JP5005628B2 - ボトミング検出機能付き重量計および重量計の制御方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、ボトミングの発生の有無の判断をユーザに依存することなく、その発生を確実に検出することが可能な重量計および重量計の制御方法を提供することを解決課題とする。
本発明によれば、本体と床面との最短距離がゼロになったことを検知するので、本体の底面部と床面とが接触したときに(ボトミングした状態になったとき)に、この状態を確実に検出することができる。よって、ボトミングの発生の有無の判断をユーザに依存することなく、ボトミングに起因したエラー状態を確実に検出することが可能となる。本発明の重量計は、体重計、料理用はかり、商業用はかり、工業用はかりなど各種重量計を含む。
本発明の別の好適な態様において、上記重量計は、前記エラー情報を外部機器に出力する出力インターフェースをさらに有するようにしてもよい。この場合には、エラー情報を外部機器に対して出力することが可能となるので、例えば、外部機器として表示手段や音声出力手段などの報知手段を利用する場合には、ボトミングが発生したことをユーザに報知するための情報を出力することが可能となる。
本体の底面部が、全面にわたって平らでなく、凹部を有する場合がある。本実施形態によれば、この場合にも、凹部を除く平面部のうち、複数の支持点の中心に最も近い位置と床面との距離を最短距離として、当該最短距離がゼロになったことを検知するので、本体が凹部を有する場合にも、確実にボトミングを検出することが可能である。
以下、図1〜図7を参照して、本発明の実施形態に係る体重計について説明する。図1の(A)は、本実施形態に係る体重計100の平面図であり、(B)は、一部をA−A’線において断面にした正面図(一部破断正面図)である。図2は、体重計100の電気的構成を示すブロック図である。
図1および図2に示されるように、体重計100は、本体50と、支持点S1〜S4において本体50を支持する4本の脚部60と、本体50の中央に配置された距離計測センサ30とを有する。各支持点S1〜S4は各脚部60の中心である。図1に示されるように、本実施形態の脚部60は円柱の形状を有する。よって、各支持点S1〜S4は円柱の円の中心である。
図3において、体重計WAは、毛足が長い絨毯Lの上に設置されている。この例では、(A)に示すように、無負荷の場合には、体重計WAの脚部は絨毯Lの毛の上に載っているが、体重計WAに対して荷重による負荷が加えられると体重計WAの脚部は絨毯Lに沈み込み(すなわち、絨毯Lの毛が押し込まれて)、その結果、体重計WAの底面部と絨毯Lの毛が接触し、ボトミングが生じることがある。
撓みが生じるタイプの体重計WBでは、十分に平坦で硬い床面に体重計が設置された状態で負荷が加えられて本体の底面部が撓んでも、その撓みにより、本体の底面部と床面とが接触しないように設計されている。しかしながら、床面自体に凹凸がある場合には、実際の床面との距離が、設計時に想定されていた想定値よりも凸部において下回るため、本体の底面部の撓み距離が実際の床面との距離以上となってしまう。その結果、ボトミングが発生する。
上述したように、ROM201には、このフローチャートに相当するボトミング検出プログラムP(コンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素)が記憶されており、CPU10は、当該エラー検出プログラムPに従って動作する。この実施形態では、ボトミング検出プログラムPを記憶した媒体としてROM201を使用するが、ハードディスク、コンパクトディスク、デジタルバーサタイルディスク、フレキシブルディスク、またはその他の適切な記憶媒体をコンピュータプログラムまたはコンピュータプログラム要素を記憶するために使用してもよい。
詳細には、図8に示されるように、本体50の底面部には貫通孔Hが設けられ、当該貫通孔Hの外縁部における本体50の内部には、支持体30a1および30a2が設けられて、距離計測センサ30aを支持している。よって、距離計測センサ30aは当該センサの距離計測軸の始点と床面Fとの距離Dmを計測可能である。図8の右図から理解されるように、このとき、距離計測センサ30aから本体50の裏面までの距離Dkは既知であるので、CPU10は、距離DmおよびDkに基づいて、本体50の裏面から床面Fとの最短距離Dを取得することができる(D=Dm−Dk)。そして、当該最短距離Dがゼロであることが検知された場合に、ボトミングが発生したことを示すエラー情報を生成し、当該エラー情報に基づいてボトミングが発生したことを表示部15に表示することによりユーザに報知する。
