JP5001560B2 - 石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法及び装置 - Google Patents

石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法および装置に関し、詳しくは、メタノール合成に供するガス中からの水素回収と、必要に応じて前記供給ガスへの二酸化炭素の添加とを行うことによって、資源の有効活用および製造コストの低減を可能としたメタノールの製造方法および装置に関する。
特許文献1には、以下に説明する工程により天然ガス等の炭化水素からメタノール(CH3OH)を製造する方法が開示されている。
(合成ガス生成工程)
まず、改質器においてガス状炭化水素または液状の炭化水素を気化したガス状炭化水素と水蒸気とをニッケル系触媒下、所定の温度にて反応させ、水素(H2)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2 )を主成分とする合成ガスを生成する。
前記炭化水素に前記改質器の上流側に配置された加湿器で水蒸気が添加され、この水蒸気が添加された炭化水素にさらにボイラ等で作られた過熱水蒸気が供給され、これら炭化水素および水蒸気を含む混合ガスが、前記改質器に導入される。前記混合ガスは改質器において反応させられて、前記合成ガスに改質される。
前記水蒸気改質反応は、吸熱反応であるため、前記改質器は合成ガスの生成過程で外部から加熱される。
(粗メタノール合成工程)
メタノール合成触媒上で前記合成ガスを所定の圧力、温度で一酸化炭素と水素または二酸化炭素と水素とを反応させて粗メタノールを合成する。
(蒸留工程)
前記合成工程で生成した液状の粗メタノールを1塔又は2塔以上の蒸留塔で蒸留して、メタノールよりも沸点の低い有機化合物(以下、低沸点有機化合物という)、有機酸及びメタノールよりも沸点の高い有機化合物(以下、高沸点有機化合物という)を含む廃水と、精製メタノールとに分離する。
前述した各工程を経ることによりメタノールを製造する。これが従来一般に行われているメタノールの製造方法である。
ところで、最近、地球温暖化対策の一つとして、工場からの二酸化炭素(CO2 )排出量を削減する必要性が高まっている。
前記天然ガスからメタノールを製造するプラントでは、前記改質器において水蒸気改質触媒が充填された反応管を燃焼ガスで周囲から加熱することにより、一酸化炭素と水素の反応(吸熱反応)に必要な熱を供給している。また、プラント内で消費する高圧の蒸気を必要量補うために、蒸気発生用のボイラも使用している。このため、改質器や蒸気発生用ボイラからの燃焼排ガス中には多くの二酸化炭素 が含まれており、今後、二酸化炭素排出税の導入や二酸化炭素排出規制が開始された場合にはプラントの経済性が低下する可能性がある。
一方、天然ガスからメタノールを製造方法においては、水蒸気改質反応で生成する合成ガス中の水素濃度が合成ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素と反応させてメタノールを合成するために必要とする濃度の約1.5倍となる。このため、メタノールの合成工程では合成反応器の反応効率を向上させる目的で、合成されたメタノールを分離した後の未反応ガスを合成反応器に循環するとともに、未反応ガスの一部を系外に流出させて過剰な水素を放出している。また、未反応ガスの循環量は前記合成反応器内に充填された触媒層での反応時の発熱速度を緩和できるような値に設定されている。
このようなことから、非特許文献1の図5には、合成ガス中の過剰な水素を有効利用するために改質器で生成された合成ガスをメタノール合成反応器に送る流路中に二酸化炭素を供給することが開示されている。
しかしながら、二酸化炭素を多く含む合成ガスを粗メタノール合成工程の合成反応器に供給すると、その反応器内に充填されたメタノール合成触媒の活性が低下する恐れがある。
これに対して、メタノール合成工程でのメタノール合成触媒の活性低下を招くことなく、改質器で生成されるガス中の過剰な水素を有効に利用してメタノールの増産化を図るとともに、二酸化炭素を有効利用して二酸化炭素の排出を低減でき、かつ改質器に供給する水蒸気量を低減することが可能なメタノールの製造方法が提案されている(特許文献2)。
特許文献2に開示のメタノールの製造方法は、改質器に炭化水素を主成分とする原料ガスを加湿器を通して供給するとともに水蒸気を供給し、前記炭化水素と前記水蒸気とを反応させて水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分とする合成ガスを生成する合成ガス生成工程と、メタノール合成触媒上で前記合成ガスを反応させて粗メタノールを合成する粗メタノール合成工程と、前記合成工程から回収された液状の粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物及び高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留工程とを具備し、前記加湿器の上流側の流路および前記加湿器と前記改質器の間の流路のうちの少なくとも一方に二酸化炭素を供給することを特徴としている。
