JP5000287B2 - 電子写真複写印刷用記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真複写機を用いて、各種意匠の複写画像を印刷し、この印刷意匠を被転写体に水圧転写するために用いられる電子写真複写印刷用記録媒体に関するものである。
従来から、各種形状面を有する物体に所望の意匠を印刷する方法として、ポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム面に所望の意匠を印刷し、上記意匠印刷面を上方にして水面に浮かべ、フィルム上方から被転写体を意匠印刷面に押し当てて被転写体に意匠を転写させてなる水圧転写印刷が行われている。
このような水圧転写印刷では、通常、ポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルムをベースフィルムとして用い、このフィルム面に所望の意匠を印刷したものが広く用いられている。かかる意匠の印刷には、種々印刷方法を用いることが可能であり、例えば、感熱転写印刷、オフセット印刷等が、目的に応じて適宜選択され使用されている。
一方、転写シートに意匠を印刷する際に電子複写機を用いる方法が特許文献1に開示されており、その中で電子写真複写機で作成した意匠を再転写、定着して使用するための転写シートが記載されている。かかる転写シートは、支持体、水溶性糊層、転写層から構成されており、記録層(印刷層)の役割を果たす酢酸ビニル系エマルジョンからなる転写層に電子写真複写機で意匠を印刷した後、水に浸して支持体を剥離したものを転写に用いるものである。かかる転写シートは支持体を有しているため電子写真複写機内搬送安定性に優れるものである。
特開平11−59092号公報
上述したように、水圧転写印刷に使用するポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルムに所望の意匠を印刷する際には、様々な印刷方法の適用が可能であるが、特に単純なパターンの柄ではなく木目調や風景写真等の複雑な意匠を印刷する際には、いわゆる、電子写真複写機を用いた印刷方法を用いることが便利である。しかしながら、電子写真複写機を用いて、意匠を上記ポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルムに直接印刷する際には、ポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム自体が柔軟すぎるために電子写真複写機内部で搬送されず詰まりや折れ等の不具合が生じるという問題があった。
一方、特許文献1に記載の転写シートに関しても、意匠の印刷された転写層と支持体との剥離に要する時間を従来に比べ短縮するものではあるものの、支持体を持たずに意匠を直接ベースフィルムに印刷するような転写シートに比べると、転写作業時における作業性は悪いものである。また、かかる転写シートは、支持体の上に水溶性糊層、転写層をそれぞれ塗布、乾燥する方法により作製されており、生産性に劣るものである。さらに、PVA水溶液を支持体上に直接塗工製膜した場合、乾燥工程や熱処理工程において支持体上から乾燥したPVA膜が剥がれたり、積層体全体がカールしてしまう場合があり、電子写真複写機を通過させることができないといった不具合が発生してしまう。また、特許文献1においては、転写シート自体を被写体に貼るものであり、水圧転写印刷については全く考慮されていないものであり、複雑な形状を有した物体への転写には実用的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、電子写真複写機を用いて意匠を印刷する際に使用され、電子写真複写機に対する印刷適性に優れた記録層(印刷層)を有する電子写真複写印刷用記録媒体の提供をその目的とする。また、かかる電子写真複写印刷用記録媒体が、水圧転写印刷等の転写印刷用途において、簡便で効率的に用いられるものであることも目的とする。
しかるに、本発明者が上記の目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、従来、水圧転写印刷において単独で用いられていたポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム(A)を記録層(印刷層)として用い、該ポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム(A)に、粘着剤層あるいは接着剤層を介して、支持体を積層してなる積層体とすることにより、電子写真複写機に通して印刷する際に適正な剛性と柔軟性を両立することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、支持体の表層に、粘着剤層もしくは接着剤層を介して、水圧転写に用いられるポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム(A)が積層形成され、且つ、上記粘着剤層あるいは接着剤層が、支持体または樹脂フィルム(A)と、意匠印刷後で水圧転写前に剥離可能であるとともに、支持体と樹脂フィルム(A)との180°剥離強度が、JIS Z 0237に準拠されるピール強度として1〜10Nである電子写真複写印刷用記録媒体を要旨とする。
