JP2006332581A - プリプレグおよびこれを用いたプリント配線板用銅張積層板とプリント配線板 - Google Patents

プリプレグおよびこれを用いたプリント配線板用銅張積層板とプリント配線板 Download PDF

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Minoru Kakiya
稔 垣谷
Yasuyuki Hirai
康之 平井
Shinji Ito
慎二 伊藤
Norihiro Abe
紀大 阿部
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Abstract

【課題】ハロゲン系難燃剤を含むことなく良好な難燃性と耐熱性を示し、なおかつ低い誘電正接、誘電率を示し、信頼性が高い薄型のプリプレグ及びこれを使用したプリント配線板用銅張積層板とプリント配線板を提供することを目的とする。
【解決手段】下記成分(a)、(b)及び(c)の有機固形分の総量100重量部あたり、(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を35〜75重量部、(b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物を10〜25重量部、(c)エポキシ樹脂を10〜45重量部、(d)縮合リン酸エステルを5〜35重量部、および(e)無機充填剤を5〜300重量部、含む熱硬化性樹脂組成物ワニスを、1MHzでの誘電率が5.0以下のガラス繊維からなるガラス織布基材に含浸、乾燥してなるプリプレグ及びこれを使用したプリント配線板用銅張積層板とプリント配線板を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリプレグおよびこれを用いたプリント配線板用銅張積層板とプリント配線板に関する。
電気・電子機器に使用されるプリント配線板には、火災や発火を防止し、安全性を保つという観点から、難燃性を付与する必要があり、一般には、ハロゲン元素を含む難燃剤、特に臭素系難燃剤を基板材料に配合することが行われている。しかし、近年、地球環境の保全・悪化防止の観点から、毒性の強いダイオキシン類、ベンゾフラン等を発生させる恐れのあるハロゲン元素含有難燃剤を用いずにプリント配線板を難燃化する技術が要求されている。
ハロゲン元素を用いずに基板を難燃化する技術としては、例えば、特許文献1や2などに開示されているように、フェノール類とアミン類とホルムアルデヒドから得られるジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を主材とし、無機系難燃剤、窒素系難燃剤、リン系難燃剤を併用する方法が挙げられ、このようにして難燃化された基板は、低誘電正接、低吸水、高耐熱性、高Tgと比較的良好な特性を示し、一般FR−4用途へ適用されてきた。
特開平2−69567号公報 特開平7−3121号公報
しかしながら、近年では、前記特性に加え、信頼性が高く、0.6mm以下程度の薄型プリント配線板用銅張積層板の開発が要求されている。
上記を鑑みて、本発明は、ハロゲン系難燃剤を含むことなく良好な難燃性と耐熱性を示し、なおかつ低い誘電正接、誘電率を示し、信頼性が高い薄型のプリプレグ及びこれを使用したプリント配線板用銅張積層板とプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは、種種検討を重ねてきた結果、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物、フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物、エポキシ樹脂、縮合リン酸エステル及び無機充填剤を必須成分とすることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物ワニスを、低誘電ガラス繊維からなるガラス織布基材に含浸、乾燥してなるプリプレグをプリント配線板の材料として用いると、上記目的を達成することが可能であることを見出し、為されたものである。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(5)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)下記成分(a)、(b)及び(c)の有機固形分の総量100重量部あたり、
(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物35〜75重量部、
(b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物を10〜25重量部、
(c)エポキシ樹脂を10〜45重量部、
(d)縮合リン酸エステルを5〜35重量部、および
(e)無機充填剤を5〜300重量部、
含む熱硬化性樹脂組成物ワニスを、1MHzでの誘電率が5.0以下のガラス繊維からなるガラス織布基材に含浸、乾燥してなるプリプレグ。
(2)上記(1)記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせ、その両面または片面に銅箔を配置した後、加熱加圧して得られるプリント配線板用銅張積層板。
(3)前記銅箔の表面粗さが3.5μm以下である、上記(2)に記載のプリント配線板用銅張積層板。
(4)厚みが0.6mm以下である、上記(2)または(3)に記載のプリント配線板用銅張積層板。
(5)上記(2)〜(4)のいずれか1項に記載のプリント配線板用銅張積層板を用いてなるプリント配線板。
本発明によれば、ハロゲン系難燃剤を含むことなく良好な難燃性と耐熱性を示し、なおかつ低い誘電正接、誘電率を示し、信頼性が高い薄型のプリプレグ及びこれを使用したプリント配線板用銅張積層板とプリント配線板を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は、下記成分(a)、(b)及び(c)の有機固形分の総量100重量部あたり、(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を35〜75重量部、(b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物を10〜25重量部、(c)エポキシ樹脂を10〜45重量部、(d)縮合リン酸エステルを5〜35重量部、および(e)無機充填剤を5〜300重量部、含む熱硬化性樹脂組成物ワニスを、1MHzでの誘電率が5.0以下のガラス繊維からなるガラス織布基材に含浸、乾燥してなるプリプレグをその特徴とするものである。
本発明で使用する上記成分(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応により硬化する化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、下記反応式(1)に示すように、フェノール性水酸基を有する化合物、ホルマリンおよび1級アミンから合成することができる。
Figure 2006332581
(式中、Rはアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基またはアルキル基もしくはアルコキシル基で置換されたフェニル基である。)
より具体的には、例えば、上記フェノール性水酸基を有する化合物と上記1級アミンとの混合物を、70℃以上に加熱したホルマリンなどのアルデヒド中に添加して、70〜110℃、好ましくは90〜100℃で20〜120分反応させ、その後120℃以下の温度で減圧乾燥することにより、合成することができる。
上記フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、多官能フェノール、ビフェノール化合物、ビスフェノール化合物、トリスフェノール化合物、テトラフェノール化合物、フェノール樹脂などが挙げられる。より具体的に、多官能フェノールとしては、例えば、カテコール、ヒドロキノン、レゾルキノールなどが挙げられ、ビスフェノール化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びその位置異性体、ビスフェノールSなどが挙げられ、フェノール樹脂としては、例えば、レゾール樹脂、フェノールノボラック樹脂、フェノール変性キシレン樹脂、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹脂、ベンゾグアナミンフェノール樹脂、フェノール変性ポリブタジエンなどが挙げられる。また、上記1級アミンとしては、具体的にメチルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、置換アニリン等が挙げられる。
また、上記(a)成分は、各々の成分の反応における比率及び熱硬化反応性を考慮すると、本発明における組成物中に、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100重量部あたり、好ましくは35〜75重量部、より好ましくは30〜70重量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(b)の重縮合物は、特に限定されないが、例えば、フェノール類、トリアジン環類を有する化合物、アルデヒド類を、所定の窒素含有量、水酸基当量になる配合で、触媒下にて反応させ、中和、水洗、加熱処理、蒸留等を常法に従って行い、未反応のフェノール類、アルデヒド類、溶媒を除去することで得ることができる。
上記フェノール類としては、例えば、フェノール又はビスフェノールA、ビスフェノールF等の多価フェノール類、アルキルフェノール類、アミノフェノール、フェニルフェノールなどが挙げられ1種類又は2種類以上併用することができる。また、トリアジン環を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、メラミン又はベンゾグアナミン、アセトグアナミン等のグアナミン誘導体、シアヌル酸又はメチルシアヌレート、エチルシアヌレート等のシアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸又はメチルイソシアヌレート、エチルイソシアヌレート等のイソシアヌル酸誘導体等が挙げられる。この中では耐燃性が良好であり、かつ低価格なメラミンが好ましい。トリアジン環を有する化合物の使用量は、窒素含有量、難燃性、反応性等を考慮して適宜決定することができる。また、アルデヒド類としては特に制限はないが一般的にホルムアルデヒドが使用される。また、上記触媒としては、トリアジン環を有する化合物の溶解性が良好であることから、塩基性触媒が好ましく、中でも金属類が触媒残として残ると電気絶縁材料として好ましくないため、アミン類が好ましい。反応の順序は制限されず、上記主原料全てを同時でも、2種の主原料を先に選択的に反応させることもできる。フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)は、特に限定されるものではないが、0.2〜1.5が好ましく、0.4〜0.8がより好ましい。また、フェノール類とトリアジン環を有する化合物の重量比は、樹脂化と難燃効果の両方を考慮すると、(フェノール類):(トリアジン環を有する化合物)=10〜98:90〜2であることが好ましく、50〜95:50〜5であることがより好ましい。また、アセトン、メチルエチルケトン等の各種溶剤下の存在下で反応させることにより安定制御が可能となるので好ましい。
上記(b)成分は、各々の成分の反応における比率及び熱硬化反応性を考慮すると、本発明における組成物中に、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100重量部当り、好ましくは10〜25重量部、より好ましくは15〜20重量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(c)エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ化合物、複素環式エポキシ化合物、ジグリシルエステル系エポキシ化合物等が挙げられるが、特に制限されない。単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記(c)成分は、各々の成分の反応性及び硬化物特性を考慮すると、本発明における組成物中に、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100重量部当り、好ましくは10〜45重量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(d)縮合リン酸エステルは、例えば、下記一般式(2)
Figure 2006332581
(式中R、R、Rは、各々独立にアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等であり、mは1、2又は3であり、nは0、1又は2である。)
で表される構造を有する。このようにリン酸エステルを縮合させて高融点化したものを成分(d)として組成物に配合することにより、高融点化していないものを配合した場合に生じる基板の高温耐薬品性、耐湿耐熱性、ガラス転移温度(Tg)等の低下を防ぐことができる。
上記(d)成分は、難燃性、耐湿耐熱性及びTgの全てを考慮すると、本発明における組成物中に、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の有機固形分の総量100重量部当り、好ましくは5〜35重量部、より好ましくは5〜20重量部含まれる。
本発明で使用する上記成分(e)無機充填剤としては、公知の材料を用いることができ、特に限定されず、使用する目的に応じ選択することができる。具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ゼオライトやハイドロタルサイト等の無機水和物、クレー、タルク、ワラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、シリカ、ガラス粉等の汎用に使用されている無機充填剤、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛等のB又はSn系充填剤、酸化亜鉛、酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられる。
また、上記(e)成分は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、モリブデン酸亜鉛等によりコーティング又は表面処理して、有機成分との接着性を向上させることが好ましい。
上記(e)成分は、本発明における組成物中に、成分(a)、(b)及び(c)の有機固形分の総量100重量部に対し、好ましくは5〜300重量部含まれ、より好ましくは30〜100重量部含まれる。
また、本発明における熱硬化性樹脂組成物ワニスには、必要に応じて充填剤、着色剤、酸化防止剤、還元剤、紫外線不透過剤等を加えることができる。特に、本発明における熱硬化性樹脂組成物には、硬化促進剤を配合することが好ましい。硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等を用いることができ、好ましくは、イミダゾール化合物である。イミダゾール化合物としては、特に限定されないが、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、4、5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾリン、2、4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、上記のような熱硬化性樹脂組成物のワニスを、従来と同様、基材に含浸させ、60〜200℃で1〜30分間乾燥することで製造することができるが、このとき用いる基材として、1MHzでの誘電率が5以下のガラス繊維からなるガラス織布基材を用いる。1MHzでの誘電率が5以下のガラス繊維としては、特に限定されないが、例えば、NEガラス、Dガラスなどを挙げることができる。中でもNEガラスはDガラスに比べNaO、KO濃度が低く、プリント配線板用途に好適である。
また、本発明のプリプレグ中の熱硬化性樹脂組成物分は40〜70重量%であることが好ましい。
本発明のプリント配線板用銅張積層板は、本発明のプリプレグを所定枚数重ね合わせ、その両面または片面に銅箔を配置した後、例えば、100〜250℃、0.5〜20MPaで0.2〜5時間、加熱加圧することにより製造することができる。また、用いる銅箔は、特に限定されないが、好ましくは、表面粗さが3.5μm以下のロープロファイル銅箔である。この表面粗さが3.5μmを超えると、厚み方向での耐電食性及び耐電圧の低下が大きくなる傾向があり、銅張積層板の厚みが0.6mm以下の場合における信頼性の確保が困難となる。さらに、銅張積層板の誘電特性は、その厚みが薄くなるほど悪くなる傾向にあるが、ロープロファイル銅箔を組み合わせて用いたものは、厚みが薄くても比較的良好な誘電特性が得られる。銅箔の厚みは、一般的な銅張積層板に用いられている3〜400μmのものを使用することができ、銅張積層板の所望厚みを考慮して決定すればよい。
本発明のプリント配線板は、例えば、本発明のプリント配線板用銅張積層板における銅層をエッチング等により回路加工することで製造することができる。もちろん、スルーホール加工、めっき加工等、プリント配線板を製造する上で公知のその他の加工を施しても良く、回路形成後に本発明のプリプレグや銅張積層板をさらに積層し、回路加工することを繰り返すことで、多層プリント配線板を製造することもできる。
以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。
<(a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物の合成>
ビスフェノールF1000gとメタノール920gを加え攪拌溶解した。ここに、パラホルムアルデヒド652gを加えた。攪拌しながらアニリン930gを1時間かけて滴下し、1時間後に78〜80℃になるようにした。還流下7時間反応させた後、360mmHgで減圧濃縮を開始した。この減圧度を保ったまま、濃縮を継続し110℃になった時点で、減圧度を90mmHgにした。流出液がなくなったことを確認した後、反応生成物をバットに取り出した。以上により、樹脂の軟化点が78℃のジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物を得た。
<(b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類との重縮合物(メラミン変性フェノール樹脂)の合成>
フェノール94重量部に41.5%ホルマリン29重量部、およびトリエチルアミン0.47重量部を加え、80℃にて3時間反応させた。メラミンを19重量部加え、さらに1時間反応させた後、常圧下にて水を除去しながら120℃まで昇温し、温度を保持したまま2時間反応させた。次に常圧下にて水を除去しながら180℃まで昇温し、減圧下にて未反応のフェノールを除去し、軟化点136℃のメラミン変性フェノール樹脂を得た。
<熱硬化性樹脂組成物ワニスの調整>
上記で得た(a)成分60重量部および(b)成分20重量部、ならびに(c)エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、YDPN−638P、東都化成株式会社製)20重量部、(d)縮合リン酸エステル(PX−200、大八化学株式会社製)20重量部、(e)無機充填剤(水酸化アルミニウム、電子材料用に一般的に用いられている残留イオン等の少ないもので、粒子径が3μm〜5μmのもの)70重量部、硬化促進剤として1−ベンジル−2−メチルイミダゾール(エピキュアEMI−24、ジャパンエポキシレジン株式会社製)0.5重両部、およびシランカップリング剤としてA−187(日本ユニカー株式会社製、商品名)0.3重量部を、不揮発分が65〜75重量%になるようにメチルエチルケトンに溶解し、熱硬化性樹脂組成物ワニスを得た。
<プリプレグと銅張積層板の作製>
(実施例1)
上記で得た樹脂組成物ワニスを、NEガラスクロス(#1080品:NEA 1080 106 S136、日東紡績株式会社製、誘電率:1MHzで4.6)に含浸させ、160℃で4分間乾燥して、樹脂分54重量%のプリプレグを得た。
ついで、このプリプレグを1枚重ねたものと10枚重ねたものの2種類を作製し、それぞれの上下に銅箔(GTS−18、古河サーキットフォイル社製、表面粗さ8μm)を重ね、温度185℃、圧力3MPaにて100分間加熱加圧成形して、厚み0.06mmと厚み0.6mmの両面銅張積層板を得た。
(実施例2)
銅箔として、ロープルファイル銅箔(F3WS−18、古河サーキットフォイル社製、表面粗さ3μm)を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚み0.06mmと厚み0.6mmの両面銅張積層板を得た。
(比較例1)
NEガラスクロスの代わりにEガラスクロス(#1080品:WEA 05E 106 S136、日東紡績株式会社製、誘電率:1MHzで6.6)を使用した以外は、実施例1と同様にして、厚み0.06mmと厚み0.6mmの両面銅張積層板を得た。
<銅張積層板の評価>
実施例1、2および比較例1で作製した厚み0.6mmと厚み0.06mmの両面銅箔張積層板について、耐燃焼性、引き剥がし強さ、吸湿はんだ耐熱性、誘電特性、耐電圧性を評価した。結果を表1に示す。なお、各評価の試験方法は以下の通りである。
(1)耐燃焼性:UL94に準拠する(表中、0.6mmと0.06mmは、両面銅箔張積層板の厚み)。
(2)引き剥がし強さ:JIS C 6481に準拠して測定を行った。
(3)吸湿はんだ耐熱性:121℃、2130hPaのプレッシャークッカー処理装置内に2時間、4時間、6時間保持後の試験片(0.6mm×50mm×50mmの片面半銅付き)を、260℃に加熱したはんだ槽に30秒間沈め、ふくれ及びミーズリングの発生の有無を肉眼にて観察した。表中の各記号は、○:変化なし、△:ミーズリングまたは目浮き発生、×:ふくれ発生を意味する。
(4)誘電特性:作製した0.6mm両面銅張積層板を使用し、トリプレートストリップライン共振器法により、ヒュ−レットパッカード社製のネットワークアナライザーHP−8722Cを用いて、1GHzの誘電率と誘電正接の測定を行った。
(5)耐電圧:作製した0.06mm両面銅張積層板をエッチング後、ASTM D149−81に準拠し測定を行った。
Figure 2006332581
表1の結果から、樹脂組成物を含浸する基材として、NEガラスクロスを使用した実施例1および2の銅張積層板は、基材としてEガラスクロスを使用した比較例1の銅張積層板よりも低誘電であり、かつ低誘電正接である。さらに、ロープロファイル銅箔を使用した実施例2の銅張積層板は、一般的な表面粗さを有する銅箔を使用した実施例1や比較例1に比べ耐電圧が良好であり、信頼性の高い薄型銅張積層板であるといえる。
以上より、本発明における熱硬化性樹脂組成物ワニスを低誘電率のガラスクロスに含浸させたプリプレグ、さらには、該プリプレグに銅箔、特に表面粗さが3.5μm以下であるロープロファイル銅箔を積層した銅張積層板は、ハロゲン系難燃剤を含むことなく良好な難燃性と耐熱性を示し、なおかつ低い誘電正接、誘電率を示し、信頼性を維持しつつ薄型化が可能であることが確認された。

Claims (5)

  1. 下記成分(a)、(b)及び(c)の有機固形分の総量100重量部あたり、
    (a)分子中にジヒドロベンゾオキサジン環を有する化合物35〜75重量部、
    (b)フェノール類とトリアジン環を有する化合物とアルデヒド類の重縮合物を10〜25重量部、
    (c)エポキシ樹脂を10〜45重量部、
    (d)縮合リン酸エステルを5〜35重量部、および
    (e)無機充填剤を5〜300重量部、
    含む熱硬化性樹脂組成物ワニスを、1MHzでの誘電率が5.0以下のガラス繊維からなるガラス織布基材に含浸、乾燥してなるプリプレグ。
  2. 請求項1記載のプリプレグを所定枚数重ね合わせ、その両面または片面に銅箔を配置した後、加熱加圧して得られるプリント配線板用銅張積層板。
  3. 前記銅箔の表面粗さが3.5μm以下である、請求項2に記載のプリント配線板用銅張積層板。
  4. 厚みが0.6mm以下である、請求項2または3に記載のプリント配線板用銅張積層板。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のプリント配線板用銅張積層板を用いてなるプリント配線板。

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