JP5002484B2 - ウラン精製方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウランの精製技術に係わり、特に精製対象のウランをフッ化物ガスの状態で処理することで不純物を分離除去する方式のウラン精製技術であり、使用済み燃料から回収されるウランの精製に好適なウラン精製技術に関する。
使用済み燃料の再処理では、まず使用済み燃料からウランとプルトニウムを分離して回収し、それから回収したウランとプルトニウムそれぞれについて不純物を分離除去する精製処理を施して純度の高い精製ウランと精製プルトニウムを得る。このような使用済み燃料の再処理には、湿式法と乾式法があり、湿式法としては、溶媒抽出法、沈殿法、イオン交換法があり、乾式法としては、フッ化揮発法と高温法(高温冶金法、高温化学法)がある。ここではフッ化揮発法に着目する。
フッ化揮発法では、使用済み燃料をフッ化した場合のウランとプルトニウムの揮発挙動の相違を利用してウランとプルトニウムの分離を行い、また分離したウランとプルトニウムの精製もフッ化物ガスの状態で吸着処理したり凝縮処理したりすることで行う(例えば特許文献1、非特許文献1)。このようなフッ化揮発法は、乾式法のひとつであり、湿式法に比べて設備コストやランニングコストで優れているものの、フッ化物ガス状態でのプルトニウムの精製に困難がある。
こうしたことからフッ化揮発法と溶媒抽出法(ピューレックス法など)を組み合わせる方法(以下では仮に組合せ法と呼ぶ)が提案されている。組合せ法では、まずフッ化揮発法で使用済み燃料からウランを分離回収し、それからウランを分離回収後の使用済み燃料から溶媒抽出法でプルトニウムを分離回収する(例えば特許文献2)。このような組合せ法では、ウランの精製はフッ化物ガス状態で行い、プルトニウムの精製は溶媒を用いて行うことができる。したがってフッ化揮発法における上述のような利点を活かすことができると同時に、プルトニウムの精製困難問題を回避することが可能となる。
特開2006−46967号公報 特開2002−257980号公報 文部科学省革新的原子力システム技術開発公募事業「フッ化技術を用いた次世代高経済性再処理法に関する技術開発」平成17年度報告書
使用済み燃料の再処理をフッ化揮発法や組合せ法で行う場合、使用済み燃料から回収されるウランの精製はフッ化物ガスの状態で行われることになる。またピューレックス法などの湿式法で使用済み燃料から回収されるウランについても、フッ化物ガスの状態で精製を行うことが可能である。こうしたことから、ウランをフッ化物ガス状態で精製する手法(以下では仮にフッ化物ガス法と呼ぶ)は、使用済み燃料の再処理におけるウランの精製で中核的な技術となると期待される。
しかしながらフッ化物ガス法には、精製度の問題が残されている。フッ化物ガス法では、精製対象のウランつまり各種の不純物を同伴するウランのフッ化物ガスに吸着処理または凝縮処理を施すことで不純物を分離除去することになるのが通常である。この場合、吸着処理が化学吸着である場合は、不純物の分離除去レベルは吸着平衡における解離圧に依存し、解離圧以下の量については、不純物が分離除去されずに吸着処理後のウランのフッ化物ガスに同伴してしまうことになり、これにより精製度が制限されてしまう。また凝縮処理であると、不純物の分離除去レベルは凝縮平衡における平衡圧に依存し、平衡圧以下の量については、不純物が分離除去されずに凝縮処理後のウランのフッ化物ガスに同伴してしまうことになり、これにより精製度の上限が制限されてしまう。
このような精製度の上限が制限される問題は、例えば再処理で得られるウランに対して再濃縮工程で求められるレベルまで放射能濃度を低減させることのできる精製度として求められる必要な精製度を得られなくする可能性がある。
本発明は、以上のような事情を背景になされたものであり、その課題は、フッ化物ガス法について、その精製度問題を解消できるようにすることにある。
上述のようなフッ化物ガス法における精製では、精製対象に同伴する各種の不純物の全てでなく、それらのうちのいくつかの核種が特定核種として特に問題になる。この場合の特定核種とは、再処理で得られるウラン製品の放射能濃度に大きく影響する放射性核種、あるいは放射性核種以外でもウラン製品の燃料特性に悪影響を及ぼす核種(中性子を吸収する核種など)などであり、こうした特定の核種について分離除去レベルが十分でない場合に精製の不足を招くということである。したがって、そうした特定核種をターゲットにし、それについて分離除去レベルを高めることができれば、精製の不足を解消することが可能となる。
特定核種をターゲットにして分離除去レベルを高めるについて本発明では、同位体希釈の手法を用いる。上述のように不純物の分離除去レベルは、吸着処理の場合の吸着平衡における解離圧や凝縮処理の場合の凝縮平衡における平衡圧に依存する。この場合、例えばターゲットとするひとつまたは複数の特定核種のそれぞれ放射性核種であるとして、これら放射性核種をそれぞれの非放射性同位体で希釈した後に吸着処理や凝縮処理を施すようにすれば、その処理後のウランのフッ化物ガスには、非放射性同位体で希釈されたターゲット放射性核種が吸着平衡における解離圧や凝縮平衡における平衡圧に応じた量で同伴することになる。つまり吸着処理や凝縮処理後にウランのフッ化物ガスに解離圧や平衡圧に関係して同伴するターゲット放射性核種の量を同位体による希釈の程度に応じて減らすことができるということであり、これによりターゲット放射性核種の分離除去レベルを高めることができる。
本発明は、以上のような考え方に基づいて上記課題を解決するものとしており、具体的には、精製対象のウランをフッ化物ガスの状態で処理することで前記精製対象ウランに同伴する不純物の分離除去を行って精製ウランを得るようにしてなるウラン精製方法において、前記不純物中の放射性核種である特定核種について同位体希釈を行うようにし、その同位体希釈を経た後の精製対象ウランのフッ化物ガスに対して前記不純物の分離除去を行うようにしたことを特徴としている。
また本発明では、上記のようなウラン精製方法について、前記同位体希釈は、前記特定核種の同位体のフッ化物ガスを前記精製対象ウランのフッ化物ガスに添加することで行うようにするものとしている。このようにすることにより、同位体希釈をより容易に行うことができる。
また本発明では、上記のようなウラン精製方法について、上述のように、希釈用の同位体として非放射性同位体を用いるのを好ましい形態とする。
また本発明では、上記のようなウラン精製方法について、同位体希釈とその後の前記不純物分離除去を複数回繰り返すのを好ましい形態としており、このようにすることにより、ターゲットとする特定核種の分離除去レベルをより向上させることができ、しかも同位体希釈に使用する同位体フッ化物ガスの量を減らすことができる。
さらに本発明では、上記のようなウラン精製方法に用いるウラン精製装置について、前記精製対象ウランのフッ化物ガスを生成させるフッ化部、および前記精製対象ウランのフッ化物ガスを処理して前記不純物の分離除去を行う不純物除去部を備えるとともに、前記不純物中の特定核種の同位体のフッ化物ガスを前記精製対象ウランのフッ化物ガスに添加することで前記特定核種について同位体希釈を行うことができるようにされていることを特徴とするものとしている。
以上のような本発明によれば、フッ化物ガス法について、ウランの精製の不足を解消することができ、例えば再処理で得られるウランに対して再濃縮工程で求められるレベルまで放射能濃度を低減させることのできるような精製度を容易に得ることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1に、第1の実施形態によるウラン精製方法で用いるウラン精製装置の構成を示す。本実施形態におけるウラン精製装置1は、化学的吸着により不純物の分離除去を行う方式であり、フッ化部2、第1の不純物除去部3、第2の不純物除去部4、同位体希釈部5、および精製ウラン回収部6を備えている。
