JP4997855B2 - ガス器具監視装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスメータを経由した後のガス配管に接続される複数のガス器具を特定してガスの使用状況を個別に監視する装置に関し、特にメータの取替工事完了後の設定作業に関するものである。
従来、この種のガス監視装置としては、ガス供給ライン中に配置されたガスメータを通過するガス量に応じて信号を発する流量測定手段と、該流量測定手段からの信号によりガスメータ通過ガス量の変化流量を算出し、個別ガス器具ごとのガス量に分類する個別ガス器具流量演算手段と、変化流量以外の入力信号、例えば外気温、カレンダー情報、使用開始時刻情報等を得るセンサ手段と、個別ガス器具流量演算手段及びセンサ手段から得られる情報を複合化し使用されているガス器具の判別を行う複合演算手段を備えたもの(例えば、特許文献1参照)や、各ガス器具の個々のガス流路にそれぞれ設置され、ガス流量に応じた強さで個々のガス器具に対応した所定の周波数の監視音を発生する各発音手段と、各発音手段が発生する監視音に基づき個々のガス器具の使用状況を監視する監視手段を備えたもの(例えば、特許文献2参照)がある。
また、旧メータに設定器を取り付け、設定器で旧メータに関する情報を読み取り、新メータに設定器を取り付け、社番を読み取り、設定器を網制御装置に接続して、旧メータに関する情報と新メータの社番をセンターに送り、センターで登録し、設定器を網制御装置から取り外し、新メータを網制御装置に取り付け、新メータでテスト発呼するもの(例えば、特許文献3参照)がある。
特開平3−236513号公報 特開平8−178195号公報 特開平8−214078号公報
しかしながら、上記各特許文献に開示されたガス器具監視装置は、複雑な制御回路を伴うガス器具判別手段を設ける必要があり、特に、特許文献1では、ガスメータ通過ガス量の変化流量から個別ガス器具ごとのガス量に分類する個別ガス器具流量演算手段を設け、さらに使用環境を特定するための各種センサ情報を複合化して使用ガス器具を推定するというものであり、複雑な回路構成を必要とする割には使用ガス器具を特定するにあたり確実性に問題を残すものであった。
また、特許文献2のものは、各ガス器具に流れるガス流量の大きさに応じた周波数の監視音を発し、その監視音を集音して使用ガス器具を特定するというものであるため、個別のガス器具から発せられる情報に基づいて使用ガス器具を特定するという点において確実性の向上は図れるものの、流量に応じた音を発生する笛装置及び音を集音するマイクロホン及び分析回路が必要であり、極めて複雑な回路構成が要求されるという問題があった。
また、ガスメータの交換作業においては特許文献3のように、設定器を介して旧メータの情報を読み取り、その後、センターとの通信により新メータを登録するという方法があるが、センターとの回線接続が必要であり、万一、ガスメータがセンターに接続されていない場合、いちいちガス事業者が設定器を介し、旧メータの設定されている情報を吸い上げ、新メータに設定器を接続し直し、設定するという手間を要し、又設定器を持参し忘れた場合、設置現場で即座に設定ができず、再度設定器を会社まで取りに帰り設定したり、
更に設定器の電池切れの場合もあり、設定するまでに煩わしい手間がかかり、或いはガス事業者が現場で電文設定器で各種設定を行い誤った設定をするのを防止できないという課題を有していた。
本発明は上記課題を解決するもので、家庭内で使用するガス器具の増減に対応して器具を特定するための比較基準データとなる流量パターンを容易に設定したり変更したりすることを可能とし、かつガス事業者が提供するサービスに対する監視項目の設定や変更を可能とし、さらにガスメータの取替工事完了後に行う設定作業を経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができるとともに、センターとの回線を接続することなく新旧のガスメータ間で簡単に行うことができるガス器具監視装置を提供するものである。
