JP5006127B2 - 連続鋳造装置、鋳塊製造方法及び鋳塊 - Google Patents

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Description

本発明は、銅及び銅合金の連続鋳造装置、鋳塊製造方法及び鋳塊に関する。
金属材料の高品質、高信頼性の要求から、金属材料の鋳造工程における介在物の分離除去が必要不可欠である。従来、鋳造工程における介在物の分離除去方法として、浮上分離、濾過、遠心力利用、電磁ブレーキ、電磁攪拌等の技術が実用に供されている。
しかしながら、要求品質の高度化により、従来に比べてより小さいサイズの介在物が問題視されるようになってきており、従来方法では満足できない状況にある。そこで、新たな技術として電磁アルキメデス力を利用した電磁分離技術の開発が試みられている。
溶融金属に対して静磁場を印加した場合、溶融金属の流動に伴い誘導電流が発生し、静磁場と誘導電流によりフレミング左手の法則に従って、溶融金属は流動を抑制される向きに電磁力を受ける。このような作用は、一般に電磁ブレーキと呼ばれる。
また、溶融金属に対して移動磁場や回転磁場を印加した場合、上述した静磁場の場合と同じ原理により、溶融金属は磁場の移動または回転方向に沿った電磁力を受ける。このような作用は、一般に電磁攪拌と呼ばれる。
また、溶融金属に対して交流磁場を印加した場合、溶融金属内に誘導電流が発生し、磁場と誘導電流によりフレミング左手の法則に従い溶融金属に電磁力が作用する。ここで、溶融金属に対して交流磁場を印加した場合、表皮効果と呼ばれる磁場の減衰により電磁力は溶融金属表面近傍にのみ作用し、内部には作用しない。尚、電磁力が作用する範囲は表皮厚さと呼ばれる。
また、溶融金属に対する電磁力の印加方法としては、上述した静磁場、移動磁場、回転磁場、交流磁場の他に、溶融金属への通電を伴う方法もある。
溶融金属と電気伝導度の異なる介在物や分散物を含む溶融金属に対して、上述したような方法によって電磁力を印加したとき、電気伝導度の差に起因してそれぞれに作用する電磁力に差が生じる。この電磁力の差を利用して、溶融金属中の介在物または分散物を分離または集積させることができる。例えば、溶融金属に比べ介在物や分散物の電気伝導度が小さい場合、溶融金属が受ける電磁力の方向とは逆方向に介在物や分散物が移動する。これは、一般に電磁泳動と呼ばれ、この電磁泳動を利用した技術が電磁分離技術である。
上述したような電磁分離技術として、特許文献1では、表皮効果による除去効率の低下を防止するために、溶融金属の流動拘束媒体を用いて個々の流路断面積を小さくすることで、不溶性物質を効率よく分離できる方法が提案されている。
また、特許文献2では、浸漬ノズル内の溶湯に高周波磁場を印加することで浸漬ノズル内における表皮厚さの領域内に存在する介在物をノズル内壁面に捕捉する方法が提案されている。
また、特許文献3では、溶融金属に電磁振動を印加することにより、溶融金属中に存在する分散物を凝集・合体させることで、浮上・沈降分離を促進する方法が提案されている。
特許第3357886号公報 特許第3127736号公報 特許第3665857号公報
しかしながら、上述したような電磁分離技術を実用化するための方法は、未だ開発されていない。例えば、上述した特許文献1の方法では、個々の流路断面積が小さいために分離された不溶性物質が流路を閉塞させてしまうという問題点があった。
また、上述した特許文献2の方法では、ノズル内の溶湯流速が大きいために、電磁分離力により壁面へ向かう力よりも溶湯流に押し流される力の方が上回り、分離効率は著しく低下するという問題点があった。また、分離された介在物はノズル内壁へ堆積するため長時間の鋳造においてはノズルの閉塞が発生するという問題点もあった。
また、上述した特許文献3の方法は、電磁振動を用いる点と、分散物を粗大化させて浮上・沈降分離を促進させるという点で、本発明とは発明内容が基本的に異なる発明である。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、金属溶湯に高周波磁場を印加したときの溶湯流による電磁分離効率の低下を防止するとともに、電磁分離された介在物を除去し高品質の鋳塊を得ることが可能な連続鋳造装置、鋳塊製造方法及び鋳塊を提供することを目的とする。
上述した従来の問題点を解決すべく下記の発明を提供する。
