JP5005784B2 - カテーテル - Google Patents
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Description
本発明は一般にカテーテルバルーンの作製方法およびカテーテルに関する。
名称が「バルーンカテーテルを挿入する方法」のミラー(Miller)の米国特許出願第08/294,659号には、膨らましていない形状のバルーンが滑らかな円筒壁を有し、直径が残りのバルーンカテーテルより大きくないバルーンカテーテルが開示されている。その元の形のバルーンは、ナイロンあるいはポリエチレン(ポリエチレンテレフタレート)の知られた形態などの弾性膨張可能で、加工硬化可能なプラスチックから作られるチューブである。
従来の動脈中の膨張バルーンは、初めは折り畳み形状に包まれるようにフレキシブルであるが、大きな伸縮性がない。折り畳みが一様でないためステントのある部分が別の部分より大きく外側に力がかっている可能性があるので、これらのバルーンをステントと共に使用する際には不具合を生じた。
この発明によれば、膨らませる前に、非常に細くすることができ、体内にステントを最適に埋込み、カテーテルバルーンに対し通例の別の医療用途のために、膨張圧に依存して予測可能に円周方向に一様に膨らむことができるバルーンが提供される。
本発明によれば、膨張カテーテルバルーンを作製し、カテーテルバルーンを膨張させるための方法が提供される。この方法は以下の工程を有する。すなわち、 (A)分子配向を受けることができる伸長可能なチューブの部分を、前記半径方向に延伸したチューブ部分が分子配向の好ましい増加を示すまで、半径方向に延伸する工程。この明細書に使用する用語「伸長可能な」あるいは「延伸した」は、チューブがそのような延伸の後、元の形状に縮むことはないが、プラスチックなどの復元性(記憶)を活性化する加熱などの特殊な方法を除いて、略その延伸した形状に自然にとどまることを意味している。
(C)その後、上記チューブ部分をカテーテルの一部として患者の体内に、例えば冠動脈内に挿入する工程。上記チューブ部分の内腔を加圧して患者の体内でチューブ部分を半径方向に膨張させる。この利点は引用したMillerの出願に説明してあるが、以下にも説明する。
必要なら、上記工程(A)の前に、少なくとも幾らかのプラスチックチューブを長さ方向に延伸して分子配向を長さ方向に増大させる。このことと上記延伸工程の詳細は、以下の点を除けばPinchuk らの米国特許第5,156,612 号に記載されているように行なうことができる。すなわち、上記特許と違い、本明細書で開示した最終的なバルーン膨張工程が患者の体内で生じ、バルーンとカテーテルの製造プロセスとして生じない。
図面を参照して、図面には膨張カテーテルバルーンを作製する方法と、そのカテーテルバルーンを膨らませる方法が示されている。図1にプラスチックチューブ10が提供されている。チューブのプラスチック材料は二軸延伸を受ける性能を好適に有している。例えば、結晶性が比較的低いナイロン12を用いてチューブ10を製造することができる。
特に、ナイロン612、11あるいは12と共に使用するための好ましい第1工程として、チューブ10を図2のように長さ方向に延伸して、チューブ10aで示したように、第1加工工程後に、延伸したチューブ10の部分を有するチューブに対し分子配向が好ましく、増大し、長いものを作る。この加工の特定の条件は材料によって変えることができるが、プラスチックの分子配向の当業者によく知られているのが一般的である。Pinchuk らの米国特許第5,156,612 号の中の関連する開示を特有の工程(プロセス)を行なうのに利用できる。その特許の開示は本明細書に参考として取り入れている。
延伸した状態で側壁の肉厚が薄いチューブのように膨張するバルーンの折り畳みがないので、ステントをその内面のすべてに対しより均一な円周方向の圧力で膨張させることができる(バルーンの中央が前もって膨張しているのを無視すれば)。これによって先行技術のカテーテルバルーンでよく達成される場合よりステントが良好に配置される。また、バルーンは加工硬化による所定の高圧で所定の直径でその膨張を止めることができ、それによりバルーンが膨張し過ぎないことがより確実となる。
本発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)膨張カテーテルバルーンを作製し前記カテーテルバルーンを膨張させるための方法であって、
(A)チューブ部分が半径方向に延伸して分子配向の点で好ましい増大量を示すまで、加工硬化を受けるようにプラスチックチューブの少なくとも一部分を半径方向に延伸する工程と、
(B)前記チューブ部分の少なくとも一部を長さ方向に延伸して前記チューブに対して長さ方向に好ましく増大した分子配向を引き起こす(create)工程と、
(C)その後、前記チューブ部分をカテーテルの一部として患者に挿入し、前記チューブ部分の内腔を加圧して前記患者の体内で前記チューブ部分を半径方向の膨張を生ずる工程を有する膨張カテーテルバルーンを作製し前記カテーテルバルーンを膨張させるための方法。
(2)少なくとも初めのうちは前記工程(C)で前記弾性チューブ部分の中央部分は、前記チューブ部分の外側部分より早く(to a greater degree )半径方向に膨張する実施態様(1)に記載の方法。
(3)前記チューブ部分は、工程(C)で前記チューブ部分の加工硬化が発生するのに充分な量で加圧される実施態様(1)に記載の方法。
(4)前記工程(A)より前に、少なくとも幾らかの前記チューブ部分は、長さ方向に延伸し、長さ方向の分子配向が増す実施態様(1)に記載の方法。
(5)前記プラスチックチューブはナイロンとポリエチレンからなる群から選択された成分を含む実施態様(1)に記載の方法。
(6)前記チューブ部分内腔は、前記患者の体内に埋込まれるための膨張可能なステントで取り囲まれると同時に前記患者の体内で加圧され、それによって前記ステントが膨張し埋込まれる実施態様(1)に記載の方法。
(8)工程(A)で半径方向に延伸した前記プラスチック部分の長さは、工程(B)で長さ方向に延伸した前記プラスチック部分の長さ以下である実施態様(1)に記載の方法。
(9)前記チューブ部分内腔は、前記患者の体内に埋込まれるための膨張可能なステントで取り囲まれると同時に前記患者の体内で加圧され、前記ステントは工程(A)で半径方向に延伸されたプラスチック部分の全長の長さ方向中央に配置される実施態様(8)に記載の方法。
(10)前記膨張可能なステントは、工程(A)で半径方向に延伸された前記プラスチック部分の全長より長い実施態様(9)に記載の方法。
(11)膨張カテーテルバルーンを作製し前記カテーテルバルーンを膨張させるための方法であって、
(A)弾性熱可塑性樹脂チューブの少なくとも一部分を半径方向に延伸すると同時に、前記チューブ部分の中央セクションを、前記チューブ部分の外側セクションより肉厚が薄くなるまで延伸する工程と、
(B)前記チューブ部分の少なくとも一部を長さ方向に延伸する工程と、
(C)前記チューブ部分をカテーテルの一部として患者に挿入し、前記チューブ部分の内腔を、埋込み(implantation)用の膨張可能なステントで取り囲むと同時に、前記チューブ部分が患者の体内で半径方向に膨張するのに十分な量だけ加圧し、それにより少なくとも初めのうちは前記チューブ部分の端部よりも前記中央セクションで半径方向の膨張が多く発生して、前記患者の体内で前記ステントが膨張する工程と、
(D)前記チューブ部分の内腔を減圧してチューブ部分の半径方向の膨張を減らし、前記膨張したステントを患者の体内に放置したまま前記チューブ部分を患者から取り出す工程を有する膨張カテーテルバルーンを作製し前記カテーテルバルーンを膨張させるための方法。
(12)工程(A)より前に、少なくとも幾らかの前記チューブ部分は、長さ方向に伸び、長さ方向の分子配向が増す実施態様(11)に記載の方法。
(14)前記患者に挿入された前記チューブ部分は、前記カテーテルの隣接チューブの最小の直径の2倍より大きくない前記内腔を加圧する前に、ある直径を有し、前記チューブ部分は滑らかで折り畳みのない外壁を有する実施態様(11)に記載の方法。
(15)工程(A)で半径方向に延伸した前記プラスチック部分の長さは、工程(B)で長さ方向に延伸した前記プラスチック部分の長さより短い実施態様(11)に記載の方法。
(16)前記ステントは前記伸ばされたプラスチック部分の全長の長さ方向中央に配置される実施態様(11)に記載の方法。
(17)チューブ状カテーテル本体、膨張内腔および前記カテーテル膨張内腔と連結する孔を有するチューブ状プラスチックの遠位部分を有し、前記チューブ状プラスチックの遠位部分は伸長時に分子配向を受けるように半径方向と長さ方向に延伸することができるプラスチック材料から作られ、前記プラスチックチューブ部分は半径方向に膨張可能なチューブ状ステントによって取り囲まれるカテーテル。 (18)前記プラスチックチューブはナイロンとポリエチレンからなる群から選択された成分を含む実施態様(17)に記載のカテーテル。
(20)チューブ状カテーテル本体、膨張内腔および前記カテーテル膨張内腔と連結する孔を有するチューブ状プラスチックの遠位部分を有し、前記チューブ状プラスチックの遠位部分は、中央部分と両端部を有する細長く、膨らませることができるとともに、伸縮自在のカテーテルバルーンからなり、前記中央部分は前記両端部より肉厚が薄く、前記カテーテルバルーンの中央部分は前記両端部より急速に膨張を生ずるカテーテル。
(21)前記バルーンはチューブ状の膨張可能なステントで取り囲まれ、前記ステントは前記バルーンの中央に配置され、それによりバルーンの膨張時に、前記バルーンの膨張により前記ステントの端部を動かす前に、前記ステントの中央部分が膨張する実施態様(20)に記載のカテーテル。
(22)前記バルーンは伸長時に分子配向を受けるのに十分な結晶性を有する材料を含む実施態様(21)に記載のカテーテル。
以上説明したように本発明によれば、患者の体内にステントを良好に配置できるカテーテルバルーンを提供することができる。
Claims (6)
- ステントと共に使用されるカテーテルにおいて、
チューブ状カテーテルの本体、チューブ状カテーテルの膨張用内腔、及び、前記膨張用内腔と連結する孔を有しており前記チューブ状カテーテルの遠位側に位置するプラスチックチューブ、を備え、
前記プラスチックチューブは、順次半径方向と長さ方向とに延伸されることにより半径方向と長さ方向とに二軸分子配向の高められた部分を有しており、
前記プラスチックチューブは、滑らかで折り畳みのない外壁を有し、
前記プラスチックチューブは、半径方向に膨張可能なチューブ状ステントによって取り囲まれ得る、カテーテル。 - 請求項1に記載のカテーテルにおいて、前記二軸分子配向が半径方向の延伸とその後の長さ方向の延伸とによって得られたものである、カテーテル。
- 請求項2に記載のカテーテルにおいて、前記半径方向の延伸において、前記プラスチックチューブの長さ方向における中央部分が、前記プラスチックチューブにおける隣接部分より多く加熱されている、カテーテル。
- 請求項3に記載のカテーテルにおいて、前記半径方向の延伸により、前記プラスチックチューブの長さ方向における中央部分が、前記プラスチックチューブにおける隣接部分より肉厚が薄くなっている、カテーテル。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のカテーテルにおいて、前記プラスチックチューブはナイロンとポリエチレンからなる群から選択された成分を含む、カテーテル。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のカテーテルにおいて、前記二軸分子配向の高められた部分は、前記膨張用内腔を加圧する前に、前記プラスチックチューブにおける前記二軸分子配向の高められた部分に隣接部分の最小の外側直径の2倍より大きくない最大外側直径を有する、カテーテル。
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