JP2009294145A - 使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法 - Google Patents

使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プルトニウムの同伴率が高いウラン分離法を用いても、プルトニウムの回収率を向上できる使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法を提供する。
【解決手段】使用済原子燃料からUFを得る使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、使用済原子燃料11から回収ウラン5を分離するウラン分離工程と、このウラン分離工程で得た回収ウラン5をフッ化揮発させるフッ化装置1と、このフッ化装置でフッ化揮発させた回収ウラン5から、固体ウラン化合物としてプルトニウムを捕集するウラン系吸着材トラップ4を備え、このウラン系吸着材トラップ4で捕集されたプルトニウムをウラン分離工程の前段又は後段に戻す。
【選択図】図1

Description

本発明は、使用済原子燃料からUFを得る使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法に関する。
現在のウラン資源には、天然産ウランと、使用済原子燃料を再処理(リサイクル)して得られる回収ウランがある。使用済原子燃料の再処理技術として現在利用されているピューレックス法では、回収ウランの放射能はきわめて低く、フッ化処理により容易に再濃縮用の六フッ化ウラン(UF)気体に転換される。
しかし、将来採用される可能性があるピューレックス法以外の処理方法や、ピューレックス法を用いるときでも回収ウランの放射能が高い場合には、現在の仕様の回収ウラン用の転換施設では高放射能のため取り扱えない場合や、例え取り扱えたとしても転換の前後にウラン(U)の精製が必要になる場合が生じる。こうした問題の1つの解決策としては、精製能力をもつウランのフッ化転換工程を再処理施設の一部又は後段等に設ける方法がある。
このように精製能力をもつウランのフッ化転換工程を再処理の一部に備える技術としては、アクアフルオル法がある(非特許文献1等参照)。この方法では使用済原子燃料中のプルトニウム(Pu)および核分裂生成物の大部分が溶媒抽出とイオン交換によってウランから分離される。この不純物を含む回収ウランは揮発性のUFに転換された後、少量のPu、ネプツニウム(Np)およびその他の揮発性フッ化物をフッ化ナトリウム(NaF)とフッ化マグネシウム(MgF)の吸着剤に吸着させて除去し、最後に蒸留して放射能の少ないUFを得る。すなわち、精製能力をもつウランのフッ化転換工程を再処理に付加して、純度の低い回収ウランを施設内で精製する例である。
Bnedictら著,「原子力化学工学第IV分冊 燃料再処理と放射性廃棄物の化学工学」,日刊工業新聞社,p.17−18
上記のアクアフルオル法によれば、分離された回収ウランを純化されたUFに転換できる。しかし、将来の再処理法で使用される可能性がある沈殿法、晶析法、溶融塩電解法等のウラン分離法では、ウランへのプルトニウムの同伴率が高く、分離されたウランにもともとのプルトニウムの0.1ないし数%が含まれてしまう。また、この種の方法で得た回収ウランを、NaF、MgF、又は六フッ化プルトニウム(PuF)の吸着能力が高いフッ化リチウム(LiF)による吸着剤に吸着させると、吸着したプルトニウムを脱離することが難しく、プルトニウムの回収率は特に悪化する。
本発明の目的は、沈殿法、晶析法、溶融塩電解法等のプルトニウムの同伴率が高いウラン分離法を用いても、プルトニウムの回収率を向上できる使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法を提供することにある。
(1)本発明は、上記目的を達成するために、使用済原子燃料からUFを得る使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、使用済原子燃料からウランを分離するウラン分離工程と、このウラン分離工程で得たウランをフッ化揮発させるフッ化工程と、このフッ化工程でフッ化揮発させたウランに含まれるプルトニウムをウラン系物質と吸着又は置換反応させてプルトニウムを捕集するプルトニウム捕集工程と、このプルトニウム捕集工程で捕集されたプルトニウムを前記ウラン分離工程の前段又は後段に戻すプルトニウム還流工程とを備える。
(2)上記(1)において、前記プルトニウム捕集工程は、前記フッ化工程で得られたPuFと前記ウラン系物質とを吸着又は置換反応させ固体ウラン化合物としてプルトニウムを捕集する工程であり、前記プルトニウム還流工程は、前記プルトニウム捕集工程で捕集されたプルトニウムと前記ウラン系物質を、前記ウラン分離工程の前段又は後段に戻す工程である。
(3)上記(2)において、前記プルトニウム捕集工程で利用される前記ウラン系物質は、UO、UF、またはUOである。
(4)上記(1)において、前記フッ化工程は、固定床又は流動床型のフッ化装置を利用して、前記ウラン分離工程で得たウランの一部がプルトニウムを含む固体ウラン化合物として残留する温度でフッ化させる工程であり、前記プルトニウム捕集工程は、前記フッ化工程で得られる前記固体ウラン化合物によってプルトニウムを捕集する工程であり、前記プルトニウム還流工程は、前記プルトニウム捕集工程で捕集された前記固体ウラン化合物を前記ウラン分離工程の前段又は後段に戻す工程である。
(5)上記(4)において、前記ウラン分離工程で得たウラン中のプルトニウムは、前記フッ化工程でPuFに転換された後にPuFに再転換して、残渣に付着して前記フッ化装置に残留しており、前記プルトニウム捕集工程は、前記残渣に付着したプルトニウムを捕集する工程である。
(6)上記(1)において、前記ウラン分離工程は、UREX法のような溶媒抽出によってウランを分離する工程である。
(7)上記(1)において、前記ウラン分離工程は、晶析法、沈殿法、酸化物電解法、又は金属電解法によってウランを分離する工程である。
本発明によれば、プルトニウムの同伴率が高いウラン分離法を用いても、プルトニウムの回収率を向上することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態である精製能力をもつウランのフッ化転換工程を示す図である。このフッ化転換工程は、使用済原子燃料から分離して回収したウラン(回収ウラン)をフッ化揮発してUFを得るウランのリサイクル方法で用いられるものであり、プルトニウム回収機能を備えている。
この図に示すフッ化転換工程は、フッ化装置1(フッ化工程)と、ウラン系吸着剤トラップ4(プルトニウム捕集工程)と、非ウラン系吸着材トラップ2及び凝縮器(又は蒸留器)3(ウラン精製工程)を備えている。
フッ化装置1は、回収ウラン5をフッ素気体(F)6と反応させてフッ化揮発させるフッ化工程を実施するものである。本実施の形態では、フッ化装置1としてフレーム炉を使用しており、回収ウラン5の全てがフッ化装置1でフッ化揮発される。回収ウラン5は、使用済原子燃料からウランを分離するウラン分離工程から得られるもので、酸化物、硝酸塩、金属であることが好ましい。なお、これらの形態からなる回収ウラン5の取得方法については、後述する第3の実施の形態以下で説明する。
ウラン系吸着剤トラップ4は、フッ化装置1からの吐出ガスとウランを含む物質(ウラン系物質)とを吸着又は置換反応させ、吐出ガス中のプルトニウムの捕集工程を実施するものである。本実施の形態では、例えば、フッ化ウラニル(UO)、五フッ化ウラン(UF)、又は二酸化ウラン(UO)等から成るウラン系吸着材7を利用して当該工程を実施している。
非ウラン系吸着材トラップ2と凝縮器(又は蒸留器)3は、ウラン系吸着材トラップ4からの吐出ガスに含まれるUFを精製するウラン精製工程を実施するものである。吐出ガス中のUFは、この非ウラン系吸着材トラップ2及び凝縮器3で構成される従来型の精製系によって純化され、高純度のUFガスとなる。非ウラン系吸着材トラップ2で利用される非ウラン系吸着材としては、例えば、NaF、MgF、LiF等を用いることができる。なお、凝縮器3は、蒸留器に代えても良い。
上記のように構成される本実施の形態では、まず、フッ化装置1において、粉末化された回収ウラン5がフッ化装置1の頭頂から装置内に導入され、これと同時に導入されるフッ素気体(F)6と反応して高温となる。これにより、UFが生成されるとともに、回収ウランに含まれるプルトニウムもPuF気体に転換される。また、ここで、放射性のテルル(Te)、アンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)、Np、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、セレン(Se)も気体のフッ化物に転換される。さらに、放射性ではないが、モリブデン(Mo)も気体のフッ化物に転換される。このようにフッ化物に転換された、UF,PuF,Te,Sb,Nb,Np,Tc,Ru,Se,およびMoの気体を含む吐出ガスは、ウラン系吸着剤トラップ4に導入される。
ウラン系吸着剤トラップ4では、たとえば下記の反応式(1)の置換反応によって、フッ化装置1から導入された吐出ガス中のプルトニウム(PuF)は固体のウラン化合物(PuF)として捕集される。
2PuF(g)+UO(s)→2PuF(s)+UF(g)+0(g)---(1)
ただし、(g)は気体、(s)は固体を表す。
ウラン系吸着剤トラップ4でプルトニウムを回収されたUF、Te、Sb、Nb、Np、Tc、Ru、Se、及びMoの気体を含む吐出ガスは、非ウラン系吸着剤トラップ2および凝縮器3で構成されるウラン精製工程に導入され、高純度のUFガスとなる。なお、参考文献(乾式再処理研究専門委員会,「乾式再処理の現状と問題点」,日本原子力学会誌,1967年,9巻,9号,p.530−535)によれば、この種の精製工程による除染係数(DF)は一億から十億に達する。