このように、本発明は、支持体の表層に、粘着剤層もしくは接着剤層を介して、水圧転写に用いられ記録層(印刷層)の役割を果たすポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム(A)が積層形成された電子写真複写印刷用記録媒体である。このため、電子写真複写機を用いて所望の意匠を印刷する際に電子写真複写機内を適正に通過でき、更にポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム(A)上に印刷された意匠の状態も良好である。したがって、所望の意匠が印刷された積層体から支持体を剥離したものを、水圧転写印刷用途として使用することができる。
そして、上記支持体が、前述の特定の柔軟特性(X)を備えるものであると、適度な可撓性を有することから、電子写真複写機での印刷工程において良好な印刷適性が得られる。
また、上記樹脂フィルム(A)が、特定の平均粘度およびケン化度を有するポリビニルアルコール単位を含有する樹脂からなるものであると、電子写真複写機を用いた印刷時において優れたトナー付着性を備えるものとなる。
さらに、上記樹脂フィルム(A)が、下記の測定法(Y)により、30℃の水中にて45秒以内に完全溶解するフィルムであると、ポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム上に意匠を印刷して支持体を剥離したものを水圧転写印刷に用いた場合、印刷された意匠を被転写体に転写した後、ポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルムを容易に溶解除去することが可能となる。
(Y)樹脂フィルム(A)を、外寸50mm×50mm、内寸23mm×35mmのマウントに挟み込み樹脂フィルム(A)を固定し、1000mlビーカーに30℃の水1000mlをいれて攪拌しているところに、水中でフィルムが水平になるよう浸漬したときの、樹脂フィルム(A)が膨潤し溶解して目視によりフィルムが確認できなくなった時間(秒)を測定する。
また、樹脂フィルム(A)の厚みを20〜50μmとすることにより、積層体とした際に電子複写機装置内での搬送不良を防ぐことが可能となる。
本発明の電子写真複写印刷用記録媒体は、支持体の表層に、粘着剤層もしくは接着剤層を介して、記録層(印刷層)の役割を果たすポリビニルアルコール(以下、PVAと略すことがある)単位を含有する樹脂フィルム層を積層形成してなる積層体であって、且つ、上記粘着剤層あるいは接着剤層が、支持体または樹脂フィルムと、意匠印刷後で水圧転写前に剥離可能な積層体である。
本発明におけるPVA単位を含有する樹脂フィルム層は、水圧転写に用いられるものであり、PVA単位を含有する樹脂(以下、PVA系樹脂と略すことがある)を用いて形成されるものである。そして、上記PVA系樹脂としては、単独のみならず必要に応じて2種以上混合して用いてもよい。
また、未変性であっても変性であってもよく、変性の場合は、主鎖中に本発明の効果を阻害しない範囲で、例えば10モル%以下、好ましくは7モル%以下の範囲において、他の単量体を共重合させることができる。
上記他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノまたはジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテル等のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン〔1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル〕エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン、ジアクリルアセトンアミド、N−アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等があげられる。これらの他の単量体は、単独でもしくは2種以上併せて用いてもよい。