フッ化部2には、フッ化塔7が設けられている。フッ化塔7には、使用済み燃料、あるいは使用済み燃料から回収されたウランが供給される。使用済み燃料が供給される場合、フッ化塔7では、その使用済み燃料のフッ化処理がなされ、それにより使用済み燃料中のウランからUF(六フッ化ウラン)ガスが生成する。一方、例えばピューレックス法で使用済み燃料から回収されたウランが供給される場合、フッ化塔7では、そのウランのフッ化処理がなされ、それによりUFガスが生成する。こうしたUFガスの生成に際しては、使用済み燃料に含まれていたり回収ウランに同伴していたりする様々な不純物もフッ化される。このためUFガスには、それら不純物のフッ化物ガスが同伴することになる。フッ化塔7で生成された不純物フッ化物ガスを同伴するUFガス8は、精製対象ウランフッ化物ガスとして第1の不純物除去部3に送られる。
第1の不純物除去部3は、吸着剤9を充填した吸着塔構造で構成され、その吸着剤9の温度を昇温装置11で調節できるようにされている。吸着剤9には、固体フッ化物を用いるのが通常である。本実施形態では、固体フッ化物としてNaF(フッ化ナトリウム)を用いる場合としている。この第1の不純物除去部3は、フッ化塔7から送られてくるUFガス8に一次精製を施し、それで得られる一次精製後UFガス12を一次精製後の精製対象ウランフッ化物ガスとして第2の不純物除去部4に送る。
第2の不純物除去部4は、第1の不純物除去部3と同様に、NaFを用いた吸着剤9を充填した吸着塔構造で構成され、その吸着剤9の温度を昇温装置11で調節できるようにされている。この第2の不純物除去部4は、第1の不純物除去部3から送られてくる一次精製後UFガス12に二次精製を施して精製UFガス13を得る。第2の不純物除去部4で得られた精製UFガス13は、精製ウラン回収部6に送られて回収・貯留される。
同位体希釈部5は、ターゲットとする特定核種の同位体のフッ化物ガスを添加することで一次精製後UFガス12におけるその特定核種について同位体希釈を行う。そのために同位体希釈部5は、フッ化物ガス供給ボンベ14を有しており、このフッ化物ガス供給ボンベ14から同位体フッ化物ガス15を必要な量で一次精製後UFガス12に添加できるようにされている。
精製ウラン回収部6は、フッ化ウランガス回収ボンベ16を有しており、第2の不純物除去部4から送られてくる精製UFガス13を回収してフッ化ウランガス回収ボンベ16に貯留する。
以下では、以上のようなウラン精製装置1でなされる精製処理の例を説明する。ただし、ターゲットの特定核種が放射性ニオブ(Nb)の一種だけである場合とし、その放射性ニオブの分離除去に重点をおいて説明するものとする。フッ化塔7から送り出されるUFガス8は、不純物のフッ化物ガスを同伴しており、その不純物のフッ化物ガスには、放射性のニオブのフッ化物ガスとしてNbFガスも含まれている。このNbFガスを同伴したUFガス8は、精製対象ウランフッ化物ガスとして第1の不純物除去部3に送られ、そこで一次精製処理を受ける。第1の不純物除去部3での一次精製処理では、まず例えば100℃といった吸着条件温度に保った状態の吸着剤9にUFガス8を吸着させる。この吸着処理では、吸着剤9にUFが吸着されるとともに、NbFやその他の不純物のフッ化物ガスも吸着される。次いで、吸着剤9の温度を例えば400℃といった脱離条件温度に上昇させて吸着剤9からUFを離脱させる離脱処理を行う。この離脱処理では、その脱離条件温度で離脱することのできない不純物が分離除去され、これにより一次精製後UFガス12が得られる。ただ、NbFについては一部が離脱して一次精製後UFガス12に同伴する。一次精製後UFガス12に同伴するNbFガスの濃度は以下の吸着平衡式に支配される。
2NaF + NbF = NaNbF
この吸着平衡において、文部科学省革新的原子力システム技術開発公募事業「フッ化技術を用いた次世代高経済性再処理法に関する技術開発」平成17年度報告書によれば、400℃での解離圧は6.15mmHgとなる。このことは、脱離条件温度を400℃として離脱処理を行う場合、UFガス8に同伴しているNbFガスが6.15mmHg以上であれば6.15mmHg程度のNbFガスが一次精製後UFガス12に同伴し、またUFガス8に同伴しているNbFガスが6.15mmHg以下でれば、その濃度程度のNbFガスが一次精製後UFガス12に同伴する。したがって一次精製後UFガス12をそのまま第2の不純物除去部4で精製処理するとすれば、最大で6.15mmHgのNbFガスが不純物フッ化物ガスとして精製UFガス13に同伴し、精製度の上限が制限されてしまうことになる。
そこで、一次精製後UFガス12におけるNbFガスについて同位体希釈を行うことでこうした特定核種において精製度の上限を低減できるようにする。NbFガスの同位体希釈は、ニオブの非放射性同位体のフッ化物ガスを同位体フッ化物ガス15として同位体希釈部5により一次精製後UFガス12に添加することで行う。ここでは55.35mmHgの同位体フッ化物ガス15を一次精製後UFガス12に添加する条件で同位体希釈を行うとする。この場合、一次精製後UFガス12に6.15mmHgのNbFガスが同伴していたとすれば、同位体希釈後の一次精製後UFガス12では、NbFガスは全体で61.5mmHgとなり、このうち放射性のNbFガスは6.15mmHgで1/10であり、残りの9/10は非放射性のNbFガスとなる。つまり10倍の同位体希釈を行ったことになる。なお、この10倍という希釈倍率は一例に過ぎず、希釈倍率は、任意に設定することができる。
以上のような同位体希釈後の一次精製後UFガス12を第1の不純物除去部3での上述のような一次精製処理と同じ条件で第2の不純物除去部4で二次精製処理すると、それで得られる精製UFガス13には吸着平衡との関係で6.15mmHgのNbFガスが同伴することになるが、このうち放射性のNbFガスは0.615mmHg以下で1/10以下となる。すなわちターゲットとした放射性NbFガスが吸着平衡との関係で精製UFガス13に同伴することになる量を10倍の同位体希釈により1/10以下に減らすことができ、これにより精製UFガス13における放射性NbFガスの分離除去レベルを90%以上高めることができる。
ここで、フッ化塔7からのUFガス8に同伴する放射性NbFガスが吸着平衡における解離圧(上の例では6.15mmHg)以下であることが予め分っている場合であれば、第1の不純物除去部3を省略するようにしてもよい。第1の不純物除去部3を省略する場合には、フッ化塔7からのUFガス8に対して同位体フッ化物ガス15を添加して同位体希釈を行うことになる。
図2に、第2の実施形態によるウラン精製方法で用いるウラン精製装置の構成を示す。本実施形態におけるウラン精製装置21は、凝縮・蒸発により不純物の分離除去を行う方式であり、フッ化部22、第1の不純物除去部23、第2の不純物除去部24、同位体希釈部25、および精製ウラン回収部26を備えている。これらのうち、フッ化部22、同位体希釈部25、精製ウラン回収部26は、第1の実施形態におけるフッ化部2、同位体希釈部5、精製ウラン回収部6と同一である。したがって以下では、第1の不純物除去部23と第2の不純物除去部24について主に説明し、フッ化部22、同位体希釈部25、精製ウラン回収部26については上での説明を援用するものとする。
第1の不純物除去部23は、凝縮と蒸発を交互に行わせることができるようにした凝縮・蒸発器構造で構成され、昇温装置27で温度を調節できるようにされている。この第1の不純物除去部23は、フッ化塔7から送られてくるUFガス8に一次精製を施し、それで得られる一次精製後UFガス28を一次精製後の精製対象ウランフッ化物ガスとして第2の不純物除去部24に送る。
第2の不純物除去部24は、第1の不純物除去部23と同様な凝縮・蒸発器構造で構成されている。この第2の不純物除去部24は、第1の不純物除去部23から送られてくる一次精製後UFガス28に二次精製を施して精製UFガス29を得る。第2の不純物除去部24で得られた精製UFガス29は、精製ウラン回収部26に送られて回収・貯留される。
以下では、以上のようなウラン精製装置21でなされる精製処理の例を説明する。ただし、ターゲットの特定核種が放射性のルテニウム(Ru)の一種だけである場合とし、その放射性ルテニウムの分離除去に重点をおいて説明するものとする。フッ化塔7から送り出されるUFガス8には、それに同伴する不純物のフッ化物ガスに放射性のルテニウムのフッ化物ガスとしてRuFガスも含まれている。このRuFガスを同伴したUFガス8は、精製対象ウランフッ化物ガスとして第1の不純物除去部23に送られ、そこで一次精製処理を受ける。第1の不純物除去部23での一次精製処理では、まず例えば−60℃といった凝縮温度条件下でUFガス8を凝縮させる。この凝縮処理では、UFとともにRuFやその他の不純物のフッ化物ガスも凝縮するが、不純物の中には凝縮しないものもあり、それら凝縮しない不純物フッ化物ガスはUFガス8から分離除去される。次いで、凝縮しているUFガス8を例えば60℃といった蒸発温度条件下で再蒸発させる再蒸発処理を行う。この再蒸発処理では、その蒸発温度条件で再蒸発することのできない不純物が分離除去され、これにより一次精製後UFガス28が得られる。ただ、RuFについては一部が蒸発して一次精製後UFガス28に同伴する。一次精製後UFガス12に同伴するRuFガスの濃度は以下の凝縮平衡式に支配される。
RuF(液体) = RuF(気体)
この凝縮平衡において、文部科学省革新的原子力システム技術開発公募事業「フッ化技術を用いた次世代高経済性再処理法に関する技術開発」平成17年度報告書によれば、60℃での平衡圧は0.35mmHgとなる。すなわち蒸発条件温度を60℃として蒸発処理を行う場合、UFガス8に同伴しているRuFガスが0.35mmHg以上でれば0.35mmHg程度のRuFガスが一次精製後UFガス28に同伴し、またUFガス8に同伴しているRuFガスが0.35mmHg以下であれば、その濃度程度のRuFガスが一次精製後UFガス28に同伴する。したがって一次精製後UFガス28をそのまま第2の不純物除去部24で精製処理するとすれば、最大で0.35mmHgのRuFガスが不純物フッ化物ガスとして精製UFガス29に同伴してしまい、精製度の上限が制限されてしまうことになる。
この精製度の上限は、第1の実施形態の場合と同様に、一次精製後UFガス28におけるRuFガスについて同位体希釈を行うことで低減できる。RuFガスの同位体希釈は、ルテニウムの非放射性同位体のフッ化物ガスを同位体フッ化物ガス15として同位体希釈部25により一次精製後UFガス28に添加することで行う。ここでは34.65mmHgの同位体フッ化物ガス15を一次精製後UFガス28に添加する条件で同位体希釈を行うとする。この場合、一次精製後UFガス28に0.35mmHgのRuFガスが同伴していたとすれば、同位体希釈後の一次精製後UFガス28では、RuFガスは全体で35mmHgとなり、このうち放射性のRuFガスは0.35mmHgで1/100であり、残りの99/100は非放射性のRuFガスとなる。つまり100倍の同位体希釈を行ったことになる。
このような同位体希釈後の一次精製後UFガス28を第1の不純物除去部23での上述のような一次精製処理と同じ条件で第2の不純物除去部24で二次精製処理すると、それで得られる精製UFガス29には凝縮平衡における平衡圧との関係で0.35mmHgのRuFガスが同伴することになるが、このうち放射性のRuFガスは1/100以下となる。すなわちターゲットとした放射性RuFガスが凝縮平衡における平衡圧との関係で精製UFガス29に同伴することになる量を100倍の同位体希釈により1/100以下に減らすことができ、これにより精製UFガス29における放射性RuFガスの分離除去レベルを99%以上高めることができる。
ここで、フッ化塔7からのUFガス8に同伴する放射性RuFガスが凝縮平衡における平衡圧(上の例では0.35mmHg)以下であることが予め分っている場合であれば、第1の不純物除去部23を省略するようにしてもよい。第1の不純物除去部23を省略する場合には、フッ化塔7からのUFガス8に対して同位体フッ化物ガス15を添加して同位体希釈を行うことになる。
図3に、第3の実施形態によるウラン精製方法で用いるウラン精製装置の構成を示す。本実施形態におけるウラン精製装置31は、基本的には第1の本実施形態におけるウラン精製装置1と同様で、第2の不純物除去部4の後段に第3の不純物除去部32が設けられている点で相違している。したがって以下では、第3の不純物除去部32に関連することを重点にして説明し、ウラン精製装置1と共通する構成などについて図1と共通の符号を付して示し、それらについては上での説明を援用するものとする。
第3の不純物除去部32は、第1の不純物除去部3や第2の不純物除去部4と同様で、NaFを用いた吸着剤9を充填した吸着塔構造で構成され、その吸着剤9の温度を昇温装置11で調節できるようにされている。
以下では、本実施形態のウラン精製装置31でなされる精製処理の例を説明する。ただし、ターゲットの特定核種が第1の実施形態の場合と同様に放射性のニオブ(Nb)である場合とする。
第3の不純物除去部32を設けたのは、同位体希釈処理とその後の不純物分離除去処理をセットにして2回繰り返すようにするためである。すなわち本実施形態では、第2の不純物除去部4での二次精製処理により二次精製後UFガス33を得るようにし、そしてその二次精製後UFガス33を同位体希釈部5による同位体希釈処理後、第3の不純物除去部32で一次精製処理や二次精製処理と同様な処理による三次精製を施して精製UFガス34を得る。
このように同位体希釈と不純物分離除去の処理セットを2回繰り返す場合には、一次精製後UFガス12に対する同位体希釈の希釈倍率を第1の実施形態の場合より小さくする。ここでは、例えば第1の実施形態における55.35mmHgよりも少ない量の18.45mmHgで同位体フッ化物ガス15を一次精製後UFガス12に添加する条件で同位体希釈を行うとする。この場合、一次精製後UFガス12に6.15mmHgのNbFガスが同伴していたとすれば、同位体希釈後の一次精製後UFガス12では、NbFガスは全体で24.6mmHgとなり、このうち放射性のNbFガスは6.15mmHgで1/4であり、残りの3/4は非放射性のNbFガスとなる。つまり4倍の同位体希釈を行ったことになる。
このような同位体希釈後の一次精製後UFガス12を第2の不純物除去部4で二次精製処理すると、それで得られる二次精製後UFガス33には吸着平衡における平衡圧との関係で6.15mmHgのNbFガスが同伴することになるが、このうち放射性のNbFガスは1/4以下となる。すなわち第2の不純物除去部4では、ターゲットとした放射性NbFガスが吸着平衡における平衡圧との関係で二次精製後UFガス33に同伴することになる量を4倍の同位体希釈により1/4以下に減らすことができる。
このようにして得られた二次精製後UFガス33に対する同位体希釈は、一次精製後UFガス12に対する同位体希釈と同様の条件で行うとする。すなわち18.45mmHgの同位体フッ化物ガス15を二次精製後UFガス33に添加する条件で同位体希釈を行うとする。
このような同位体希釈後の二次精製後UFガス33を第3の不純物除去部32で三次精製処理すると、それで得られる精製UFガス34には吸着平衡との関係で6.15mmHgのNbFガスが同伴することになるが、このうち放射性のNbFガスは1/16以下となる。すなわち第3の不純物除去部32では、ターゲットとした放射性NbFガスが吸着平衡との関係で精製UFガス34に同伴することになる量を4倍の同位体希釈により1/16以下に減らすことができ、これにより放射性NbFガスの分離除去レベルを93.75%以上高めることができる。
本実施形態の場合、以上のようにターゲットとした放射性NbFガスの分離除去レベルを第1の実施形態の場合の90%により高い93.75%以上とすることができ、しかもそれに必要とする同位体希釈用の同位体フッ化物ガスの量は、第1の実施形態の場合が55.35mmHgであったのに対し、36.9mmHgである。つまり本実施形態によれば、ターゲットとする特定核種の分離除去レベルをより高めることができ、しかも同位体希釈用の同位体フッ化物ガスの量を減らすことができてランニングコストを削減することができる。
ここで、本実施形態では、一次精製後UFガス12と二次精製後UFガス33それぞれに対する同位体希釈を同じ条件で行うものとしていたが、このことは不可欠でなく、それぞれに対する同位体希釈の条件を異ならせるようにしてもよい。また本実施形態では、同位体希釈と不純物分離除去の処理セットを2回繰り返す場合としていたが、3回以上繰り返すようにしてもよく、繰返し回数を増やすほど分離除去レベルやランニングコストの低減に好ましい効果が得られる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、これらは代表的な例に過ぎず、本発明はその趣旨を逸脱することのない範囲で様々な形態で実施することができる。例えば、上記の各実施形態では、同位体フッ化物ガスにより同位体希釈を行うようにしていたが、フッ化部でのフッ化処理前の使用済み燃料や精製対象のウランに対して同位体希釈を行うようにしてもよい。この場合には、使用済み燃料や精製対象のウランにターゲットとする特定核種の同位体を固体状態で添加することになる。また上記の各実施形態では、ターゲットとする特定核種が1種類である場合としていたが、複数の特定核種をターゲットとする場合にも適用でき、その場合には、各特定核種について同位体希釈を行うことになる。
第1の実施形態によるウラン精製方法で用いるウラン精製装置の構成を示す図である。 第2の実施形態によるウラン精製方法で用いるウラン精製装置の構成を示す図である。 第3の実施形態によるウラン精製方法で用いるウラン精製装置の構成を示す図である。
符号の説明
1、21、31 ウラン精製装置
2、22 フッ化部
3、23 第1の不純物除去部
4、24 第2の不純物除去部
5、25 同位体希釈部
6、26 精製ウラン回収部
8 UFガス(精製対象ウランのフッ化物ガス)
32 第2の不純物除去部

Claims (5)

  1. 精製対象のウランをフッ化物ガスの状態で処理することで前記精製対象ウランに同伴する不純物の分離除去を行って精製ウランを得るようにしてなるウラン精製方法において、
    前記不純物中の放射性核種である特定核種について同位体希釈を行うようにし、その同位体希釈を経た後の精製対象ウランのフッ化物ガスに対して前記不純物の分離除去を行うようにしたことを特徴とするウラン精製方法。
  2. 前記同位体希釈は、前記特定核種の同位体のフッ化物ガスを前記精製対象ウランのフッ化物ガスに添加することで行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のウラン精製方法。
  3. 釈用の同位体として非放射性同位体を用いるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウラン精製方法。
  4. 前記同位体希釈とその後の前記不純物分離除去を複数回繰り返すようにしたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のウラン精製方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のウラン精製方法に用いるウラン精製装置であって、前記精製対象ウランのフッ化物ガスを生成させるフッ化部、および前記精製対象ウランのフッ化物ガスを処理して前記不純物の分離除去を行う不純物除去部を備えるとともに、前記不純物中の特定核種の同位体のフッ化物ガスを前記精製対象ウランのフッ化物ガスに添加することで前記特定核種について同位体希釈を行うことができるようにされていることを特徴とするウラン精製装置。
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