JP5006240B2 - 圧着端子 - Google Patents

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この発明は、例えば、被覆電線の導体部分に圧着して、被覆電線の先端に装着する圧着端子に関する。
従来から、被覆電線の先端に装着する端子金具として、被覆をはがした導体部分を圧着する圧着部を備えた圧着端子が多く用いられている。
詳しくは、圧着端子は、長手方向の先端側に配置した端子接続部と、被覆電線の導体部分を圧着する長手方向の基端側に配置した圧着部とで構成するとともに、該圧着部を、前記導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出するワイヤーバレルと呼ばれる圧着片とで構成し、前記圧着底面に、セレーションと呼ばれる幅方向の溝形状である係止溝を、長手方向に所定間隔を隔てて複数備えている。
上記構成で構成された圧着端子は、圧着底面に載置した導体部分を圧着片で圧着することによって、端子接続部と導体部分とを電気的かつ機械的に接続することができる。
なお、圧着部を筒状に構成し、筒状の内面に圧着底面を設ける場合であっても、筒状内部に前記導体部分を挿入して圧着底面に載置し、筒状の圧着部を外部から潰して圧着することによっても、端子接続部と導体とを電気的かつ機械的に接続することができる。
また、圧着底面にセレーションを備えたことにより、圧着された導体部分の一部がセレーションの溝形状に応じて変形して、圧着された導体部分の圧着部からの引抜きを防止することができる。すなわち、セレーションによって機械接続性を向上することができる。
また、圧着底面にセレーションを備えたことによって、圧着片により、圧着底面に圧着された導体部分は、凹状の係止溝に沿って変形するため、接触面積が増大して電気抵抗の少ない電気的接続を実現することができる。
しかし、このような圧着端子と導体部分との接続において、圧着片による圧着が弱いと導体部分との電気的接続における電気抵抗が増大し、逆に、圧着片による圧着が強いとセレーションに食い込む変形による変形負荷が増大して、導体部分の強度が低下し、使用上必要な強度以下の荷重で破断する惧れがあった。
そこで、長手方向に複数配設したセレーションのうち、使用の際に引抜き負荷が多く作用する最も基端側のセレーションの溝深さを浅くすることによって、確実な電気接続性を確保できる程度に圧着片で圧着した場合であっても、基端側のセレーションに食い込んだ変形による変形負荷を抑制して、使用上必要な強度以下の荷重で破断する惧れのない圧着方法が提案されている(特許文献1参照)。
上記特許文献1の圧着方法を用いることによって、良好な電気接続性とともに、使用上必要な強度以下の荷重で破断する惧れのない機械接続性を確保できるものの、基端側のセレーションにおける導体部分の変形が小さく、圧着された導体部分の圧着部からの引抜きを十分に防止することはできなかった。
特開2003−31274号公報
この発明は、電気接続性及び機械接続性を向上することができる圧着端子を提供することを目的とする。
この発明は、被覆電線の導体部分を圧着する圧着部を、前記導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出する圧着片とで構成し、前記圧着底面に、長手方向に所定間隔を隔てて複数配置した幅方向の係止溝を備え、前記係止溝を、先端側溝側面及び基端側溝側面と、該先端側溝側面及び基端側溝側面のそれぞれの下端を結ぶ溝底面とで構成する溝形状で形成し、複数配置された前記係止溝のうち基端側の係止溝を、圧着治具で圧着した際に、前記圧着片に形成されるベルマウスのうち基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に位置するように配置した圧着端子であることを特徴とする。
この発明の態様として、前記基端側溝側面を、上部が前記基端側に傾斜する傾斜側面で形成することができる。
また、この発明の態様として、前記溝底面を、先端側の深型溝底面と、前記基端側の浅型溝底面とで構成する段状の段状底面で構成することができる。
また、この発明の態様として、前記基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記浅型溝底面部分に対応する位置となるように前記係止溝を配置することができる。
また、この発明の態様として、前記係止溝における幅方向端部である幅方向側面を、テーパー面で形成することができる。
上記圧着部は、圧着底面と、圧着底面の幅方向両側に配置されたいわゆるバレル片と呼ばれる圧着片とを備え、圧着前の状態で背面視略U型のオープンバレル形式や、あらかじめ圧着片の先端を上方で当接させた背面視略O型のクローズバレル形式のワイヤーバレルであることを含む。なお、圧着片の先端の当接とは、溶接等によって接合された状態、接触させただけの当接状態、あるいはわずかな隙間のある略当接状態であることを含む。
上記圧着端子は、上記圧着部と、雌型コネクタBOX、雄型コネクタBOX、あるいはねじ挿通孔等の端子接続部とを備えた接続端子や、圧着部のみで構成する接続端子であることを含む。
上記被覆電線は、複数の素線が純銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれかで構成された導体部分を絶縁性被覆体で被覆する被覆電線であり、例えば、軟銅線の素線で構成された導体部分を有する極細被覆電線であることを含む。
上記係止溝は、長手方向に対して略直角方向である幅方向に配された断面溝形状のセレーションをいう。
上記溝底面は、深さが一定の平面あるいは曲面で構成された溝底面や、前後方向に圧着底面からの深さが変化する平面あるいは曲面で構成された溝底面であることを含み、さらには、縦断面方向における前後方向の途中部分に変曲点や折れ点が存し、変曲点や折れ点を挟む平面または曲面同士あるいはその組み合わせで構成される溝底面であることを含む。
上記長手方向は、圧着端子における基端側と先端側とを結ぶ方向であることを含み、上記幅方向は、該長手方向に対して直交し、圧着底面に沿う方向であることを含む。
上記基端側は、圧着端子の長手方向において圧着する被覆電線が配置される側であることを含み、上記先端側は、圧着端子における基端側と反対側であり、例えば、圧着部と端子接続部とで構成する圧着端子の場合、端子接続部側であることを含む。
したがって、先端側溝側面は幅方向の係止溝の溝形状を構成する幅方向に長い側面のうち先端側の側面であり、基端側溝側面は、先端側溝側面に対向する基端側の側面であることを含む。
上記圧着治具は、圧着アプリケータにおいてアンビルとともに挟み込んで圧着片を圧着するワイヤークリンパであることを含む。
上記基端側のベルマウスは、ワイヤークリンパで圧着片をカールさせた際に、圧着片の端部に生じた上方へ折れ曲がるテーパー状の膨らみであり、圧着片の両端部のうち圧着する被覆電線側の端部に生じたベルマウスをいう。これにより、導体部分に圧着片の長手方向端面が食い込んで損傷が及ぶことを防止している。
上記基端側のベルマウスの内面側の開始位置は、圧着部の平面部分とテーパー状に形成されるベルマウスとの圧着部の内面側での交点であり、圧着治具であるクリンパの角部によって折れ曲がる折曲点に対応し、圧着部外面側の折曲点より先端側に形成される屈曲点であることをいう。
このように、圧着端子における、被覆電線の導体部分を圧着する圧着部を、前記導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出する圧着片とで構成し、前記圧着底面に、長手方向に所定間隔を隔てて複数配置した幅方向の係止溝を備え、前記係止溝を、先端側溝側面及び基端側溝側面と、該先端側溝側面及び基端側溝側面のそれぞれの下端を結ぶ溝底面とで構成する溝形状で形成し、複数配置された前記係止溝のうち基端側の係止溝を、圧着治具で圧着した際に、前記圧着片に形成されるベルマウスのうち基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に位置するように配置したことによって、被覆電線の導体部分を圧着部で圧着して、確実な電気的接続及び機械的接続を実現することができる。
詳しくは、圧着底面に係止溝を備えたことによって、圧着片により、圧着底面に圧着された導体部分は、凹状の係止溝に食い込んで変形するため、接触面積が増大して電気抵抗の少ない電気的接続を実現できる。また、導体部分の係止溝に食い込んだ変形によって、圧着部からの導体部分の引抜き抵抗を増大させることができる。
なお、圧着された導体部分の一部が凹状の係止溝に食い込んで変形する際に、凹状の係止溝のエッジ部によって導体部分に局所的に強い圧力が付与され、導体部分が損傷して機械接続性が低下する惧れがあるが、複数配置された前記係止溝のうち基端側の係止溝を、圧着治具で圧着した際に、前記圧着片に形成されるベルマウスのうち基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に位置するように配置したことによって、凹状の基端側係止溝のエッジ部によって導体部分に局所的に強い圧力が付与されることを防止することができる。
詳しくは、先端側ベルマウスと基端側ベルマウスの間の圧着片で圧着底面に対して導体部分を圧着し、その圧着の際に、圧着片による圧着方向に係止溝のエッジ部が配置されている場合、圧着片によって伝達される圧着力が、エッジ部による局所的な強い圧力として導体部分に付与され、導体部分が損傷を受ける惧れがある。
しかし、圧着治具で圧着した際に、前記圧着片に形成されるベルマウスのうち基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に位置するように基端側の係止溝を配置したことによって、先端側溝側面及び基端側溝側面のエッジ部が導体部分に局所的な強い圧力を付与することを防止でき、機械接続性の高い接続を実現することができる。
また、前記係止溝を、前記圧着底面における長手方向に所定間隔を隔てて複数配置し、複数配置された前記係止溝のうち基端側の係止溝を、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に前記基端側のベルマウスの内面側の開始位置が位置するように配置したことによって、最も引抜き負荷が作用する基端側の係止溝に食い込む変形部分に対して、基端側溝側面のエッジ部による局所的な負荷が作用することを防止できるため、導体保持力が高く、引抜き力に対する破断の惧れを低減した接続信頼性の高い接続を実現することができる。
また、基端側の係止溝以外の係止溝に食い込む変形部分において、係止溝におけるエッジ部が導体部分に対して局所的に強い圧力を付与し、導体部分の表面に生じている酸化物等の抵抗物質を除去することができ、電気接続性を向上することができるとともに、最も引抜き負荷が作用する基端側の係止溝での変形部分において導体保持力が高く、引抜き力に対する破断の惧れを低減している。
すなわち、導体部分と圧着部との1つの圧着接続において複数本の係止溝のうち、基端側以外の係止溝で確実に圧着して電気接続性を確保し、最も引抜き負荷が作用する基端側の係止溝で導体保持力が高く、引抜き力に対する破断の惧れのない機械接続性を確保することのできる、接続信頼性の高い接続を実現することができる。
また、前記ベルマウスの内面側の開始位置が、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に位置するように基端側の記係止溝を配置したことによって、先端側溝側面及び基端側溝側面のエッジ部による局所的な負荷が導体部分に作用することを防止できるため、係止溝の溝深さを通常のセレーションの溝深さで形成した場合であっても、良好な電気接続性とともに、使用上必要な強度以下の荷重で破断する惧れのない機械接続性を確保でき、さらには、圧着された導体部分の十分な引抜き強度、換言すると十分な導体保持力を有する接続を実現することができる。
殊に、導体部分が従来の撚り線と比べて細い極細電線である場合、過度の局所的な圧力によって損傷を受けて破断しやすいが、上述のように、圧着片に形成されるベルマウスの内面側の開始位置が、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に位置するように基端側の係止溝を配置したことによって、極細電線である導体部分に局所的に強い圧力が付与されることを防止することができ、より好ましい。
また、前記基端側溝側面を、上部が前記基端側に傾斜する傾斜側面で形成したことにより、溝側面のエッジ部の角度が緩くなるため、角度が緩くなったエッジ部によって導体部分に作用する局所的な負荷をさらに低減でき、さらに、機械接続性を向上する接続を実現することができる。
また、前記溝底面を、先端側の深型溝底面と、前記基端側の浅型溝底面とで構成する段状の段状底面で形成したことによって、先端側の深型溝底面部分に食い込む変形部分によって十分な引っ張り抵抗を確保するとともに、引抜き負荷が作用しやすい基端側の浅型溝底面による食い込み変形の変形量を低減することによる変形負荷を低減できるため、導体保持力が高く、引抜き力に対する破断の惧れを低減した接続信頼性の高い接続を実現することができる。
また、前記基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記浅型溝底面部分に対応する位置となるように前記係止溝を配置したことによって、食い込み変形の変形量を低減して変形負荷を低減した基端側の変形部分に対して、基端側溝側面のエッジ部による局所的な負荷が作用することを防止できるため、機械接続性をさらに向上することができる。
また、前記係止溝における幅方向端部である幅方向側面を、テーパー面で形成したことによって、係止溝の幅方向端部付近における導体部分の変形による導体部分への負担を低減することができる。
この発明によれば、電気接続性及び機械接続性を向上することができる圧着端子を得ることができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は斜視図による圧着端子1の説明図を示し,図2は平面図等による圧着端子1の説明図を示し、図3はワイヤーバレル部10の圧着方法を説明する説明図を示し、図4は圧着状態の圧着端子1の縦断面図による説明図を示し、図5はワイヤーバレル部10の圧縮率による圧着強度及び電気抵抗値の関係を示す性能グラフを示している。
なお、図1(a)は幅方向中央で分断した圧着端子1の斜視図を示し、図1(b)は圧着前の圧着端子1及び被覆電線100の斜視図を示し、図1(c)は圧着状態の圧着端子1の斜視図を示している。
また、図2(a)は折り曲げ加工前の板状態の圧着端子1の平面図を示し、図2(b)は折り曲げ加工が施された圧着端子1の平面図を示し、図2(c)は折り曲げ加工が施された圧着端子1の幅方向中央付近の縦断面図を示している。
また、図4(a)は、図4中央付近に配置した断面位置概要図に示す圧着端子1のA−A断面図を示し、図4(b)は圧着端子1のB−B断面図を示している。
本発明の圧着端子1において、被覆電線100の芯線102を圧着するワイヤーバレル部10は、芯線102を載置するバレル底部11と、バレル底部11の幅方向Yの両側から延出するワイヤーバレル片12とで構成し、バレル底部11に、幅方向Yのセレーション20(20a,20b,20c)を備えている。
前方側面21及び後方側面22と、該前方側面21及び後方側面22のそれぞれの下端を結ぶ溝底面23とで構成する溝形状で形成されたセレーション20は、バレル底部11における長手方向Xに所定間隔を隔てて複数配置されている。
長手方向Xに3本配置されたセレーション20のうち基端側の後方セレーション20cは、クリンパ202でワイヤーバレル片12を圧着した際に、ワイヤーバレル片12の長手方向Xの両端に形成されるベルマウス30のうち基端側の基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が、前方側面21c及び後方側面22cの間に位置するように配置されている。
なお、後方セレーション20cの溝形状を構成する後方側面22cは、上部が基端側すなわち長手方向Xの後方に傾斜する傾斜側面で形成している。さらに、各セレーション20における幅方向Yの端部である幅方向側面24を、テーパー面で形成している。
上述した圧着端子1の構成について詳述すると、圧着端子1は、長手方向Xの前方から後方に向かって、図示省略する雄型コネクタの挿入を許容するコネクタボックス2と、コネクタボックス2の後方で、所定の長さの第1トランジション18を介して配置されたワイヤーバレル部10と、ワイヤーバレル部10の後方で所定の長さの第2トランジション19を介して配置されたインシュレーションバレル部15とを一体に構成している。
なお、ワイヤーバレル部10は、被覆電線100の芯線102をかしめて圧着し、インシュレーションバレル部15は被覆電線100の絶縁被覆101をかしめて固定している。
なお、被覆電線100は、近年の小型化、軽量化に伴い、従来の撚り線と比べて細い極細電線を束ねて芯線102を構成している。
圧着端子1は、図2(a)に示すように、組立前の板状態から折り曲げ加工によって立体構成している。コネクタボックス2は、倒位の中空四角柱体で構成され、内部に、長手方向Xの後方に向かって折り曲げられ、挿入される雄型コネクタに接触する接触片2aを備えている。
圧着前のワイヤーバレル部10は、図1(b)に示すように、バレル底部11と、その幅方向Yの両側から斜め外側上方に延出するワイヤーバレル片12とで構成し、後方視略U型に形成し、圧着前のインシュレーションバレル部15も、バレル底部17と、その幅方向Yの両側から斜め外側上方に延出するインシュレーションバレル片16とで構成し、後方視略U型に形成している。
なお、ワイヤーバレル部10のバレル底部11には、図1のa部に示すように、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置した幅方向Yの3本のセレーション20(20a、20b、20c)を備えている。
3本のうち最も先端側、すなわちコネクタボックス2の側である前方の前方セレーション20aと、3本の間に配置された中央セレーション20bとは、図2のb部拡大図に示すように、四角形断面溝形状で構成されている。
詳しくは、前方セレーション20a及び中央セレーション20bの四角形断面溝形状は、いずれもバレル底部11に直交する前方側面21a,21b及び後方側面22a,22b、並びに溝底面23a,23bとで構成された凹状の縦断方向の断面が四角形である溝形状である。なお、各溝底面23a,23bは、前方側面21a,21b及び後方側面22a,22bの下端を結ぶバレル底部11に平行な面で構成されている。
また、3本のうち最も基端側、すなわち後方の後方セレーション20cは、図2(a)に示すように、前方セレーション20aや中央セレーション20bの3倍程度の長手方向Xの溝幅Wを有する逆台形断面溝形状で形成されている。
詳しくは、後方セレーション20cの逆台形断面溝形状は、上部が長手方向Xの前方に傾斜する前方側面21cと、上部が長手方向Xの後方に傾斜する後方側面22cと、前方側面21cと後方側面22cのそれぞれの下端を結ぶバレル底部11に平行な溝底面23cとで構成された縦断方向の断面が下向きに凸の逆台形である溝形状である。
なお、後方セレーション20cの溝深さDは、前方セレーション20a、中央セレーション20bと同じ深さに構成されている。
このように構成された圧着端子1の圧着前の状態において、図1(b)に示すようにワイヤーバレル部10と被覆電線100とを配置し、図3に示す圧着アプリケータ200で圧着することで図1(c)に示すように、ワイヤーバレル部10で芯線102を圧着して、圧着端子1を被覆電線100に装着することができる。
詳しくは、被覆電線100の芯線102がワイヤーバレル部10の内側となり、絶縁被覆101の前端付近がインシュレーションバレル部15の内側となるように、被覆電線100を圧着端子1の上方から載置し(図1(b)参照)、図3に示す圧着アプリケータ200のアンビル201にセットする(図3(a)参照)。
そして、図3(b)に示すように、ワイヤーバレル部10の上からクリンパ202を降ろして、アンビル201とクリンパ202とでワイヤーバレル部10を挟み込んで、図3(c)に示すように、ワイヤーバレル片12をカールさせる。
また、上述のワイヤーバレル部10の圧着と同時に、インシュレーションバレル部15の上から図示省略するインシュレーションバレル用のクリンパを降ろして、インシュレーションバレル用のアンビルとインシュレーションバレル用のクリンパとでインシュレーションバレル部15を挟み込んで、インシュレーションバレル片16をカールさせる。
これにより、ワイヤーバレル片12で芯線102をバレル底部11に押圧し、さらにはインシュレーションバレル片16で絶縁被覆101をバレル底部17に押圧し、幅方向Yに隣接する二山状の圧着状態を構成することができる(図3(c)参照)。
なお、このクリンパ202によるワイヤーバレル片12のカールによって、ワイヤーバレル片12の長手方向Xの両端にテーパー状のベルマウス30(30a,30b)が形成される。そして、基端側の基端側ベルマウス30bの内側開始位置31の長手方向Xの位置が、図4(b)におけるd部拡大図に示すように、後方セレーション20cにおける前方側面21cと後方側面22cとの間となる。
こうして、ワイヤーバレル部10における芯線102の圧着状態において、接続状態の縦断方向の断面図を示す図4(a)におけるc部の拡大図に示すように、複数本で構成する芯線102の下側がセレーション20に食い込んで変形し、芯線102の周面から突出する食込み変形部103(103a,103b)が形成される。
詳しくは、前方セレーション20a及び中央セレーション20bに食い込んだ食込み変形部103aは、前方セレーション20a及び中央セレーション20bの四角形断面溝形状に対応する四角形断面形状で変形し、芯線102の底面側に突出することとなる。
また、同様に、後方セレーション20cによる食込み変形部103bは上述の逆台形断面溝形状に対応する逆台形断面で芯線102の底面側に突出することとなる。
なお、食込み変形部103bの長手方向Xの間に基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が位置するような配置で形成されている。
このように、ワイヤーバレル部10においてワイヤーバレル片12で芯線102を圧着して、セレーション20に食い込んだ食込み変形部103が芯線102に形成されることにより、バレル底部11と芯線102との接触面積が増加され、ワイヤーバレル部10と芯線102との電気接続性を向上することができる。
また、セレーション20へ食い込んだ食込み変形部103により、芯線102のワイヤーバレル部10に対する引抜き方向、すなわち長手方向Xの後ろ向きの引抜き力に対する抵抗を増大することができ、機械接続性を向上することができる。
したがって、バレル底部11にセレーション20を備えたことによる芯線102の変形によって、上述したような電気接続性及び機械接続性を向上することができる。
さらに、基端側の基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が、後方セレーション20cにおける前方側面21cと後方側面22cとの間に位置するよう後方セレーション20cを配置し、長手方向Xの間に基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が位置するような配置で食込み変形部103bが形成されたことにより、最も引抜き力が付与される食込み変形部103bにおいて、圧着された導体部分の十分な引抜き強度、換言すると十分な導体保持力を有する接続を実現することができる。
詳しくは、圧着された芯線102の一部が凹状のセレーション20に食い込んで変形する際に、凹状のセレーション20のエッジ部によって芯線102に局所的に強い圧力が付与され、芯線102が損傷して機械接続性が低下する惧れがある。
しかし、クリンパ202で圧着した際に、ワイヤーバレル片12の長手方向Xの両端に形成されるベルマウス30のうち基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が前方側面21c及び後方側面22cの間に位置するように後方セレーション20cを配置したことによって、後方セレーション20cの後方側面22cのエッジ部によって芯線102に局所的に強い圧力が付与されることを防止することができる。したがって、機械接続性の高い接続を実現することができる。
また、基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が前方側面21c及び後方側面22cの間に位置するように後方セレーション20cを配置したことによって、後方側面22cのエッジ部による局所的な負荷が芯線102に作用することを防止できるため、後方セレーション20cの溝深さDを前方セレーション20aや中央セレーション20bと同じ深さに形成しているが、良好な電気接続性とともに、使用上必要な強度以下の荷重で破断する惧れのない機械接続性を確保でき、さらには、圧着された導体部分の十分な引抜き強度、換言すると十分な導体保持力を有する接続を実現することができる。
この理由を説明するための図5の圧着部の圧縮率による圧着強度及び電気抵抗値の関係を示す性能グラフには、グラフの右側の圧縮率(元の断面積に対する圧着後の断面積の比率)が高い場合(つまりあまり圧縮されていない状態)、圧着強度、すなわち導体部分の引抜き強度は90%程度をピークとして高くなり機械接続性に優れているが、電気抵抗値が高く、電気接続性に問題があり、逆に、グラフの左側の圧縮率が70%程度の場合(つまり圧縮量を増加させる)、電気抵抗値が低くなり電気接続性が向上するものの、導体部分の引抜き強度が低下することが示されている。
なお、以上は銅線の場合の性能グラフであり、銅合金やアルミ線の場合には最適な値は変化する。しかし、引張り強度のピーク位置と電気抵抗のボトム位置にはずれがあり、前者のほうが圧縮率の高い側に来る傾向は同じである。
このことからも、前方セレーション20aや中央セレーション20bに食い込む食込み変形部103aにおいて、圧縮率を下げて、すなわち圧縮量を増加させることによって、電気抵抗値が低くなり、電気接続性が向上させ、圧縮量を増加させることによる芯線102の引抜き強度の低下分を、前方側面21cと後方側面22cとの間に基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が位置するように配置した後方セレーション20cによる食込み変形部103bの圧縮率を上げることによって、芯線102の引抜き強度を補強している。
このように、圧着端子1のワイヤーバレル部10は、前方セレーション20a及び中央セレーション20bの食込み変形部103aによって電気接続性を向上させ、後方セレーション20cの食込み変形部103bによって機械接続性を向上し、ワイヤーバレル部10に備えた前方セレーション20a、中央セレーション20b及び後方セレーション20cの3本に食い込む食込み変形部103で電気接続性とともに機械接続性を向上することのできる接続を実現している。
また、後方セレーション20cの溝深さDを前方セレーション20aや中央セレーション20bと同じ深さに形成することによって、食込み変形部103bは後方セレーション20cに対して十分な食い込み量を確保できるため、後方セレーション20cの溝深さを前方セレーション20aや中央セレーション20bより浅く形成した場合と比較して、引抜き抵抗を向上することができる。
さらに、後方セレーション20cの前方側面21cの上部が先端側に傾斜するとともに、後方側面22cの上部が基端側に傾斜することによって、前方側面21cおよび後方側面22cのエッジ部の角度が緩くなるため、角度が緩くなったエッジ部によって芯線102に作用する局所的な負荷をさらに低減でき、さらに、機械接続性を向上する接続を実現することができる。
なお、基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が前方側面21c及び後方側面22cの間に位置するように後方セレーション20cを配置したことによる後方側面22cのエッジ部による局所的な負荷が芯線102に作用することを防止できるため、過度の局所的な圧力によって損傷を受けて破断しやすい、従来の撚り線と比べて細い極細電線で形成した芯線102の場合は、より引抜き抵抗を向上させることができるが、もちろん、通常の撚り線で構成された芯線においても同様の効果を得ることができる。
また、セレーション20における幅方向Yの端部である幅方向側面24を、テーパー側面で形成しているため、セレーション20の左右方向の幅方向側面24による芯線102の変形による負荷を低減している。
詳しくは、幅方向側面24をバレル底部11に対して直交する端面で構成した場合、セレーション20の幅方向側面24の付近における芯線102の変形は、前方側面21及び後方側面22による長手方向Xの変形に加えて、バレル底部11に対して直交する端面による幅方向Yの変形も加わるため、変形による負荷が作用し、例えば引抜き力の付与により破断する惧れがある。
しかし、幅方向側面24をテーパー側面で形成したことによって、幅方向側面24による食込み変形部103の幅方向Yの変形が緩やかになり、セレーション20の幅方向側面24における変形による負荷を低減することができる。したがって、より確実で安定した機械的接続を実現することができる。
さらにまた、あらかじめワイヤーバレル片12の先端を上方で当接させた背面視略O型のクローズバレル形式のワイヤーバレルである場合であっても、上記効果を得ることができる。
図6は斜視図による圧着端子1’の説明図を示し,図7は平面図等による圧着端子1’の説明図を示し、図8は圧着状態の圧着端子1’の縦断面図による説明図を示している。
なお、図6(a)は幅方向中央で分断した圧着端子1’の斜視図を示し、図6(b)は圧着前の圧着端子1’及び被覆電線100の斜視図を示し、図6(c)は圧着状態の圧着端子1’の斜視図を示している。
また、図7(a)は折り曲げ加工前の板状態の圧着端子1’の平面図を示し、図7(b)は折り曲げ加工が施された圧着端子1’の平面図を示し、図7(c)は折り曲げ加工が施された圧着端子1’の幅方向中央付近の縦断面図を示している。
また、図8(a)は、図8中央付近に配置した断面位置概要図に示す圧着端子1’のA−A断面図を示し、図8(b)は圧着端子1’のB−B断面図を示している。
本発明の圧着端子1’において、被覆電線100の芯線102を圧着するワイヤーバレル部10’は、前記芯線102を載置するバレル底部11’と、バレル底部11’の幅方向Yの両側から延出するワイヤーバレル片12とで構成し、バレル底部11’に、幅方向Yのセレーション20’(20a,20b,20c’)を備えている。
前方側面21(21a,21b,21c’)及び後方側面22(22a,22b,22c’)と、該前方側面21及び後方側面22のそれぞれの下端を結ぶ溝底面23(23a,23b,23c’)とで構成する溝形状で形成されたセレーション20’は、バレル底部11’における長手方向Xに所定間隔を隔てて複数配置されている。
長手方向Xに3本配置されたセレーション20’のうち基端側の後方セレーション20c’は、クリンパ202でワイヤーバレル片12を圧着した際に、ワイヤーバレル片12の両端に形成されるベルマウス30のうち基端側の基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が、前方側面21c’及び第2後方側面22cb’の間に位置するように配置されている。
また、後方セレーション20c’の溝底面を、長手方向Xの前方の深型溝底面23ca’と、長手方向Xの後方の浅型溝底面23cb’とで構成する段状の段状底面23c’で形成するとともに、後方セレーション20c’は、基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が浅型溝底面23cb’に対応する位置となるように後方セレーション20c’を配置している。さらに、各セレーション20’における幅方向Yの端部である幅方向側面24’を、テーパー面で形成している。
上述した圧着端子1’の構成について詳述すると、圧着端子1’は、上述の実施例1と同様に、コネクタボックス2と、ワイヤーバレル部10’と、インシュレーションバレル部15とを一体に構成している。なお、絶縁被覆101及び芯線102で構成する被覆電線100、圧着端子1’におけるコネクタボックス2、第1トランジション18、第2トランジション19、インシュレーションバレル部15は、上述の実施例1における構成と同じ構成であるため、詳細な説明を省略する
なお、ワイヤーバレル部10’のバレル底部11’には、図6のa部に示すように、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置した幅方向Yの3本のセレーション20’(20a、20b、20c’)を備えている。
3本のうち最も先端側、すなわちコネクタボックス2の側である前方の前方セレーション20aと、3本の間に配置された中央セレーション20bとは、上述の実施例1における圧着端子1の前方セレーション20a及び中央セレーション20bと同じ構成であるため詳細な説明を省略する。
3本のうち最も基端側、すなわち後方の後方セレーション20c’は、長手方向Xの前方から、バレル底部11’に直交する略鉛直方向の前方側面21c’と、該前方側面21c’の下端から後方に向かう深型溝底面23ca’と、該深型溝底面23ca’の後端から上方に向かう第1後方側面22ca’と、該第1後方側面22ca’の上端から後方に向かう浅型溝底面23cb’と、該浅型溝底面23cb’の後端から上方に向かうバレル底部11’に直交する略鉛直方向の第2後方側面22cb’とで構成した段状溝形状で構成している。
詳しくは、前方側面21c’は、前方セレーション20aや中央セレーション20bと同じ溝深さDで構成された後方セレーション20c’の溝形状を構成する長手方向Xの前方に配置された鉛直方向の側面である。
深型溝底面23ca’は、後方セレーション20c’の溝底面における長手方向Xの前方を構成し、バレル底部11’に平行であるとともに、前方セレーション20aや中央セレーション20bの溝底面23と同じ長手方向Xの溝幅Wで構成されている。
第1後方側面22ca’は、前方側面21c’に平行に構成されるとともに、前方側面21c’より半分程度の高さで構成されている。
浅型溝底面23cb’は、後方セレーション20c’の溝底面における長手方向Xの後方を構成し、バレル底部11’に平行であるとともに、深型溝底面23ca’の長手方向Xの溝幅Wの4倍程度の長さで構成している。
第2後方側面22cb’は、前方側面21c’に平行に構成されるとともに、前方側面21c’より半分程度の高さで構成され、上端がバレル底部11’となる。
なお、後方セレーション20c’の溝底面のうち長手方向Xの前方を構成する深型溝底面23ca’と、長手方向Xの後方を構成する浅型溝底面23cb’とで、前方が深く、後方が浅い2段状の段状底面23c’で形成している。詳しくは、深型溝底面23ca’で構成される前方深溝部分20ca’は前方セレーション20aや中央セレーション20bと同様の溝深さD、及び長手方向Xの溝幅Wで構成され、浅型溝底面23cb’で構成される後方浅溝部分20cb’は前方セレーション20aや中央セレーション20bの溝深さDより半分の深さ、及び前方セレーション20aや中央セレーション20bの長手方向Xの溝幅Wの4倍で構成されている。
さらに、後方セレーション20c’は、ワイヤーバレル片12の両端に形成されるベルマウス30のうち基端側の基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が、浅型溝底面23cb’に対応する位置となるように配置している。
なお、各セレーション20’における幅方向Yの端部である幅方向側面24’を、テーパー面で形成している。
このように構成された圧着端子1’を、上述の実施例1で説明したように、圧着前の状態において、図6(b)に示すようにワイヤーバレル部10’と被覆電線100とを配置し、図3に示す圧着アプリケータ200で圧着することで図6(c)に示すように、ワイヤーバレル部10’で芯線102を圧着して、圧着端子1’を被覆電線100に装着することができる。
このとき、上述の実施例1で説明したように、ワイヤーバレル片12の長手方向Xの両端にテーパー状のベルマウス30(30a,30b)が形成され、基端側の基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が、後方セレーション20c’の浅型溝底面23cb’部分に対応する位置となるように後方セレーション20c’が配置されている。
こうして、ワイヤーバレル部10’における芯線102の圧着状態において、接続状態の縦断方向の断面図を示す図7(a)におけるc部の拡大図に示すように、複数本で構成する芯線102の下側がセレーション20’に食い込んで変形し、芯線102の周面から突出する食込み変形部103’(103a,103b’)が形成される。
詳しくは、前方セレーション20a及び中央セレーション20bに食い込んだ食込み変形部103aは、上述の実施例1における食込み変形部103aと同様に、前方セレーション20a及び中央セレーション20bの四角形断面溝形状に対応する四角形断面形状で変形し、芯線102の底面側に突出することとなる。
また、同様に、後方セレーション20c’による食込み変形部103b’は、上述の段状底面23c’で構成された段状断面溝形状に対応する段状断面で芯線102の底面側に突出することとなる。
なお、食込み変形部103b’の長手方向Xの間に基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が位置するような配置で形成されている。詳しくは、食込み変形部103b’のうち後方の突出量の少ない後方段状変形部分103bb’に対応する部分に基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が位置されるよう配置されている。
このように、ワイヤーバレル部10’においてワイヤーバレル片12で芯線102を圧着して、セレーション20’に食い込んだ食込み変形部103’が芯線102に形成されることにより、バレル底部11’と芯線102との接触面積が増加され、ワイヤーバレル部10’と芯線102との電気接続性を向上することができる。
また、セレーション20’へ食い込んだ食込み変形部103’により、芯線102のワイヤーバレル部10’に対する引抜き方向の抵抗を増加することができ、機械接続性を向上することができる。
したがって、バレル底部11’にセレーション20’を備えたことによる芯線102の変形によって、上述したような電気接続性及び機械接続性を向上することができる。
さらに、基端側の基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が、深型溝底面23ca’と浅型溝底面23cb’とによる段状底面23c’で構成する段状溝形状のうち浅型溝底面23cb’の部分に対応する位置となるように後方セレーション20c’を配置したことにより、最も引抜き力が付与される食込み変形部103b’において、圧着された芯線102の十分な引抜き強度、換言すると十分な導体保持力を有する接続を実現することができる。
詳しくは、圧着された芯線102の一部が凹状のセレーション20’に食い込んで変形する際に、凹状のセレーション20’のエッジ部によって芯線102に局所的に強い圧力が付与され、芯線102が損傷して機械接続性が低下する惧れがある。
しかし、クリンパ202で圧着した際に、ワイヤーバレル片12に形成されるベルマウス30のうち基端側ベルマウス30bの内側開始位置31を、浅型溝底面23cb’に対応する位置するように後方セレーション20c’を配置したことによって、後方セレーション20c’の第2後方側面22cb’のエッジ部によって芯線102に局所的に強い圧力が付与されることを防止することができる。
これは、クリンパ202でワイヤーバレル片12を圧着した際に、ワイヤーバレル片12に形成される基端側ベルマウス30bの内側開始位置31を、浅型溝底面23cb’に対応する位置するように後方セレーション20c’を配置したことによって、第2後方側面22cb’のエッジ部が芯線102に局所的に強い圧力が付与されることを防止でき、機械接続性の高い接続を実現することができる。
また、後方セレーション20c’を、前方セレーション20aや中央セレーション20bと同じ溝深さD及び溝幅Wで構成する前方深溝部分20ca’と、半分程度の溝深さD及びが4倍程度の溝幅Wの後方浅溝部分20cb’とで構成したことにより、後方セレーション20c’において、前方セレーション20aや中央セレーション20bと同様の圧縮率を構成する部分と、前方セレーション20aや中央セレーション20bより圧縮率の高い、すなわちあまり圧縮されていない部分とを構成することができる。
詳しくは、前方セレーション20aや中央セレーション20bに食い込む食込み変形部103aと同様に、後方セレーション20c’に食い込む食込み変形部103b’における前方深溝部分20ca’の前方段状変形部分103ba’において、圧縮率を下げて、すなわち圧縮量を増加させることによって、電気抵抗値が低くなり電気接続性が向上させている。
そして、前方段状変形部分103ba’における芯線102の引抜き強度の低下分を、浅型溝底面23cb’に対応する位置に基端側ベルマウス30bの内側開始位置31が位置するように配置した後方セレーション20c’における後方浅溝部分20cb’の後方段状変形部分103bb’の圧縮率を上げて、芯線102の引抜き強度を補強している。
したがって、圧着端子1’のワイヤーバレル部10’は、前方セレーション20a及び中央セレーション20bの食込み変形部103a及び後方セレーション20c’における前方深溝部分20ca’による前方段状変形部分103ba’によって電気接続性を向上させ、後方セレーション20c’における後方浅溝部分20cb’による後方段状変形部分103bb’によって機械接続性を向上し、ワイヤーバレル部10’に備えた前方セレーション20a、中央セレーション20b及び後方セレーション20c’の3本に食い込む食込み変形部103’で電気接続性とともに機械接続性を向上することのできる接続を実現している。
なお、後方セレーション20c’において、後方側面22c’として、深型溝底面23ca’の後方の第1後方側面22ca’と、浅型溝底面23cb’の後方の第2後方側面22cb’とが存するため、例えば、前方セレーション20aや中央セレーション20bの6倍程度の溝幅及び半分程度溝深さで構成する浅型幅広の係止溝と比較して、第1後方側面22ca’と第2後方側面22cb’に食込み変形部103b’が引っかかるため、引抜き力に対する抵抗を向上することができる。
なお、前方セレーション20aや中央セレーション20bの前方側面21及び後方側面22、また、後方セレーション20c’のうち前方深溝部分20ca’部分の第1後方側面22ca’をバレル底部11’に対して直交する鉛直方向の側面で形成しているため、芯線102が食い込み変形する際、エッジ部が芯線102に対して局所的に強い圧力を付与し、芯線102の表面に生じている酸化物等の抵抗物質を除去することができ、食込み変形部103a及び前方段状変形部分103ba’による電気接続性をさらに向上している。
また、セレーション20’における幅方向Yの端部である幅方向側面24’を、テーパー側面で形成しているため、セレーション20’の左右方向の幅方向側面24’による芯線102の変形による負荷を低減し、機械接続性を向上している。
なお、基端側ベルマウス30bの内側開始位置31を、浅型溝底面23cb’に対応する位置となるように後方セレーション20c’を配置したことによる後方セレーション20c’の第2後方側面22cb’のエッジ部によって芯線102に局所的に強い圧力が付与されることを防止できるため、過度の局所的な圧力によって損傷を受けて破断しやすい、従来の撚り線と比べて細い極細電線で形成した芯線102の場合は、より引抜き抵抗を向上させることができるが、もちろん、通常の撚り線で構成された芯線においても同様の効果を得ることができる。
また、後方セレーション20c’の前方側面21c’の上部を先端側に傾斜させ、第2後方側面22cb’の上部を基端側に傾斜させてもよく、それにより、前方側面21c’および第2後方側面22cb’のエッジ部の角度が緩くなるため、角度が緩くなったエッジ部によって芯線102に作用する局所的な負荷をさらに低減でき、さらに、機械接続性を向上する接続を実現することができる。
さらにまた、あらかじめワイヤーバレル片12の先端を上方で当接させた背面視略O型のクローズバレル形式のワイヤーバレルである場合であっても、上記効果を得ることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の
導体部分は、芯線102に対応し、
以下同様に、
圧着部は、ワイヤーバレル部10,10’に対応し、
圧着底面は、バレル底部11,11’に対応し、
圧着片は、ワイヤーバレル片12に対応し、
係止溝は、セレーション20,20’,前方セレーション20a,20a’,中央セレーション20b,20b’,後方セレーション20c,20c’に対応し、
先端側溝側面は、前方側面21,21c,21c’に対応し、
基端側溝側面は、後方側面22c’、第1後方側面22ca’及び第2後方側面22cb’に対応し、
圧着治具は、クリンパ202に対応し、
内面側の開始位置は、内側開始位置31に対応し、
先端側は、長手方向Xの前方側に対応し、
基端側は、長手方向Xの後方側に対応するも
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
圧着端子の斜視図による説明図。 圧着端子の説明図。 ワイヤーバレル部の圧着方法を説明する説明図。 圧着状態の圧着端子の縦断面図による説明図。 ワイヤーバレル部の圧縮率による圧着強度及び電気抵抗値の関係を示す性能グラフ。 第2の実施例の圧着端子の斜視図による説明図。 第2の実施例の圧着端子の説明図。 第2の実施例の圧着状態の圧着端子の縦断面図による説明図。
符号の説明
1,1’…圧着端子
10,10’…ワイヤーバレル部
11,11’…バレル底部
12…ワイヤーバレル片
20,20’…セレーション
20a,20a’…前方セレーション
20b,20b’…中央セレーション
20c,20c’…後方セレーション
21,21c,21c’…前方側面
22,22c,22c’…後方側面
23c’…段状底面
23ca’…深型溝底面
23cb’…浅型溝底面
30b…基端側ベルマウス
31…内側開始位置
202…クリンパ
X…長手方向
Y…幅方向

Claims (5)

  1. 被覆電線の導体部分を圧着する圧着部を、
    前記導体部分を載置する圧着底面と、該圧着底面の幅方向両側から延出する圧着片とで構成し、
    前記圧着底面に、長手方向に所定間隔を隔てて複数配置した幅方向の係止溝を備え、
    前記係止溝を、先端側溝側面及び基端側溝側面と、該先端側溝側面及び基端側溝側面のそれぞれの下端を結ぶ溝底面とで構成する溝形状で形成し、
    複数配置された前記係止溝のうち基端側の係止溝を、
    圧着治具で圧着した際に、前記圧着片に形成されるベルマウスのうち基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記先端側溝側面及び前記基端側溝側面の間に位置するように配置した
    圧着端子。
  2. 前記基端側溝側面を、上部が前記基端側に傾斜する傾斜側面で形成した
    請求項1に記載の圧着端子。
  3. 前記溝底面を、
    先端側の深型溝底面と、前記基端側の浅型溝底面とで構成する段状の段状底面で構成した
    請求項1又は2に記載の圧着端子。
  4. 前記基端側のベルマウスの内面側の開始位置が、前記浅型溝底面部分に対応する位置となるように前記係止溝を配置した
    請求項3に記載の圧着端子。
  5. 前記係止溝における幅方向端部である幅方向側面を、
    テーパー面で形成した
    請求項1から4のうちいずれかに記載の圧着端子。
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