上記従来の課題を解決するために本発明のガス器具監視装置は、ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視する装置であって、ガスメータには、ガス流量を計測する流量計測手段と、異常時にガス流路を遮断するガス遮断弁と、各種設定を行う設定手段と、設定内容や流量計測情報等を表示する表示手段と、計測される流量を設定内容に基づいて監視する制御部と、異常履歴を記憶する異常履歴記憶手段と、各種情報の送受信を行うメータ側無線通信手段とを備え、ガスメータには固有の識別コートが付与されると共にガス事業者がメータ交換用に特別に付与したメータ交換用IDを有し、ガスメータの交換作業が行われるとき、新ガスメータと旧ガスメータの間でメータ交換用IDの認証作業を行い、両ガスメータの認証IDが一致した場合、旧ガスメータの識別コードと共に記憶データを新ガスメータに移植するようにしたものである。
上記発明によれば、ガスメータの取替工事完了後に行うデータ移植作業を新旧のガスメータが有するメータ交換用IDの認証作業を行うだけで、メータ内蔵の通信手段を介してメータ間で旧ガスメータの識別コードと共に記憶データを新ガスメータに移植することができるため、予め登録されている識別コードに基づいて従来通りの設定内容に基づく流量管理が可能になると共に、異常履歴等旧ガスメータに記憶されている情報を引き継いで監視することができ、具体的な交換作業においても経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。
本発明のガス器具監視装置は、ガスメータの取替工事完了後も旧ガスメータで登録されている識別コードに基づいて従来通りの設定内容に基づく流量管理が可能になると共に、異常履歴等旧ガスメータに記憶されている情報を引き継いで監視することができ、具体的な交換作業においても経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。
第1の発明は、ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視する装置であって、ガス流量を計測する流量計測手段と、異常時にガス流路を遮断するガス遮断弁と、各種設定を行う設定手段と、設定内容や流量計測情報等を表示する表示手段と、異常履歴を記憶する異常履歴記憶手段と、各種情報の送受信を行うメータ側無線通信手段と、ガス器具の種類または使用形態を判別するための比較基準データとなる流量パターンを記憶する登録記憶手段と、前記登録記憶手段に記憶された器具情報に基づいて使用するガス器具の種類を特定する器具信号を設定し登録する器具信号登録手段、及び使用するガス器具の用途別に使用形態を特定する用途別信号登録手段、及びこの器具信号登録手段と用途別信号登録手段の登録情報よりガス事業者が提供するサービスを対象として予め分類した項目毎に前記器具信号登録手段及び用途別信号登録手段の設定信号を割り当て分類する器具分類手段とを有する器具特定手段と、ガス事業者の提供サービスに対応して前記器具分類手段の分類項目を選択する分類項目選択手段と、前記登録記憶手段の流量パターンと前記流量計測手段で計測されるガス流量値とを比較し使用ガス器具または使用形態を判断する器具判定手段と、前記分類項目選択手段で選択された前記器具分類手段の項目毎に使用状況を監視する器具別監視手段とを備え、ガスメータには固有の識別コートが付与されると共にガス事業者がメータ交換用に特別に付与したメータ交換用IDを有し、ガスメータの交換作業が行われるとき、新ガスメータと旧ガスメータの間でメータ交換用IDの認証作業を行い、両ガスメータの認証IDが一致した場合、旧ガスメータの識別コードと共に記憶データを新ガスメータに移植するようにしたことを特徴とするものである。
そして、ガスメータの取替工事完了後に行うデータ移植作業を新旧のガスメータが有するメータ交換用IDの認証作業を行うだけで、メータ内蔵の通信手段を介してメータ間で旧ガスメータの識別コードと共に記憶データを新ガスメータに移植することができるため
