JP5009289B2 - Maltリンパ腫の検査方法及びキット - Google Patents
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Description
遺伝子メチル化の検出による検査方法
本発明のMALTリンパ腫の検査方法は、
検体中の2種以上の癌抑制遺伝子または癌関連遺伝子を選択して、その選択した遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のメチル化頻度を測定することにより、MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ、あるいはMALTリンパ腫の進展を評価するためのデータ、あるいは発症を予見するためのデータを提供することを特徴としている。
・MALTリンパ腫
「MALTリンパ腫」は、MALT(粘膜付随リンパ組織;mucosa-associated lymphoid tissue)から発生するリンパ腫で、節外リンパ腫の一亜型である。部位的に消化管、気管支、唾液腺などに発生する中悪性度リンパ腫(大半がB細胞リンパ腫)である。本発明の検査方法において、対象となるMALTリンパ腫は特に限定されない。
本発明が適用可能な悪性リンパ腫として、具体的には、
前駆体B細胞性腫瘍(前駆体B−リンパ芽球性白血病/リンパ腫(前駆体B細胞急性リンパ芽球性白血病)、成熟(末梢)B細胞性腫瘍(B細胞慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾辺縁領域B細胞リンパ腫(+/−絨毛リンパ球)、毛状細胞白血病、形質細胞性骨髄腫(形質細胞腫)、MALT型節外辺縁型B細胞リンパ腫、節性辺縁型B細胞リンパ腫(+/− 単球型B細胞)、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大型B細胞リンパ腫(縦隔大細胞B細胞リンパ腫、原発性滲出リンパ腫)、Burkitt リンパ腫/Burkitt細胞白血病)等のB細胞性腫瘍;前駆体T細胞性腫瘍(前駆体T−リンパ芽球性白血病/リンパ腫(前駆体T細胞急性リンパ芽球性白血病)、成熟(末梢)T細胞性腫瘍(T細胞前リンパ球性白血病、T細胞顆粒リンパ球白血病、侵攻型NK細胞白血病、成人T細胞リンパ腫・白血病(HTLV1+)、鼻型節外性NK/T細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、肝脾型γ−δT細胞リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、菌状息肉腫/Sezary症候群、退形成性大型細胞リンパ腫(T/ヌル細胞、原発性皮膚未分化型)、他に部門に属さない末梢T細胞リンパ腫、血管免疫芽球T細胞リンパ腫)等のT細胞およびNK細胞性腫瘍などを挙げることができるが、特に限定されるものではない。
「MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ」とは、発症の証拠またはその兆しを高感度、高精度に検出し、MALTリンパ腫の診断に供されるデータをいう。発症の兆しには、MALTリンパ腫の前臨床期の状態にある可能性も含まれる。「前臨床期」とは、疾患特異的な臨床症状がでてくる前の発症前状態であって、既に微量の悪性腫瘍細胞が存在している早期の状態を指す。すなわち超微量のMALTリンパ腫細胞は既に存在しているが、明確な自覚症状として表れていないか、それに近い状態であって、遺伝子レベルを含む代謝的、生理的な変化が潜在的に生じているか、それが進行しており、いずれMALTリンパ腫細胞が増殖し発症に至る可能性を確率的に見積もることが可能であることである。
・11種の遺伝子
本発明のMALTリンパ腫の検査方法として、好ましい検査方法は、
検体中のKIP2遺伝子、p15遺伝子、p16遺伝子、p73遺伝子、hMLH遺伝子、DAPK遺伝子、MGMT遺伝子、MINT1遺伝子、MINT2遺伝子、MINT31遺伝子およびHCAD遺伝子よりなる遺伝子群から2種以上の遺伝子を選択し、その選択した遺伝子の発現レベルを検出することにより、MALTリンパ腫の診断のためのデータ、または該腫瘍の前臨床期の状態にある可能性、あるいは発症する可能性を評価するためのデータを提供する検査方法である。
以上より、MALTリンパ腫の診断のためのデータ、または該腫瘍の前臨床期の状態にある可能性、あるいは発症する可能性を評価するためのデータを提供する検査方法において、選択された遺伝子の一つにKIP2遺伝子が含まれることが望ましい。このKIP2遺伝子は、細胞周期を負に制御する分子であるサイクリン依存性キナーゼ阻害分子(cyclindependent kinase inhibitor)である。
・CpG島のメチル化(methylation)
遺伝子のプロモーター領域にCpG配列に富む領域、すなわちCpG島が存在する場合、そのCpG島におけるシトシンのメチル化は、その遺伝子の転写制御に関連する。したがって、遺伝子のプロモーター領域におけるシトシンのメチル化を検出することにより、当該遺伝子の発現異常(例えば、転写が活性化されているのか抑制されているのか)を検出することができる。さらに上記遺伝子が癌抑制遺伝子である場合、癌抑制遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のシトシンのメチル化を検出することにより、上記細胞検体に含まれる細胞が癌細胞の可能性があるか否かを検出することができる。
細胞検体を溶解液により溶解させて細胞検体溶解液を調製する工程、
この工程により得られる細胞検体溶解液を、直接、重亜硫酸塩含有試薬で処理し、当該細胞検体溶解液に含まれるCpG含有DNAの塩基配列中の非メチル化シトシンをウラシルへと変換する工程、
得られたCpG含有DNAを、所定のメチル化特異的オリゴヌクレオチドプライマーおよび非メチルメチル化特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応により増幅させる工程、
次いで上記CpG含有DNAが増幅されたか否かを検出する工程、
とを含む方法(特許文献3)に基づくならば、簡便かつ迅速にDNAのメチル化を検出することができる。これらの処理では、検体DNA内の非メチル化シトシンがウラシルを経由してチミンに変換され、一方、5−メチル化シトシンは最終的にシトシンであることによりメチル化、非メチル化シトシンの判別を行なうことができる。
・メチル化頻度の測定
本発明の検査方法は、選択された遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のメチル化頻度を測定する方法であり、前記メチル化頻度の検出を、検体を溶解して得た細胞溶解液を重亜硫酸塩で処理した後に行なうことを特徴としている。
(1)検体(細胞を含む)を溶解液により溶解させて細胞検体溶解液を調製する細胞溶解工程と、
(2)上記細胞溶解工程により得られる細胞検体溶解液を、直接重亜硫酸塩含有試薬で処理し、当該細胞検体溶解液に含まれるCpG含有DNAの塩基配列中の非メチル化シトシンをウラシルへと変換するDNA変換工程と、
(3)上記DNA変換工程により得られるCpG含有DNAを、所定のメチル化特異的オリゴヌクレオチドプライマーおよび非メチル化特異的オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅させるDNA増幅工程と、
(4) 上記DNA増幅工程によって、上記CpG含有DNAが増幅されたか否かを検出するメチル化検出工程と
を含む方法である。
・好ましいデータの利用態様
本発明の検査方法の一態様として、望ましくはHelicobacter pyroli感染の有無とMALTリンパ腫との関係を念頭において実施される。
・データの形態
検体中の2種以上の癌抑制遺伝子または癌関連遺伝子を選択してその発現レベルを測定し、得られた結果は、適切に統計解析を行なって、MALTリンパ腫の診断のためのデータ、または該腫瘍の前臨床期の状態にある可能性、あるいは発症する可能性を評価するためのデータとすることが望ましい。統計解析は、当業界で利用されている各種の統計手法、検定法の中から適する方法を選択しておこなうことができる。
癌抑制遺伝子または癌関連遺伝子の発現変化を調べる検査方法
本発明の検査方法は、
検体中のKIP2遺伝子、p15遺伝子、p16遺伝子、p73遺伝子、hMLH遺伝子、DAPK遺伝子、MGMT遺伝子、MINT1遺伝子、MINT2遺伝子、MINT31遺伝子およびHCAD遺伝子よりなる遺伝子群から2種以上の遺伝子を選択し、その選択した遺伝子の発現レベルを調べることにより、MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ、あるいはMALTリンパ腫の進展を評価するためのデータ、あるいは発症を予見するためのデータを提供することを特徴としている。
キット
本発明のキットは、上記検査方法を実施するためのキットである。具体的には、検体を溶解するための溶解液、重亜硫酸塩含有試薬、メチル化検出増幅試薬を少なくとも含み、2種以上の選択された癌抑制遺伝子または癌関連遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のメチル化プロファイルを作製するためのキットである。
MALTリンパ腫の検出/同定
MALTリンパ腫疾患において、11種の遺伝子群から選択された2種以上の遺伝子プロモーター領域におけるメチル化の有無、メチル化頻度をメチル化特異的PCR法(MSP)を用いて確認し、その臨床的意義を調べた。
・対象および検体
総数64人の被験者から測定のための臨床検体を採取した。内訳は、健常者ボランティアの10名、MALTリンパ腫患者21名(そのうちHelicobacterpyroli菌感染患者が9名、非感染患者が12名)、大細胞型成分を含むMALTリンパ腫患者(MALT lymphoma with large cellcomponent(高悪性度(High grade)MALTリンパ腫))が5名(同じく全員がHelicobacter pyroli感染)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者15名(全員がHelicobacterpyroli感染)、完全寛解状態の患者8名(全員がHelicobacter pyroli非感染)、悪性所見のない(NEM; No evidence ofmalignancy)患者(たとえば慢性胃炎等)5名(1名のみHelicobacter pyroli感染)であった。
非腫瘍群
1. 胃原発 MALTリンパ腫除菌後寛解症例(Complete Remission of gastric MALT lymphoma aftertherapy)[CR] n=8
2. 非腫瘍性胃病変(No Evidence of Malignancy in stomach)[NEM] [No Malignancy] n=5
3. 健常人末梢血単核球(Healthy PBMC) [PBMC] n=10
胃原発悪性リンパ腫群
1. MALTリンパ腫(MALT lymphoma) [L-MALT] n=21;
H.p(+)L-MALT n=12, H.p(-)L-MALT n=9
2. 高悪性度細胞を含むMALTリンパ腫(MALT lymphoma with large cell component /High-grade MALTlymphoma) [H-MALT] n=5
3. びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(Diffuse large B-cell lymphoma) [DLBCL] n=15
・検索した遺伝子(MALTリンパ腫用遺伝子セット)
MALTリンパ腫用遺伝子セットとして次の11種類の癌抑制遺伝子または癌関連遺伝子を対象とし、そのプロモーター領域のメチル化を調べた:
KIP2遺伝子、p15遺伝子、p16遺伝子、p73遺伝子、hMLH遺伝子、MGMT遺伝子、DAPK遺伝子、MINT1遺伝子、MINT2遺伝子、MINT31遺伝子およびHCAD遺伝子。
・メチル化の検出
続いて検体からゲノムDNAを得るために、検体と細胞溶解液とを混合した後、一定時間、混合溶液を加熱した。この処理により検体中の細胞を溶解液によって破壊し、その細胞中のゲノムDNAを抽出した。なお、細胞溶解工程での溶解液の組成、濃度、反応温度、および反応時間等の反応条件は、特許文献3に記載された条件によった。
反応溶液:(10pmolプライマー:2μl重亜硫酸塩修飾DNA:10×PCR緩衝液:2mMdNTP:25mM塩化マグネシウム:AmpliTaqGold DNAポリメラーゼ0.25単位;最終反応容量20μl中)
反応条件:(95℃で10分間):[(94℃で15秒間):(AT(アニーリング温度)で1分間):(72℃で1分間)]35から40サイクル:(72℃で7分間)
増幅後のPCR産物の検出を3%アガロースゲルで電気泳動してメチル化の有無を検出した。またPCR産物の分子量に相当するバンドの有無およびその産物サイズ(productsize)をマーカー(50塩基対ladder)で検出した。
・結果
得られた検出結果を図1−1,2および2−1,2,3に示した。KIP2遺伝子についての電気泳動結果を図1−1に、上記11個の遺伝子についての電気泳動結果を図1−2に示す。健常者PBMC(末梢血単核球)はもちろん、悪性所見のない(NEM;No evidence of malignancy)患者(たとえば慢性胃炎等)、完全寛解の患者では、KIP2遺伝子を始めとする11個の遺伝子のプロモーター領域に存在するCpG島のメチル化は認められなかった。これに対して、MALTリンパ腫の各病態では、これらの11個の遺伝子についてメチル化が起きていることが観察された。
(各遺伝子のメチル化頻度)
図2-1、2-2、2-3に示した結果をもとに、病型の進展とメチル化が確認される遺伝子との相関性を統計解析により評価した。評価は、判別をする二つの疾患、病態の群を、さらにそれぞれ対象である遺伝子のプロモーター領域がメチル化されている遺伝子数の平均値の有意差を評価する統計解析をFisherの直接確率検定(両側確率)(SPSS,14.0J, SPSS Inc.,)により行なった。p=0.05を有意水準とした。表2と図7に、検索した11個の遺伝子のメチル化頻度を調べた被験者グループ間で比較した結果が示されている。有意差が認められた場合を網掛けで表示している。
(遺伝子メチル化の同時性)
MALTリンパ腫用遺伝子セットである11種の遺伝子間において、MALTリンパ腫発病で同時にメチル化される遺伝子間の相関関係を表5および図8にまとめた。
(指標CIMP(+)に基づく解析)
ここでは、MALTリンパ腫、進行した病態とメチル化を対応させる指標として、CIMPをもとに統計解析を行なった。一般的に、CIMP(CpG Island Methylator Phenotype)とは、いろいろな特異的標的遺伝子群のプロモーター領域のCpG島が高頻度にメチル化され、それにより、それらの標的遺伝子群の発現が次々に消失する表現型のことを指す。ここでは11種の遺伝子群(KIP2、p16,p15,p73,hMLH,MGMH,DAPK,MINT1,MINT2,MINT31,HCAD)のうち、4つ以上の遺伝子がCIMPにある場合をCIMP(+):Positiveと表すこととした(図5)。
