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層が第1層上に形成される工程の前の段階で第1層が完全に硬化せしめられる。
そのため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層に対して金属製スプレッダを押圧する工程中に第1層の厚さが減少するのに伴って第1層の絶縁性が低下し、金属製スプレッダとヒートシンクとが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層に対して金属製スプレッダを押圧する工程中に第1層の厚さが減少する場合よりも、第1層の絶縁性を向上させることができる。
また、請求項1に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層に対する金属製スプレッダの押圧力を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダの下面と第1層の上面との間の第2層の厚さを薄くすることができ、その結果、金属製スプレッダから第1層への熱伝導性を向上させることができる。
請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、樹脂を母材とする絶縁性の第1層が、ヒートシンクの上面全体に配置される。また、樹脂を母材とする第2層が、金属製スプレッダの下面に配置される。更に、下面に第2層が配置された金属製スプレッダが、第1層上に配置される。更に、半導体素子が金属製スプレッダ上に配置されると共に、外部端子が金属製スプレッダに電気的に接続される。また、ヒートシンクの下面および外部端子の一部が露出するように、半導体素子が封止用樹脂によって封止される。
そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置では、半導体素子が発生した熱を、金属製スプレッダ、第2層、第1層およびヒートシンクを介して半導体装置の外側に放熱することができる。
更に、請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、第2層に印加される電圧と第2層を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が導電性に形成される。
そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置によれば、例えばアルミナ、窒化珪素、結晶シリカなどのような非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が絶縁性に形成されている特開2000−260918号公報に記載された半導体装置よりも、第2層の熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子が発生した熱の放熱性を向上させることができる。
一方、仮に、導電性の第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、複数の金属製スプレッダが設けられる場合に、導電性の第2層を介して隣接する2つの金属製スプレッダが電気的に短絡してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、第2層が、第1層上のうち、金属製スプレッダと接触する部分にのみ配置され、金属製スプレッダと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、導電性の第2層を介して隣接する2つの金属製スプレッダが電気的に短絡してしまうおそれを排除することができる。
また、仮に、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、第2層のうち、金属製スプレッダと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、上述したように、第2層が、第1層上のうち、金属製スプレッダと接触する部分にのみ配置され、金属製スプレッダと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されるのに伴って、第2層のうち、金属製スプレッダと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる。
また、請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、下面に第2層が形成された金属製スプレッダが第1層に対して押圧される時に、半導体素子が金属製スプレッダ上にまだ実装されていない。つまり、請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、半導体素子が金属製スプレッダ上にまだ実装されていない状態で、下面に第2層が形成された金属製スプレッダが第1層に対して押圧される。そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子が既に実装されている金属製スプレッダが第1層に対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダを第1層に対して均一に押圧することができる。
更に、請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、封止用樹脂によって半導体素子が封止される前の工程において、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられる。つまり、請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられた後の工程において、封止用樹脂によって半導体素子が封止される。
そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、封止工程中の加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうのを回避するために封止工程中の加熱温度を低い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を十分に硬化させることができる。また、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層および第2層を十分に硬化させるために第1層および第2層の加熱温度を高い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を硬化させるための加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうおそれがない。
請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、下面に第2層が形成された金属製スプレッダが第1層に対して押圧される前に、第2層の外縁が金属製スプレッダの外縁よりも1mm内側に位置するように、第2層が金属製スプレッダの下面に形成され、下面に第2層が形成された金属製スプレッダが第1層に対して押圧されると、第2層の厚さが2分の1程度になり、金属製スプレッダの下側に位置していた第2層の一部が、金属製スプレッダの外縁よりも外側に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダの側面と接触する。
そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層と金属製スプレッダの側面とが接触しない場合よりも、第2層と金属製スプレッダとの接合強度を増加させることができる。
請求項2に記載の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層が下面に形成された金属製スプレッダを第1層に対して押圧する工程中に第1層の厚さが減少しないように、第1層が予め完全に硬化せしめられる。
そのため、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層が下面に形成された金属製スプレッダを第1層に対して押圧する工程中に第1層の厚さが減少するのに伴って第1層の絶縁性が低下し、金属製スプレッダとヒートシンクとが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層が下面に形成された金属製スプレッダを第1層に対して押圧する工程中に第1層の厚さが減少する場合よりも、第1層の絶縁性を向上させることができる。
また、請求項2に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層が下面に形成された金属製スプレッダを第1層に対して押圧する力を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダの下面と第1層の上面との間の第2層の厚さを薄くすることができ、その結果、金属製スプレッダから第1層への熱伝導性を向上させることができる。
請求項3に記載の半導体装置の製造方法では、金属製スプレッダの下面に対して第2層を接合する前に、金属製スプレッダの下面に対して平行に延びる多数の微小溝が金属製スプレッダの下面に形成され、次いで、微小溝の凹部の両側の凸部の頂部をプレス加工によって潰すことにより、微小溝の凹部がアンダーカット形状に形成される。
そのため、請求項3に記載の半導体装置の製造方法によれば、例えば特開平9−277540号公報に記載されたウエットエッチングを用いることなく、金属製スプレッダの下面に対する第2層のアンカー効果を増加させるためにアンダーカット形状を金属製スプレッダの下面の微小溝の凹部に容易に形成することができる。
請求項4に記載の半導体装置の製造方法では、プレス加工によって潰されるストロークが大きい部分と、プレス加工によって潰されるストロークが小さい部分とが、金属製スプレッダの下面に設けられる。
そのため、請求項4に記載の半導体装置の製造方法によれば、プレス加工によって潰されるストロークが金属製スプレッダの下面全体で均一にされる場合よりも、プレス加工によって潰されるストロークが大きい部分とプレス加工によって潰されるストロークが小さい部分との境界部分に形成される鉛直面の分だけ、金属製スプレッダと第2層との接触面積を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダと第2層との接合強度を増加させることができる。
請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、樹脂を母材とする絶縁性の第1層が、ヒートシンクの上面全体に配置される。また、樹脂を母材とする第2層が、第1層上に配置される。更に、リードフレームが第2層上に配置される。また、半導体素子がリードフレーム上に配置される。更に、ヒートシンクの下面およびリードフレームの一部が露出するように、半導体素子が封止用樹脂によって封止される。
そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置では、半導体素子が発生した熱を、リードフレーム、第2層、第1層およびヒートシンクを介して半導体装置の外側に放熱することができる。
更に、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、第2層に印加される電圧と第2層を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が導電性に形成される。
そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置によれば、例えばアルミナ、窒化珪素、結晶シリカなどのような非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が絶縁性に形成されている特開2000−260918号公報に記載された半導体装置よりも、第2層の熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子が発生した熱の放熱性を向上させることができる。
一方、仮に、導電性の第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、複数のリードフレームが設けられる場合に、導電性の第2層を介して隣接する2つのリードフレームが電気的に短絡してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、第2層が、第1層上のうち、リードフレームと接触する部分にのみ配置され、リードフレームと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、導電性の第2層を介して隣接する2つのリードフレームが電気的に短絡してしまうおそれを排除することができる。
また、仮に、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、第2層のうち、リードフレームと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、上述したように、第2層が、第1層上のうち、リードフレームと接触する部分にのみ配置され、リードフレームと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されるのに伴って、第2層のうち、リードフレームと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる。
また、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、リードフレームが第2層に対して押圧される時に、半導体素子がリードフレーム上にまだ実装されていない。つまり、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、半導体素子がリードフレーム上にまだ実装されていない状態で、リードフレームが第2層に対して押圧される。そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子が既に実装されているリードフレームが第2層に対して押圧される場合よりも、リードフレームを第2層に対して均一に押圧することができる。
更に、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、封止用樹脂によって半導体素子が封止される前の工程において、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられる。つまり、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられた後の工程において、封止用樹脂によって半導体素子が封止される。
そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、封止工程中の加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうのを回避するために封止工程中の加熱温度を低い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を十分に硬化させることができる。また、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層および第2層を十分に硬化させるために第1層および第2層の加熱温度を高い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を硬化させるための加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうおそれがない。
請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、リードフレームが第2層に対して押圧される前に、第2層の外縁がリードフレームの外縁よりも1mm内側に位置するように、第2層が第1層上に形成され、リードフレームが第2層に対して押圧されると、第2層の厚さが2分の1程度になり、リードフレームの下側に位置していた第2層の一部が、リードフレームの外縁よりも外側に流れ出て盛り上がり、リードフレームの側面と接触する。
そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層とリードフレームの側面とが接触しない場合よりも、第2層とリードフレームとの接合強度を増加させることができる。
請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層に対してリードフレームを押圧する工程中に第1層の厚さが減少しないように、第1層が予め完全に硬化せしめられる。詳細には、請求項5に記載の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層が第1層上に形成される工程の前の段階で第1層が完全に硬化せしめられる。
そのため、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層に対してリードフレームを押圧する工程中に第1層の厚さが減少するのに伴って第1層の絶縁性が低下し、リードフレームとヒートシンクとが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層に対してリードフレームを押圧する工程中に第1層の厚さが減少する場合よりも、第1層の絶縁性を向上させることができる。
また、請求項5に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層に対するリードフレームの押圧力を増加させることができ、それにより、リードフレームの下面と第1層の上面との間の第2層の厚さを薄くすることができ、その結果、リードフレームから第1層への熱伝導性を向上させることができる。
請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、樹脂を母材とする絶縁性の第1層が、ヒートシンクの上面全体に配置される。また、樹脂を母材とする第2層が、リードフレームの下面に配置される。更に、下面に第2層が配置されたリードフレームが、第1層上に配置される。更に、半導体素子がリードフレーム上に配置される。また、ヒートシンクの下面およびリードフレームの一部が露出するように、半導体素子が封止用樹脂によって封止される。
そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置では、半導体素子が発生した熱を、リードフレーム、第2層、第1層およびヒートシンクを介して半導体装置の外側に放熱することができる。
更に、請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、第2層に印加される電圧と第2層を流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が導電性に形成される。
そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法により製造された半導体装置によれば、例えばアルミナ、窒化珪素、結晶シリカなどのような非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層が絶縁性に形成されている特開2000−260918号公報に記載された半導体装置よりも、第2層の熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子が発生した熱の放熱性を向上させることができる。
一方、仮に、導電性の第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、複数のリードフレームが設けられる場合に、導電性の第2層を介して隣接する2つのリードフレームが電気的に短絡してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、第2層が、第1層上のうち、リードフレームと接触する部分にのみ配置され、リードフレームと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、導電性の第2層を介して隣接する2つのリードフレームが電気的に短絡してしまうおそれを排除することができる。
また、仮に、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されると、第2層のうち、リードフレームと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれがある。
この点に鑑み、請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、上述したように、第2層が、第1層上のうち、リードフレームと接触する部分にのみ配置され、リードフレームと接触しない部分には配置されない。
そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層が、ヒートシンクの上面全体に配置された第1層上の全体に配置されるのに伴って、第2層のうち、リードフレームと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる。
