本発明は、遠隔操作システムに係り、特に、車両使用者による操作端末の操作に従って操作端末から車両に対して車両に搭載された車載機器のリモート操作が要求されることにより、その車載機器のリモート操作を行ううえで好適な遠隔操作システムに関する。
従来から、車両使用者が自己の所持する操作端末で所定操作を行うことにより、車両に搭載される例えば車両ドアの施解錠などの車載機器の遠隔的な駆動(リモート操作)を行う遠隔操作システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムは、車両使用者に所持される携帯電話機などの操作端末と、リモート操作可能な車載機器を搭載する車両の有する車載機と、操作端末と車載機との間の情報管理を行うセンタと、を備えている。このシステムにおいて、車両使用者により車載機器のリモート操作を要求する操作が操作端末で行われると、その操作端末からセンタへその車載機器のリモート操作を要求する旨が送信される。センタは、操作端末からのリモート操作要求を受信すると、車両に対してその車載機器の駆動を要求するリモート操作コマンドを送信する。そして、車両は、センタからのリモート操作コマンドを受信すると、その要求に従ってその車載機器のリモート操作を実行する。従って、上記のシステムによれば、車両使用者が車両から位置的に離れている場合においても、操作端末を操作することによって遠隔的に、車両に搭載された車載機器をリモート操作することが可能となっている。
特開2003−41821号公報
しかしながら、短期間のうちに同一の車載機器に対する相反するリモート操作要求や同一のリモート操作要求が複数の操作端末や同じ操作端末によりなされた場合に、これら複数のリモート操作要求のすべてに応答してそれぞれ車載機器のリモート操作を実行すべきものとすると、車載機器の状態が、結果として、操作端末で車載機器のリモート操作要求のための操作を行った者の意に反するものとなるおそれがある。
また、短期間のうちに車載機器のリモート操作要求が複数行われた場合に、これら複数のリモート操作要求のすべてに応答してそれぞれ車載機器のリモート操作を実行すべきものとすると、すべてのリモート操作を行うのに後発のリモート操作要求を示すコマンドをその実行時まで記憶することが必要となると共に、そのリモート操作を順序よく実行することが必要となるので、メモリ使用量の増大や制御ロジックの複雑化などの事態を招くこととなる。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、車載機器のリモート操作の実行を簡素な構成で適切に実行させることが可能な遠隔操作システムを提供することを目的とする。
上記の目的は、車両使用者による操作端末の操作に従って該操作端末から車両に対して車載機器のリモート操作が要求されることにより、該車載機器のリモート操作を実行する遠隔操作システムであって、車載機器のリモート操作が要求された後の所定期間は、新たな車載機器のリモート操作の要求を拒否する遠隔操作システムにより達成される。
この態様の発明において、一の車載機器のリモート操作が要求された後の所定期間内に、別の新たな車載機器のリモート操作の要求は拒否される。このため、短期間のうちに不意に複数のリモート操作要求がなされても、後の新たな車載機器のリモート操作要求は拒否されるので、車載機器の状態が車両使用者の意に反するものとなるのを抑制することができると共に、複数のリモート操作要求のコマンドを同時に記憶することは不要であるので、メモリ使用量の削減及び制御ロジックの簡略化を図ることができる。
尚、上記した遠隔操作システムにおいて、前記新たな車載機器のリモート操作要求の拒否は、前記操作端末において行われることとしてもよい。かかる構成によれば、新たな車載機器のリモート操作が要求されても、操作端末から車両側へ向けてそのリモート操作が要求された旨の通知を行うことは不要であるので、無駄な通信の削減を図ることが可能になる。
この場合、前記操作端末は、車両又は該操作端末と車両との間に介在するセンタが先になされた車載機器のリモート操作要求を受け付けた後に送信する応答通知を受信するまで、前記新たな車載機器のリモート操作要求を拒否することとしてもよく、また、前記操作端末は、前記新たな車載機器のリモート操作要求の拒否として、操作画面への入力操作を禁止することとしてもよい。
また、上記した遠隔操作システムにおいて、前記新たな車載機器のリモート操作要求の拒否は、前記操作端末と車両との間に介在するセンタにおいて行われることとしてもよい。かかる構成によれば、新たな車載機器のリモート操作が要求されても、センタから車両側へ向けてそのリモート操作が要求された旨の通知を行うことは不要であるので、無駄な通信の削減を図ることが可能になる。
この場合、前記センタは、車両が先になされた車載機器のリモート操作要求を受け付けた後に送信する応答通知を受信するまで、前記新たな車載機器のリモート操作要求を拒否することとしてもよい。
更に、上記した遠隔操作システムにおいて、前記新たな車載機器のリモート操作要求の拒否は、車両において行われることとしてもよい。
この場合、車両は、先になされた車載機器のリモート操作要求の受け付けが完了するまで、前記新たな車載機器のリモート操作要求を拒否することとしてもよく、また、車両は、先になされた車載機器のリモート操作要求を受信した後、該先になされた車載機器のリモート操作を実行するうえで必要な前提条件が成立するか否かの判定が完了するまで、前記新たな車載機器のリモート操作要求を拒否することとしてもよい。
ところで、上記した遠隔操作システムにおいて、車両は、前記新たな車載機器のリモート操作要求を拒否した場合、該新たな車載機器のリモート操作要求の拒否の旨を前記操作端末又は前記操作端末と該車両との間に介在するセンタに通知することとしてもよい。
また、上記した遠隔操作システムにおいて、前記センタは、前記新たな車載機器のリモート操作要求を拒否した場合又は車両から前記新たな車載機器のリモート操作要求の拒否の旨の通知を受けた場合、該新たな車載機器のリモート操作要求の拒否の旨を前記操作端末に通知することとしてもよい。
本発明によれば、車載機器のリモート操作の実行を簡素な構成で適切に行うことができる。
