JP5008504B2 - 刃物の芯高測定装置 - Google Patents
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Description
(1)カラー17を作成し、枢軸11の把持部11aに固定する。カラー17は、高精度の加工を行う場合、望ましくは芯高測定対称である外径バイトで加工すべきワークの径と同じ径にしたものをワークから切り出す等して使用する。また、チャック2の爪2aもワークの径に合ったものが使用される。
図6に示すように、芯高測定装置の枢軸11のカラー17が被さった把持部11aを主軸のチャック2で把持する。これにより、この芯高測定装置の全体が主軸の先端に固定され、主軸の上記Z軸に枢軸11の軸心が略合致する。
第一と第二のロック手段のノブ付きロックネジ35a,36aを解放側に回し、第三のロック手段のノブ付きロックネジ42を固定側に回し、刃物台4等に固定した第一の変位センサであるダイヤルゲージ15の触子15aを第三の回動体14の円周面14bに接触させたうえで、主軸を手動等により回転させ、ダイヤルゲージ15の指針が振れないことを確認する。このダイヤルゲージ15は第一の変位センサとは別物であってもよいし、ダイヤルゲージに限られるものでもない。
枢軸11の軸心がZ軸から偏倚している場合は、ダイヤルゲージ15の指針が振れて、Z軸に対し枢軸11の軸心が偏っていることと、その偏りの程度を示す。作業者は円周面14bの変位をダイヤルゲージ15により視認し、この芯高測定装置の枢軸11をチャッキングし直すことで、枢軸11の軸心をZ軸に合致させる。これにより、より精度の高い芯高の測定が可能になる。
第一の回動体12が静止すると、第一のロック手段のノブ付きロックネジ35aを固定側に操作し、第一の回動体12を枢軸11に対して回らないように固定する。
また、第二の回動体13が静止すると、第二のロック手段のノブ付きロックネジ36aを固定側に操作し、第二の回動体13を第一の回動体12に固定し、この第一の回動体12を介して枢軸11に対し回らないように固定する。
主軸は以後測定終了まで回転させることなく静止させる。
通常の場合、ゲージ面14aは当初X軸に対して多少偏っている。刃物台4がX軸に平行に移動すると、第一のセンサであるダイヤルゲージ15の触子15aがゲージ面14aを走査して、ゲージ面14aのX軸に対する偏りを検出する。一方、作業者は第三の回動体14を少しずつ回しながらダイヤルゲージ15の図示しない指針の振れを少なくする。指針が振れなくなるまで第三の回動体14の微小回転と刃物台4の移動とを繰り返す。そして、指針が動かなくなったところで第三の回動体14を静止させる。これにより、ゲージ面14aにX軸が合致し、ゲージ面14aの傾斜角が刃物台4のスラント角θに等しくなる。
このように、第一の変位センサの出力であるダイヤルゲージ15の目盛りを見ながら第三の回動体14を回転させるので、ゲージ面14aをX軸に正確に合致させることができる。
続いて、第三のロック手段のノブ付きロックネジ42を固定側に操作し、第三の回動体14を第二の回動体13に対し回らないように固定する。また、第二の変位センサであるダイヤルゲージ16の指針16bを目盛りの零に合わせる。また、必要に応じて第一の変位センサであるダイヤルゲージ15を刃物台4から除去する。
これにより、芯高測定の準備が整ったことになる。
図7Bに示すように、第二の変位センサであるダイヤルゲージ16の触子16aは、枢軸11の軸心すなわちZ軸を中心とし、角部32bを通る円の接線上に位置している。すなわち、図7B中、Z軸から角部32bまでの距離とZ軸から触子16aまでの距離は共にR0になっている。これにより、ゲージ面14aの外径バイト47の接触位置の変位が正確に検出されることになる。
外径バイト47の刃先47aをゲージ面14aの反対側の角部32aに押し付けて芯高を測定することも可能である。
その後、第二のロック手段のノブ付ロックネジ36aを固定側に回して第二及び第三の回動体13,14を枢軸11側に固定する。そして、主軸のチャック2の爪を開いてこの芯高測定装置を主軸から除去し保管する。
(1)上記外径バイト47の場合における(1)〜(3)の操作と同様な操作を行って、芯高測定の準備を整える。
図8Bに示すように、第二の変位センサであるダイヤルゲージ16の触子は、枢軸11の軸心すなわちZ軸を中心とし、角部33bを通る円の接線上に位置している。すなわち、図8B中、Z軸から角部33bまでの距離とZ軸から触子16aまでの距離は共にRiである。これにより、ゲージ面14aにおける内径バイト48の接触位置の変位が正確に検出されることになる。
内径バイト48の刃先48aをゲージ面14aの反対側の角部33aに押し付けることによっても芯高を測定することができる。
その後、第二のロック手段のノブ付きロックネジ36aを固定側に回して第二及び第三の回動体13,14を枢軸11側に固定する。そして、主軸のチャック2の爪を開いてこの芯高測定装置を主軸から除去し保管する。
(1)上記外径バイト47の場合における(1)〜(3)の操作と同様な操作を行って、芯高測定の準備を整える。
図9Bに示すように、第二の変位センサであるダイヤルゲージ16の触子16aは、枢軸11の軸心すなわちZ軸を中心とし、角部32bを通る円の接線上に位置している。すなわち、図9B中、Z軸から角部32bまでの距離とZ軸から触子16aまでの距離は共にR0になっている。これにより、ゲージ面14aにおけるドリル49の接触位置の変位が正確に検出されることになる。
