JP4998265B2 - ガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法 - Google Patents

ガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板、特にディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板やフォトマスクとして使用されるガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法に関する。本発明の方法により、ディスプレイ用のガラス基板として使用されるガラス板の視認性を向上することができる。また、本発明の方法により、泡の存在によるフォトマスクの欠陥を解消することができる。
現在、ディスプレイ用ガラス基板、特に液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイといったフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、住宅、ビル等の建造物の窓ガラスまたは自動車、鉄道、航空機、船舶等、輸送機関の窓ガラス等、実に多くの分野の開口部材としてガラス板が用いられている。このようなガラス板は、フロート法、フュージョン法またはダウンドロー法を用いて溶融ガラスから成形される。また、一次成形されたガラス板をリドロー加工することによって得られる。
これらのガラス板の内部に存在する泡が視認性を妨げるため問題となっている。例えば、ディスプレイ用のガラス基板には、厚さ3mm以下の薄板ガラスが用いられているが、薄板ガラス中に一定以上の大きさの泡が存在していると、ディスプレイの画面上に白抜けが生じ、ディスプレイの視認性を妨げる。また、フォトマスクとして厚さ7mm以下のガラス板が用いられているが、ガラス板中に一定以上の大きさの泡が存在している場合、該フォトマスクの欠陥となる。
原料バッチを溶融過程でガラス化する際にCO2、H2O、O2、SO2などのガスを放出し、このガスの一部は溶融ガラス中に泡として存在する。ガラス板に成形する際、溶融ガラス中に存在する泡は、水平方向に引き伸ばされて楕円形状となる。楕円形状の泡は、引き伸ばされる前の球状の泡と比べると泡の最大径が大きくなるため、ガラス板の視認性に特に悪影響をおよぼす。
従来、ガラス板の内部に存在する泡の量を低減するため、溶解槽の構造やその内部の攪拌機構の改良、泡の発生や成長を抑制するガラス組成の選択、または泡の発生や成長を抑制する微量添加物の添加などの方法が実施されている。しかしながら、これらの方法により、ガラス板の内部に存在する泡の量を低減させることはできても、泡の量を限りなく0にすることは困難であった。また、装置の改良やガラス組成変更には、実に多くの検討課題があり、その分ガラス板の製造コストに反映される。また、これらの方法の実施により、ガラスの製造が妨げられるなどの不都合が生じていた。
特許文献1には、フォトマスク用ガラスに存在する微少欠陥を除去した後に、該欠陥が存在した位置にガラス小片と液状硬化性樹脂を充填することを特徴とするフォトマスク用ガラスの欠陥修復方法が開示されている。しかしながら、この方法は、微少欠陥をドリル等で削り取った位置にガラス小片と液状硬化性樹脂を充填するため操作が面倒である。例えば、ドリルで削り取った位置を充填するために、所望の大きさのガラス小片を準備する必要がある。また、ガラス小片と液状硬化性樹脂を充填した後、所望の平坦度を達成するため、フォトマスク表面の研磨操作が必要となる。これらの問題は、ガラス薄板の厚さ方向の中心付近に存在する欠点を修復する場合、特に顕著となる。さらにまた、ガラス小片および液状硬化性樹脂を充填した部分と、他の部分の光学特性を完全に一致させることは困難であり、ガラス小片および液状硬化性樹脂を充填した部分が新たな欠陥となるおそれがある。
特開平10−239828号公報
本発明は、上記のような課題を解決するべく提案されたものであり、ガラス板、特にディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板やフォトマスクとして使用されるガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する新規な方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、ガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法であって、
前記ガラス板の内部に存在する泡の近傍に向けて光源から光線を照射し、前記泡の近傍のガラスの温度を該ガラスの軟化点以上にすることにより、前記泡の最大径を縮小することを特徴とするガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法を提供する。
前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部に存在する泡の最大径が400μm以下であることが好ましい。
前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部に存在する泡の最大径が20μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の方法において、前記光線がレーザ光線であることが好ましい。
前記レーザ光線は、波長が0.1〜11μmであり、前記ガラス板の表面における該光線の最大径が0.02〜5mmであることが好ましい。
前記レーザ光線は、CO2レーザ光線、YAGレーザ光線、半導体レーザ光線、希土類ドープファイバレーザ光線およびYVO4レーザ光線からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
本発明の方法において、前記ガラス板の表面における前記光線の最大径Dが4mm未満である場合、前記泡と前記ガラスとの境界面から前記光線の光軸までの最短距離Sが、0≦S≦2mmを満たすように前記光線を照射することが好ましい。
本発明の方法において、前記ガラス板の表面における前記光線の最大径Dが4mm以上である場合、前記泡と前記ガラスとの境界面から前記光線の光軸までの最短距離Sが、0≦S≦0.5Dを満たすように前記光線を照射することが好ましい。
本発明の方法では、前記光線の照射前において、前記ガラス板の内部に存在する下記式(1)を満足する泡の50%以上が下記式(2)を満足することが好ましい。
1>400μm (1)
1≧2d2 (2)
式中、d1およびd2は、それぞれガラス板の内部に存在する泡をガラス板表面の法線方向に投影した形状における長径および短径を表す。
本発明の方法では、前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部に存在する下記式(3)を満足する泡の5%以上が下記式(4)を満足することが好ましい。
50μm≦d1≦400μm (3)
1≦1.5d2 (4)
式中、d1およびd2は、それぞれガラス板の内部に存在する泡をガラス板表面の法線方向に投影した形状における長径および短径を表す。
本発明の方法では、前記光線の照射前において、前記ガラス板の内部に存在する泡の数をNA、該泡のうち下記式(5)を満たす泡の数をNBとし、
前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部に存在する泡の数をNC、該泡のうち下記式(5)を満たす泡の数をNDとした場合、これらが下記式(6)を満足することが好ましい。
1≦1.5d2 (5)
B/NA < ND/NC (6)
式中、d1およびd2は、それぞれガラス板の内部に存在する泡をガラス板表面の法線方向に投影した形状における長径および短径を表す。
また、本発明の方法では、前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部の泡を実質的に消滅させることもできる。
本発明の方法によれば、ガラス板、特にディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板やフォトマスクとして使用されるガラス板の内部に存在する泡の径を該ガラス板の視認性を妨げない程度まで縮小することができる。
本発明の方法を用いることで、白抜けが低減された、視認性に優れたディスプレイ用ガラス基板を得ることができる。
また、本発明の方法を用いることで、泡の存在による欠陥が解消されたフォトマスクを得ることができる。
本発明の方法は、泡近傍のガラスの温度を局所的に軟化点以上に上昇させることによって泡の径を縮小するため、ガラス板自体の形状を損なうことがない。このため、処理後のガラス板に新たな欠陥が生じるおそれが低減されている。
また、本発明の方法は、光源からの光線を泡近傍に局所的に照射することのみで、泡の径を縮小することができるため、従来の方法に比べて工数が少なくてすみ、かつ操作が容易である。
また、本発明の方法によれば、ガラス板の内部に存在する泡を実質的に消滅させることもできる。
図1は、フロートガラスの泡が残留する部分を示した平面図である。 図2は、実施例1において、CO2レーザ光線を照射前の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率450倍)である。 図3は、実施例1において、CO2レーザ光線を照射した後の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率450倍)である。 図4は、実施例2において、CO2レーザ光線を照射前の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率450倍)である。 図5は、実施例2において、CO2レーザ光線を照射した後の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率450倍)である。 図6は、実施例3において、YVO4レーザ光線を照射前の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率500倍)である。 図7は、実施例3において、YVO4レーザ光線を照射した後の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率500倍)である。 図8は、実施例4において、CO2レーザ光線を照射前の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率20倍)である。 図9は、実施例4において、CO2レーザ光線を照射した後の泡をガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真(倍率20倍)である。
符号の説明
1:泡、
2:泡近傍
10:フロートガラス板
以下、図面を参照して本発明の方法についてさらに説明する。
本発明の方法は、ガラス板、特にディスプレイ用ガラス基板(例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板)やフォトマスクとして使用される厚さ7mm以下のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小することを目的とする。
図1は、ガラス板内部に存在する泡を模式的に示した図であり、泡はガラス板表面の法線方向に投影した形状で示されている。図1から明らかなように、ガラス板10の内部に存在する泡1は、ガラス板10の成形時に水平方向に引き伸ばされて楕円形状(正確には楕円球形状)をなしている。フロート法で成形されるガラス板10を例にとると、泡2の長径d1および短径d2の関係は以下のようになる。
1/d2=1.5〜10
これらの関係から明らかなように、ガラス板10の内部に存在する泡1の径で問題となるのは、泡1の最大径、すなわち楕円形状をした泡1の長径d1である。本明細書において、泡1の最大径と言った場合長径d1を意味する。
なお、フュージョン法もしくはダウンドロー法といった他の製法で成形されるガラス板、または一次成形されたガラス板をリドロー加工することによって得られるガラス板においても、ガラス板の内部に存在する泡は、ガラス板の成形時に水平方向に引き伸ばされて楕円形状になることが多い。
本発明の方法では、ガラス板10の内部に存在する泡1の近傍2に光源から光線を照射する。具体的には、ガラス板10の表面における光線の最大径をD、泡1とガラスとの境界面から光線の光軸までの最短距離をSとした場合、これらが以下の関係を満たすように光線を照射することが好ましい。
0≦S≦2mm(Dが4mm未満の場合)
0≦S≦0.5D(Dが4mm以上の場合)
なお、上記の式において、S=0には、光線の光軸が泡1の内部に位置する場合も含まれる。すなわち、本発明の方法で泡1の近傍2に光線を照射すると言った場合、泡1の近傍2のガラスに光線を照射することと、泡1の内部に光線を照射することの両方を意味する。
このような範囲に光線を照射することによって、泡の最大径を縮小する作用が好ましく発揮される。なお、本発明の方法において、泡の最大径が縮小する原理については後で詳述する。
光線を照射されたガラス板10の部位は、光線を吸収することによって温度が上昇する。本発明の方法では、泡1近傍2のガラスの温度が軟化点以上になるように光線を照射する。軟化点とは、リトルトンによって考案された測定法によって定義される温度であり、ガラスの粘度がlog10ηで7.65となる温度を指す。したがって、本発明の方法では、泡1近傍2のガラスの粘度がlog10ηで7.65以下、好ましくは7以下、より好ましくは3〜6になるように光線を照射することが好ましい。
なお、上記において、光線を照射されるガラス板10の部位と、ガラスの温度が軟化点以上に上昇する泡1近傍2のガラスとは、完全に一致する必要はない。すなわち、本発明の方法では、上記した式を満足する位置に光線を照射することによって、泡1近傍2のガラス、より具体的には、泡1との境界面付近のガラスの温度が軟化点以上に上昇すればよい。
泡1を縮小させるためには、ガラスの粘性が低いほうが、ガラスが短時間で流動するため好ましい。但し、ガラスの粘度をlog10ηで3未満とするには、泡1との境界面付近のガラスに非常に大きなエネルギーを加える必要があり、本発明の方法に使用する装置の構成上好ましくない。また、このような大きなエネルギーを加えた場合、泡1との境界面付近以外のガラスも余計に加熱されることになり、ガラス板10に不必要な変形や残留応力が生じるおそれがある。
本発明の方法では、泡1近傍2に上記の条件を満たすように光線を照射することによって泡1の最大径を所望の大きさ以下、好ましくは400μm以下に縮小することができる。泡1の最大径を縮小する原理として以下の3通りの原理が考えられる。
第1の原理として、泡1近傍2のガラス、より具体的には、泡1との境界面付近のガラスの温度が軟化点以上に上昇することによって、泡1との境界面付近のガラスが流動性を持つようになる。この際、ガラス板10の内部に存在する泡1の界面における圧力が均一になるように、泡1の形状が楕円形状から球状に変化する。泡1の形状が球状に変化することによって、泡1の最大径が楕円形状時に比べて縮小される。
ガラス板10の内部に存在する泡1は、ガラス板10の成形時に水平方向に引き伸ばされて楕円形状をなしている。例えば、フロート法で成形されるガラス板10を例にとると、泡1の長径d1と短径d2との比(d1/d2)が1.5〜10程度である。この比(d1/d2)は、泡1の長径d1が大きくなるほど高くなる傾向がある。長径d1が50μm程度の泡1の場合、d1/d2が1.5以上であるのに対して、長径d1が400μmを超える泡1の場合、d1/d2が2以上であることが多い。
本発明の方法によれば、泡1の形状を楕円形状から球状に変化させることによって、比(d1/d2)を1.5以下、好ましくは1.2以下、より好ましくはほぼ1程度にすることができる。これにより、泡1の最大径を縮小することができる。最大径d1=500μm、d1/d2=3.5の泡を例にとると、泡の形状を楕円形状から球状に変化させることによって、最大径d1=250μm、d1/d2=1.1程度まで泡の最大径を縮小することができる。
第2の原理として、泡1がガラス板10の表面付近に存在する場合、泡1近傍2からガラス板10表面にわたる領域のガラスの温度が軟化点以上に上昇し、この領域のガラスが流動性を持つようになる。これによって、泡1がガラス板10の表面へと浮上する。ガラス板10の表面に達した泡1は破泡して消滅する。すなわち、この原理ではガラス板10の表面付近の泡1は実質的に消滅するため、ガラス板10内部の泡1の最大径はゼロである。
第3の原理として、泡1近傍2、より具体的には、泡1との境界面付近のガラスの温度が軟化点以上に上昇することによって、泡1との境界面付近のガラスが膨張する。泡1との境界面付近のガラスの膨張によって、泡1が押し潰されて泡1の体積が減少する。これにより泡1の最大径が縮小する。泡1近傍2のガラスの温度が上昇した際、泡1も膨張しようとするが、気体である泡1の膨張力は、ガラスの膨張力に比べてはるかに弱い。結果的に近傍2のガラスの膨張によって泡1の体積が減少するので、泡1の最大径が縮小する。
本発明の方法によれば、上記した3通りの原理のいずれか、またはこれらの組み合わせにより、ガラス板10内部に存在する泡1の最大径を所望の大きさ以下に縮小することができる。泡1の最大径は400μm以下に縮小することが好ましく、250μm以下に縮小することがより好ましく、100μm以下に縮小されることがさらに好ましい。フォトマスクとして使用されるガラス板10の場合、内部に存在する泡1の最大径は50μm以下に縮小されることが好ましく、20μm以下に縮小されることがより好ましい。
以上、本発明の方法に関して、ガラス板10内部に存在する1つの泡1に着目して説明した。しかしながら、ガラス板10内部には通常複数の泡が存在する。本発明の方法は、これらガラス板10内部に存在する複数の泡1の最大径を縮小することができる。
上記したように、フロート法で成形されるガラス板10の泡1(d1>400μm)の場合、d1/d2が2以上であることが多い。具体的には、ガラス板内部に存在するd1>400μmである泡の数Nのうち、下記式(2)を満足する泡の数Nの割合N/Nは50%以上である。また、50μm≦d1≦400μm且つd1>1.5d2を満足する泡の数Nに対する、d1>400μmである泡の数Nの比率N/Nは、おおむねN/N≧10%の関係にある。
1≧2d2 (2)
本発明の方法によれば、ガラス板10内部に存在する泡1の最大径を縮小して、比(d1/d2)を1.5以下にすることができる。すなわち、本発明の実施後において、ガラス板10内部に存在する50μm≦d1≦400μmを満足する泡1の数を分母とし、且つ本発明の実施前に上記式(2)を満足し本発明の実施後に下記式(4)を満足する泡の数を分子とするとき、その割合は数式N/(N+N)で表され、その値は5%以上である。
1≦1.5d2 (4)
したがって、本発明の方法の実施前後において、ガラス板10内部に存在する泡1は下記式(6)を満足する。
B/NA < ND/NC (6)
A:光線照射前におけるガラス板の内部に存在する泡の数
B:該泡のうち上記式(4)を満たす泡の数
C:光線照射後におけるガラス板の内部に存在する泡の数
D:該泡のうち上記式(4)を満たす泡の数
本発明の方法で使用する光線は、光線が照射された泡1近傍2のガラスの温度を軟化点以上に上昇させることができるものである限り特に限定されない。したがって、ガラス板10に吸収される波長領域の光線を発生する高強度のランプであってもよい。但し、特定の波長を選択的に照射することができ、かつ光線を局所的に、しかも高いエネルギー密度で照射するのに好都合であることからレーザ光源が好ましい。
レーザ光源としては、CO2レーザ光線、YAGレーザ光線、半導体レーザ光線、希土類ドープファイバレーザ光線およびYVO4レーザ光線からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。これらのレーザ光線は単独で使用してもよいし、複数のレーザ光線を組み合わせて使用してもよい。但し、一般的に広く使用されており、かつ高強度の光源が得られることから、CO2レーザ、YAGレーザまたはYVO4レーザが好ましい。
CO2レーザでは、発振波長10.6μmの光線が最も一般的である。この波長領域の光線を照射した場合、ガラス板10にほとんど吸収されて、ガラス板10の光線を照射した部位の温度を上昇させる。したがって、CO2レーザ光源を使用する場合、レンズ等を用いて泡1近傍2に光線を集光させればよい。
一方、YAGレーザ、およびYVO4レーザでは、基本波長である1064nmの光線以外に、その高調波である532nm、355nmおよび266nmの光線も用いることができる。
但し、発振波長によってはガラスに対する透過率が高く、ガラス板10にほとんど吸収されない光線もある。例えば、発振波長1064nmの光線はガラス板10にほとんど吸収されない。このような波長の光線を使用する場合、泡近傍に光線を吸収する照射目標を形成しておき、この照射目標に対して光線を集光させる必要がある。このような照射目標を形成する方法としては、例えば紫外線、γ線またはX線を泡1近傍2に照射して色中心を形成する方法がある。色中心は、これらの光線照射によってガラス板10の内部に生じる局所的な構造欠陥である。同様の局所的な構造欠陥は、例えば高強度のパルスレーザ(パルス幅が100フェムト秒〜200ナノ秒)を照射することによっても形成することができる。パルスレーザは1パルスあたりのパワーが大きいため、これを集光することで、焦点近傍で非常に大きなピークパワー密度を生み出すことができる。ピークパワー密度が高いと、レーザ光に対する光吸収がなくても多光子吸収と呼ばれる現象で光吸収を誘起することができ、集光点近傍のガラスに瞬間的に大きなエネルギーを与えることができる。
このエネルギーによりガラスに局所的な構造欠陥が形成される。
なお、色中心を形成する場合、ガラス板10の視認性に影響を及ばさないように留意する必要がある。形成させた色中心は、その後レーザ光を集光させて色中心およびその周囲のガラスを軟化点以上に加熱される。これによって色中心は消失する。しかしながら、色中心が小さいほうが軟化点以上に加熱する部分を小さくすることができるので好ましい。
このため、最大径が400μm以下の色中心を形成することが好ましい。また、色中心を形成する部位は、エネルギー利用の観点から、泡1近傍2、すなわち、下記式を満足する部位に形成することが好ましい。
0≦S≦2mm(Dが4mm未満の場合)
0≦S≦0.5D(Dが4mm以上の場合)
なお、SおよびDは前記定義と同様である。
本発明の方法において、使用する光源の強度は、ガラス板の内部に存在する泡の大きさ、ガラス板の厚み、ガラス板を構成するガラスの組成、使用する光源の種類(ランプ若しくはレーザ光源、レーザの場合、発振波長、発振形態など)等に応じて適宜選択することができる。泡の最大径を縮小する効果という点では、光源の強度は高いほうが好ましい。
但し、極端に高強度の光源を使用した場合、ガラス板の形状や光学特性に悪影響をおよぼす場合がある。本発明の方法でレーザ光源を使用する場合、平均出力が0.1W〜100Wのレーザ光源を使用することが好ましく、より好ましくは0.5W〜50Wであり、1W〜30Wであることがさらに好ましい。なお、光源の強度の好適範囲は、使用するレーザ光源の種類によっても異なる。例えば、CO2レーザの場合、発振波長のほとんどがガラスに吸収されるため、レーザ光がガラスの加熱に効率的に利用される。そのため、平均出力が0.1W〜50Wのレーザ光源を使用することが好ましく、より好ましくは0.5W〜30Wであり、1W〜20Wであることがさらに好ましい。YAGレーザまたはYVO4レーザの場合、発振波長によってはレーザ光がガラスにほとんど吸収されないので、泡近傍に色中心のような照射目標を形成する必要があり、レーザ光がガラスの加熱に比較的利用されにくい。そのため、平均出力が1W〜100Wのレーザ光源を使用することが好ましく、より好ましくは2W〜50Wであり、5W〜30Wであることがさらに好ましい。
レーザ光源の場合、発振形態も特に限定されず、連続発振光(CW光)またはパルス発振光のいずれであってもよい。また、連続光のレーザ光源を使用する場合、ガラス板のレーザ光線を照射した部位の温度が過度に上昇することを防止するために、例えば、0.1秒照射した後、0.05秒照射を停止するといった照射サイクルでレーザ光線を断続的に照射してもよい。
光線の照射時間も泡のある位置や、大きさ、ガラス板のガラス組成等に応じて適宜選択することができる。また、光線の照射は複数回に分けて実施してもよい。例えば、泡の最大径が数mmの場合、一度の照射で泡の最大径を所望の大きさ以下、例えば、400μm以下にすることは困難である。このような場合、照射部位を移動させつつ複数回に分けて照射してもよい。
本発明の方法では、高強度の光源からガラス板に光線を照射するため、光線照射によるガラス板への影響を留意する必要がある。第1に、CO2レーザ光線のように、ガラスにほとんど吸収される波長領域の光線を使用した場合、ガラス板の表面付近でCO2レーザ光線の大半が吸収される。この結果、ガラス板の表面付近の温度が上昇する。この温度上昇によって表面付近のガラスが膨張し、ガラス板表面に局所的な隆起形状が生じる場合がある。ガラス板表面に隆起形状が生じた場合、ガラス板の外観や光学特性に悪影響を及ぼす恐れがある。
第2に、ガラス板の光線を集光させた部位では、密度変化やガラスの網目構造の変化が誘起される。この変化によってガラス板の内部に局所的に残留応力や複屈折性が発現する恐れがある。ガラス板の内部に局所的な残留応力や複屈折性が発現すると、ガラス板の光学特性に悪影響を及ぼす場合もある。
したがって、本発明の方法を実施する際には、上記したガラス板表面の隆起形状、またはガラス板内部における局所的な残留応力若しくは複屈折性といった問題が発生しないように、またはできるだけ軽微になるように、光線の照射条件(光源の強度、波長、照射時間、照射部位等)を選択する必要がある。
例えば、光線を集光させた部位における密度変化やガラスの網目構造の変化は、光線を照射することによってガラスの温度が急激に上昇し、その後光線の照射を終了した際にガラスの温度が急激に低下することによって生じるため、光線終了時のガラスの急激な温度低下が起こらないように光線の強度を徐々に弱くしながら照射することによって、問題が発生しないようにすることができる。
また、ガラス板表面の隆起形状についても、隆起形状が生じる位置をガラス板の使用上問題ない位置になるように光線を照射する位置を選択することによって問題が発生しないようにすることができる。例えば、ディスプレイ用のガラス基板として使用される場合、筐体に収容される端部に相当する位置であれば、隆起形状が生じてもよく、フォトマスクとして使用する場合、フォトマスクの裏面側であれば、隆起形状が生じてもよい。
また、上記した問題は、後処理によって解消することもできる。例えば、ガラス板表面に生じた隆起形状は、ガラス板表面を研磨することによって除去できる。一方、光線を集光させた部位における密度変化やガラスの網目構造の変化は、光線照射後のガラス板を電気炉などで徐々に加熱し、その後徐冷することで解消することができる。
本発明の方法において、光線を照射することによって軟化点以上に温度を上昇させることができ、かつ温度が軟化点以上に上昇させた際に、上記した3つの原理のいずれかによって泡の最大径を縮小できるものである限り、ガラス板を構成するガラス材料は特に限定されない。したがって、本発明の方法はほとんど全てのガラス材料に適用可能である。
本発明の方法は、ガラス板の内部に存在する泡の最大径を所望の大きさ以下、好ましくは400μmに低減するものであるため、視認性が問題となる用途のガラス板に広く適用することができる。中でも、残留する泡が視認性に特に影響する用途のガラス板、具体的には、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイといったフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、特にこれらのフラットパネルディスプレイにおいて、視認者側に使用されるガラス基板として使用されるガラス板が挙げられる。また、自動車、鉄道、航空機、船舶等、輸送機関の窓ガラスとして使用されるガラス板が挙げられる。また、一定以上の大きさの泡が存在している場合、それが欠陥となるフォトマスク用のガラス板が挙げられる。
なお、これらのガラス板は、フロート法、フュージョン法またはダウンドロー法を用いて溶融ガラスから成形される。また、一次成形されたガラス板をリドロー加工することによって得られる。
また、あらかじめ泡が円形(球形)に近くなるような方法で製造したガラスに対して本発明の方法を適用してもよい。「泡が円形に近くなるような方法」とは、溶融ガラスリボンの粘度がlog10η≦5の状態で、所定の板厚t(0.3〜1.1mm)の1.0〜1.5倍の板厚に成形した後、溶融ガラスの粘度が5<log10η≦7の状態で所定の板厚に成形する方法である。
前記方法をより具体的に説明すると、フロート板ガラス製造方法において、溶融ガラスリボンの粘度がlog10η≦5の状態において、溶融金属上の溶融ガラスリボンが表面張力により縮まろうとする力を溶融ガラスリボンの両側エッジ部において保持しながらレヤー(徐冷炉)方向に引っ張ることにより、所定の板厚t(0.3〜1.1mm)の1.0〜1.5倍の板厚に成形し、その後、溶融ガラスの粘度が5<log10η≦7の状態で引き続き前記両側エッジ部を保持しながらレヤー方向に引っ張り所定の板厚tに成形する方法である。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
(実施例1)
内部に泡が存在するガラス板を用意した。ガラス板は、12cm×12cmの液晶ディスプレイ用ガラス基板(商品名AN100、旭硝子株式会社製、軟化点950℃)であり、厚さは0.5mmであった。図2は、ガラス板の内部に存在する泡を、ガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真である。この泡の最大径d1は514μmであり、d1/d2=3.7であった(楕円形状の短径d2=140μm)。ガラス板の泡近傍に集光するように、CO2レーザ光源から光線を以下の条件で照射して、泡近傍のガラスの温度を950℃以上とした。
光線形態:連続発振光(CW光)
ガラス板表面における光線の最大径:約3mm
平均出力:約3W
照射時間:30秒
その結果、図3に示すように、泡の形状が楕円形状から球状へと変化した。図3に示す泡の最大径d1は267μmであり、d1/d2=1.1(短径d2=236μm)であった。したがって、本発明の方法により、泡の最大径が約50%縮小されたことが確認された。
(実施例2)
内部に泡が存在するガラス板を用意した。ガラス板は、12cm×12cmの液晶ディスプレイ用ガラス基板(商品名AN100、旭硝子株式会社製、軟化点950℃)であり、厚さは0.5mmであった。図4は、ガラス板の内部に存在する泡を、ガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真である。この泡の最大径d1は591μmであり、d1/d2=4.7であった(楕円形状の短径d2=127μm)。ガラス板の泡近傍に集光するように、CO2レーザ光源から光線を以下の条件で照射して、泡近傍のガラスの温度を950℃以上とした。
光線形態:連続発振光(CW光)
ガラス板表面における光線の最大径:約3mm
平均出力:約3W
照射時間:30秒
その結果、図5に示すように、ガラス板の内部の泡が消滅したことが確認された。
(実施例3)
内部に泡が存在するガラス板を用意した。ガラス板は、5cm×5cmのフォトマスク用ガラス基板(商品名AS、旭硝子株式会社製、軟化点740℃)であり厚さは5mmであった。図6は、ガラス板の内部に存在する泡を、ガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真であり、ガラス板の内部に存在する泡は、最大径d1は41μmであり、d1/d2=1.2であった(楕円形状の短径d2=35μm)。ガラス板の泡近傍に集光するように、YVO4レーザ光線を高強度のパルスレーザとして照射して、泡近傍のガラスの温度を740℃以上とした。YVO4レーザ光線の照射条件は具体的には以下の通りである。
波長:432nm
パルス幅:13ナノ秒
光線形態:パルス発振光
繰り返し周波数:50kHz
平均出力:20W
ガラス板表面における光線の最大径:0.4mm
照射時間:5秒
光線照射後、図7に示すように、泡の最大径d1が20μm以下に縮小されたことが確認された。
(実施例4)
内部に泡が存在するガラス板を用意した。ガラス板は、5cm×5cmのプラズマディスプレイ用ガラス基板(商品名PD200、旭硝子株式会社製、軟化点830℃)であり、厚さは2.8mmであった。図8は、ガラス板の内部に存在する泡を、ガラス板表面から撮影した光学顕微鏡写真である。この泡の最大径d1は630μmであり、d1/d2=2.3であった(楕円形状の短径d2=280μm)。ガラス板の泡近傍に集光するように、CO2レーザ光源から光線を以下の条件で照射して、泡近傍のガラスの温度を830℃以上とした。
光線形態:連続発振光(CW光)を断続的に照射(照射時間:50ミリ秒、停止時間:50ミリ秒、繰り返し周波数:10Hz)
ガラス板表面における光線の最大径:約2mm
平均出力:約14W
照射時間:40秒
その結果、図9に示すように、泡の形状が楕円形状から球状へと変化した。図9に示す泡の最大径d1は380μmであり、d1/d2=1.0(短径d2=366μm)であった。したがって、本発明の方法により、泡の最大径が約40%縮小されたことが確認された。
本発明の方法は、ガラス板、特にディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板やフォトマスクとして使用されるガラス板に適用でき、該ガラス板の内部に存在する泡の径を該ガラス板の視認性の妨げない程度まで縮小することができる。

なお、2005年4月15日に出願された日本特許出願2005−118193号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (12)

  1. ガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法であって、
    前記ガラス板の内部に存在する泡の近傍に向けて光源から光線を照射し、前記泡の近傍のガラスの温度を該ガラスの軟化点以上にすることにより、前記泡の最大径を縮小することを特徴とするガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  2. 前記光線の照射後において、前記ガラス板内部に存在する泡の最大径が400μm以下である請求項1に記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  3. 前記光線が、レーザ光線である請求項1または2に記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  4. 前記レーザ光線は、波長が0.1〜11μmであり、前記ガラス板の表面における該光線の最大径Dが0.02〜5mmである請求項3に記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  5. 前記レーザ光線は、CO2レーザ光線、YAGレーザ光線、半導体レーザ光線、希土類ドープファイバレーザ光線およびYVO4レーザ光線からなる群から選択される少なくとも1つである請求項3または4に記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  6. 前記ガラス板の表面における前記光線の最大径Dが4mm未満である場合、前記泡と前記ガラスとの境界面から前記光線の光軸までの最短距離Sが、0≦S≦2mmを満たすように前記光線を照射する請求項1ないし5のいずれかに記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  7. 前記ガラス板の表面における前記光線の最大径Dが4mm以上である場合、前記泡と前記ガラスとの境界面から前記光線の光軸までの最短距離Sが、0≦S≦0.5Dを満たすように前記光線を照射する請求項1ないし5のいずれかに記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  8. 前記光線の照射前において、前記ガラス板の内部に存在する下記式(1)を満足する泡の50%以上が下記式(2)を満足する請求項1ないし7のいずれかに記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
    1>400μm (1)
    1≧2d2 (2)
    式中、d1およびd2は、それぞれガラス板の内部に存在する泡をガラス板表面の法線方向に投影した形状における長径および短径を表す。
  9. 前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部に存在する下記式(3)を満足する泡の5%以上が下記式(4)を満足する請求項1ないし7のいずれかに記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
    50μm≦d1≦400μm (3)
    1≦1.5d2 (4)
    式中、d1およびd2は、それぞれガラス板の内部に存在する泡をガラス板表面の法線方向に投影した形状における長径および短径を表す。
  10. 前記光線の照射前において、前記ガラス板の内部に存在する泡の数をNA、該泡のうち下記式(5)を満たす泡の数をNBとし、
    前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部に存在する泡の数をNC、該泡のうち下記式(5)を満たす泡の数をNDとした場合、これらが下記式(6)を満足する請求項1ないし9のいずれかに記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
    1≦1.5d2 (5)
    B/NA < ND/NC (6)
    式中、d1およびd2は、それぞれガラス板の内部に存在する泡をガラス板表面の法線方向に投影した形状における長径および短径を表す。
  11. 前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部に存在する泡の最大径が20μm以下である請求項1ないし8、及び請求項10のいずれかに記載のガラス板の内部に存在する泡の径を縮小する方法。
  12. 前記光線の照射後において、前記ガラス板の内部の泡が実質的に消滅する請求項1ないし8、及び請求項10のいずれか記載のガラス板内部に存在する泡の径を縮小する方法。
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