また、請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、下面に第2層が形成されたリードフレームが第1層に対して押圧される時に、半導体素子がリードフレーム上にまだ実装されていない。つまり、請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、半導体素子がリードフレーム上にまだ実装されていない状態で、下面に第2層が形成されたリードフレームが第1層に対して押圧される。そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子が既に実装されているリードフレームが第1層に対して押圧される場合よりも、リードフレームを第1層に対して均一に押圧することができる。
更に、請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、封止用樹脂によって半導体素子が封止される前の工程において、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられる。つまり、請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、第1層が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層が加熱されて硬化せしめられた後の工程において、封止用樹脂によって半導体素子が封止される。
そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、封止工程中の加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうのを回避するために封止工程中の加熱温度を低い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を十分に硬化させることができる。また、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層および第2層を十分に硬化させるために第1層および第2層の加熱温度を高い値に設定した場合であっても、第1層および第2層を硬化させるための加熱によって半導体素子が悪影響を受けてしまうおそれがない。
請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、下面に第2層が形成されたリードフレームが第1層に対して押圧される前に、第2層の外縁がリードフレームの外縁よりも1mm内側に位置するように、第2層がリードフレームの下面に形成され、下面に第2層が形成されたリードフレームが第1層に対して押圧されると、第2層の厚さが2分の1程度になり、リードフレームの下側に位置していた第2層の一部が、リードフレームの外縁よりも外側に流れ出て盛り上がり、リードフレームの側面と接触する。
そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、第2層とリードフレームの側面とが接触しない場合よりも、第2層とリードフレームとの接合強度を増加させることができる。
請求項6に記載の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層が下面に形成されたリードフレームを第1層に対して押圧する工程中に第1層の厚さが減少しないように、第1層が予め完全に硬化せしめられる。
そのため、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層が下面に形成されたリードフレームを第1層に対して押圧する工程中に第1層の厚さが減少するのに伴って第1層の絶縁性が低下し、リードフレームとヒートシンクとが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層が下面に形成されたリードフレームを第1層に対して押圧する工程中に第1層の厚さが減少する場合よりも、第1層の絶縁性を向上させることができる。
また、請求項6に記載の半導体装置の製造方法によれば、第1層が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層が下面に形成されたリードフレームを第1層に対して押圧する力を増加させることができ、それにより、リードフレームの下面と第1層の上面との間の第2層の厚さを薄くすることができ、その結果、リードフレームから第1層への熱伝導性を向上させることができる。
請求項7に記載の半導体装置の製造方法では、リードフレームの下面に対して第2層を接合する前に、リードフレームの下面に対して平行に延びる多数の微小溝がリードフレームの下面に形成され、次いで、微小溝の凹部の両側の凸部の頂部をプレス加工によって潰すことにより、微小溝の凹部がアンダーカット形状に形成される。
そのため、請求項7に記載の半導体装置の製造方法によれば、例えば特開平9−277540号公報に記載されたウエットエッチングを用いることなく、リードフレームの下面に対する第2層のアンカー効果を増加させるためにアンダーカット形状をリードフレームの下面の微小溝の凹部に容易に形成することができる。
請求項8に記載の半導体装置の製造方法では、プレス加工によって潰されるストロークが大きい部分と、プレス加工によって潰されるストロークが小さい部分とが、リードフレームの下面に設けられる。
そのため、請求項8に記載の半導体装置の製造方法によれば、プレス加工によって潰されるストロークがリードフレームの下面全体で均一にされる場合よりも、プレス加工によって潰されるストロークが大きい部分とプレス加工によって潰されるストロークが小さい部分との境界部分に形成される鉛直面の分だけ、リードフレームと第2層との接触面積を増加させることができ、それにより、リードフレームと第2層との接合強度を増加させることができる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の半導体装置の一部を構成するヒートシンク1と、ヒートシンク1の上面全体に形成された第1層2と、第1層2の上面の一部に形成された第2層3a,3bとによって構成されたサブアセンブリを示した図である。詳細には、図1(A)はヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3bとによって構成されたサブアセンブリの後側面図、図1(B)はその平面図、図1(C)はその左側面図、図1(D)はその底面図、図1(E)は図1(B)のA−A線に沿った断面図、図1(F)は図1(E)のB部の拡大図、図1(G)は図1(F)のC部の拡大図である。
第1の実施形態の半導体装置では、図1に示すように、ヒートシンク1が、例えばAl、銅等のような放熱性の高い材料によって構成されている。また、ヒートシンク1の側面等には、封止用樹脂8(図10および図11参照)のアンカー効果を増加させるための凸部1aおよび凹部1bが形成されている。更に、例えば放熱フィンなどのような他の部材(図示せず)に対して第1の実施形態の半導体装置をねじ止めするための貫通穴1cがヒートシンク1に形成されている。
第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図1に示すように、まず最初に、例えばエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の母材に対して非導電性の放熱性フィラーを含有させたものが、ヒートシンク1の上面全体に例えば塗布、印刷等によって形成される。次いで、熱処理が行われ、それにより、図1に示すように、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2がヒートシンク1の上面全体に形成される。詳細には、図1(G)に示すように、厚さが例えば約120μmになるように、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2が形成される。
次いで、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、例えばエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の母材に対して導電性フィラーを含有させたものが、第1層2の上面の一部に例えば塗布、印刷等によって形成される。次いで、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)になる程度に熱処理が行われ、それにより、図1(B)に示すように、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a,3bが第1層2の上面の一部に形成される。
詳細には、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、金属製スプレッダ4a(図4参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aに対して押圧される前であって、金属製スプレッダ4b(図4参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bに対して押圧される前に、図1(B)に示すように、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aの外縁が金属製スプレッダ4a(図4参照)の外縁4a’よりも約1mm内側に位置するように、かつ、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bの外縁が金属製スプレッダ4b(図4参照)の外縁4b’よりも約1mm内側に位置するように、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a,3bが第1層2の上面の一部に形成される。
更に詳細には、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a,3bが第1層2の上面の一部に形成される工程の前の段階で、第1層2が完全に硬化せしめられる。そのため、第1の実施形態の半導体装置によれば、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aに対して金属製スプレッダ4aが押圧され、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bに対して金属製スプレッダ4bが押圧される工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って、第1層2の絶縁性が低下してしまうおそれを低減することができる。
図2は第2層3a,3bに印加される電圧と第2層3a,3bを流れる電流との関係を示した図である。図2において、横軸は第2層3a,3bに印加される電圧を示しており、縦軸は第2層3a,3bを流れる電流を示している。第1の実施形態の半導体装置では、図2に示すように、第2層3a,3bに印加される電圧と第2層3a,3bを流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように、例えばエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の母材に対して導電性フィラーを含有させることによって、第2層3a,3bが導電性に形成されている。
図3は図1に示した第2層3a上に例えば銅製のような金属製スプレッダ4aが押圧され、図1に示した第2層3b上に例えば銅製のような金属製スプレッダ4bが押圧された状態を示した図である。詳細には、図3(A)は第1の実施形態の半導体装置の一部を構成するヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3bと金属製スプレッダ4a,4bとによって構成されたサブアセンブリの後側面図、図3(B)はその平面図、図3(C)はその左側面図、図3(D)は図3(B)のD−D線に沿った断面図、図3(E)は図3(D)のE部の拡大図、図3(F)は図3(E)のF部の拡大図である。
図4は図3に示した金属製スプレッダ4a,4bを斜め上側から見た斜視図、図5は図3に示した金属製スプレッダ4a,4bを斜め下側から見た斜視図、図6は金属製スプレッダ4aの下面4a2、金属製スプレッダ4bの下面4b2等の拡大図である。詳細には、図6(A)は金属製スプレッダ4aの下面4a2および金属製スプレッダ4bの下面4b2の拡大図であり、図6(B)は図6(A)に示した金属製スプレッダ4aの下面4a2または金属製スプレッダ4bの下面4b2を更に拡大して示した図である。
第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図3に示すように、金属製スプレッダ4aが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a(図1参照)に対して押圧される前に、図4に示すように、例えばプレス加工によって、凹部4a1aが金属製スプレッダ4aの上面4a1に形成される。また、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図3に示すように、金属製スプレッダ4bが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3b(図1参照)に対して押圧される前に、図4に示すように、例えばプレス加工によって、凹部4b1aが金属製スプレッダ4bの上面4b1に形成される。
更に、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図3に示すように、金属製スプレッダ4aが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a(図1参照)に対して押圧される前に、図6に示すように、金属製スプレッダ4aの下面4a2に対して粗面化処理が行われる。そのため、第1の実施形態の半導体装置によれば、金属製スプレッダ4aの下面4a2に対する半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aのアンカー効果を増加させることができる。
具体的には、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図6(B)に示すように、例えばダイヤモンドパウダーのような微粒子を用いたヘアライン(ケガキ)処理を行うことによって、金属製スプレッダ4aの下面4a2に対して平行であって、図6(B)の右上−左下方向に延びる多数の微小溝4cが金属製スプレッダ4aの下面4a2に形成される。その結果、金属製スプレッダ4aの下面4a2には、微小溝4cが存在する位置に凹部が形成され、微小溝4cの両側(図6(B)の左上側または右下側)であって微小溝4cが存在しない位置に凸部が形成される。次いで、金属製スプレッダ4aの下面4a2全体がプレス加工によって潰される。その結果、微小溝4cの凹部の両側の凸部の頂部が潰され、それにより、微小溝4cの凹部がアンダーカット形状に形成される。
更に詳細には、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図6(A)および図6(B)に示すように、金属製スプレッダ4aの下面4a2のうち、格子状に延びている溝部4eでは、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きくされる。一方、金属製スプレッダ4aの下面4a2のうち、溝部4eによって囲まれる矩形部4dでは、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さくされる。つまり、第1の実施形態の半導体装置では、金属製スプレッダ4aの下面4a2の溝部4eが矩形部4dよりも凹んでいる。
同様に、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図3に示すように、金属製スプレッダ4bが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3b(図1参照)に対して押圧される前に、図6に示すように、金属製スプレッダ4bの下面4b2に対する粗面化処理が行われる。そのため、第1の実施形態の半導体装置によれば、金属製スプレッダ4bの下面4b2に対する半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bのアンカー効果を増加させることができる。
具体的には、図6(B)に示すように、例えばダイヤモンドパウダーのような微粒子を用いたヘアライン(ケガキ)処理を行うことによって、金属製スプレッダ4bの下面4b2に対して平行であって、図6(B)の右上−左下方向に延びる多数の微小溝4cが金属製スプレッダ4bの下面4b2に形成される。その結果、金属製スプレッダ4bの下面4b2には、微小溝4cが存在する位置に凹部が形成され、微小溝4cの両側(図6(B)の左上側または右下側)であって微小溝4cが存在しない位置に凸部が形成される。次いで、金属製スプレッダ4bの下面4b2全体がプレス加工によって潰される。その結果、微小溝4cの凹部の両側の凸部の頂部が潰され、それにより、微小溝4cの凹部がアンダーカット形状に形成される。
更に詳細には、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図6(A)および図6(B)に示すように、金属製スプレッダ4bの下面4b2のうち、格子状に延びている溝部4eでは、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きくされる。一方、金属製スプレッダ4bの下面4b2のうち、溝部4eによって囲まれる矩形部4dでは、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さくされる。つまり、第1の実施形態の半導体装置では、金属製スプレッダ4bの下面4b2の溝部4eが矩形部4dよりも凹んでいる。
第1の実施形態の半導体装置では、図6(B)に示すように、微小溝4cが溝部4eに対して平行または垂直に延びているが、第2の実施形態の半導体装置では、代わりに、微小溝4cを溝部4eに対して約45°の角度をなして延ばすことも可能である。
図7は半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a(図1参照)に対して金属製スプレッダ4aを押圧し、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bに対して金属製スプレッダ4bを押圧するための冶具20などを示した図である。詳細には、図7(A)は冶具20の上側から冶具20の内部を透視して見た図、図7(B)は図7(A)のG−G線に沿った断面図である。
第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図7(A)および図7(B)に示すように、コイルばね22bによって付勢された押圧ピン21bによって、金属製スプレッダ4bが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bに対して押圧される。その結果、図3(F)に示すように、金属製スプレッダ4bの下面4b2(図5および図6(A)参照)の下側(図3(F)の右側)に位置する半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bの厚さが約100μmから約50μmに減少し、それにより、金属製スプレッダ4bの下面4b2(図5および図6(A)参照)の下側(図3(F)の右側)に位置していた半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bの一部が、金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも外側(図3(F)の下側)に流れ出て上側(図3(F)の左側)に盛り上がり、金属製スプレッダ4bの側面と接触する。
同様に、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図1(B)、図3(B)および図7(A)に示すように、コイルばね22aによって付勢された押圧ピン21aによって、金属製スプレッダ4aが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aに対して押圧される。その結果、金属製スプレッダ4aの下面4a2(図5および図6(A)参照)の下側に位置する半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aの厚さが約100μmから約50μmに減少し、それにより、金属製スプレッダ4aの下面4a2(図5および図6(A)参照)の下側に位置していた半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aの一部が、金属製スプレッダ4aの外縁4a’(図1(B)参照)よりも外側に流れ出て上側に盛り上がり、金属製スプレッダ4aの側面と接触する。
一方、第1の実施形態の半導体装置では、金属製スプレッダ4a(図3参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a(図1参照)に対して押圧されるのに伴って金属製スプレッダ4aの外縁4a’(図1参照)よりも外側に流れ出た半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aと、金属製スプレッダ4b(図3参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3b(図1参照)に対して押圧されるのに伴って金属製スプレッダ4bの外縁4b’(図1参照)よりも外側に流れ出た半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bとは、互いに接触することなく、互いに離間せしめられている。
換言すれば、第1の実施形態の半導体装置では、図1(B)および図3(B)に示すように、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aが、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2上のうち、金属製スプレッダ4aと接触する部分にのみ配置され、金属製スプレッダ4aと接触しない部分には配置されていない。更に、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bが、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2上のうち、金属製スプレッダ4bと接触する部分にのみ配置され、金属製スプレッダ4bと接触しない部分には配置されていない。
次いで、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図7(A)および図7(B)に示すように、金属製スプレッダ4aが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a(図1参照)に対して押圧せしめられ、金属製スプレッダ4bが半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bに対して押圧せしめられている状態で、導電性の第2層3a,3bが、加熱され、熱硬化せしめられる。その結果、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2および金属製スプレッダ4aに対する導電性の第2層3aの接合強度が増加せしめられ、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2および金属製スプレッダ4bに対する導電性の第2層3bの接合強度が増加せしめられる。
図8および図9は図3に示したサブアセンブリに半導体素子5等が搭載された状態を示した図である。詳細には、図8(A)は第1の実施形態の半導体装置の一部を構成するヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3bと金属製スプレッダ4a,4bと半導体素子5と外部端子6a,6bとボンディングワイヤ7とによって構成されたサブアセンブリの平面図、図8(B)は図8(A)のH−H線に沿った断面図、図9は第1の実施形態の半導体装置の一部を構成するヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3bと金属製スプレッダ4a,4bと半導体素子5と外部端子6a,6bとボンディングワイヤ7とによって構成されたサブアセンブリの斜視図である。
次いで、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図8(A)、図8(B)および図9に示すように、例えばダイオードのような半導体素子5が金属製スプレッダ4a上に搭載されると共に、円筒状の金属製外部端子6aが金属製スプレッダ4aに電気的に接続される。また、円筒状の金属製外部端子6bが金属製スプレッダ4bに電気的に接続される。更に、例えば半導体素子5の上面と金属製スプレッダ4bとが、例えばボンディングワイヤ7によって電気的に接続される。その結果、例えば半導体素子5がダイオードである場合には、金属製外部端子6bがアノード電極端子として機能すると共に、金属製外部端子6aがカソード電極端子として機能する。
第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図8および図9に示すように、円筒状の金属製外部端子6aが金属製スプレッダ4aに電気的に接続され、円筒状の金属製外部端子6bが金属製スプレッダ4bに電気的に接続される前に、雌ねじ部が円筒状の金属製外部端子6a,6bの内周面に形成される。
図10および図11は図8および図9に示したサブアセンブリが封止用樹脂8によって封止され、第1の実施形態の半導体装置が完成した状態を示した図である。詳細には、図10は第1の実施形態の半導体装置を斜め上側から見た斜視図、図11は第1の実施形態の半導体装置を斜め下側から見た斜視図である。
次いで、第1の実施形態の半導体装置の製造時には、図10に示すように、金属製外部端子6a,6bの一部が露出し、かつ、図11に示すように、ヒートシンク1の下面が露出するように、図8および図9に示した半導体素子5が封止用樹脂8によって封止される。
つまり、第1の実施形態の半導体装置では、図1に示すように、樹脂を母材とする絶縁性の第1層2が、ヒートシンク1の上面全体に配置されている。また、樹脂を母材とする第2層3a,3bが、第1層2上に配置されている。更に、図1および図3に示すように、金属製スプレッダ4aが第2層3a上に配置され、金属製スプレッダ4bが第2層3b上に配置されている。また、図8および図9に示すように、半導体素子5が金属製スプレッダ4a上に配置されている。また、外部端子6aが金属製スプレッダ4aに電気的に接続され、外部端子6bが金属製スプレッダ4bに電気的に接続されている。更に、図9、図10および図11に示すように、ヒートシンク1の下面および外部端子6a,6bの一部が露出するように、半導体素子5が封止用樹脂8によって封止されている。
そのため、第1の実施形態の半導体装置では、半導体素子5が発生した熱を、金属製スプレッダ4a、第2層3a、第1層2およびヒートシンク1を介して半導体装置の外側に放熱することができる。
更に、第1の実施形態の半導体装置では、図2に示すように、第2層3a,3b(図1参照)に印加される電圧と第2層3a,3bを流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層3a,3bが導電性に形成されている。そのため、第1の実施形態の半導体装置によれば、例えばアルミナ、窒化珪素、結晶シリカなどのような非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層3a,3bが絶縁性に形成されている特開2000−260918号公報に記載された半導体装置よりも、第2層3a,3bの熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子5が発生した熱の放熱性を向上させることができる。
一方、仮に、導電性の第2層3a,3b(図1(B)参照)が、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されていると、図3に示すように複数の金属製スプレッダ4a,4bが設けられている場合に、導電性の第2層3a,3bを介して隣接する2つの金属製スプレッダ4a,4bが電気的に短絡してしまうおそれがある。この点に鑑み、第1の実施形態の半導体装置では、図1および図3に示すように、第2層3aが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4aと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4aと接触しない部分には配置されていない。また、第2層3bが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4bと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4bと接触しない部分には配置されていない。そのため、第1の実施形態の半導体装置によれば、導電性の第2層3a,3bを介して隣接する2つの金属製スプレッダ4a,4bが電気的に短絡してしまうおそれを排除することができる。
また、仮に、第2層3a,3b(図1(B)参照)が、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されていると、第2層3a,3bのうち、金属製スプレッダ4a,4b(図3(B)参照)と接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれがある。この点に鑑み、第1の実施形態の半導体装置では、図1および図3に示すように、第2層3aが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4aと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4aと接触しない部分には配置されていない。また、第2層3bが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4bと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4bと接触しない部分には配置されていない。そのため、第1の実施形態の半導体装置によれば、第2層3a,3bが、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されるのに伴って、第2層3a,3bのうち、金属製スプレッダ4a,4bと接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる。
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、図7(A)に示すように、金属製スプレッダ4aが第2層3a(図1参照)に対して押圧される時に、半導体素子5(図8参照)が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない。つまり、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない状態で、金属製スプレッダ4aが第2層3aに対して押圧される。そのため、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5が既に実装されている金属製スプレッダ4aが第2層3aに対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダ4aを第2層3aに対して均一に押圧することができる。
更に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、封止用樹脂8(図10および図11参照)によって半導体素子5(図8および図9参照)が封止される前の工程において、第1層2(図1参照)が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層3a,3b(図1参照)が加熱されて硬化せしめられる。つまり、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1層2が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層3a,3bが加熱されて硬化せしめられた後の工程において、図10および図11に示すように、封止用樹脂8によって半導体素子5が封止される。そのため、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、封止工程中の加熱によって半導体素子5が悪影響を受けてしまうのを回避するために封止工程中の加熱温度を低い値に設定した場合であっても、第1層2および第2層3a,3bを十分に硬化させることができる。また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2および第2層3a,3bを十分に硬化させるために第1層2および第2層3a,3bの加熱温度を高い値に設定した場合であっても、第1層2および第2層3a,3bを硬化させるための加熱によって半導体素子5が悪影響を受けてしまうおそれがない。
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、図7に示すように、金属製スプレッダ4a,4bが第2層3a,3bに対して押圧される前に、図1(B)に示すように、第2層3aの外縁が金属製スプレッダ4aの外縁4a’よりも約1mm内側に位置するように第2層3aが第1層2上に形成されると共に、第2層3bの外縁が金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも約1mm内側に位置するように第2層3bが第1層2上に形成される。更に、図7(A)に示すように、金属製スプレッダ4aが第2層3aに対して押圧されると、第2層3aの厚さが約2分の1程度になり、金属製スプレッダ4aの下側に位置していた第2層3aの一部が、金属製スプレッダ4aの外縁4a’よりも外側に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4aの側面と接触する。また、図7(B)に示すように、金属製スプレッダ4bが第2層3bに対して押圧されると、図3(F)に示すように、第2層3bの厚さが約2分の1程度になり、金属製スプレッダ4bの下側(図3(F)の右側)に位置していた第2層3bの一部が、金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも外側(図3(F)の下側)に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4bの側面と接触する。
そのため、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3aと金属製スプレッダ4aの側面とが接触しない場合よりも、第2層3aと金属製スプレッダ4aとの接合強度を増加させることができ、第2層3bと金属製スプレッダ4bの側面とが接触しない場合よりも、第2層3bと金属製スプレッダ4bとの接合強度を増加させることができる。
更に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層3a,3bに対して金属製スプレッダ4a,4bを押圧する工程中に第1層2の厚さが減少しないように、第1層2が予め完全に硬化せしめられる。詳細には、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層3a,3bが第1層2上に形成される工程の前の段階で第1層2が完全に硬化せしめられる。そのため、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3bに対して金属製スプレッダ4a,4bを押圧する工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って第1層2の絶縁性が低下し、金属製スプレッダ4a,4bとヒートシンク1とが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3bに対して金属製スプレッダ4a,4bを押圧する工程中に第1層2の厚さが減少する場合よりも、第1層2の絶縁性を向上させることができる。
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層3a,3bに対する金属製スプレッダ4a,4bの押圧力を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダ4a,4bの下面と第1層2の上面との間の第2層3a,3bの厚さを薄くすることができ、その結果、金属製スプレッダ4a,4bから第1層2への熱伝導性を向上させることができる。
更に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、図7に示すように、金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2(図5および図6参照)に対して第2層3a,3bを接合する前に、図6(A)および図6(B)に示すように、金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2に対して平行に延びる多数の微小溝4cが金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2に形成され、次いで、微小溝4cの凹部の両側の凸部の頂部をプレス加工によって潰すことにより、微小溝4cの凹部がアンダーカット形状に形成される。そのため、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、例えば特開平9−277540号公報に記載されたウエットエッチングを用いることなく、金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2に対する第2層3a,3bのアンカー効果を増加させるためにアンダーカット形状を金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2の微小溝4cの凹部に容易に形成することができる。
また、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、図6(A)および図6(B)に示すように、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きい溝部4eと、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さい矩形部4dとが、金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2に設けられる。そのため、第1の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2全体で均一にされる場合よりも、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きい溝部4eとプレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さい矩形部4dとの境界部分に形成される鉛直面の分だけ、金属製スプレッダ4a,4bと第2層3a,3bとの接触面積を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダ4a,4bと第2層3a,3bとの接合強度を増加させることができる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の半導体装置は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の半導体装置とほぼ同様に構成されている。従って、第3の実施形態の半導体装置によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の半導体装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、図1に示すように、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3a,3bが第1層2上に形成されるが、第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、代わりに、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3aが金属製スプレッダ4aの下面4a2に形成され、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3bが金属製スプレッダ4bの下面4b2に形成される。
図12は第3の実施形態の半導体装置の製造時に、金属製スプレッダ4aの下面4a2に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3aが例えば塗布、印刷等によって形成され、金属製スプレッダ4bの下面4b2に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3bが例えば塗布、印刷等によって形成された状態を示した図である。詳細には、図12(A)は第2層3aが例えば塗布、印刷等によって形成された金属製スプレッダ4aおよび第2層3bが例えば塗布、印刷等によって形成された金属製スプレッダ4bの底面図、図12(B)は図12(A)のI−I線に沿った断面図、図12(C)は図12(A)のJ−J線に沿った断面図である。
図13は第3の実施形態の半導体装置の製造時に、図12(B)に示した下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧され、図12(C)に示した下面4b2に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧された状態を示した断面図である。詳細には、図13(A)は図12(B)に示した下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが、第1層2に対して押圧された状態における金属製スプレッダ4aの外縁4a’の近傍の断面図、図13(B)は図12(C)に示した下面4b2に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが、第1層2に対して押圧された状態における金属製スプレッダ4bの外縁4b’の近傍の断面図である。
第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、図13(A)に示すように、下面4a2(図12参照)に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される時に、半導体素子5(図8参照)が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない。つまり、第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない状態で、下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される。そのため、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5が既に実装されている金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダ4aを第1層2に対して均一に押圧することができる。
更に、第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、図13(A)に示すように、下面4a2(図12参照)に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される前に、図12(A)および図12(B)に示すように、第2層3aの外縁が金属製スプレッダ4aの外縁4a’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3aが金属製スプレッダ4aの下面4a2に形成され、図13(A)に示すように、下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧されると、第2層3aの厚さが約100μmから約50μmに減少し、金属製スプレッダ4aの下側(図13(A)の右側)に位置していた第2層3aの一部が、金属製スプレッダ4aの外縁4a’よりも外側(図13(A)の下側)に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4aの側面と接触する。そのため、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3aと金属製スプレッダ4aの側面とが接触しない場合よりも、第2層3aと金属製スプレッダ4aとの接合強度を増加させることができる。
同様に、第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、図13(B)に示すように、下面4b2(図12参照)に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧される前に、図12(A)および図12(C)に示すように、第2層3bの外縁が金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3bが金属製スプレッダ4bの下面4b2に形成され、図13(B)に示すように、下面4b2に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧されると、第2層3bの厚さが約100μmから約50μmに減少し、金属製スプレッダ4bの下側(図13(B)の右側)に位置していた第2層3bの一部が、金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも外側(図13(B)の下側)に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4bの側面と接触する。そのため、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3bと金属製スプレッダ4bの側面とが接触しない場合よりも、第2層3bと金属製スプレッダ4bとの接合強度を増加させることができる。
更に、第3の実施形態の半導体装置の製造方法では、図13に示すように、半硬化状態の第2層3a,3bが下面4a2,4b2(図12参照)に形成された金属製スプレッダ4a,4bを第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少しないように、第1層2が予め完全に硬化せしめられる。そのため、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3bが下面4a2,4b2に形成された金属製スプレッダ4a,4bを第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って第1層2の絶縁性が低下し、金属製スプレッダ4a,4bとヒートシンク1とが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3bが下面4a2,4b2に形成された金属製スプレッダ4a,4bを第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少する場合よりも、第1層2の絶縁性を向上させることができる。
また、第3の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層3a,3bが下面4a2,4b2に形成された金属製スプレッダ4a,4bを第1層2に対して押圧する力を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダ4a,4bの下面4a2,4b2と第1層2の上面との間の第2層3a,3bの厚さを薄くすることができ、その結果、金属製スプレッダ4a,4bから第1層2への熱伝導性を向上させることができる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の半導体装置は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の半導体装置とほぼ同様に構成されている。従って、第4の実施形態の半導体装置によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の半導体装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、図1に示すように、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3a,3bが第1層2上の2箇所に形成されるが、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、代わりに、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3a,3b,3c(図14参照)が第1層2上の3箇所に形成される。
更に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法では、図1および図8に示すように、第2層3b上に配置される金属製スプレッダ4b上に金属製外部端子6bが電気的に接続されるが、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、代わりに、第2層3b上に配置される金属製スプレッダ4b(図14参照)上に金属製外部端子6b(図14参照)が電気的に接続されると共に、金属製スプレッダ4b上に半導体素子5’(図14参照)が搭載される。更に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、第2層3c上に配置される金属製スプレッダ4c’(図14参照)上に金属製外部端子6c(図14参照)が電気的に接続され、半導体素子5’の上面と金属製スプレッダ4c’とが、例えばボンディングワイヤ7’(図14参照)によって電気的に接続される。
図14は封止用樹脂8(図15参照)によって封止される前における第4の実施形態の半導体装置を示した図である。詳細には、図14(A)は封止用樹脂8(図15参照)によって封止される前における第4の実施形態の半導体装置の平面図、図14(B)は図14(A)のK−K線に沿った断面図である。図15は第4の実施形態の半導体装置を示した図である。詳細には、図15(A)は第4の実施形態の半導体装置の平面図、図15(B)は第4の実施形態の半導体装置の正面図、図15(C)は第4の実施形態の半導体装置の回路図である。
第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、図14(A)に示すように、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4aの下側に位置する部分に第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3aが形成され、金属製スプレッダ4bの下側に位置する部分に第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3bが形成され、金属製スプレッダ4c’の下側に位置する部分に第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3cが形成される。
更に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、図14に示すように、第2層3a上に配置される金属製スプレッダ4a上に金属製外部端子6aが電気的に接続されると共に、金属製スプレッダ4a上に半導体素子5が搭載される。また、第2層3b上に配置される金属製スプレッダ4b上に金属製外部端子6bが電気的に接続されると共に、金属製スプレッダ4b上に半導体素子5’が搭載される。更に、第2層3c上に配置される金属製スプレッダ4c’上に金属製外部端子6cが電気的に接続される。また、半導体素子5の上面と金属製スプレッダ4bとが、例えばボンディングワイヤ7によって電気的に接続され、半導体素子5’の上面と金属製スプレッダ4c’とが、例えばボンディングワイヤ7’によって電気的に接続される。
つまり、第4の実施形態の半導体装置では、図14に示すように、樹脂を母材とする絶縁性の第1層2が、ヒートシンク1の上面全体に配置されている。また、樹脂を母材とする第2層3a,3b,3cが、第1層2上に配置されている。更に、金属製スプレッダ4aが第2層3a上に配置され、金属製スプレッダ4bが第2層3b上に配置され、金属製スプレッダ4c’が第2層3c上に配置されている。また、半導体素子5が金属製スプレッダ4a上に配置され、半導体素子5’が金属製スプレッダ4b上に配置されている。また、外部端子6aが金属製スプレッダ4aに電気的に接続され、外部端子6bが金属製スプレッダ4bに電気的に接続され、外部端子6cが金属製スプレッダ4c’に電気的に接続されている。更に、図15に示すように、ヒートシンク1の下面および外部端子6a,6b,6cの一部が露出するように、半導体素子5,5’が封止用樹脂8によって封止されている。
そのため、第4の実施形態の半導体装置では、半導体素子5が発生した熱を、金属製スプレッダ4a、第2層3a、第1層2およびヒートシンク1を介して半導体装置の外側に放熱することができ、半導体素子5’が発生した熱を、金属製スプレッダ4b、第2層3b、第1層2およびヒートシンク1を介して半導体装置の外側に放熱することができる。
更に、第4の実施形態の半導体装置では、第1の実施形態の半導体装置と同様に、図2に示すように、第2層3a,3b,3c(図14参照)に印加される電圧と第2層3a,3b,3cを流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層3a,3b,3cが導電性に形成されている。そのため、第4の実施形態の半導体装置によれば、例えばアルミナ、窒化珪素、結晶シリカなどのような非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層3a,3b,3cが絶縁性に形成されている特開2000−260918号公報に記載された半導体装置よりも、第2層3a,3b,3cの熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子5,5’が発生した熱の放熱性を向上させることができる。
一方、仮に、導電性の第2層3a,3b,3c(図14参照)が、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されていると、図14に示すように複数の金属製スプレッダ4a,4b,4c’が設けられている場合に、導電性の第2層3a,3b,3cを介して隣接する2つの金属製スプレッダ4a,4bが電気的に短絡し、隣接する2つの金属製スプレッダ4b,4c’が電気的に短絡してしまうおそれがある。この点に鑑み、第4の実施形態の半導体装置では、図14に示すように、第2層3aが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4aと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4aと接触しない部分には配置されていない。また、第2層3bが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4bと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4bと接触しない部分には配置されていない。更に、第2層3cが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4c’と接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4c’と接触しない部分には配置されていない。そのため、第4の実施形態の半導体装置によれば、導電性の第2層3a,3b,3cを介して隣接する金属製スプレッダ4a,4b,4c’が電気的に短絡してしまうおそれを排除することができる。
また、仮に、第2層3a,3b,3c(図14参照)が、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されていると、第2層3a,3b,3cのうち、金属製スプレッダ4a,4b,4c’(図14参照)と接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれがある。この点に鑑み、第4の実施形態の半導体装置では、図14に示すように、第2層3aが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4aと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4aと接触しない部分には配置されていない。また、第2層3bが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4bと接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4bと接触しない部分には配置されていない。更に、第2層3cが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4c’と接触する部分にのみ配置されており、金属製スプレッダ4c’と接触しない部分には配置されていない。そのため、第4の実施形態の半導体装置によれば、第2層3a,3b,3cが、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されるのに伴って、第2層3a,3b,3cのうち、金属製スプレッダ4a,4b,4c’と接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる。
また、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様に、図14に示すように、金属製スプレッダ4aが第2層3aに対して押圧される時に、半導体素子5が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない。つまり、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない状態で、金属製スプレッダ4aが第2層3aに対して押圧される。そのため、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5が既に実装されている金属製スプレッダ4aが第2層3aに対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダ4aを第2層3aに対して均一に押圧することができる。
同様に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、図14に示すように、金属製スプレッダ4bが第2層3bに対して押圧される時に、半導体素子5’が金属製スプレッダ4b上にまだ実装されていない。つまり、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5’が金属製スプレッダ4b上にまだ実装されていない状態で、金属製スプレッダ4bが第2層3bに対して押圧される。そのため、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5’が既に実装されている金属製スプレッダ4bが第2層3bに対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダ4bを第2層3bに対して均一に押圧することができる。
更に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様に、封止用樹脂8(図15参照)によって半導体素子5,5’(図14参照)が封止される前の工程において、第1層2(図14参照)が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層3a,3b,3c(図14参照)が加熱されて硬化せしめられる。つまり、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1層2が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層3a,3b,3cが加熱されて硬化せしめられた後の工程において、図15に示すように、封止用樹脂8によって半導体素子5,5’が封止される。そのため、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、封止工程中の加熱によって半導体素子5,5’が悪影響を受けてしまうのを回避するために封止工程中の加熱温度を低い値に設定した場合であっても、第1層2および第2層3a,3b,3cを十分に硬化させることができる。また、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2および第2層3a,3b,3cを十分に硬化させるために第1層2および第2層3a,3b,3cの加熱温度を高い値に設定した場合であっても、第1層2および第2層3a,3b,3cを硬化させるための加熱によって半導体素子5,5’が悪影響を受けてしまうおそれがない。
また、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様に、図7に示すように、金属製スプレッダ4a,4b,4c’が第2層3a,3b,3cに対して押圧される前に、第2層3aの外縁が金属製スプレッダ4aの外縁4a’よりも約1mm内側に位置するように第2層3aが第1層2上に形成される(図1(B)参照)と共に、第2層3bの外縁が金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも約1mm内側に位置するように第2層3bが第1層2上に形成され(図1(B)参照)、第2層3cの外縁が金属製スプレッダ4c’のよりも約1mm内側に位置するように第2層3cが第1層2上に形成される。更に、金属製スプレッダ4aが第2層3aに対して押圧されると、第2層3aの厚さが約2分の1程度になり、金属製スプレッダ4aの下側に位置していた第2層3aの一部が、金属製スプレッダ4aの外縁4a’(図1(B)参照)よりも外側に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4aの側面と接触する(図3(F)参照)。また、金属製スプレッダ4bが第2層3bに対して押圧されると、第2層3bの厚さが約2分の1程度になり、金属製スプレッダ4bの下側(図3(F)の右側)に位置していた第2層3bの一部が、金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも外側(図3(F)の下側)に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4bの側面と接触する(図3(F)参照)。更に、金属製スプレッダ4c’が第2層3cに対して押圧されると、第2層3cの厚さが約2分の1程度になり、金属製スプレッダ4c’の下側に位置していた第2層3cの一部が、金属製スプレッダ4c’の外縁よりも外側に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4c’の側面と接触する(図3(F)参照)。