"INCREASED PRODUCTION FROM EXISTING METHANOL PLANTS" BY A. English, I. A. Forbes, M. N. Islam, J. D. Korchnak PRESENTEDTO: WORLD METHANOL CONFERENCE DECEMBER 2-4, 1991 HYATT REGENCY HOTEL VANCOUVER, BC, CANADA, p.1- p12 特開平01−180841号公報 特開2001−097905号公報
前記特許文献2に開示の技術は、天然ガスを原料ガスとして用い、改質器で生成されるガス中の過剰な水素を有効に利用してメタノールの増産化を図るとともに、二酸化炭素を有効利用して二酸化炭素の排出を低減でき、かつ改質器に供給する水蒸気量を低減することが可能な優れた技術である。この技術では、前述のように、「水蒸気改質反応で生成する合成ガス中の水素濃度が合成ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素と反応させてメタノールを合成するために必要とする濃度の約1.5倍」である場合に上記作用が効果的に行われる。
ところで、原料ガスとして、天然ガスに替えて石炭ガス、石炭コークス炉ガスなどの石炭起源ガスを用いて、前記特許文献2に開示の技術によりメタノールを製造しようとした場合、以下のような改良すべき点が生じることが、判明した。
天然ガスを原料ガスとして使用する場合、「水蒸気改質反応で生成する合成ガス中の水素濃度が合成ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素と反応させてメタノールを合成するために必要とする濃度の約1.5倍」となるが、石炭起源ガスを原料ガスとして使用する場合には、「水蒸気改質反応で生成する合成ガス中の水素濃度が合成ガス中の一酸化炭素と二酸化炭素と反応させてメタノールを合成するために必要とする濃度の約4〜5倍」になる。そのため、メタノール合成に必要な水素ガス理論当量から過剰となる水素ガス量が大幅に多くなり、その過剰量に当量する二酸化炭素ガスの全量を、自身のプラントから、もしくは外部のプラントから経済的に回収し、まかなうことが難しくなり、プラントの運転コストが上昇して経済的に不利になる。
本発明は、前記従来の事情に鑑みてなされたもので、その課題は、原料ガスとして石炭起源ガスを用いてメタノールの製造を行う場合に、資源の有効利用と経済的な運転とを両立させたメタノールの製造方法および装置を提供することにある。
本発明にかかるメタノールの製造方法は、原料とする石炭起源ガスと水蒸気とを改質器に供給し、前記石炭起源ガスと水蒸気とを反応させて水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分とする合成ガスを生成する合成ガス生成工程と、メタノール合成触媒上で前記合成ガスを反応させて粗メタノールを合成する粗メタノール合成工程と、前記合成工程から回収された液状の粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物及び高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留工程とを具備してなる石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法であって、まず、前記改質器の上流側の流路か、下流側の流路の少なくとも一方の流路から所定量の水素を抜き取る水素回収工程を有する
本発明にかかるメタノールの製造方法は、さらに、前記改質器の上流側の流路に所定量の二酸化炭素を供給することにより回収可能な水素量を制御することを特徴とする
上記構成の本発明のメタノールの製造方法において、前記水素の抜き取り量と前記二酸化炭素の供給量とのバランスを、水素の利用先の需要コストと二酸化炭素の供給コストとから決定してもよい
上記構成の本発明のメタノールの製造方法において、前記水素の抜き取り量を、前記粗メタノール合成工程に供給する合成ガスに含まれる炭素量に対する水素量がメタノール合成に必要な水素の理論当量に対して過剰となっている分量に設定してもよい
本発明のメタノールの製造装置は、石炭起源ガスと水蒸気とを反応させて水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分とする合成ガスを生成する改質器と、メタノール合成触媒上で前記合成ガスを反応させて粗メタノールを合成する粗メタノール合成反応器と、前記合成反応器から導出された液状の粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物および高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留塔とを具備してなる石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造装置であって、まず、前記改質器の上流側の流路および下流側の流路の少なくとも一方の流路に流路中のガスから所定量の水素を抜き取る水素回収手段が取り付けられている
本発明にかかるメタノールの製造装置は、さらに、前記改質器の上流側の流路に二酸化炭素を供給することによって前記水素回収手段により回収可能な水素量を制御する二酸化炭素供給手段が取り付けられていることを特徴とする
上記構成の本発明のメタノールの製造装置において、前記水素回収手段での水素の抜き取り量が、前記粗メタノール合成工程に供給する合成ガスに含まれる炭素量に対する水素量がメタノール合成に必要な水素の理論当量に対して過剰となっている分量に設定されてもよい。
本発明にかかる石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法および装置は、原料ガスとして水素含有量の多い石炭起源ガスを用いてメタノールの製造を行う場合に、資源の有効利用と経済的な運転とを両立させたメタノールの製造を可能にするという効果を奏する。
以下、本発明に係わる石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法および装置を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この第1の実施形態に用いられるメタノールの製造装置の概略構成図である。このメタノールの製造装置は、図中、符号1で示される改質器、符号2で示されるメタノールの合成反応器および符号3で示される蒸留塔とを備える。
前記改質器1による改質工程、換言すれば合成ガス生成工程では、原料とする石炭起源ガスは、脱硫後、必要に応じて、不図示の加湿器に導入され、ここで例えば150〜250℃にてほぼ飽和圧力まで水蒸気が添加される。
加湿された原料ガスは、流路4に取り付けられている水素回収手段5によって所定量の水素ガスが分離回収される。所定量の水素ガスが分離された原料ガスは、さらにボイラ等で作られた過熱水蒸気(スチーム)を水蒸気導入管6から混入された後、改質器1に導入される。なお、改質器1に導入されるガス中の水蒸気の量は原料ガスの体積流量のほぼ2倍から3倍にすることが好ましい。
前記改質器1に導入された原料ガスは、その改質器1に充填された例えばニッケル系触媒の下、800〜1000℃にて前記原料ガスと共に導入した水蒸気で改質されて、水素(H2)、一酸化炭素(CO)及び二酸化炭素(CO2)を主成分とする合成ガスを生成する。
なお、前記水蒸気改質反応は吸熱反応である。このため、改質器1を前記触媒が充填された反応管7とこの反応管7の外周を包囲する燃焼器8とで構成し、前記燃焼器8に燃料ガスと空気を供給して燃焼させ、前記反応管7内を例えば700〜900℃まで加熱し、反応熱を供給することにより効率的な水蒸気改質反応を行なう。この場合に使用する燃料ガスとしては、メタノール合成に用いる原料ガスと同一の石炭起源ガスを用いても良いし、他の組成の燃料ガスを用いても良い。
前記反応管7から流路9に導出された合成ガスは、圧縮機10で例えば50〜150気圧まで昇圧され、さらに例えば200〜300℃に予熱され、流路11を介してメタノール合成触媒が充填された合成反応器2へ供給される。この合成反応器2では、次の式(1)、(2)に示す反応がなされてメタノールが合成される。
CO+2H2 →CH3OH …(1)
CO2 +3H2 →CH3OH+H2O …(2)
また、副反応によってジメチルエーテル及びエタノール等の不純物を生成する。これらの不純物及び水は、前記メタノールと共に液状の粗メタノール中に含まれる。
前記メタノール合成触媒としては、例えば銅系触媒が用いられる。特に、高濃度の二酸化炭素雰囲気中で高い耐久性を有するCu,Zn,Al,GaおよびM(アルカリ土類金属元素および希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素)を含む酸化物からなり、前記Cu,Zn,Al,GaおよびMが原子比にてCu:Zn:Al:Ga:M=100:10〜200:1〜20:1〜20:0.1〜20の割合で配合された組成を有する触媒が好ましい。
前記合成反応器2から流路12に導出された液状の粗メタノールは流路12にバイパスされた未反応ガスリサイクル流路13から未反応ガスを分離された後、蒸留塔3へ送られ、蒸留される。蒸留によって生成された精製メタノールは製品流路14から取り出され、副生成物である低沸点有機化合物を含む廃水は排水流路15から取り出され、同じく副生成物である高沸点有機化合物は排ガス流路16から取り出される。
