JP5005374B2 - Di缶 - Google Patents

Di缶 Download PDF

Info

Publication number
JP5005374B2
JP5005374B2 JP2007030760A JP2007030760A JP5005374B2 JP 5005374 B2 JP5005374 B2 JP 5005374B2 JP 2007030760 A JP2007030760 A JP 2007030760A JP 2007030760 A JP2007030760 A JP 2007030760A JP 5005374 B2 JP5005374 B2 JP 5005374B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thickness
mpa
strength
less
ironing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007030760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008195415A (ja
Inventor
貴志 長谷川
益広 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Universal Can Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Universal Can Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Aluminum Co Ltd, Universal Can Corp filed Critical Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Priority to JP2007030760A priority Critical patent/JP5005374B2/ja
Publication of JP2008195415A publication Critical patent/JP2008195415A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5005374B2 publication Critical patent/JP5005374B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Rigid Containers With Two Or More Constituent Elements (AREA)

Description

本発明は、内容物が密封される缶体に用いられるDI缶に関するものである。
飲料等の内容物が充填、密封される缶体として、開口端部に缶蓋が巻締められるフランジ部が形成された缶や、開口端部にキャップが螺着されるボトル缶が、広く市場において流通している。このような缶体に用いられるDI缶は、従来、JIS3004(AA3004)またはJIS3104(AA3104)などのAl合金からなる板材に絞りしごき加工(Drawing & Ironing)を施すことにより形成されている。
従来から、缶体の流通過程において、その胴部に、例えば先鋭体が接触又は衝突することにより発生する微細な孔、又は缶と缶の間に異物が挟まった状態で擦れることにより生じる微細な孔や破断等のいわゆる流通ピンホール(以下、ピンホールという。)が発生し、その内容物が漏洩する等の問題があった。このような問題を解決するための手段として、例えば下記特許文献1に示されるような缶胴の偏肉量を減少し、缶を薄肉化、軽量化するための技術が開示されている。
特開平06−87032号公報
近年CO2排出量削減等環境保護の観点から、使用する原材料の削減による、アルミニウム缶の軽量化の要請が強くなっている。具体的には、0.1g以上(約1%以上)の缶重量削減を目指し、耐圧強度の低下や生産性を阻害せず、さらに流通ピンホールに強い軽量缶の開発が必要になった。
1缶あたり、0.1gの削減でも、アルミニウム缶市場年間180億缶に適用できれば、大きな環境負荷低減が達成できる。
上記のように、缶体重量の増加を抑制しつつ缶体の耐圧強度を確保し、さらに、缶体の製造を容易に安定して行うことを課題とし、この課題を解決するために、本発明の発明者らが鋭意研究した結果、以下のような知見を得た。
DI缶を製造する場合の材料及び製造方法に関して、DI缶には、例えば、引張り強さ等の耐圧強度に係る材料強度とピンホール特性が製品特性として要求され、缶体胴部のしごき易さを表す特性(以下、DI成形性という。)とDI缶のネック部の成形し易さを表す特性(以下、ネック成形性という。)がDI缶を容易に製造するための特性として要求され、これらの特性が相互に密接に関連して他の特性の阻害要因となっていることを突き止めた。
すなわち、缶を従来より軽くするには、アルミニウム合金材料の板厚を薄くして、全体的に肉厚の薄い缶を製造する方法が考えられるが、板厚を薄くすると、缶底の耐圧強度が低下し、所望の品質が得られないという問題がある。
また、高強度材を開発し、材料強度を高めることにより、缶底の耐圧強度を増すことが考えられるが、極端な高強度材の使用は、DI成型性を阻害するので缶の生産性を低下させる虞がある。
一方、比較的板厚の厚い材料を使用し、DIのしごき率を大きくして、ウォール厚(缶胴の肉厚)を薄くする方法も考えられるが、ウォール厚を薄くすると、突刺強度が低下し、流通ピンホールの発生の可能性が増すという虞がある。
