JP5011332B2 - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、スラローム走行時等における制御の円滑化等を実現した車両挙動制御装置に関する。
車両の走行安定性等を向上させる車両挙動制御装置としては、ABS(Anti-lock Breaking System)およびTCS(Traction Control System)に旋回時における横滑りの抑制機能等を加えたVSA(Vehicle Stability Assist system:車両挙動安定化制御システム:特許文献1参照)や、旋回能力の向上を図るべく左右駆動輪間での駆動力配分を連続的に変化させるATTS(Active Torque Transfer System:左右駆動力配分装置:特許文献2参照)、高速走行時における操縦安定性の向上や車庫入れ時における旋回半径の縮小等を実現するRTC(Rear Toe Control system:後輪操舵システム:特許文献3参照)等が存在する。これら車両挙動制御装置では、例えば、前輪操舵角や車速、横加速度等に基づき規範ヨーレイトを設定した後、ヨーレイトセンサによって検出された実ヨーレイトを規範ヨーレイトに一致させるように、各車輪の制動力、左右駆動輪間での駆動力配分、左右後輪のトー角の制御指示値(目標制御量)を設定してアクチュエータを駆動する。
特開2004−284485号公報 特許第3340038号 特公平5−33193号公報
自動車では、直進走行時であっても、運転者がステアリングホイールを微少に操舵する(修正操舵する)ことや、ヨーレイトセンサの出力信号に微少なオフセットが存在すること、ヨーレイトセンサの出力信号にノイズが混入すること等により、若干の制御指示値が出力されることが避けられない。そのため、制御指示値に基づく駆動電流をそのままアクチュエータに出力した場合、例えばATTSにおいては、左右車輪に駆動輪力差が生じて走行安定性が損なわれる他、不要な電流が供給されることで電力消費の増大やアクチュエータの耐久性低下がもたらされる。そこで、一般には、制御マップや制御演算式等に絶対値の比較的小さい不感帯を設け、制御指示値が所定の閾値を超えた場合にのみアクチュエータに駆動電流を出力するようにしている。
ところが、自動車がスラローム走行やレーンチェンジ走行を行った場合には、制御指示値が正の値から負の値に0を経由して変化する状態が起こり、いわゆる制御の段付きが生じてしまうことがあった。例えば、ATTSを搭載した自動車がスラローム走行を行うと、右旋回から左旋回に移行する際に左駆動輪と右駆動輪との間で駆動力配分が逆転するが、この際に制御指示値が不感帯内にある期間はアクチュエータ(油圧クラッチ制御用の電磁弁等)に駆動電流が全く供給されなくなる。その結果、図13に実線で示すように、制御指示値が不感帯に入る瞬間および出る瞬間に急激に制御指示値が急変することになってしまい、自動車の挙動に瞬間的な乱れが生じて運転者が違和感を憶えることがあった。
本発明は上記状況に鑑みなされたもので、スラローム走行時等における円滑な制御を実現した車両挙動制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、車両の目標運動状態量と実運動状態量とから制御指示ベース値を算出し、この制御指示ベース値に基づいて設定した目標制御指示値によって当該車両の挙動制御を行う車両挙動制御装置であって、前記制御指示ベース値の絶対値が所定の不感帯閾値よりも小さい場合に前記目標制御指示値を0とする不感帯を有し、前記制御指示ベース値の絶対値が前記不感帯閾値よりも大きい状態から前記不感帯に移行した場合、当該制御指示ベース値に基づく挙動制御を所定時間にわたって継続するとともに、前記制御指示ベース値の絶対値と前記不感帯閾値とを比較してベース係数を出力するベース係数出力手段と、前記ベース係数を遅延させることによってフィルタ係数を出力するフィルタ係数出力手段と、前記ベース係数と前記フィルタ係数とを合算して係数合算値を算出する加算手段と、前記係数合算値と判定閾値とを比較することによって不感帯係数を設定する不感帯係数設定手段と、前記制御指示ベース値に前記不感帯係数を乗じることによって前記目標制御指示値を設定する目標制御指示値設定手段とを備えたことを特徴とする。