前記構成のメタノールの製造装置において、各流路には、必要に応じてサンプリング弁が設けられている。例えば、原料ガス流路4には流量調節弁Aが設けられている。順次、弁Bは水蒸気導入管6に、弁Cは流路9に、弁Dは反応管7の排水流路17に、弁Eは流路11に、弁Fは未反応ガスリサイクル流路13の上流に、弁Gは流路12に、弁Hは製品流路14に、弁Iは排水流路15に、弁Jは未反応ガスリサイクル流路13の下流に、弁Kは燃料ガス流路18に、弁Lは燃焼用エア流路19に、弁Mは未反応ガスリサイクル流路13から分岐した余剰ガス流路に、そして弁Nは水素回収手段5の回収流路21に設けられている。
前記水素回収手段5は、膜分離や、高性能吸着剤を用いたプレッシャー・スイング吸着などの原理を用いた慣用の水素分離装置が用いられる。この水素回収手段5から流路4中の原料ガスから抜き取る水素ガス量は、合成反応器2に送り込まれる合成ガス、すなわち流路11中の合成ガス中の水素ガス量がメタノールを合成する場合に合成ガス中の炭素含有量に対して理論当量から過剰となっている分量である。したがって、主に弁Aと弁Eとからガスを採集してガス組成をガスクロマトグラフィーなどのガス組成検出装置にて測定し、それらの測定値に基づいて、水素回収手段5からの水素ガス抜き取り量を設定する。さらに精度を上げるために、その他の弁においてもガス組成を測定し、それらの測定値を勘案して、水素ガスの抜き取り量を微調節する。
原料として使用する石炭起源ガスでは、製造目的のメタノールにおける炭素/水素の当量比率に対して、水素の比率が大変高くなっている。そのため、合成反応器2の容積当たりのメタノール生成量が低下し、装置全体としてのメタノール製造効率の向上が実現しにくくなっている。これに対して、本実施例では、改質器1の上流で、原料ガスから水素ガスを所定量引き抜くことによって、合成反応器2に供給する合成ガスの炭素/水素の当量比率を、メタノール中の炭素/水素当量比率に調節しているので、合成反応器2の容積当たりのメタノール生産量を向上させるとともに、合成反応器2内の触媒への負荷を低減して触媒の寿命を延ばすことが可能となっている。また、過剰分を引き抜いて得られた水素ガスは、クリーンな燃焼エネルギーであり、クリーン燃焼ガスや、燃料電池用の燃料などに有効利用できる。この水素の有効利用によって、資源の有効活用が可能となるばかりでなく、その利用先への供給に伴って得られた利益を本メタノール製造プラントの運転コストの低減に還元することができるという利点が得られる。
(第2の実施の形態)
図2は、この第2の実施形態に用いられるメタノールの製造装置の概略構成図であり、図中、図1と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を簡略化する。
この第2の実施形態のメタノールの製造装置の特徴は、水素回収手段51を改質器1下流のサンプリング弁Cと圧縮機10との間の流路に取り付けた点にある。かかる構成によっても前記第1の実施態様の製造装置と同様の作用および効果を得ることができる。さらに、改質器1における水蒸気による改質反応によって、新たに水素ガスが発生するため、改質器1の下流に水素回収手段51を設置することにより、より水素抜き取りの制御が行いやすくなるという利点が付け加わる。
(第3の実施形態)
図3は、この第3の実施形態のメタノールの製造装置の概略構成図であり、図中、図2と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を簡略化する。
この第3の実施形態のメタノールの製造装置の特徴は、改質器1の上流の原料ガス流路4に二酸化炭素導入管21を取り付けた点にある。この二酸化炭素導入管21から原料ガス中に二酸化炭素を混入することができるので、改質器1の上流もしくは図示のように下流に設けた水素回収手段による水素ガスの抜き出し量を、必要に応じて減量化することができる。抜き出し量を減量化する必要が生じる場合として想定されるのは、水素利用先の需要量が何らかの理由によって減少した場合である。また、二酸化炭素を水素抜き取り量を減量化して混入することによって、メタノール合成反応に供給する炭素量を増やしてメタノール生産性を高める効果も期待できる。
使用する二酸化炭素として、改質器1の燃焼器8において発生した燃焼排ガスの中の二酸化炭素を回収して利用すれば、メタノール製造プラントから排出される二酸化炭素を有効利用でき、地球温暖化の原因ガスの大気中放出を低減することができる。前記燃焼排ガスからの二酸化炭素回収方法は、通常のアミン吸収液を用いた化学吸収法が利用されるが、効率よく二酸化炭素を回収できる方法であれば特に限定されるものではない。また、原料ガスに追加混入する二酸化炭素はメタノールの製造工程中で回収される二酸化炭素に限らず、他の工場等で廃棄していた二酸化炭素を用いることもできる。
(実施例1)
この実施例1では、図1に示した第1の実施形態のメタノールの製造装置を用いてメタノールを製造した具体例を説明する。図1に示す製造装置において、各サンプリング弁A〜Mからガスを採取して組成を分析するとともに、各組成分の時間当たりのモル流量を求めた。各サンプリング弁A〜Mの測定箇所にて測定したガス組成分とそれらの時間当たりのモル流量の測定結果を、下記表1に示した。
Figure 0005001560
原料とした石炭起源ガスの組成は、測定箇所Aの欄に記載のように、CH4、CO、CO2、H2、N2であった。そして、これら各組成の時間当たりのモル流量は、CH4が1500(k−mol/h)、COが300(k−mol/h)、CO2が200(k−mol/h)、H2が3000(k−mol/h)、N2が20(k−mol/h)であり、合計の時間当たりのモル流量は5020(k−mol/h)であった。
図1に示す装置では、改質器1の上流で原料ガス中の水素を水素回収手段5により抜き取り、合成反応器2に供給する合成ガスの炭素/水素比率をメタノール組成の当量比に近づける。所定量(2974(k−mol/h))の水素を抜き取られた原料ガスは、改質器1にて改質されて、測定箇所Cあるいは測定箇所Eの欄に記載のように、CH4が256(k−mol/h)、COが1100(k−mol/h)、CO2が642(k−mol/h)、H2が4203(k−mol/h)、N2が20(k−mol/h)、H2Oが15(k−mol/h)のモル流量の合成ガスとなった。
前記合成ガスは、合成反応器2にてメタノール合成反応に消費され、未反応ガスリサイクル流路13に同伴した量と、蒸留器3に送られる量とを合計した1727(k−mol/h)量のメタノールが生成された。この内、蒸留器3により最終的に回収されたメタノール量は、測定箇所Hの欄に記載のように、1640(k−mol/h)であった。
(実施例2)
この実施例2では、図2に示した第2の実施形態のメタノールの製造装置を用いてメタノールを製造した具体例を説明する。図2に示す製造装置において、各サンプリング弁A〜Mからガスを採取して組成を分析するとともに、各組成分の時間当たりのモル流量を求めた。各サンプリング弁A〜Mの測定箇所にて測定したガス組成分とそれらの時間当たりのモル流量の測定結果を、下記表2に示した。
Figure 0005001560
原料とした石炭起源ガスは、実施例1と同様のガスを用いた。すなわち、原料ガスの組成は、測定箇所Aの欄に記載のように、CH4、CO、CO2、H2、N2であった。そして、これら各組成の時間当たりのモル流量は、CH4が1500(k−mol/h)、COが300(k−mol/h)、CO2が200(k−mol/h)、H2が3000(k−mol/h)、N2が20(k−mol/h)であり、合計の時間当たりのモル流量は5020(k−mol/h)であった。
図2に示す装置では、改質器1の下流で原料ガス中の水素を水素回収手段51により抜き取り、合成反応器2に供給する合成ガスの炭素/水素比率をメタノール組成の当量比に近づける。所定量(2770(k−mol/h))の水素を抜き取られた改質ガスは、改質器1にて改質されて、測定箇所Cあるいは測定箇所Eの欄に記載のように、CH4が463(k−mol/h)、COが1068(k−mol/h)、CO2が467(k−mol/h)、H2が3607(k−mol/h)、N2が20(k−mol/h)、H2Oが19(k−mol/h)のモル流量の合成ガスとなった。
前記合成ガスは、合成反応器2にてメタノール合成反応に消費され、未反応ガスリサイクル流路13に同伴した量と、蒸留器3に送られる量とを合計した1503(k−mol/h)量のメタノールが生成された。この内、蒸留器3により最終的に回収されたメタノール量は、測定箇所Hの欄に記載のように、1407(k−mol/h)であった。
(比較例1)
この比較例1では、前記実施例1および2に対する比較のために、図4に示す構成の製造装置を用いてメタノールを製造した。図4に示した製造装置と、図1および図2にそれぞれ示した製造装置との違いは、図4では水素回収手段5および51が取り付けられていない点であり、その他の構成は、図4と図1及び2とは同一である。
図4に示す製造装置において、各サンプリング弁A〜Mからガスを採取して組成を分析するとともに、各組成分の時間当たりのモル流量を求めた。各サンプリング弁A〜Mの測定箇所にて測定したガス組成分とそれらの時間当たりのモル流量の測定結果を、下記表3に示した。
Figure 0005001560
原料とした石炭起源ガスは、実施例1および実施例2と同様のガスを用いた。すなわち、原料ガスの組成は、測定箇所Aの欄に記載のように、CH4、CO、CO2、H2、N2であった。そして、これら各組成の時間当たりのモル流量は、CH4が1500(k−mol/h)、COが300(k−mol/h)、CO2が200(k−mol/h)、H2が3000(k−mol/h)、N2が20(k−mol/h)であり、合計の時間当たりのモル流量は5020(k−mol/h)であった。
図4に示す装置では、原料ガスあるいは合成ガスから過剰量の水素を抜き取ることは全くせずに、改質およびメタノール合成を行う。改質器1によって改質されて得られた合成ガスは、測定箇所Cあるいは測定箇所Eの欄に記載のように、CH4が463(k−mol/h)、COが1068(k−mol/h)、CO2が467(k−mol/h)、H2が6378(k−mol/h)、N2が20(k−mol/h)、H2Oが19(k−mol/h)のモル流量となった。