また、DI成形性を向上させるために材料強度自体を低下させると、耐圧強度や、ピンホール特性が低下し、耐圧強度や、ピンホール特性を向上させると、DI成形性が低下するという互いに相反する関係にある。
以上、得られた知見から、引張り強さ等の材料強度や材料の加工硬化に基づく耐圧強度とピンホール特性、DI成形性といった、材料特性と成形方法に関してDI缶に要求される特性を、従来の製造技術にとらわれることなく抜本的に見直すことにより画期的な改善を行うこととした。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、製造コストを増大させることなく、ピンホールの発生を抑制するとともに軽量化が可能なDI缶を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載された発明は、アルミニウム合金の板材に絞りしごき加工を施して形成された有底筒状のDI缶であって、前記アルミニウム合金の板材は、鋳塊に熱間圧延、冷間圧延が施されるとともに所定板厚とされ、焼鈍により再結晶が生じた中間板材に最終圧下率が45%〜80%の冷間仕上げ圧延が施されて板厚が0.240mm以上0.270mm以下とされ、アフターベーキング耐力が245MPa以上335MPa以下とされており、胴部は、肉厚が0.095mm以上0.110mm以下とされるとともに引張り強さが340MPa以上410MPa以下とされていることを特徴とする。
この発明に係るDI缶によれば、鋳塊に熱間圧延、冷間圧延が施されるとともに所定板厚とされ、焼鈍により再結晶が生じた中間板材に最終圧下率が45%〜80%の冷間仕上げ圧延が施され板厚が0.240mm以上0.270mm以下とされたアルミニウム合金の板材にしごき率が54.2%以上64.8%以下の絞りしごき加工が施されるので、胴部の肉厚を0.095mm以上0.110mm以下としつつ、胴部の引張り強さを加工限度に対する余裕を確保しつつ340MPa以上410MPa以下とすることができる。
その結果、突起物や砂が押込まれた場合の破断が抑制されて突き刺し強度が高く充分なピンホール特性が確保されるとともに、薄肉化による缶体重量の軽量化が実現される。
ここで、最終圧下率とは、図8のフロー図に示したように、中間板材(焼鈍を挟むことなく最後に施される冷間圧延の前における板材)の厚さt1と、最終板材(前述の冷間圧延の後における板材)の厚さ(最終板厚)tfとにより、
最終圧下率=((t1−tf)/t1)×100(%)
で算出され、
例えば、図8(A)のように熱間圧延(H)後に、中間焼鈍(IA)と最終の冷間圧延(CF)を施す場合には、熱間圧延(H)が施された段階、すなわち冷間圧延(C1)前の板の厚さがt1とされ、最終の冷間圧延(CF)が終了した段階の板の厚さがtfとされる。また、例えば、図8(B)のように熱間圧延(H)後に、冷間圧延(C1)と焼鈍が施される場合には、最終的に中間焼鈍(IA)が行なわれた段階の板の厚みをt1とし、最終の冷間圧延(CF)が終了した段階の板の厚さtfとされる。この場合、図8(B)において2点鎖線で示したフローが、複数回、例えば、4〜5回行なわれる場合もあるが、その回数には依存しない。
本発明に係るDI缶によれば、製造コストを増大させることなく充分なピンホール特性が確保され、かつ軽量化が可能とされる。
以下、図面を参照し、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態として示したDI缶の製造方法を、図2はDI缶を示す図であり、この図において符号10は、DI缶を示している。
DI缶10は、アルミニウム合金製の有底筒状のDI缶であって、板厚が0.240mm以上0.270mm以下とされるアルミニウム合金の板材に、しごき率が54.2%以上64.8%以下とされる絞りしごき加工を施して成形されており、例えば、缶軸方向の大きさ、すなわち高さが約122.5mm、外径が65mm以上67mm以下とされている。胴部は、肉厚が0.095mm以上0.110mm以下とされるとともに引張り強さが、340MPa以上410MPa以下とされ、かつこの場合の缶体重量が11.6g以下とされている。
また、底部12は、図2に示すように、胴部11の缶軸方向における内側に向けて凹むドーム部12aを備えるとともに、このドーム部12aの外周縁部が胴部11の缶軸方向における外側に向けて突出する環状凸部12cとされている。この環状凸部12cの缶軸方向における頂部が、DI缶10が正立姿勢となるように、このDI缶10を接地面L上に配置したときに接地面Lに接する接地部12bとされる。
また、DI缶10は、ポリエステル系塗料を使用して、文字情報等の印刷部分も含め、胴部11の外面を印刷、塗装し、この外面印刷及び外面塗装がされたDI缶10を180℃×30秒間加熱することにより50mg/dmの塗膜を形成させた後に、DI缶10の内面にエポキシ系塗料を使用して内面塗装し、200℃×60秒間加熱することにより40mg/dmの塗膜を形成させた外面印刷、外面塗装及び内面塗装がされている。
また、アルミニウム合金の板材Wは、例えば、重量%(以下、同じ)でSi:0.15〜0.6%、Fe:0.3〜0.6%、Cu:0.15〜0.6%、Mn:0.7〜1.2%、Mg:0.8〜3.0%、Cr≦0.1%、Zn≦0.30%、Ti≦0.15%を含有し、残部が不可避的不純物を含むAlからなる組成とされ、中間焼鈍が行なわれた後に最終圧下率が45%〜80%の冷間圧延が施されている。
つぎに、上記実施形態に係るDI缶10の成形に用いるアルミニウム合金の板材の製造方法について説明する。
まず、Al合金の溶湯を常法により脱ガス、介在物除去を行い、半連続鋳造により厚さ550mm、幅1.5m、長さ4.5mのスラブに鋳造し、スラブに均熱化処理を施した後、厚さが6.5mmになるまで熱間圧延を施し、その後、冷間圧延を施す。
そして、加熱速度100℃/秒、530〜550℃の温度範囲に20秒間保持し、冷却速度100℃/秒なる条件で焼鈍を行い、その後、該中間板材に最終圧下率45%〜80%の冷間仕上げ圧延を施すことにより最終板厚(0.240mm以上0.270mm以下)の板材Wに形成され、アフターベーキング耐力が、245MPa〜335MPaとされている。ここで、アフターベーキング耐力とは、Al合金素材の評価方法であり、Al合金の板材を210℃×10分間加熱した後の引張り試験による耐力である。
次に、板材Wを打ち抜いて直径が約150mmとされた円板状の板材(ブランク)Wを成形する。
次に、この板材Wをカッピングプレスによって絞り加工することによりカップ状体W1に成形する。
次いで、DI加工装置によって、カップ状体W1に再絞りしごき加工を施して有底筒状体W2を形成する。このときの、しごき率は、例えば、60.4%で胴部11の最薄部における肉厚が0.100mmになるまで絞りしごき加工が施される。
再絞りしごき加工に用いるDI加工装置は、再絞り加工するための円形の貫通孔を有する一枚の再絞りダイと、この再絞りダイと同軸に配列される円形の貫通孔を有する複数枚(例えば、3枚)のアイアニング・ダイ(しごきダイ)と、アイアニング・ダイと同軸とされ、上記それぞれのアイアニング・ダイの各貫通孔の内部に嵌合可能とされ、軸方向に移動自在とされる円筒状のパンチスリーブと、このパンチスリーブの外側に嵌合された円筒状のカップホルダースリーブとを備えている。
DI加工装置による再絞り加工は、カップW1をパンチスリーブと再絞りダイとの間に配置して、カップホルダースリーブ及びパンチスリーブを前進させてカップホルダースリーブが、再絞りダイの端面にカップW1の底面を押し付けてカップ押し付け動作を行ないながら、パンチスリーブがカップW1を再絞りダイの貫通孔内に押し込むことにより行われる。その結果、所定の内径を有する再絞り加工されたカップが成形される。引き続き、再絞り加工されたカップを複数のアイアニング・ダイを順次通過させて徐々にしごき加工をして、カップ状体の側壁をしごいて側壁を延伸させて側壁高さを高くするとともに壁厚を薄くして有底筒状体W2を形成する。
しごき加工が終了した有底筒状体W2は、パンチスリーブがさらに前方に押し出して底部をボトム成形金型に押圧することにより、底部が、例えばドーム形状に形成される。
この有底筒状体W2は、側壁がしごかれることで冷間加工硬化されて強度が高くなる。
次に、有底筒状体W2の開口端部W2aをトリミングする。
DI加工装置によって形成された有底筒状体W2の開口端部W2aは、その缶軸方向に波打つような凹凸形状とされ不均一であるため、有底筒状体W2の開口端部W2aを切断してトリミングすることにより缶軸方向における側壁の高さを全周に亙って均一にする。このようにして、胴部11と底部12とを有する横断面円形のDI缶10を形成される。
このようにして形成されたDI缶10は、洗浄して潤滑油等を除去した後に表面処理を施して乾燥し、次いで外面印刷、外面塗装を施し、その後内面塗装を施す。
外面塗装は、例えば、ポリエステル系塗料を使用して、DI缶10の胴部の外面に印刷、塗装をし、この外面印刷及び外面塗装がされたDI缶10を180℃×30秒間以上加熱して行ない、内面塗装は、外面に塗装が施されたDI缶10の内面に、例えば、エポキシ系塗料を使用して内面塗装し、200℃×60秒間以上加熱することにより行なう。
次いで、DI缶10にネッキング加工及びフランジング加工を施して、DI缶10の胴部11が開口端に向かって縮径されたネック部13と、ネック部13の開口端に接続されるフランジ部14を形成させる。
ネッキング加工をする場合、例えば、開口端部の外側に同心に配置された円環状のネッキングダイに対して、開口端部側をDI缶10の軸線方向に複数回にわたって押し当てることにより、DI缶10の開口端部を順次縮径して、ネック部13を形成する。
この実施の形態において、板材(ブランク)Wは、直径145mm以上155mm以下、厚さが0.240mm以上0.270mm以下の円板形状とされ、カップ状体W1は、軸線方向における大きさが約42mm、外径が約90mmとされている。
また、カップ状体W1に施される再絞りしごき加工は、有底筒状体W2に形成されたときのしごき率が54.2%以上64.8%以下となるように設定されている。
ここで、しごき率とは、
しごき率=(板材Wの厚さ−胴部11の厚さ)/板材Wの厚さ×100(%)
により算出される。
胴部11の厚さとは、胴部11の最薄部、例えば接地部12bから缶軸方向上方に60mm離れた部分における胴部11の肉厚とされる。そして、この胴部11の厚さは0.095mm以上0.110mm以下とされる。
以下、図3から図7に、いわゆる24k材、25k材、26k材、28k材、31k材、33k材に関して、上記実施形態に係るDI缶10の作用、効果を検証した検証結果を示す。この実施の形態における24k材、25k材、26k材、28k材、31k材、33k材の胴部11の引張り強さは、それぞれ、290MPa、310MPa、330MPa、340MPa、380MPa、410MPaである。
この検証試験の引張り強さの測定は、図9に示すように、DI缶10の缶底面の圧延方向に対し45°で交差するDI缶10の周方向位置で胴部11を缶軸方向に切り出した試験片を用いた。
また、突き刺し強度は、胴部の缶軸方向に接地部から上方に60mm離れた位置(缶軸方向に缶の略中央の位置)の外面に、曲率半径0.5mmの押圧子を胴部の径方向内方に向かって50mm/minで移動させて、缶の胴部に穴があいたときの押圧力の大きさを測定し、それを突き刺し強度とした。
ここで、上記実施形態においては、缶胴重量については11.6g以下を、突き刺し強度については39.0N以上を適正範囲として評価した。
図3は、胴部11の肉厚(mm)及び引張り強さ(MPa)に対応する突刺し強度(N)を示す図であり、図中に示した突刺し強度(N)のうち、カッコ内に記載されているものが適正範囲外のものを示している。
図4は、胴部11の肉厚(mm)及び引張り強さ(MPa)に対応する突刺し比強度(N/mm)を示す図であり、図中に示した突刺し比強度(N/mm)のうち、カッコ内に記載されているものが適正範囲外のものを示している。ここで、突刺し比強度(N/mm)とは、胴部11の引張り強さ(MPa)を胴部11の肉厚(mm)で除して得られる数値である。したがって、缶胴11の単位肉厚あたりの突刺し強度(N)を表している。
図5は、アルミニウム合金の板材Wの板厚(mm)及び胴部11の肉厚(mm)に対応する缶体重量(g)を示す図であり、カッコ内に記載されているものが適正範囲外のものを示している。
図6は、アルミニウム合金の板材Wの板厚(mm)及び胴部11の肉厚(mm)に対応するしごき率(%)を示す図である。
図7は、上記図3から図6に示した検証結果をまとめたグラフであり、胴部11の引張り強さ(MPa)ごとに、缶体重量に大きく影響する胴部11の肉厚(mm)(横軸)とピンホール特性に影響する突刺し強度(N)(縦軸)との関係を示したものである。図7のグラフによると、これらDI缶は、G1、G2、G3の3つの群に区分することが可能であり、G1で示される従来缶の群はピンホール特性が充分とされる突刺し強度39Nに対する余裕が小さく、G2で示される群は突刺し強度は充分であるが缶体重量が重くなり、G3で示される群は充分な突刺し強度と缶体重量を満足するものである。
上記、図3から図7に示した検証結果により、鋳塊に熱間圧延、冷間圧延が施されるとともに所定板厚とされ、焼鈍により再結晶が生じた中間板材に最終圧下率が45%〜80%の冷間仕上げ圧延が施され板厚が0.240mm以上0.270mm以下とされたアルミニウム合金の板材にしごき率が54.2%以上64.8%以下の絞りしごき加工を施すことで、胴部の肉厚が0.095mm以上0.110mm以下とされ引張り強さが340MPa以上410MPa以下とされるとともに充分な突刺し強度が確保されることが検証された。
その結果、突起物や砂が押込まれた場合の破断が抑制されて突き刺し強度が高く充分なピンホール特性が確保されるとともに、薄肉化による缶体重量の軽量化が実現される。
上記実施形態に係るDI缶10によれば、胴部の肉厚を0.095mm以上0.110mm以下と薄肉しつつ引張り強さを加工限度に対する余裕を確保しつつ340MPa以上410MPa以下と高強度にすることができる。
その結果、薄肉化による缶体重量の軽量化と、加工硬化が加工限度よりも小さな値に抑えられて突き刺し強度が高く充分なピンホール特性が確保される。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能であり、例えば、前記実施形態では、厚さが0.240mm以上0.270mm以下、外径が145mm以上155mm以下とされた円板状の板材Wに絞りしごき加工を施すことにより、胴部11の肉厚が0.095mm以上0.110mm以下とされるとともに引張り強さが340MPa以上410MPa以下とされるDI缶10を形成したが、絞りしごき加工におけるしごき率を54.2%以上64.8%以下の範囲内で変更することにより、前記厚さ、外径、容量の異なるDI缶10を形成することも可能である。
また、上記実施の形態で記載した以外の内面塗装、外面塗装を施すことも可能である。
また、上記実施の形態においては、高さが約122.5mm、外径が65mm以上67mm以下のいわゆる容量が350mlとされる飲料缶に用いられるDI缶について説明したが、上記以外の大きさを有する例えば、500ml缶に適用してもよいし、開口端部に缶蓋を巻締めるフランジ部を有するDI缶について説明したが、このDI缶の開口端部にネッキング加工を施して肩部とキャップが螺着可能とされる口金部とを有するボトル缶に用いることも可能である。
ピンホールが発生を防止するとともに、缶体重量の軽量化が可能なDI缶を提供することができる。
本発明に係るDI缶の製造方法を示す工程図である。 図1に示すDI缶の縦断面図である。 本発明のDI缶に係る検証試験における突刺し強度を説明する図である。 本発明のDI缶に係る検証試験における突刺し比強度を説明する図である。 本発明のDI缶に係る検証試験における突刺し強度と軽量化の関係を説明する図である。 本発明のDI缶に係る缶体重量を説明する図である。 本発明のDI缶に係るしごき率を説明する図である。 本発明に係るDI缶の成形に用いる板材の最終圧下率を説明するための図である。 本発明に係る検証試験において引張り強さ、伸びを測定するために用いた試験片のDI缶における採取位置を説明する図である。
符号の説明
10 DI缶
11 胴部
12 底部
W 板材

Claims (1)

  1. アルミニウム合金の板材に絞りしごき加工を施して形成された有底筒状のDI缶であって、
    前記アルミニウム合金の板材は、鋳塊に熱間圧延、冷間圧延が施されるとともに所定板厚とされ、焼鈍により再結晶が生じた中間板材に最終圧下率が45%〜80%の冷間仕上げ圧延が施されて板厚が0.240mm以上0.270mm以下とされ、アフターベーキング耐力が245MPa以上335MPa以下とされており、
    胴部は、肉厚が0.095mm以上0.110mm以下とされるとともに引張り強さが340MPa以上410MPa以下とされていることを特徴とするDI缶。
JP2007030760A 2007-02-09 2007-02-09 Di缶 Expired - Fee Related JP5005374B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007030760A JP5005374B2 (ja) 2007-02-09 2007-02-09 Di缶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007030760A JP5005374B2 (ja) 2007-02-09 2007-02-09 Di缶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008195415A JP2008195415A (ja) 2008-08-28
JP5005374B2 true JP5005374B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=39754729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007030760A Expired - Fee Related JP5005374B2 (ja) 2007-02-09 2007-02-09 Di缶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5005374B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105834322A (zh) * 2016-04-26 2016-08-10 奥瑞金包装股份有限公司 无缝罐的制造方法和无缝罐

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0723160B2 (ja) * 1990-07-16 1995-03-15 スカイアルミニウム株式会社 ネッキング成形性・フランジ成形性に優れたアルミニウム合金製di缶胴
JP3566448B2 (ja) * 1996-04-01 2004-09-15 古河スカイ株式会社 耳率の低いキャンボディ用アルミニウム合金板の製造方法
JP3868839B2 (ja) * 2002-03-29 2007-01-17 三菱アルミニウム株式会社 ボトル型飲料缶用アルミニウム合金板の製造方法
JP2004122178A (ja) * 2002-10-02 2004-04-22 Mitsubishi Materials Corp 金属製ボトル缶およびその製造方法
WO2007015560A1 (ja) * 2005-08-04 2007-02-08 Universal Can Corporation 缶ボディ用アルミニウム合金板、di缶およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008195415A (ja) 2008-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9574258B2 (en) Aluminum-alloy sheet and method for producing the same
JP4019082B2 (ja) 高温特性に優れたボトル缶用アルミニウム合金板
US9546411B2 (en) Aluminum-alloy sheet and method for producing the same
JP2008057030A (ja) Di缶
CN104093869A (zh) Di罐体用铝合金板
US20230035259A1 (en) Beverage container body, can end, and material therefor
JP4972771B2 (ja) エアゾール用絞り加工缶の製造方法およびエアゾール用絞り加工缶
JP5247995B2 (ja) 耐流通ピンホール性に優れる缶ボディ用アルミニウム合金板および耐流通ピンホール性に優れる缶ボディの製造方法
WO2007015560A1 (ja) 缶ボディ用アルミニウム合金板、di缶およびその製造方法
JP2017160521A (ja) 異方性とネック成形性に優れた飲料缶ボディ用、および異方性とボトルネック成形性に優れたボトル缶ボディ用アルミニウム合金板の製造方法
JP5005374B2 (ja) Di缶
JP2007197815A (ja) 耐流通ピンホール性に優れる缶ボディ用アルミニウム合金板
JP2007197817A (ja) 耐流通ピンホール性に優れる缶ボディ用アルミニウム合金板
JP5111807B2 (ja) Di缶の製造方法
WO2018061787A1 (ja) 王冠用鋼板およびその製造方法並びに王冠
JP6684568B2 (ja) 異方性とネック成形性に優れた飲料缶ボディ用または飲料ボトル缶ボディ用アルミニウム合金板の製造方法
JP2008194710A (ja) Di缶
JP6435268B2 (ja) 缶エンド用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP5295494B2 (ja) Di缶
JP2017136605A (ja) 缶の製造方法
JP2017136604A (ja) 缶の製造方法及び缶
JP6795281B2 (ja) Di缶の製造方法
JP5456398B2 (ja) 耐流通ピンホール性に優れる缶ボディ用アルミニウム合金板およびその製造方法
JP5456418B2 (ja) 耐流通ピンホール性に優れる缶ボディ用アルミニウム合金板及びその製造方法
KR20170104586A (ko) 병마개용 강판, 병마개용 강판의 제조 방법 및 병마개

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120523

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5005374

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees