JP5004626B2 - Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法 - Google Patents

Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5004626B2
JP5004626B2 JP2007076294A JP2007076294A JP5004626B2 JP 5004626 B2 JP5004626 B2 JP 5004626B2 JP 2007076294 A JP2007076294 A JP 2007076294A JP 2007076294 A JP2007076294 A JP 2007076294A JP 5004626 B2 JP5004626 B2 JP 5004626B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molten steel
lump
immersion
solidified shell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007076294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008229702A (ja
Inventor
肇 牛尾
等 中田
孝司 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2007076294A priority Critical patent/JP5004626B2/ja
Publication of JP2008229702A publication Critical patent/JP2008229702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5004626B2 publication Critical patent/JP5004626B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

本発明は、鋳型内における凝固シェル厚を把握するための一手法として知られるSプリントに関する。
鋳片品質の低下に直結するブレークアウト(凝固シェルの一部が裂開して凝固シェル内部の溶鋼が流出する現象。)の原因を調査すべく鋳片の断面を観察してみたところ、ブレークアウトが発生した鋳型コーナ部位は他の部位と比較して凝固シェルの成長が遅く、更にその成長の遅れが鋳型下端においても回復されていなかったことが判った。このことから、凝固遅れとブレークアウトとが密接に関連していると言え、この凝固遅れの観点からブレークアウトを未然に防止するには、メニスカス(鋳型内における溶鋼の湯面)から鋳型下端に至るまでの凝固シェルの成長態様を定量的に把握することが必要であると言える。
この種の技術として、(i)Agを鋳型内で放射化することで放射時における鋳型内での凝固シェルと溶鋼との固液界面(以下、単に固液界面と称する。)を現出させる手法や、(ii)鋳型内溶鋼に粉末状のSを投入し、鋳造後、鋳片断面を軽くエッチングさせることでS投入時における鋳型内での固液界面を現出させる手法、が公知とされる。
上記(i)の手法によれば、上記の成長態様を確実かつ高精度に把握できるとされる。しかし、本手法は、大型の原子炉設備を要するという設備確保上の問題と、そもそも放射化を必須要素とする工程上の問題と、を抱える。特に、本手法によるならば、その費用は上記(ii)に記載の手法の10倍とされるし、1回のサンプルの測定結果を得るだけでも半年程の長い期間を現実として要する。以上のことから、本手法が、上記の成長態様についての試験研究にほとんど貢献し得ないことは明らかである。
一方、上記(ii)の手法によれば、上記の成長態様を安価に短時間(例えば1週間)で把握できるとされる。本手法は、スループットTp[ton/min](連続鋳造機の生産能力の一指標であって、単位時間あたりに一の鋳型を通過する溶鋼重量を意味する。非特許文献2参照。)が1.5〜2.0程度であった従前の操業においては十分実用的であった。しかし、スループットTp[ton/min]が2.5以上とされる昨今の操業においては、確かに上記の成長態様のうち「メニスカスから鋳型中途に至るまでのもの」は問題なく定量的に把握できるものの、同じく「鋳型中途から鋳型下端に至るまでのもの」は固液界面が極めてぼんやりとしてしまうので定量的のみならず定性的にも把握し難くなっている(後述する図7を参照されたい。)。これはおそらく、スループットTp[ton/min]が高いために鋳型内で凝固シェルに衝突する溶鋼の流速が大きく、せっかく固液界面に滞留して偏析しようとしていたSが押し寄せる溶鋼によって殆ど洗い流されてしまうからだと考えられる。従って、上述したブレークアウトが鋳型下端の直下で発生する特性を考慮すれば、凝固遅れの観点からブレークアウトを未然に防止するには、鋳型下端における凝固遅れを定量的に把握できるよう、本手法の飛躍的な改善が不可欠である。
この種の技術として特許文献1は、「鋳型内の溶鋼に硫黄を添加沈降溶解させることを解析する方法」として、「サルファプリント法」が紹介されている。また、NiやCrなどを取鍋やタンディッシュ、鋳型で添加し、凝固後の鋳片についてエレクトログラフィ法を用いる凝固シェル厚みの測定方法が記載されている。
特開昭53-40632号公報(特許請求の範囲、第1ページ第2カラム第15行〜20行目) 「わが国における鋼の連鋳技術史」、社団法人日本鉄鋼協会、1996年11月30日、p.760
しかし、上記特許文献1に開示されるサルファプリント法やエレクトログラフィ法についての情報の範囲内では、上記の問題が改善されないことは明らかである。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、スループットTp[ton/min]が2.5以上とされる昨今の操業において、メニスカスから鋳型下端に至るまでの凝固シェルの成長態様を安価かつ短時間で定量的に把握できる、Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、鋳型と、この鋳型に対して所定位置に配され、該鋳型の両狭面に対向する一対の溶鋼吐出孔が穿孔される浸漬ノズルと、を用い、この浸漬ノズルを介して鋳型へ溶鋼をスループットTp[ton/min]を2.5以上として注湯する連続鋳造において、Sプリントにおける凝固シェル厚の現出は、以下のような方法で行われる。即ち、所定形状のS塊を前記鋳型内の所定浸漬位置に所定添加量M[kg]、浸漬して溶解する。この浸漬時に前記鋳型内に存在していた鋳片を鋳造方向に対して垂直に切断する。この切断により得られた切断面に対してSプリントを為す。前記S塊については、S塊1個あたりの重量m[g]を250以上とする。前記S塊の浸漬位置については、前記鋳型の幅方向においては前記浸漬ノズルからみて調査対象としての鋳型コーナ側とし、前記鋳型の鉛直方向においては前記浸漬ノズルの溶鋼吐出孔の下面の仮想延長線から鉛直方向に±50[mm]の範囲内に該S塊の下端を配することとする。前記S塊の添加量M[kg]については、前記鋳型内空間の水平断面のうち前記鋳型の上端における水平断面の断面積[m2]のうち更に前記浸漬ノズルからみて調査対象としての鋳型コーナ側の断面積[m2]をAとすると、2.0≦M/A≦3.1が成立する範囲内とする。これによれば、スループットTp[ton/min]が2.5以上とされる昨今の操業において、メニスカスから鋳型下端に至るまでの凝固シェルの成長態様を安価かつ短時間で定量的に把握できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る連続鋳造機の概略図である。先ず、本図に基づいて、本実施形態に係る凝固シェル厚の現出方法が行われる連続鋳造機100の構成と作動を一例として簡単に説明する。
本図に示す如く本実施形態において連続鋳造機100は、注湯される溶鋼を冷却して所定形状の凝固シェルを形成するための鋳型1と、図略のタンディッシュに保持される溶鋼を鋳型1へ所定流量で滑らかに注湯するための浸漬ノズル2と、鋳型1の直下から鋳造経路に沿って複数で並設されるロール対3・3・・・と、を備える。本実施形態において前記の鋳造経路は、その上流側から順に、略鉛直方向に延びる垂直経路部と、この垂直経路部に接続され、円弧状に延びる円弧経路部と、更にその下流側に設けられ、水平方向に延びる水平経路部と、前記の円弧経路部及び水平経路部とを滑らかなに接続するための矯正経路部と、から構成される。
また、前記のロール対3・3・・・の夫々は、鋳造対象としてのスラブ鋼を、両広面でもって挟持する一対のロール3a・3aから構成される。この一対のロール3a・3aのロールギャップ(ロール面間距離)Gは適宜の手段により調節可能に構成される。
また、前記の垂直経路部及び円弧経路部には、鋳型1内で形成され、該鋳型1から引き抜かれる凝固シェルに対して所定の流量で冷却水を噴霧する冷却スプレー4・4・・・が適宜に設けられる。一般に、前記の鋳型1が1次冷却帯と称されるのに対して、この意味で、冷却スプレー4・4・・・が配される経路部は2次冷却帯と称される。
鋳型1から引き抜かれ、鋳造経路に沿って搬送される凝固シェルは、自然放熱や、上記冷却スプレー4・4・・・などにより更に冷却されて収縮する。従って、上記のロール対3・3・・・のロールギャップGは、一般に、鋳造経路の下流側へ進むに連れて緩やかに狭くなるように調節される。
以上の構成で、スラブ鋼の連続鋳造を開始するときは、鋳型1へ溶鋼を注湯する前に予め図略のダミーバーを前記の鋳造経路内に挿入しておき、浸漬ノズル2を介して鋳型1へ溶鋼を所定流量で注湯し始めると共に上記ダミーバーを下流側へ所定速度で引き抜く。そして、このダミーバーは、所定のメニスカス距離に到達したときに、適宜の手段により回収する。これで、スラブ鋼が連続的に鋳造されるようになる。
次に、上記の連続鋳造機100の一般的な操業条件を簡単に紹介する。
・鋳型幅W[mm]は、800〜2100とする。
・鋳型厚みD[mm]は、230〜280とする。
・鋳型高さH[mm]は、800〜900とする。
・鋳造速度Vc[m/min]は、1.2〜2.0とする。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、10〜45とする。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、1〜3とする。
・鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、300〜800とする。
・圧下勾配Ak[mm/m]は、0.05〜0.10とする。
・溶鋼成分は、規格協定に基づく。代表的な成分は、C、Si、Mnである。これに、CrやCuなどが適宜に添加される。P及びSは極力少なくなるように調整される。その他の不可避の不純物を含む。
上記の各操業条件の用語を簡単に説明する。
・鋳型幅W[mm]及び鋳型厚みD[mm]は、鋳型1の上端で観念される。
・鋳造速度Vc[m/min]は、鋳片の引抜速度であって、前記複数のロール対3・3・・・のうち最上流に配されるロール対3の周速度で観念される。
・溶鋼過熱度ΔT[℃]は、鋳型1内へ注湯される溶鋼の温度の指標である。詳細は、本明細書の末尾に記載する。