前記合成ガスは、合成反応器2にてメタノール合成反応に消費され、未反応ガスリサイクル流路13に同伴した量と、蒸留器3に送られる量とを合計した1535(k−mol/h)量のメタノールが生成された。この内、蒸留器3により最終的に回収されたメタノール量は、測定箇所Hの欄に記載のように、1460(k−mol/h)であった。
同一原料ガスの同一供給量に対して、生成されたメタノール量は、本発明に実施例1では1670(k−mol/h)、実施例2では1407(k−mol/h)、比較例1では1460(k−mol/h)であり、回収した水素ガス量は、本発明に実施例1では2974(k−mol/h)、実施例2では2770(k−mol/h)、比較例1では0(k−mol/h)であった。
以上説明したように本発明によれば、原料ガスとして水素含有量の多い石炭起源ガスを用いてメタノールの製造を行う場合に、資源の有効利用と経済的な運転とを両立させたメタノールの製造が可能となる。
本発明の第1の実施形態のメタノールの製造装置の概略構成図である。 本発明の第2の実施形態のメタノールの製造装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施形態のメタノールの製造装置の概略構成図である。 比較例1に用いたメタノールの製造装置の概略構成図である。
符号の説明
1 改質器
2 合成反応器
3 蒸留塔
4 原料ガス流路
5,51 水素回収手段
6 水蒸気導入管
10 圧縮機
21 二酸化炭素導入管

Claims (5)

  1. 原料とする石炭起源ガスと水蒸気とを改質器に供給し、前記石炭起源ガスと水蒸気とを反応させて水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分とする合成ガスを生成する合成ガス生成工程と、前記改質器の上流側の流路か、下流側の流路の少なくとも一方の流路から所定量の水素を抜き取る水素回収工程と、メタノール合成触媒上で前記合成ガスを反応させて粗メタノールを合成する粗メタノール合成工程と、前記合成工程から回収された液状の粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物及び高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留工程とを具備してなる石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法であって、
    前記改質器の上流側の流路に所定量の二酸化炭素を供給することにより回収可能な水素量を制御することを特徴とするメタノールの製造方法。
  2. 前記水素の抜き取り量と前記二酸化炭素の供給量とのバランスを、水素の利用先の需要コストと二酸化炭素の供給コストとから決定することを特徴とする請求項に記載の石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法。
  3. 前記水素の抜き取り量を、前記粗メタノール合成工程に供給する合成ガスに含まれる炭素量に対する水素量がメタノール合成に必要な水素の理論当量に対して過剰となっている分量に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造方法。
  4. 石炭起源ガスと水蒸気とを反応させて水素、一酸化炭素及び二酸化炭素を主成分とする合成ガスを生成する改質器と、前記改質器の上流側の流路および下流側の流路の少なくとも一方の流路に流路中のガスから所定量の水素を抜き取る水素回収手段と、メタノール合成触媒上で前記合成ガスを反応させて粗メタノールを合成する粗メタノール合成反応器と、前記合成反応器から導出された液状の粗メタノールを蒸留して低沸点有機化合物および高沸点有機化合物を含む廃水と精製メタノールとに分離する蒸留塔とを具備してなる石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造装置であって、
    前記改質器の上流側の流路に二酸化炭素を供給することによって前記水素回収手段により回収可能な水素量を制御する二酸化炭素供給手段が取り付けられていることを特徴とする石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造装置。
  5. 前記水素回収手段での水素の抜き取り量が、前記粗メタノール合成工程に供給する合成ガスに含まれる炭素量に対する水素量がメタノール合成に必要な水素の理論当量に対して過剰となっている分量に設定されていることを特徴とする請求項に記載の石炭起源ガスを原料としたメタノールの製造装置。
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