本発明の第1の態様にかかる連続鋳造装置は、溶融金属浴容器に鋳型が溶融金属流路を介して接続された連続鋳造装置であって、介在物が含まれ、前記鋳型と接触して冷却凝固される溶融金属に対して、前記溶融金属流路を取り囲むように高周波コイルが配置されていることを特徴とする。
これにより、高周波コイルによって印加された磁場による溶融金属と介在物とに働く電磁力の差を利用して、介在物を移動させて鋳塊の表層に集積させることができる。また、溶融金属浴容器と鋳型とが、溶融金属流路を介して接続されていることから、溶融金属浴の静水圧による溶融金属の供給であることにより溶融金属流は低流速かつ整流となり、電磁分離力による介在物分離の妨げとなる高流速や乱流の発生を防止することができる。
従って、溶融金属の凝固が開始される凝固開始部にて介在物を分離することにより、分離された介在物を流路内へ堆積させずに鋳塊の表面に集積させることができる。また、このことにより流路の閉塞を防止することができる。
ここで、介在物とは、耐火物からの混入物、あるいは合金成分の酸化物、炭化物、硫化物、窒化物、などのことである。
本発明の第2の態様にかかる連続鋳造装置は、本発明の第1の態様にかかる連続鋳造装置において、前記高周波コイルによって印加される高周波磁場は、前記鋳塊の断面の最小直線寸法をd(m)とし、印加する高周波磁場の周波数をf(Hz)としたとき、f≧7.7×d−2を満足する高周波磁場であることを特徴とする。
溶融金属に交流磁場を印加した場合において、溶融金属の中心に向かう電磁力の作用により発生する溶融金属の流動の強弱が、交流磁場の周波数や溶融金属の形態などに影響される。そのため、溶融金属の形態などに適した交流磁場の周波数を選定することにより、特に、鋳塊の断面の最小直線寸法をd(m)とし、印加する高周波磁場の周波数をf(Hz)としたとき、f≧7.7×d−2を満足することにより、電磁分離を行なう場合に、介在物分離の妨げとなる高流速や乱流を抑制することができる。ここで鋳塊断面の最小直線寸法とは、板状の鋳塊であればその厚さ、丸棒形状であればその直径、管形状であればその肉厚、を意味する。
本発明の第3の態様にかかる連続鋳造装置は、本発明の第1または2の態様にかかる連続鋳造装置において、前記溶融金属に対して、静磁場を印加する静磁場印加手段を更に備え、前記静磁場印加手段は、前記溶融金属の溶湯流方向に対して、前記高周波コイルより上流に位置することを特徴とする。
これにより、溶融金属流路内の流れを更に整流化することができる。そのために、高周波磁場を印加する直前位置に静磁場を印加した場合は更に分離効率が向上する。
本発明の第4の態様にかかる連続鋳造装置は、本発明の第1から3のいずれか1つの態様にかかる連続鋳造装置において、前記連続鋳造装置が水平連続鋳造装置であることを特徴とする。
本発明の第5の態様にかかる連続鋳造装置は、本発明の第1から3のいずれか1つの態様にかかる連続鋳造装置において、前記連続鋳造装置がアップキャスト連続鋳造装置であることを特徴とする。
本発明の第1の態様にかかる鋳塊製造方法は、溶融金属浴容器に鋳型が溶融金属流路を介して接続された連続鋳造装置を利用して、鋳塊を製造する鋳塊製造方法であって、介在物が含まれ、前記鋳型と接触して冷却凝固される溶融金属に対して、前記溶融金属流路を取り囲むように高周波コイルを配置し、当該溶融金属に高周波磁場を印加して、前記溶融金属と前記介在物とに働く電磁力の差を利用して、前記介在物を移動させて、前記鋳塊の表層に集積させることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第1の態様にかかる連続鋳造装置と同等の効果が得られる。
本発明の第2の態様にかかる鋳塊製造方法は、本発明の第1の態様にかかる鋳塊製造方法において、前記鋳塊の断面の最小直線寸法をd(m)とし、印加する高周波磁場の周波数をf(Hz)としたとき、f≧7.7×d−2を満足する高周波磁場であることを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第2の態様にかかる連続鋳造装置と同等の効果が得られる。
本発明の第3の態様にかかる鋳塊製造方法は、本発明の第1または2の態様にかかる鋳塊製造方法において、前記溶融金属に対して、高周波磁場を印加する前に、静磁場を印加することを特徴とする。
これにより、上述した本発明の第3の態様にかかる連続鋳造装置と同等の効果が得られる。
