JP6858402B2 - 刃先情報取得装置および刃先情報取得方法 - Google Patents

刃先情報取得装置および刃先情報取得方法 Download PDF

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本発明は、切削加工に用いられる工具の刃先情報を取得する技術に関する。
切削加工を行う工作機械では、工具(「切削工具」と呼ばれる)の刃先をワーク(「被加工物」と呼ばれる)に当接させることによってワークを切削する。このような工作機械では、工具の刃先位置が加工精度に影響するため、工具の刃先位置に関する刃先情報を取得する必要がある。
工具の刃先情報を取得する刃先情報取得装置として、例えば、特許文献1に開示されているツールプリセッターが知られている。特許文献1に開示されているツールプリセッターは、工具、工具保持具、スピンドル、測定装置を備えている。工具は、工具保持具に保持され、さらに、工具保持具は、スピンドルに保持される。また測定装置は、工具を挟んで両側に配置される発光器と受光器により構成されている。測定装置は、発光器から照射された光が、工具によって遮られて受光器で受光されていない状態、あるいは、発光器から照射された光が、工具によって遮られずに受光器で受光されている状態、すなわち受光器の受光状態を示す測定信号を出力する。そして、測定装置から出力される測定信号に基づいて、工具の刃先情報を取得する。
特開平10−138093号公報
工作機械として、工具の刃先に対してワークを移動させながら切削加工を行う工作機械が用いられている。このような工作機械では、工具は工具保持具に保持され、さらに、工具保持具は、スピンドルに保持される。工具保持具には、回転軸回りの工具保持具基準位相が設定される。
このような工作機械では、刃先径、刃先高さ、芯高等を含む刃先情報を取得する必要がある。刃先径は、工具の刃先と回転軸との間の距離(刃先半径)を示す。刃先高さは、工具の刃先と、工具保持具が載置されているスピンドル載置面との間の距離を示す。芯高は、工具の刃先と工具保持具基準位相との間の、回転軸と直交する平面上における距離を示す。
特許文献1に開示されている、発光器と受光器により構成される測定装置を備えるツールプリセッターを用いて、このような刃先径、刃先高さおよび芯高等を含む刃先情報を取得することが考えられる。この場合、発光器と受光器の配置方向を、刃先径と刃先高さを測定する時と、芯高を測定する時とで変更する必要がある。あるいは、発光器と受光器の配置方向が異なる2つの測定装置を用いる必要がある。発光器と受光器の配置方向を変更可能に構成された1つの測定装置を用いる方法あるいは発光器と受講の配置方向が異なる2つの測定装置を用いる方法のいずれも、コストが増加する。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、工具の刃先情報を簡単な構成で取得することができる技術を提供することを目的とする。
第1発明は、互いに直交する第1軸、第2軸および第3軸により規定される3次元直交座標系における、工具の刃先情報を取得する刃先情報取得装置に関する。本発明の刃先情報取得装置は、好適には、ツールプリセッターとして構成される。互いに直交する第1軸、第2軸および第3軸により規定される3次元直交座標系は、典型的には、互いに直交するx軸、y軸およびz軸により規定される3次元直交座標系が対応する。この場合、第1軸、第2軸および第3軸と、x軸、y軸およびz軸との対応関係は、適宜設定可能である。
本発明は、工具を保持可能な工具保持具、工具保持具を保持可能であるとともに、第3軸に平行な回転軸を中心に回転可能なスピンドル、工具の刃先の位置を示す測定信号を出力する測定装置、スピンドルを回転させる駆動装置、スピンドルの回転角度を示す回転角度信号を出力する回転角度検出装置および刃先情報を判別(取得)する処理装置を備えている。
工具保持具には、回転軸回りの工具保持具基準位相が設定される。また、スピンドルには、回転軸回りのスピンドル基準位相が設定される。工具保持具は、工具保持具基準位相がスピンドル基準位相と一致するようにスピンドルに保持される。工具保持具基準位相がスピンドル基準位相と一致するように、工具保持具をスピンドルに保持する保持機構としては、公知の種々の保持機構を用いることができる。
スピンドル基準位相は、第1軸および第2軸に沿って延在する平面、すなわち、第3軸と直交する平面上において、回転軸回りの所定方向が回転基準位置として規定される。好適には、第1軸および第2軸に沿って延在する平面上において、回転軸から、第1軸に沿った一方側に、第1軸に平行に延在する方向が、スピンドル基準位相の、回転軸回りの回転基準位置として規定される。スピンドル基準位相の、回転軸回りの回転基準位置を規定することにより、スピンドルが回転軸を中心に回転した場合におけるスピンドル基準位相の回転位置を、回転基準位置からの回転角度として判別することができる。なお、工具保持具基準位相とスピンドル基準位相が一致するように工具保持具がスピンドルに保持されるため、スピンドル基準位相の、回転軸回りの回転基準位置は、工具保持具基準位相の、回転軸回りの回転基準位置でもある。
本発明では、少なくとも芯高を含む刃先情報を取得する。芯高は、工具の刃先と工具保持具基準位相との間の、回転軸と直交する平面上における距離を示す。
測定装置は、発光器とカメラによって構成される。発光器は、工具に対して、所定方向(スピンドル基準位相の回転基準位置を規定する方向)と交差する第1方向に沿って一方側に、第1方向に沿って他方側に光を照射するように配置される。カメラは、工具に対して、第1方向に沿って他方側に、第1方向と交差する第2方向に沿って受光面が延在するように配置される。測定装置は、工具の刃先と回転軸との間の、第1方向に沿った距離Mを示す信号を測定信号として出力する。
所定方向、第1方向および第2方向は、適宜設定可能である。好適には、所定方向として、第1軸と平行な方向が設定され、第1方向として、第1軸と直交する第2軸と平行な方向が設定され、第2方向として、第2軸と直交する方向が設定される。この場合、発光器とカメラは、第1軸と直交する第2軸に平行な方向に配置される。また、カメラの受光面は、第2軸と直交する第1軸および第3軸に沿って延在する。また、測定装置は、工具の刃先と回転軸との間の、第1軸に沿った距離を測定する。
回転角度検出装置は、スピンドル基準位相の、回転軸回りの、回転基準位置からの回転角度θを示す信号を回転角度信号として出力する。好適には、回転基準位置からの、周方向に沿った一方方向側の回転角度θを直接的に示す回転角度信号を出力する回転角度検出装置が用いられる。勿論、回転基準位置からの回転角度θを間接的に示す回転角度信号を出力する回転角度検出装置を用いることもできる。
処理装置は、回転角度検出装置から出力される回転角度信号および測定装置から出力される測定信号に基づいて、異なる回転角度θに対する距離Mのうちの最大距離Mmaxを判別するとともに、距離Mが最大距離Mmaxとなった時の回転角度θmaxを判別する。そして、最大距離Mmaxと回転角度θmaxに基づいて、工具の刃先と工具保持具基準位相との間の、回転軸と直交する平面上における距離Lを示す芯高を算出(判別)する。距離Lの算出方法(判別方法)としては、回転軸を中心とする周方向に沿った、工具の刃先と工具保持具基準位相との配置関係に応じて距離Lが正または負となる算出方法を用いるのが好ましい。この場合、距離Lの正負によって、工具の刃先が、工具保持具基準位相に対して、周方向に沿っていずれの方向に離れているかを判別することができる。距離Lは、例えば、[L=Mmax×sin(−θmax)]あるいは[L=Mmax×sin(θmax)]により算出することができる。
なお、通常、工具が工具保持具に保持されている状態では、回転軸に直交する平面上において、工具の刃先は、工具保持具基準位相の近傍(工具保持具基準位相と一致する場合を含む)に配置される。このため、所定の回転角度範囲内において、例えば、スピンドル基準位相(工具保持具基準位相)が回転基準位置に一致している状態から所定の回転角度範囲において、距離Mを測定することもできる。この場合、距離Mのうちの最大値あるいは距離Mの極大値を最大距離Mmaxとして判別する。本発明の「距離Mのうちの最大距離Mmaxを判別する」構成は、「所定の角度範囲内において測定した距離Mの極大値を判別する」態様を包含する。
本発明では、スピンドル基準位相(工具保持具基準位相)の回転基準位置を規定する所定方向と交差する方向に沿って配置される発光器とカメラにより構成される測定装置を用いることによって、芯高を含む刃先情報を簡単な構成で取得することができる。
第1発明の他の形態では、処理装置は、最大距離Mmaxに基づいて、刃先径を判別する。刃先径は、工具の刃先と回転軸との間の距離(刃先半径)Rを示す。
本形態では、芯高と刃先径を含む刃先情報を簡単な構成で取得することができる。
第1発明の他の形態では、工具保持具は、スピンドルのスピンドル端面に載置される。また、測定装置は、工具の刃先と回転軸との間の、所定方向に沿った距離Mおよび工具の刃先とスピンドル端面との間の、第3軸に沿った距離Hを示す信号を測定信号として出力する。そして、処理装置は、測定装置から出力される測定信号に基づいて、刃先高さを判別する。刃先高さは、工具の刃先とスピンドル端面との間の、回転軸に沿った距離Hを示す。
本形態では、芯高と刃先高さあるいは芯高、刃先径と刃先高さを含む刃先情報を簡単な構成で取得することができる。
第2発明は、互いに直交する第1軸、第2軸および第3軸により規定される3次元直交座標系における、工具の刃先情報を取得する刃先情報取得方法に関する。本発明の刃先情報取得方法は、好適には、ツールプリセッターを用いて実行される。
本発明は、第1〜第4ステップを有している。
第1ステップでは、工具を保持している工具保持具を、第3軸と平行な回転軸を中心に回転可能なスピンドルに保持する(装着する)。この時、工具具保持具の、回転軸回りの工具保持具基準位相が、スピンドルの、回転軸回りのスピンドル基準位相と一致するように、工具保持具がスピンドルに保持される。
スピンドル基準位相は、第1軸および第2軸に沿って延在する平面上における、回転軸回りの所定方向が回転基準位置として規定される。好適には、第1軸および第2軸に沿って延在する平面上において、回転軸から、第1軸に沿った一方側に、第1軸に平行に延在する方向が、スピンドル基準位相の、回転軸回りの回転基準位置として規定される。
スピンドル基準位相が回転基準位置と一致するように、スピンドルの回転位置が設定されると、工具保持具基準位相も回転基準位置と一致する。
第2ステップでは、スピンドルを、回転軸回りに、回転基準位置から回転角度θ回転させる。そして、この状態で、工具に対して、所定方向(スピンドルの、回転軸回りの回転基準位置を規定する方向)と交差する第1の方向に沿って一方側に配置され、第1方向に沿って他方側に光を照射する発光器と、工具に対して、第1方向に沿って他方側に、第1方向と交差する第2方向に沿って受光面が延在するように配置されるカメラとを用いて、工具の刃先と回転軸との間の、所定方向に沿った距離Mを示す測定信号を得る。カメラから出力される、受光素子の受光状態を示す出力信号は、測定装置から出力される測定信号に対応する。
所定方向、第1方向および第2方向は、適宜設定可能である。好適には、所定方向として、第1軸と平行な方向が設定され、第1方向として、第1軸と直交する第2軸と平行な方向が設定され、第2方向として、第2軸と直交する方向が設定される。この場合、発光器とカメラは、第1軸と直交する第2軸に平行な方向に配置される。また、カメラの受光面は、第2軸と直交する第1軸および第3軸に沿って延在する。また、測定装置は、工具の刃先と回転軸との間の、第1軸に沿った距離を測定する。
第3ステップでは、0度を含む複数の異なる回転角度θに対して第2ステップの処理を実行する。すなわち、0度を含む複数の異なる回転角度θにおいて距離Mを測定する。
第4ステップでは、距離Mのうちの最大距離Mmaxを判別するとともに、距離Mが最大距離Mmaxとなった時の回転角度θmaxを判別する。そして、最大距離Mmaxと回転角度θmaxに基づいて、工具の刃先と工具保持具基準位相との間の、回転軸と直交する平面上における距離Lを示す芯高を算出(判別)する。距離Lの算出方法(判別方法)としては、回転軸を中心とする周方向に沿った、工具の刃先と工具保持具基準位相との配置関係に応じて距離Lが正または負となる算出方法を用いるのが好ましい。距離Lは、例えば、[L=Mmax×sin(−θmax)]あるいは[L=Mmax×sin(θmax)]により算出することができる。