、予め登録されている識別コードに基づいて従来通りの設定内容に基づく流量管理が可能になると共に、異常履歴等旧ガスメータに記憶されている情報を引き継いで監視することができ、具体的な交換作業においても経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。そして、情報入力手段を介して入力されるガス器具の種類または使用形態等の器具情報に対応した器具判別用の流量パターンを登録記憶手段に記憶することで精度の高い器具判別が可能となり、また、器具登録手段は家庭内のガス器具の使用状況に応じて変更が可能な構成としているため、器具の追加、使用停止、あるいは使用形態の変更があった場合に容易に変更することができる。さらに、ガス事業者が提供するサービスに対応して分類した監視項目ごとに流量計測データを管理するようにし、かつその監視項目を提供サービスに応じて選択することができるようにしているため、使用者にとって付加価値の高いガス供給事業を実現することができる。また、器具登録手段の変更、監視項目の変更を行うときは所定の認証処理を行わないとできないため、ガス事業者の意に反する交換やいたずらによる交換を防止することができる。例えば、器具登録手段の設定方法として、器具の種類、使用形態に応じた信号、例えば、給湯器の場合A信号、ガス調理器の場合B信号、ガスファンヒータの場合C信号とし、さらに給湯器の使用形態として給湯の場合A−1信号、風呂の場合A−2信号、床暖房の場合A−3信号というような信号が設定され、この設定信号に基づいた流量パターンを登録データとして入力し、記憶しておくことで、家庭内で使用するガス器具またはその使用形態を正確に把握することができ、この設定信号に対応した器具判別用の登録データを用いて計測流量値と比較することで、より精度の高い器具判断を行うことができるため、この器具別に管理されるデータを用いて保安機能の充実やサービスの多様化を図ることができる。
第2の発明は、メータ交換用IDは、機能あるいは流量計測範囲等で互換性を有するグループ毎に付与するようにしたことを特徴とするものである。
そして、互換性を有するグループ毎にメータ交換用IDを付与することで、メータ交換時における機種間違い等のトラブルを事前に解消することができる。
第3の発明は、移植された識別コードは交換履歴が確認できる符号を付与するようにしたことを特徴とするものである。
そして、旧ガスメータから新ガスメータに交換したとき、同一の識別コードを移植しても交換履歴を確認できる符号を付与することで、メータ交換作業が行われたガスメータであることを容易に確認できるものである。
第4の発明は、操作部またはリモコンに設けた移植指示手段の操作によりメータ交換用IDの認証作業を開始するようにしたことを特徴とするものである。
そして、操作部またはリモコンに設けたスイッチ等で簡単に旧メータから新メータにデータの移植指示を行うことができ、経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。
の発明は、ガス事業者が提供するサービスに対応した分類項目を操作部より入力可能としたことを特徴とするものである。
そして、ガス事業者が提供するサービスが多岐にわたる場合等においても操作部より入力するだけで簡単に選択設定することができ、経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。
の発明は、複数の流量パターンを記憶する記憶手段と、ガス器具の種類又は使用形態を入力する情報入力手段を備え、前記情報入力手段で入力した情報に対応する流量パターンを登録記憶手段に記憶するようにしたことを特徴とするものである。
そして、器具情報を入力する情報入力手段を備えることで、容易に器具判別用の流量パターンを登録記憶手段に記憶させることが可能となり、器具の追加、使用停止、あるいは使用形態の変更があった場合に容易に変更することができる。
の発明は、警報手段を備え、所定の認証フローを経過せずデータ移植作業を行った場合、警告報知を行うことを特徴とするものである。
そして、所定の認証処理を行わずデータ移植作業を行った場合は、ガス事業者の意に反した交換またはいたずらによる交換と判断して警告報知を行うようにしたものである。
の発明は、ガス遮断弁を備え、所定の認証フローを経過せずデータ移植作業を行った場合、ガス流路を遮断することを特徴とするものである。
そして、所定の認証処理を行わずデータ移植作業を行った場合は、ガス事業者の意に反した交換またはいたずらによる交換と判断してガス流路を遮断するようにしたものである。
の発明は、流量計測手段として超音波を用いたことを特徴とするものである。
そして、超音波を用いることで瞬時流量の計測を可能とし、より精度の高い器具判別を行うようにしている。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるガス器具監視装置の全体構成図である。
各家庭のガス供給管1の入口部分にはガス事業者との契約に基づく料金体系で供給されるガスの使用量を監視するガスメータ2が設置され、このガスメータ2を経由した後のガス配管3から分岐して家庭で使用する種々のガス器具が設置された場所まで配管されガスが供給される。例えば、屋外にはガス給湯器4が設置され、このガス給湯器4で生成される湯が水配管を介して台所の給湯栓5、浴槽やシャワー装置が設置された風呂6、リビング等に設置された床暖房7に供給され、種々の使用形態を形成している。
また、屋内にあっては、台所に設置されたガステーブル8、リビングや寝室等に設置されたガスファンヒータ9にガスが供給され、必要に応じて適宜使用される。
また、ガスメータ2は新築家屋等に新規に設置される場合と、保守点検を目的にガス事業者が定期的に取り替えて設置する場合があり、都度、初期設定を行う必要がある。
そして、ガスメータ2には、ガス流量を計測する流量計測部12が設けられ、例えば図2に示すように、ガス流路に一対の超音波センサを配置し流路を流れる流量に応じて変化する伝播時間を計測することで流量を測定するものがある。以下、その構成を簡単に説明すると、超音波を送信または受信する第1送受信器12Aと受信または送信する第2送受信器12Bが流れ方向に配置され、切換手段を有する計測制御部13によって送受信の切換えが可能になっており、ガス等の流体の流れ状態を検出している。この第1送受信器12Aと第2送受信器12Bの信号を処理して流量を計測するもので、具体的には、まず計測制御部13により第1送受信器12Aを駆動し、第2送受信器12Bに向け、すなわち上流から下流に超音波を送信する。そして第2送受信器12Bで受信した信号を計測制御部13に設けた増幅手段により増幅し、この増幅された信号は基準信号と比較され、基準信号以上の信号が検出された後、計測制御部13に設けた繰り返し手段により上記の送受信を所定の回数を繰り返し、それぞれの時間値を計測制御部13に設けたタイマカウンタのような計時手段で計測する。
次に、切換手段を有する計測制御部13で第1送受信器12Aと第2送受信器12Bの送受信を切換えて、第2送受信器12Bから第1送受信器12A、すなわち下流から上流に向かって超音波信号を送信し、この送信を前述のように繰り返し、それぞれの時間値を計測する。そして、第1送受信器12Aと第2送受信器12Bとの超音波の伝搬時間差から流路11の大きさや流体の流れ状態を考慮して信号処理手段14で流量値を求める。
また、流量計測手段12が配置された流路11内には異常時等にガスの流れを遮断する遮断弁15が設けられている。
また、ガスメータ2内には、設定内容や流量計測情報等を表示する表示手段34と、遮断弁15が遮断状態となる原因等を分類して記憶する異常履歴記憶手段35が設けられている。
また、ガスメータ2内には、使用者から申請される家庭内で使用するガス器具の器具情報に対応した流量パターンを入力し記憶する登録記憶手段16が設けられている。そして、想定されるガス器具の種類または使用形態に応じたガス流量の特徴的な流量パターンをコード番号と対応させて記憶した記憶手段31が設けられ、使用者から申請される家庭内で使用するガス器具の器具情報に対応したコード番号をキーボードまたは外部入力装置などから情報入力手段32に入力することで、記憶手段31に記憶されている流量パターンを登録記憶手段16に取り出し登録データとして記憶する。
そして、情報入力手段32から器具情報が入力されると、その登録記憶手段16に記憶された器具情報に基づいて、使用するガス器具の種類を特定する器具信号を設定し登録す
る器具信号登録手段17と、使用するガス器具の用途別に使用形態を特定する用途別信号登録手段18と、この器具信号登録手段17及び用途別信号登録手段18の登録情報より、ガス事業者等が特定のサービス等を対象として予め分類した項目毎に家庭内の使用ガス器具を分類する器具分類手段19とを有する器具特定手段20が設けられている。
そして、ガス事業者が提供するサービスに対応して分類される監視項目は分類項目選択手段33で選択され、提供サービスに対応した監視項目が器具分類手段19に設定される。この分類項目選択手段33への選択指示は操作部23の操作により情報入力手段32を介して行うことができる。