以下、図面を用いて、本発明の具体的な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施例である遠隔操作システムの構成図を示す。本実施例のシステムは、車両に搭載される車載機10と、その車両の運転者や所有者などの正規の車両使用者に所持・携帯される携帯電話やパソコン,PDA等の操作端末12と、車載機10と操作端末12との間における情報を管理するセンタ14と、により構成されている。本実施例の遠隔操作システムは、特に車両使用者の降車後に、正規の車両使用者により操作端末12が操作されることにより、車両に搭載される車載機器を遠隔的に駆動させるリモート操作を実行するためのシステムである。尚、操作端末12は、一車両に付き1つであってもよいが、複数であってもよい。
車載機10は、各種制御を統括するコンピュータを主体に構成された車両用電子制御ユニット(以下、車載ECUと称す)20を備えている。車載ECU20は、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。車載ECU20は、自車両の識別情報及び上記したセンタ14の電話番号やURLなどを格納する記憶装置を有している。車載ECU20には、所定の通信ネットワークを通じてセンタ14と無線通信を行うことが可能なデータ通信モジュール(DCM)などの送受信機22が接続されている。送受信機22は、車載機10の情報を通信ネットワークを介してセンタ14へ送信する機能、及び、センタ14から通信ネットワークを介して送信される情報を車載機10に受信する機能を有している。車載ECU20は、送受信機22との間で送信データ及び受信データの授受を行う。
車載ECU20には、車両に搭載される車載機器を駆動するユニットとして、エンジン始動ECU24、ウィンドウ開閉ECU26、ドア制御ECU28、及びハザードECU30が接続されている。車載ECU20は、後に詳述する如く、センタ14から送信された車載機器を駆動させるためのリモート操作コマンドが送受信機22で受信された場合に、適宜、エンジン始動ECU24、ウィンドウ開閉ECU26、ドア制御ECU28、又はハザードECU30に対してその機能を発揮させるための指令を行う。
エンジン始動ECU24には車両動力であるエンジンを始動させる始動モータ32が、ウィンドウ開閉ECU26には各車両ドアに設けられたウィンドウを開閉するパワーウィンドウモータ34が、ドア制御ECU28には各車両ドアを施解錠するドアロックモータ36が、また、ハザードECU30には、車両のハザードライトを点滅させるハザードフラッシャリレー38が、それぞれ接続されている。
エンジン始動ECU24、ウィンドウ開閉ECU26、ドア制御ECU28、及びハザードECU30はそれぞれ、車載ECU20から当該車載機器をリモート操作させるための指令が供給された場合に、始動モータ32、パワーウィンドウモータ34、ドアロックモータ36、又はハザードフラッシャリレー38を駆動することにより、エンジンを始動させ、ウィンドウの開若しくは閉を行い、車両ドアをロック若しくはアンロックさせ、又は、ハザードライトを点滅若しくは消灯させる。
操作端末12は、電子制御ユニット(以下、携帯ECUと称す)40を備えている。携帯ECU40は、コンピュータを搭載し、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。携帯ECU40は、自操作端末12に対応する車両(車載機10)の識別情報及び自操作端末12の識別情報並びに上記したセンタ14の電話番号やURLなどを格納する記憶装置を有している。携帯ECU40には、所定の通信ネットワークを通じてセンタ14と無線通信を行うことが可能な送受信機42が接続されている。送受信機42は、操作端末12側の情報を通信ネットワークを介してセンタ14へ送信する機能、及び、センタ14から通信ネットワークを介して送信される情報を操作端末12に受信する機能を有している。携帯ECU40は、送受信機42との間で送信データ及び受信データの授受を行う。
携帯ECU40には、車両使用者により手動入力操作されると共に、車両使用者へ向けて表示出力や音声出力を行う入出力部44が接続されている。操作端末12は、webブラウザを有しており、入出力部44への入力操作により通信ネットワークを介して外部のwebサーバに蓄積されたファイルやデータ等を閲覧可能であり、センタ14の提供する各種の情報具体的には後述の車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を取得可能である。
また、センタ14は、高速演算可能なホストコンピュータ50を備えている。ホストコンピュータ50は、ROMなどの記憶装置に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って動作する。ホストコンピュータ50には、大容量のデータベース52が接続されている。データベース52には、センタ14を利用する利用者である車両の正規使用者ごとにその識別情報や操作端末12のメールアドレス,電話番号及び車両の識別情報や電話番号などの顧客情報が格納されている。
センタ14のホストコンピュータ50には、所定の通信ネットワークを通じて車載機10及び操作端末12と無線通信を行うことが可能な送受信機54が接続されている。送受信機54は、センタ14側の情報を通信ネットワークを介して車載機10及び操作端末12へ送信する機能、並びに、車載機10及び操作端末12から通信ネットワークを介して送信される情報をセンタ14に受信する機能を有している。センタ14のホストコンピュータ50は、送受信機54との間で送信データ及び受信データの授受を行う。
以下、本実施例の遠隔操作システムの動作について説明する。図2は、本実施例の遠隔操作システムにおいて実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。
車両使用者は、特に降車後、車両から離れた地点で、盗難防止や操作忘れ対処,車内温度の上昇抑制等のため、エンジンを始動させること、車両ドアのウィンドウを開いている状態から完全に若しくはある程度閉じる若しくは開放すること、車両ドアを施錠若しくは解錠させること、又は、ハザードライトの点滅若しくは消灯を希望する場合、操作端末12の入出力部44を操作してwebブラウザを起動させる。
センタ14は、操作端末12の操作によって遠隔的に車両の有する車載機器をリモート操作させるのに必要なフォーマットを格納している。操作端末12は、webブラウザを起動した状態で車両使用者による所定操作が行われた場合に、センタ14と通信ネットワークを介して無線通信接続して、センタ14の有するリモート操作を要求するためのweb画面を提供するようにセンタ14に要求する。センタ14は、操作端末12からの上記要求を受けた場合、リモート操作を要求するためのweb画面を操作端末12に提供する。操作端末12は、上記の処理に従ってセンタ14からリモート操作を要求するためのweb画面を取得する。
このweb画面には、操作端末12の操作によって遠隔制御することが可能な車載機器のリモート操作の項目が設けられている。操作端末12は、遠隔制御可能な車載機器のリモート操作の項目ごとに設けられたチェックボックスにおけるチェックの有無に基づいて、何れの車載機器のリモート操作が車両使用者に希望されているか否かを判別する。操作端末12は、車両使用者による操作によって上記何れかのチェックボックスにチェックが入った状態で送信要求がなされると(ステップ100)、そのチェックに対応する車載機器のリモート操作が要求されている旨をセンタ14に通知すべくそのリモート操作指示を送受信機42からセンタ14に対して送信する(ステップ102)。
センタ14は、リモート操作を要求するためのweb画面を操作端末12に提供した後に、その操作端末12から送信されるリモート操作要求指示を送受信機54で受信した場合(ステップ120)、リモート操作を行うべき車載機器を特定したうえで、その操作端末12に対応する車両の車載機10と通信ネットワークを介して無線通信接続して、操作端末12における操作によって特定の車載機器のリモート操作が要求されていることを示すリモート操作コマンドをその車載機10に対して送信する(ステップ122)。
車載機10は、センタ14からのリモート操作コマンドを受信した場合、そのリモート操作を行うべき車載機器を特定したうえで、そのリモート操作コマンドに基づく車載機器のリモート操作を実行する前に、まず、そのリモート操作を実施するうえで必要な前提条件が成立するか否かを確認する(ステップ140)。車載機器のリモート操作を実施するうえで必要な前提条件としては、例えば、車両でのリモート操作コマンドの受信時刻と車両使用者のリモート操作要求時刻(操作端末12での入力操作時刻又はセンタ14でのリモート操作要求受付時刻など)との差が所定時間未満であることや、相反するリモート操作(例えばウィンドウの開と閉)の要求がほぼ同時刻になされていないこと、車両での或いは車両周辺での直接的な車載機器の操作(ローカル操作)がほぼ同時刻になされていないこと、車両のイグニションスイッチやアクセサリスイッチがオン状態にないこと、車内に人や車両キーが存在しないこと、リモート操作の実行により実現しようとする車両状態と現車両状態とが同一でないことなどがある。
車載機10は、上記の前提条件が成立することを確認すると、次に、車載ECU20からリモート操作コマンドに従ったリモート操作すべき車載機器の制御を管轄するECUに対して、その車載機器のリモート操作を実行するように指令を発する。かかる指令が行われると、ECU24〜30は、それぞれのアクチュエータ32〜38を駆動することにより、車載機器のリモート操作を実行する(ステップ142)。
尚、車載機10は、上記の前提条件が成立することを確認した後、リモート操作コマンドに基づく車載機器のリモート操作を実行する前に、所定時間(例えば2秒間)だけそのリモート操作が実行されることに対する注意喚起を実行することとしてもよい。この注意喚起は、すべての車載機器のリモート操作(本実施例では、具体的に、エンジン始動、ウィンドウ開閉、ドアロック・アンロック、及びハザードライトの点灯・消灯)のうち、車体上での物理的な動きを伴うリモート操作(本実施例では、例えば、ウィンドウ開又はウィンドウ閉)が実行される際にのみ行われるものとすれば十分であり、例えば、車両乗員に向けたブザーやスピーカによる所定の音声・警報出力、或いは、車両周囲の人に向けたホーンやブザー,外部スピーカによる所定の音声・警報出力などである。
そして、車載機10は、上記の如くセンタ14からのリモート操作コマンドに基づいて車載機器のリモート操作を実行した場合、そのリモート操作の結果(具体的にはそのリモート操作が正常に完了したか或いは正常に完了することなく終了したか)を判定し、その結果をセンタ14に対して通知する(ステップ144)。センタ14は、リモート操作コマンドを車載機10に向けて送信した後にその車載機10からリモート操作結果を通知された場合、その結果を受け付けたうえで(ステップ124)、メール等によりそのリモート操作結果を当該操作端末12に対して通知する(ステップ126)。
操作端末12は、センタ14から通知されるリモート操作結果を受け取った場合、その結果を車両使用者に認識させるべく入出力部44のディスプレイに表示し或いはスピーカから音声出力する(ステップ104)。この場合、操作端末12を所持する車両使用者は、その操作端末12を操作して車載機器のリモート操作を要求した後に、その操作端末12での出力を見る或いは聞くことにより、そのリモート操作の結果を認知することが可能となる。
このように本実施例の遠隔操作システムにおいては、車両使用者により操作端末12が操作されて操作端末12からセンタ14を経由して車両へリモート操作要求がなされることにより、車両に搭載された車載機器の遠隔的なリモート操作が実行される。このため、車両使用者は、車両に搭乗していなくてもまた車両から離れた場所においても操作端末12を操作することにより車載機器を駆動させることが可能である。従って、本実施例のシステムによれば、車両使用者が降車前又は降車時に車載機器の手動操作を忘れていた場合等においても、操作端末12を操作することで、車載機器を所望の状態へ移行させることが可能となっている。
また、本実施例の遠隔操作システムにおいては、車載機10に対して車載機器のリモート操作が要求された後、そのリモート操作の結果が車載機10からセンタ14及び操作端末12を経由して車両使用者に通知される。このため、車両使用者は、車載機器のリモート操作を要求した後に、車両においてそのリモート操作が正常に完了したか或いは正常に完了することなく終了したかを操作端末12での表示出力や音声出力により知ることが可能である。
ところで、短期間のうちに同一の車載機器に対する相反するリモート操作要求や同一のリモート操作要求が複数の操作端末12や同じ操作端末12によりなされた場合に、これら複数のリモート操作要求のすべてに応答してそれぞれ車載機器のリモート操作を実行すべきものとすると、車載機器の状態が、結果として、操作端末12で車載機器のリモート操作要求のための操作を行った者の意に反するものとなるおそれがある。
また、短期間のうちに車載機器のリモート操作要求が複数行われた場合に、これら複数のリモート操作要求のすべてに応答してそれぞれ車載機器のリモート操作を実行すべきものとすると、すべてのリモート操作を行うのに後発のリモート操作要求を示すコマンドをその実行時まで記憶することが必要となると共に、そのリモート操作を順序よく実行することが必要となるので、メモリ使用量の増大や制御ロジックの複雑化などの事態を招くこととなる。
そこで、本実施例のシステムは、かかる不都合を解決する点に特徴を有している。図3は、本実施例の遠隔操作システムにおいて操作端末12の有する入出力部44の表示画面上に映し出される表示内容の一例を示す。尚、図3(A)には通常どおり車載機器のリモート操作の要求時のものを、また、図3(B)には車載機器のリモート操作の要求拒否時のものを、それぞれ示す。
本実施例において、操作端末12は、webブラウザを起動した状態で車両使用者による所定操作によってセンタ14から車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を取得した後においては、そのweb画面上で1以上の車載機器のリモート操作項目のチェックボックスにチェックが入った状態で送信要求のための操作がなされるまでは、図3(A)に示す如く、入出力部44の表示画面上に車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を映し出しかつそのチェックボックスへのチェックを許容する表示を行う。かかる表示が行われている際は、車両使用者によるチェックボックスへのチェックが可能であり、車両使用者は希望どおりに車載機器のリモート操作を要求することが可能である。
一方、操作端末12は、センタ14から車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を取得した後に、そのweb画面上で1以上の車載機器のリモート操作項目のチェックボックスにチェックが入った状態で送信要求のための操作がなされた場合、或いは、その送信要求操作に従ってそのチェックに対応する車載機器のリモート操作が要求されている旨をセンタ14に通知した場合は、以後、新たな車載機器のリモート操作の要求を拒否する。
例えば、上記送信要求のための操作がなされる或いは一旦車載機器のリモート操作が要求されている旨のセンタ14への通知を行うと、それ以後、図3(B)に示す如く、車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面が映し出されている入出力部44の表示画面上に「操作中、お待ち下さい。」などの文字や記号を重畳表示して、新たなリモート操作項目のチェックボックスへのチェックを不可能にし、或いは、チェックボックスへのチェックは許容するが送信要求のための操作を不可能にすることで、その操作画面への入力操作を禁止する。
このように車載機器のリモート操作の要求が操作端末12において拒否されている際は、車両使用者によるチェックボックスへのチェックは不可能であり、車両使用者が新たに車載機器のリモート操作を要求することは不可能である。
また、操作端末12は、上記の如き先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を、車載機10からセンタ14を経由して当該先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作の結果通知を受け取るまで継続する。すなわち、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後に車載機10からセンタ14を経由して当該先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作の結果通知を受け取るまでは、新たな車載機器のリモート操作の要求を拒否するが、先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作の結果通知を受け取ると、新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を解除し、その後はそのリモート操作要求を受け付ける。
従って、本実施例のシステムにおいては、操作端末12において一旦車載機器のリモート操作が要求された場合、以後、当該先のリモート操作要求がセンタ14を経由して車両に対してなされそしてその車両においてその先のリモート操作要求に基づく車載機器のリモート操作の結果がセンタ14を経由して操作端末12に通知されるまでの期間は、操作端末12において車両使用者による入力操作が禁止され、操作端末12での新たな車載機器のリモート操作要求が拒否される。
かかる構成においては、一旦操作端末12での操作により車載機器のリモート操作要求がなされた後の所定期間は、別の新たな車載機器のリモート操作要求が操作端末12からセンタ14へなされることはなく、その結果として、その期間での新たな要求に基づく車載機器のリモート操作が車両において実行されることは回避される。
このため、車両使用者が短期間のうちに不意に複数のリモート操作を要求する操作端末12の操作を行おうとしても、後発のリモート操作要求は拒否されるので、車載機器の状態が車両使用者の意に反するものとなるのを抑制することができる。また、一旦車載機器のリモート操作要求がなされた後の新たな車載機器のリモート操作要求の拒否は操作端末12での入力操作が禁止されることで操作端末12において行われるので、その新たに車載機器のリモート操作が要求される旨の通知を操作端末12からセンタ14へ行うことは不要であり、これにより、操作端末12とセンタ14との間並びにセンタ14と車載機10との間における通信量及び通信料金を含む通信負担が軽減され、無駄な通信を削減することが可能となっている。
また、一旦車載機器のリモート操作を要求する操作が操作端末12においてなされてから、当該先のリモート操作要求に基づくリモート操作結果が車両からセンタ14を経由して操作端末12に通知されてその通知が操作端末12に受信されるまでは、操作端末12での入力操作が禁止されて新たな車載機器のリモート操作要求が拒否されるので、操作端末12がリモート操作要求のコマンドを複数同時に記憶することは不要であり、センタ14が操作端末12からのリモート操作要求のコマンドを複数同時に記憶することは不要であり、また、車載機10がセンタ14からのリモート操作コマンドを複数同時に記憶することは不要である。このため、本実施例によれば、操作端末12、センタ14、及び車載機10においてリモート操作要求のためのコマンドを記憶するうえでのメモリ使用量の削減を図ることができ、また、操作端末12がリモート操作要求をセンタ14へ向けて通知するうえで、センタ14がリモート操作コマンドを車載機10へ向けて送信するうえで、かつ車載機10が車載機器のリモート操作を実施するうえで、それぞれ制御ロジックの簡略化を図ることが可能となっている。
このように、本実施例の遠隔操作システムによれば、短期間に複数のリモート操作要求がなされようとしても複数のうちの後発のリモート操作要求を拒否するので、従って、操作端末12での操作に基づく車載機器のリモート操作の実行を簡素な構成で適切に行うことが可能となっている。
また、本実施例の遠隔操作システムにおいて、上記の如く、一旦操作端末12での操作により車載機器のリモート操作要求がなされた後の所定期間は、新たな車載機器のリモート操作要求が操作端末12において拒否されるが、かかる拒否は先の車載機器のリモート操作要求が操作端末12においてなされた直後から操作端末12での入力操作が禁止されることにより開始される。このため、かかるシステムによれば、一旦操作端末12での操作により車載機器のリモート操作要求がなされた後、速やかに新たな車載機器のリモート操作要求が拒否される旨を車両使用者に知らせることができ、これにより、拒否されるべき新たな車載機器のリモート操作要求を車両使用者が行おうとするのを抑止することが可能となっている。
尚、上記の第1実施例においては、遠隔操作システムを、車両に搭載される車載機10と、車両使用者に携帯される操作端末12と、情報管理を行うセンタ14とにより構成するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、センタ14を有さない車載機10と操作端末12とにより構成されるシステムに適用することとしてもよい。この変形例においては、一旦車載機器のリモート操作要求がなされた後の新たな車載機器のリモート操作要求の拒否を、当該先の車載機器のリモート操作要求が操作端末12においてなされてから、その先の車載機器のリモート操作要求を車両が受け付けてそのリモート操作を実行した結果として操作端末12に通知すべきリモート操作結果の通知を操作端末12が受信するまでの期間だけ行うこととすればよい。かかる構成においても、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後の所定期間、新たな車載機器のリモート操作要求は拒否されるので、上記の第1実施例のシステムと同様に、操作端末12での操作に基づく車載機器のリモート操作の実行を簡素な構成で適切に行うことが可能となる。
上記した第1実施例では、一旦車載機器のリモート操作要求がなされた後の新たな車載機器のリモート操作要求の拒否を、車両使用者の所持する操作端末12において行うこととしている。これに対して、本発明の第2実施例においては、その拒否を車載機10において行うこととしている。図4は、本実施例の遠隔操作システムにおいて実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。尚、図4において、上記図2に示すルーチンと同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
上述の如く、操作端末12は、センタ14から車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を取得した後に、そのweb画面上で1以上の車載機器のリモート操作項目のチェックボックスにチェックが入った状態で送信要求のための操作がなされると、そのチェックに対応する車載機器のリモート操作が要求されている旨をセンタ14に通知する。また、センタ14は、操作端末12からのリモート操作要求指示を受信すると、その操作端末12に対応する車両の車載機10と通信ネットワークを介して無線通信接続したうえで、操作端末12における操作によって特定の車載機器のリモート操作が要求されていることを示すリモート操作コマンドをその車載機10に対して送信する。
本実施例において、車載機10は、センタ14からのリモート操作コマンドを受信すると、上述の如く、そのリモート操作コマンドに基づく車載機器のリモート操作を実行する前に、そのリモート操作を実施するうえで必要な前提条件が成立するか否かを確認する処理を実行するが、そのセンタ14からのリモート操作コマンドを受信した場合は、以後、新たな車載機器のリモート操作要求を拒否する。すなわち、再度センタ14から新たな車載機器のリモート操作が要求されていることを示すリモート操作コマンドを受信しても、その新たなリモート操作の要求を受け付けない。
このように車載機器のリモート操作の要求が車載機10において拒否されている際は、操作端末12での車両使用者によるチェックボックスへのチェックは可能であり、車両使用者が操作端末12を操作して新たに車載機器のリモート操作を要求することは可能であっても、実質的に新たな車載機器のリモート操作の要求は不可能である。
また、車載機10は、上記の如き先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を、当該先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作が車両において実行されている間は継続する。すなわち、先の車載機器のリモート操作要求がセンタ14からなされた後にその先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作が完了するまでは、新たな車載機器のリモート操作の要求を拒否するが、先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作が完了すると、新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を解除し、その後はそのリモート操作要求を受け付ける。
従って、本実施例のシステムにおいては、一旦センタ14から送信された車載機器のリモート操作を要求するコマンドが車載機10に受信された場合、以後、車載機10において当該先のリモート操作要求に基づくリモート操作が完了するまでの期間は、その車載機10においてセンタ14からの新たな車載機器のリモート操作要求が拒否される。
かかる構成においては、一旦操作端末12での操作により車載機器のリモート操作要求がなされた後の所定期間は、別の新たな車載機器のリモート操作要求が操作端末12からセンタ14へなされたとしても、車両においてその新たなリモート操作要求に基づくリモート操作が実行されることは回避される。このため、車両使用者が短期間のうちに不意に複数のリモート操作を要求する操作端末12の操作を行ったとしても、後発のリモート操作要求は拒否されるので、車載機器の状態が車両使用者の意に反するものとなるのを抑制することができる。
また、一旦センタ14から送信された車載機器のリモート操作を要求するコマンドが車載機10に受信されてから、当該先のリモート操作要求に基づくリモート操作が車両において完了するまでは、その車両において新たな車載機器のリモート操作要求が拒否されるので、車載機10がセンタ14からのリモート操作コマンドを複数同時に記憶することは不要である。このため、本実施例によれば、車載機10においてリモート操作要求のためのコマンドを記憶するうえでのメモリ使用量の削減を図ることができ、また、車載機10が車載機器のリモート操作を実施するうえで、それぞれ制御ロジックの簡略化を図ることが可能となっている。
このように、本実施例の遠隔操作システムによれば、短期間に複数のリモート操作要求がなされてもそれら複数のうち後発のリモート操作要求を拒否するので、従って、操作端末12での操作に基づく車載機器のリモート操作の実行を簡素な構成で適切に行うことが可能となっている。
更に、一般に、操作端末12において車載機器のリモート操作要求のための操作が行われてからその要求を示すコマンドが車載機10に受信されるまで、並びに、車載機器のリモート操作結果が車載機10から送信されてからその結果が操作端末12に受信されるまでは、操作端末12とセンタ14との間の通信並びにセンタ14と車両との間の通信による時間差が生ずる。
このため、本実施例のシステムにおいては、上記した第1実施例のシステムと異なり、一旦車載機器のリモート操作を要求する操作が操作端末12においてなされた後、そのリモート操作要求に基づくリモート操作結果が車両からセンタ14を経由して操作端末12に通知されてその通知が操作端末12において受信される前に、操作端末12において新たな車載機器のリモート操作要求がなされたときであっても、その新たな車載機器のリモート操作要求に基づいてセンタ14から車載機10へ送信されるリモート操作コマンドが車載機10に受信される時刻が先のリモート操作要求に基づくリモート操作が車両において完了した後であれば、その新たな車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作が車両において実行される。従って、本実施例のシステムによれば、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作要求を拒否する期間を、実質的に上記した第1実施例のシステムに比べて短縮することが可能となっている。
また、本実施例の遠隔操作システムにおいて、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作要求の拒否は車両において行われるが、その拒否が開始された際には、車載機10は、その新たな後発の車載機器のリモート操作要求を拒否した旨を車両使用者に知らせるべくその旨を示す情報をセンタ14へ送信する。センタ14は、車載機10からの車載機器のリモート操作要求を拒否した旨の情報を受信した場合、その情報を受け付けたうえで、メール等により車載機器のリモート操作要求を拒否した旨の情報を当該操作端末12に対して送信する。そして、操作端末12は、車載機器のリモート操作を要求する旨の指示をセンタ14に送信した後にセンタ14から拒否通知を受けた場合、その拒否を車両使用者に認識させるべく入出力部44のディスプレイに表示し或いはスピーカから音声出力する。
従って、本実施例の遠隔操作システムにおいては、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後に新たな車載機器のリモート操作要求が拒否された場合は、その拒否が車載機10からセンタ14及び操作端末12を経由して車両使用者に通知される。このため、車両使用者は、車載機器のリモート操作を要求した後に不意に或いは意識的に新たに車載機器のリモート操作を要求した状況において、その新たな車載機器のリモート操作要求が拒否された場合に、その旨を操作端末12での表示出力や音声出力により知ることができ、この点で、本実施例のシステムは、現実の車載機器の状態と車両使用者が認識する車載機器の状態との間にずれが生ずるのを防止することが可能となっていると共に、拒否されるべき新たな車載機器のリモート操作要求を車両使用者が行おうとするのを抑止することが可能となっている。
尚、上記の第2実施例においては、遠隔操作システムを、車両に搭載される車載機10と、車両使用者に携帯される操作端末12と、情報管理を行うセンタ14とにより構成するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、センタ14を有さない車載機10と操作端末12とにより構成されるシステムに適用することとしてもよい。この変形例においては、一旦車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作要求の拒否を、当該先の車載機器のリモート操作要求を示すコマンドが車載機10に受信されてから、その先のリモート操作要求に基づくリモート操作が車両において完了するまでの期間だけ行うこととすればよい。かかる構成においても、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後の所定期間、新たな車載機器のリモート操作要求は拒否されるので、上記したシステムと同様に、操作端末12での操作に基づく車載機器のリモート操作の実行を簡素な構成で適切に行うことが可能となる。
また、上記の第2実施例においては、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を、先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作が車載機10において完了した場合に解除することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作を実行する前にそのリモート操作を実施するうえで必要な前提条件が成立するか否かを確認した結果として、その前提条件が成立すると判定した場合に解除することとしてもよい。すなわち、車載機10は、先の車載機器のリモート操作要求がセンタ14からなされた後にその先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作を実施するうえで必要な前提条件が成立するまでは、新たな車載機器のリモート操作の要求を拒否するが、上記の前提条件が成立すると、新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を解除し、その後はそのリモート操作要求を受け付ける。
上記した第1実施例では、一旦車載機器のリモート操作要求がなされた後の新たな車載機器のリモート操作要求の拒否を、車両使用者の所持する操作端末12において行うこととし、また、上記した第2実施例では、その拒否を、車載機器を搭載する車両において行うこととしている。これに対して、本発明の第3実施例においては、その拒否を車載機10において行うこととしている。図5は、本実施例の遠隔操作システムにおいて実行される制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。尚、図5において、上記図2に示すルーチンと同一の処理を実行するステップについては、同一の符号を付してその説明を省略する。
上述の如く、操作端末12は、センタ14から車載機器のリモート操作を要求するためのweb画面を取得した後に、そのweb画面上で1以上の車載機器のリモート操作項目のチェックボックスにチェックが入った状態で送信要求のための操作がなされると、そのチェックに対応する車載機器のリモート操作が要求されている旨をセンタ14に通知する。
本実施例において、センタ14は、操作端末12からのリモート操作要求指示を受信すると、上述の如く、操作端末12における操作によって特定の車載機器のリモート操作が要求されていることを示すリモート操作コマンドを無線通信接続した対応の車載機10に対して送信するが、操作端末12からのリモート操作要求指示を受信した場合、或いは、その指示に従って車載機器のリモート操作を要求するコマンドを車載機10に送信した場合は、以後、新たな車載機器のリモート操作の要求を拒否する。すなわち、再度、操作端末12から新たな車載機器のリモート操作が要求されていることを示すリモート操作要求指示を受信しても、その新たなリモート操作の要求を受け付けない。
このように車載機器のリモート操作の要求がセンタ14において拒否されている際は、操作端末12での車両使用者によるチェックボックスへのチェックは可能であり、車両使用者が操作端末12を操作して新たに車載機器のリモート操作を要求することは可能であっても、実質的に新たな車載機器のリモート操作の要求は不可能である。
また、センタ14は、上記の如き先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を、車載機10から当該先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作の結果通知を受け取るまで継続する。すなわち、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後に車載機10から当該先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作の結果通知を受け取るまでは、新たな車載機器のリモート操作の要求を拒否するが、先の車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作の結果通知を受け取ると、新たな車載機器のリモート操作の要求拒否を解除し、その後はそのリモート操作要求を受け付ける。
従って、本実施例のシステムにおいては、一旦操作端末12から送信された車載機器のリモート操作指示がセンタ14に受信された場合あるいはその指示に従って車載機器のリモート操作を要求するコマンドがセンタ14から車両へ送信された場合、以後、当該先のリモート操作要求が車両に対してなされそしてその車両においてその先のリモート操作要求に基づく車載機器のリモート操作の結果がセンタ14に通知されるまでの期間は、センタ14において操作端末12からの新たな車載機器のリモート操作要求が拒否される。
かかる構成においては、一旦操作端末12での操作により車載機器のリモート操作要求がなされた後の所定期間は、別の新たな車載機器のリモート操作要求が操作端末12からセンタ14へなされたとしても、車両においてその新たなリモート操作要求に基づくリモート操作が実行されることは回避される。
このため、車両使用者が短期間のうちに不意に複数のリモート操作を要求する操作端末12の操作を行ったとしても、後発のリモート操作要求は拒否されるので、車載機器の状態が車両使用者の意に反するものとなるのを抑制することができる。また、一旦車載機器のリモート操作要求がなされた後の新たな車載機器のリモート操作要求の拒否はセンタ14において行われるので、その新たに車載機器のリモート操作が要求される旨の通知をセンタ14から車両へ行うことは不要であり、これにより、センタ14と車載機10との間における通信量及び通信料金を含む通信負担が軽減され、無駄な通信を削減することが可能となっている。
また、一旦操作端末12から送信された車載機器のリモート操作を要求する指示がセンタ10に受信されてから或いはその指示に従って車載機器のリモート操作を要求するコマンドがセンタ14から車両へ送信されてから、当該先のリモート操作要求に基づくリモート操作結果が車両からセンタ14に通知されてその通知がセンタ14に受信されるまでは、新たな車載機器のリモート操作要求が拒否されるので、センタ14が操作端末12からのリモート操作要求のコマンドを複数同時に記憶することは不要であり、また、車載機10がセンタ14からのリモート操作コマンドを複数同時に記憶することは不要である。このため、本実施例によれば、センタ14及び車載機10においてリモート操作要求のためのコマンドを記憶するうえでのメモリ使用量の削減を図ることができ、また、センタ14がリモート操作コマンドを車載機10へ向けて送信するうえでかつ車載機10が車載機器のリモート操作を実施するうえで、それぞれ制御ロジックの簡略化を図ることが可能となっている。
このように、本実施例の遠隔操作システムによれば、短期間に複数のリモート操作要求がなされてもそれら複数のうち後発のリモート操作要求を拒否するので、従って、操作端末12での操作に基づく車載機器のリモート操作の実行を簡素な構成で適切に行うことが可能となっている。
更に、一般に、操作端末12からの車載機器のリモート操作を要求する指示がセンタ10に受信されてから或いはその指示に従って車載機器のリモート操作を要求するコマンドがセンタ14から車両へ送信されてから、その要求を示すコマンドが車載機10に受信されるまで、並びに、車載機器のリモート操作結果が車載機10から送信されてからその結果がセンタ14に受信されるまでは、センタ14と車両との間の通信による遅れ時間が生ずる。
このため、本実施例のシステムにおいては、上記した第1実施例のシステムと異なり、一旦車載機器のリモート操作を要求する操作が操作端末12においてなされた後、そのリモート操作要求に基づくリモート操作結果が車両からセンタ14を経由して操作端末12に通知されてその通知が操作端末12において受信される前に、操作端末12において新たな車載機器のリモート操作要求がなされたときであっても、その新たな車載機器のリモート操作要求に基づいて操作端末12から送信されるリモート操作指示がセンタ14に受信される時刻が車載機10からの先のリモート操作要求に基づくリモート操作の結果がセンタ14に受信された後であれば、その新たな車載機器のリモート操作要求に基づくリモート操作が車両において実行される。従って、本実施例のシステムによれば、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作要求を拒否する期間を、実質的に上記した第1実施例のシステムに比べて短縮することが可能となっている。
また、本実施例の遠隔操作システムにおいて、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後における新たな車載機器のリモート操作要求の拒否はセンタ14において行われるが、その拒否が開始された際には、センタ14は、その新たな後発の車載機器のリモート操作要求を拒否した旨を車両使用者に知らせるべくその旨を示す情報を操作端末12へ送信する。操作端末12は、車載機器のリモート操作を要求する旨の指示をセンタ14に送信した後にセンタ14からの車載機器のリモート操作要求を拒否した旨の情報を受信した場合、その情報を受け付けたうえで、その拒否を車両使用者に認識させるべく入出力部44のディスプレイに表示し或いはスピーカから音声出力する。
従って、本実施例の遠隔操作システムにおいては、先の車載機器のリモート操作要求がなされた後に新たな車載機器のリモート操作要求が拒否された場合は、その拒否がセンタ14から操作端末12を経由して車両使用者に通知される。このため、車両使用者は、車載機器のリモート操作を要求した後に不意に或いは意識的に新たに車載機器のリモート操作を要求した状況において、その新たな車載機器のリモート操作要求が拒否された場合に、その旨を操作端末12での表示出力や音声出力により知ることができ、この点で、本実施例のシステムは、現実の車載機器の状態と車両使用者が認識する車載機器の状態との間にずれが生ずるのを防止することが可能となっていると共に、拒否されるべき新たな車載機器のリモート操作要求を車両使用者が行おうとするのを抑止することが可能となっている。
尚、上記の第1及び第3実施例においては、リモート操作結果の通知が特許請求の範囲に記載した「応答通知」に相当している。
ところで、上記の第1及び第3実施例においては、一旦先の車載機器のリモート操作要求がなされた後の新たな車載機器のリモート操作要求の拒否を、先の車載機器のリモート操作を実行した結果として車載機10が送信するリモート操作結果通知をセンタ14又は操作端末12が受信するまでの期間継続し、その受信がなされた場合に解除することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、車載機10又はセンタ14が先の車載機器のリモート操作要求を受信した直後にその要求を正常に受け付けたことを示す受付応答結果をセンタ14又は操作端末12へ返信することとし、その受付応答結果の通知をセンタ14又は操作端末12が受信するまで上記の新たな車載機器のリモート操作要求を拒否することとしてもよい。この場合には、この受付応答結果の通知が特許請求の範囲に記載した「応答通知」に相当する。
また、上記の第1乃至第3実施例においては、エンジン始動、ウィンドウの開閉、車両ドアのロック・アンロック、及びハザードライトの点灯・消灯を、車載機器のリモート操作の対象としているが、例えば車両ドアやトランク,スライドルーフの開閉、ホーンやブザーによる警報或いはその警報解除、セキュリティセットなどをリモート操作の対象とすることとしてもよい。
更に、上記の第1乃至第3実施例においては、操作端末12を車両使用者が携帯・所持するものとしたが、車両使用者が常に携帯・所持しない公衆電話や自宅の固定電話等を用いることとしてもよい。この場合は、操作端末12がセンタ14と通信接続した状態で予め定められた所定のボタン入力が行われることによって操作端末12からセンタ14へ車載機器のリモート操作を要求するものであればよい。
本発明の第1実施例である遠隔操作システムの構成図である。
本実施例のシステムにおいてセンタが実行する制御ルーチンのフローチャートである。
本実施例の遠隔操作システムにおいて操作端末の有する表示画面上に映し出される表示内容の一例である。
本発明の第2実施例である遠隔操作システムにおいて実行される制御ルーチンのフローチャートである。
本発明の第3実施例である遠隔操作システムにおいて実行される制御ルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 車載機
12 操作端末
14 センタ