また、変性PVAとして、側鎖に1,2−グリコール結合を有するPVA系樹脂を用いることも好ましく、かかる側鎖に1,2−グリコール結合を有するPVA系樹脂は、例えば、(ア)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(イ)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化および脱炭酸する方法、(ウ)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化および脱ケタール化する方法、(エ)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
また、上記PVA系樹脂の4重量%水溶液の20℃における平均粘度が、5〜75Pa・sの範囲であることが好ましく、15〜45Pa・sの範囲であることが特に好ましい。すなわち、4重量%水溶液の平均粘度が低すぎると、PVA系樹脂からなるフィルムに意匠(パターン,柄等)を印刷する際のフィルム強度が不足するため、印刷斑が発生したり、印刷後の剥離時にフィルムが伸ばされてしまい印刷した意匠が歪んだり、PVA系樹脂フィルムの溶解が促進されて転写時間が短くなる傾向も見られる。更には、水に浮かべた際のフィルムに印刷された意匠が安定せず、付き廻り性が低下するという傾向がみられる。一方、4重量%水溶液の平均粘度が高すぎると、水面での膜の伸展を抑制することはできるが、転写時間が遅延する他に粘度が高く製膜が困難となる傾向がみられる。なお、上記4重量%水溶液の20℃における平均粘度は、日本工業規格(JIS)K6726(ポリビニルアルコール試験方法)に準じて測定される。
さらに、上記PVA系樹脂の平均ケン化度が、65〜99.9モル%の範囲であることが好ましく、特に好ましくは70〜95モル%の範囲である。すなわち、PVA系樹脂の平均ケン化度が低すぎると、転写後のPVA系樹脂フィルムの溶解に長時間を要する傾向がみられ、高すぎると、PVA系樹脂フィルムの溶解時間が遅延し、転写時の膜強度が高いために転写時に折れ皺が発生したり、転写がなされたとしても脱膜不良となる傾向がみられる。なお、上記ケン化度は、日本工業規格(JIS)K6726(ポリビニルアルコール試験方法)に準じて測定される。
上記PVA系樹脂フィルムの形成材料としては、PVA系樹脂のみから構成されたものであってもよいし、他の材料を配合してもよい。上記他の材料としては、例えば、可塑剤があげられる。
上記可塑剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等のグリセリン類、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジプロピリングリコール等のアルキレングリコール類、トリメチロールプロパン、またこれらの変性物等があげられる。これらは単独であるいは2種以上併せて用いられる。
上記可塑剤の含有量は、PVA系樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対して、10部以下に設定することが好ましく、0.05〜8部に設定することがより好ましい。すなわち、上記可塑剤の含有量が少なすぎると、可塑効果が得られ難く、得られるフィルムの破断の原因となる傾向があり、含有量が多すぎると、剥離時にフィルムが伸びて意匠が歪んだり、水に浮かべる時に柔らかすぎてハンドリングに支障をきたす傾向がある。
そして、上記PVA系樹脂フィルム形成材料には、上記PVA系樹脂、さらには可塑剤以外に、必要に応じて各種添加剤を配合することができる。
例えば、フィルムの製膜装置であるドラムやベルト等の金属表面と製膜したフィルムとの剥離性の向上を目的として、界面活性剤を配合することができる。上記界面活性剤としては、特に限定するものではなく、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルノニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、剥離性の点でポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステルモノエタノールアミン塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートを用いることが好適である。
上記界面活性剤の含有量については、特に限定されないが、PVA系樹脂100部に対して0.01〜5.0部に設定することが好ましく、0.03〜4.5部に設定することがより好ましい。すなわち、上記界面活性剤の含有量が少なすぎると、製膜装置のドラムやベルト等の金属表面と製膜したフィルムとの剥離性が低下して製造困難となる傾向がみられ、多すぎるとフィルム表面にブリードして意匠印刷層が脱落する原因となる傾向がみられるからである。
さらに、本発明の効果を妨げない範囲で、抗酸化剤(フェノール系、アミン系等)、安定剤(リン酸エステル類等)、着色料、香料、増量剤、消泡剤、防錆剤、紫外線吸収剤、無機粉末、有機粉末(澱粉、ポリメチルメタクリレート等)さらには他の水溶性高分子化合物(ポリアクリル酸ソーダ、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、デキストリン、キトサン、キチン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等)等を添加しても差し支えない。
上記PVA系樹脂フィルムは、例えば、次のようにして製造される。まず、上記PVA系樹脂、さらには必要に応じて可塑剤等の各原料を所定の配合量にて配合しフィルム形成材料を調製する。つぎに、Tダイからフィルム形成材料を製膜ベルト上または製膜ドラム上に流延させて、乾燥させることによりフィルム状化させ、好ましくは更に熱処理することにより製造される。
上記熱処理の方法としては、特に制限されるものではなく、例えば、熱ロール(カレンダーロールを含む)、熱風、遠赤外線、誘電加熱等の方法があげられる。また、熱処理される面は、製膜ベルトまたは製膜ドラムに接する面と反対側となる面が好ましいが、ニップしても問題はない。また、熱処理を施すフィルムの水分含有量は、通常、2〜8重量%程度であることが好ましい。
より詳しく述べると、上記製膜ベルト、または製膜ドラムのうち製膜第一ドラムから剥離した後巻き取るまでに、表面温度50〜120℃の熱処理ロールを1本以上通すことが好ましい。ここで、上記製膜ベルトとは、一対のロール間に架け渡されて走行する無端ベルトを有し、Tダイから流れ出たフィルム形成材料を無端ベルト上に流延させるとともに乾燥させるものである。上記無端ベルトは、例えば、ステンレススチールからなり、その外周表面は鏡面仕上げが施されているものが好ましい。また、上記製膜第一ドラムとは、Tダイから流れ出たフィルム形成材料を1個以上の回転するドラム型ロール上に流延し乾燥させる製膜機における最上流側に位置するドラム型ロールである。そして、製膜ベルトあるいは製膜第一ドラムから剥離した後巻き取るまでとは、Tダイ等から吐出されたフィルム形成材料が製膜ベルト上あるいは製膜第一ドラム上において乾燥されフィルム状になり、製膜ベルトあるいは製膜第一ドラムから剥離され、熱処理機を経て、巻き取り機により巻き取られるまでの過程を示す。
上記熱処理機による熱処理は、50〜120℃で行うことが好ましく、より好ましくは60〜110℃である。すなわち、上記熱処理の温度が低すぎると、製膜ベルトあるいは製膜第一ドラムに接する面のカールが強く、印刷および転写工程で不具合となる傾向がみられ、熱処理の温度が高すぎると、転写後のPVA系樹脂フィルムの水溶性が低下してしまう傾向がみられるからである。さらに、上記熱処理に要する時間は、熱処理ロールの表面温度にもよるが、0.5〜15秒間に設定することが好ましい。上記熱処理は、通常、フィルム乾燥のための乾燥ロール処理に引き続き、別体の熱処理ロールにて行われる。
このようにして得られるPVA系樹脂フィルムとしては、その使用用途を考慮した場合、下記の測定法(Y)により、30℃の水中にて45秒以内に完全溶解するフィルムであることが好ましい。このような水溶解性を備えたPVA系樹脂フィルムを得るためには、例えば、PVA系樹脂として、部分ケン化物(例、90モル%以下)を用いたり、フィルムの水分率や可塑剤含有量、膜厚を適宜調整したり、製膜時の乾燥条件をマイルドな条件で行ったり、また、これらの諸条件を適宜組み合わせたりすることなどにより得られる。但し、これらに限定されるものではない。
(Y)樹脂フィルム(A)を、外寸50mm×50mm、内寸23mm×35mmのマウントに挟み込み樹脂フィルム(A)を固定し、1000mlビーカーに30℃の水1000mlをいれて攪拌しているところに、水中でフィルムが水平になるよう浸漬したときの、樹脂フィルム(A)が膨潤し溶解して目視によりフィルムが確認できなくなった時間(秒)を測定する。
本願発明で用いられる支持体としては、特に限定するものではなく、各種材料が用いられる。例えば、紙、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等のセルロース系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム等があげられる。なかでも、塗工性、剥離性、材料の汎用性の点からPETフィルムや紙等を用いることが好ましい。
なお、これら支持体として用いられる材料は、通常平面板として使用するが、場合によっては多孔状や網目状、格子状に加工して使用することも可能である。
また、電子写真複写機を用いての印刷を考慮した場合、上記支持体として、つぎに述べる柔軟特性を備えていることが好ましい。すなわち、大きさ200mm×200mmの支持体を準備し、図1に示すように、支持台2上の端部から水平に支持体1の一部を50mm引き出して支持体1が垂れ下がった際の、垂れ下がり始める始点aと支持体の垂れ下がった最下点bを結ぶ仮想線(破線)の垂直面からの角度θが30°以上90°未満となることが好ましく、特に好ましくは角度θが40°〜85°である。上記垂直面からの角度θが小さすぎると、剛性に劣り、電子写真複写機にて意匠を印刷する際に、複写機内部での積層体の搬送時等に不具合が発生する傾向がみられる。
なお、上記測定の際に、垂れ下がった支持体1の最下点bがカールしている場合は、そのカール部の最外部の最下点と垂れ下がり始める始点aを結ぶ線を上記仮想線とする。
また、かかる角度θの値は、支持体の表面、裏面の両面を測定した時の平均の値であり、測定時の温度は23℃、湿度は50%である。
次に本発明において、支持体の表層に、粘着剤層あるいは接着剤層を介して、水圧転写に用いられるPVA系樹脂フィルム層が積層されてなる少なくとも3層の層構造を有する電子写真複写印刷用記録媒体について説明する。
かかる支持体とPVA系樹脂フィルムの間に介する層は、粘着剤層あるいは接着剤層であり、上記支持体または樹脂フィルム(A)と、意匠印刷後で水圧転写前に剥離可能である。該粘着剤層あるいは接着剤層は、電子写真複写機を用いて意匠を印刷する際に、支持体上に、PVA系樹脂フィルムを貼着し積層して固定するために形成されるものである。
記粘着剤層あるいは接着剤層形成材料としては、貼着し固定した支持体とPVA系樹脂フィルムを容易に剥離させることができるものであれば特に限定するものではない。例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン等の天然高分子系水溶性粘・接着剤、ポリビニルアルコール(PVA)系、ポリエチレンオキサイド系、ポリビニルアルミド系、ポリビニルピロリドン系、ポリビニルアセタール系、ポリアクリル酸系、アクリル系、ポリエステル系、レゾール系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系等の合成高分子系水溶性粘・接着剤、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等のラテックス系粘・接着剤、エマルジョン型粘・接着剤、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、シリコーン系非水溶性粘・接着剤を挙げることができる。これらの中でも、好ましくは水溶性粘着剤、水溶性接着剤が用いられ、特には好ましくは水溶性アクリル粘着剤、PVA系接着剤が用いられる。
かかるPVA系の接着剤としては、部分ケン化又は完全ケン化PVA、カルボキシ変性PVA、アセトアセチル変性PVA、ジアセトン変性PVA、珪素変性PVAを用いることが可能であり、目的に応じて適宜選択して使用する。また、PVA系接着剤を用いる場合は、通常5〜20重量%で塗工することが好ましい。
ここで、支持体の表層粘着剤層あるいは接着剤層を介して、水圧転写に用いられるPVA系樹脂フィルム層が積層されてなる3層構造の積層体の製造方法について説明する。すなわち、支持体片面に粘着剤層あるいは接着剤層形成材料を塗工することにより粘着剤層あるいは接着剤層を形成する。一方、上記PVA系樹脂フィルム形成材料を用いてPVA系樹脂フィルムを形成する。そして、上記支持体片面に形成された粘着剤層あるいは接着剤層上に、上記PVA系樹脂フィルムを貼着することにより3層構造の積層体を作製することができる。また、PVA系樹脂フィルム上に粘着剤層あるいは接着剤層を形成し、その上に支持体を貼着してもよい。更に、支持体上、およびPVA系樹脂フィルム上にそれぞれ粘着剤層あるいは接着剤層を形成し、両者の粘着剤層あるいは接着面どうしを貼着してもよい。
このようにして得られる電子写真複写印刷用記録媒体では、各層の厚みはつぎのように設定することが好ましい
すなわち、上記積層体が、支持体上に、粘着剤層あるいは接着剤層を介してPVA系樹脂フィルム層が積層されてなる3層構造の場合は、支持体の厚みは20〜300μmに、粘着剤層あるいは接着剤層の厚みは0.5〜30μmに、PVA系樹脂フィルム層の厚みは20〜50μmにそれぞれ設定することが好ましい。より好ましい支持体の厚みは25〜200μmであり、より好ましい粘着剤層あるいは接着剤層の厚みは1〜20μmであり、より好ましいPVA系樹脂フィルム層の厚みは25〜45μmである。
支持体の厚みが厚すぎると積層体が厚すぎるため複写機内で搬送不良となる傾向があり、薄すぎても積層体が柔らかいため搬送不良となる傾向がある。PVA系樹脂フィルムの厚みが厚すぎると搬送不良のみならず、転写時において溶解性が遅くなり転写効率が悪くなる傾向があり、薄すぎると転写時の再剥離時にフィルムが伸びて意匠が歪んだり、溶解性が速くなり意匠が低下する傾向がある。粘着剤層あるいは接着剤層の厚みが厚すぎると接着強度が高く再剥離時に意匠がゆがんだりする傾向があり、薄すぎると密着性の低下が起こり、複写機内の搬送時に剥離する傾向がある。
更には、電子写真複写印刷用記録媒体の厚みとしては、通常40〜400μmであり、好ましくは80〜150μmである。厚みが厚すぎると積層体が硬くなりすぎて搬送不良となり、薄すぎるとPVA系樹脂フィルム単層と同様に積層体にコシがなくなり搬送不良となる傾向がある。
また、本発明における電子写真印刷用記録媒体の柔軟特性は、上記支持体の柔軟特性に依存されるところが大きく、支持体にPVA系樹脂フィルムや粘着層・接着層を積層したとしても、上記電子写真複写機内の通過適正に影響を及ぼすほどではない。
よって、電子写真印刷用記録媒体の柔軟特性(X)も、同様に30°以上90°未満であることが好ましい。
上記のようにして得られた電子写真複写印刷用記録媒体は、例えば、従来公知の防湿包装の処理を行い、10〜25℃の雰囲気下、保存することができる。
そして、本発明の電子写真複写印刷用記録媒体は、電子写真複写機を用いて積層体のPVA系樹脂フィルム表面に所望の意匠を印刷した後、支持体を剥離したものを、水圧転写方法に供することができる。上記支持体の剥離作業は、電子写真複写機により積層体のPVA系樹脂フィルム表面に所望の意匠を印刷した後、水圧転写方法にてPVA系樹脂フィルム表面に印刷された意匠を被転写体に転写するまでの間で行えばよく、特に限定するものではない。
また、上記電子写真複写機を用いて積層体のPVA系樹脂フィルム表面に印刷する意匠としては、特に限定するものではなく、木目調,各種柄,画像等、印刷可能なものであればいかなるものであってもよい。
上記積層体のPVAフィルム側に意匠を印刷した後、支持体からPVA系樹脂フィルムを剥離する際には、剥離強度が、JIS Z 0237に準拠される180°剥離強度(ピール強度)で1〜10Nであり、好ましくは1.5〜8Nである。すなわち、180°ピール強度が低すぎると、剥離し易く、電子写真複写機での印刷時に剥離が生じる傾向がみられ、また180°ピール強度が高すぎると、剥離が困難となり、剥離の際にPVA系樹脂フィルムの破損等が生じる傾向がみられるからである。なお、上記180°ピール強度は、日本工業規格(JIS)Z0237(粘着テープ、粘着シート試験方法)に準拠して測定される。
上記積層体が3層構造において、支持体からPVA系樹脂フィルムを剥離する際には、例えば、粘着剤層として水溶性アクリル樹脂系粘着剤を用い、これを介してPVA系樹脂フィルムが積層されてなる場合は、通常、剥離時には、上記水溶性アクリル樹脂系粘着剤層は支持体上に残存することとなり、一方、接着剤層としてPVA系接着剤を用い、これを介してPVA樹脂フィルムが積層されてなる場合は、通常、剥離時には、上記PVA系接着剤層はPVA系樹脂フィルム表面に残存することとなる。
剥離時にPVA系樹脂フィルム表面に着剤層や接着剤層が残存する場合であっても、水溶性の粘着剤、接着剤であれば、後の転写工程、水洗工程などにより除去されるので好ましい。
先に述べたように、本発明の電子写真複写印刷用記録媒体は、PVA系樹脂フィルム面上に、電子写真複写機を用いて所望の意匠を印刷することにより、水圧転写印刷に供することができる。例えば、PVA系樹脂フィルム面上に、電子写真複写機を用いて所望の意匠を印刷した後、この積層体から支持体を剥離する。ついで、支持体を剥離したものを水圧転写印刷に供するのである。上記水圧転写印刷としては、連続方式による水圧転写方法、バッチ方式による水圧転写方法があげられる。
まず、上記連続方式による水圧転写方法について述べる。
すなわち、上記所望の意匠が印刷されたPVA系樹脂フィルム(支持体を剥離してなるもの)の上記意匠印刷面に活性剤を塗工後に水面上に浮かべ、フィルムが柔らかくなった時点で移動する上記PVA系樹脂フィルム上方から被転写体を押し当て、PVA系樹脂フィルム面に印刷された意匠を被転写体表面に転写し固着することにより水圧転写印刷が行われる。そして、固着した後は、PVA系樹脂フィルムを除去し意匠を転写した被転写体を充分に乾燥させることにより目的とする製品を得るのである。
一方、上記バッチ方式による水圧転写方法について述べる。
すなわち、上記所望の意匠が印刷されたPVA系樹脂フィルム(支持体を剥離してなるもの)の上記意匠印刷面に活性剤を塗工後に水面上に浮かべ、フィルムが柔らかくなった時点で水面上に静止状態で浮かべている上記PVA系樹脂フィルム上方から被転写体を押し当て、PVA系樹脂フィルム面に印刷された意匠を被転写体に転写し充分に固着することにより水圧転写印刷が行われる。固着した後は、PVA系樹脂フィルムを溶解除去し意匠を転写した被転写体を充分に乾燥させることにより目的とする製品を得るのである。
このような工程を経由する水圧転写方法により、PVA系樹脂フィルム面に印刷された意匠を、被転写体に転写することができる。なお、上記水圧転写方法では、いずれも意匠を印刷して支持体を剥離した状態のPVA系樹脂フィルムを用い、このPVA系樹脂フィルムの上記意匠印刷面に活性剤を塗工しているが、支持体の剥離工程は、電子写真複写機による意匠の印刷後、この意匠を被転写体に転写するまでの間であればいかなるタイミングで行っても差し支えない。
上記意匠印刷面に塗工する活性剤としては、特に限定するものではなく、PVA系樹脂フィルム面に印刷された意匠を再活性化しうる溶剤に樹脂を添加したもの等が用いられ、さらに体質顔料、可塑剤、硬化剤等を適宜に添加することができる。例えば、ブチルメタクリレートに、顔料、可塑剤、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテートを混合したものが用いられる。また、上記活性剤の塗工方法としては、グラビアロールやスプレーを用いた塗布方法があげられる。
なお、上記意匠印刷面に活性剤を塗布する工程は、PVA系樹脂フィルムを水に浮かべる前であっても、水に浮かべた後であってもいずれでもよく、意匠が印刷されたPVA系樹脂フィルム上方から被転写体を押し当てる前であれば特に制限されることはない。
本発明の水圧転写方法における被転写体の材質としては、特に限定されるものではなく、例えば、プラスチック成形体、金属成形体、木質成形体、ガラス等の無機質成形体等を用いることができる。さらに、その形状に関しても特に限定するものではなく、平面であっても各種立体形状を有していてもよい。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
(1)3層構造の積層体の作製
[製造例]
〔PVA系樹脂フィルムの作製〕
PVA樹脂100部、グリセリン3部、コーンスターチ5部、ノニオン系界面活性剤1部を水に溶解させた水溶液を調製した。次に、かかる水溶液をステンレス製のエンドレスベルトを備えたベルト製膜機により流延製膜法に従い製膜し、温度100℃の条件で乾燥させた後、85℃の熱ロール1本に5秒間接触させることによりPVA系樹脂フィルムを作製した。
また、上記方法により得られたPVA系樹脂フィルムの完全溶解時間を下記の方法により測定した。
〔完全溶解時間〕
PVA系樹脂フィルムをマウント(外寸:50mm×50mm、内寸:23mm×35mm)に挟み込みPVA系樹脂フィルムを固定する。また、1000mlビーカーに30℃の水1000ml中をいれて攪拌する(攪拌時に渦が800mlの位置になるよう調整する)。次に水中でフィルムが水平になるよう浸漬し(水面からの深さは50mm)、ベースフィルムが膨潤し溶解して目視によりフィルムが確認できなくなった時間(秒)を測定した。
なお、マウントからはみ出した部分は測定前にカットし、水中に接する部分はマウントの内寸(23mm×35mm)と同様となる。
〔積層体の作製〕
支持体材料を準備し、支持体表面に粘着又は接着剤層形成材料を塗工することにより粘着又は接着剤層を形成した。次に、この粘着又は接着剤層上に、上記作製したPVA系樹脂フィルムを載置して圧着することにより3層構造の積層体を作製した。特に粘着又は接着層をPVA系接着層とした場合には、支持体にPVA系接着剤水溶液(濃度10重量%)を塗工した後、半乾燥状態で粘着性を維持した状態でPVA系樹脂フィルムを圧着した。なお、上記支持体の柔軟特性に関しては、以下の方法で測定した。
〔支持体の柔軟特性〕
大きさ200mm×200mmの支持体を準備し、図1に示すように、支持台2上の端部から水平に支持体1の一部を50mm引き出して支持体1が垂れ下がった際の、垂れ下がり始める始点aと支持体の垂れ下がった最下点bを結ぶ仮想線(破線)の垂直面からの角度θを測定した。次いで、もう一方の面の角度θについても測定し、両面の平均値を支持体の柔軟特性の値とした。
これら測定は、温度23℃、湿度50%の条件で測定した。
〔実施例1〜5〕
下記表1に示す、PVA系樹脂フィルム、粘着又は接着剤、支持体を用いて、製造例に従い、積層体を作製した。
Figure 0005000287
〔比較例1〕
実施例1のPVA系樹脂フィルムを単独で用いた。
〔比較例2〕
支持体であるPETフィルム上に、実施例1のPVA系樹脂の水溶液(濃度18重量%)を直接塗工し、乾燥温度100℃で10分間乾燥させることにより、積層体を作製した(PVA系樹脂層の乾燥膜厚30μm)。
このようにして得られた各積層体を用いて、下記に示す方法に従い特性を測定・評価した。これらの結果を後記の表2示す。
〔剥離強度〕
得られた積層体について、支持体からPVA系樹脂フィルムを剥離する際の180°ピール強度を測定した。詳しくは、積層体を23℃×50%RH調湿環境下において30時間調湿したものを、同環境下において150mm(長手方向)×15mmの大きさにカットし、この積層体を23℃×50%RH調湿環境下においてオートグラフ(島津製作所社製オートグラフAGS−H)を用いて、剥離強度を測定した(引張速度:200mm/min. チャック間距離:50mm)。
〔意匠印刷評価〕
得られた積層体を用い、カラーコピー機(リコー社製、IPSIO CX7500)に通して、積層体のPVA系樹脂フィルム面に所定の意匠(木目柄)をカラー印刷した。そして、カラー印刷された積層体について評価した。
すなわち、積層体のPVA系樹脂フィルム面側に意匠が印刷されるように給紙トレーに通常の紙と同様にセットし、意匠の印刷をおこなった際の、電子写真複写機内通過適性と、印刷された意匠の状態を下記のように評価した。
○ … 紙詰まり、積層体の各層の剥離、皺の発生等を起こさず適正にコピー機内を通過し、且つ印刷された意匠もインク抜け、べた付き等の印刷不良が発生せず適正に印刷されている。
△ … コピー機内は適正に通過したものの、印刷された意匠にインク抜け等の印刷不良がみられる。
× … コピー機内を適正に通過できない。
Figure 0005000287
意匠印刷評価試験において、比較例1のPVA系樹脂フィルムを単独で用いた場合には、フィルムが柔らかく電子写真複写機内を適正に通過することができず意匠の印刷を行なえない結果となり、また、比較例2のPVA系樹脂を直接塗工した積層体では、電子写真複写機内を適正に通過するものの、積層体に印刷された意匠にインク抜け等の印刷不良が見られる結果となった。更に、比較例2においては、PVA系樹脂の塗工後に乾燥時間を要するため、PVA系樹脂フィルムを積層するのに比べ、作業性に劣るものであった。
以上の結果、PVA系樹脂フィルムに適度な剥離強度を持たせた状態で支持体と積層させることでPVA系樹脂フィルムに高精細な印刷が可能となり、転写時には意匠を歪めることなく支持体を再剥離して水圧転写に使用できることが明らかとなった。
本発明の電子写真複写印刷用記録媒体は、電子写真複写機を用いて各種意匠パターン(木目調,写真等)を印刷する際に用いられるものであって、この積層体は支持体を剥離することにより水圧転写印刷用途に適用することができる。
支持体の柔軟特性の測定方法を示す説明図である。
1 支持体
2 垂直面
a 垂れ下がり始める始点
b 支持体の垂れ下がった最下点

Claims (7)

  1. 支持体の表層に、粘着剤層あるいは接着剤層を介して、水圧転写に用いられるポリビニルアルコール単位を含有する樹脂フィルム(A)が積層され、且つ、上記粘着剤層あるいは接着剤層が、支持体または樹脂フィルム(A)と、意匠印刷後で水圧転写前に剥離可能であるとともに、支持体と樹脂フィルム(A)との180°剥離強度が、JIS Z 0237に準拠されるピール強度として1〜10Nであることを特徴とする電子写真複写印刷用記録媒体。
  2. 支持体が、下記の柔軟特性(X)を備えたものであることを特徴とする請求項1記載の電子写真複写印刷用記録媒体。
    (X)大きさ200mm×200mmの支持体を、支持台上の端部から水平に50mm引き出した際の、支持体の垂れ下がり始める点と支持体の垂れ下がった最下点を結ぶ仮想線の垂直面からの角度が30°以上90°未満である。
  3. 樹脂フィルム(A)が、20℃における4重量%水溶液粘度が5〜75Pa・sの範囲内であり、かつ平均ケン化度が65〜99.9モル%の範囲内であるポリビニルアルコール単位を含有する樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の電子写真複写印刷用記録媒体。
  4. 樹脂フィルム(A)が、下記の測定法(Y)により、30℃の水中にて45秒以内に完全溶解するフィルムであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の電子写真複写印刷用記録媒体。
    (Y)樹脂フィルム(A)を、外寸50mm×50mm、内寸23mm×35mmのマウントに挟み込み樹脂フィルム(A)を固定し、1000mlビーカーに30℃の水1000mlをいれて攪拌しているところに、水中でフィルムが水平になるよう浸漬したときの、樹脂フィルム(A)が膨潤し溶解して目視によりフィルムが確認できなくなった時間(秒)を測定する。
  5. 粘着剤層あるいは接着剤層が、水溶性粘着剤あるいは水溶性接着剤を用いて形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の電子写真複写印刷用記録媒体。
  6. 樹脂フィルム(A)の厚みが20〜50μmであり、かつ支持体の厚みが20〜300μmであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の電子写真複写印刷用記録媒体。
  7. 粘着剤層あるいは接着剤層の厚みが、0.5〜30μmであることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の電子写真複写印刷用記録媒体。
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