JP4575204B2 - 使用済燃料の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子力発電所が熱中性子炉発電、例えば軽水炉発電から高速中性子炉発電、例えば高速増殖炉発電へ移行する時期において、高速中性子炉の燃料サイクルシステムで熱中性子炉の使用済燃料を再処理可能とする使用済燃料の処理方法に関する。
従来の燃料サイクルシステムにおいては、軽水炉用再処理施設および高速増殖炉用再処理施設により、軽水炉使用済燃料処理、高速増殖炉用燃料製造および高速増殖炉用使用済燃料処理を行う仕組みとなっている。軽水炉用再処理施設においては、軽水炉発電所から発生する軽水炉使用済燃料を再処理し、回収ウランと高速増殖炉用燃料製造を行い、高速増殖炉用再処理施設においては、高速増殖炉使用済燃料の再処理と高速増殖炉用燃料の製造を行う。前記燃料サイクルシステムについては、例えば「原子力のすべて」(国立印刷局)、「原子力のすべて」編集委員会著に記載されている。
「原子力のすべて」(国立印刷局)、「原子力のすべて」編集委員会著
熱中性子炉から高速中性子炉への原子力発電の移行時期には、熱中性子炉使用済燃料の再処理と、高速中性子炉使用済燃料の再処理の両方を行う必要がある。しかし、熱中性子炉の再処理施設でウラン、ウランとプルトニウムの混合物の抽出と燃料への加工を行い、高速中性子炉の再処理施設でもウラン、ウランとプルトニウムの混合物の抽出と燃料への加工を行うと、どちらの施設も高機能化する必要があり施設が大型、高コストになる。
本発明の目的は、熱中性子炉使用済燃料の再処理施設を簡略化でき、施設のコンパクト化、低コスト化を達成する使用済燃料の処理方法を提供することである。
本発明においては、熱中性子炉使用済燃料からウランを除去して使用済燃料の容積、重量を減少させる減容のみを行う施設である減容処理施設を設け、この減容処理施設において、熱中性子炉原子力発電所で排出された使用済燃料からウランのみを分別し、減容を行う。そして、その減容した使用済燃料を酸化物の形態で貯蔵施設に必要期間保管する。これによりその後、高速中性子炉燃料を製造する場合は、高速中性子炉使用済燃料用の再処理施設に減容した使用済燃料を供給し、プルトニウムとウランの抽出及び加工を行う。これにより熱中性子炉使用済燃料の再処理施設を簡略化し、施設のコンパクト化、低コスト化を達成することができる。
また、従来の燃料サイクルシステムにおいては、高速中性子炉再処理施設の建設直後は、再処理すべき高速中性子炉使用済燃料がなく、再処理施設の稼働率は低い。一方、高速中性子炉の導入時期が遅れると、高速中性子炉再処理施設の仕様等が変化する可能性がある。
本発明においては、熱中性子炉から排出される使用済燃料から、ウランの大部分(例えば50%以上)を取り除くと、使用済燃料は大幅に(約10%に)減容し、かつ減容した使用済燃料の組成はプルトニウム富化度が高くなっており、高速中性子炉使用済燃料再処理施設で再処理することに適している。このため、この減容した使用済燃料を高速中性子炉使用済燃料の再処理施設で使用することにより、再処理する高速中性子炉燃料が不足している高速中性子炉導入時から、高速中性子炉使用済燃料の再処理施設の稼働率向上を達成できる。
また、ウランを取り除いた減容後の使用済燃料を、酸化物の形態で貯蔵施設に必要期間保管し、必要な時期に取り出して高速中性子炉使用済燃料再処理施設で再処理することにより、高速中性子炉導入時期の不確定さに左右されない柔軟な燃料サイクルシステムを達成することができる。
本発明によれば、熱中性子炉使用済燃料の再処理施設として使用済燃料の減容のみを行う減容処理施設を設け、その減容した使用済燃料を酸化物の形態で貯蔵施設に必要期間保管し、高速中性子炉燃料を製造する場合は、減容した使用済燃料を高速中性子炉使用済燃料用の再処理施設に供給し、高速中性子炉使用済燃料用の再処理施設でプルトニウムとウランの抽出及び加工を行うため、熱中性子炉使用済燃料の再処理施設を簡略化でき、施設のコンパクト化、低コスト化を達成することができる。