・比水量Wt[L/kgSteel]は、鋼1kgに対して用いられる冷却水の容積を意味する。この冷却水は、0〜20のメニスカス距離[m]で観念される上記の2次冷却帯で鋳片に対して噴射/噴霧される。
・鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、鋳型1内の溶鋼を攪拌するために作用される磁場の強度の指標である。詳細は、本明細書の末尾に記載する。
・圧下勾配Ak[mm/m]は、鋳造方向に対するロール対3・3・・・のロールギャップGの減少勾配[mm/m]を意味する。即ち、鋳造経路の単位距離[m]におけるロール対の面間距離の減少量[mm]に相当する。
以上に、連続鋳造機100の構成と作動を簡単に説明した。次に、前述の鋳型1と浸漬ノズル2について簡単に説明する。図2及び図3を参照されたい。図2は、図1の部分拡大図である。図3は、図2の3-3線矢視の部分断面図である。
浸漬ノズル2は有底円筒状に形成され、その外周壁には、浸漬ノズル2内に導入された溶鋼を鋳型1へ吐出するための一対の溶鋼吐出孔5・5が穿設される。この溶鋼吐出孔5・5は、本図に示されるように若干の丸みを帯びた矩形であって内周側から外周側へ向かってその流路断面積が増大するように、図3に示されるように若干斜め下向きに、形成される。図2において溶鋼吐出孔5・5の外周縁の幅[mm]は符号5wで観念し、同じく外周縁の高さ[mm]は符号5hで観念し、図3において溶鋼吐出孔5・5の下面5kが水平に対して為す角度[deg.]を符号θ1(ただし、下向きを正とする。)で観念する。この浸漬ノズル2は、鋳型1内へ、鋳型厚みD[mm]方向においても鋳型幅W[mm]方向においても略中央となるように挿入される。このとき、溶鋼吐出孔5・5が図2及び図3に示されるように鋳型1の内壁面のうち狭面に対して対向するように、更に、少なくとも溶鋼吐出孔5・5の外周側の縁の全体がメニスカスよりも下側となるように、する。
以上の構成で、浸漬ノズル2から吐出された溶鋼は、図3において太線矢印で示されるように、溶鋼吐出孔5・5の下面5kに沿って流動し、鋳型1の狭面に近接するに連れてその溶鋼流は鉛直方向上方へ屈曲され、やがて、鋳型1の狭面と浸漬ノズル2との間で円弧を描いて回転するように流動する。このようなことから、この溶鋼流は反転流とも称される。なお、この反転流は、メニスカス付近の溶鋼に対して熱を供給するなどの重要な役割を担うものである。
以上に、前述の鋳型1と浸漬ノズル2について簡単に説明した。次に、凝固シェル厚の現出方法について具体的に説明する。図4及び図5を参照されたい。図4は、S浸漬ユニットの作成の説明図である。図5は、図3に類似する図である。
本実施形態において凝固シェル厚の現出は、所定形状のS塊9(硫黄の塊)を鋳型1内の所定浸漬位置に所定添加量M[kg]、浸漬して溶解し、この浸漬時に鋳型1内に存在していた鋳片を鋳造方向に対して垂直に切断し、この切断により得られた切断面に対してSプリントを為すこととするものである。
先ず、鋳型1内の溶鋼内に浸漬されるS塊9について説明する。一般的に、Sは市場において粉末状で流通するが、本実施形態では、この粉末状のSを一度溶解して所定形状に再凝固させた上で用いる。この「所定形状」としては、例えば図4(a)に示されるような円筒形状が挙げられる。このようにSを粉末状ではなく、一度、所定形状に再凝固させてから用いる理由は以下の通りである。即ち、粉末状のSを用いる場合は、溶鋼内に粉末状のSを浸漬するために予め粉末状のSを、溶鋼内で所定時間後に溶融するような所定の容器内に収容しておく必要があるが、この容器が溶融したときに、容器内の空気の浮上に伴って粉末状のSも勝手に浮上してしまい、メニスカスで粉末状のSが気化してしまうという大きな問題があるからである。ところで、上記のS塊9に代えて、FeSを再凝固させたものを用いる選択肢もある。しかし、FeSを再凝固したものに代えるのは、以下の理由から妥当ではない。即ち、Feの原子量はSの3倍であるため、後述する所定添加量M[kg]のSを浸漬するには、重量比で約4倍のFeSを浸漬する必要があって歩留まりが悪いし、更にFeとの結合によりSが溶融し難くなってしまうからである。なお、Sが粉末状ではなく固形状で入手可能であれば、わざわざ再凝固させる必要は必ずしもない。
次に、上記のS塊9を鋳型1内の所定浸漬位置に浸漬する便宜を図るためのS浸漬ユニットを図4に基づいて説明する。即ち、S塊9を鋳型1内の所定浸漬位置に浸漬し、更に、その所定浸漬位置においてS塊9が溶融するまで保持するには、S塊9が所定浸漬位置に浸漬された状態を保持する手段が必要とされ、図4にはその一手段が例示される。図4に示されるように上記S浸漬ユニット6は、鋳型1内の溶鋼よりも高融点となるように(即ち、浸漬しても溶鋼の熱で溶融しないように)成分調整された低炭素鋼の支持棒7と、溶融させたSを所定形状に再凝固させるための有底の円筒容器8(例えばアルミ製など)と、を含んで構成される。以下、S浸漬ユニット6の作成方法を簡単に説明する。即ち、(i)先ず、粉末状のSを加熱炉で溶融する。なお、Sの融点[deg.]は100とされる。(ii)次に、溶融したSを円筒容器8内に注ぎ入れる。(iii)そして、先端が僅かに(例えば20[mm])直角に折曲されたφ8[mm]の支持棒7を、円筒容器8内のSが凝固する前に該S内に一部浸漬させる。(iv)Sが凝固したら、支持棒7を適宜、曲げ加工する。この曲げ加工の一例として、図4(b)には、持ち手7aと、鋳型1の上端に載置される水平部分7bと、を含んだ好適な形状が例示される。なお、図4(b)に示される例では、再凝固したS塊9の軸心方向に沿って延出される延出部7cと、前記の水平部分7bと、が為す角度[deg.]は110〜120とされる。
