JP4046490B2 - 加工工具の心高測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、旋削加工装置の加工工具の心高測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
回転可能な刃物台にバイト等複数の加工工具を取付け、加工工程に最適な加工工具で加工を行うタレット型旋盤装置には数多くの種類が存在するが、例えばオークマ株式会社製LT10−M型旋盤装置もその中の1つである(カタログ番号:Pub.No.LT10−M−J−(1)−500(Feb1996))。
【0003】
これらのタレット型旋盤装置では、図9に示すように、バイト101はホルダ104を介してタレット102に取り付けられる。タレット102は、図示しない刃物台に回転自在に取り付けられる。そして、主軸103が把持、回転させる図示しない被加工物の方向(図9に示すX方向)へ刃物台が移動し、加工工程に最適な加工工具を選択して被加工物の表面を旋削加工する。
【0004】
このとき、主軸103の回転中心を通るバイト101の切り込み方向に平行な直線と、バイト101の刃先点との距離(これをバイトの心高という)がゼロに調整されていないと(これを心高調整という)、加工後の径が狙いより大きくなり、被加工物を所望の形状に正しく加工できなくなってしまう。
【0005】
図10に、前記ホルダ104の拡大図を示す。図10に示すように、バイト101は、コの字形をしたホルダ104の1辺104aの内側に、敷板105を介在させた状態で添設され、ホルダ104の他の1辺104b側からねじ106で締め付けられて固定されている。
【0006】
ホルダ104は、図9に示すタレット102に設けられたピン(不図示)とホルダ104自体に設けられた穴(不図示)とで位置決め、固定される。
【0007】
バイト101の心高の調整は具体的には以下のように行う。主軸103の回転中心を通るバイト101の切り込み方向に平行な直線と、ホルダ104の1辺(基準面)104aとの距離を、実測若しくは設計値から求める。求めた距離と、1辺104a、バイト101の刃先点間距離とが等しくなるように、前述した敷板105の枚数若しくは厚さの組み合わせを変えて、ホルダ104にバイト101をねじ106を用いて取り付ける。
【0008】
そして、バイト101が取り付けられたホルダ104をタレット102に、このタレット102に設けられたピン(不図示)とホルダ104に設けられた穴(不図示)とで位置決め、固定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のタレット型旋盤装置での心高測定方法では、ホルダ104を一旦取り外した状態で心高を測定し、調整した後、ホルダ104をタレット102に取り付けるため、ホルダー104単体のばらつきやホルダー取り付けの再現性如何によってはバイト101等の加工工具の心高にばらつきが生じ、この結果、被加工物の加工精度がばらついてしまうという問題がある。
【0010】
本発明は、タレット型旋盤装置のような加工装置における上述した問題に鑑みてなされたものであり、加工工具をタレットに取り付けた状態で加工工具の心高を精度よく測定し得る加工工具の心高測定方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明の加工工具の心高測定方法は、心高測定治具により、この心高測定治具の測定基準面と、タレット型の刃物台を有する加工装置の主軸の回転中心までの距離を測定する第1の工程と、前記加工装置の主軸に装着した前記心高測定治具の測定基準面を、タレットに装着した加工工具の切り込み方向と平行にする第2の工程と、前記心高測定治具により、前記測定基準面からタレットに装着した加工工具の刃先までの距離を測定する第3の工程と、第3の工程で測定した距離が、第1の工程で求めた距離に等しくなるようにタレットに装着した加工工具の刃先の位置を調整する第4の工程とを含むことを特徴とするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の加工工具の心高測定方法において、前記第1の工程における心高測定治具の測定基準面から前記主軸の回転中心までの距離の測定は、前記主軸に把持される円柱状の治具本体における直径の1/2の高さを持つブロックゲージを用いて行われることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の加工工具の心高測定方法では、主軸に取り付けることのできる測定治具による加工工具の心高の測定を、この加工工具をタレットに取り付けた状態のまま行うことができ、心高の測定精度及び調整精度が非常に良くなる。
【0014】
また、本発明においては、心高測定治具の測定基準面から前記主軸の回転中心までの距離を、治具本体の直径の1/2の高さを持つブロックゲージを用いて正確に求めることができ、前記主軸の回転中心位置を直接判定する手間が不要となり、心高測定工程の簡略化を図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の心高測定方法及び心高測定治具について、図1乃至図8を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は、加工装置の一種であるタレット型旋盤装置における主軸1及びタレット2を概念的に示す正面図、図2は主軸1及びタレット2を概念的に示す平面図である。主軸1には加工時、不図示の被加工物が把持され、この被加工物を加工する加工工具である8個のバイト3がホルダ4に取り付けられ、このホルダ4はタレット2に固定されている。
【0019】
タレット2は不図示の刃物台に回転自在に取り付けられ、被加工物の加工に最も適合するバイト3が選択使用される。バイト3の取り付け本数は旋盤装置固有であるが、本実施の形態では8本とした。刃物台は、図2に示すように主軸1の軸方向(Z軸方向)と、タレット2の回転中心を通りZ軸に直角な方向(X軸方向)に移動可能である。
【0020】
図3に前記バイト3とホルダ4の細部を拡大して示す。この図3において、バイト3はホルダ4の他方の辺を貫通して螺合されるネジ5によって、ホルダ4の一方の辺の内面に押し当てられ固定されている。このとき、バイト3とホルダ4の内面との間に敷板6を介在して心高を調整するのは、図10に示す従来の方法と同様である。
【0021】
図4及び図5は、本実施の形態の心高測定治具11の正面図及び側面図である。心高測定治具11は、前記主軸1に把持される円柱状の治具本体11aと、この治具本体11aの一方の端面側に形成した測定器取付部11bとを有している。測定器取付部11bは、電気式や機械式のマイクロメータ等からなる測定器8を取り付けるために、心高測定治具11の中心軸に平行な平面である測定基準面11cを有するように円柱状部材を加工形成したものである。
【0022】
前記測定器8は、胴体部分が心高測定治具11の測定器取付部11bに装着され、胴体部分から突出させた測定子12が主軸1の回転軸に直角方向に進退自在に配置されている。
【0023】
次に、本実施の形態の心高測定治具11を用いた心高測定方法について、図6、図7、図8を参照して説明する。
【0024】
まず、本実施の形態の心高測定方法の第1工程を図6を参照して説明する。図6に示すように、心高測定治具11の主軸1に把持される円柱状の治具本体11aにおける直径Dの1/2の高さを持つブロックゲージ14をテーブル13の上に載置し、このブロックゲージ14に対して前記測定器8の測定子12を当て付け、このときの測定器8の指示値を読み取る。主軸1の回転中心は、心高測定治具11の治具本体11aの中心軸に一致するので、この読み取った値が測定子12の先端が主軸1の中心軸に一致したときの値となる。ブロックゲージ14を利用することで、主軸1の回転中心位置を直接判定する手間が不要となり、工程の簡略化を図れる。
【0025】
次に、本実施の形態の心高測定方法の第2工程を図7を参照して説明する。図7に示すように、心高測定治具11の治具本体11aを主軸1に装着する。タレット2に取り付けられている一つのバイト3に代えて角材治具9を取り付け、心高測定治具11の測定基準面11cをこの角材治具9と平行にする。このためには、図示しない刃物台をX軸方向に移動させて角材治具9を心高測定治具11の測定基準面11cに近づけ、主軸1を少しずつ回転させながら角材治具9と測定基準面11cとの間に図示しないブロックゲージを挿入する等して、平行になったところで主軸1の回転を止める。尚、前記角材治具9は予め全面を研磨し平行度も十分に精度よく出しておく。
【0026】
次に心高測定方法の第3工程として、図8に示すように、実際のバイト3までの距離を測定する。即ち、前記タレット2に、バイト3が取り付けられたホルダ4を固定し、図示しない刃物台をX軸方向に移動させて、バイト3の刃先を測定器8の測定子12の上方に位置させる。
【0027】
この状態で、測定器8の先端の測定子12を刃先に接触させて、この距離を測定器8にて読み取る。ここで読み取ったバイト3の刃先までの距離と、第1工程で測定した主軸1の中心軸までの距離との差が、バイト3の心高となる。
【0028】
第4工程として、前記心高がゼロになるように、図3に示す敷板6の枚数又は厚さの組み合わせを変えることによってバイト3の刃先の位置を、X、Z両方向と直角な方向に調整する。
【0029】
このようにして、本実施の形態によれば、バイト3の刃先の心高を、バイト3をタレット2に取り付けた状態のままで測定し、適正となるように調整できるので、調整後のバイト3を使用して被加工物に対する精度の高い加工を実現することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、主軸に取り付けることのできる測定治具による加工工具の心高の測定を、この加工工具をタレットに取り付けた状態のまま行うことができ、心高の測定精度及び加工工具の調整精度を高めることができる加工工具の心高測定方法を提供することができる。
【0031】
また、本発明によれば、主軸の回転中心位置を直接判定する手間が不要となり、心高測定工程の簡略化を図れる加工工具の心高測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の主軸及びバイトを取り付けたタレットを示す概略正面図である。
【図2】本実施の形態の主軸及びバイトを取り付けたタレットを示す概略平面図である。
【図3】本実施の形態のバイトとホルダの拡大図である。
【図4】本実施の形態の心高測定治具の概略正面図である。
【図5】本実施の形態の心高測定治具の概略側面図である。
【図6】本実施の形態の心高測定方法の第1工程を説明する図である。
【図7】本実施の形態の心高測定方法の第2工程を説明する図である。
【図8】本実施の形態の心高測定方法の第3工程を説明する図である。
【図9】従来の主軸及びバイトを取り付けたタレットを示す概略正面図である。
【図10】従来のバイトとホルダを拡大した図である。
【符号の説明】
1 主軸
2 タレット
3 バイト
4 ホルダ
5 ネジ
6 敷板
8 測定器
9 角材治具
11 心高測定治具
11a 治具本体
11b 測定器取付部
11c 測定基準面
12 測定子
13 テーブル
14 ブロックゲージ
D 直径
Claims (2)
- 心高測定治具により、この心高測定治具の測定基準面と、タレット型の刃物台を有する加工装置の主軸の回転中心までの距離を測定する第1の工程と、前記加工装置の主軸に装着した前記心高測定治具の測定基準面を、タレットに装着した加工工具の切り込み方向と平行にする第2の工程と、前記心高測定治具により、前記測定基準面からタレットに装着した加工工具の刃先までの距離を測定する第3の工程と、第3の工程で測定した距離が、第1の工程で求めた距離に等しくなるようにタレットに装着した加工工具の刃先の位置を調整する第4の工程と、を含むことを特徴とする加工工具の心高測定方法。
- 前記第1の工程における心高測定治具の測定基準面から前記主軸の回転中心までの距離の測定は、前記主軸に把持される円柱状の治具本体における直径の1/2の高さを持つブロックゲージを用いて行われることを特徴とする請求項1記載の加工工具の心高測定方法。
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