本発明の第4の態様にかかる鋳塊製造方法は、本発明の第1から3のいずれか1つの態様にかかる鋳塊製造方法において、前記連続鋳造装置が水平連続鋳造装置であることを特徴とする。
本発明の第5の態様にかかる鋳塊製造方法は、本発明の第1から3のいずれか1つの態様にかかる鋳塊製造方法において、前記連続鋳造装置がアップキャスト連続鋳造装置であることを特徴とする。
本発明の第6の態様にかかる鋳塊製造方法は、本発明の第1から5のいずれか1つの態様にかかる鋳塊製造方法において、前記鋳塊の表面を切削して、前記介在物を除去することを特徴とする。
これにより、鋳塊の表面に集積した介在物を後工程の面削工程にて除去することで、内部に介在物を含まない高品位な鋳塊を得ることができる。
本発明によれば、高周波コイルによって印加された磁場による溶融金属と介在物とに働く電磁力の差を利用して、介在物を移動させて鋳塊の表層に集積させることができる。また、溶融金属浴容器と鋳型とが、溶融金属流路を介して接続されていることから、溶融金属浴の静水圧による溶融金属の供給であることにより溶融金属流は低流速かつ整流となり、電磁分離力による介在物分離の妨げとなる高流速や乱流の発生を防止することができる。
従って、溶融金属の凝固が開始される凝固開始部にて介在物を分離することにより、分離された介在物を流路内へ堆積させずに鋳塊の表面に集積させることができる。また、このことにより流路の閉塞を防止することができる。


また、高周波磁場を印加する直前位置に静磁場を印加した場合は更に分離効率が向上する。
また、溶融金属の連続鋳造において、電磁分離により介在物を鋳塊表面に集積させ、次工程にて面削除去することで、介在物の少ない極めて高品位な鋳塊を製造することができる。
また、電磁分離により介在物は鋳塊表面に高密度に集積する。後述する実施例におけるように意図的に高濃度の介在物を混入させた場合には高周波磁場の表皮厚さ程度の介在物粒子の集積厚さとなるため、表皮厚さ程度以上の面削除去が必要となるが、実際の鋳造においては、介在物の混入は低濃度である。従って電磁分離によって鋳塊表面に高密度に集積した介在物の集積層厚は非常に薄く、必ずしも表皮厚さ程度の面削は必要とはならない。むしろ一般的に発生する鋳塊表面近傍の介在物の存在領域よりも、鋳塊表面に近くかつ狭い領域に介在物を集積させることができるので、一般的な面削代よりも薄い面削代にて介在物を除去することができ、高品位な鋳塊を高歩留りで製造することができる。
この発明の一実施態様を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと同等なもので置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
図1は、本発明を適用可能な連続鋳造装置10の模式図の一例である。図1に示すように、連続鋳造装置10は、溶融金属浴容器20に鋳型21が、溶融金属流路22を介して接続されている。また、溶融金属流路22の断面寸法は、鋳型21の開口部21aとほぼ同じ寸法である。
また、連続鋳造装置10には、金属溶湯30が凝固開始する凝固開始部の近傍の金属溶湯30に対して高周波磁場を印加するための高周波コイル23が、鋳型21の開口部21aの近傍に、溶融金属流路22を取り囲むようにして配置されている。
また、連続鋳造装置10には、金属溶湯30に対して静磁場を印加するための磁石24a、24bが、挟んで対向して配置されている。ここで、磁石24a、24bは、溶湯流方向に対して、高周波コイル23よりも上流の直近に配置されている。尚、磁石24a、24bは、永久磁石であってもよく、電磁石であってもよい。
溶融金属浴容器20の中の金属溶湯30は、溶融金属流路22を介して、鋳型21に流れ、鋳型21に接触して冷却されて凝固し、鋳塊35となる。また、鋳塊35は、図示されていない引き出し装置により引き出される。以下、金属溶湯30として、銅または銅合金を例に挙げて説明する。
金属溶湯30に、高周波コイル23を利用して、交流磁場(高周波磁場)を作用させると溶湯表面の表皮厚さ相当部分に対し、金属溶湯30の中心に向かう方向に電磁力が作用する。
これにより、金属溶湯30中に含まれる介在物は、金属溶湯30よりも電気伝導度が小さいため金属溶湯30に働く電磁力とは逆の方向に力を受け、溶湯表面に移動する。溶湯表面に移動して集積した介在物は、鋳型21による冷却により生成する凝固殻に捕捉され鋳塊35の表面に集積した状態となる。
また、高周波コイル23による交流磁場を作用させる直前に、金属溶湯30に対して、磁石24a、24bを利用して、静磁場を作用させて、溶融金属流路22内の金属溶湯30の流れを更に整流化させる。
上述したようにして製造した鋳塊35に対して、後工程の面削工程により、表面に集積した介在物を除去することで、内部に介在物を含まない高品位な鋳塊35を得ることができる。
上述した連続鋳造装置は水平連続鋳造装置であるが、アップキャスト連続鋳造装置であっても良い。また、溶融金属浴の静水圧による溶融金属の鋳型への供給であることを特徴とする連続鋳造装置であれば鋳塊の引き出し方向は限定されずいずれの方向であっても良い。
また、本発明における鋳塊の形態としては、断面形状が長方形のものや、管、丸棒に適用が可能である。
本実施例では、平均粒径20μmのアルミナ粒子を介在物として1質量%分散させた銅合金を用いて、20kHzの高周波磁場、および1Tの静磁場を印加して連続鋳造を行い、介在物の挙動を調査した。連続鋳造においては、厚さ20mm、幅600mmの断面を有する鋳塊を連続鋳造する鋳型を用いた。介在物(アルミナ粒子)の挙動を調査した結果を表1に示す。ここで、切削除去後の介在物量として、初期の介在物の個数(初期個数)に対する介在物の残留個数(残留個数)の割合を示している。また、介在物の個数は、鋳塊の表面を片側1.6mmずつ面削を実施したのち、残部より小片をサンプリングして研磨した鋳塊を用いたもので、鋳塊断面25mm当たりに存在する10μm以上の介在物の粒子個数を、光学顕微鏡観察により計数した結果である。また、初期個数は、高周波磁場および静磁場の両方とも印加しない場合の介在物の個数(約1500個)である。尚、比較例として、高周波磁場および静磁場の両方とも印加しない場合の結果を記載している。
Figure 0005006127
表1の本発明例に示すように、アルミナ粒子を介在物として分散させた8%りん青銅(C5212)及び無酸素銅(C1020)において、高周波磁場を印加した場合、介在物が鋳塊表層に集積し、可能であることが確認された。特に、高周波磁場及び静磁場を印加した場合は、鋳塊表面を面削することにより、全ての介在物を除去できることが確認された。
図2は、銅中に分散させたアルミナ粒子を高周波磁場印加により鋳塊表面に集積させた一例を示した図である。ここで、図は、鋳塊表面を含む断面写真である。図2に示したように、アルミナ粒子が鋳塊表面に集積していることが確認された。
また、丸棒の連続鋳造を対象に、直径14mmの断面を有する丸棒鋳塊を連続鋳造する鋳型を用い、50kHzの高周波磁場、および1Tの静磁場を印加して連続鋳造を行い、介在物の挙動を調査した。その結果、介在物が鋳塊表層に集積し、介在物の除去が可能であることが確認された。
次に、図3及び図4を参照して、電磁分離を行う場合の溶融金属の形態などに適した高周波磁場の周波数の選定について説明する。
図3は、平均粒径20μmのアルミナ粒子を介在物として1質量%分散させた銅合金において、高周波磁場の周波数を変えた場合の表皮厚さおよび介在物の集積厚さを表した図である。ここで、「■」は、静磁場を印加した場合の介在物の集積厚さであり、「▲」は、静磁場を印加しない場合の介在物の集積厚さであり、実線は、表皮厚さを示している。
図3に示したように、20kHz以上では介在物はほぼ表皮厚さ程度の厚さで集積することが分かった。しかしながら、10kHz以下では介在物は集積しなかった。また、静磁場を印加した場合についても実施したところ、10kHzにおいて若干の集積が認められ、20kHz、30kHzにおいても若干の集積層厚の増加が認められた。
この結果から以下のことが考えられる。介在物が表皮厚さ分に集積することからすれば、周波数が低いほどより多くの介在物を捕捉することができるわけであるが、周波数が低い場合、溶湯に対する攪拌力が強くなる。それゆえに介在物を溶湯表面に移動させようとする力よりも攪拌による溶湯流動による力が上回り、介在物が溶湯表面に到達できなくなってしまう。また、周波数が高い場合には攪拌力が弱いために、介在物に働く分離力が阻害されずに、介在物は溶湯表面に集積する。
以上のことから、より効果的かつ効率的に介在物を集積させるには、鋳塊断面寸法に対し、適切な周波数範囲が存在すると考えられる。