一方、ウラン系吸着材トラップ4で捕集されたプルトニウムは、残余のウラン系吸着材7とともに使用済原子燃料の再処理系(リサイクル系)における酸化物転換工程21(後述の図3等参照)に導入されて、PuOとUOに転換される。このようにプルトニウムをPuOに転換すると、使用済原子燃料の再処理系におけるウラン分離工程(例えば、後述の図3における抽出工程13)の前段(例えば、後述の図3における溶解工程12)又は後段(ウラン分離工程で分離されたプルトニウム溶液を処理する後続処理系14(図3等参照))に戻すことができるので、使用済原子燃料からのプルトニウムの回収率を向上させることができる。例えば、ウラン分離工程で晶析法を用いた場合には、使用済原子燃料中の95%程度のプルトニウムを回収できるに留まる。しかし、上記のように回収ウランに同伴したプルトニウムを捕集すると、回収ウランに同伴した残りの5%程度のプルトニウムの90%程度を回収することができる。これにより、使用済原子燃料からのプルトニウムの総回収率は99.5%に達するので、通常の再処理での回収効率を満足することができる。
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態である精製能力をもつウランのフッ化転換工程を示す図である。なお、先の図と同じ部分には同じ符号を付して説明は省略する(後の図も同様とする)。
本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、フッ化装置1Aとして、フレーム炉と比較して反応温度が低い流動床又は固定床型の反応装置を利用している点にある。
フッ化装置1Aには、希薄なF又はIFのような弱いフッ化剤9が供給されている。回収ウラン5中のウランと放射性のTe、Sb、Nb、Np、Tc、Ru、Seは、フッ化剤9によって揮発性のフッ化物に転換される。ここで、本実施の形態のフッ化装置1Aは、回収ウラン5中のウランの一部がプルトニウムを含む固体ウラン化合物として残留する温度(例えば、300℃前後)で運転されている。これにより、フッ化装置1A内に回収ウラン5が残っている間は下記の反応式(2)に示す置換反応が発生し、PuFは固体ウラン化合物(PuF)に転換されて残渣となり吐出ガスに移行しない。
2PuF(g)+UO(s)→2PuF(s)+UF(g)+0(g) ---(2)
ただし、(g)は気体、(s)は固体を表す。
このように本実施の形態のフッ化装置1Aでは、回収ウラン5が完全にはフッ化揮発されずに残留し、UOの形態に転換された回収ウラン5の作用によってPuFに転換されたプルトニウムが固体のPuFに再転換される。これにより回収ウラン5中のプルトニウムは、PuFの形態で回収ウラン5の残渣に付着してフッ化装置1A内に残留する。このプルトニウムが付着した残渣を捕集して再処理系におけるウラン分離工程の前段又は後段に戻せば、第1の実施の形態と同様に、プルトニウム還流工程を実施することができるので、使用済原子燃料からのプルトニウムの回収率を向上させることができる。また、本実施の形態は第1の実施の形態と比較して、処理速度の観点からは劣るものの、ウラン系吸着材トラップ4等の設備が不要になるという点にメリットがある。
なお、回収ウラン5が金属の場合には、フッ化装置1AにおけるUFへの転換の途中でUOを生成しないので、第1の実施の形態の方法を用いことが好ましい。
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、UREX法と呼ばれるウランのリサイクル方法に本発明を適用したものである。UREX法の回収ウランは溶媒抽出法により回収されるため、核分裂生成物の濃度はきわめて低い。
図3は本発明の第3の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図である。
この図に示すリサイクル系は、使用済原子燃料11を処理するために、溶解工程12と、抽出工程(ウラン分離工程)13と、逆抽出工程15と、脱硝・煤焼工程16と、フッ化転換工程17と、酸化物転換工程21を実施するものである。
このリサイクル系では、使用済原子燃料11は、溶解工程12で硝酸に溶解されて溶解液18となり抽出工程13に導入される。
抽出工程13は、溶解液18からウランを分離する工程(ウラン分離工程)であり、溶媒抽出によってウランを有機相であるウラン溶液(U溶液)19に移行させる。また、抽出工程13では、プルトニウムと核分裂生成物はウランを抜き取られた溶解液(プルトニウム溶液20)となる。こうして得られたプルトニウム溶液20は後続処理系14で精製される。なお、後続処理系14としては、多くのバリエーションが提案されている。
U溶液19は、逆抽出工程15と脱硝・煤焼工程16を経て酸化物に転換され、フッ化転換工程17に導入される。フッ化転換工程17は、第1の実施の形態で説明したものであり、酸化物に転換された回収ウランはフッ化装置1(図1参照)に導入される。フッ化転換工程17に導入された回収ウランは、フッ化揮発された後に精製されUFとなる。
また、フッ化転換工程17のウラン系吸着材トラップ4(図1参照)で得られた回収プルトニウム及びウラン系吸着材7は、酸化物転換工程21に導入される。この回収プルトニウム及びウラン系吸着材7は、酸化物転換工程21でPuOとUOに転換され、抽出工程(ウラン分離工程)13の前段である溶解工程12に戻される(プルトニウム還流工程)。これにより、UREX法でのプルトニウム回収率を向上させることができる。すなわち、本実施の形態によれば、UREX法のようなウランへのプルトニウムの同伴率が高いウラン分離法を用いるリサイクル方法において、プルトニウム回収率を向上させることができる。
また、本実施の形態は、通常のUREX法に対して下記の顕著な効果を奏する。
通常のUREX法の抽出工程では、錯形成剤を添加してU溶液19にプルトニウムがほとんど抽出されないような工夫がされているが、錯形成剤は後続処理系14での精製の妨害になるので、これを除去または分解する工程が別途必要となる。また、錯形成剤による未知の反応が抽出工程で生じる危険性も残っていた。
これに対して、本実施の形態では、抽出工程13に錯形成剤を添加せずにプルトニウムがU溶液19に混入することを許容しても、プルトニウムをフッ化転換工程17で回収することができる。したがって、本実施の形態によれば、UREX法を利用した場合に錯形成剤を除去、分離する工程を省略することができるとともに、抽出工程で未知の反応が生じる可能性も低減することができる。
ところで、後続処理系14の仕様によっては、Pu溶液20にウランが含まれても良い場合がある。このような場合には、酸化物転換工程21で得られたPuO及びUOを抽出工程(ウラン分離工程)13の後段の工程である後続処理系14のいずれかの工程に払い出しても良い。この方法によってもプルトニウム回収率を向上させることができる。
また、上記では、第1の実施の形態のフッ化転換工程を利用する場合について説明したが、第2の実施の形態のものを利用しても勿論良い。
さらに、上記の説明では物質の動きを明確にするために、一部の工程を省略した(後の実施の形態についても同様)。省略した工程としては、例えば、溶解工程13の前段に行われる解体・脱被膜工程、溶解工程13の後段に行われる清澄工程やヨウ素追い出し工程等がある。
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、再処理工程の前段に晶析法を用いたウラン分離工程(晶析工程22)を利用している点に特徴がある。
図4は本発明の第4の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図である。
この図に示すリサイクル系は、第3の実施の形態の系における抽出工程13を晶析工程22に変更し、本実施の形態では必要のない逆抽出工程15を省略したものに相当する。
晶析併用法を用いる本実施の形態では、使用済原子燃料11は、溶解工程12で硝酸に溶解されて溶解液17となる。この溶解液17を晶析工程22で冷却すると、硝酸ウラニル結晶23に転換したウランが取り出される。晶析工程22におけるプルトニウムのウラン同伴率は高く、例えば0.1%から数%に至る。ところで、晶析工程22では、プルトニウムと核分裂生成物はPu溶液20となるが、このPu溶液20にはウランの数%から20数%が残留している。このPu溶液20は、第3の実施の形態と同様に、後続処理系14で精製される。
また、硝酸ウラニル23は、脱硝・煤焼工程16を経て酸化物に転換され、フッ化転換工程17に導入される。フッ化転換工程17は、第1の実施の形態で説明したものであり、酸化物に転換された回収ウランはフッ化装置1(図1参照)に導入される。フッ化転換工程17に導入された回収ウランは、フッ化揮発された後に精製されUFとなる。そして、フッ化転換工程17で得られた回収プルトニウム及びウラン系吸着材7は、酸化物転換工程21に導入され、晶析工程(ウラン分離工程)22の前段である溶解工程12に戻される(プルトニウム還流工程)。このように、本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、プルトニウム回収率を向上させることができる。
なお、本実施の形態でも、第3の実施の形態同様、後続処理系14の仕様によっては酸化物転換させたプルトニウムを後続処理系14のいずれかの工程に払い出しても良いし、フッ化転換工程17として第2の実施の形態のものを利用しても良い。
また、本実施の形態では、ウランの分離方法として晶析を用いたが、固体に転換して分離する点では沈殿分離法を用いてもよい。この場合には、図4中の晶析工程22を沈殿工程に変更すれば良い。
次に本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、再処理工程の前段に酸化物電解法を用いたウラン分離工程(酸化物電解工程24)を利用している点に特徴がある。
図5は本発明の第5の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図である。
この図に示すリサイクル系は、第4の実施の形態の系における晶析工程22を酸化物電解工程24に変更し、本実施の形態では必要のない溶解工程12と脱硝・煤焼工程16を省略したものに相当する。
酸化物電解法を用いる本実施の形態では、使用済原子燃料11は、酸化物電解工程24において電解槽内の溶融塩に浸漬され、正電位を与えられて陽極溶解される。このとき陰極には、溶解した使用済原子燃料に含まれていたウランが酸化ウラン25として析出する。酸化物電解工程25におけるプルトニウムのウラン同伴率も高く、例えば0.1%から数%に至る。また、酸化物電解工程24で生じたプルトニウムを含む溶融塩26は、後続処理系14で精製される。この後続処理は、酸化ウラン25を取り出した後に同一の電解槽で行っても良い。
酸化物電解工程24で析出した酸化ウラン25は、他の実施の形態同様にフッ化転換工程17に導入されてUFに転換される。UFとともにフッ化転換工程17で得られた回収プルトニウム及びウラン系吸着材7は、酸化物転換工程21に導入され、PuO及びUOとなって酸化物電解工程24に戻される(プルトニウム還流工程)。このように、本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、プルトニウム回収率を向上させることができる。
なお、本実施の形態においても、第3の実施の形態同様に、後続処理系14の仕様によっては酸化物転換させたプルトニウムを後続処理系14のいずれかの工程に払い出しても良いし、フッ化転換工程17として第2の実施の形態のものを利用しても良い。
次に本発明の第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、再処理工程の前段に金属電解法を用いたウラン分離工程(金属電解工程27)を利用している点に特徴がある。
図6は本発明の第6の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図である。
この図に示すリサイクル系は、第5の実施の形態の系における酸化物電解工程24を金属電解工程27に変更し、酸化物転換工程21を金属転換工程29に変更したものに相当する。
金属電解法を用いる本実施の形態では、使用済原子燃料原子11は金属燃料であり、金属電解工程27において電解槽内の溶融塩に浸漬され、正電位を与えられて陽極溶解される。このとき陰極には、溶解した使用済原子燃料に含まれていたウランが金属ウラン28として析出する。金属電解工程27におけるプルトニウムのウラン同伴率も高く、例えば0.1%から数%に至る。また、金属電解工程27で生じたプルトニウムを含む溶融塩26は、後続処理系14で精製される。この後続処理は、金属ウラン28を取り出した後に同一の電解槽で行っても良い。
金属電解工程27で析出した金属ウラン28は、他の実施の形態同様にフッ化転換工程17に導入されてUFに転換される。UFとともにフッ化転換工程17で得られた回収プルトニウム及びウラン系吸着材7は、金属転換工程29に導入され、プルトニウム金属とウラン金属に転換される。このプルトニウム金属とウラン金属は、金属電解工程27に戻される(プルトニウム還流工程)。このように、本実施の形態においても、第3の実施の形態と同様に、プルトニウム回収率を向上させることができる。
なお、本実施の形態でも、第3の実施の形態同様、後続処理系14の仕様によっては金属転換させたプルトニウムを後続処理系14のいずれかの工程に払い出しても良い。また、金属転換29の代わりにウランとプルトニウムを塩化物に転換する塩化物転換工程を採用し、ウラン及びプルトニウムの塩化物を金属電解工程27または後続処理系14へ払い出すことも可能である。また、使用済酸化物燃料を金属に還元した後に金属電解法を適用する方法を利用しても良い。さらに、上記では、第1の実施の形態のフッ化転換工程を利用する場合について説明したが、第2の実施の形態のものを利用しても勿論良い。
本発明の第1の実施の形態であるウランのフッ化転換工程を示す図。 本発明の第2の実施の形態であるウランのフッ化転換工程を示す図。 本発明の第3の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図。 本発明の第4の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図。 本発明の第5の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図。 本発明の第6の実施の形態である使用済原子燃料からのウランのリサイクル系を示す図。
符号の説明
1 フッ化装置
2 非ウラン系吸着材トラップ
3 凝縮器
4 ウラン系吸着材トラップ
5 回収ウラン
6 フッ素
9 フッ化剤
11 使用済原子燃料
12 溶解工程
13 抽出工程(ウラン分離工程)
14 後続処理系
15 逆抽出工程
17 フッ化転換工程
18 溶解液
19 U溶液
22 晶析工程(ウラン分離工程)
23 硝酸ウラニル結晶
24 酸化物電解工程(ウラン分離工程)
25 酸化ウラン
26 溶融塩
27 金属電解工程(ウラン分離工程)
28 金属ウラン
29 金属転換工程

Claims (7)

  1. 使用済原子燃料からUFを得る使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、
    使用済原子燃料からウランを分離するウラン分離工程と、
    このウラン分離工程で得たウランをフッ化揮発させるフッ化工程と、
    このフッ化工程でフッ化揮発させたウランに含まれるプルトニウムをウラン系物質と吸着又は置換反応させてプルトニウムを捕集するプルトニウム捕集工程と、
    このプルトニウム捕集工程で捕集されたプルトニウムを前記ウラン分離工程の前段又は後段に戻すプルトニウム還流工程とを備えることを特徴とする使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法。
  2. 請求項1記載の使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、
    前記プルトニウム捕集工程は、前記フッ化工程で得られたPuFと前記ウラン系物質とを吸着又は置換反応させ固体ウラン化合物としてプルトニウムを捕集する工程であり、
    前記プルトニウム還流工程は、前記プルトニウム捕集工程で捕集されたプルトニウムと前記ウラン系物質を、前記ウラン分離工程の前段又は後段に戻す工程であることを特徴とする使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法。
  3. 請求項2記載の使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、
    前記プルトニウム捕集工程で利用される前記ウラン系物質は、UO、UF、またはUOであることを特徴とする使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法。
  4. 請求項1記載の使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、
    前記フッ化工程は、固定床又は流動床型のフッ化装置を利用して、前記ウラン分離工程で得たウランの一部がプルトニウムを含む固体ウラン化合物として残留する温度でフッ化させる工程であり、
    前記プルトニウム捕集工程は、前記フッ化工程で得られる前記固体ウラン化合物によってプルトニウムを捕集する工程であり、
    前記プルトニウム還流工程は、前記プルトニウム捕集工程で捕集された前記固体ウラン化合物を前記ウラン分離工程の前段又は後段に戻す工程であることを特徴とする使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法。
  5. 請求項4記載の使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、
    前記ウラン分離工程で得たウラン中のプルトニウムは、前記フッ化工程でPuFに転換された後にPuFに再転換して、残渣に付着して前記フッ化装置に残留しており、
    前記プルトニウム捕集工程は、前記残渣に付着したプルトニウムを捕集する工程であることを特徴とする使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法。
  6. 請求項1記載の使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、
    前記ウラン分離工程は、UREX法のような溶媒抽出によってウランを分離する工程であることを特徴とする使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法。
  7. 請求項1記載の使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法において、
    前記ウラン分離工程は、晶析法、沈殿法、酸化物電解法、又は金属電解法によってウランを分離する工程であることを特徴とする使用済原子燃料からのウランのリサイクル方法。
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