そのため、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3aと金属製スプレッダ4aの側面とが接触しない場合よりも、第2層3aと金属製スプレッダ4aとの接合強度を増加させることができ、第2層3bと金属製スプレッダ4bの側面とが接触しない場合よりも、第2層3bと金属製スプレッダ4bとの接合強度を増加させることができ、第2層3cと金属製スプレッダ4c’の側面とが接触しない場合よりも、第2層3cと金属製スプレッダ4c’との接合強度を増加させることができる。
更に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層3a,3b,3cに対して金属製スプレッダ4a,4b,4c’を押圧する工程中に第1層2の厚さが減少しないように、第1層2が予め完全に硬化せしめられる。詳細には、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層3a,3b,3cが第1層2上に形成される工程の前の段階で第1層2が完全に硬化せしめられる。そのため、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3cに対して金属製スプレッダ4a,4b,4c’を押圧する工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って第1層2の絶縁性が低下し、金属製スプレッダ4a,4b,4c’とヒートシンク1とが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3cに対して金属製スプレッダ4a,4b,4c’を押圧する工程中に第1層2の厚さが減少する場合よりも、第1層2の絶縁性を向上させることができる。
また、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層3a,3b,3cに対する金属製スプレッダ4a,4b,4c’の押圧力を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面と第1層2の上面との間の第2層3a,3b,3cの厚さを薄くすることができ、その結果、金属製スプレッダ4a,4b,4c’から第1層2への熱伝導性を向上させることができる。
更に、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様に、金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面に対して第2層3a,3b,3cを接合する前に、金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面に対して平行に延びる多数の微小溝4cが金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面に形成され(図6(A)および図6(B)参照)、次いで、微小溝4cの凹部の両側の凸部の頂部をプレス加工によって潰すことにより、微小溝4cの凹部がアンダーカット形状に形成される。そのため、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、例えば特開平9−277540号公報に記載されたウエットエッチングを用いることなく、金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面に対する第2層3a,3b,3cのアンカー効果を増加させるためにアンダーカット形状を金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面の微小溝4cの凹部に容易に形成することができる。
また、第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様に、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きい溝部4eと、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さい矩形部4dとが、金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面に設けられる(図6(A)および図6(B)参照)。そのため、第4の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面全体で均一にされる場合よりも、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きい溝部4eとプレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さい矩形部4dとの境界部分に形成される鉛直面の分だけ、金属製スプレッダ4a,4b,4c’と第2層3a,3b,3cとの接触面積を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダ4a,4b,4c’と第2層3a,3b,3cとの接合強度を増加させることができる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の半導体装置は、後述する点を除き、上述した第4の実施形態の半導体装置とほぼ同様に構成されている。従って、第5の実施形態の半導体装置によれば、後述する点を除き、上述した第4の実施形態の半導体装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、図14に示すように、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3a,3b、3cが第1層2上に形成されるが、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、代わりに、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3aが金属製スプレッダ4aの下面4a2に形成され、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3bが金属製スプレッダ4bの下面4b2に形成され、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3cが金属製スプレッダ4c’の下面4c2(図16参照)に形成される。
図16は第5の実施形態の半導体装置の製造時に、金属製スプレッダ4aの下面4a2に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3aが例えば塗布、印刷等によって形成され、金属製スプレッダ4bの下面4b2に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3bが例えば塗布、印刷等によって形成され、金属製スプレッダ4c’の下面4c2に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3cが例えば塗布、印刷等によって形成された状態を示した図である。詳細には、図16(A)は第2層3aが例えば塗布、印刷等によって形成された金属製スプレッダ4a、第2層3bが例えば塗布、印刷等によって形成された金属製スプレッダ4bおよび第2層3cが例えば塗布、印刷等によって形成された金属製スプレッダ4c’の底面図、図16(B)は図16(A)のL−L線に沿った断面図、図16(C)は図16(A)のM−M線に沿った断面図、図16(D)は図16(A)のN−N線に沿った断面図である。
図17は第5の実施形態の半導体装置の製造時に、図16(B)に示した下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧され、図16(C)に示した下面4b2に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧され、図16(D)に示した下面4c2に第2層3cが形成された金属製スプレッダ4c’が第1層2に対して押圧された状態を示した断面図である。詳細には、図17(A)は図16(B)に示した下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが、第1層2に対して押圧された状態における金属製スプレッダ4aの外縁4a’の近傍の断面図、図17(B)は図16(C)に示した下面4b2に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが、第1層2に対して押圧された状態における金属製スプレッダ4bの外縁4b’の近傍の断面図、図17(C)は図16(D)に示した下面4c2に第2層3cが形成された金属製スプレッダ4c’が、第1層2に対して押圧された状態における金属製スプレッダ4c’の外縁4c”の近傍の断面図である。
第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、図17(A)に示すように、下面4a2(図16参照)に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される時に、半導体素子5(図14参照)が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない。つまり、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5が金属製スプレッダ4a上にまだ実装されていない状態で、下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される。そのため、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5が既に実装されている金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダ4aを第1層2に対して均一に押圧することができる。
また、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、図17(B)に示すように、下面4b2(図16参照)に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧される時に、半導体素子5’(図14参照)が金属製スプレッダ4b上にまだ実装されていない。つまり、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5’が金属製スプレッダ4b上にまだ実装されていない状態で、下面4b2に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧される。そのため、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5’が既に実装されている金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧される場合よりも、金属製スプレッダ4bを第1層2に対して均一に押圧することができる。
更に、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、図17(A)に示すように、下面4a2(図16参照)に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧される前に、図16(A)および図16(B)に示すように、第2層3aの外縁が金属製スプレッダ4aの外縁4a’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3aが金属製スプレッダ4aの下面4a2に形成され、図17(A)に示すように、下面4a2に第2層3aが形成された金属製スプレッダ4aが第1層2に対して押圧されると、第2層3aの厚さが約100μmから約50μmに減少し、金属製スプレッダ4aの下側(図17(A)の右側)に位置していた第2層3aの一部が、金属製スプレッダ4aの外縁4a’よりも外側(図17(A)の下側)に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4aの側面と接触する。そのため、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3aと金属製スプレッダ4aの側面とが接触しない場合よりも、第2層3aと金属製スプレッダ4aとの接合強度を増加させることができる。
同様に、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、図17(B)に示すように、下面4b2(図16参照)に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧される前に、図16(A)および図16(C)に示すように、第2層3bの外縁が金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3bが金属製スプレッダ4bの下面4b2に形成され、図17(B)に示すように、下面4b2に第2層3bが形成された金属製スプレッダ4bが第1層2に対して押圧されると、第2層3bの厚さが約100μmから約50μmに減少し、金属製スプレッダ4bの下側(図17(B)の右側)に位置していた第2層3bの一部が、金属製スプレッダ4bの外縁4b’よりも外側(図17(B)の下側)に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4bの側面と接触する。そのため、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3bと金属製スプレッダ4bの側面とが接触しない場合よりも、第2層3bと金属製スプレッダ4bとの接合強度を増加させることができる。
また、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、図17(C)に示すように、下面4c2(図16参照)に第2層3cが形成された金属製スプレッダ4c’が第1層2に対して押圧される前に、図16(A)および図16(D)に示すように、第2層3cの外縁が金属製スプレッダ4c’の外縁4c”よりも約1mm内側に位置するように、第2層3cが金属製スプレッダ4c’の下面4c2に形成され、図17(C)に示すように、下面4c2に第2層3cが形成された金属製スプレッダ4c’が第1層2に対して押圧されると、第2層3cの厚さが約100μmから約50μmに減少し、金属製スプレッダ4c’の下側(図17(C)の右側)に位置していた第2層3cの一部が、金属製スプレッダ4c’の外縁4c”よりも外側(図17(C)の下側)に流れ出て盛り上がり、金属製スプレッダ4c’の側面と接触する。そのため、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3cと金属製スプレッダ4c’の側面とが接触しない場合よりも、第2層3cと金属製スプレッダ4c’との接合強度を増加させることができる。
更に、第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、図17に示すように、半硬化状態の第2層3a,3b,3cが下面4a2,4b2,4c2(図16参照)に形成された金属製スプレッダ4a,4b,4c’を第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少しないように、第1層2が予め完全に硬化せしめられる。そのため、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3cが下面4a2,4b2,4c2に形成された金属製スプレッダ4a,4b,4c’を第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って第1層2の絶縁性が低下し、金属製スプレッダ4a,4b,4c’とヒートシンク1とが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3cが下面4a2,4b2,4c2に形成された金属製スプレッダ4a,4b,4c’を第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少する場合よりも、第1層2の絶縁性を向上させることができる。
また、第5の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層3a,3b,3cが下面4a2,4b2,4c2に形成された金属製スプレッダ4a,4b,4c’を第1層2に対して押圧する力を増加させることができ、それにより、金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面4a2,4b2,4c2と第1層2の上面との間の第2層3a,3b,3cの厚さを薄くすることができ、その結果、金属製スプレッダ4a,4b,4c’から第1層2への熱伝導性を向上させることができる。
上述した第4の実施形態の半導体装置の製造方法では、ヒートシンク1上の第1層2上に3箇所の第2層3a,3b,3cと3個の金属製スプレッダ4a,4b,4c’と、2個の半導体素子5,5’と、3個の金属製外部端子6a,6b,6cとが配置されるが、第6の実施形態の半導体装置の製造方法では、代わりに、ヒートシンク1上の第1層2上に5箇所の第2層3a,3b,3c,3d,3eと、6個の半導体素子5−1,5−2,5−3,5−4,5−5,5−6と、5個の金属製外部端子6a,6b,6c,6d,6eとが配置される。
また、上述した第5の実施形態の半導体装置の製造方法では、ヒートシンク1上に第1層2が配置され、3個の金属製スプレッダ4a,4b,4c’の下面のそれぞれに第2層3a,3b,3cが形成され、金属製スプレッダ4a上に半導体素子5が配置され、金属製スプレッダ4b上に半導体素子5が配置され、3個の金属製スプレッダ4a,4b,4c’のそれぞれの上に3個の金属製外部端子6a,6b,6cが配置されるが、第7の実施形態の半導体装置の製造方法では、代わりに、ヒートシンク1上に第1層2が配置され、5個の金属製スプレッダ4a,4b,4c’,4d’,4e’の下面のそれぞれに第2層3a,3b,3c,3d,3eが形成され、金属製スプレッダ4a上に半導体素子5−1,5−2,5−3が配置され、金属製スプレッダ4b上に半導体素子5−4が配置され、金属製スプレッダ4c’上に半導体素子5−5が配置され、金属製スプレッダ4d’上に半導体素子5−6が配置され、5個の金属製スプレッダ4a,4b,4c’,4d’,4e’のそれぞれの上に5個の金属製外部端子6a,6b,6c,6d,6eが配置される
図18は封止用樹脂8(図15参照)によって封止される前における第6および第7の実施形態の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の平面図である。
第6および第7の実施形態の半導体装置においても、第2層3a,3b,3c,3d,3eに印加される電圧と第2層3a,3b,3c,3d,3eを流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって、第2層3a,3b,3c,3d,3eが導電性に形成されている。
また、第6および第7の実施形態の半導体装置においても、図18に示すように、第2層3aが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4aと接触する部分にのみ位置し、金属製スプレッダ4aと接触しない部分には位置しない。更に、第2層3bが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4bと接触する部分にのみ位置し、金属製スプレッダ4bと接触しない部分には位置しない。また、第2層3cが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4c’と接触する部分にのみ位置し、金属製スプレッダ4c’と接触しない部分には位置しない。更に、第2層3dが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4d’と接触する部分にのみ位置し、金属製スプレッダ4d’と接触しない部分には位置しない。また、第2層3eが、第1層2上のうち、金属製スプレッダ4e’と接触する部分にのみ位置し、金属製スプレッダ4e’と接触しない部分には位置しない。
更に、第6および第7の実施形態の半導体装置においても、ヒートシンク1の下面および外部端子6a,6b,6c,6d,6eの一部が露出するように封止樹脂8(図15参照)によって半導体素子5−1,5−2,5−3,5−4,5−5,5−6が封止される。
以下、本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の第8の実施形態について説明する。図19は第8の実施形態の半導体装置の一部を構成するヒートシンク1と、その上面全体に形成された第1層2と、その上面の一部に形成された第2層3a,3b,3c,3d,3eとによって構成されたサブアセンブリを示した図である。詳細には、図19(A)はヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3b,3c,3d,3eとによって構成されたサブアセンブリの平面図、図19(B)はその正面図、図19(C)はその右側面図、図19(D)は第1層2の厚さと第2層3a,3b,3c,3d,3eの厚さとの関係を示した拡大断面図である。