以下、図9を参照して、本発明の第2実施形態に係る体重計について説明する。図9の(A)は、本実施形態に係る体重計200の平面図であり、(B)は、一部をB−B’線において断面にした正面図(一部破断正面図)である。本実施形態は、上記実施形態のように本体の底面部が全面にわたって平坦ではなく、本体の内側方向にくぼんだ凹部を有する場合について説明する。以下の説明において、上記実施形態と同様の部材には同一の参照符号を付し、その説明は適宜省略する。
図9の(A)および(B)に示されるように、体重計200の本体40は、各々が本体40の内側方向にくぼんだ複数の凹部41a〜41gと、凹部41a〜41gを除いた平面部41Aとを有する。この凹部41a〜41gはビートと呼ばれ、本体40の剛性を高めるためや外観のデザイン性を高めるために形成される。これにより、被測定者が体重計200に乗った場合に、本体40の底面部の撓みを減らすことができる。また、本体40には、距離計測センサ30の代わりに距離計測センサ31が設けられる。
なお、図9には、本体40の底面部に溝状の凹部41a〜41gが設けられている場合について図示したが、各凹部は円形などの他の形状でもよく、複数の凹部の形状や大きさは同一でなくともよい。また、凹部の個数や位置も図示の態様に限定されない。
図10および図11に、上記第2実施形態とは逆に、本体の底面部が床面方向に突出した凸部を有する場合を変形例として示す。
図10に示されるように、体重計200Aの本体40Aの底面部には凸部42aがある。この場合、凸部42aの最も突出した部分と床面との距離が、本体40Aと床面との最短距離Dとなる。よって、本変形例においては、この凸部42aの最も突出した部分に、距離計測センサ31aを配置し、距離Dm(=最短距離D)を測定させる構成としている。
また、図11に示されるように、体重計200Bにおいては、その本体40Bの底面部に2つの凸部42b1および42b2がある。この場合、凸部42b1および42b2の最も突出した部分と床面との距離が本体40Aと床面との最短距離Dとなる。しかしながら、図示の例では、距離計測センサ31bは、各凸部42b1および42b2の最も突出した部分ではなく、2つの凸部の間にある平面部に設けられる。本構成において、距離計測センサ31bの距離計測軸の始点と各凸部42b1および42b2の裏面との垂直距離をDkとし、距離計測センサ31bの計測値をDmとしたとき、D=Dm−Dkとなる。よって、距離計測センサ31bをこのように配置した場合にも、最短距離Dの値を取得することができる。これらの本変形例によれば、上述の第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図9〜図11においては、距離計測センサ31,31a,31bが本体40,40A,40Bの裏面の面内を距離計測軸の始点とした態様について図示したが、図8に示したように、各本体40,40A,41Bの内側の奥まった位置に各距離計測センサ31,31a,31b配置するようにしてもよい。その場合にも、距離計測センサ31bの距離計測軸の始点と各凸部42b1および42b2の裏面との垂直距離Dkと、距離計測センサ31bの計測値Dmとに基づいて、最短距離Dを取得するようにすればよい。
以下、図12を参照して、本発明の第3実施形態に係る体重計について説明する。図12の(A)は、本実施形態に係る体重計300の平面図であり、(B)は、一部をC−C’線において断面にした正面図(一部破断正面図)である。以下の説明において、上記第1実施形態と同様の部材には同一の参照符号を付し、その説明は適宜省略する。
上述した第1〜第3実施形態では、本体と床面との最短距離がゼロになったことを検知するための手段として、距離計測センサを用いたが、これに限られない。
その一例として、図13に、本変形例に係る体重計400の断面図を示す。同図に示されるように、体重計400では、距離計測センサ30の代わりに、スイッチ34が用いられる。スイッチ34はレバー34aの位置によりオン状態またはオフ状態となる。詳細には、本変形例では、図13の下図に示すように、荷重により本体50の底面部が撓んで床面に接触したときに、レバー34aが跳ね上がってスイッチ34がオン状態となり、オン状態になったことを示すアナログの電気信号がA/D変換器35を介してCPU10に供給される。CPU10は、この電気信号を受け取ると、本体50と床面との最短距離がゼロになったと判定し、ステップS11のエラー表示を実行する。
なお、スイッチ34は、レバー34aが跳ね上った状態でオン状態となる一方、レバー34aが下がった状態ではオフ状態となるが、逆に、レバーが跳ね上がった状態でオフ状態となる一方、レバーが下がった状態でオン状態とするスイッチを用いてもよい。そして、オフ状態となったことをCPU10が検知することにより、本体50と床面との最短距離がゼロになったと判定するようにしてもよい。
本変形例によれば、上述した各実施形態および変形例と同様の効果が得られる。
上述した実施形態では、CPU10が、図7に示したフローチャートに相当するボトミング検出プログラムPにしたがって、体重計におけるボトミングの発生を検出する態様について説明したが、ボトミング検出プログラムPは、図7のフローチャートに示す態様に限られない。
図14および図15は、本変形例に係るボトミング検出プログラムP1,P2の動作の流れを示すフローチャートである。以下、ボトミング検出プログラムP1,P2を上記第1実施形態に適用させた場合について説明する。なお、ボトミング検出プログラムP1,P2は、各第2および第3実施形態にも適用可能である。
まず、ボトミング検出プログラムP1について説明する。図14に示されるように、ステップSa1において、電源キー25が押されると、まず、CPU10は、表示部15を駆動してその表示を開始する。このとき、表示部15には、例えば、「0.00kg」と表示される。
図15に示されるように、ステップSb1において、電源キー25が押されると、まず、CPU10は、表示部15を駆動してその表示を開始する。このとき、表示部15には、例えば、「0.00kg」と表示される。
例えば、7個の測定値に基づいて安定を判別する場合は、図17に示すように時刻t7では測定値S1〜S7、時刻t8では測定値S2〜S8、といったように、現在の時刻tnの測定値Snから過去に向けて連続する6個前の測定値(Sn、Sn-1、Sn-2、…Sn-6)を平均値の算出の対象とする。但し、nは7以上の自然数である。
次に、平均値の算出の対象とした各測定値と平均値との差分値を算出する。例えば、図17に示すように測定値S1〜S7の平均値をAVR7とすれば、差分値は図に示すように与えられる。
さらに、測定した距離Dmがゼロでない場合には、ボトミング以外を原因としたエラー状態であると判定して、その発生をユーザに知らしめるので、ボトミングに起因しないエラーが発生している場合も、その発生をすみやかに検出し、ユーザに報知することが可能となる。
上述した実施形態および変形例では、表示部15にエラーを示すエラーコード(例えば、「E3」)を表示することにより、ボトミングが発生したことをユーザに報知していたが、これに限られない。例えば、「ボトミング」と表示して、エラーの種類を具体的に特定してもよいし、「測定エラーです。体重計を別の場所に移動して再測定してください」といったガイダンスメッセージを表示してもよい。また、表示部15にエラーを表示せずとも、LED(Light Emitting Diode)などの点灯装置(図示略)を設けて、エラーが発生したときに点灯させるだけでもよい。また、体重計に、音声出力手段(図示略)を設け、エラーが発生したことをビープ音あるいはメッセージを音声出力するようにしてもよい。さらに、体重計に、外部機器にボトミングが発生したことを示すエラー情報を出力する出力インターフェース(図示略)を備えていてもよい。この出力インターフェースは、外部機器と自機を接続するための接続端子であってもよいし、赤外線通信などの無線通信手段によって上記エラー情報を外部機器に対して送信するものであってもよい。
また、上述した実施形態では、本体50は四角形の形状を有するが、それに限られず、例えば、円形でもよい。さらに、上述した実施形態では、脚部60の形状が円柱である場合について説明したが、これに限られず、例えば、平たい細長の脚部が2本設けられてもよい。よって、脚部60の本数も4本に限られず、任意の本数でよい。上述したように支持点は脚部の各々が本体を支持する中心である。よって、支持点も上述した態様に限られず、その個数と位置は、脚部の形状と本数によって定まる。
加えて、上述した第1〜第3実施形態ならびに変形例では、ボトミングを検出する機能を有するデジタル体重計について説明したが、目盛りで体重を表示するアナログの体重計でもよい。さらに、体重計に限られず、料理用はかり、レジで使用される計量はかりなど、各種の重量計に同様のボトミング検出機能を備えるようにしてもよい。
Claims (11)
- 本体と、
前記本体を支持する複数の脚部とを備え、
前記本体は、
荷重に応じた重量を測定して重量情報を生成する重量計測手段と、
前記荷重が与えられたときに、前記本体と床面との最短距離がゼロになったか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記最短距離がゼロになったことが検知されると、正確な計測が不能であるエラー状態が発生したことを示すエラー情報を生成する生成手段とを有する、
重量計。 - 前記本体に設けられ、前記生成手段によって生成された前記エラー情報に基づいて、前記エラー状態が発生したことをユーザに報知する報知手段をさらに有する、
請求項1に記載の重量計。 - 前記報知手段は、表示手段を含み、前記エラー情報に基づいて、当該表示手段に前記エラー状態が発生したことを表示する、
請求項2に記載の重量計。 - 前記エラー情報を外部機器に出力する出力インターフェースをさらに有する、
請求項1に記載の重量計。 - 前記複数の脚部の各々が前記本体を支持する中心を支持点としたとき、
前記検知手段は、前記複数の支持点の中心位置と前記床面との距離を、前記最短距離として前記検知を行う、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の重量計。 - 前記本体の下面部には、前記床面とは逆方向にくぼんだ1または複数の凹部が設けられており、当該1または複数の凹部を除く部分を平面部とするとともに、前記複数の脚部の各々が前記本体を支持する中心を支持点としたとき、
前記検知手段は、前記平面部のうち、前記複数の支持点の中心位置に最も近い位置と前記床面との距離を、前記最短距離として前記検知を行う、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の重量計。 - 前記本体の下面部には、前記床面の方向に突出した1または複数の凸部が設けられており、
前記検知手段は、前記凸部のうち、前記床面の方向に最も突出した部分と前記床面との距離を、前記最短距離として前記検知を行う、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の重量計。 - 前記検知手段は、
前記本体の複数位置に各々配置され、各々と前記床面との距離を測定する複数の距離計測センサを有し、
前記複数の距離計測センサからの出力値の少なくともいずれかが、前記本体と前記床面との距離がゼロであることを示す場合に、前記最短距離がゼロになったことを検知する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の重量計。 - 前記検知手段は、
前記本体の複数位置に各々配置され、各々が当該本体と前記床面との距離がゼロになったときにオン状態またはオフ状態のうち一方の状態となる複数のスイッチを有し、
前記複数のスイッチのいずれかが前記一方の状態になったときに、前記最短距離がゼロになったことを検知する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の重量計。 - 本体と前記本体を支持する複数の脚部とを備え、前記本体は、情報を表示する表示部、荷重に応じた重量を測定して重量情報を生成する重量計測手段、および前記荷重が与えられたときに、前記本体と床面との距離を最短距離として計測する距離計測センサを具備する重量計の制御方法であって、
前記距離計測センサと前記重量計測手段とを並列して動作させ、
前記距離計測センサの計測が終了すると、前記最短距離がゼロになったか否かを検知し、前記本体と床面との最短距離がゼロである場合には、ボトミングにより正確な計測が不能であるエラー状態が発生したことを前記表示部に表示させ、前記本体と床面との最短距離がゼロでない場合には、前記重量情報を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする重量計の制御方法。 - 本体と前記本体を支持する複数の脚部とを備え、前記本体は、情報を表示する表示部、荷重に応じた重量を測定して重量情報を生成する重量計測手段、および前記荷重が与えられたときに、前記本体と床面との最短距離がゼロになったか否かを検知する検知手段を具備する重量計の制御方法であって、
前記重量情報に基づいて、測定された重量が安定しているか否かを判定し、
測定した重量が安定している場合には、前記検知手段を動作させ、前記検知手段によって前記本体と床面との最短距離がゼロになったか否かが検知されると、前記本体と床面との最短距離がゼロである場合には、ボトミングにより正確な計測が不能であるエラー状態が発生したことを前記表示部に表示させ、前記本体と床面との最短距離がゼロでない場合には、前記重量情報を前記表示部に表示させ、
測定した重量が安定していない場合には、前記検知手段を動作させ、前記検知手段によって前記本体と床面との最短距離がゼロになったか否かが検知されると、前記本体と床面との最短距離がゼロである場合には、ボトミングにより正確な計測が不能であるエラー状態が発生したことを前記表示部に表示させ、前記本体と床面との最短距離がゼロでない場合には、ボトミング以外の原因で正確な計測が不能であるエラー状態が発生したこと前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする重量計の制御方法。
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