次に、図5に基づいて、上記のS塊9の、鋳型1内における浸漬位置について詳細に説明する。本実施形態において、上記のS塊9の浸漬位置については、鋳型1の幅方向においては浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側とし、鋳型1の鉛直方向においては浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔5・5の下面5kの仮想延長線Pから鉛直方向に±50[mm]の範囲内に該S塊9の下端9aを配することとする。(i)「鋳型1の幅方向においては浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側と」する理由は、S塊9から溶出したS成分が浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔5・5から吐出された溶鋼流(図3参照)に乗って凝固シェル内側の固液界面に流され至ることが、直接的に、Sプリントにおける凝固シェル厚の現出に寄与すると考えられるからである。なお、S塊9から溶出したS成分を漏れなく凝固シェル内側の固液界面に流され至るようにするためには、S塊9をできるだけ凝固シェル内側の固液界面に近接させることが好ましい。この観点から、鋳型1の幅方向においては浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側であって、該鋳型1の狭面からW/4[mm]以内の領域にS塊9を浸漬させることが好ましいと言える。(ii)「鋳型1の鉛直方向においては浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔5・5の下面5kの仮想延長線Pから鉛直方向に±50[mm]の範囲内に該S塊9の下端9aを配する」理由は、S塊9から溶出したS成分が浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔5・5から吐出された溶鋼流(図3参照)に乗って、うまく凝固シェル内側の固液界面に流され至り、この固液界面に短時間で大量のSが偏析するようにするためである。
次に、上記のS塊9の添加量M[kg]について詳細に説明する。本実施形態において、上記のS塊9の添加量M[kg]については、鋳型1内空間の水平断面のうち鋳型1の上端における水平断面の断面積[m2]のうち更に浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側の断面積[m2]をAとすると、2.0≦M/A≦3.1が成立する範囲内とすることとする。要するに、S塊9の添加量M[kg]を、鋳型1の水平断面の一部の断面積A[m2]に基づいて設定するのである。上記のS塊9の添加量M[kg]は、上述したように、鋳型1の幅方向中央を境に分けた半分のみに着目するものである。これは、鋳型1の幅方向において浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側に浸漬させたS塊9の溶融や、S塊9から溶出したS成分による凝固シェル内側の固液界面のS偏析が、鋳型1の幅方向中央を境に略完全に独立して為されるからである。従って、他の鋳型コーナ側も調査対象とする場合は、一の鋳型1内へ同時に浸漬させるS塊9の添加量[kg]は、単純に2倍した2M[kg]となる。(i)「2.0≦M/A≦3.1」の下限は、凝固シェル内側の固液界面において顕著なS偏析を実現するための十分な量を考慮したものである。(ii)「2.0≦M/A≦3.1」の上限は、端的に言えば焼付起因のブレークアウトを防止するためである。即ち、S塊9を多量に浸漬し過ぎるとS成分の気化(ボイリング)による浮上の程度が大きくなり、この浮上によりメニスカスが波立ち、メニスカス上に浮設される溶融したモールドパウダの流動に異変が生じ、凝固シェルと鋳型1との間へのモールドパウダの適切な流入が阻害され、凝固シェルと鋳型1とが直接的に接触して凝固シェルが鋳型1の内壁面に対して焼き付き、一方で、凝固シェルは所定の鋳造速度Vc[m/min]で引き抜かれ続け、焼付箇所にて凝固シェルが裂開し、局所的なブレークアウトが発生すると考えられるからである。(iii)なお、「S塊9の添加量M[kg]」とは、S成分にのみ着目した場合における添加量M[kg]を指すものであり、S塊9が含む不純物は「添加量M[kg]」に加算されない点に留意されたい。
次に、上記のS塊9の、1個あたりの重量m[g]について説明する。本実施形態において、上記のS塊9については、S塊1個あたりの重量m[g]を250以上とすることとする。(i)「S塊1個あたりの重量m[g]」の下限を設けた理由は、以下の通りである。即ち、例えば、上記の「2.0≦M/A≦3.1」という条件を満たす添加量M[kg]を複数の小さなS塊9で賄おうとすると、結局のところ、粉末状のSを浸漬する代わりに所定形状に再凝固したS塊9を浸漬することとする上述した技術そのものが没却されてしまうからである。(ii)なお、「S塊9の、1個あたりの重量m[g]」とは、S成分にのみ着目した場合における重量m[g]を指すものであり、S塊9が含む不純物は「重量m[g]」に加算されない点に留意されたい。
以上に、鋳型1内の溶鋼内に浸漬されるS塊9について説明した。次に、Sプリントについて簡単に説明する。
上述したように、本実施形態において凝固シェル厚の現出は、所定形状のS塊9を鋳型1内の所定浸漬位置に所定添加量M[kg]、浸漬して溶解し、この浸漬時に鋳型1内に存在していた鋳片を鋳造方向に対して垂直に切断し、この切断により得られた切断面に対してSプリントを為すこととするものである。ここで、図6を参照されたい。図6は、Sプリントを実施するにあたって鋳造された鋳片を切断する様子を示す図である。本図に示されるように、(i)先ず、浸漬時に鋳型1内に存在していた鋳片(ただし、鋳型1内に存在していた時点では、当然、内部に未凝固部を残す。)を鋳造方向に対して垂直に50[mm]ピッチで薄板状に輪切りする。図6において符号p[mm]は輪切りにされた薄板の厚みを示し、符号H[mm]は鋳型1の高さを仮想的に示す(図1も併せて参照されたい。)。(ii)次に、この切断により得られた切断面に対してJIS G 0560で規定されるSプリントを為す。ここで、図7を参照されたい。図7は、従来の現出方法におけるSプリントの結果(鋳型下端)と、本実施形態におけるSプリントの結果(鋳型下端)と、を並べて示す図である。本図左側「比較例」は粉末状のSを用いた従来の現出方法におけるSプリントの結果(鋳型下端)を示す。このように、従来の現出方法では、肝心の鋳型下端における凝固シェル内側の固液界面がぼやけてしまい、凝固シェル厚を認識することはほとんどできなかった。一方、本図右側「実施例」は本実施形態に係るSプリントの結果(鋳型下端)を示す。このように、本実施形態では、最もぼやけやすい鋳型下端における凝固シェル内側の固液界面が極めて明瞭に現出されており、その結果、凝固シェル厚が高い精度で測定できる。
以下、本実施形態に係るSプリントにおける凝固シェル厚の現出方法の技術的効果を確認するための試験に関して説明する。上述した各数値範囲などは、下記の確認試験により合理的に裏付けられている。
[1]試験条件
先ず、各確認試験に共通する試験条件について説明する。なお、後述する表1及び表2に記載されている事項については、ここではその記載を割愛する。また、前述した連続鋳造機100の一般的な操業条件と重複する記載も同様に割愛する。
・鋳型高さH[mm]は、900とする。
・溶鋼成分としてのC含有量C[wt%]は、0.05〜0.25とする。
・溶鋼吐出孔5・5の外周縁の幅5w[mm]は、70とする(図2参照)。
・溶鋼吐出孔5・5の外周縁の高さ5h[mm]は、85とする(図2参照)。
・溶鋼吐出孔5・5の下面5kが水平に対して為す角度θ1[deg.]は、35とする(図3参照)。
・円筒容器8の内径は、70[mm]とする(図4(a)参照)。この場合、S塊9の高さは概ね60[mm]程度となる。
・支持棒7の径は、8[mm]とする(図4(a)参照)。
・S塊9の原材料は、CAS No.7704-34-9という規格で特定されるものを使用する。
・S塊9の浸漬位置は、鋳型1の幅方向においては浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側であって、その中心が該鋳型1の狭面からW/8[mm]となるようにする。
・各確認試験において調査する凝固シェル内側の固液界面は、浸漬ノズル2からみて一の狭面側のものに限ることはなく、同時に同一条件で他の狭面側のものも調査することとする。
・浸漬ノズル2の内径[mm]は85とし、外径[mm]は150とする。この外径[mm]と、上記の角度θ1[deg.]から、前述の仮想延長線Pは容易に観念されよう(図5参照)。
・メニスカスは、鋳型1の上端から概ね100〜150[mm]とする。
[2]試験方法
次に、各確認試験に共通する試験方法について説明する。ただし、上述した説明と重複する説明は適宜、割愛する。(i)上述したように、浸漬時に鋳型1内に存在していた鋳片を鋳造方向に対して垂直に50[mm]ピッチで薄板状に輪切りして得られた切断面に対して上記のSプリントを為した結果、夫々の切断面に固液界面が明瞭に現出されていたかを記録する。ここで、「固液界面の現出の明瞭性」については視覚に頼らざるを得ないものであるが、その一例として先述した図7を参照されたい。図7の左側における明瞭性は客観的に不十分であり、同じく右側における明瞭性は客観的に十分である、いうことができよう。(ii)次に、各確認試験ごとに、現出率Ap[%]を計算して求める。ここで、現出率Ap[%]を以下のように定義する。即ち、(a)上記切断により得られた複数の切断面のうち、切断面内の4つのコーナ近傍の何れかにおいて固液界面が明瞭に現出された切断面のうち更に、最も下流側の切断面を特定する。(b)この特定した切断面が、浸漬時において鋳型1の上端から下端へ向かってどれだけ離れた切断面に相当するものなのかを求め、この距離を変数I[mm]とする。(c)この距離I[mm]と、鋳型高さH[mm]と、に基づいて下記式により現出率Ap[%]が定義される。
Ap=I/H×100
(iii)そして、上記のように求められた現出率Ap[%]に基づいて各確認試験を評価する。即ち、現出率Ap[%]が100とされる確認試験のみを「○(良好)」と評価し、現出率Ap[%]が100に満たない確認試験はすべて「×(不良)」と評価した。なお、試験番号37〜60は、従来の現出方法に係るものであり、即ち、S塊9の代わりに粉末状のSを用いた。これら従来の現出方法に係る各確認試験(試験番号37〜60)においては、粉末状のSは、浸漬の際に、0.3[mm]厚の銅板を用いて作成した粉末用容器(形状は、図4に示されるものと類似する。)内に収容することとする。
[3]試験結果
各確認試験の試験結果を下記の表1及び表2、図8〜10に示す。図8〜10は、各確認試験の試験結果を示すグラフである。
上記表1及び表2の各列のタイトルを簡単に説明する。「M kg」及び「M/A kg/m2」、「個数」の各列には、鋳型1の幅方向において浸漬ノズル2からみて片側のみに着目した値を記入した。なお、前述したように各確認試験においては、「同時に同一条件で他の狭面側のものも調査」した。また、表1試験No.28「個数」欄に記載の「1.5」は、実質的に「200gのS塊を1個と、その半分の100gのS塊を1個と、」を意味する。
「Ds mm」の列には、鋳型1の狭面からS塊9(又は粉末用容器)の中心に至るまでの水平の離間距離Dsを記入した(図5参照)。
「BR mm」の列には、上記の離間距離Dsと、仮想延長線Pと、から求められるS塊9(又は粉末用容器)の下端9aの理想的な浸漬位置であって、鋳型1の上端からの距離BR[mm]を記入した(図5参照)。
「BJ mm」の列には、上記の理想的な距離BRに対して、実際の浸漬位置であって、鋳型1の上端から、S塊9(又は粉末用容器)の下端9aまでの、距離BJ[mm]を記入した(図5参照)。
「特記事項」の列には、各確認試験において発生した問題を記入した。なお、ブレークアウトが発生した場合は、この列に、「(B.O.)」と記入した。
次に、図8に示されるグラフについて説明する。図8は、Sの添加量に関するM/A[kg/m2]と、現出率Ap[%]と、の関係が示される。本グラフには、試験No.1〜12(表1)及び試験No.37〜48(表2)の各確認試験の結果が示される。プロット「○」は試験No.1〜10に対応する。プロット「△」は試験No.11及び12に対応する。プロット「□」は、試験No.37〜48に対応する。
次に、図9に示されるグラフについて説明する。図9は、S塊9(又は粉末用容器)の理想的な浸漬位置としての距離BR[mm]と、実際の浸漬位置としての距離BJ[mm]と、のズレ[mm]と、現出率Ap[%]と、の関係が示される。本グラフには、試験No.13〜24(表1)及び試験No.49〜60(表2)の各確認試験の結果が示される。プロット「○」は試験No.13〜24に対応する。プロット「□」は、試験No.49〜60に対応する。
次に、図10に示されるグラフについて説明する。図10は、S塊1個あたりの重量m[g]と、現出率Ap[%]と、の関係が示される。本グラフには、試験No.25〜32(表1)の各確認試験の結果が示される。プロット「○」は試験No.25〜32に対応する。
なお、前述の図7において実施例は試験No.9に対応し、比較例は試験No.5に対応するものである。
[4]試験考察
次に、図8〜10に基づいて、各試験結果を考察する。
添加量M[kg]については図8を参照されたい。本図によれば、第一に、Sを粉末状のまま用いると、M/A[kg/m2]を変化させただけでは良好な結果が得られないことが判る。第二に、M/A[kg/m2]を2.0以上とすると良好な結果が得られるが、3.1を超えてしまうとブレークアウトという別の問題が発生してしまうことが判る。併せて表1及び表2を適宜に参照されたい。
浸漬位置については図9を参照されたい。本図によれば、第一に、Sを粉末状のまま用いると、どこに粉末用容器を浸漬させようとも、良好な結果が得られないことが判る。第二に、鋳型1の鉛直方向においては浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔5・5の下面5kの仮想延長線Pから鉛直方向に±50[mm]の範囲内にS塊9の下端9aを配するようにして浸漬させると、良好な結果が得られることが判る。併せて表1及び表2を適宜に参照されたい。
S塊9の、1個あたりの重量m[g]については図10を参照されたい。本図によれば、S塊9の、1個あたりの重量m[g]を250以上とすると、良好な結果が得られることが判る。併せて表1及び表2を適宜に参照されたい。
以上説明したように上記実施形態において、鋳型1と、この鋳型1に対して所定位置に配され、該鋳型1の両狭面に対向する一対の溶鋼吐出孔5・5が穿孔される浸漬ノズル2と、を用い、この浸漬ノズル2を介して鋳型1へ溶鋼をスループットTp[ton/min]を2.5以上として注湯する連続鋳造において、Sプリントにおける凝固シェル厚の現出は、以下のような方法で行われる。即ち、所定形状のS塊9を前記鋳型1内の所定浸漬位置に所定添加量M[kg]、浸漬して溶解する。この浸漬時に前記鋳型1内に存在していた鋳片を鋳造方向に対して垂直に切断する。この切断により得られた切断面に対してSプリントを為す。前記S塊9については、S塊1個あたりの重量m[g]を250以上とする。前記S塊9の浸漬位置については、前記鋳型1の幅方向においては前記浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側とし、前記鋳型1の鉛直方向においては前記浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔5・5の下面5kの仮想延長線Pから鉛直方向に±50[mm]の範囲内に該S塊9の下端9aを配することとする。前記S塊9の添加量M[kg]については、前記鋳型1内空間の水平断面のうち前記鋳型1の上端における水平断面の断面積[m2]のうち更に前記浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側の断面積[m2]をAとすると、2.0≦M/A≦3.1が成立する範囲内とする。これによれば、スループットTp[ton/min]が2.5以上とされる昨今の操業においても、メニスカスから鋳型1下端に至るまでの凝固シェルの成長態様を安価かつ短時間で定量的に把握できる。更に、ブレークアウトも効果的に防止される。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
◆ 即ち、例えば、上記実施形態においてS塊9の形状は、図4(a)に示されるように円柱形状とした。しかし、これに代えて、直方体形状でもよいし、円錐形状でもよい。
◆ また、S塊9は、1個あたりのS塊9の重量m[g]が250以上であれば、必要な添加量M[kg]を2個又は3個以上のS塊9を同時に浸漬させることで賄うようにしてもよい。
◆ また、上記実施形態において支持棒7は、図4(b)に示されるように屈曲するものとしたが、これは一例であって、S塊9の浸漬位置さえ十分に調節できるのであれば、当業者が為しえる範囲の種々の変更が許容される。
以下は、参考資料である。
上記「前記鋳型1内空間の水平断面のうち前記鋳型1の上端における水平断面の断面積[m2]のうち更に前記浸漬ノズル2からみて調査対象としての鋳型コーナ側の断面積[m2]をAとする」は、具体的には以下の通りである。即ち、鋳型幅W[mm]と鋳型厚みD[mm]とに基づけば、下記式で求められる。
A=W×D/2
[1]溶鋼過熱度ΔT[℃]
定義:鋳型内へ注湯される溶鋼の温度の指標である。
(1)『測定時刻』は、「タンディッシュ内の溶鋼の流動が定常状態に至った時刻、より詳しくは、転炉から該タンディッシュへ溶鋼を搬送するための取鍋内に収容されている溶鋼の1/4〜1/3程度が該タンディッシュへ注湯された時刻」とする。
(2)『測定地点』は、以下の通りとする。即ち、「水平位置」はタンディッシュの底面に備え付けられる浸漬ノズルの軸心とし、「鉛直位置」はタンディッシュ内に保持されている溶鋼の湯面を基準として深さ100mmとする。
(3)『測定器具』は、消耗型熱電対を用いる構成とする。上記の通り、深さ100mmの地点に消耗型熱電対を浸漬させることから、適宜に用意した棒の先端に消耗型熱電対を取着した構成が適する。
(4)上記の『測定時刻』及び『測定地点』、『測定器具』に準じて測定した溶鋼の温度から、溶鋼の溶鋼成分により唯一に求められる液相線温度と、を比較する。そして上述した溶鋼過熱度ΔT[℃]は、前者から後者を除いた(引いた)残りとして求めることとする。
(5)なお、種々の観点から、上記溶鋼過熱度ΔT[℃]は、10〜45が好ましい。
[2]鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]
定義:鋳型内の溶鋼を攪拌するために作用される磁場の強度の指標である。
(1)『測定時刻』は、任意である。
(2)『測定地点』は、以下の通りとする。即ち、「水平位置」は、(i)鋳型幅方向においては中央とし、(ii)鋳型厚み方向においては鋳型内壁面から中心へ向かって15[mm]とし、(iii)鋳型高さ方向においては鋳型に埋設される電磁コイルのコイル中心と揃えるものとする。
(3)『測定器具』は、適宜のガウスメータを用いる。
(4)上記の『測定時刻』及び『測定地点』、『測定器具』に準じて複数回測定する。そして上述した鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は、上記複数の測定値を平均化して求めることとする。
(5)なお、種々の観点から、上記鋳型内電磁攪拌強度M-EMS[gauss]は0〜1000が好ましいとされ、鋳型内の溶鋼に作用される磁場の周波数[Hz](「磁場の周波数」とは、上記電磁コイルに導通される電流が1秒間に向きを変える回数を意味する。)は1〜5が好ましいとされ、一般に、この磁場の周波数[Hz]として2が採用される。
本発明の一実施形態に係る連続鋳造機の概略図 図1の部分拡大図 図2の3-3線矢視の部分断面図 S浸漬ユニットの作成の説明図 図3に類似する図 Sプリントを実施するにあたって鋳造された鋳片を切断する様子を示す図 従来の現出方法におけるSプリントの結果(鋳型下端)と、本実施形態におけるSプリントの結果(鋳型下端)と、を並べて示す図 各確認試験の試験結果を示すグラフ 各確認試験の試験結果を示すグラフ 各確認試験の試験結果を示すグラフ
符号の説明
1 鋳型
2 浸漬ノズル
5 溶鋼吐出孔
5k 下面
9 S塊
P 仮想延長線

Claims (1)

  1. 鋳型と、この鋳型に対して所定位置に配され、該鋳型の両狭面に対向する一対の溶鋼吐出孔が穿孔される浸漬ノズルと、を用い、この浸漬ノズルを介して鋳型へ溶鋼をスループットTp[ton/min]を2.5以上として注湯する連続鋳造にて、
    所定形状のS塊を前記鋳型内の所定浸漬位置に所定添加量M[kg]、浸漬して溶解し、
    この浸漬時に前記鋳型内に存在していた鋳片を鋳造方向に対して垂直に切断し、
    この切断により得られた切断面に対してSプリントを為す、Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法において、
    前記S塊については、S塊1個あたりの重量m[g]を250以上とし、
    前記S塊の浸漬位置については、前記鋳型の幅方向においては前記浸漬ノズルからみて調査対象としての鋳型コーナ側とし、前記鋳型の鉛直方向においては前記浸漬ノズルの溶鋼吐出孔の下面の仮想延長線から鉛直方向に±50[mm]の範囲内に該S塊の下端を配することとし、
    前記S塊の添加量M[kg]については、前記鋳型内空間の水平断面のうち前記鋳型の上端における水平断面の断面積[m2]のうち更に前記浸漬ノズルからみて調査対象としての鋳型コーナ側の断面積[m2]をAとすると、2.0≦M/A≦3.1が成立する範囲内とする、
    ことを特徴とする、Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法
JP2007076294A 2007-03-23 2007-03-23 Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法 Expired - Fee Related JP5004626B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007076294A JP5004626B2 (ja) 2007-03-23 2007-03-23 Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007076294A JP5004626B2 (ja) 2007-03-23 2007-03-23 Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008229702A JP2008229702A (ja) 2008-10-02
JP5004626B2 true JP5004626B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=39903115

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007076294A Expired - Fee Related JP5004626B2 (ja) 2007-03-23 2007-03-23 Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5004626B2 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5340632A (en) * 1976-09-27 1978-04-13 Nippon Steel Corp Method of measuring thickness of solidified shell of continuously cast piece
JPH0628778B2 (ja) * 1989-01-11 1994-04-20 川崎製鉄株式会社 高速連続鋳造用浸漬ノズル
JPH02207950A (ja) * 1989-02-08 1990-08-17 Kawasaki Steel Corp 連続鋳造用浸漬ノズル
JPH09285843A (ja) * 1996-04-24 1997-11-04 Sumitomo Metal Ind Ltd 連続鋳造用組立鋳型および鋳造方法
JP2002301550A (ja) * 2001-04-06 2002-10-15 Nippon Steel Corp 連続鋳造用浸漬ノズル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008229702A (ja) 2008-10-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI326230B (en) Casting steel strip with low surface roughness and low porosity
CN105018761A (zh) 一种高锰高铝型奥氏体低磁钢的连铸方法
KR102239946B1 (ko) 오스테나이트계 스테인리스강 슬라브의 제조 방법
EP3213838B1 (en) Mold for continuous casting and continuous casting method for steel
JP5360086B2 (ja) 非磁性鋼の連続鋳造を用いた製造方法
JP2011218403A (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5004626B2 (ja) Sプリントにおける凝固シェル厚の現出方法
JP5942712B2 (ja) スカム堰、薄肉鋳片の製造方法、薄肉鋳片の製造装置
JP5172432B2 (ja) 溝付浸漬ノズルを用いた極低炭素鋼又は低炭素鋼の連続鋳造方法
JP2006239716A (ja) 連続鋳造方法
JP4773225B2 (ja) 鋼の連続鋳造用のモールドパウダとそれを用いた鋼の連続鋳造方法
JP4757661B2 (ja) 厚鋼板用大断面鋳片の垂直型連続鋳造方法
JP4320043B2 (ja) 分割型堰付き浸漬ノズルを用いる中高炭素鋼の連続鋳造方法
JP5020778B2 (ja) 鼓型堰付き浸漬ノズルを用いる中高炭素鋼の連続鋳造方法
JP5387497B2 (ja) 連続鋳造による高合金鋼の製造方法
JP2008290136A (ja) 低炭素高硫黄鋼の連続鋳造方法
JP5020687B2 (ja) 中心偏析の少ないスラブ鋼の連続鋳造方法
Yan et al. Development of Mold Flux for Heat‐Resistant Alloy Containing Al and Ti
JP3610871B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP6379955B2 (ja) 連続鋳造方法
KR20090064462A (ko) 강철 스트립 제조 방법
JP3402286B2 (ja) 連続鋳造方法
JP5079663B2 (ja) 鋳型狭面の上昇流に対して静磁場を作用させるスラブの連続鋳造方法
JP3238090B2 (ja) 鋼スラブの連続鋳造方法
Kumar et al. Continuous Casting of Steel and Simulation for Cost Reduction

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120425

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120522

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees