JP4862550B2 - 溶融ガラスの泡消去方法およびガラス製造方法 - Google Patents

溶融ガラスの泡消去方法およびガラス製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス板、光学用ガラス材料、特にディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板や、フォトマスクとして使用されるガラス板、レンズや光フィルタ等の光部品用のガラス材、の内部に存在する泡を低減する方法に関する。
現在、ディスプレイ用ガラス基板、特に液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイといったフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、または住宅、ビル等の建造物の窓ガラスもしくは自動車、鉄道、航空機、船舶等、輸送機関の窓ガラス等、実に多くの分野の開口部材としてガラス板が用いられている。このようなガラス板は、フロート法、フュージョン法またはダウンドロー法を用いて溶融ガラスから成形される。また、一次成形されたガラス板をリドロー加工することによって得られる。
さらに、小型カメラや各種センサの受光部にガラスレンズやフィルタなどの光部品が用いられている。
これらのガラス板の内部に存在する泡が視認性を妨げるため問題となっている。例えば、ディスプレイ用のガラス基板には、厚さ3mm以下の薄板ガラスが用いられているが、薄板ガラス中に一定以上の大きさの泡が存在していると、ディスプレイの画面上に白抜けが生じ、ディスプレイの視認性を妨げる。また、フォトマスクとして厚さ7mm以下のガラス板が用いられているが、ガラス板中に一定以上の大きさの泡が存在している場合、該フォトマスクの欠陥となる。
また、光部品の分野においても、泡欠点が存在すれば透過する光が乱されて、カメラであれば画像の品質を低下させ、センサであれば誤作動の原因となる。
ガラス基板はガラス原材料を高温で溶融し、溶融ガラスを十分に混合した後、溶融ガラスを平板形状に成形し、冷却することにより製造されているが、原材料の溶融過程でガラス化する際に、CO2、H2O、O2、SO2などのガスを放出し、このガスの一部は溶融ガラス中に泡として存在する。
従来、ガラス板の内部に存在する泡の量を低減するため、泡の発生や成長を抑制するガラス組成の選択、溶解槽の構造の改良、溶解槽への清澄剤の投入、溶融ガラスの攪拌またはバブリング(特開2004−91307号公報、特開平11−349335号公報参照)などの方法で泡の除去を行ってきた。しかしながら、これらの方法により、ガラス板の内部に存在する泡の量を低減させることはできても、泡の量を限りなく0にすることは困難であり、特に、泡径の小さな泡については、十分な浮上速度が得られず清澄が困難であった。また、装置の改良やガラス組成変更には、実に多くの検討課題があり、その分ガラスの製造コストに反映される。
特開2004−91307号公報 特開平11−349335号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ガラス板、特にディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板やフォトマスクとして使用されるガラス板、レンズや光フィルタ等の光部品用のガラス材、の溶融プロセスにおいて、溶融ガラス内部に存在する泡を消去する新規な方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、溶融ガラスの内部に存在する内部泡の消去方法であって、前記内部泡に向けて、波長が20〜100nmである少なくとも1つのレーザ光線を集光光学系によって集光し、前記内部泡を消去し、前記溶融ガラスの粘性が、1〜10000ポアズであり、前記内部泡が、溶融ガラス液面より深さ0.1〜500mm以内に存在する、溶融ガラスの泡消去方法を提供する。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の溶融ガラスの泡消去方法であって、前記レーザ光線の光軸と前記内部泡の中心との距離が100ミクロン以下であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の溶融ガラスの泡消去方法であって、前記集光光学系の開口数(NA)が0.001〜0.6であり、溶融ガラス表面におけるレーザ光線の断面積が0.2〜8000mmであり、レーザ光線の波長をλとしたときレーザ光線の光軸とが最も近い光軸の位置におけるレーザ光線の断面積が、3×λ〜117×λ/NAであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法であって、前記レーザ光線の焦点における前記レーザ光線の実効のパワー密度が50000〜1×1013W/mmであることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法であって、前記レーザ光線は、平均パワーが0.1〜10000W、照射時間が0.001秒〜20秒であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法であって、溶融ガラス中の内部泡を検出し、検出された前記内部泡に向けてレーザ光線を集光することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、ガラス原材料を溶融し、溶融ガラスを混合した際に残留する内部泡を請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法で消去した後、溶融ガラスを成形、固化することを特徴とするガラスの製造方法を提供する。
請求項に記載の発明は、溶融ガラスを連続的に供給してガラス板を製造する製造プロセス中で、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により溶融ガラスの内部泡の消去を行う工程を含むことを特徴とするガラスの製造方法を提供する。
本発明の方法によれば、ガラス板、ディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板やフォトマスクとして使用されるガラス板、レンズや光フィルタ等の光部品用のガラス材、の溶融プロセスにおいて、溶融ガラス内部に存在する泡を消去することができる。ディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板においては、白抜けが低減された、視認性に優れたディスプレイ用ガラス基板等を得ることができる。
また、本発明の方法は、溶融状態において泡または泡近傍のガラスの温度を局所的に高温にすることによって泡を消滅するため、処理後のガラス板に新たな欠陥が生じるおそれがない。
以下、図面を参照して本発明の方法についてさらに詳説する。
本発明の方法は、ガラス板、特にディスプレイ用ガラス基板、特にフラットパネルディスプレイ用ガラス基板やフォトマスクとして使用されるガラス板、レンズや光フィルタ等の光部品用のガラス材の溶融プロセスにおいて、溶融ガラス内部に存在する内部泡を消去することを目的とする。
図1は、溶融ガラス1中に存在する内部泡2に対し、レーザ光線3を集光して照射したときの状態を模式的に示した図である。図1に示すとおり、溶融ガラス1の内部に存在する内部泡2はほぼ球形であり、内部泡2に向かって溶融ガラス1の外側からレーザ光線3を照射する。具体的には、内部泡2または内部泡2の近傍でレーザ光線3が集光するように照射する。レーザ光線3の集光には例えば、凸レンズや凹面ミラー、各種レンズやミラーを組み合わせた集光光学系6(対物レンズ、反射対物レンズなど)を用いることができる。なお、本発明の方法において、内部泡2が消去する原理については後で詳述する。
レーザ光を照射する際の溶融ガラス1の粘性は、0.01〜10000ポアズであることが好ましい。溶融ガラス1の粘性を0.01ポアズより低くするためには、溶融ガラス1を高温にする必要があり、設備負荷が重くなり好ましくない。溶融ガラス1の粘性が10000ポアズより高いとレーザ照射部の溶融ガラス1の均質性が損なわれる恐れがあり好ましくない。好ましくは1〜5000ポアズ、より好ましくは2〜2000ポアズでレーザ光線3を照射する。
レーザ光線3の波長は、200〜1700nmであることが好ましい。レーザ光線3の波長が200nmよりも短いと、レーザ光線3が溶融ガラス1の液面でほとんど吸収されてしまい、内部泡2または内部泡2の近傍にレーザ光線3を照射できないので好ましくない。また、1700nmよりも長いと、適切な性能のレーザ装置の調達が困難であり好ましくない。好ましくは250〜1600nm、より好ましくは350〜1100nmでレーザ光線3を照射する。
レーザ光線3の光軸5と内部泡2の中心との距離Lは100ミクロン以下であることが好ましい。距離Lが100ミクロンより大であると、本発明の作用が好ましく発揮されない恐れがある。好ましくは50ミクロン以下、より好ましくは20ミクロン以下である。前記距離Lが0ミクロンの場合は、レーザ光線3の光軸5が内部泡1の内部に位置することになる。すなわち、本発明の方法で内部泡2または内部泡2の近傍にレーザ光線3を照射すると言った場合、内部泡2の近傍の溶融ガラス1にレーザ光線3を照射することと、内部泡2の内部にレーザ光線3を照射することの両方を意味する。
集光光学系の開口数(NA)は0.001〜0.6であることが好ましい。NAが0.001より小さいと、焦点において実現される最小のレーザビーム径を小さくすることができず、0.6よりも大きいと、集光光学系6と溶融ガラス1との距離が近くなりすぎて、集光光学系6が熱で破損してしまう恐れがあり好ましくない。また、大きな径のレーザ光線3を集光光学系6に入射する必要があり、レンズやミラーも大きくする必要があり多大な費用を要するため好ましくない。好ましくは0.005〜0.5、より好ましくは0.01〜0.4である。
レーザ光線3の溶融ガラス液面4における断面積S3は、0.2〜8000mmであることが好ましい。レーザ光線3の断面積S3が0.2mmよりも小さいと、溶融ガラス液面4でレーザ光線3が強く吸収されてしまい内部にまで照射できない恐れがあり、8000mmよりも大きいと、大きな径のレーザビームを集光光学系6に入射する必要があり、レンズやミラーも大きくする必要があり多大な費用を要するため好ましくない。好ましくは0.8〜80mm、より好ましくは1.8〜20mmである。
集光光学系6の開口数(NA)を0.05〜0.6、溶融ガラス液面4におけるレーザ光線3の直径を0.5〜100mmとし、レーザ光線の波長をλとしたとき、レーザ光線3の光軸5と内部泡2の中心とが最も近い光軸5の位置におけるレーザ光線3の断面積S5が3×λ〜117×λ/NAであることがより好ましい。断面積S5が3×λより小さいと、レーザ光線3をほぼ回折限界にまで集光させなくてはならず、品質のよいレーザ光源と精度が高くしかもNAの大きな集光光学系6が必要であり、技術・コスト的に実現困難である。断面積S5が117×λ/NA以上より大きいと、内部泡2消去に必要な物理変化を起こさせることが困難である。レーザ光線3の断面積S5が好ましくは3.2×λ〜59×λ/NA、より好ましくは3.5×λ〜12×λ/NAである。
本発明の方法では、溶融ガラス液面4より内部泡の最上部までの深さDが0.1〜500mm以内である内部泡3を消去できる。深さDが0.1mmより浅いと、溶融ガラス1の表面でもレーザ光線3による加熱が起き、後述する泡消去の現象を起こすことができないので好ましくない。また、溶融ガラス液面4より深さDが500mmよりも深いと、開口数の大きな集光光学系6を使う場合、光学系に入射するレーザ光線3の直径を大きくしなければならず、必要な集光レンズや集光ミラーも大きなものを作らなければならないので技術的難易度が高く、またコスト増加に繋がるため好ましくない。内部泡の深さDは、溶融ガラス液面4から好ましくは0.5〜300mm、より好ましくは1〜200mmである。
レーザ光線3の焦点における実効のパワー密度(連続発振レーザの場合はパワー/光線断面積、パルスレーザの場合では1パルスエネルギー/パルス幅/光線断面積)が50000〜1×1013W/mmとなるようにレーザ光線3を照射する。実効のパワー密度が50000W/mmより小さいと、内部泡2の消去に必要な物理変化を起こさせることができないため好ましくない。また、実効のパワー密度が1013W/mmより大きいと、溶融ガラス1の表面でも実効のパワー密度が大きくなりすぎて、溶融ガラス液面4でレーザ光線3による加熱が起こってしまい、溶融ガラス1の内部に集光することができなくなったり、集光点において溶融ガラス1が急激に変化して相分離を引き起こし、異質なガラス素地が形成され、ガラスの脈利欠点になる恐れがあるため好ましくない。
レーザ光線3の平均パワーが0.1〜10000W、照射時間が0.001秒〜20秒となるようにレーザ光線を照射する。但し、平均パワーは溶融ガラスに照射される1秒あたりのエネルギーである。平均パワーが0.1Wより小さいと、泡消去に必要な物理変化を起こさせることができないため好ましくない。また、平均パワーが10000Wより大きいと、レーザ装置が大掛かりになり、またレーザ光線3を集光する光学系が耐久性を必要とするため、装置が高価になり好ましくない。レーザ光線3の平均パワーは、好ましくは0.2〜1000W、より好ましくは0.3〜500Wである。また、レーザ光線3の照射時間が0.001秒よりも短いと内部泡2近傍の溶融ガラス1が十分に加熱されず内部泡2を消去することが困難になるため好ましくない。レーザ光線3の照射時間が20秒より長いと時間あたり消去できる内部泡2の数が減るため実用上好ましくない。レーザ光線3の照射時間は好ましくは0.005秒〜10秒、より好ましくは0.01秒〜3秒である。
本発明者らは、本発明の方法で溶融ガラス1の内部泡2にレーザ光線3を照射することで、後述の3種類の現象により内部泡2を消去することが可能であることを見出して、本発明を完成するに至った。内部泡2が消滅する原理は詳細には解明されてはいないが、後述の3通りの原理が考えられる。
まず、本発明におけるレーザ光線3の波長は200〜1700nmであり、本来は溶融ガラス1の透明な波長域であるため光吸収はごく僅かである。しかしながら、レーザ光線3は集光することにより焦点でのパワー密度が増加し非線形現象により光吸収が誘起されやすいと考えられる。また、溶融ガラス1が高温のため、熱輻射の波長範囲がレーザ光線3の波長にまで及び、室温でのガラスに比べると光吸収が増加している。両者の相乗効果でレーザ光線3の吸収が焦点近傍のみにおいて飛躍的に増加するため、焦点近傍のみがレーザ光線3を吸収し急激に加熱されると考えられる。
第1の現象は、レーザトラップ現象により内部泡2がレーザ光線3に引き寄せられた後、一瞬にして内部泡2が消滅する。本現象の原理は定かではないが、レーザ光線3の照射により加熱された内部泡2近傍の溶融ガラス1が膨張し、一瞬にして内部泡2を圧縮し溶融ガラス1中に内部泡2中の気体が再溶融したことが考えられる。
第2の現象は、レーザ光線3の集光部8で発光がおこり、レーザ光線3の照射終了後、発光が消滅した後に泡の消滅が確認される。本現象の原理は、レーザ光線3の照射により内部泡2は急激に温度上昇がおこり、内部泡2中の気体が再溶融するに至ったことが考えられる。この場合、レーザ光線3を照射すると、集光部8で急激な温度上昇に伴う熱輻射による発光が観測される。その間に内部泡2中の気体はガラスに再溶融するものと考えられる。
第3の現象は、レーザ光線3の集光部8近傍で気泡が発生し、もともと存在する消去すべき内部泡2と結合し、溶融ガラス液面に浮上し破泡する。本現象の原理は、内部泡2に向かってレーザ光線3が集光され、溶融ガラス1が加熱されて、リボイル現象により気泡が発生することが考えられる。発生した気泡と内部泡2が結合したものは径が大きいために浮力も大きく、急速に浮上し溶融ガラス液面4に到着し破泡するものと考えられる。
本発明の方法によれば、上記した3通りの現象のいずれか、またはこれらの組み合わせにより、溶融ガラス1内部に存在する内部泡2を消去することができる。
使用するレーザ光線3は、波長が200〜1700nmで溶融ガラス1に対し光透過性を有するものである限り特に限定されない。また、レーザ光源としては、YAGレーザ、半導体レーザ、希土類ドープファイバレーザ、エキシマレーザおよびYVO4レーザからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。これらのレーザ光線は単独で使用してもよいし、複数のレーザ光線を組み合わせて使用してもよい。但し、一般的に広く使用されており、小さなレーザ光線断面積に集光することが可能で、かつ高強度の光源が得られることから、YAGレーザまたはYVO4レーザ、または希土類ドープファイバレーザが好ましい。
YAGレーザ、およびYVO4レーザでは、基本波長である1064nmの光線以外に、その高調波である532nm、355nmおよび266nmの光線も用いることができる。希土類ドープファイバレーザでは、例えばエルビウムドープのファイバの場合は基本波長である1530〜1620nmの光線以外に、基本波の1/2、1/3、1/4の波長の高調波も利用可能である。イッテルビウムドープファイバの場合も同様に、基本波長である1030〜1120nmの光線以外に、基本波の1/2、1/3、1/4の波長の高調波も利用可能である。
本発明の方法において、レーザ光線を溶融ガラス内部に照射することによって上記した3つの現象のいずれかによって泡を消去できるものである限り、溶融ガラスを構成するガラス材料は特に限定されない。したがって、本発明の方法はほとんど全てのガラス材料に適用可能である。
本発明の方法は、溶融ガラスを視認することができる開口を有するガラス製造プロセスで行うことができる。ガラス製造プロセスとしては、例えば、ガラス板成形に多く用いられるフロート法、フュージョン法またはダウンドロー法などの連続成形式のガラス製造法にも適用可能である。また、光学ガラス製造に用いられるバッチ式のガラス溶解槽の上部開口より本発明の方法を適用することも可能である。本方法によれば、従来の製造法でとりきれなかった泡をさらに低減させることが可能である。なお、溶融したガラスを成形する直前で行えば一層効果的である。
図2は本発明に係る溶融ガラスの泡消去装置の概略説明図である。図2に示すように、溶解槽7における溶融ガラス1の内部泡2を検出する機構11と、レーザ光線を発振させる機構12と、検出された内部泡2に向かってレーザ光線3を照射する機構13を具備することが好ましい。内部泡2を検出する方法は、例えば、カメラで直接観察する方法や、レーザ光線3を溶融ガラス1の内部に照射して、内部泡2からの散乱光をカメラで検出する方法が例示される。また、PIV法と呼ばれる粒子の場所と速度を同時に測定する方法もあり、本発明に好ましく用いることができる。泡の検出に用いるレーザ光線と、泡消去に用いるレーザ光線が同一であってもよい。レーザ光線3の照射光学系には、ガルバノスキャナーや焦点距離を可変することができるレンズ等を用いることができる。このような機構を備えることで、検出した内部泡2の近傍に直ちにレーザ光線3を集光照射することができる。
また、レーザ光線3を連続的に走査する機構を有してもよい。例えば溶融ガラス1の通過する断面を、溶融ガラス液面と溶融ガラスの流路を除いてすべて高速で走査することにより、断面を通過する内部泡2を消去することができる。レーザ光線3の照射光学系にガルバノスキャナーや焦点距離を可変することができるレンズ等を備えることでより高速に焦点移動を行うことができる。なお、照射する断面積を小さくするために、溶融ガラス流路を狭めておくとより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに説明する。
まず、レーザ光源として連続発振(CW)のNd:YAGレーザを用意した。レーザ光線3を40×対物レンズ(NA0.55)にて集光し、サファイア製のセルの中の溶融ガラス1の内部泡に、石英ガラス窓越しに照射した。溶融ガラスはビスマス系ガラス(旭硝子株式会社製ABH61)とボロシリケート系ガラス(株式会社オハラ製L−BAL42)の2種類とした。
溶融ガラス1の加熱温度、内部泡2の直径、内部泡2の溶融ガラス1の液面からの深さ、レーザ光線3の光軸と内部泡2の中心とが最も近い光軸の位置における内部泡2の中心と光軸の距離とレーザ光線3の断面積、レーザ光線3の焦点における実効のパワー密度、レーザ光線3の平均パワー、レーザ光線3の照射時間を表1に示すようして、レーザ光線3を照射した。
Figure 0004862550
実施例1〜5では泡がレーザ光線3に引き寄せられた後に消滅するのが観察され、実施例6ではレーザ光線3の照射部が激しく発光し、照射をやめると内部泡2が消去しているのが観察された。実施例7では、レーザ光線3の照射により内部泡2の径が増加しその後泡は浮上し破泡した。
本発明の方法は、溶融ガラスを視認することができる開口を有するガラス製造プロセスで行うことができる。ガラス製造プロセスとしては、例えば、ガラス板成形に多く用いられるフロート法、フュージョン法またはダウンドロー法などの連続成形式のガラス製造法にも適用可能である。また、光学ガラス製造に用いられるバッチ式のガラス溶解槽の上部開口より本発明の方法を適用することも可能である。本方法によれば、従来の製造法でとりきれなかった泡をさらに低減させることが可能である。なお、溶融したガラスを成形する直前で行えば一層効果的である。
溶融ガラス中に存在する内部泡に対し、レーザ光線を集光して照射したときの状態を模式的に示した図である。 は本発明に係る溶融ガラスの泡消去装置の概略説明図である。
符号の説明
1:溶融ガラス、2:内部泡、3:レーザ光線、4:溶融ガラス液面、
5:レーザ光線の光軸、6:集光光学系、7:溶解槽、8:集光部
11:内部泡を検出する機構、12:レーザ光線を発振させる機構、
13:レーザ光線を照射する機構。

Claims (8)

  1. 溶融ガラスの内部に存在する内部泡の消去方法であって、前記内部泡に向けて、波長が250〜1600nmである少なくとも1つのレーザ光線を集光光学系によって集光し、前記内部泡を消去し、
    前記溶融ガラスの粘性が、1〜10000ポアズであり、
    前記内部泡が、溶融ガラス液面より深さ0.1〜500mm以内に存在する、溶融ガラスの泡消去方法。
  2. 前記レーザ光線の光軸と前記内部泡の中心との距離が100ミクロン以下であることを特徴とする請求項1に記載の溶融ガラスの泡消去方法。
  3. 前記集光光学系の開口数(NA)が0.001〜0.6であり、溶融ガラス表面におけるレーザ光線の断面積が0.2〜8000mmであり、レーザ光線の波長をλとしたときレーザ光線の光軸とが最も近い光軸の位置におけるレーザ光線の断面積が、3×λ〜117×λ/NAであることを特徴とする請求項1または2に記載の溶融ガラスの泡消去方法。
  4. 前記レーザ光線の焦点における前記レーザ光線の実効のパワー密度が50000〜1×1013W/mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法。
  5. 前記レーザ光線は、平均パワーが0.1〜10000W、照射時間が0.001秒〜20秒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法。
  6. 溶融ガラス中の内部泡を検出し、検出された前記内部泡に向けてレーザ光線を集光することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法。
  7. ガラス原材料を溶融し、溶融ガラスを混合した際に残留する内部泡を請求項1〜6のいずれか1項に記載の溶融ガラスの泡消去方法で消去した後、溶融ガラスを成形、固化することを特徴とするガラスの製造方法。
  8. 溶融ガラスを連続的に供給してガラス板を製造する製造プロセス中で、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により溶融ガラスの内部泡の消去を行う工程を含むことを特徴とするガラスの製造方法。
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