第8の実施形態の半導体装置では、図19に示すように、ヒートシンク1が、例えばAl、銅等のような放熱性の高い材料によって構成されている。第8の実施形態の半導体装置の製造時には、図19に示すように、まず最初に、例えばエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の母材に対して非導電性の放熱性フィラーを含有させたものが、ヒートシンク1の上面全体に例えば塗布、印刷等によって形成される。次いで、熱処理が行われ、それにより、図19に示すように、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2がヒートシンク1の上面全体に形成される。詳細には、図19(D)に示すように、厚さが例えば約120μmになるように、硬化状態(Cステージ)の絶縁性の第1層2が形成される。
次いで、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、例えばエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂の母材に対して導電性フィラーを含有させたものが、第1層2の上面の一部に例えば塗布、印刷等によって形成される。次いで、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)になる程度に熱処理が行われ、それにより、図19(A)に示すように、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a,3b,3c,3d,3eが第1層2の上面の一部に形成される。
詳細には、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、リードフレーム14の搭載部14a1(図20参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aに対して押圧される前であって、リードフレーム14の搭載部14a2(図20参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bに対して押圧される前であって、リードフレーム14の搭載部14a3(図20参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3cに対して押圧される前であって、リードフレーム14の搭載部14a4(図20参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3dに対して押圧される前であって、リードフレーム14の搭載部14a5(図20参照)が半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3eに対して押圧される前に、図19(A)に示すように、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aの外縁がリードフレーム14の搭載部14a1の外縁14a’よりも約1mm内側に位置するように、かつ、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bの外縁がリードフレーム14の搭載部14a2の外縁14b’よりも約1mm内側に位置するように、かつ、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3cの外縁がリードフレーム14の搭載部14a3の外縁14c’よりも約1mm内側に位置するように、かつ、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3dの外縁がリードフレーム14の搭載部14a4の外縁14d’よりも約1mm内側に位置するように、かつ、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3eの外縁がリードフレーム14の搭載部14a5の外縁14e’よりも約1mm内側に位置するように、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a,3b,3c,3d,3eが第1層2の上面の一部に形成される。
更に詳細には、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3a,3b,3c,3d,3eが第1層2の上面の一部に形成される工程の前の段階で、第1層2が完全に硬化せしめられる。そのため、第8の実施形態の半導体装置によれば、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3aに対してリードフレーム14の搭載部14a1が押圧され、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3bに対してリードフレーム14の搭載部14a2が押圧され、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3cに対してリードフレーム14の搭載部14a3が押圧され、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3dに対してリードフレーム14の搭載部14a4が押圧され、半硬化状態(Bステージ)の導電性の第2層3eに対してリードフレーム14の搭載部14a5が押圧される工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って、第1層2の絶縁性が低下してしまうおそれを低減することができる。
図20は第8の実施形態の半導体装置の一部を構成するリードフレーム14を示した図である。詳細には、図20(A)はリードフレーム14の平面図、図20(B)は図20(A)のP−P線に沿った断面図、図20(C)は図20(A)のQ−Q線に沿った断面図である。
第8の実施形態の半導体装置では、図20に示すように、リードフレーム14が厚肉部14aと薄肉部14bとによって構成されている。詳細には、例えばプレス加工により、薄肉部14bの板厚が厚肉部14aの板厚よりも薄くされる。リードフレーム14の厚肉部14aには、半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5f(図25参照)を搭載したり、ボンディングワイヤ7を接続したりするための搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5が設けられている。リードフレーム14の薄肉部14bには、第8の実施形態の半導体装置の端子を構成する端子部14b1,14b2,14b3,14b4,14b5と、例えば成形用金型に対してリードフレーム14を位置決めするための位置決め部14b6,14b7とが設けられている。端子部14b1,14b2,14b3,14b4,14b5のそれぞれには、穴14b1a,14b2a,14b3a,14b4a,14b5aが形成され、位置決め部14b6,14b7のそれぞれには、穴14b6a,14b7aが形成されている。
図21は第8の実施形態の半導体装置の製造方法におけるリードフレーム14が第2層3a,3b,3c,3d,3e上に配置された状態を示した図である。詳細には、図21(A)はヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3b,3c,3d,3eとリードフレーム14とによって構成されたサブアセンブリの平面図、図21(B)は図21(A)のR−R線に沿った断面図、図21(C)は図21(A)のS−S線に沿った断面図である。
第8の実施形態の半導体装置では、図21に示すように、リードフレーム14が第2層3a,3b,3c,3d,3e上に配置されている。詳細には、第8の実施形態の半導体装置では、リードフレーム14が第2層3a,3b,3c,3d,3e上に配置される時に、リードフレーム14が第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して図21(C)の下向きに押圧されると共に、第2層3a,3b,3c,3d,3eが加熱されて熱硬化せしめられる。
図22は第2層3aとリードフレーム14の搭載部14a1との関係等を示した拡大断面図である。詳細には、図22(A)は第2層3aとリードフレーム14の搭載部14a1との関係を示した拡大断面図、図22(B)は第2層3bとリードフレーム14の搭載部14a2との関係を示した拡大断面図、図22(C)は第2層3cとリードフレーム14の搭載部14a3との関係を示した拡大断面図、図22(D)は第2層3dとリードフレーム14の搭載部14a4との関係を示した拡大断面図、図22(E)は第2層3eとリードフレーム14の搭載部14a5との関係を示した拡大断面図である。
第8の実施形態の半導体装置では、上述したように、リードフレーム14が第2層3a,3b,3c,3d,3e上に配置される時に、リードフレーム14が第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して図21(C)の下向きに押圧されると共に、第2層3a,3b,3c,3d,3eが加熱されて熱硬化せしめられる。詳細には、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、図22(A)に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1が第2層3aに対して押圧されると、第2層3aの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a1の下側(図22(A)の右側)に位置していた第2層3aの一部が、リードフレーム14の搭載部14a1の外縁14a’よりも外側(図22(A)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a1の側面と接触する。また、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、図22(B)に示すように、リードフレーム14の搭載部14a2が第2層3bに対して押圧されると、第2層3bの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a2の下側(図22(B)の右側)に位置していた第2層3bの一部が、リードフレーム14の搭載部14a2の外縁14b’よりも外側(図22(B)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a2の側面と接触する。
更に、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、図22(C)に示すように、リードフレーム14の搭載部14a3が第2層3cに対して押圧されると、第2層3cの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a3の下側(図22(C)の右側)に位置していた第2層3cの一部が、リードフレーム14の搭載部14a3の外縁14c’よりも外側(図22(C)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a3の側面と接触する。また、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、図22(D)に示すように、リードフレーム14の搭載部14a4が第2層3dに対して押圧されると、第2層3dの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a4の下側(図22(D)の右側)に位置していた第2層3dの一部が、リードフレーム14の搭載部14a4の外縁14d’よりも外側(図22(D)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a4の側面と接触する。更に、第8の実施形態の半導体装置の製造時には、図22(E)に示すように、リードフレーム14の搭載部14a5が第2層3eに対して押圧されると、第2層3eの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a5の下側(図22(E)の右側)に位置していた第2層3eの一部が、リードフレーム14の搭載部14a5の外縁14e’よりも外側(図22(E)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a5の側面と接触する。
図23および図24は第8の実施形態の半導体装置のリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5のそれぞれを第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して押圧するための冶具10等を示した図である。詳細には、図23は冶具10等を部分的に透視して見た平面図、図24(A)は図23のT−T線に沿った断面図、図24(B)は図23のU−U線に沿った断面図である。
第8の実施形態の半導体装置を製造するための冶具10では、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1を第2層3aに対して押圧するためにコイルバネ10bによって付勢された押圧部材10a1,10a1’,10a1”が設けられている。また、リードフレーム14の搭載部14a2を第2層3bに対して押圧するためにコイルバネ10bによって付勢された押圧部材10a2が設けられている。更に、リードフレーム14の搭載部14a3を第2層3cに対して押圧するためにコイルバネ10bによって付勢された押圧部材10a3が設けられている。また、リードフレーム14の搭載部14a4を第2層3dに対して押圧するためにコイルバネ10bによって付勢された押圧部材10a4が設けられている。更に、リードフレーム14の搭載部14a5を第2層3eに対して押圧するためにコイルバネ10bによって付勢された押圧部材10a5,10a5’が設けられている。
詳細には、第8の実施形態の半導体装置を製造するための冶具10では、図23および図24に示すように、搭載部14a1が、3個の押圧部材10a1,10a1’,10a1”によって第2層3aに対して押圧される。更に、搭載部14a1の面積の3分の1程度の面積を有する搭載部14a2,14a3,14a4のそれぞれが、それぞれ1個の押圧部材10a2,10a3,10a4によって第2層3b,3c,3dに対して押圧される。また、搭載部14a1の面積の3分の2程度の面積を有する搭載部14a5が、2個の押圧部材10a5,10a5’によって第2層3eに対して押圧される。
換言すれば、第8の実施形態の半導体装置を製造するための冶具10では、図23および図24に示すように、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eに対してリードフレーム14を押圧するために、8個のバネ加圧式の押圧部材10a1,10a1’,10a1”,10a2,10a3,10a4,10a5,10a5’が設けられ、それらがリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5上にほぼ均等に配列されている。そのため、第8の実施形態の半導体装置を製造するための冶具10によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eに対してリードフレーム14を均一に押圧することができる。
その結果、第8の実施形態の半導体装置によれば、図22に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1の下面と第1層2の上面との間の第2層3aの厚さ(約50μm)と、リードフレーム14の搭載部14a2の下面と第1層2の上面との間の第2層3bの厚さ(約50μm)と、リードフレーム14の搭載部14a3の下面と第1層2の上面との間の第2層3cの厚さ(約50μm)と、リードフレーム14の搭載部14a4の下面と第1層2の上面との間の第2層3dの厚さ(約50μm)と、リードフレーム14の搭載部14a5の下面と第1層2の上面との間の第2層3eの厚さ(約50μm)とをほぼ等しくすることができる。
つまり、第8の実施形態の半導体装置では、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5のそれぞれが冶具10によって第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して押圧されると共に、第2層3a,3b,3c,3d,3eが加熱されて熱硬化せしめられる。それにより、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5のそれぞれと第2層3a,3b,3c,3d,3eとの接合強度が増加せしめられる。
更に、第8の実施形態の半導体装置では、図20および図23に示すように、リードフレーム14のうち、押圧部材10a1,10a1’,10a1”,10a2,10a3,10a4,10a5,10a5’によって押圧される搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5の厚さが、押圧部材10a1,10a1’,10a1”,10a2,10a3,10a4,10a5,10a5’によって押圧されない薄肉部14bの厚さよりも厚くされている。
そのため、第8の実施形態の半導体装置によれば、押圧部材10a1,10a1’,10a1”,10a2,10a3,10a4,10a5,10a5’によってリードフレーム14が第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して押圧される時にリードフレーム14が変形してしまうおそれを低減することができ、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5のそれぞれを第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して均一に押圧することができる。
図25は半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fがリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5上に実装され、ワイヤボンディングされた状態を示した図である。詳細には、図25(A)はヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3b,3c,3d,3eとリードフレーム14と半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fとボンディングワイヤ7とによって構成されたサブアセンブリの平面図、図25(B)は図25(A)のV−V線に沿った断面図、図25(C)は図25(A)のW−W線に沿った断面図である。
第8の実施形態の半導体装置の製造時には、図25に示すように、半導体素子5a,5b,5cがリードフレーム14の搭載部14a1上に実装され、半導体素子5dがリードフレーム14の搭載部14a2上に実装され、半導体素子5eがリードフレーム14の搭載部14a3上に実装され、半導体素子5fがリードフレーム14の搭載部14a4上に実装される。次いで、半導体素子5aの上面とリードフレーム14の搭載部14a2の上面とがボンディングワイヤ7によって接続され、半導体素子5bの上面とリードフレーム14の搭載部14a3の上面とがボンディングワイヤ7によって接続され、半導体素子5cの上面とリードフレーム14の搭載部14a4の上面とがボンディングワイヤ7によって接続され、半導体素子5dの上面と半導体素子5eの上面と半導体素子5fの上面とリードフレーム14の搭載部14a5の上面とがボンディングワイヤ7によって接続される。
第8の実施形態の半導体装置では、図25(A)に示すように、6個の半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fがリードフレーム14上に実装されているが、第9の実施形態の半導体装置では、代わりに、6個以外の任意の数の半導体素子をリードフレーム上に実装することも可能である。
図26はヒートシンク1の下面およびリードフレーム14の一部が露出するように封止用樹脂8によってヒートシンク1、リードフレーム14および半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fがインサート成形された状態を示した図である。詳細には、図26(A)は封止用樹脂8によってヒートシンク1、リードフレーム14および半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fがインサート成形された成形体の平面図、図26(B)は図26(A)のX−X線に沿った断面図、図26(C)は図26(A)のY−Y線に沿った断面図である。
第8の実施形態の半導体装置の成形時には、図26に示すように、例えばリードフレーム14の位置決め部14b6の穴14b6aおよび位置決め部14b7の穴14b7aを用いることにより、ヒートシンク1と第1層2と第2層3a,3b,3c,3d,3e,3fとリードフレーム14と半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fとボンディングワイヤ7とによって構成された図25に示したサブアセンブリが、成形用金型に対して位置決めされる。
更に、第8の実施形態の半導体装置の成形時には、図26に示すように、沿面距離を増加させるための溝8aが封止用樹脂8の表面に形成される。また、例えば放熱用フィンを取り付けるための貫通穴8bが封止用樹脂8に形成される。