本発明では、スピンドル基準位相(工具保持具基準位相)の回転基準位置を規定する所定方向と交差する方向に沿って配置される発光器とカメラにより構成される測定装置を用いることによって、芯高を含む刃先情報を簡単な構成で取得することができる。
第2発明の他の形態では、第4ステップにおいて、最大距離Mmaxに基づいて、刃先径を判別する。刃先径は、工具の刃先と回転軸との間の距離(刃先半径)Rを示す。
本形態では、芯高と刃先径を含む刃先情報を簡単な構成で取得することができる。
第2発明の他の形態では、第1ステップにおいて、スピンドルのスピンドル端面に工具保持具が載置されるように、工具保持具をスピンドルに保持する(装着する)。また、第2ステップにおいて、工具の刃先と回転軸との間の、所定方向に沿った距離Mおよび工具の刃先とスピンドル端面との間の、第3軸に沿った距離Hを示す測定信号を得る。そして、第4ステップにおいて、測定信号に基づいて、刃先高さを判別する。刃先高さは、工具の刃先とスピンドル端面との間の、回転軸に沿った距離を示す。
本形態では、芯高と刃先高さあるいは芯高、刃先径と刃先高さを含む刃先情報を簡単な構成で取得することができる。
本発明の刃先情報取得装置および刃先情報取得方法では、工具の刃先情報を簡単な構成で取得することができる。
工具を保持する工具保持具がスピンドルに保持されている状態を示す図である。 図1の矢印IIで示されている方向(y軸に平行な方向)から見た図であり、刃先高さを説明する図である。 図1の矢印IIIで示されている方向(z軸に平行な方向)から見た図であり、刃先径および芯高を説明する図である。 本発明の刃先情報取得装置の概略構成を説明する図である。 本発明における刃先情報を取得する動作を説明する図である。 本発明における刃先情報を取得する動作を説明する図である。 本発明における刃先情報を取得する動作を説明する図である。 本発明における刃先情報を取得する動作を説明する図である。 本発明の刃先情報取得装置の一実施形態のブロック図である。 スピンドル基準位相(工具保持具基準位相)の、回転回りの、回転基準位置からの回転角度θ(度)と、刃先と回転軸との間の、x軸に平行な方向に沿った距離M(mm)との関係を示すグラフである。 複数の工具を保持する工具保持具を示す図である。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
先ず、本発明の刃先情報取得装置及び刃先情報取得方法により取得する工具の刃先情報について、図1〜図3を参照して説明する。なお、図1は、互いに直交するx軸、y軸およびz軸により規定される3次元直交座標系(以下、「x−y−z座標系」という)において、工具300を保持している工具保持具200がスピンドル100に保持されている状態を示している。図2は、図1の矢印IIで示されている方向(y軸に平行な方向)から見た図であり、図3は、図1の矢印IIIで示されている方向(z軸に平行な方向)から見た図である。
3次元直交座標系のx軸、y軸およびz軸が、それぞれ本発明の「第1軸」、「第2軸」および「第3軸」に対応する。なお、本発明の「第1軸」、「第2軸」および「第3軸」と、x軸、y軸およびz軸との対応関係は、適宜設定可能である。
スピンドル100は、z軸と平行な回転軸Cを中心に回転可能に構成されている。また、スピンドル100は、工具保持具200のシャンク部210が挿入される工具保持具挿入空間を形成するスピンドル内周面(図示省略)と、スピンドル端面101を有している。工具保持具200は、スピンドル端面101に載置される。
工具保持具200は、シャンク部210、フランジ部220、工具保持部230を有している。工具保持具200の工具保持具外周面240は、第1〜第5の工具保持具外周面部分241〜245を有している。第1の工具保持具外周面部分241は、シャンク部210に対応する部分に形成され、シャンク部外周面を構成する。第2〜第4の工具保持具外周面部分242〜244は、フランジ部220に対応する部分に形成され、それぞれフランジ部220の第1フランジ部端面、フランジ部外周面および第2フランジ部端面を構成する。第5の工具保持具外周面部分245は、工具保持部230に対応する部分に形成され、工具保持部外周面を構成する。また、工具保持具200は、回転軸Cに沿って、シャンク部210と反対側に工具保持具端面250を有している。
工具保持具200には、工具300が保持される。工具300は、好適には、工具保持具200に着脱自在に保持される。工具300は、刃先301を有している。図1では、工具300の刃先301は、工具保持具外周面(第5の工具保持具外周面部分)245および工具保持具端面250から飛び出ている。工具300の刃先301がワークの加工部に当接することによって、ワークが切削加工される。
工具保持具200には、回転軸C回りの工具保持具基準位相Sが設定されている。工具保持具基準位相Sは、好適には、回転軸Cと直交する平面(図3参照)上において、工具保持具200に保持されている工具300の刃先301の近傍を通る(刃先301を通る場合を含む)ように設定される。
また、スピンドル100には、回転軸C回りのスピンドル基準位相Kが設定されている。
そして、工具保持具200は、工具保持具基準位相Sがスピンドル基準位相Kと一致するように、スピンドル100に保持(装着)される。工具保持具基準位相Sがスピンドル基準位相Kと一致するように、工具保持具200をスピンドル100に保持する保持機構としては、公知の種々の構成の保持機構を用いることができる。
スピンドル基準位相Kは、z軸に直交するx−y平面上における、回転軸C回りの所定方向が回転基準位置として規定される。本実施形態では、回転軸Cから、x軸に平行に、x軸に沿って一方側に延在する方向が、スピンドル基準位相Kの回転基準位置として規定されている。図3では、x−y−z座標系のx−y平面上において、回転軸C回りの角度α0の線が、回転基準位置として規定されている。なお、本実施形態では、工具保持具基準位相Sがスピンドル基準位相Kと一致するように、工具保持具200がスピンドル100に保持されるため、スピンドル基準位相Kの、回転軸C回りの回転基準位置は、工具保持具基準位相Sの、回転軸C回りの回転基準位置でもある。すなわち、本発明の、「スピンドル基準位相は、第1軸および第2軸に沿って延在する平面上における、回転軸回りの所定方向が回転基準位置として規定される」という構成は、「工具保持具基準位相は、第1軸および第2軸に沿って延在する平面上における、回転軸回りの所定方向が回転基準位置として規定される」という構成と等価である。
本実施形態では、スピンドル基準位相Kの回転基準位置からの回転角度θを容易に判別することができるようにするために、スピンドル基準位相Kの、回転軸C回りの角度αを検出する角度検出装置として、スピンドル基準位相Kが回転基準位置と一致する時の角度α0が0度を示し、スピンドル100が、周方向に沿って一方方向(例えば、図3に矢印で示されている反時計方向)に回転するにともなって増加する回転検出信号を出力する角度検出装置が用いられる。この場合、角度検出装置から出力される角度検出信号で示される角度αが、スピンドル基準位相K(工具保持具基準位相S)の、回転基準位置からの回転角度θを示す。
図2において、工具保持具200に保持されている工具300の刃先301と、工具保持具200が載置されているスピンドル端面101との間の、z軸(回転軸C)に沿った距離Hが、「刃先高さ」を示している。
また、図3において、工具保持具200に保持されている工具300の刃先301と回転軸Cとの間の距離Rが、「刃先径(刃先半径)」を示している。
また、図3において、工具保持具200に保持されている工具300の刃先301と工具保持具基準位相Sとの間の、x−y平面上における距離Lが、「芯高」を示している。
次に、本発明の刃先情報取得装置および刃先情報取得方法における刃先情報(刃先径、刃先高さ、芯高)を取得する動作の概要を、図4〜図8を参照して説明する。なお、図4は、本発明の刃先情報取得装置の概略構成を示す図であり、図5〜図8は、図4の矢印Vで示されている方向(z軸と平行な方向)から見た図であり、刃先情報取得動作を説明する図である。
本実施形態の刃先情報取得装置を構成する、工具300の刃先301の位置を示す測定信号を出力する測定装置430は、発光器440とカメラ450を有している。発光器440としては、レーザー発光器やLED発光器等が用いられる。カメラ450は、CCDやCMOS等の受光素子が配置されている受光面451を有している。
発光器440およびカメラ450は、工具300に対して、スピンドル基準位相Kの、回転軸C回りの回転基準位置を規定する所定方向と交差する第1方向に沿って両側に配置される。また、カメラ450は、受光面451が、第1方向と交差する第2方向に沿って延在するように配置される。
本実施形態では、スピンドル基準位相Kの回転基準位置を規定する所定方向として、回転軸Cから、x軸に平行に、x軸に沿って一方側に延在する方向(図3において、角度α0の方向)が設定されている。また、所定方向と交差する第1方向として、x軸と直交するy軸に平行な方向が設定されている。また、第1方向と交差する第2方向として、y軸と直交するx軸およびz軸に沿って延在する方向が設定されている。すなわち、測定装置430を構成する発光器340とカメラ350は、工具300に対して、x軸と直交するy軸に平行な方向に沿って両側に配置されている。また、カメラ450は、受光面451が、y軸と直交するx軸およびz軸に沿って延在するように配置されている。
発光器440およびカメラ450は、x軸およびz軸に沿って移動可能に構成されている。これにより、カメラ450として、受光面451の面積が小さい、すなわち、受光素子の数が少ない安価なカメラを用いることができる。
カメラ450は、各受光素子の受光状態、すなわち、発光器440から照射された光が、工具300によって遮られて受光素子で受光されていない状態、あるいは、発光器440から照射された光が、工具300によって遮られずに受光素子で受光されている状態を示す出力信号を出力する。カメラ450から出力される出力信号に基づいて、工具300の刃先301の、カメラ450の受光面451上の位置を判別することができる。本実施形態では、受光面451は、y軸と直交するx軸およびz軸に沿って延在しているから、受光面451上における、工具300の刃先301のx軸位置(x軸座標)およびz軸位置(z軸座標)を判別することができる。
そして、カメラ450の受光面451上における、刃先301のx軸位置およびz軸位置と、x−y−z座標系における、カメラ450の受光面451の、回転軸Cに対するx軸位置およびスピンドル端面101に対するz軸位置に基づいて、x−y−z座標系における、刃先301の、回転軸Cに対するx軸位置およびz軸位置を判別することができる。
例えば、図5において、x−y−z座標系における、カメラ450の受光面451の、回転軸Cに対するx軸位置x1と、カメラ450の受光面451上における、刃先301のx軸位置A1に基づいて、x−y−z座標系における、刃先301の、回転軸Cに対するx軸位置M(=x1+A1)を判別することができる。x−y−z座標系における、刃先301の、スピンドル端面101に対するz軸位置に関しても同様に判別することができる。
すなわち、測定装置430は、工具保持具200に保持されている工具300の刃先301のx軸位置およびz軸位置を示す測定信号を出力する。そして、カメラ450から出力される測定信号に基づいて、工具300の刃先301の、回転軸Cに対するx軸位置およびスピンドル端面101に対するz軸位置を判別することができる。
なお、工具300の刃先301の、回転軸Cに対するx軸位置は、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、x軸に沿った距離Mを示す。また、工具300の刃先301の、スピンドル端面101に対するz軸位置は、工具300の刃先301とスピンドル端面101との間の、z軸(回転軸C)に沿った距離Hを示す。
ここで、z軸に平行な方向から見た図3から、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の距離(刃先径)Rと、工具300の刃先301と回転軸Cを結ぶ線と工具保持具基準位相S(スピンドル基準位相K)とにより形成される角度βが分かれば、工具300の刃先301と工具保持具基準位相Sとの間の、回転軸Cと直交する平面上における距離(芯高)Lは、[L=R×sinβ]により算出できることが理解できる。
本発明の刃先情報取得装置及び刃先情報取得方法では、スピンドル基準位相Kの、回転軸C回りの回転基準位置を規定する所定方向と交差する方向に沿って配置される発光器440とカメラ450により構成される測定装置430を用いて刃先径Rと角度βを測定し、測定した刃先径Rと角度βに基づいて芯高Lを算出(判別)している。
図6に実線で示されているように、工具保持具200がスピンドル100に保持されている状態において、工具300の刃先301が、工具保持具基準位相S(スピンドル基準位相K)に対して、周方向に沿って一方方向側(図6において反時計方向側)に配置される場合について説明する。
なお、スピンドル基準位相Kの、回転軸C回りの角度αを検出する回転角度検出装置は、スピンドル基準位相Kが回転基準位置に一致する時の角度α0が0度を示し、スピンドル100が、周方向に沿って一方方向に回転するにしたがって増加し、回転基準位置に達すると0度を示す回転検出信号を出力するものとする。
図6において、実線で示されている工具300は、スピンドル基準位相K(工具保持具基準位相S)が回転基準位置と一致する(角度α0)ようにスピンドル100の回転位置が設定されている状態を示している。また、破線で示されている工具300は、工具300の刃先301が回転基準位置と一致する(角度α0)ようにスピンドル100の回転位置が設定されている状態を示している。
この場合、工具300の刃先301と回転軸Cを結ぶ線と工具保持具基準位相Sとにより形成される角度βは、工具300の刃先301が、図6に実線で示されている位置(スピンドル基準位相Kが回転基準位置と一致する位置)から、図6に破線で示されている位置(工具300の刃先301が回転基準位置と一致する位置)までの、スピンドル100の回転角度θ1を用いて表される。
工具300の刃先301が回転基準位置に一致するようにスピンドル100を回転させた状態(破線で示されている状態)では、スピンドル基準位相Kは、角度α1の位置に存在する。すなわち、工具300の刃先301を、図6に実線で示されている位置から、図6に破線で示されている位置まで移動させるためのスピンドル100の回転角度θ1は、角度α0と角度α1を用いて[θ1=α1−α0]で表される。
また、本実施形態では、測定装置430を構成する発光器440とカメラ450は、x軸と直交するy軸に平行な方向に配置されている。このため、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、x軸に沿った距離Mは、工具300の刃先301が回転基準位置に一致する状態(破線で示されている状態)において最大値M1となる。したがって、角度α1は、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、x軸に沿った距離Mが最大値M1となる時のスピンドル基準位相Kの角度αを測定することによって判別することができる。
なお、本実施形態では、α0=0度に設定されているため、スピンドル100の回転角度θ1は、角度α1で表される。
図6では、回転角度θ1(=α1−α0)が、本発明の「スピンドル基準位相の、回転軸回りの、回転基準位置からの回転角度θ」に対応する。
次に、図7に実線で示されているように、工具保持具200がスピンドル100に保持されている状態において、工具300の刃先301が、工具保持具基準位相S(スピンドル基準位相K)に対して、周方向に沿って他方方向側(図7において時計方向側)に配置される場合について説明する。
この場合、工具300の刃先301と回転軸Cを結ぶ線と工具保持具基準位相Sとにより形成される角度βは、工具300の刃先301が、図7に実線で示されている位置(スピンドル基準位相Kが回転基準位置と一致する位置)から、図7に破線で示されている位置(工具300の刃先301が回転基準位置に一致する位置)までの、スピンドル100の回転角度θ2を用いて表される。
工具300の刃先301が回転基準位置に一致するようにスピンドル100を回転させた状態(破線で示されている状態)では、スピンドル基準位相Kは、角度α2の位置に存在する。すなわち、工具300の刃先301を、図7に実線で示されている位置から、図7に破線で示されている位置まで移動させるためのスピンドル100の回転角度θ2は、角度α0と角度α2を用いて[θ2=α2−α0]で表される。
また、前述したように、本実施形態では、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、x軸に沿った距離Mは、図7に破線で示されている、工具300の刃先301が回転基準位置に一致する時に最大値M2となる。したがって、角度α2は、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、x軸に沿った距離Mが最大値M2となる時のスピンドル基準位相Kの角度αを測定することによって判別することができる。
図7では、回転角度θ2(=α2−α0)が、本発明の「スピンドル基準位相の、回転軸回りの、回転基準位置からの回転角度θ」に対応する。
工具300の刃先301と工具保持具基準位相Sとの間の、回転軸Cと直交する平面上における距離L、すなわち芯高は、距離Mのうちの最大距離Mmaxと、距離Mが最大距離Mmaxとなった時の回転角度θmaxに基づいて算出(判別)することができる。
なお、本実施形態では、スピンドル基準位相K(工具保持具基準位相S)の回転軸C回りの角度αは、スピンドル基準位相Kが回転基準位置に一致する時の角度α0が0度を示し、スピンドル100が、周方向に沿って一方方向(図6、図7において、反時計方向)に回転するにしたがって増加する角度として検出される。また、芯高を示す距離Lは、工具300の刃先301が、工具保持具基準位相S(スピンドル基準位相K)に対して、周方向に沿って一方方向側に配置される場合(図6参照)に正の値となり、他方方向側に配置される場合(図7参照)に負の値となるように設定される。
このため、本実施形態では、芯高を示す距離Lは、[L=Mmax×sin(−θmax)]により算出している。
図6および図7における距離Lが、図8に示されている。
なお、図6に示されている状態では、回転角度θmax(=θ1)が180度より大きいため、sin(θmax)は負の値となる。これにより、工具300(1)の刃先301(1)が、図8に実線で示されているように配置される場合には、[L=Mmax×sin(−θmax(1))]により算出される距離L(1)は正の値となる。
一方、図7に示されている状態では、回転角度θmax(=θ2)が180度以下であるため、sin(θmax)は正の値となる。これにより、図8に破線で示されているように工具300(2)の刃先301(2)が配置される場合には、[L=Mmax×sin(−θmax(2))]により算出される距離L(2)は負の値となる。
ずなわち、工具300の刃先301が、工具保持具基準位相Sに対して、周方向に沿って一方方向側に配置されているか、あるいは、他方方向側に配置されているかによって、芯高を示す距離Lの正負が決定される。これにより、芯高を示す距離Lの正負に基づいて、芯高に応じた切削加工の修正を容易に行うことができる。
なお、芯高を示す距離Lの正負と、工具300の刃先301の工具保持具基準位相Sに対する周方向に沿った配置位置との対応関係は、適宜設定することができる。例えば、工具300の刃先301が図6に示されているように配置される場合に、距離Lが負の値となり、工具300の刃先301が図7に示されているように配置される場合に、距離Lが正の値となるように構成することもできる。
また、最大距離Mmaxと回転角度θmaxに基づいて、芯高を示す距離Lを算出する方法は、前記した方法に限定されない。例えば、スピンドル基準位相K(工具保持具基準位相S)の回転軸C回りの角度αが、スピンドル基準位相Kが回転基準位置に一致する時の角度α0の時に0度を示し、スピンドル100が、周方向に沿って他方方向(図6〜図8において、時計方向)に回転するにしたがって増加する角度として検出される場合には、[L=Mmax×sin(θmax)]により距離Lを算出することもできる。すなわち、距離Lを算出する方法は、距離Lが正または負となる状態の設定態様やスピンドル基準位相Kの回転軸C回りの角度α(あるいは、回転基準位置からの回転角度θ)の検出態様等に応じて適宜変更可能である。
本発明の刃先情報取得装置の一実施形態を、図9に示されているブロック図を用いて説明する。
本実施形態の刃先情報取得装置は、処理装置410、スピンドル100、駆動装置420、測定装置430、回転角度検出装置460等により構成されている。刃先情報取得装置は、好適には、ツールプリセッターとして構成される。
スピンドル100は、工具300を保持している工具保持具200を保持可能であるとともに、z軸に平行な回転軸Cを中心に回転可能に構成されている。なお、前述したように、工具保持具基準位相Sがスピンドル基準位相Kと一致するように、工具保持具200がスピンドルに保持される。スピンドル基準位相Kは、回転軸C回りの所定方向(角度α0の方向)が回転基準位置として規定される。また、工具保持具200は、スピンドル端面101に載置される。
駆動装置420は、工具保持具200を保持しているスピンドル100を、回転軸Cを中心に回転させる。
測定装置430は、発光器440とカメラ450を有している。本実施形態では、前述したように、発光器440とカメラ450は、工具300に対して、y軸に沿って両側に配置される。カメラ450は、受光面451が、y軸と直交するx軸およびz軸に沿って延在するように配置される。測定装置430は、工具保持具200に保持されている工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、x軸に沿った距離Mおとび工具300の刃先301とスピンドル端面101との間の、z軸に沿った距離Hを示す測定信号を出力する。なお、カメラ450がx軸およびz軸に沿って移動可能に構成されている場合には、カメラ450の出力信号と、カメラ450の、x−y−z座標系における位置(回転軸Cに対するx軸位置、スピンドル端面101に対するz軸位置)を示す位置信号に基づいて、工具300の刃先301のx−y−z座標系における位置(回転軸Cに対するx軸位置、スピンドル端面101に対するz軸位置)を判別する。
回転角度検出装置460は、スピンドル基準位相K(工具保持具基準位相S)の、回転軸C回りの、回転基準位置(角度α0)からの回転角度θを示す回転角度信号を出力する。回転角度信号としては、好適には、スピンドル基準位相Kが回転基準位置と一致する時に0度を示し、スピンドル100が周方向に沿って一方方向側に回転するにしたがって増加する回転角度θを示す信号が用いられる。
処理装置410は、CPU、記憶装置等により構成される。処理装置410は、駆動装置420や測定装置430を制御し、回転角度検出装置460から出力される回転角度信号および測定装置430から出力される測定信号に基づいて、前述した方法により、刃先径、刃先高さ、芯高を含む刃先情報を判別する。
本発明の刃先情報取得装置の一実施形態を用いて刃先情報を取得する刃先情報取得方法を以下に説明する。なお、以下の説明は、本発明の刃先情報取得方法の一実施形態を説明したものでもある。
(ステップ1)
工具300を保持している工具保持具200を、z軸と平行な回転軸Cを中心に回転可能なスピンドル100に保持(装着)する。この時、工具保持具基準位相Sがスピンドル基準位相Kと一致するように、工具保持具200がスピンドル100に保持される。
なお、スピンドル基準位相Kは、回転軸C(z軸)と直交する平面(x−y平面)上における、回転軸C回りの所定方向、本実施形態では、回転軸Cから、x軸に平行に、x軸に沿って一方側に延在する方向が回転基準位置として規定される。
(ステップ2)
スピンドル100(工具保持具200)を、回転軸C回りに、回転基準位置から回転角度θ回転させる。そして、この状態で、工具300に対して、スピンドル基準位相Kの回転開始位置を規定する所定方向と交差する第1方向に沿って一方側に、第1方向に沿って他方側に光を照射するように配置される発光器440と、工具300に対して、第1方向に沿った他方側に、受光面451が、第1方向と交差する第2方向に沿って延在するように配置されるカメラ450を用いて、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、所定方向に沿った距離Mおよび刃先301とスピンドル端面101との間の、z軸(回転軸C)に沿った距離Hを示す測定信号を得る。
本実施形態では、工具300に対して、スピンドル基準位相Kの回転開始位置を規定する、x軸に平行な方向と直交するy軸に沿って一方側に、y軸に沿って他方側に光を照射するように配置される発光器440と、工具300に対して、y軸に沿って他方側に、受光面451が、y軸と直交するx軸およびz軸に沿って延在するように配置されるカメラ450を用いて、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の、x軸に沿った距離Mおよび刃先301とスピンドル端面101との間の、z軸(回転軸C)に沿った距離Hを示す測定信号を得る。
(第3ステップ)
0度を含む複数の異なる回転角度θに対して、第2ステップの処理を実行する。すなわち、複数の異なる回転角度θにおける距離Hを測定する。
(第4ステップ)
測定信号に基づいて、各回転角度θにおける距離Mのうちの最大距離(最大値)Mmaxと、距離Mが最大距離Mmaxとなった時の回転角度θmaxを判別する。そして、最大距離Mmaxと回転角度θmaxに基づいて、回転軸Cと直交する平面上における、工具300の刃先301と工具保持具基準位相Sとの間の距離Lを示す芯高を判別する。例えば、[L=Mmax×sin(−θmax)]あるいは[L=Mmax×sin(θmax)]により距離Lを判別(算出)する。
また、最大距離Mmaxに基づいて、工具300の刃先301と回転軸Cとの間の距離(刃先半径)Rを示す刃先径を判別する。
また、いずれかの測定信号に基づいて、工具300の刃先301とスピンドル端面10との間の、回転軸C(z軸)に沿った距離Hを示す刃先高さを判別する。
以上では、1つの工具300を保持する工具保持具200の刃先情報を取得する場合について説明したが、複数の工具を保持する工具保持具の刃先情報を取得することもできる。
図11に、3つの工具610、620および630を保持する工具保持具500が示されている。
工具610、620、630は、適宜の間隔で工具保持具500に保持される。例えば、120度間隔で保持される。また、各工具610、620、630に対応して工具保持具基準位相S610、S620、S630が設定されている。なお、図11には、工具610の刃先611および工具620の刃先621が、工具保持具基準位相S610およびS620に対して、周方向に沿って一方方向側(図11では、反時計方向)に配置され、工具630の刃先631が、工具保持具基準位相S630に対して、周方向に沿って他方方向側(図11では、時計方向)に位配置されている場合が示されている。
工具610を使用する場合には、工具610に対応する工具保持具基準位相S610がスピンドル基準位相Kと一致するように、工具保持具500をスピンドル100に保持す。この状態で、前述した方法で、工具610の刃先611に対する刃先情報を取得する。工具620あるいは630を使用する場合には、工具620に対応する工具保持具基準位相S620あるいは工具630に対応する工具保持具基準位相S630がスピンドル基準位相Kと一致するように、工具保持具500をスピンドル100に保持する。
あるいは、工具保持具500をスピンドル100に装着した状態で、使用する工具610、620、630に対応する工具保持具基準位相S610、S620、S630がスピンドル基準位相Kと一致するように、スピンドル100を回転させる。そして、この状態で、使用する工具の刃先の刃先情報を取得する。
図10に、スピンドル基準位相K(工具保持具基準位相S)の、回転軸C回りの、回転基準位置からの回転角度θと、工具の刃先と回転軸Cとの間の距離Mとの関係を示すグラフが示されている。図10において、実線は、回転角度θと、工具保持具200に保持されている工具300の刃先301と回転軸Cとの間の距離Mとの関係(図6参照)を示している。また、破線は、回転角度θと、工具保持具500に保持されている工具610、620、630の刃先611、621、631と回転軸Cとの間の距離Mとの関係(図11参照)を示している。
なお、距離Mの中から最大距離Mmaxを判別する方法としては、種々の方法を用いることができる。
例えば、工具300の刃先301は、工具保持具基準位相S(スピンドル基準位相K)に対して大きく離れた位置に配置されることはない。
したがって、工具保持具基準位相S(スピンドル基準位相K)に対して所定の角度範囲内において、複数の回転角度θに対する距離Mを測定し、測定した距離Mの中から最大距離Mmaxを判別する方法を用いることができる。工具保持具基準位相Sに対する所定の角度範囲としては、例えば、工具保持具基準位相Sに対して両方向に30度以下の範囲を設定することができる。
また、y軸に平行な方向から見た刃先301の周辺の形状が、刃先301の位置を極大点とする形状を有している場合には、距離Mが増加から減少に移行する境界の値(極大値)を最大距離Mmaxとして判別することもできる。
例えば、工具保持具500に複数の工具610,620、630が保持されている場合には、図10に示されているように、工具保持具基準位相S610、S620、S630に対して所定の角度範囲内における距離Mの極大値あるいは最大値を最大距離Mmax610、Mmax620、Mmax630として判別する。
本発明は、詳細な説明で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
実施形態では、芯高、刃先径および刃先高さを含む刃先情報を取得する刃先情報取得装置および刃先情報取得方法について説明したが、本発明は、少なくとも芯高、あるいは、刃先径と刃先高さのうちの少なくとも一方と芯高を取得する刃先情報取得装置および刃先情報取得方法として構成することができる。
z軸(回転軸)と直交するx−y平面上におけるx軸方向を、スピンドル基準位相(工具保持具基準位相)の、回転軸回りの回転基準位置として規定したが、x−y平面上における任意の所定方向を回転基準位置として規定することができる。
測定装置を構成する発光器とカメラ(受光器)を配置する第1方向として、x軸と直交するy軸に平行な方向を設定したが、第1方向は、回転基準位置を規定する所定方向と交差する方向に設定することができる。
カメラの受光面を配置する第2方向として、y軸向と直交するx軸およびz軸に沿った方向を設定したが、第2方向は、第1方向と交差する方向に設定することができる。
距離Mのうちの最大値(あるいは極大値)として判別される最大距離Mmaxと、距離Mが最大距離Mmaxとなった時の角度θmaxに基づいて、芯高を示す距離Lを算出する方法は、スピンドル基準位相の、回転軸回りの、回転基準位置からの回転角度θの検出態様や距離Lの正負の設定態様等に応じて適宜選択可能である。
実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合せて用いることもできる。
100 スピンドル
101 スピンドル端面
200、400 工具保持具
210 シャンク部
220 フランジ部
230 工具保持部
240 工具保持具外周面
241 第1の工具保持具外周面部分(シャンク部外周面)
242 第2の工具保持具外周面部分(第1フランジ部端面)
243 第3の工具保持具外周面部分(フランジ部外周面)
244 第4の工具保持具外周面部分(第2フランジ部端面)
245 第5の工具保持具外周面部分(工具保持部外周面)
250 工具保持具端面
300、610、620、630 工具
301、611、621、631 刃先
410 処理装置
420 駆動装置
430 測定装置
440 発光器
450 カメラ(受光器)
451 受光面
S、S610、S620、S630 工具保持具基準位相
K スピンドル基準位相

Claims (6)

  1. 互いに直交する第1軸、第2軸および第3軸により規定される3次元直交座標系における、工具の刃先情報を取得する刃先情報取得装置であって、
    工具を保持可能な工具保持具と、前記工具保持具を保持可能であるとともに、前記第3軸と平行な回転軸を中心に回転可能なスピンドルと、前記工具の刃先の位置を示す測定信号を出力する測定装置と、前記スピンドルを回転させる駆動装置と、前記スピンドルの回転角度を示す回転角度信号を出力する回転角度検出装置と、処理装置とを備え、
    前記工具保持具は、前記工具保持具の、前記回転軸回りの工具保持具基準位相が、前記スピンドルの、前記回転軸回りのスピンドル基準位相と一致するように前記スピンドルに保持され、
    前記スピンドル基準位相は、前記第1軸および前記第2軸に沿って延在する平面上における、前記回転軸回りの所定方向が回転基準位置として規定され、
    前記測定装置は、前記工具に対して、前記所定方向と交差する第1方向に沿って一方側に配置され、前記第1方向に沿って他方側に光を照射する発光器と、前記工具に対して、前記第1方向に沿って前記他方側に配置され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する受光面に受光素子が配置されているカメラとを有し、前記工具の刃先と前記回転軸との間の、前記所定方向に沿った距離Mを示す信号を前記測定信号として出力し、
    前記回転角度検出装置は、前記スピンドル基準位相の、前記回転軸回りの、前記回転基準位置からの回転角度θを示す信号を前記回転角度信号として出力し、
    前記処理装置は、前記回転角度検出装置から出力される前記回転角度信号および前記測定装置から出力される前記測定信号に基づいて、前記距離Mのうちの最大距離Mmaxを判別するとともに、前記距離Mが前記最大距離Mmaxとなった時の回転角度θmaxを判別し、最大距離Mmaxと回転角度θmaxに基づいて、前記回転軸と直交する平面上における、前記工具の刃先と前記工具保持具基準位相との間の距離を示す芯高を判別することを特徴とする刃先情報取得装置。
  2. 請求項1に記載の刃先情報取得装置であって、
    前記処理装置は、前記最大距離Mmaxに基づいて、前記工具の刃先と前記回転軸との間の距離を示す刃先径を取得することを特徴とする刃先情報取得装置。
  3. 請求項1または2に記載の刃先情報取得装置であって、
    前記工具保持具は、前記スピンドルのスピンドル端面に載置され、
    前記測定装置は、前記工具の刃先と前記回転軸との間の、前記所定方向に沿った距離Mおよび前記工具の刃先と前記スピンドル端面との間の、前記第3軸に沿った距離Hを示す信号を前記測定信号として出力し、
    前記処理装置は、前記測定装置から出力される前記測定信号に基づいて、前記工具の刃先と前記スピンドル端面との間の、前記回転軸に沿った距離Hを示す刃先高さを取得することを特徴とする刃先情報取得装置。
  4. 互いに直交する第1軸、第2軸および第3軸により規定される3次元直交座標系における、工具の刃先情報を取得する刃先情報取得方法であって、
    工具を保持している工具保持具を、前記第3軸と平行な回転中心軸を中心に回転可能なスピンドルに、前記工具保持具の、前記回転軸回りの工具保持具基準位相が、前記第1軸および前記第2軸に沿って延在する平面上における、前記回転軸回りの所定方向が回転基準位置として規定されている、前記スピンドルの、前記回転軸回りのスピンドル基準位相と一致するように保持する第1ステップと、
    前記スピンドルを、前記回転軸回りに、前記回転基準位置から回転角度θ回転させた状態において、前記工具に対して、前記所定方向と交差する第1の方向に沿って一方側に配置され、前記第1方向に沿って他方側に光を照射する発光器と、前記工具に対して、前記第1方向に沿って前記他方側に配置され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在する受光面に受光素子が配置されているカメラとを用いて、前記工具の刃先と前記回転軸との間の、前記所定方向に沿った距離Mを示す測定信号を得る第2ステップと、
    0°を含む複数の異なる回転角度θに対して前記第2ステップの処理を実行する第3ステップと、
    前記測定信号に基づいて、前記距離Mのうちの最大距離Mmaxを判別するとともに、前記距離Mが前記最大距離Mmaxとなった時の回転角度θmaxを判別し、前記最大距離Mmaxと前記回転角度θmaxに基づいて、前記回転軸と直交する平面上における、前記工具の刃先と前記工具保持具基準位相との間の距離を示す芯高を得る第4ステップと、
    を有することを特徴とする刃先情報取方法。
  5. 請求項4に記載の刃先情報取得方法であって、
    前記第4ステップでは、前記最大距離Mmaxに基づいて、前記工具の刃先と前記回転軸との間の距離を示す刃先径を取得することを特徴とする刃先情報取得方法。
  6. 請求項4または5に記載の刃先情報取得方法であって、
    前記第1ステップでは、前記スピンドルのスピンドル端面に前記工具保持具が載置されるように、前記工具保持具を前記スピンドルに保持し、
    前記第2ステップでは、前記工具の刃先と前記回転軸との間の、前記所定方向に沿った距離Mおよび前記工具の刃先と前記スピンドル端面との間の、前記第3軸に沿った距離Hを示す測定信号を得、
    前記第4ステップでは、前記測定信号に基づいて、前記工具の刃先と前記スピンドル端面との間の、前記回転軸に沿った距離Hを示す刃先高さを取得することを特徴とする刃先情報取得方法。
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