JP4997937B2 - 硬化性樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグと多層プリント配線板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグと多層プリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグと多層プリント配線板に関するものである。
電気・電子機器の配線に使用するリジッドフレックスプリント配線板は、一般的に、フレキシブルプリント配線板を保護層で覆ったフレキ部と、リジッドプリント配線板からなるリジッド部とを一体化成形及び外層加工して得られるものであり、前記フレキ部とリジッド部の一体化成形時には、フレキ部への樹脂のしみ出しのないノーフロープリプレグが使用されている。このノーフロープリプレグには、火災や発火を防止し、安全性を保つという観点から、通常、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン元素を含む難燃剤が使用されている。
しかし、近年、地球環境の保全・悪化防止や人体に対する安全性の観点から、毒性の強いダイオキシン類、ベンゾフラン等を発生させる恐れのあるハロゲン元素含有難燃剤を用いずにプリプレグを難燃化する技術が要求されている。すなわち、電気・電子機器は、単に燃えにくいだけでなく、有害ガスや発煙などの発生が少ないことが要望されている。
ハロゲン元素を含有させることなくプリプレグを難燃化する技術としては、例えば、特許文献1〜4などに開示されているように、フェノール類とアミン類とホルムアルデヒドから得られるジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を主材とし、無機系難燃剤、窒素系難燃剤、リン系難燃剤を併用する方法が挙げられ、このようにして難燃化された基板は、低誘電正接、低吸水、高耐熱性、高Tgと比較的良好な特性を示し、一般FR−4用途へ適用されてきた。
特開2002−556662号公報 特開平7−3121号公報 特開平5−114784号公報 特開平2−69567号公報
しかしながら、特許文献1等で開示されている樹脂組成物を単純にプリプレグへ適用した場合、用いられているエポキシ樹脂と、フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物と、の反応がはやく、プリプレグの樹脂流れ等の経時変化が大きくなるため、ポットライフが短くなるなどの問題があり、適用範囲が限定されているのが実情である。
また、近年では、難燃性に加え、成形性や耐熱性にも優れたのプリプレグの開発が要求されている。
上記を鑑みて、本発明は、ハロゲン系難燃剤を含むことなく良好な難燃性と耐熱性と成形性を示し、なおかつ、従来に比べてポットライフが長く、比較的広範囲の用途に適用可能な硬化性樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグと多層プリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、種々検討を重ねてきた結果、分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物、フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物、エポキシ樹脂、縮合リン酸エステル、および無機充填剤を含み、かつ前記エポキシ樹脂として、エポキシ当量が600〜1500のビスフェノールA型エポキシ樹脂を特定量含む樹脂組成物により、前記課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)下記成分(a)、(b)及び(c)の総量100質量部に対し、(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を35〜75質量部、(b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物を10〜25質量部、(c)エポキシ樹脂を10〜45質量部、(d)縮合リン酸エステルを5〜35質量部、含み、さらに、(e)無機充填剤を、上記成分(a)、(b)、(c)及び(d)の総量100質量部に対し、30〜100質量部、含み、前記(c)エポキシ樹脂が、エポキシ当量が600〜1500のビスフェノールA型エポキシ樹脂を20〜40質量%含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
(2)上記(1)に記載の硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
(3)上記(2)に記載のプリプレグを使用してなることを特徴とする多層プリント配線板。
本発明によれば、ハロゲン系難燃剤を含むことなく良好な難燃性と耐熱性と成形性を示し、なおかつ、従来に比べてポットライフが長く、比較的広範囲の用途に適用可能で、特にノーフロープリプレグに含浸させ樹脂組成物として好適な硬化性樹脂組成物、およびこれを用いたプリプレグと多層プリント配線板を提供することが可能となる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物、(b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物、(c)エポキシ樹脂および(d)縮合リン酸エステルを、上記成分(a)、(b)及び(c)の総量100質量部に対し、それぞれ35〜75質量部、10〜25質量部、10〜45質量部、5〜35質量部含み、さらに、(e)無機充填剤を、上記成分(a)、(b)、(c)及び(d)の総量100質量部に対し、30〜100質量部含み、なおかつ、上記(c)エポキシ樹脂が、エポキシ当量600〜1500のビスフェノールA型エポキシ樹脂を20〜40質量%含むことをその特徴とするものである。
本発明で使用する、上記(a)ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応により硬化する樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、下記反応式(1)に示すように、フェノール性水酸基を有する化合物、ホルマリン、1級アミンから合成することができる。
Figure 0004997937
(式中、Rはアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基またはアルキル基もしくはアルコキシル基で置換されたフェニル基である)
上記反応式(1)について、より具体的には、例えば、上記フェノール性水酸基を有する化合物と上記1級アミンとの混合物を、70℃以上に加熱したホルマリンなどのアルデヒド中に添加して、70〜110℃、好ましくは90〜100℃で20〜120分反応させ、その後120℃以下の温度で減圧乾燥することにより、合成することができる。
上記フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、多官能フェノール、ビフェノール化合物、ビスフェノール化合物、トリスフェノール化合物、テトラフェノール化合物、フェノール樹脂などが挙げられる。より具体的に、多官能フェノールとしては、例えば、カテコール、ヒドロキノン、レゾルキノールなどが挙げられ、ビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びその位置異性体、ビスフェノールSなどが挙げられ、フェノール樹脂としては、例えば、レゾール樹脂、フェノールノボラック樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ベンゾグアナミンフェノール樹脂、フェノール変性ポリブタジエンなどが挙げられる。また、上記1級アミンとしては、具体的にメチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、置換アニリン等があげられる。
また、上記(a)成分は、各々の成分の反応における比率及び硬化反応性を考慮すると、本発明の組成物中、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100質量部に対し、好ましくは35〜75質量部、より好ましくは30〜70質量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(b)の重縮合物は、特に限定されないが、例えば、フェノール類、トリアジン環類を有する化合物、アルデヒド類を、所定の窒素含有量、水酸基当量になる配合で、触媒下にて反応させ、中和、水洗、加熱処理、蒸留等を常法に従って行い、未反応のフェノール類、アルデヒド類、溶媒を除去することで得ることができる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール又はビスフェノールA、ビスフェノールF等の多価フェノール類、アルキルフェノール類、アミノフェノール、フェニルフェノールなどが挙げられ、1種類又は2種類以上併用することができる。また、上記トリアジン環を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、メラミン又はベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のグアナミン誘導体、シアヌル酸又はメチルシアヌレート、エチルシアヌレート等のシアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸又はメチルイソシアヌレート、エチルイソシアヌレート等のイソシアヌル酸誘導体等が挙げられる。この中では耐燃性が良好であり、かつ低価格なメラミンが好ましい。トリアジン環を有する化合物の使用量は、窒素含有量、難燃性、反応性等を考慮して適宜決定することができる。また、上記アルデヒド類としては、特に制限はないが、一般的にホルムアルデヒドが使用される。
また、上記触媒としては、トリアジン環を有する化合物の溶解性が良好であることから、塩基性触媒が好ましく、中でも金属類が触媒残として残ると電気絶縁材料として好ましくないため、アミン類が好ましい。また、反応溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン等の各種溶剤下の存在下で反応させることにより安定制御が可能となるので好ましい。また、反応の順序は制限されず、上記主原料全てを同時でも、2種の主原料を先に選択的に反応させることもできる。
また、上記フェノール類に対する上記アルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)は、特に限定されるものではないが、0.2〜1.5が好ましく、0.4〜0.8がより好ましい。また、上記フェノール類と上記トリアジン環を有する化合物の質量比は、樹脂化と難燃効果の両方を考慮すると、(フェノール類):(トリアジン環を有する化合物)=10〜98:90〜2であることが好ましく、50〜95:50〜5であることがより好ましい。
上記(b)成分は、各々の成分の反応における比率及び硬化反応性を考慮すると、本発明の組成物中、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100質量部に対し、好ましくは10〜25質量部、より好ましくは15〜20質量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(c)エポキシ樹脂としては、耐熱性、耐燃性を確保するために、主成分として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
ところで、硬化剤として使用されている上記(b)成分の重縮合物は、アミノ基を有し、エポキシ樹脂との反応性が比較的大きい。したがって、単純にノボラック型エポキシ樹脂のみを使用した場合、反応性が大きいためプリプレグのポットライフが短く適用範囲が大幅に限定される。
そこで、本発明においては、上記(c)成分として、エポキシ樹脂の中で反応性が低いビスフェノールA型エポキシ樹脂を併用する。反応性を抑制するためには、反応基が低密度である長鎖のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることが好ましいが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の分子量が増すに従い、塗工時のプリプレグへの含浸性が低下し、プリプレグの外観低下、プレス成形時の成形性の低下等の問題が発生し易くなってしまうため、少量の添加で反応性を抑制する効果を発現させるためには、上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ当量が600以上1500以下であることが好ましい。
上記エポキシ当量が600以上1500以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂の添加量は、(c)エポキシ樹脂の総量中、20〜40質量%である。20質量%未満では反応性の抑制にあまり効果がなく、また40質量%を超すと塗工時のプリプレグへの含浸性が低下及びプレス成形性の低下が顕著となる。
また、上記(c)成分は、各々の成分の反応性及び硬化物特性を考慮すると、本発明にの組成物中、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100質量部に対し、好ましくは10〜45質量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(d)縮合リン酸エステルは、例えば、下記一般式(2)
Figure 0004997937
(式中R、R、Rは、各々独立にアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等であり、mは1、2又は3であり、nは0、1又は2である。)
で表される構造を有する。このようにリン酸エステルを縮合させて高融点化したものを成分(d)として組成物に配合することにより、高融点化していないものを配合した場合に生じる基板の高温耐薬品性、耐湿耐熱性、ガラス転移温度(Tg)等の低下を防ぐことができる。
上記(d)成分は、難燃性、耐湿耐熱性及びTgの全てを考慮すると、本発明の組成物中、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100質量部に対し、好ましくは5〜35質量部、より好ましくは5〜20質量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(e)無機充填剤としては、公知の材料を用いることができ、特に限定されず、使用する目的に応じ選択することができる。具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライトやハイドロタルサイト等の無機水和物、クレー、タルク、ワラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、シリカ、ガラス粉等の汎用に使用されている無機充填剤、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等のB又はSn系充填剤、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられる。
また、上記(e)成分は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、モリブデン酸亜鉛等によりコーティング又は表面処理して、有機成分との接着性を向上させることが好ましい。
また、上記(e)成分は、本発明の組成物中、成分(a)、(b)、(c)及び(d)の有機固形分の総量100質量部に対し、好ましくは30〜100質量部含まれ、より好ましくは40〜80質量部含まれる。
また、本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、公知の硬化促進剤、カップリング剤、着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等を加えてもよい。
本発明のプリプレグは、本発明の硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなることをその特徴とするものであり、その製造方法は、特に限定されないが、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物のワニスを、基材に含浸させ、60〜200℃で1〜30分間加熱乾燥することで製造することができる。
上記基材としては、プリプレグに用いる基材として公知のものを使用することができ、特に限定されないが、好ましくは、Eガラス、Cガラス、Dガラス、Sガラスなどを使用した織布(ガラスクロス)であり、より好ましくは、表面が公知のシランカップリング剤で表面処理されているガラスクロスである。また、本発明のプリプレグ中における樹脂分は40〜70質量%であることが好ましい。
本発明の多層プリント配線板は、例えば、本発明のプリプレグを所定枚数重ね合わせ、その両面または片面に銅箔を配置した後、例えば、100〜250℃、0.5〜20MPaで0.2〜5時間加熱加圧して銅張積層板を作製し、ついで、当該銅張積層板の銅箔層をエッチング等により回路加工してプリント配線板を作製し、さらに、当該プリント配線板に本発明のプリプレグや銅張積層板を積層し、上記工程を繰り返すことで製造することができる。もちろん、市販されている一般的なプリント配線板を、本発明のプリプレグを介して上記と同様に多層化して製造することも可能である。また、スルーホール加工、めっき加工等、プリント配線板を製造する上で公知のその他の加工を施しても良い。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の合成>
ビスフェノールF1000gとメタノール920gを加え攪拌溶解した。ここに、パラホルムアルデヒド652gを加えた。攪拌しながらアニリン930gを1時間かけて滴下し、1時間後に78〜80℃になるようにした。還流下7時間反応させた後、360mmHgで減圧濃縮を開始した。この減圧度を保ったまま、濃縮を継続し110℃になった時点で、減圧度を90mmHgにした。流出液がなくなったことを確認した後、樹脂をバットに取り出した。以上により、軟化点が78℃のジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を得た。
<(b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類との重縮合物(メラミン変性フェノール樹脂)の合成>
フェノール94質量部に41.5%ホルマリン29質量部、及びトリエチルアミン0.47質量部を加え、80℃にて3時間反応させた。メラミンを19質量部加えさらに1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら120℃まで昇温し、温度を保持したまま2時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら180℃まで昇温し、減圧下にて未反応のフェノールを除去し、軟化点136℃のメラミン変性フェノール樹脂を得た。
<硬化性樹脂組成物ワニスの作製>
(実施例1〜3、比較例1〜4)
下記表1に示した固形分配合の樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解させ、不揮発分が75%になるようにメチルエチルケトンで調整し、ワニスを作製した。
Figure 0004997937
※表中の数値は各成分の配合量(質量部)を示す。但し、かっこ内の数値は、成分(c)エポキシ樹脂の総量に対する(c2)の割合(質量%)を示す。また、成分(a)〜(d)の配合量は、成分(a)、(b)及び(c)の総量100質量部に対する量であり、成分(e)の配合量は、上記成分(a)、(b)、(c)及び(d)の総量100質量部に対する量である。
※表中、成分(a):上記で合成したジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂、(b):上記で合成したメラミン変性フェノール樹脂、(c1):フェノールノボラック型エポキシ樹脂YDPN−638P(東都化成株式会社製)、(c2):ビスフェノールA型エポキシ樹脂DER−664(ダウケミカル製、エポキシ当量925g/eq、常温で固体)、(c3):ビスフェノールA型エポキシ樹脂DER−660(ダウケミカル製、エポキシ当量450g/eq、常温で固体)、(c4):ビスフェノールA型エポキシ樹脂DER−667(ダウケミカル製、エポキシ当量1800g/eq、常温で固体)、(c5):ビスフェノールF型エポキシ樹脂YDF−2004(東都化成株式会社製、エポキシ当量1000g/eq、常温で固体)、(d):縮合リン酸エステルPX−200(大八化学株式会社製)、(e):水酸化アルミニウム(電子材料用に一般的に用いられている残留イオン等の少ないもので、粒子径が3μm〜5μmのもの)を表す。
<リジッドフレックスプリント基板の作製>
実施例1〜3および比較例1〜6の樹脂組成物ワニスをIPC品番#1080の基材にそれぞれ含浸し、乾燥、半硬化させて、樹脂分が65%、樹脂流れが3.0±0.1%のプリプレグを作製した。なお、上記樹脂分は、IPC−TM−650 2.3.16.1に準拠して測定し、上記樹脂流れは、IPC−TM−650 2.3.17に準拠して測定した。
一方、ポリイミドからなるベースフィルムの両面に18μm銅箔が積層した両面銅張積層板(デュポン株式会社製、商品名パイラテックス(登録商標)AP8525、絶縁層厚さ50μm)の銅箔層を回路加工した後、カプトン100V(デュポン社製ポリイミドフィルム、商品名)に特開平5−114784号公報に示されるポリイミド系接着剤の層を形成してなるカバーフィルムを積層することでリジッドフレックスプリント基板のフレキ部を作製した。また、絶縁層厚さ0.2mm、銅箔厚さ35μmの両面銅張り積層板(日立化成工業株式会社製、商品名MCL−BE−67G(H))の銅箔層を回路加工し、リジッドフレックスプリント基板のリジッド部を作製した。
次に、上記で作製した各プリプレグを介して、上記フレキ部と上記リジッド部を圧力2.9MPa、温度190℃で90分間加熱加圧して一体化して積層体を作製し、当該積層体に回路加工を施すことで、リジッドフレックスプリント基板を得た。
<両面銅張積層板サンプルの作製>
耐燃焼性試験用サンプルとして、プリプレグを1枚重ねたものと3枚重ねたものの2種類を作製し、それぞれ上下に18μm銅箔を重ね、温度185℃、圧力3MPaにて100分間加熱加圧成形して、両面銅張積層板サンプルを得た。
<評価>
上記で作製したプリプレグの外観、成形性、耐燃焼性および樹脂流れ、両面銅張積層板のはんだ耐熱性、ならびにリジッドフレックスプリント基板の成形性について、下記に従って評価した。結果を表2に示す。
・外観:各プリプレグの外観に異常がないかどうかを目視により観察した。
・成形性:回路充填性、ボイド、かすれの発生の有無を目視により観察した。
・耐燃焼性:上記で作製した両面銅張積層板サンプル2種類について、UL94に準拠して評価した。
・樹脂流れ:製造直後の各プリプレグ及び25℃50%RHの環境下にて1〜3ヶ月間保管した各プリプレグについて、その樹脂流れを前述の測定法に従い測定した。
・はんだ耐熱性:121℃、2130hPaのプレッシャークッカー処理装置内に1時間または2時間保持した後の試験片(両面銅張積層板サンプルの全面エッチング品、50mm×50mm)を、288℃に加熱されたはんだ槽に30秒間沈め、ふくれ及びミーズリングの発生の有無を肉眼にて観察した。表中の各記号は、○:変化なし、△:ミーズリングまたは目浮き発生、×:ふくれ発生を意味する。
・基板の成形性:プリプレグからフレキシブル部への樹脂のしみ出し量及びボイドの有無を測定することで評価した。なお、ボイドの有無に関しては製造直後の基板に加え、20℃50%RHの環境下にて1〜3ヶ月間保管した基板について確認した。
Figure 0004997937
上記の結果から、(c)エポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂に加え、エポキシ当量925のビスフェノールA型エポキシ樹脂を、エポキシ樹脂総量の20〜40質量%の範囲で併用した実施例1〜3の樹脂組成物を用いて作製したプリプレグは、エポキシ当量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂を併用した比較例1、ビスフェノールF型エポキシ樹脂を併用した比較例3、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を併用しなかった比較例4、ならびにエポキシ当量925のビスフェノールA型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂総量に対して10質量%の配合で併用した比較例5の各プリプレグに比べて樹脂流れの経時変化が小さく、プリプレグのポットライフが大幅に長くなっている。さらに、実施例1〜3のリジッドフレックス基板の成形性、特にボイド発生有無の経時変化は、比較例1、3〜5のそれに比べて優れていることが分かる。
また、エポキシ当量が1800のビスフェノールA型エポキシ樹脂を併用した比較例2、ならびにエポキシ当量925のビスフェノールA型エポキシ樹脂をエポキシ樹脂総量に対して50質量%の配合で併用した比較例6のプリプレグは、その外観及び成形性の低下が確認された。

Claims (3)

  1. 下記成分(a)、(b)及び(c)の総量100質量部に対し、
    (a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を35〜75質量部、
    (b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物を10〜25質量部、
    (c)エポキシ樹脂を10〜45質量部、
    (d)縮合リン酸エステルを5〜35質量部、
    含み、さらに、
    (e)無機充填剤を、上記成分(a)、(b)、(c)及び(d)の総量100質量部に対し、30〜100質量部、
    含み、
    前記(c)エポキシ樹脂が、エポキシ当量が600〜1500のビスフェノールA型エポキシ樹脂を20〜40質量%含むことを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の硬化性樹脂組成物を基材に含浸してなることを特徴とするプリプレグ。
  3. 請求項2に記載のプリプレグを使用してなることを特徴とする多層プリント配線板。
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