第8の実施形態の半導体装置では、封止用樹脂8として熱可塑性樹脂が用いられるが、第10の実施形態の半導体装置では、代わりに、封止用樹脂8として熱硬化性樹脂を用いることも可能である。封止用樹脂8として熱可塑性樹脂が用いられる第8の実施形態の半導体装置によれば、封止用樹脂8として熱硬化性樹脂が用いられる場合よりも、封止用樹脂8の成形に要する時間を短縮することができる。
図27はリードフレーム14の位置決め部14b6,14b7が切断された第8の実施形態の半導体装置の完成品の平面図である。
つまり、第8の実施形態の半導体装置では、図19に示すように、樹脂を母材とする絶縁性の第1層2が、ヒートシンク1の上面全体に配置されている。また、樹脂を母材とする第2層3a,3b,3b,3c,3eが、第1層2上に配置されている。更に、図19および図21に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1が第2層3a上に配置され、リードフレーム14の搭載部14a2が第2層3b上に配置され、リードフレーム14の搭載部14a3が第2層3c上に配置され、リードフレーム14の搭載部14a4が第2層3d上に配置され、リードフレーム14の搭載部14a5が第2層3e上に配置されている。また、図25に示すように、半導体素子5a,5b,5cがリードフレーム14の搭載部14a1上に配置され、半導体素子5dがリードフレーム14の搭載部14a2上に配置され、半導体素子5eがリードフレーム14の搭載部14a3上に配置され、半導体素子5fがリードフレーム14の搭載部14a4上に配置されている。更に、図25および図26に示すように、ヒートシンク1の下面およびリードフレーム14の一部が露出するように、半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fが封止用樹脂8によって封止されている。
そのため、第8の実施形態の半導体装置では、半導体素子5a,5b,5cが発生した熱を、リードフレーム14の搭載部14a1、第2層3a、第1層2およびヒートシンク1を介して半導体装置の外側に放熱することができ、半導体素子5dが発生した熱を、リードフレーム14の搭載部14a2、第2層3a、第1層2およびヒートシンク1を介して半導体装置の外側に放熱することができ、半導体素子5eが発生した熱を、リードフレーム14の搭載部14a3、第2層3a、第1層2およびヒートシンク1を介して半導体装置の外側に放熱することができ、半導体素子5fが発生した熱を、リードフレーム14の搭載部14a4、第2層3a、第1層2およびヒートシンク1を介して半導体装置の外側に放熱することができる。
更に、第8の実施形態の半導体装置では、第1の実施形態の半導体装置と同様に、図2に示すように、第2層3a,3b,3c,3d,3e(図19参照)に印加される電圧と第2層3a,3b,3c,3d,3eを流れる電流との関係がほぼ比例関係になるように導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層3a,3b,3c,3d,3eが導電性に形成されている。そのため、第8の実施形態の半導体装置によれば、例えばアルミナ、窒化珪素、結晶シリカなどのような非導電性フィラーを樹脂の母材に含有させることによって第2層3a,3b,3c,3d,3eが絶縁性に形成されている特開2000−260918号公報に記載された半導体装置よりも、第2層3a,3b,3c,3d,3eの熱伝導率を向上させることができ、それにより、半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fが発生した熱の放熱性を向上させることができる。
一方、仮に、導電性の第2層3a,3b,3c,3d,3e(図19(A)参照)が、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されていると、図21に示すように複数のリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5が設けられている場合に、導電性の第2層3a,3b,3c,3d,3eを介して隣接するリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5が電気的に短絡してしまうおそれがある。この点に鑑み、第8の実施形態の半導体装置では、図19および図21に示すように、第2層3aが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a1と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a1と接触しない部分には配置されていない。また、第2層3bが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a2と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a2と接触しない部分には配置されていない。更に、第2層3cが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a3と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a3と接触しない部分には配置されていない。また、第2層3dが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a4と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a4と接触しない部分には配置されていない。更に、第2層3eが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a5と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a5と接触しない部分には配置されていない。そのため、第8の実施形態の半導体装置によれば、導電性の第2層3a,3b,3c,3d,3eを介して隣接するリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5が電気的に短絡してしまうおそれを排除することができる。
また、仮に、第2層3a,3b,3c,3d,3e(図19(A)参照)が、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されていると、第2層3a,3b,3c,3d,3eのうち、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5(図21(A)参照)と接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれがある。この点に鑑み、第8の実施形態の半導体装置では、図19および図21に示すように、第2層3aが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a1と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a1と接触しない部分には配置されていない。また、第2層3bが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a2と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a2と接触しない部分には配置されていない。更に、第2層3cが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a3と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a3と接触しない部分には配置されていない。また、第2層3dが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a4と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a4と接触しない部分には配置されていない。更に、第2層3eが、第1層2上のうち、リードフレーム14の搭載部14a5と接触する部分にのみ配置されており、リードフレーム14の搭載部14a5と接触しない部分には配置されていない。そのため、第8の実施形態の半導体装置によれば、第2層3a,3b,3c,3d,3eが、ヒートシンク1の上面全体に配置された第1層2上の全体に配置されるのに伴って、第2層3a,3b,3c,3d,3eのうち、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5と接触しない部分に熱応力が集中し、その部分にクラックが発生してしまうおそれを排除することができる。
また、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1が第2層3a(図19参照)に対して押圧される時に、半導体素子5a,5b,5c(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a1上にまだ実装されていない。また、リードフレーム14の搭載部14a2が第2層3b(図19参照)に対して押圧される時に、半導体素子5d(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a2上にまだ実装されていない。更に、リードフレーム14の搭載部14a3が第2層3c(図19参照)に対して押圧される時に、半導体素子5e(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a3上にまだ実装されていない。また、リードフレーム14の搭載部14a4が第2層3d(図19参照)に対して押圧される時に、半導体素子5f(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a4上にまだ実装されていない。つまり、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fがリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5上にまだ実装されていない状態で、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5が第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して押圧される。そのため、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fが既に実装されているリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5が第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して押圧される場合よりも、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5を第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して均一に押圧することができる。
更に、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、封止用樹脂8(図26参照)によって半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5f(図25参照)が封止される前の工程において、第1層2(図19参照)が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3e(図19参照)が加熱されて硬化せしめられる。つまり、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1層2が硬化状態にされ、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eが加熱されて硬化せしめられた後の工程において、図25および図26に示すように、封止用樹脂8によって半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fが封止される。そのため、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、封止工程中の加熱によって半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fが悪影響を受けてしまうのを回避するために封止工程中の加熱温度を低い値に設定した場合であっても、第1層2および第2層3a,3b,3c,3d,3eを十分に硬化させることができる。また、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2および第2層3a,3b,3c,3d,3eを十分に硬化させるために第1層2および第2層3a,3b,3c,3d,3eの加熱温度を高い値に設定した場合であっても、第1層2および第2層3a,3b,3c,3d,3eを硬化させるための加熱によって半導体素子5a,5b,5c,5d,5e,5fが悪影響を受けてしまうおそれがない。
また、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5が第2層3a,3b,3c,3d,3eに対して押圧される前に、図19(A)に示すように、第2層3aの外縁がリードフレーム14の搭載部14a1の外縁14a’よりも約1mm内側に位置するように第2層3aが第1層2上に形成され、第2層3bの外縁がリードフレーム14の搭載部14a2の外縁14b’よりも約1mm内側に位置するように第2層3bが第1層2上に形成され、第2層3cの外縁がリードフレーム14の搭載部14a3の外縁14c’よりも約1mm内側に位置するように第2層3cが第1層2上に形成され、第2層3dの外縁がリードフレーム14の搭載部14a4の外縁14d’よりも約1mm内側に位置するように第2層3dが第1層2上に形成され、第2層3eの外縁がリードフレーム14の搭載部14a5の外縁14e’よりも約1mm内側に位置するように第2層3eが第1層2上に形成される。
更に、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1が第2層3aに対して押圧されると、図22(A)に示すように、第2層3aの厚さが約2分の1程度になり、リードフレーム14の搭載部14a1の下側(図22(A)の右側)に位置していた第2層3aの一部が、リードフレーム14の搭載部14a1の外縁14a’よりも外側(図22(A)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a1の側面と接触する。また、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a2が第2層3bに対して押圧されると、図22(B)に示すように、第2層3bの厚さが約2分の1程度になり、リードフレーム14の搭載部14a2の下側(図22(B)の右側)に位置していた第2層3bの一部が、リードフレーム14の搭載部14a2の外縁14b’よりも外側(図22(B)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a2の側面と接触する。更に、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a3が第2層3cに対して押圧されると、図22(C)に示すように、第2層3cの厚さが約2分の1程度になり、リードフレーム14の搭載部14a3の下側(図22(C)の右側)に位置していた第2層3cの一部が、リードフレーム14の搭載部14a3の外縁14c’よりも外側(図22(C)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a3の側面と接触する。また、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a4が第2層3dに対して押圧されると、図22(D)に示すように、第2層3dの厚さが約2分の1程度になり、リードフレーム14の搭載部14a4の下側(図22(D)の右側)に位置していた第2層3dの一部が、リードフレーム14の搭載部14a4の外縁14d’よりも外側(図22(D)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a4の側面と接触する。更に、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a5が第2層3eに対して押圧されると、図22(E)に示すように、第2層3eの厚さが約2分の1程度になり、リードフレーム14の搭載部14a5の下側(図22(E)の右側)に位置していた第2層3eの一部が、リードフレーム14の搭載部14a5の外縁14e’よりも外側(図22(E)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a5の側面と接触する。
そのため、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3aとリードフレーム14の搭載部14a1の側面とが接触しない場合よりも、第2層3aとリードフレーム14の搭載部14a1との接合強度を増加させることができ、第2層3bとリードフレーム14の搭載部14a2の側面とが接触しない場合よりも、第2層3bとリードフレーム14の搭載部14a2との接合強度を増加させることができ、第2層3cとリードフレーム14の搭載部14a3の側面とが接触しない場合よりも、第2層3cとリードフレーム14の搭載部14a3との接合強度を増加させることができ、第2層3dとリードフレーム14の搭載部14a4の側面とが接触しない場合よりも、第2層3dとリードフレーム14の搭載部14a4との接合強度を増加させることができ、第2層3eとリードフレーム14の搭載部14a5の側面とが接触しない場合よりも、第2層3eとリードフレーム14の搭載部14a5との接合強度を増加させることができる。
更に、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eに対してリードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5を押圧する工程中に第1層2の厚さが減少しないように、第1層2が予め完全に硬化せしめられる。詳細には、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eが第1層2上に形成される工程の前の段階で第1層2が完全に硬化せしめられる。そのため、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eに対してリードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5を押圧する工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って第1層2の絶縁性が低下し、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5とヒートシンク1とが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eに対してリードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5を押圧する工程中に第1層2の厚さが減少する場合よりも、第1層2の絶縁性を向上させることができる。
また、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eに対するリードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の押圧力を増加させることができ、それにより、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面と第1層2の上面との間の第2層3a,3b,3c,3d,3eの厚さを薄くすることができ、その結果、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5から第1層2への熱伝導性を向上させることができる。
更に、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、図23および図24に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面に対して第2層3a,3b,3c,3d,3eを接合する前に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様に、図6(B)に示すように、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面に対して平行に延びる多数の微小溝4cがリードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面に形成され、次いで、微小溝4cの凹部の両側の凸部の頂部をプレス加工によって潰すことにより、微小溝4cの凹部がアンダーカット形状に形成される。そのため、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、例えば特開平9−277540号公報に記載されたウエットエッチングを用いることなく、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面に対する第2層3a,3b,3c,3d,3eのアンカー効果を増加させるためにアンダーカット形状をリードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面の微小溝4cの凹部に容易に形成することができる。
