JP4998658B2 - 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDFInfo
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Description
[1]鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、さらに加熱処理により合金化し、調質圧延を施した
後、酸性溶液に接触させ、保持し、水洗・乾燥を行うことによりめっき表面に酸化物層を
形成する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、前記酸性溶液中にAlイオンを含有し、酸性溶液として、pH緩衝作用を有し、かつ、1リットルの酸性溶液のpHを2.0から5.0まで上昇させるのに必要な1.0mol/l水酸化ナトリウム溶液の量(l)で定義するpH上昇度が0.05〜0.5の範囲にある酸性溶液を用いることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[2]前記[1]において、前記酸性溶液中に、Alの硫酸塩、硝酸塩、塩化物のうち、少な
くとも1種類以上を、Alイオン濃度として0.1〜50g/lの範囲で含有することを特徴とする
合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[3]前記[1]または[2]において、前記酸性溶液として、酢酸塩、フタル酸塩、クエ
ン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩のうち、少なくとも1種類
以上を、前記各成分含有量5〜50g/lの範囲で含有し、pHが0.5〜2.0、液温が20〜70℃の範囲にある酸性溶液を用いることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、前記酸性溶液に接触させた後、鋼板表面に
形成する酸性溶液膜が3g/m2以下であり、かつ液膜が形成された状態での保持時間が1〜30秒の範囲であることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
また、このような酸化物の形成方法は、めっき表面をわずかに溶解させながら進行するものであるため、酸化物を分散させた溶媒を用いた塗布処理などにより得られる層と比較して密着性も良好であり、水酸化物の沈殿反応を利用したものであるため、加熱処理などにより表面を完全被覆することで得られる皮膜と比較すると、厚い皮膜を形成できる。
板厚1.0mmの590MPa級の強度を有する冷延鋼板上に、常法の合金化溶融亜鉛めっき皮膜を形成し、更に調質圧延を行った。引き続き、図1に示す構成の処理設備を用いて酸化物層を形成した。
(1)プレス成形性評価試験(摩擦係数測定試験)
プレス成形性を評価するために、各供試材の摩擦係数を以下のようにして測定した。
(2)球頭張出試験
200×200mmサイズの供試材に対して、150mmφのポンチを使用して、液圧バルジ試験機により張出成形を行い、破断が生じた際の最大成形高さを測定した。この際、材料の流入を阻止する目的で100Tonのしわ押さえ力をかけ、ポンチが接触する面にのみ潤滑油を塗布した。使用した潤滑油は、前述した摩擦係数測定試験と同様のものである。
(3)酸化膜厚の測定
オージェ電子分光(AES)により平坦部の各元素の含有率(at%)を測定し、引き続いて所定の深さまでArスパッタリングした後、AESによりめっき皮膜中の各元素の含有率の測定を行い、これを繰り返すことにより、深さ方向の各元素の組成分布を測定した。酸化物、水酸化物に起因するOの含有率はある深さで最大となった後、減少し一定となる。Oの含有率が、最大値より深い位置で、最大値と一定値との和の1/2となる深さを、酸化物の厚さとした。なお、予備処理として30秒のArスパッタリングを行って、供試材表面のコンタミネーションレイヤーを除去した。
(1)No.1は酸性溶液による処理を行っていないため、平坦部に摺動性を向上させるのに十分な酸化膜が形成されず、面圧の低い条件1においても摩擦係数が高い。また、面圧の高い条件2では、さらに摩擦係数が上昇しており、型かじりを生じていた。
(2)No.2〜4は、酸性溶液での処理を行っているもののAlイオンを含まない浴を用いた比較例である。面圧の低い条件1の摩擦係数の改善効果は見られるものの、面圧の高い条件では高い摩擦係数を示している。
(3) No.5〜7は、Alイオンを含有した酸性溶液での処理を行った本発明例であり、条件1に加えて条件2の摩擦係数も低下し、最大成形高さも増加している。また、No.8〜10、14〜16、38〜40は、No.5〜7と同一の処理条件で液中のAlイオン濃度を増加させた本発明例であるが、面圧の高い条件2の摩擦係数が低位安定化し、最大成形高さもさらに増加している。
(4)No.11〜16は、鋼板表面に酸性溶液膜を形成し、水洗を施すまでの時間を変化させた本発明例である。保持なく水洗を行った比較例No.11では、平坦部に摺動性を向上させるのに十分な酸化膜が形成されず、面圧の低い条件1においても摩擦係数が高い。また、面圧の高い条件2では、さらに摩擦係数が上昇している。1秒以上の保持時間となるNo.12〜16は、いずれの条件の摩擦係数ならびに張出性も安定向上している。
(5)No.17〜28は、処理液温度を変化させた例であるが、処理液温度の低いNo.17〜19は、それ以外の例と比較して、摩擦係数および最大成形高さの向上効果がやや劣る。一方、No.26〜28は、処理液温度の高い例であり、摩擦係数や最大成形高さの向上効果は十分であるが、製造時にはより耐熱性の高い設備仕様とする必要性が生じ、また製造時に液の蒸発量が多くなるために液膜量の制御がやや困難となる。
(6)No.29〜34は、No.14〜16に対して、液膜形成量を変化させた例であるが、水洗までの保持時間が同一のもので比較すると、液膜量が多い場合には、やや摩擦係数が高く、最大成形高さも低くなっている。
(5)No.35〜37は、No.14〜16と同じ条件で酸性溶液による処理を行う前に、活性化槽でアルカリ処理を行った本発明例であり、水洗までの保持時間が同一のもので比較すると、さらに摩擦係数が低くなるという効果が得られた。また、中和槽を使用した結果、点錆の発生もなく、酸化物層を形成した鋼板コイルが使用前に長期間保管されることがあっても錆発生を防止する能力に優れている。
2 酸性溶液槽
3 絞りロール
4 シャワー水洗装置
5 洗浄槽
6 中和槽
7 洗浄槽
8 ドライヤ
S 鋼板
11 摩擦係数測定用試料
12 試料台
13 スライドテーブル
14 ローラ
15 スライドテーブル支持台
16 ビード
17 第1ロードセル
18 第2ロードセル
N 押付荷重
F 摺動抵抗力
Claims (4)
- 鋼板に溶融亜鉛めっきを施し、さらに加熱処理により合金化し、調質圧延を施した後、酸性溶液に接触させ、保持し、水洗・乾燥を行うことによりめっき表面に酸化物層を形成する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法において、
前記酸性溶液中にAlイオンを含有し、酸性溶液として、pH緩衝作用を有し、かつ、1リットルの酸性溶液のpHを2.0から5.0まで上昇させるのに必要な1.0mol/l水酸化ナトリウム溶液の量(l)で定義するpH上昇度が0.05〜0.5の範囲にある酸性溶液を用いることを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 前記酸性溶液中に、Alの硫酸塩、硝酸塩、塩化物のうち、少なくとも1種類以上を、Alイオン濃度として0.1〜50g/lの範囲で含有することを特徴とする請求項1に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 前記酸性溶液として、酢酸塩、フタル酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩のうち、少なくとも1種類以上を、前記各成分含有量5〜50g/lの範囲で含有し、pHが0.5〜2.0、液温が20〜70℃の範囲にある酸性溶液を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 前記酸性溶液に接触させた後、鋼板表面に形成する酸性溶液膜が3g/m2以下であり、かつ液膜が形成された状態での保持時間が1〜30秒の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法.
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