また、高速中性子炉使用済燃料再処理施設で減容した使用済燃料を高速中性子炉燃料に再処理するため、再処理する高速中性子炉燃料が不足している高速中性子炉導入時から、高速中性子炉使用済燃料の再処理施設の稼働率(設備利用率)を高めることができ、経済性を向上できる。
さらに、減容した使用済燃料を保管することにより、高速中性子炉導入時期の多様性に柔軟に対応できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
[実施の形態1]
本発明の一実施の形態につき、図1と図2を用いて説明する。
図1は本発明において、特に高速中性子炉の燃料を酸化物とした場合の一実施の形態である。図1において、燃料サイクルシステムは、熱中性子炉1、減容処理施設3、高速中性子炉10−1から10−nまでのn個の高速中性子炉、それぞれの高速中性子炉に付属するn個の高速中性子炉燃料用の再処理施設5−1から5−n、ウランの払い出し先である回収ウラン貯蔵施設6、回収ウラン廃棄施設7および熱中性子炉用のウラン燃料製造施設8からなる。減容処理施設3は核分裂生成物の除去機能及び燃料製造機能がなく、熱中性子炉1で排出された使用済燃料からウランのみを分別し、減容を行う設備である。高速中性子炉10−1〜10−nはウランとプルトニウムの酸化物を原子燃料とするものとする。高速中性子炉の数(n)は電力の需要と発電施設の規模により決まる数である。
熱中性子炉1から払い出された使用済熱中性炉燃料2は減容処理施設3においてウランの大部分を分離されて減容される。
高速中性子炉燃料は使用済熱中性子炉燃料に比べてPuの比率が高い。しかし、使用済熱中性子炉燃料のPuの含有率は燃焼条件や初期条件などにより、或いは、軽水炉MOXのような場合は、Puの初期含有率などにより、燃料仕様毎に大きく異なっている。また、高速中性子炉の燃料もPuの含有率は高速炉の仕様により異なっている。そこで、高速中性子炉10−1〜10−nにおいて使用される燃料が例えばPuをaだけ含み、Uをbだけ含む酸化物燃料である場合、減容は以下のように実施される。
使用済熱中性子炉用におけるPuの量がA、Uの量がBである場合、取り除かれるUの量Cは(1)式で与えられる。
C>B−(b/a)×A …(1)

ここで、取り除く量Cを C=B−(b/a)×A としなかったのは、後述の高速中性子炉燃料の再処理施設においてPuとUの比率を微調整するために少量のUを加える処理を想定するためである。したがって、CとB−(b/a)×Aの差をどの程度にするかは、高速中性子炉燃料の再処理施設の性能、運用に依存する設計要件であるから、本実施の形態では数値を明確化しない。要は、取り除く量Cは、減容後の使用済燃料に含まれるウランに対するプルトニウムの割合が高速中性子炉の燃料に含まれるウランに対するプルトニウムの割合より大きくなる量とすればよい。
この減容した使用済燃料4は貯蔵施設(図示せず)に一旦貯蔵された後に高速中性子炉燃料の再処理施設5−1に送られ、高速中性子炉用の燃料に加工される。したがって、減容した使用済燃料4は高速中性子炉燃料の再処理施設で、高速中性子炉の使用済燃料と同じ工程で処理できる形態でなければならない。本実施の形態ではPuとUを含む酸化物燃料を高速中性子炉で使用する想定であるから、減容した使用済燃料も酸化物でなければならない。しかし、この減容した使用済燃料はPuとU以外に高速中性子炉の使用済燃料に含まれている核分裂生成物やNp、Am、CmなどのPu以外の超ウラン元素を含んでいてもかまわない。
このような使用済熱中性子燃料からウランの大部分を取り除き、減容後の使用済燃料が酸化物であるような減容処理として、例えば特開平10−73693号公報に記載されている溶融塩による選択電解法が使用できる。この方法では使用済の原子燃料を溶融塩に浸漬して、酸素分圧を調整しながら一定以下の印加電圧で電流を通じると、ウランが溶解して別の電極に析出し、Pu、Am、Cm、Npおよび核分裂生成物のうち希土類元素が溶解せずに酸化物の形態でもとの位置に残る。このとき、ウランの溶解量が(1)式に達した時点で電流の通電を中止すれば、PuとUを含む減容された酸化物が得られる。この酸化物にはPu、Am、Cm、Npおよび希土類元素が含まれるが、既に述べたようにこれらの元素は高速中性子炉の使用済燃料にも含まれているので、高速中性子炉の使用済燃料と同じ工程で処理できる。
この処理により分離されたウランは必要に応じて化学形態を転換した上で回収ウラン貯蔵施設6、回収ウラン廃棄施設7、または熱中性子炉用のウラン燃料製造施設8に払い出される。
一方、既に述べたように、減容した使用済燃料4は高速中性子炉10−1に付属する高速中性子炉燃料用再処理施設5−1へ送られる。この高速中性子炉燃料用再処理施設5−1では、例えば、Proceedings of tje International Conference and Technology Exposition on FUTURE NUCLEAR SYSYTEM:MERGING FUEL CYCLES AND WASTE DISPOSAL OPTTIONS GLOBAL ‘93 pp1344に述べられている方法を用いることができる。この方法では、核分裂生成物、PuおよびUを含む酸化物燃料を溶融塩に溶解したのち電解することにより、高速中性子炉の燃料に適当なUとPuの混合酸化物を得ることができる。この方法は明らかに、減容した使用済燃料であっても、使用済高速中性子炉燃料であっても高速中性子炉の燃料を作ることができる。
このようにして得た高速中性子炉燃料9は高速中性子炉10−1において初期装荷燃料として使用される。数年の燃焼の後、この燃料は高速中性子炉10−1から取り出され、放射能を減衰させるため数ヶ月から数年の間保管された後、再処理施設5−1において再度燃料に転換される。すなわち、最初に供給された減容した使用済燃料4が再度燃料に転換されるまでには数年の期間が必要である。この間も高速中性子炉は毎年燃料の補充を必要とする。したがって、最初に供給された減容使用済燃料4が高速中性子炉での使用済燃料となって再処理されるまでは、再処理施設5−1は減容燃料を元に燃料を製造して高速中性子炉10−1へ供給する。高速中性子炉10−1が自分自身の使用済燃料11を再処理して新燃料を得られるようになった時点で、減容使用済燃料4は次の高速中性子炉10−2に付属する再処理施設5−2へ払い出され始める。以下、各高速中性子炉と再処理施設の組が自立するに従い、減容使用済燃料4の払い出し先は次の再処理施設へ移っていく。このようにして高速中性子炉の数を逐次増加させていくことができる。
本発明の効果を説明するため、熱中性子炉用の再処理施設を設ける場合と比較する。図2は、比較用の熱中性子炉用の再処理施設12を設ける場合である。構成要件は図1の構成の減容処理施設3を熱中性子炉用の再処理施設12に置き換えてある。核燃料物質の動きは図1の構成と大きく異なっている。熱中性子炉1から払い出された使用済熱中性子炉燃料2は熱中性子炉用の再処理施設12においてウランの大部分と核分裂生成物の多くを分離されて高速中性子炉用の燃料に転換される。この燃料は最初の高速中性子炉10−1に初期装荷燃料として供給される。高速中性子炉10−1で使用された使用済燃料は高速中性子炉10−1に付属する再処理施設5−1において新燃料に転換され、再度高速中性子炉10−1で使用される。高速中性子炉10−1が自分自身の使用済燃料を再処理して新燃料を得られるようになった時点で、熱中性子炉用の再処理施設12で得られる新燃料は次の高速中性子炉10−2に払い出される。以下、高速中性子炉の数を逐次増加させていくことができる。
図1の実施の形態と図2の構成を比較すると、図2の構成では使用済の熱中性子炉燃料の減容と核分裂生成物の除去及び燃料への加工(燃料製造)を再処理施設12で行い、図1の構成では使用済燃料の減容のみを減容処理施設3で行なって、熱中性子炉燃料に含まれていた核分裂生成物の除去は高速中性子炉用の再処理施設で行なっている点が異なる。すなわち、図2の構成で核分裂生成物の除去機能及び燃料製造機能が再処理施設12と高速中性子炉用の再処理施設5−1〜5−nとに重複していることが分かる。この重複部分を合理化して全体の燃料サイクルコストを小さくしていることが本実施の形態の効果である。
なお、本実施の形態では減容処理に溶融塩電解法を用いたが、最終的な払い出し形態が減容燃料が酸化物であればよく、溶媒抽出法、晶析法、フッ化物揮発法を用いることができる。この場合、溶媒抽出法と晶析法では得られた硝酸塩を焙焼して酸化物を得ればよい。フッ化物揮発法では得られたフッ化物を水蒸気等と反応させて酸化物に転換すればよい。また、高速中性子炉10−1〜10−nに付属する再処理施設の再処理方法も溶融塩電解法だけでなく溶媒抽出法、晶析法、フッ化物揮発法を用いることができる。
また、本実施の形態では各高速中性子炉に再処理施設を付属させたが、いくつかの再処理施設を統合し、高速中性子炉数の増加にあわせて再処理施設の増設を行なっても、同じ効果があることは明らかである。

[実施の形態2]
本発明の他の実施の形態につき、図3を用いて説明する。
図3は本発明において、特に高速中性子炉の燃料を金属とした場合の一実施の形態である。図3において、燃料サイクルシステムは、熱中性子炉1、減容処理施設3、高速中性子炉10−1から10−nまでのn個の高速中性子炉、それぞれの高速中性子炉に付属するn個の高速中性子炉燃料用の再処理施設5A−1から5A−n、ウランの払い出し先である回収ウラン貯蔵施設6、回収ウラン廃棄施設7および熱中性子炉用のウラン燃料製造施設8からなる。減容処理施設3は核分裂生成物の除去機能及び燃料製造機能がなく、熱中性子炉1で排出された使用済燃料からウランのみを分別し、減容を行う設備である。高速中性子炉10−1〜10−nはウランとプルトニウムの金属を燃料とするものとする。また、高速中性子炉燃料用の再処理施設5A−1〜5A−nは、酸化物を受け入れて金属に転換する機能を持つものとする。高速中性子炉の数(n)は電力の需要と発電施設の規模により決まる数である。
熱中性子炉1から払い出された使用済熱中性炉燃料2は減容処理施設3においてウランの大部分を分離されて減容される。
高速中性子炉燃料は使用済熱中性子炉燃料に比べてPuの比率が高い。しかし、使用済熱中性子炉燃料のPuの含有率は燃焼条件や初期条件などにより、或いは、軽水炉MOXのような場合は、Puの初期含有率などにより、燃料仕様毎に大きく異なっている。また、高速中性子炉の燃料もPuの含有率は高速炉の仕様により異なっている。そこで、高速中性子炉10−1〜10−nにおいて使用される燃料が例えばPuをaだけ含み、Uをbだけ含む酸化物燃料である場合、減容は以下のように実施される。
使用済熱中性子炉用におけるPuの量がA、Uの量がBである場合、取り除かれるUの量Cは(1)式で与えられる。
C>B−(b/a)×A …(1)

ここで、取り除く量Cを C=B−(b/a)×A としなかったのは、後述の高速中性子炉燃料の再処理施設においてPuとUの比率を微調整するために少量のUを加える処理を想定するためである。したがって、CとB−(b/a)×Aの差をどの程度にするかは、高速中性子炉燃料の再処理施設の性能、運用に依存する設計要件であるから、本実施の形態では数値を明確化しない。要は、取り除く量Cは、減容後の使用済燃料に含まれるウランに対するプルトニウムの割合が高速中性子炉の燃料に含まれるウランに対するプルトニウムの割合より大きくなる量とすればよい。
この減容した使用済燃料4は貯蔵施設(図示せず)に一旦貯蔵された後に高速中性子炉燃料の再処理施設5A−1に送られ、高速中性子炉用の金属燃料に加工される。高速中性子炉燃料の再処理施設は酸化物燃料を受け入れて金属に転換する機能を持つという想定なので、減容した使用済燃料は酸化物でなければならない。しかし、この減容使用済燃料はPuとU以外に高速中性子炉の使用済燃料に含まれている核分裂生成物やNp、Am、CmなどのPu以外の超ウラン元素を含んでいてもかまわない。
高速中性子炉燃料の再処理施設5A−1で製造された高速中性子炉燃料9は高速中性子炉10−1において初期装荷燃料として使用される。数年の燃焼の後、この燃料は高速中性子炉10−1から取り出され、放射能を減衰させるため数ヶ月から数年の間保管された後、再処理施設5A−1において再度燃料に転換される。すなわち、最初に供給された減容使用済燃料4が再度燃料に転換されるまでには数年の期間が必要である。この間も高速中性子炉は毎年燃料の補充を必要とする。したがって、最初に供給された減容使用済燃料4が高速中性子炉での使用済燃料となって再処理されるまでは、再処理施設5A−1は減容使用済燃料4を元に燃料を製造して高速中性子炉10−1へ供給する。高速中性子炉10−1が自分自身の使用済燃料11を再処理して新燃料を得られるようになった時点で、減容燃料4は次の高速中性子炉10−2に付属する再処理施設5A−2へ払い出され始める。以下、各高速中性子炉と再処理施設の組が自立するに従い、減容使用済燃料4の払い出し先は次の再処理施設へ移っていく。このようにして高速中性子炉の数を逐次増加させていくことができる。
本実施の形態の効果は明らかに図1の構成の場合と同一である。すなわち、図2のように熱中性子炉燃料の再処理施設12を設けた場合は、n個の高速中性子炉を稼動するために1個の減容機能とn+1個の核分裂生成物の除去機能及び燃料製造機能を必要としているのに対し、図3の構成は1個の減容機能とn個の核分裂生成物の除去機能及び燃料製造機能で十分である。

[実施の形態3]
本発明の更に他の実施の形態につき、図4を用いて説明する。
図4は本発明において、特に高速中性子炉の燃料を金属とした場合の一実施の形態である。図4の燃料サイクルシステムは、図3の構成の減容処理施設3の後に金属転換施設13を設けたものである。この構成により図3の各高速中性子炉に属する再処理施設5A−1〜5A−nの金属転換機能を省略できる。燃料のマスバランスを考えれば、熱中性子炉用の再処理施設12の持つ減容燃料の払い出し量と、金属転換施設13の処理能力及び図3の各高速中性子炉10−1〜10−nに属する再処理施設5A−1〜5A−nの金属転換能力は同等であるから、本実施の形態は図3におけるn個の金属転換能力を一個に減らし得る。すなわち、本実施の形態によれば、核分裂生成物の除去機能の重複部分を合理化して全体の燃料サイクルコストを小さくしているという効果に加え、金属転換能力を合理化できるという特有の効果がある。

[実施の形態4]
本発明の一実施の形態につき、図5を用いて説明する。
図5は本発明において、減容した使用済燃料を保管する場合の実施の形態である。熱中性子炉1から払い出された使用済熱中性炉燃料2は減容処理施設3においてウランの大部分を分離されて減容される。減容後の化合物形態として、化学的に安定な酸化物が考えられる。使用済熱中性子燃料からウランの大部分を取り除き、減容後の燃料が酸化物であるような減容処理として、例えば特開平10−73693号公報に記載されている溶融塩による選択電解法が使用できる。
減容処理施設3にて減容された使用済燃料4は、減容使用済燃料貯蔵施設14に保管される。減容されているため、使用済燃料そのものを保管するよりも、保管スペ−スを有効に使用することができる。保管期間が長期のものは放射能が減衰するためさらに稠密に保管することができるため、さらに保管スペ−スを有効に使用することができる。
将来、わが国の燃料サイクルシステムとして、高速中性子炉サイクルが採用されなかった場合には、この減容使用済燃料4を使用済燃料処分施設15に搬出し、地層処分等を行うことが可能である。
また、減容使用済燃料貯蔵施設14において、減容使用済燃料を保管している間、減容使用済燃料4から発生する崩壊熱16を崩壊熱利用施設17で利用することが可能となる。例えば、崩壊熱利用施設17では、減容使用済燃料貯蔵施設14からの熱を海水の淡水化や水素製造のために利用することが考えられる。従来では貯蔵している使用済燃料から発生する崩壊熱は、大気中に放出することになっているが、本実施の形態によれば有効に利用することができる。
なお、本実施の形態では減容処理に溶融塩電解法を用いたが、最終的な払い出し形態が減容燃料が酸化物であればよく、溶媒抽出法、晶析法、フッ化物揮発法を用いることができる。この場合、溶媒抽出法と晶析法では得られた硝酸塩を焙焼して酸化物を得ればよい。フッ化物揮発法では得られたフッ化物を水蒸気等と反応させて酸化物に転換すればよい。

[実施の形態5]
本発明の更に他の実施の形態につき、図6を用いて説明する。
図6は本発明において、減容した使用済燃料を保管する場合の他の実施の形態である。熱中性子炉1から払い出された使用済熱中性炉燃料2は減容処理施設3においてウランの大部分を分離されて減容される。減容後の化合物形態として、化学的に安定な酸化物が考えられる。使用済熱中性子燃料からウランの大部分を取り除き、減容後の燃料が酸化物であるような減容処理として、例えば特開平10−73693号公報に記載されている溶融塩による選択電解法が使用できる。
減容処理施設3にて減容された使用済燃料4は、減容使用済燃料貯蔵施設14に保管され、必要に応じて重水炉燃料として重水炉18に供給し、発電を行う。
本実施の形態によれば、将来、わが国の燃料サイクルシステムとして、高速中性子炉サイクルが採用されなかった場合の有効な使用済燃料利用の一つとして活用することができる。
本発明の使用済燃料処理方法において、高速中性子炉の燃料を酸化物とした場合の一実施の形態を示す図である。 比較例の使用済燃料処理方法として、熱中性子炉用の再処理施設を設ける場合の形態を示す図である。 本発明の使用済燃料処理方法において、高速中性子炉の燃料を金属とした場合の実施の形態を示す図である。 本発明の使用済燃料処理方法において、高速中性子炉の燃料を金属とした場合の他の実施の形態を示す図である。 本発明の使用済燃料処理方法において、減容した燃料を保管する場合の実施の形態を示す図である。 本発明の使用済燃料処理方法において、減容した燃料を保管する場合の他の実施の形態を示す図である。
符号の説明
1…熱中性子炉
2…使用済熱中性子炉燃料
3…減容処理施設
4…減容燃料
5…高速中性子炉燃料用再処理施設
5A…高速中性子炉燃料用再処理施設(金属転換機能付き)
6…回収ウラン貯蔵施設
7…回収ウラン廃棄施設
8…ウラン燃料製造施設
9…高速中性子炉燃料
10…高速中性子炉
11…高速中性子炉使用済燃料
12…熱中性子炉燃料用再処理・燃料製造施設
13…金属転換施設
14…減容使用済燃料貯蔵施設
15…使用済念慮処分施設
16…崩壊熱
17…熱利用施設
18…重水炉

Claims (7)

  1. 熱中性子炉から排出される使用済燃料の処理方法において、
    前記熱中性子炉から排出された使用済燃料の減容のみを行う減容処理施設を設け、
    この減容処理施設において前記使用済燃料に含まれるウランの大部分を取り出すことによって前記使用済燃料の減容を行い、
    この減容した使用済燃料を酸化物の形態で貯蔵施設に必要期間保管することを特徴とする使用済燃料の処理方法。
  2. 請求項1記載の使用済燃料の処理方法において、
    前記減容した使用済燃料を前記貯蔵施設に保管した後、必要な時期に取り出して地層処分することを特徴とする使用済燃料の処理方法。
  3. 求項1記載の使用済燃料の処理方法において、
    前記減容した使用済燃料を前記貯蔵施設に保管している間、その減容した使用済燃料から発生する熱を熱源として利用することを特徴とする使用済燃料の処理方法。
  4. 求項1記載の使用済燃料の処理方法において、
    前記減容した使用済燃料を前記貯蔵施設に保管した後、その減容した使用済燃料を重水炉燃料として供給することを特徴とする使用済燃料の処理方法。
  5. 記使用済燃料に含まれるウランの大部分を取り出して減容する際に、減容後の使用済燃料に含まれるウランに対するプルトニウムの割合が高速中性子炉燃料に含まれるウランに対するプルトニウムの割合より大きくなるまでウランを取り出し、減容することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の使用済燃料の処理方法。
  6. 記使用済燃料に含まれるウランの大部分を取り出す際に、ウランを高除染で回収することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の使用済燃料の処理方法。
  7. 記使用済燃料に含まれるウランの大部分を取り出す方法が、前記熱中性子炉から排出される使用済燃料をフッ化物揮発法、溶融塩電解法、前記使用済燃料の硝酸溶解液中のウランを溶媒抽出し回収する方法、晶析、沈殿、直接抽出、アルカリ溶解のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の使用済燃料の処理方法。
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