また、第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、第1の実施形態の半導体装置の製造方法と同様に、図6(B)に示すように、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きい溝部4eと、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さい矩形部4dとが、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面に設けられる。そのため、第8の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)がリードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5の下面全体で均一にされる場合よりも、プレス加工によって潰されるストローク(深さ)が大きい溝部4eとプレス加工によって潰されるストローク(深さ)が小さい矩形部4dとの境界部分に形成される鉛直面の分だけ、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5と第2層3a,3b,3c,3d,3eとの接触面積を増加させることができ、それにより、リードフレーム14の搭載部14a1,14a3,14a3,14a4,14a5と第2層3a,3b,3c,3d,3eとの接合強度を増加させることができる。
以下、本発明の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の第11の実施形態について説明する。第11の実施形態の半導体装置は、後述する点を除き、上述した第8の実施形態の半導体装置とほぼ同様に構成されている。従って、第11の実施形態の半導体装置によれば、後述する点を除き、上述した第8の実施形態の半導体装置とほぼ同様の効果を奏することができる。
第8の実施形態の半導体装置の製造方法では、図19に示すように、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3a,3b,3c,3d,3eが第1層2上に形成されるが、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、代わりに、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3aがリードフレーム14の搭載部14a1の下面に形成され、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3bがリードフレーム14の搭載部14a2の下面に形成され、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3cがリードフレーム14の搭載部14a3の下面に形成され、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3dがリードフレーム14の搭載部14a4の下面に形成され、第1層2よりも硬度が低い半硬化状態(Bステージ)の第2層3eがリードフレーム14の搭載部14a5の下面に形成される。
図28は第11の実施形態の半導体装置の製造時に、リードフレーム14の搭載部14a1の下面に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3aが例えば塗布、印刷等によって形成され、リードフレーム14の搭載部14a2の下面に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3bが例えば塗布、印刷等によって形成され、リードフレーム14の搭載部14a3の下面に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3cが例えば塗布、印刷等によって形成され、リードフレーム14の搭載部14a4の下面に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3dが例えば塗布、印刷等によって形成され、リードフレーム14の搭載部14a5の下面に対して厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3eが例えば塗布、印刷等によって形成された状態を示したリードフレーム14の底面図である。
図29はリードフレーム14の搭載部14a1の下面に対して例えば塗布、印刷等によって形成された厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3a等の拡大断面図である。詳細には、図29(A)はリードフレーム14の搭載部14a1の下面に対して例えば塗布、印刷等によって形成された厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3aの拡大断面図、図29(B)はリードフレーム14の搭載部14a2の下面に対して例えば塗布、印刷等によって形成された厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3bの拡大断面図、図29(C)はリードフレーム14の搭載部14a3の下面に対して例えば塗布、印刷等によって形成された厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3cの拡大断面図、図29(D)はリードフレーム14の搭載部14a4の下面に対して例えば塗布、印刷等によって形成された厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3dの拡大断面図、図29(E)はリードフレーム14の搭載部14a5の下面に対して例えば塗布、印刷等によって形成された厚さ約100μmの半硬化状態(Bステージ)の第2層3eの拡大断面図である。
図30は第11の実施形態の半導体装置の製造時に図28および図29(A)に示した下面に第2層3aが形成されたリードフレーム14の搭載部14a1が第1層2に対して押圧された状態等を示した断面図である。詳細には、図30(A)は第11の実施形態の半導体装置の製造時に図28および図29(A)に示した下面に第2層3aが形成されたリードフレーム14の搭載部14a1が第1層2に対して押圧された状態を示した断面図、図30(B)は第11の実施形態の半導体装置の製造時に図28および図29(B)に示した下面に第2層3bが形成されたリードフレーム14の搭載部14a2が第1層2に対して押圧された状態を示した断面図、図30(C)は第11の実施形態の半導体装置の製造時に図28および図29(C)に示した下面に第2層3cが形成されたリードフレーム14の搭載部14a3が第1層2に対して押圧された状態を示した断面図、図30(D)は第11の実施形態の半導体装置の製造時に図28および図29(D)に示した下面に第2層3dが形成されたリードフレーム14の搭載部14a4が第1層2に対して押圧された状態を示した断面図、図30(E)は第11の実施形態の半導体装置の製造時に図28および図29(E)に示した下面に第2層3eが形成されたリードフレーム14の搭載部14a5が第1層2に対して押圧された状態を示した断面図である。
第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(A)に示すように、下面に第2層3aが形成されたリードフレーム14の搭載部14a1が第1層2に対して押圧される時に、半導体素子5a,5b,5c(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a1上にまだ実装されていない。つまり、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5a,5b,5cがリードフレーム14の搭載部14a1上にまだ実装されていない状態で、下面に第2層3aが形成されたリードフレーム14の搭載部14a1が第1層2に対して押圧される。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5a,5b,5cが既に実装されているリードフレーム14の搭載部14a1が第1層2に対して押圧される場合よりも、リードフレーム14の搭載部14a1を第1層2に対して均一に押圧することができる。
更に、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(A)に示すように、下面に第2層3aが形成されたリードフレーム14の搭載部14a1が第1層2に対して押圧される前に、図28および図29(A)に示すように、第2層3aの外縁がリードフレーム14の搭載部14a1の外縁4a’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3aがリードフレーム14の搭載部14a1の下面に形成され、図30(A)に示すように、下面に第2層3aが形成されたリードフレーム14の搭載部14a1が第1層2に対して押圧されると、第2層3aの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a1の下側(図30(A)の右側)に位置していた第2層3aの一部が、リードフレーム14の搭載部14a1の外縁4a’よりも外側(図30(A)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a1の側面と接触する。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3aとリードフレーム14の搭載部14a1の側面とが接触しない場合よりも、第2層3aとリードフレーム14の搭載部14a1との接合強度を増加させることができる。
また、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(B)に示すように、下面に第2層3bが形成されたリードフレーム14の搭載部14a2が第1層2に対して押圧される時に、半導体素子5d(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a2上にまだ実装されていない。つまり、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5dがリードフレーム14の搭載部14a2上にまだ実装されていない状態で、下面に第2層3bが形成されたリードフレーム14の搭載部14a2が第1層2に対して押圧される。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5dが既に実装されているリードフレーム14の搭載部14a2が第1層2に対して押圧される場合よりも、リードフレーム14の搭載部14a2を第1層2に対して均一に押圧することができる。
更に、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(B)に示すように、下面に第2層3bが形成されたリードフレーム14の搭載部14a2が第1層2に対して押圧される前に、図28および図29(B)に示すように、第2層3bの外縁がリードフレーム14の搭載部14a2の外縁4b’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3bがリードフレーム14の搭載部14a2の下面に形成され、図30(B)に示すように、下面に第2層3bが形成されたリードフレーム14の搭載部14a2が第1層2に対して押圧されると、第2層3bの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a2の下側(図30(B)の右側)に位置していた第2層3bの一部が、リードフレーム14の搭載部14a2の外縁4b’よりも外側(図30(B)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a2の側面と接触する。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3bとリードフレーム14の搭載部14a2の側面とが接触しない場合よりも、第2層3bとリードフレーム14の搭載部14a2との接合強度を増加させることができる。
また、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(C)に示すように、下面に第2層3cが形成されたリードフレーム14の搭載部14a3が第1層2に対して押圧される時に、半導体素子5e(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a3上にまだ実装されていない。つまり、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5eがリードフレーム14の搭載部14a3上にまだ実装されていない状態で、下面に第2層3cが形成されたリードフレーム14の搭載部14a3が第1層2に対して押圧される。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5eが既に実装されているリードフレーム14の搭載部14a3が第1層2に対して押圧される場合よりも、リードフレーム14の搭載部14a3を第1層2に対して均一に押圧することができる。
更に、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(C)に示すように、下面に第2層3cが形成されたリードフレーム14の搭載部14a3が第1層2に対して押圧される前に、図28および図29(C)に示すように、第2層3cの外縁がリードフレーム14の搭載部14a3の外縁4c’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3cがリードフレーム14の搭載部14a3の下面に形成され、図30(C)に示すように、下面に第2層3cが形成されたリードフレーム14の搭載部14a3が第1層2に対して押圧されると、第2層3cの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a3の下側(図30(C)の右側)に位置していた第2層3cの一部が、リードフレーム14の搭載部14a3の外縁4c’よりも外側(図30(C)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a3の側面と接触する。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3cとリードフレーム14の搭載部14a3の側面とが接触しない場合よりも、第2層3cとリードフレーム14の搭載部14a3との接合強度を増加させることができる。
また、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(D)に示すように、下面に第2層3dが形成されたリードフレーム14の搭載部14a4が第1層2に対して押圧される時に、半導体素子5f(図25参照)がリードフレーム14の搭載部14a4上にまだ実装されていない。つまり、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、半導体素子5fがリードフレーム14の搭載部14a4上にまだ実装されていない状態で、下面に第2層3dが形成されたリードフレーム14の搭載部14a4が第1層2に対して押圧される。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半導体素子5fが既に実装されているリードフレーム14の搭載部14a4が第1層2に対して押圧される場合よりも、リードフレーム14の搭載部14a4を第1層2に対して均一に押圧することができる。
更に、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(D)に示すように、下面に第2層3dが形成されたリードフレーム14の搭載部14a4が第1層2に対して押圧される前に、図28および図29(D)に示すように、第2層3dの外縁がリードフレーム14の搭載部14a4の外縁4d’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3dがリードフレーム14の搭載部14a4の下面に形成され、図30(D)に示すように、下面に第2層3dが形成されたリードフレーム14の搭載部14a4が第1層2に対して押圧されると、第2層3dの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a4の下側(図30(D)の右側)に位置していた第2層3dの一部が、リードフレーム14の搭載部14a4の外縁4d’よりも外側(図30(D)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a4の側面と接触する。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3dとリードフレーム14の搭載部14a4の側面とが接触しない場合よりも、第2層3dとリードフレーム14の搭載部14a4との接合強度を増加させることができる。
また、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30(E)に示すように、下面に第2層3eが形成されたリードフレーム14の搭載部14a5が第1層2に対して押圧される前に、図28および図29(E)に示すように、第2層3eの外縁がリードフレーム14の搭載部14a5の外縁4e’よりも約1mm内側に位置するように、第2層3eがリードフレーム14の搭載部14a5の下面に形成され、図30(E)に示すように、下面に第2層3eが形成されたリードフレーム14の搭載部14a5が第1層2に対して押圧されると、第2層3eの厚さが約100μmから約50μmに減少し、リードフレーム14の搭載部14a5の下側(図30(E)の右側)に位置していた第2層3eの一部が、リードフレーム14の搭載部14a5の外縁4e’よりも外側(図30(E)の下側)に流れ出て盛り上がり、リードフレーム14の搭載部14a5の側面と接触する。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第2層3eとリードフレーム14の搭載部14a5の側面とが接触しない場合よりも、第2層3eとリードフレーム14の搭載部14a5との接合強度を増加させることができる。
更に、第11の実施形態の半導体装置の製造方法では、図30に示すように、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eが下面に形成されたリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5を第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少しないように、第1層2が予め完全に硬化せしめられる。そのため、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eが下面に形成されたリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5を第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少するのに伴って第1層2の絶縁性が低下し、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5とヒートシンク1とが電気的に短絡してしまうおそれを回避することができる。換言すれば、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eが下面に形成されたリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5を第1層2に対して押圧する工程中に第1層2の厚さが減少する場合よりも、第1層2の絶縁性を向上させることができる。
また、第11の実施形態の半導体装置の製造方法によれば、第1層2が予め完全に硬化せしめられていない場合よりも、半硬化状態の第2層3a,3b,3c,3d,3eが下面に形成されたリードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5を第1層2に対して押圧する力を増加させることができ、それにより、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5の下面と第1層2の上面との間の第2層3a,3b,3c,3d,3eの厚さを薄くすることができ、その結果、リードフレーム14の搭載部14a1,14a2,14a3,14a4,14a5から第1層2への熱伝導性を向上させることができる。
第12の実施形態では、上述した第1から第11の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。