以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。但し、本発明は多くの異なる形態で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本実施の形態では、本発明の複数の作製工程を連続的に行う貼り合わせ装置(ラミネート装置、封止装置ともいう。)を用いて、半導体装置または複数の薄膜集積回路が配列されたシートの作製工程について、図1〜5を用いて説明する。
貼り合わせ装置の構成について、図1を参照して説明する。
貼り合わせ装置は、基板123を収納するカセット202と、基板123を搬送する移送手段203を有する。また、粘着シート208が巻かれている供給用のローラー207と、粘着シート208の移動を制御すると共に、基板123上に薄膜集積回路121を粘着シート208に貼り付けるローラー210と、粘着シート208の移動を制御するローラー210と、粘着シート208を巻き取る回収用のローラー219とを有する。また、第1の可撓性基板212が巻かれている供給用のローラー211と、第1の可撓性基板212の移動を制御するローラー224とを有する。また、第2の可撓性基板222が巻かれている供給用のローラー221を有する。また、貼りあわせられた第1の可撓性基板212、薄膜集積回路121、及び第2の可撓性基板222を巻き取る回収用のローラー230を有する。
粘着シート208の移動を制御するローラー210と回収用のローラー219との間においては、薄膜集積回路121に、第1の可撓性基板212を圧着するための一対のローラー215、216と、第1の可撓性基板212に圧着された薄膜集積回路121と粘着部材122とを剥離する一対のローラー217、218が設けられる。
また、粘着部材122から剥離された薄膜集積回路121を第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222で封止するための、一対のローラー223、224が、一対のローラー217、218と、供給用のローラー221及び回収用のローラー230との間に設けられている。
カセット202は、基板供給用のカセットであり、粘着部材122を伴う薄膜集積回路121が複数設けられた基板123がセットされる。移送手段203は、薄膜集積回路121及び粘着部材122が設けられた基板123を搬送するものであり、ローラー210が回転する速度に合わせて、所定の速度で、基板123を搬送する。移送手段203は、例えば、ベルトコンベア、複数のローラー、ロボットアームに相当する。移送手段203がロボットアームに相当する場合、ロボットアームは、基板123をそのまま搬送するか、又は基板123が設置されたステージを搬送する。
ローラー207、210、211、215、216、217、218、219、221、223、224、230の各々は、円筒状の回転体であり、例えば、表面の磨かれた円筒状の鋳造品等に相当する。
ローラー207、210、211、215、216、217、218、219、221、223、224、230の各々は、所定の速度で回転する。
次に、貼り合わせ装置の動作について説明する。
ローラー207が回転することにより、粘着シート208が送り出される。粘着シート208はローラー210、216、218を経て、ローラー219へ流れる。また、ローラー207、210、216、218、219が回転することにより、ローラー219自体に粘着シート208が巻き付けてられていく。つまり、ローラー219により、粘着シート208が回収される。
ローラー211が回転することにより、第1の可撓性基板212が送り出される。第1の可撓性基板はローラー215、217、224を経て、ローラー230へ流れる。
ローラー221が回転することにより、第2の可撓性基板222が送り出される。第2の可撓性基板222はローラー223を経て、ローラー230へ流れる。
また、ローラー215、216が互いに反対方向に回転することにより、第1の可撓性基板212に薄膜集積回路121が圧着される。また、ローラー218、219が互いに反対方向に回転することにより、薄膜集積回路121から粘着部材122が剥離される。また、ローラー223、224が互いに反対方向に回転することにより、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222によって、薄膜集積回路121を封止する。また、ローラー230が回転することにより、ローラー230自体に薄膜集積回路121を封止した第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222を巻き付ける。つまり、ローラー230により、薄膜集積回路121を封止した第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222、即ち薄膜集積回路を有するシートを回収する。
また、貼りあわせられた第1の可撓性基板212、薄膜集積回路121、及び第2の可撓性基板222を巻き取る回収用のローラー230の代わりに、図2に示すように、切断手段232を有してもよい。この結果、第1の可撓性基板、及び第2の可撓性基板で封止された薄膜集積回路121で構成される半導体装置233を、個々に分断することができる。切断手段232は、ダイシング装置、スクライビング装置、レーザー照射装置等を適宜用いることができる。
次に、上記構成の貼り合わせ装置を用いて薄膜集積回路を有するシート及び半導体装置を作製する工程について、説明する。
図3に示すように、基板101上に剥離層102を形成し、剥離層102上に素子形成層103を形成し、素子形成層103に粘着部材104を貼りあわせる。
基板101としては、ガラス基板、石英基板の他、金属基板、ステンレス基板、シリコンウエハー等の一表面に絶縁層を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いる。基板101として、ガラス基板や、金属基板、ステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したものには、大きさや形状に制約がないため、例えば、基板101として、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。この利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。
剥離層102は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素、又は元素を主成分とする合金材料、又は元素を主成分とする化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
剥離層102が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
剥離層102が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
剥離層102として、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層を形成し、その上層に酸化物で形成される絶縁層を形成することで、タングステン層と絶縁層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。
タングステンの酸化物は、WOxで表される。Xは、2≦x≦3の範囲内にあり、xが2の場合(WO2)、xが2.5の場合(W2O5)、xが2.75の場合(W4O11)、xが3の場合(WO3)などがある。
また、上記の工程によると、基板101に接するように剥離層102を形成しているが、本発明はこの工程に制約されない。基板101に接するように下地となる絶縁層を形成し、その絶縁層に接するように剥離層102を設けてもよい。
素子形成層103は、絶縁層と、絶縁層上に形成される複数の薄膜集積回路で構成される。絶縁層は、スパッタリング法やプラズマCVD法、塗布法、印刷法等により、無機化合物を用いて単層又は積層で形成する。無機化合物の代表例としては、酸化珪素、窒化酸化珪素、及び酸化窒化珪素等が挙げられる。また、絶縁層を積層で形成する場合、酸化珪素、窒化酸化珪素、及び酸化窒化珪素を積層して形成しても良い。また、剥離層102上に絶縁層を形成する前に、剥離層表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、N2Oプラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行って酸化物層を形成してもよい。
薄膜集積回路は、薄膜トランジスタ、ダイオード、抵抗、容量素子等の素子を適宜用いて形成される。
また、薄膜集積回路は、アンテナ、整流回路、保持容量、低電圧回路等の電源回路、復調回路、クロック生成・補正回路、コード認識及び判定回路、メモリコントローラ、メモリ、符号化回路、変調回路、CPUインターフェースなどの演算処理手段(所謂CPUとしての機能を奏する。)等のいずれか複数の回路を構成する。なお、このような薄膜集積回路を有する半導体装置は、非接触でデ−タの伝送が可能な半導体装置として機能する。
また、薄膜集積回路は、画素部、走査線駆動回路、信号線駆動回路、コントロ−ラ、演算処理手段、メモリ、電源回路、音声処理回路、送受信回路、バッテリー、アンテナ、整流回路、保持容量、低電圧回路等の電源回路等のいずれか複数の回路を構成する。なお、このような薄膜集積回路を有する半導体装置は、表示装置として機能する。特に、アンテナ、整流回路、保持容量、低電圧回路等の電源回路を有することにより非接触で伝送されたデ−タの表示が可能な表示装置として機能する。
また、剥離層102及び素子形成層103として、SOI(silicon on insulator)基板、代表的にはSIMOX(separation by implanted oxygen)基板を用いても良い。代表的には、シリコンウエハーを剥離層102とし、シリコンウエハー上の酸化珪素層及びその上に形成される単結晶シリコンで形成されるMOSトランジスタを有する層を素子形成層103としてもよい。この場合、図3(B)において、研削研磨装置や、エッチング剤を用いて、シリコンウエハーを除去して、剥離層102から素子形成層103を分離することができる。
また、剥離層102、及び素子形成層103として、SOI(silicon on insulator)基板、代表的にはSIMOX(separation by implanted oxygen)基板を用いても良い。代表的には、シリコンウエハーを剥離層102とし、シリコンウエハー上の酸化珪素層を絶縁層及びその上に形成される単結晶シリコンで形成されるMOSトランジスタを有する層を素子形成層103としてもよい。この場合、図1(B)において、研削研磨装置や、エッチング剤を用いて、シリコンウエハーを除去して、剥離層102から素子形成層103を分離することができる。
粘着部材104は、光可塑型粘着フィルム、熱可塑型粘着フィルム、圧着フィルム等を用いることができる。尚、フィルムの代わりに、テープ、シート、基板等を適宜用いることができる。さらには、粘着部材の代わりに、静電気力や吸着力により素子形成層103の表面にテープ、シート、基板等の部材を着設してもよい。
ここでは、粘着部材104として、圧着フィルムを用いる。
次に、図3(B)に示すように、剥離層102と素子形成層103との間で分離し、基板101から素子形成層103を剥離する。
剥離方法として、剥離層102を有する基板101及び素子形成層103を物理的手段により剥離する。物理的手段とは、力学的手段または機械的手段を指し、何らかの力学的エネルギー(機械的エネルギー)を変化させる手段を指している。物理的手段は、代表的には機械的な力を加えること(例えば人間の手や把持具で引き剥がすことや、ローラーを回転させる分離処理)である。
また、剥離方法として、基板101に透光性を有する基板を用い、剥離層102に水素を含む非晶質珪素層を用い、基板101側からのレーザ光を照射して剥離層102非晶質珪素膜に含まれる水素を気化させて、基板101と剥離層102との間で剥離する方法を用いることができる。
また、基板101を機械的に研磨し除去する方法や、基板101をHF等の基板を溶解する溶液を用いて基板101を除去する方法を用いることができる。この場合、剥離層102を用いなくともよい。
また、粘着部材104を素子形成層103に貼りあわせる前に、素子形成層に開口部を形成し、該開口部にNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層102をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、素子形成層103に粘着部材104を貼りあわせて、基板101から素子形成層103を剥離する方法を用いることができる。
また、粘着部材104を素子形成層103に貼りあわせる前に、素子形成層に開口部を形成し、該開口部にNF3、BrF3、ClF3等のフッ化ハロゲンガスを導入し、剥離層102の一部をフッ化ハロゲンガスでエッチングし除去した後、素子形成層103に粘着部材104を貼りあわせて、基板101から素子形成層103を物理的手段により剥離する方法を用いることができる。
ここでは、図3(B)に示すように、物理的手段により、剥離層102と素子形成層103との間で分離し、基板101から素子形成層103を剥離する。
次に、図3(C)及び(D)に示すように、素子形成層103及び粘着部材104を分断し、複数の薄膜集積回路121を形成する。なお、薄膜集積回路121には、分離された粘着部材122が付着する。
素子形成層103及び粘着部材104を分断する方法としては、レーザカット法、ダイシング法、スクライビング法等を適宜用いることができる。レーザカット法を用いる場合は、素子形成層103または粘着部材104が吸収可能なレーザ光を選択することが好ましい。素子形成層103及び粘着部材104を分断する場合、ダイシングシート上に素子形成層103を設置した後、上記いずれかの方法を用いて素子形成層103及び粘着部材104を分断しても良い。
ここでは、レーザ光111を素子形成層103及び粘着部材104に照射して、複数の薄膜集積回路121を形成する。
次に、図3(E)に示すように、薄膜集積回路121を基板123上に配列する。このとき、薄膜集積回路121が基板123側に面するように配列する。基板123は、薄膜集積回路121を設置することが可能なものを適宜用いればよく、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板、プラスチック基板等を適宜用いることができる。さらには、基板123に凸状の仕切りを設けてもよい。なお、凸状の仕切りは、薄膜集積回路121を配列させるためのものであるため、特に基板から突出している必要はない。このため、凸状の仕切りの代わりに、格子状に配置された粘着シートを用いてもよい。
薄膜集積回路121を配列した基板123を図1に示すような、ストック室202にセットする。次に、ストック室202から移送手段203上に基板123を設ける。
次に、図4(A)に示すように、ローラー207から送り出される粘着シート208に、ローラー210を用いて基板123上の薄膜集積回路121及び粘着部材122を貼り付ける。ローラー210の圧力、ローラー210と基板123との間隔、ローラー210の回転速度、移送手段203の移動速度を適宜調節することで、基板123から、粘着部材122を介して粘着シート208表面に薄膜集積回路121を貼り付けることができる。
粘着シート208の表面には、粘着層209が設けられている。このため、粘着層209に粘着部材122を貼り付けることができる。
なお粘着シート208の代わりに、粘着層を有さないシートを用いてもよい。この場合、粘着部材122を介して、シートに薄膜集積回路121を貼り付けることができる。
次に、図1及び図4(B)に示すように、ローラー211から送り出される第1の可撓性基板212と、粘着シート208に貼り付けられた薄膜集積回路121とを、一対のローラー215、216の間を通過させる。ここで、ローラー215、216による加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、第1の可撓性基板212に薄膜集積回路121を貼り付ける。一対のローラー215、216の間隔及び一対のローラー215、216の回転速度を適宜調節することで、第1の可撓性基板212に薄膜集積回路121を貼り付けることができる。
ここでは、第1の可撓性基板212の表面(薄膜集積回路121が貼り付けられる側)に、熱可塑性材料で形成される層214が設けられ、且つローラー215にヒータが設けられている。この結果、ローラー215内のヒータにより、第1の可撓性基板212表面の熱可塑性材料で形成される層214の一部213が加熱され、可塑化し接着剤として機能し、薄膜集積回路121を第1の可撓性基板212に貼り付けることが可能である。なおローラー215と共にローラー216にもヒータを設けてもよい。
第1の可撓性基板212としては、代表的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルスルホン)、ポリプロピレン、ポリプロピレンサルファイド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルフォン、ポリフタールアミド等からなる基板や繊維質な材料からなる紙と、熱可塑性材料で形成される層として接着性有機樹脂(アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等)とが、積層された基板を用いることができる。
次に、一対のローラー217、218により、薄膜集積回路121から粘着部材122を剥離する。即ち、粘着シート208上に貼りつけられた粘着部材122と、第1の可撓性基板212上に貼り付けられた薄膜集積回路121との界面において、剥離する。ここでは、それぞれローラー217、218を支点として粘着シート208と第1の可撓性基板212とが離れる方向にそれぞれを移動することで、粘着部材122と、薄膜集積回路121とを剥離することができる。また、ここでは、一対のローラー217、218は、第1の可撓性基板の熱可塑性材料で形成される層214で加熱された一部213を室温に冷却し、熱可塑性材料を硬化し、第1の可撓性基板212と薄膜集積回路121の密着性を高めている。
この結果、第1の可撓性基板212上に、薄膜集積回路121のみを貼り付けた状態となる。
次に、図1及び図4(C)に示すように、ローラー221から送り出される第2の可撓性基板222と、薄膜集積回路121が貼りつけられた第1の可撓性基板212とを、一対のローラー223、224間を通過させる。ローラー223、224により加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行う。この結果、薄膜集積回路121が貼り付けられた第1の可撓性基板212と、ローラー221に巻きつけられた第2の可撓性基板222とを、一対のローラー223、224により貼りつけることができる。
ローラー223、224の間隔、ローラー223、224の回転速度を適宜調節することで、薄膜集積回路121を第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222で貼りあわせることができる。
第1の可撓性基板212の表面(薄膜集積回路121が貼り付けられる側)に、熱可塑性材料で形成される層を設け、第2の可撓性基板222表面(薄膜集積回路121が貼り付けられる側)にも、熱可塑性材料で形成される層を設け、且つ一対のローラー223、224にヒータを設ける。この結果、一対のローラー223、224内のヒータにより、第1の可撓性基板212表面の熱可塑性材料で形成される層228の一部226と、第2の可撓性基板222の表面の熱可撓性基板材料で形成させる層227の一部225とが加熱され、可塑化し接着剤として機能する。また、一対のローラー223、224で加圧されているため、薄膜集積回路121を第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222に接着すると共に、薄膜集積回路121が無い領域では、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222を接着させることが可能である。
第2の可撓性基板222としては、第1の可撓性基板212に示される基板を適宜選択することができる。
なお、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222として、ここでは、熱可塑性材料で形成される層を有する可撓性基板を用い、ローラー215、223、224としてヒータを有するローラーを用いたが、これに限定されない。例えば、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222として、光可塑性材料で形成される層を有する可撓性基板を用い、ローラー215、223、224として発光するローラーを用いてもよい。
以上の工程により、薄膜集積回路の周囲を可撓性基板で封止することができる。また、薄膜集積回路を有するシートを形成することができる。
この後、第1の可撓性基板及び第2の可撓性基板が接着する領域において、分断しても良い。この結果、図4(D)に示すように、周囲が可撓性基板で封止された薄膜集積回路を有する半導体装置231を作製することが可能である。このような半導体装置は、薄膜集積回路が外気に曝されることを回避することが可能であり、防水性の半導体装置を作製することが可能である。即ち、信頼性の高い半導体装置を作製することが可能である。
次に、表面に熱可塑性材料で形成される層を有する第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222の代わりに、接着層を有する第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222を用いる形態について、図5を用いて説明する。
図5(A)に示すように、図4(B)で示す工程の代わりに、一対のローラー216、215により、粘着シート208に貼りあわせられた薄膜集積回路121の表面に、接着層241を有する第1の可撓性基板212を貼り付ける。この場合、一対のローラー216、245の圧着により接着層241に薄膜集積回路121を貼りあわせることが可能である。このため、ローラー215にヒータを設ける必要はないため、装置の簡素化が可能である。
なお、粘着シート208の表面(粘着部材122が貼り付けられる側)の粘着層209の粘着力または粘着部材122より、第1の可撓性基板212の表面に設けられた接着層241の粘着力の方が高いことが好ましい。この結果、後の工程において、薄膜集積回路121と粘着部材122の界面で剥離し、第1の可撓性基板212上に薄膜集積回路121を残存させ、粘着部材122を粘着シート208に残存させることができる。
次に、図5(B)に示すように、図4(C)で示す工程の代わりに、一対のローラー223、224によって、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222を貼りあわせる。この場合、第2の可撓性基板222の表面に接着層242が設けられることが好ましい。この結果、第1の可撓性基板212と第2の可撓性基板222の接着力を高めることが可能である。なお、第2の可撓性基板222には接着層が設けられていなくとも、第1の可撓性基板212に設けられた接着層241によって、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222を接着することが可能である。
この後、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222の接着されたを分断することで、図5(C)に示すような半導体装置231を作製することができる。
また、この場合、一対のローラー223、224の圧着により、接着層241、242で薄膜集積回路121を接着し、薄膜集積回路121が無い領域においては接着層241、242で第1の可撓性基板212に第2の可撓性基板222を接着することが可能である。このため、ローラー223、224にヒータを設ける必要がないため、装置の簡素化が可能である。
次に、薄膜集積回路121にアンテナとして機能する導電層が形成されず、第1の可撓性基板212または第2の可撓性基板222にアンテナとして機能する導電層が設けられる形態について、図5を用いて説明する。
当該形態の場合、図5において、薄膜集積回路121の表面に接続端子を設け、第1の可撓性基板212または第2の可撓性基板222の表面にアンテナとして機能する導電層を設け、接着層241または接着層242に異方性導電接着剤または異方性導電フィルムを設ける。また、薄膜集積回路121と、第1の可撓性基板212と、第2の可撓性基板222とを上記貼りあわせ装置を用いて貼りあわせる。
この結果、薄膜集積回路121の表面に設けられる接続端子と、第1の可撓性基板212に設けられるアンテナとして機能する導電層とを、接着層241に分散される導電性粒子を介して電気的に接続させた薄膜集積回路を有するシート、及び半導体装置を作製することが可能である。または、薄膜集積回路121の表面に設けられる接続端子と、第2の可撓性基板222に設けられるアンテナとして機能する導電層とを、接着層242に分散される導電性粒子を介して電気的に接続させた半導体装置を作製することが可能である。
異方性導電接着剤の代表例としては、分散した導電性粒子(粒径が、数nm〜数十μm、好ましくは3〜7μm程度)を含有する接着性樹脂であり、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、導電性粒子は、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される。また、これらの元素の多層構造を有する粒子でも良い。更には、樹脂で形成された粒子の表面に、金、銀、銅、パラジウム、又は白金から選ばれた一元素、若しくは複数の元素で形成される薄膜が形成された導電性粒子を用いてもよい。
また、異方性導電フィルムは、上記導電性粒子が分散された接着フィルムである。なお、導電性粒子が膜厚方向に分散されている。
次に、粘着シート208に薄膜集積回路121及び粘着部材122を効率よく貼り付けることが可能な形態について図6を用いて説明する。なお、図6は、図1、2に示す貼りあわせ装置において、基板123周辺を拡大した図である。
図6に示すように、粘着部材122によりシート251に薄膜集積回路121を貼り付けた後、基板123に当該シート251を設置する。この場合、基板側に薄膜集積回路121が面させ、ローラー210及び粘着シート208側にシート251を面させることが好ましい。
次に、移送手段203を動かし、ローラー207、210を回転させて、粘着シート208の粘着層に薄膜集積回路121が貼り付けられたシート251を貼り付けることが可能である。この結果、ローラー210において粘着シート208がシート251に接する面積が増大するため、効率よく粘着シート208にシート251を貼り付けることが可能である。即ち、粘着シート208に効率よく薄膜集積回路121を貼り付けることが可能である。
このようにシート251用いることで、数mm角〜数十mm角程度の微小な大きさの薄膜集積回路をも粘着シート208に効率よく貼り付けることが可能である。
上記の貼り合わせ装置を用いて、複数の工程を連続的に行うことにより、作製時間を短縮させて、生産性を向上させながら信頼性の高い半導体装置を作製することができる。また、生産性を向上させることにより、作製費用の低減を図ることができる。
本実施例では、非接触でデータの伝送が可能な半導体装置の作製工程を図7、8を用いて説明する。
図7(A)に示すように、基板901上に剥離層902を形成し、剥離層902上に絶縁層903を形成し、絶縁層903上に薄膜トランジスタ904及び薄膜トランジスタを構成する導電層を絶縁する層間絶縁層905を形成し、薄膜トランジスタの半導体層に接続するソース電極及びドレイン電極906を形成する。
ここでは、基板901としてはガラス基板を用いる。剥離層902としては、スパッタリング法により厚さ30nmのタングステン層を形成する。つぎに、剥離層の表面にN2Oプラズマを照射した後、絶縁層903として、厚さ200nmの酸化珪素層、厚さ50nの窒化酸化珪素層、厚さ100nmの酸化窒化珪素層をそれぞれCVD法により順に形成する。
薄膜トランジスタ904は、ソース領域、ドレイン領域、及びチャネル形成領域を有する半導体層、ゲート絶縁層、ゲート電極で構成される。
半導体層は、結晶構造を有する半導体層である。厚さ66nmの非晶質珪素膜に連続発振レーザ光の照射若しくは繰り返し周波数が10MHz以上であって、パルス幅が1ナノ秒以下、好ましくは1乃至100ピコ秒である高繰返周波数超短パルス光を照射して結晶構造を有する半導体膜を形成する。この後、フォトリソグラフィー工程により形成されたレジストマスクを用いて選択的に結晶構造を有する半導体膜をエッチングして、結晶構造を有する半導体層を形成する。
ゲート絶縁層としては、CVD法により厚さ40nmの酸化珪素層を形成する。
ゲート電極としては、厚さ30nmの窒化タンタル層及び厚さ370nmのタングステン層を順にスパッタリング法を用いて積層させて形成する。
薄膜トランジスタを構成する導電層を絶縁する層間絶縁層905は、50nmの酸化窒化珪素層、厚さ100nmの窒化珪素層、厚さ600nmの酸化窒化珪素層を、それぞれCVD法を用いて順に形成する。
ソース電極及びドレイン電極906は、チタン層、アルミニウム層、及びチタン層をスパッタリング法により順に形成した後、フォトリソグラフィー工程により形成したレジストマスクを用いて選択的にエッチングして形成する。
なお、薄膜トランジスタ904と同時に、図9に示すマスクROM2039を形成することができる。マスクROMは複数のトランジスタで形成する。その際、トランジスタの例えばドレイン領域と接続する配線用のコンタクトホ−ルを開口するか開口しないかによってデ−タを書き込むことが可能であり、例えば開口する場合は1(オン)、開口しない場合は0(オフ)のデ−タ(情報)を、メモリセルに書き込むことが可能である。
層間絶縁層905上に形成されるフォトレジスト(図示しない。)を露光する工程において、ステッパなどの露光装置を用いてレチクル(フォトマスク)を通して露光する工程の前又は後に、上記コンタクトホ−ルが開口される領域上のフォトレジストに電子ビ−ム又はレ−ザ−を照射する。その後、通常どおり現像、エッチング、フォトレジストの剥離などの工程をおこなう。こうすることで、レチクル(フォトマスク)を交換せずに、電子ビ−ム又はレ−ザ−の照射領域を選択するのみで、上記コンタクトホ−ルを開口するパタ−ンと開口しないパタ−ンをつくり分けることができる。すなわち、電子ビ−ム又はレ−ザ−の照射領域を選択することで、製造時において、半導体装置毎に異なるデ−タが書き込まれたマスクROMを作製することが可能となる。
このようなマスクROMを用いて、製造時に半導体装置ごとの固有識別子(UID:Unique Identifier)等を形成することが可能となる。
次に、図7(B)に示すように、薄膜トランジスタ904、層間絶縁層905、ソース電極及びドレイン電極906を覆う絶縁層907を形成し、絶縁層907を介してソース電極またはドレイン電極906に接続する導電層908を形成する。次に、導電層908上に厚さ5〜20μmの導電層909を形成する。
絶縁層907は、感光性ポリイミドをスピンコート法により塗布し、露光及び現像をしてソース電極及びドレイン電極906の一部を露出する。次に、300℃で加熱し焼成して厚さ1.5μmの絶縁層907を形成する。導電層908としては、厚さ200nmのチタン層をスパッタリング法を用いた形成した後、フォトリソグラフィー工程により形成したレジストマスクを用いて選択的にエッチングして形成する。
次に、印刷法により銀粒子を有する組成物を印刷し、200℃で30分加熱して組成物を焼成して導電層909を形成する。なお、導電層908及び導電層909はアンテナとして機能する。
なお、導電層908をニッケル層で形成した後、基板をCuを含むメッキ液に浸して、メッキ法により導電層909を形成してもよい。Agは高価であるので、Cuを用いてメッキ法により導電層909を形成することで、コスト削減が可能である。
次に、図7(C)に示すように、絶縁層907、導電層908、導電層909上に厚さ5〜10μmの有機樹脂で形成される絶縁層911を形成し、絶縁層911に粘着部材913を貼り付ける。絶縁層911は封止材として機能し、外部から薄膜トランジスタ904への不純物の侵入を防ぐことができる。また、絶縁層911を設けることにより、後の剥離工程において薄膜トランジスタ904、アンテナとして機能する導電層908、909が形成される層において亀裂が入ることを防止することができ、歩留まりを向上させることができる。ここでは、エポキシ樹脂をスピンコート法により塗布し、160℃で30分加熱して絶縁層911を形成する。また、粘着部材913としては、熱可塑性樹脂で形成されるシートを用いる。
ここでは、絶縁層903から絶縁層911までの積層体を素子形成層912とする。
次に、図7(D)に示すように、剥離層902及び絶縁層903の界面において分離して、剥離層902を有する基板901及び素子形成層912を物理的手段により剥離する。本実施例においては、剥離層と絶縁層の間に金属酸化膜を形成し、当該金属酸化膜において物理的手段により、素子形成層912を剥離する方法を用いる。本実施例において、物理的手段とは、基板901表面に粘着層を設け固定し、粘着部材913にローラーを押しつけながら回転させて、ローラーに粘着部材913を貼り付けると共に、剥離層902と絶縁層903との間で分離させることができる。
次に、図7(E)に示すように、素子形成層912の薄膜集積回路が形成される領域の周辺部において、絶縁層903から粘着部材913を切断する。ここでは、分離された素子形成層912を薄膜集積回路922と示し、分離された粘着部材913を粘着部材923と示す。また、薄膜集積回路922と粘着部材923を積層体921と示す。
本実施例では、絶縁層903から粘着部材913の一部にレーザ光を照射して、絶縁層903から粘着部材913の一部を除去する。レーザ光としては、YAGレーザの第4高調波(波長266nm)を照射する。
こののち、基板931に積層体921を配列させる。
次に、図1または図2に示すような、貼りあわせ装置を用いて薄膜集積回路922に第1の可撓性基板及び第2の可撓性基板を貼りあわせる。具体的な工程を以下に示す。
図8(A)に示すように、基板931に配列された積層体921を移送手段で移送する。次に、供給用のローラーから送り出される粘着シート208に、ローラー210を用いて積層体921を貼り付ける。粘着シート208の表面には粘着層209が形成される。ローラー210の圧力、ローラー210と基板123との間隔、ローラー210の回転速度、移送手段203の移動速度を適宜調節することで、粘着シート208表面に、積層体921を貼り付けることができる。
次に、図8(B)に示すように、供給用のローラーから送り出される第1の可撓性基板212と、粘着シート208に貼り付けられた積層体921とを、一対のローラー214、215の間を通過させる。ローラー214、215による加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行ない、第1の可撓性基板212に積層体921を貼り付ける。
ここでは、第1の可撓性基板212表面(薄膜集積回路922が貼り付けられる側)に、熱可塑性材料で形成される層が設けられ、且つ一対のローラー215にヒータが設けられている。この結果、一対のローラー215内のヒータにより、第1の可撓性基板212表面の熱可塑性材料で形成される層の一部213が加熱され、可塑化し接着剤として機能し、積層体921を第1の可撓性基板212に貼り付けることが可能である。
次に、一対のローラー217、218により、積層体921の薄膜集積回路922から粘着部材923を剥離する。即ち、粘着シート208上に貼りつけられた粘着部材923と、第1の可撓性基板212上に貼り付けられた薄膜集積回路922との界面において、剥離する。ここでは、それぞれローラー217、218を支点として粘着シート208と第1の可撓性基板212とが離れる方向にそれぞれを移動することで、粘着部材923と、薄膜集積回路922とを剥離することができる。また、ここでは、一対のローラー217、218は、第1の可撓性基板の熱可塑性材料を室温に冷却し、熱可塑性材料を硬化して、第1の可撓性基板212と薄膜集積回路922の密着性を高めている。
この結果、第1の可撓性基板212上に、薄膜集積回路922のみを貼り付けた状態となる。
次に、図8(C)に示すように、供給用ローラーから送り出される第2の可撓性基板222と、薄膜集積回路922が貼りつけられた第1の可撓性基板212とを、一対のローラー223、224間を通過させる。ローラー223、224により加圧処理と加熱処理の一方又は両方を行う。この結果、薄膜集積回路922が貼り付けられた第1の可撓性基板212と、供給用ローラーから送り出される第2の可撓性基板222とを、一対のローラー223、224により貼りつけることができる。
ローラー223、224の間隔、ローラー223、224の回転速度を適宜調節することで、薄膜集積回路121を第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222で貼りあわせることができる。
第2の可撓性基板222表面(薄膜集積回路922が貼り付けられる側)に、熱可塑性材料で形成される層を設け、且つ一対のローラー223、224にヒータを設けてもよい。この結果、一対のローラー223、224内のヒータにより、第1の可撓性基板212表面の熱可塑性材料で形成される層241の一部926と、第2の可撓性基板222の表面の熱可撓性基板材料で形成させる層242の一部925とが加熱され、可塑化し接着剤として機能する。また、一対のローラー223、224で加圧されているため、薄膜集積回路922を第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222に接着すると共に、薄膜集積回路922が無い領域では、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222を接着させることが可能である。
第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222としては、熱可塑性樹脂層を有するPETフィルムを用いる。
以上の工程により、薄膜集積回路の周囲を可撓性基板で封止することができる。また、薄膜集積回路を有するシートを形成することができる。
また、第1の可撓性基板212及び第2の可撓性基板222が接着する領域を分断することにより、非接触でデータの伝送が可能であり、且つ信頼性の高い半導体装置を作製することができる。