また、第2の発明は、車両の目標運動状態量と実運動状態量とから制御指示ベース値を算出し、この制御指示ベース値に基づいて設定した目標制御指示値によって当該車両の挙動制御を行う車両挙動制御装置であって、前記制御指示ベース値の絶対値が所定の不感帯閾値よりも小さい場合に前記目標制御指示値を0とする不感帯を有し、前記制御指示ベース値の絶対値が前記不感帯閾値よりも大きい状態から前記不感帯に移行した場合、当該制御指示ベース値に基づく挙動制御を所定時間にわたって継続するとともに、前記制御指示ベース値の絶対値と前記不感帯閾値とを比較してベース係数を出力するベース係数出力手段と、前記ベース係数を遅延させることによってフィルタ係数を出力するフィルタ係数出力手段と、前記ベース係数と前記フィルタ係数とのうち大きい方を比較値として選択する比較値選択手段と、前記比較値と判定閾値とを比較することによって不感帯係数を設定する不感帯係数設定手段と、前記制御指示ベース値に前記不感帯係数を乗じることによって前記目標制御指示値を設定する目標制御指示値設定手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、自動車がスラローム走行やレーンチェンジ走行を行っても制御指示値の急激な変化が生じなくなり、車両挙動の乱れによって運転者が違和感を憶えることが防止される。
第1実施形態に係る車両の装置構成を示す平面図である。 第1実施形態に係るATTS−ECUの概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る駆動力配分設定部の概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る駆動力配分制御の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る不感帯制御の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る各制御量の時間的変化を示すグラフである。 第2実施形態に係る駆動力配分制御の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る不感帯制御の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る各制御量の時間的変化を示すグラフである。 第3実施形態に係る駆動力配分制御の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る不感帯制御の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る各制御量の時間的変化を示すグラフである。 従来装置でのスラローム走行時における制御指示値の時間的変化を示すグラフである。
以下、ATTSを搭載したFF(フロントエンジン・フロントドライブ)式4輪自動車(以下、単に自動車と記す)に本発明を適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る自動車の装置構成を示す平面図であり、図2は第1実施形態に係るATTS−ECUの概略構成を示すブロック図であり、図3は第1実施形態に係る駆動力配分設定部の概略構成を示すブロック図である。
≪第1実施形態の構成≫
<車両の装置構成>
先ず、図1を参照して、自動車の装置構成について説明する。説明にあたり、4本の車輪やそれらに対応して配置された部材については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して例えば車輪4fl(左前)、車輪4fr(右前)、車輪4rl(左後)、車輪4rr(右後)と記すとともに、総称する場合には例えば車輪4と記す。
図1に示すように、自動車1は、車体2の前後左右に、タイヤ3が装着された4つの車輪4を有しており、操舵アシストを行うEPS(Electric Power Steering:電動パワーステアリング)11と、左右前輪4fl,4fr(左右ドライブシャフト5fl,5fr)に対して駆動力を可変配分するATTS13と、ATTS13を駆動制御するATTS−ECU16(車両挙動制御装置)とを搭載している。
自動車1は、車輪速を検出する車輪速センサ21を各車輪4ごとに備える他、ステアリングホイール7の操舵角を検出する操舵角センサ22、車体2の実ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ23、車体2の横加速度を検出する横Gセンサ24、車体2の前後加速度を検出する前後Gセンサ25、ATTS13の制御油圧を検出する油圧センサ26等を適所に有している。
ATTS13は、各一対の遊星歯車機構および油圧クラッチ、油圧クラッチを駆動制御する油圧制御弁等から形成されており、ATTS−ECU16からの制御電流に応じて左右前輪4fl,4frに対する駆動力の配分を連続的に変化させる。ATTS−ECU16は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して、他の各種制御装置やATTS13、各センサ21〜26と接続されている。
<ATTS−ECU>
図2に示すように、ATTS−ECU16は、図示しない入出力インタフェースの他、車速推定部41と、FF(フィードフォワード)制御部42と、規範車両モデル43と、オブザーバ44と、ヨーレイトFB(フィードバック)設定部45と、ヨーモーメントFB設定部46と、スリップ角FB設定部47と、FB制御部48と、駆動力配分設定部49と、制御電流生成部50とを備えている。
車速推定部41は、各車輪4の車輪速に基づき、自動車1の車速を推定する。FF制御部42は、操舵角や車速に基づき、駆動力配分FF制御量を設定する。規範車両モデル43は、操舵角や車速等に基づき、規範ヨーレイトや規範ヨーモーメント、規範スリップ角を設定する。オブザーバ44は、車速や横加速度、前後加速度、実ヨーレイト、制御油圧に基づき、推定ヨーモーメントや推定スリップ角を算出する。
ヨーレイトFB設定部45は、規範ヨーレイトと実ヨーレイトとに基づき、ヨーレイトFB値を設定する。ヨーモーメントFB設定部46は、規範ヨーモーメントと推定ヨーモーメントとに基づき、ヨーモーメントFB値を設定する。スリップ角FB設定部47は、規範スリップ角と推定スリップ角とに基づき、スリップ角FB値を設定する。FB制御部48は、ヨーレイトFB値とヨーモーメントFB値とスリップ角FB値とに基づき、駆動力配分FB制御量を設定する。
駆動力配分設定部49は、駆動力配分FF制御量と駆動力配分FB制御量とに基づき、駆動力配分制御量を設定する。制御電流生成部50は、駆動力配分制御量に基づき、駆動電流を設定してATTS13に出力する。
<駆動力配分設定部>
図3に示すように、駆動力配分設定部49は、駆動力配分FF制御量と駆動力配分FB制御量とに基づいて制御指示ベース値を設定する指示ベース値設定部61と、制御指示ベース値に基づいて不感帯係数を設定する不感帯係数設定部62と、制御指示ベース値に不感帯係数を乗じることによって駆動力配分制御値を設定する制御値設定部63とから構成されている。
不感帯係数設定部62には、制御指示ベース値の絶対値と不感帯閾値とを比較してベース係数Kb(1または0)を出力するベース係数出力部65と、ベース係数Kbに基づきフィルタ係数Kfを出力する遅延フィルタ(1次フィルタ)66と、ベース係数Kbとフィルタ係数Kfとを合算した係数合算値Ksを算出する加算部67と、係数合算値Ksと判定閾値Kthとを比較して不感帯係数Kn(1または0)を出力する不感帯係数出力部68とが内装されている。1次フィルタ66は、入力されたベース係数Kbを時間の経過に伴って徐々に減少させることによってフィルタ係数Kfを出力する。なお、判定閾値Kthは、ベース係数Kbが0となった後に十分な時間(例えば、0.1sec)が経過するまでは、係数合算値Ks(すなわち、フィルタ係数Kf)が上回る程度の値に設定されている。
≪第1実施形態の作用≫
<駆動力配分制御>
自動車1が走行を開始すると、ATTS−ECU16は、図4のフローチャートにその手順を示す駆動力配分制御を所定の制御インターバル(例えば、10ms)で繰り返し実行する。
駆動力配分制御を開始すると、ATTS−ECU16は先ず、運転者の操舵に応じた迅速な駆動力配分を実現すべく、図4のステップS1で車速と操舵角とに基づいて駆動力配分FF制御量Dffを設定する。
次に、ATTS−ECU16は、ステップS2で規範ヨーレイトと推定ヨーレイトとの差に応じてヨーレイトFB値YRfbを設定し、ステップS3で規範ヨーモーメントと推定ヨーモーメントとの差に応じてヨーモーメントFB値YMfbを設定し、ステップS4で規範スリップ角と推定スリップ角との差に応じてスリップ角FB値SAfbを設定する。次に、ATTS−ECU16は、ステップS5で、ヨーレイトFB値YRfbとヨーモーメントFB値YMfbとスリップ角FB値SAfbとを和すことにより、駆動力配分FB制御量Dfbを設定する。
次に、ATTS−ECU16は、駆動力配分FF制御量Dffと駆動力配分FB制御量Dfbとの和に基づきステップS6で制御指示ベース値Dbを設定した後、ステップS7で制御指示ベース値Dbに後述する不感帯係数Knを乗じることによって目標駆動力配分制御値Dtgtを設定する。しかる後、ATTS−ECU16は、ステップS8でATTS13(油圧制御弁駆動用リニアソレノイド)に対する目標駆動電流Itgtを設定/出力する。
<不感帯制御>
ATTS−ECU16は、上述した駆動力配分制御と並行して、図5のフローチャートにその手順を示す不感帯制御を所定の制御インターバル(例えば、10ms)で繰り返し実行する。