図4は、実験により得られた、溶銅における印加磁場の周波数と鋳塊断面の最小直線寸法に対する粒子集積の有無を示した図である。ここで、「○」は、介在物の集積がある場合(「集積あり」)を示し、「×」は、介在物の集積がない場合(「集積なし」)を示している。ここで、「集積あり」は、鋳塊表面に粒子の集積層が認められ、かつ該集積層の平均厚さが該実験における周波数における表皮厚さとほぼ同等な厚さである場合とする。
図4に示したように、「集積あり」と「集積なし」の分布はある境界(点線)をもっていることがわかった。この境界は、鋳塊断面の最小直線寸法をd(m)とし、印加する高周波磁場の周波数をf(Hz)としたとき、およそf=7.7×d−2を満たす条件であると見積もることができた。以上のことから、鋳塊断面の最小直線寸法をd(m)とし、印加する高周波磁場の周波数をf(Hz)としたとき、f≧7.7×d−2を満足する場合に介在物の集積が得られることがわかった。
本発明を適用可能な連続鋳造装置10の模式図の一例である。 銅中に分散させたアルミナ粒子を高周波磁場印加により鋳塊表面に集積させた一例を示した図である。 アルミナ粒子を介在物として分散させた銅合金において、高周波磁場の周波数を変えた場合の表皮厚さおよび介在物の集積厚さを表した図である。 溶銅における印加磁場の周波数と鋳塊断面の最小直線寸法に対する粒子集積の有無を示した図である。
符号の説明
10 連続鋳造装置
20 溶融金属浴容器
21 鋳型
21a 鋳型21の開口部
22 溶融金属流路
23 高周波コイル
24a、24b 磁石
30 金属溶湯
35 鋳塊


Claims (11)

  1. 溶融金属浴容器に鋳型が溶融金属流路を介して接続された連続鋳造装置であって、
    介在物が含まれ、前記鋳型と接触して冷却凝固される溶融金属に対して、前記溶融金属流路を取り囲むように高周波コイルが配置されていることを特徴とする連続鋳造装置。
  2. 前記高周波コイルによって印加される高周波磁場は、
    前記鋳塊の断面の最小直線寸法をd(m)とし、印加する高周波磁場の周波数をf(Hz)としたとき、
    f≧7.7×d−2を満足する高周波磁場であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造装置。
  3. 前記溶融金属に対して、静磁場を印加する静磁場印加手段を更に備え、
    前記静磁場印加手段は、前記溶融金属の溶湯流方向に対して、前記高周波コイルより上流に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の連続鋳造装置。
  4. 前記連続鋳造装置が水平連続鋳造装置であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の連続鋳造装置。
  5. 前記連続鋳造装置がアップキャスト連続鋳造装置であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の連続鋳造装置。
  6. 溶融金属浴容器に鋳型が溶融金属流路を介して接続された連続鋳造装置を利用して、鋳塊を製造する鋳塊製造方法であって、
    介在物が含まれ、前記鋳型と接触して冷却凝固される溶融金属に対して、前記溶融金属流路を取り囲むように高周波コイルを配置し、当該溶融金属に高周波磁場を印加して、前記溶融金属と前記介在物とに働く電磁力の差を利用して、前記介在物を移動させて、前記鋳塊の表層に集積させることを特徴とする鋳塊製造方法。
  7. 前記鋳塊の断面の最小直線寸法をd(m)とし、印加する高周波磁場の周波数をf(Hz)としたとき、
    f≧7.7×d−2を満足する高周波磁場であることを特徴とする請求項6に記載の鋳塊製造方法。
  8. 前記溶融金属に対して、高周波磁場を印加する前に、静磁場を印加することを特徴とする請求項6または7に記載の鋳塊製造方法。
  9. 前記連続鋳造装置が水平連続鋳造装置であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の鋳塊製造方法。
  10. 前記連続鋳造装置がアップキャスト連続鋳造装置であることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の鋳塊製造方法。
  11. 前記鋳塊の表面を切削して、前記介在物を除去することを特徴とする請求項6から10のいずれか1項に記載の鋳塊製造方法。
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