なお、リーマ、小径砥石の場合もそれらの円周面に刃を有する刃物であるから、ドリルの場合と同様にして芯高Hを求め、同様に零にすることができる。
高精度の加工を必要とする場合等必要に応じて、再度次のような操作を行って主軸のZ軸に枢軸11の軸心を正確に合致させる。
すなわち、第一と第二のロック手段の各ノブ付きロックネジ35a,36aを解放側に回し、第三のロック手段のノブ付きロックネジ42を固定側に回し、刃物台4等に固定したダイヤルゲージ15の触子15aを第三の回動体14の円周面14bに接触させたうえで、主軸を手動等により回転させ、ダイヤルゲージ15の指針が振れないことを確認する。枢軸11の軸心がZ軸から偏倚している場合は、ダイヤルゲージ15の指針が振れて、Z軸に対し枢軸11の軸心が偏っていることと、その偏りの程度を示す。作業者は円周面14bの変位をダイヤルゲージ15により視認し、この芯高測定装置の枢軸11をチャッキングし直すことで、枢軸11の軸心をZ軸に合致させる。これにより、より精度の高い芯高の測定が可能になる。
4…刃物台
11…枢軸
12…第一の回動体
12a…錘部
13…第二の回動体
13a…錘部
14…第三の回動体
14a…ゲージ面
14b…円周面
15,16…ダイヤルゲージ
16a…ダイヤルゲージの触子
17…カラー
35a,36a,42…ノブ付きロックネジ
47…外径バイト
47a…外径バイトの刃先
48…内径バイト
48a…内径バイトの刃先
49…ドリル
49a…円周面
49b…ドリルの刃先
H…芯高
Claims (7)
- 工作機械の刃物台が主軸の軸心であるZ軸と直交するX軸に平行に移動する場合における刃物の刃先が移動する軌跡と、上記Z軸との間の距離を芯高として求める芯高測定装置において、上記主軸のチャックに上記Z軸に軸心が合致するように把持される枢軸と、この枢軸の上記チャック側に枢支される、下方に錘部を有した第一の回動体と、上記枢軸の先端側に枢支される、下方に錘部を有した第二の回動体と、この第二の回動体に上記枢軸の軸心を中心に回動可能に枢支される、上記枢軸の軸心を含みこの軸心に直交する方向に延びるゲージ面を有した第三の回動体と、上記第一の回動体を上記枢軸に対して固定又は解放する第一のロック手段と、上記第二の回動体を上記第一の回動体に対して固定又は解放する第二のロック手段と、上記第三の回動体を上記第二の回動体に対して固定又は解放する第三のロック手段と、上記錘部が静止したうえで上記第一と第二のロック手段が固定され、上記第三のロック手段が解放された時に、上記刃物台が上記X軸に平行に移動すると同時に上記ゲージ面を走査して、上記ゲージ面の上記X軸に対する偏りを検出する上記刃物台に取り付けられた第一の変位センサと、上記第一と第三のロック手段が固定され上記第二のロック手段が解放された時に、上記Z軸を中心にした上記ゲージ面の片側に上記刃物が当てられることにより生じる上記ゲージ面の変位を芯高として又は芯高を割り出す量として検出する上記第一の回動体に取り付けられた第二の変位センサとを具備することを特徴とする芯高測定装置。
- 請求項1に記載の芯高測定装置において、第三の回動体に枢軸の軸心を中心とした円周面が形成され、この円周面に対向するように変位センサが所定位置に固定され、第一と第二のロック手段が解放され、第三のロック手段が固定されたうえで主軸が回転する時の上記円周面の変位が、Z軸に対する上記枢軸の軸心の偏りとして上記変位センサにより検出されるようにしたことを特徴とする芯高測定装置。
- 請求項1に記載の芯高測定装置において、第二の変位センサがダイヤルゲージであり、枢軸の軸心を中心とし、ゲージ面の刃物の接触位置を通る円の接線上に上記ダイヤルゲージの触子が配置され、この触子に第二の回動体が当接していることを特徴とする芯高測定装置。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の芯高測定装置において、第二の変位センサが、枢軸の軸心に直交する方向に沿って位置変更可能に第一の回動体に取り付けられたことを特徴とする芯高測定装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の芯高測定装置において、刃物が外径バイト又は内径バイトであり、第二の変位センサにより求められたゲージ面の変位が芯高とされることを特徴とする芯高測定装置。
- 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の芯高測定装置において、刃物がその円周面に刃を有し、この円周面がゲージ面に当てられることにより第二の変位センサにより求められたゲージ面の変位からこの刃物の半径が減じられた量が芯高とされることを特徴とする芯高測定装置。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の芯高測定装置において、枢軸における主軸のチャックに把持される部分が、枢軸に対して着脱自在に形成され、かつ、芯高測定対象である刃物で切削しようとするワークの径に等しく形成されていることを特徴とする芯高測定装置。
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