不感帯制御を開始すると、ATTS−ECU16は、図5のステップS21で制御指示ベース値Dbの絶対値|Db|が不感帯判定閾値Dnthより大きいか否かを判定し、この判定がYesであればステップS22でベース係数Kbを1とし、NoであればステップS23でベース係数Kbを0とする。
次に、ATTS−ECU16は、ステップS24でベース係数Kbに遅延フィルタ処理を行ってフィルタ係数Kfを算出/設定した後、ステップS25でベース係数Kbとフィルタ係数Kfとを和すことで係数合算値Ksを求める。
次に、ATTS−ECU16は、ステップS26で係数合算値Ksが判定閾値Kthより大きいか否かを判定し、この判定がYesであればステップS27で不感帯係数Knを1とする。これにより、駆動力配分制御において制御指示ベース値Dbがそのまま目標駆動力配分制御値Dtgtとなる。なお、判定閾値Kthは、十分に小さな値に設定されている。
一方、係数合算値Ksが判定閾値Kthより小さく、ステップS26の判定がNoとなった場合、ATTS−ECU16は、ステップS28で不感帯係数Knを0とする。これにより、駆動力配分制御において目標駆動力配分制御値Dtgtが0となり、ATTS13には駆動電流が出力されなくなる。
図6は、自動車1が直進走行からスラローム走行を経て再び直進走行に復帰した場合を例に、ベース係数Kbやフィルタ係数Kf、係数合算値Ks、目標駆動力配分制御値Dtgtの時間的変化を示したグラフである。
同図から判るように、自動車1が直進走行からスラローム走行に移行する場合において、ベース係数Kbが1となるまでの期間(制御指示ベース値Dbがの絶対値|Db|が不感帯判定閾値Dnthを超えるまでの期間)は、係数合算値Ksが0となるために不感帯係数Knも0となり、目標駆動力配分制御値Dtgtは0となる。
自動車1がスラローム走行を行って制御指示ベース値Dbが十分に大きくなると、ベース係数Kbとフィルタ係数Kfとがともに1となるため、係数合算値Ksが判定閾値Kthよりも遙かに大きくなって不感帯係数Knは1となる。これにより、駆動力配分制御において制御指示ベース値Dbがそのまま目標駆動力配分制御値Dtgtとなるため、円滑なスラローム走行や旋回走行が可能となる。
一方、スラローム走行の切り返し時点(右旋回と左旋回との間で変化する時点)では、ベース係数Kbは一時的に0となるものの、フィルタ係数Kfの減少は徐々に起こる。そのため、係数合算値Ksは短時間では判定閾値Kthより小さくならず、不感帯係数Knが1のままとなる。これにより、駆動力配分制御において制御指示ベース値Dbがそのまま目標駆動力配分制御値Dtgtとなるため、目標駆動力配分制御値Dtgtの急減あるいは急増が起こらなくなり、自動車1の挙動が乱れて運転者が違和感を憶える事態が生じない。
また一方、自動車1がスラローム走行から直進走行に移行すると、ベース係数Kbが0に復帰するとともに、フィルタ係数Kfも徐々に減少する。そのため、制御指示ベース値Dbがごく小さくなるまでは不感帯係数Knは1となり、制御指示ベース値Dbがそのまま目標駆動力配分制御値Dtgtとなる。そして、係数合算値Ksが判定閾値Kthより小さくなった時点で不感帯係数Knが0となり、目標駆動力配分制御値Dtgtは0となるが、この際には目標駆動力配分制御値Dtgtが十分に小さいことから運転者が違和感を憶えることはない。
[第2実施形態]
図7は第2実施形態に係る駆動力配分設定部の概略構成を示すブロック図である。
第2実施形態においては、車両の装置構成やATTS−ECUの概略構成をはじめ、駆動力配分制御の手順についても、上述した第1実施形態と同様であるため、重複する説明を省略する。
<駆動力配分設定部>
図7に示すように、駆動力配分設定部49は、駆動力配分FF制御量と駆動力配分FB制御量とに基づいて制御指示ベース値を設定する指示ベース値設定部61と、制御指示ベース値に基づいて不感帯係数を設定する不感帯係数設定部62と、制御指示ベース値に不感帯係数を乗じることによって駆動力配分制御値を設定する制御値設定部63とから構成されている。
不感帯係数設定部62には、第1実施形態と同様のベース係数出力部65および遅延フィルタ66の他、ベース係数Kbとフィルタ係数Kfとのどちらか値の大きい方を比較値Kcとして選択する比較値選択部71と、比較値Kcと判定閾値Kthとを比較して不感帯係数Kn(1または0)を出力する不感帯係数出力部72とが内装されている。
<不感帯制御>
ATTS−ECU16は、前述した駆動力配分制御と並行して、図8のフローチャートにその手順を示す不感帯制御を所定の制御インターバル(例えば、10ms)で繰り返し実行する。
不感帯制御を開始すると、ATTS−ECU16は、図8のステップS31で制御指示ベース値Dbの絶対値|Db|が不感帯判定閾値Dnthより大きいか否かを判定し、この判定がYesであればステップS32でベース係数Kbを1とし、NoであればステップS33でベース係数Kbを0とする。
次に、ATTS−ECU16は、ステップS34でベース係数Kbに遅延フィルタ処理を行ってフィルタ係数Kfを算出/設定した後、ステップS35でベース係数Kbとフィルタ係数Kfとのうちで大きい方を比較値Kcとして選択する。
次に、ATTS−ECU16は、ステップS36で比較値Kcが判定閾値Kthより大きいか否かを判定し、この判定がYesであればステップS37で不感帯係数Knを1とする。これにより、駆動力配分制御において制御指示ベース値Dbがそのまま目標駆動力配分制御値Dtgtとなる。なお、判定閾値Kthは、十分に小さな値に設定されている。
一方、比較値Kcが判定閾値Kthより小さく、ステップS36の判定がNoとなった場合、ATTS−ECU16は、ステップS38で不感帯係数Knを0とする。これにより、駆動力配分制御において目標駆動力配分制御値Dtgtが0となり、ATTS13には駆動電流が出力されなくなる。
図9は、自動車1が直進走行からスラローム走行を経て再び直進走行に復帰した場合を例に、ベース係数Kbやフィルタ係数Kf、目標駆動力配分制御値Dtgtの時間的変化を示したグラフである。同図から判るように、前述した第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、スラローム走行の切り返し時点では、不感帯係数Knが1のままとなるため、目標駆動力配分制御値Dtgtの急減あるいは急増が起こらなくなり、自動車1の挙動が乱れて運転者が違和感を憶える事態が生じない。
[第3実施形態]
図10は第3実施形態に係る駆動力配分設定部の概略構成を示すブロック図である。
第3実施形態においても、車両の装置構成やATTS−ECUの概略構成をはじめ、駆動力配分制御の手順についても、前述した第1実施形態と同様であるため、重複する説明を省略する。
<駆動力配分設定部>
図10に示すように、駆動力配分設定部49は、駆動力配分FF制御量と駆動力配分FB制御量とに基づいて制御指示ベース値を設定する指示ベース値設定部61と、制御指示ベース値に基づいて不感帯係数を設定する不感帯係数設定部62と、制御指示ベース値に不感帯係数を乗じることによって駆動力配分制御値を設定する制御値設定部63とから構成されている。
不感帯係数設定部62には、第1実施形態と同様のベース係数出力部65の他、ベース係数Kbが1から0に変化した時点で起動するデクリメント式のカウンタ81と、カウンタ81の出力値Cdと所定の判定閾値Cthとを比較してカウンタ係数Kcdを出力するカウンタ係数出力部82と、ベース係数Kbとカウンタ係数Kcdとのうち値の大きい方を不感帯係数Knとして出力する不感帯係数出力部83とが内装されている。なお、カウンタ係数出力部82は、カウンタ81の出力値Cdが判定閾値Cdthより大きい場合に不感帯係数Knとして1を出力し、カウンタ81の出力値Cdが判定閾値Cthより小さい場合に不感帯係数Knとして0を出力する。なお、カウンタ81の初期値Cdiは、起動後に十分な時間(例えば、0.1sec)が経過するまでは、判定閾値Cth以下とならないように設定されている。
<不感帯制御>
ATTS−ECU16は、前述した駆動力配分制御と並行して、図11のフローチャートにその手順を示す不感帯制御を所定の制御インターバル(例えば、10ms)で繰り返し実行する。
不感帯制御を開始すると、ATTS−ECU16は、図11のステップS41でベース係数Kbが1から0に変化したか否かを判定し、この判定がYesであればステップS42で不感帯突入フラグFinを1とする。次に、ATTS−ECU16は、ステップS43で制御指示ベース値Dbの絶対値|Db|が不感帯判定閾値Dnthより大きいか否かを判定し、この判定がYesであればステップS44でベース係数Kbを1とし、NoであればステップS45でベース係数Kbを0とする。
次に、ATTS−ECU16は、ステップS46で不感帯突入フラグFinが1であるか否かを判定し、この判定がNoであればステップS47でベース係数Kbをそのまま不感帯係数Knとして出力する。例えば、自動車1が旋回走行を行っている場合には、ベース係数Kbが1となるため、駆動力配分制御において制御指示ベース値Dbがそのまま目標駆動力配分制御値Dtgtとなる。また、自動車1が直進走行を行っている場合には、ベース係数Kbが0となるため、駆動力配分制御において目標駆動力配分制御値Dtgtが0となり、ATTS13には駆動電流が出力されなくなる。