本発明の検査方法に関連して、実際はMALTリンパ腫の検出と、治療後の観察、その病型の進展のモニタリングを、次のように行なうことができる。まず、一次スクリーニングとして、MALTリンパ腫の発症高リスク群である、Helicobacterpyroli菌キャリアを対象として、上記の実施例1に示したように11種遺伝子のセットのうち、どの遺伝子がメチル化され、メチル化されていないかという視点からデータを分析して、MALTリンパ腫の発症可能性について調べる。前臨床状態にあって発症していると判定された患者については、Helicobacterpyroli菌の除菌療法を含む早期治療を行う中で、CIMP指標および11種遺伝子セットのうち各病型の進展段階に応じた鋭敏な遺伝子のメチル化に基づき経過観察を続ける。CIMPがポジティブであり、かつ11種の遺伝子群のうちメチル化された遺伝子の個数および各病型の進展段階に応じた鋭敏な遺伝子のメチル化指標が増加傾向を示した場合には、病型の進展を疑い、精密な検査をさらに行なう。
Claims (8)
- 非腫瘍群とMALTリンパ腫群との区別、ならびにMALTリンパ腫群間の判別を可能とする検査方法であって、検体中のKIP2遺伝子、p15遺伝子、p16遺伝子、p73遺伝子、hMLH遺伝子、DAPK遺伝子、MGMT遺伝子、MINT1遺伝子、MINT2遺伝子、MINT31遺伝子およびHCAD遺伝子よりなる遺伝子群の遺伝子のプロモーター領域におけるCpG島のメチル化頻度を測定することによりメチル化プロファイルを作成し、得られた遺伝子メチル化パターンから、指標としてCIMPおよびMSP陽性平均遺伝子数を求め、CIMPの値が4以上であるか、あるいはMSP陽性平均遺伝子数が1.4を超える場合に悪性リンパ腫群として非腫瘍群から区別すること、さらにこれらの指標の変化ならびにKIP2遺伝子についてのメチル化状況の変化を基に悪性リンパ腫群間の病型を判別することを含み、MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ、MALTリンパ腫の進展を評価するためのデータ、あるいはMALTリンパ腫の発症を予見するためのデータを提供することを特徴とするMALTリンパ腫の検査方法。
- Helicobacter pyroli菌キャリアである被験者からの検体について実施される、請求項1に記載のMALTリンパ腫の検査方法。
- MALTリンパ腫の検出および/または診断のためのデータ、MALTリンパ腫の進展を評価するためのデータ、あるいはMALTリンパ腫の発症を予見するためのデータは、MALTリンパ腫発症の証拠または前臨床期状態の検出、MALTリンパ腫の病型の判別、高悪性度MALTリンパ腫もしくはDLBCLへの進展の評価、あるいはMALTリンパ腫の発症可能性の評価を可能とするデータである、請求項1または2に記載のMALTリンパ腫の検査方法。
- 前記メチル化頻度の検出にメチル化感受性制限酵素を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のMALTリンパ腫の検査方法。
- 前記メチル化頻度の検出を、検体を溶解して得た細胞溶解液を直接に重亜硫酸塩で処理し、検体から遺伝子DNAを抽出せずに行なうことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のMALTリンパ腫の検査方法。
- 前記検体が、扁桃、骨髄、リンパ節、消化器、呼吸器、脾臓、肝臓、感覚器、中枢神経系、運動器、皮膚、泌尿生殖器、乳腺を含む外分泌器、甲状腺を含む内分泌器および末梢血よりなる群から選択された器官、組織から採取された細胞含有検体である、請求項1〜5のいずれかに記載のMALTリンパ腫の検査方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の検査方法を実施するためのキットであり、検体を溶解するための溶解液、重亜硫酸塩含有試薬、メチル化検出増幅試薬を少なくとも含み、検体中のKIP2遺伝子、p15遺伝子、p16遺伝子、p73遺伝子、hMLH遺伝子、DAPK遺伝子、MGMT遺伝子、MINT1遺伝子、MINT2遺伝子、MINT31遺伝子およびHCAD遺伝子よりなる遺伝子群の遺伝子プロモーター領域におけるCpG島のメチル化頻度を測定してそれらのメチル化パターンのプロファイルを作製することを特徴とするキット。
- 前記検体が、扁桃、骨髄、リンパ節、消化器、呼吸器、脾臓、肝臓、感覚器、中枢神経系、運動器、皮膚、泌尿生殖器、乳腺を含む外分泌器、甲状腺を含む内分泌器および末梢血よりなる群から選択された器官、組織から採取された細胞含有検体であり、これを前記溶解液によって溶解して得られた細胞溶解液を、それよりDNAを抽出することなく直接に重亜硫酸塩の処置をすることを特徴とする請求項7に記載のキット。
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