一方、不感帯突入フラグFinが1となっており(スラローム走行の切り返し時点や直進走行への移行時点等)でステップS46の判定がYesになると、ATTS−ECU16は、ステップS48でカウンタ81が起動済みであるか否かを判定する。そして、ATTS−ECU16は、ステップS48の判定がNoであればステップS49でカウンタ81を起動した後、YesであればそのままステップS50に進む。
ATTS−ECU16は、ステップS50でカウンタ81の出力値Cdが判定閾値Cdth以下になったか否かを判定し、この判定がNoである間はステップS51で不感帯係数Knを1とする。これにより、駆動力配分制御において制御指示ベース値Dbがそのまま目標駆動力配分制御値Dtgtとなる。また、所定の時間が経過してステップS50の判定がYesになると、ATTS−ECU16は、ステップS52で不感帯係数Knを0としたのち、ステップS53で不感帯突入フラグFinを0にリセットする。これにより、駆動力配分制御において目標駆動力配分制御値Dtgtが0となり、ATTS13には駆動電流が出力されなくなる。
図12は、自動車1が直進走行からスラローム走行を経て再び直進走行に復帰した場合を例に、ベース係数Kbやフィルタ係数Kf、目標駆動力配分制御値Dtgtの時間的変化を示したグラフである。同図から判るように、前述した第1実施形態と同様に、第2実施形態においても、スラローム走行の切り返し時点では、不感帯係数Knが1のままとなるため、目標駆動力配分制御値Dtgtの急減あるいは急増が起こらなくなり、自動車1の挙動が乱れて運転者が違和感を憶える事態が生じない。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態はATTSの制御に本発明を適用したものであるが、VSAやRTC等の制御にも当然に適用可能である。また、車両の具体的構成や制御の具体的手順等についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
1 自動車(車両)
2 車体
4 車輪
13 ATTS
16 ATTS−ECU(車両挙動制御装置)
61 指示ベース値設定部
62 不感帯係数設定部
63 制御値設定部
65 ベース係数出力部
66 遅延フィルタ
67 加算部
68 不感帯係数出力部
71 比較値選択部
72 不感帯係数出力部
81 カウンタ
82 カウンタ係数出力部
83 不感帯係数出力部

Claims (2)

  1. 車両の目標運動状態量と実運動状態量とから制御指示ベース値を算出し、この制御指示ベース値に基づいて設定した目標制御指示値によって当該車両の挙動制御を行う車両挙動制御装置であって、
    前記制御指示ベース値の絶対値が所定の不感帯閾値よりも小さい場合に前記目標制御指示値を0とする不感帯を有し、
    前記制御指示ベース値の絶対値が前記不感帯閾値よりも大きい状態から前記不感帯に移行した場合、当該制御指示ベース値に基づく挙動制御を所定時間にわたって継続するとともに、
    前記制御指示ベース値の絶対値と前記不感帯閾値とを比較してベース係数を出力するベース係数出力手段と、前記ベース係数を遅延させることによってフィルタ係数を出力するフィルタ係数出力手段と、前記ベース係数と前記フィルタ係数とを合算して係数合算値を算出する加算手段と、前記係数合算値と判定閾値とを比較することによって不感帯係数を設定する不感帯係数設定手段と、前記制御指示ベース値に前記不感帯係数を乗じることによって前記目標制御指示値を設定する目標制御指示値設定手段とを備えたことを特徴とする車両挙動制御装置。
  2. 車両の目標運動状態量と実運動状態量とから制御指示ベース値を算出し、この制御指示ベース値に基づいて設定した目標制御指示値によって当該車両の挙動制御を行う車両挙動制御装置であって、
    前記制御指示ベース値の絶対値が所定の不感帯閾値よりも小さい場合に前記目標制御指示値を0とする不感帯を有し、
    前記制御指示ベース値の絶対値が前記不感帯閾値よりも大きい状態から前記不感帯に移行した場合、当該制御指示ベース値に基づく挙動制御を所定時間にわたって継続するとともに、
    前記制御指示ベース値の絶対値と前記不感帯閾値とを比較してベース係数を出力するベース係数出力手段と、前記ベース係数を遅延させることによってフィルタ係数を出力するフィルタ係数出力手段と、前記ベース係数と前記フィルタ係数とのうち大きい方を比較値として選択する比較値選択手段と、前記比較値と判定閾値とを比較することによって不感帯係数を設定する不感帯係数設定手段と、前記制御指示ベース値に前記不感帯係数を乗じることによって前記目標制御指示値を設定する目標制御指示値設定手段とを備えたことを特徴とする車両挙動制御装置。
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