ここで、器具信号登録手段17は、例えば下表(表1)のように、器具の種類に応じて信号を設定登録する。
また、用途別信号登録手段18は、例えば下表(表2)のように、器具の用途別に使用形態を特定する信号を設定登録する。
また、器具分類手段19は、ガス事業者の提供サービスとして、ガス器具の種類及び使用形態等からガス料金の割引対象分野を予め設定し分類したものに、上記(表1)及び(表2)で得られる情報より家庭内で使用するガス器具を当てはめ分類するもので、例えば下表(表3)のように、給湯器を用いて床暖房を行っている場合は割引Aとし、ガスファンヒータ等で温風暖房を行っている場合は割引Bとし、それ以外は標準として分類し、家庭内で使用しているガス器具を設定登録する。
そして、信号処理手段14で求められる流量値と登録記憶手段16の登録データ(流量パターン)を比較して使用している器具を判断する器具判定手段24が設けられており、さらに器具判定手段24で判断したガス器具の使用状況に応じてガス使用量を監視する器具別監視手段21を有している。この器具別監視手段21は、流量計測部12の信号処理手段14で求められるガス流量値を入力し、器具判定手段24で判断されたガス器具の登録情報と共に管理され、ガス事業者からの要求に基づいて所定期間毎の累積流量値等の情報が出力される。
ここで、上記器具判定手段24で行う器具判別について概略を説明すると、登録記憶手段16に記憶する登録データとして、例えば図5に示すような流量パターンを用いる。実際の登録データとしては、器具スタート時から例えば0.2秒毎の流量値のデータを所定時間分記憶したものである。なお、データの時間間隔としては0.2秒に限定する必要はなく、要求される器具判別能力により任意に設定できるものである。
流量計測部12では一定間隔毎にガス流量を計測し、新たに計測されたガス流量値が直前の値から所定値以上増加すると、新たな器具が使用されたと判断し、その流量変化と登録記憶手段16に登録された器具のコードに対応する流量パターンと比較を行い、使用されている器具の判別を行う。
また、流量計測部12から異常流量等の信号が入力された場合は、遮断弁15を介して流路11を遮断することで安全性を確保する。
なお、本実施の形態では器具特定手段20の分類項目として、料金割引サービスを対象としたが、これに限定されるものではなく、保安サービス等、ガス事業者等が必要と考えるサービスを対象に器具別の監視方法を採用することができるものである。
以上はガスメータの初期設定あるいは途中で変更する場合に行われる設定方法について記載したものである。
次に、定期交換等により今まで使用していた旧ガスメータから新ガスメータに交換する場合について、図2、図3、図4を用いて説明する。
新ガスメータに交換する場合は、新たに初期設定から始める必要はなく、今までに使用していた器具情報及びガス事業者が提供するサービスに対応して分類した情報さらには分類された情報に従って計測された流量値を保存したデータが旧ガスメータに記憶されているため、この旧ガスメータに記憶された各種情報を新ガスメータに移植することで、今ままでと同じ条件で家庭内におけるガス器具の使用状況を監視することができるものである。
そこで、新ガスメータへの取替工事完了後に、図3に示すように操作部23に設けた移植指示手段であるスイッチ23aの操作により旧ガスメータのデータを移植し登録する。その移植作業の一例を説明すると、スイッチ23aを操作すると、図4に示すように新ガスメータから旧ガスメータに対してメータ交換用IDを要求する信号がメータ側無線通信手段25を送信される。この要求信号を旧ガスメータ内蔵の無線通信手段が受信すると、旧ガスメータに付与されているメータ交換用IDが新ガスメータに返信され、ID認証手段22で新ガスメータが有するメータ交換用IDと合致するか否かが判断される。このID認証作業により合致すると判断された場合は、交換された新ガスメータは機能あるいは流量計測範囲等で旧ガスメータと互換性を有するものであるとして、旧ガスメータの各種情報を新旧ガスメータに内蔵した無線通信手段25を介して送受信を繰り返すことで新ガスメータに移植し、今まで旧ガスメータに付与されていた識別コードを交換履歴を示す符
号を付加して新ガスメータに送信する。この一連のデータ移植作業により、旧ガスメータから新ガスメータに交換した場合の各種設定をセンターとの通信を介することなく、メータ間で簡単に処理することができ、使用者は従来と同様の条件で各種サービスを受けることが可能となり、かつガス事業者は従来と同様の識別コードでガスメータの管理を行うことができるものである。
ここで、データ移植作業の一例を詳細に説明すると、まず操作部23の移植指示手段23aを押すと、旧ガスメータとの間でメータ交換用IDのデータの送受信が開始される。このとき無線通信手段を介してデータの送受信を行う機能を有するものにあっては、旧ガスメータを通信可能範囲内に設置しておく必要が有り、有線通信手段を介してデータの送受信を行う機能を有するものにあっては、予め新ガスメータと旧ガスメータの通信回線を接続しておく必要がある。
そして、旧ガスメータとのメータ交換用IDの認証作業が終了すると、まず旧ガスメータの登録記憶手段16に記憶されている器具情報が取り出され、無線通信手段25または通信回線を介して新ガスメータの登録記憶手段16に移植される。新ガスメータから第1ステップの移植作業が完了したことの通知を受信すると、次に器具分類手段19に記憶されているガス事業者の提供サービス、例えばガス料金の割引対象分野を予め設定し分類したものに家庭内で使用するガス器具を当てはめ分類した情報が取り出され、無線通信手段25または通信回線を介して新ガスメータの器具分類手段19に移植される。新ガスメータから第2ステップの移植作業が完了したことの通知を受信すると、次に器具別監視手段21に記憶されている器具判定手段24で判断したガス器具の使用状況に応じたガス使用量の監視データ及び異常履歴記憶手段35に記憶されている異常履歴データが取り出され、無線通信手段25または通信回線を介して新ガスメータの器具別監視手段21および異常履歴記憶手段35に移植される。新ガスメータから第3ステップの移植作業が完了したことの通知を受信すると、次に旧ガスメータに付与されている識別コードが無線通信手段25または通信回線を介して新ガスメータに送信され、新ガスメータはこの識別コードに交換履歴を示す符号を付加して登録する。
なお、上記データ移植作業は本実施の形態に限定されるものではなく、その内容及び手順等はどのようなものであってもよく、旧ガスメータに保存された情報のうち、必要とする情報を所定のステップを経て新ガスメータに移植するものであれは、どのような形態のものでもよいものである。
また、移植指示手段も操作部23に専用のスイッチ23aを設けるものでなくてもよく、既存のスイッチ23bの特定操作等によるものやリモコン10から指示するようにしてもよいものである。
また、データ移植作業に関し、ガス事業者以外のものに操作される恐れがあり、このような行為を防止するために本発明では、ガスメータ2の前面側に設けたフタ28が取り外されたことを検知する開閉検知手段29を設けると共に、ガスメータ2内に送受信が可能なメータ側無線通信手段25を設け、ガス事業者が携帯するワイヤレスキー10からなる認証コード送信手段より予め設定した認証コードが送信され、この認証コードをメータ側無線通信手段25が受信し、認証コード確認手段26が受信した認証コードが正常であると判断した場合、開閉検知手段29の検知信号を無効として操作部23のスイッチ23aの操作等によるデータの移植作業を可能とし、認証コードが異常である、または認証コードの受信がない状態でフタ28が取り外された場合は、警報手段27を介して操作部23のスイッチ23aの操作等によるデータの移植作業ができないことを警告報知したり、遮断弁15を作動状態として流路11を遮断状態しガスメータ2の使用を禁止する。
以上の認証フローによりガス事業者または認定業者のみが操作部23のスイッチ23aの操作等によるデータの移植作業を可能とし、ガス事業者の意に反する設定やいたずらによる設定を防止するようにしている。
また、操作部23の構成として、ガスメータ2内に設ける以外にワイヤレスキー10に設けてもよいものである。
以上のように構成されたガス器具監視装置において、ガスメータの取替工事完了後に行うデータ移植作業を新旧のガスメータが有するメータ交換用IDの認証作業を行うだけで、メータ内蔵の通信手段を介してメータ間で旧ガスメータの識別コードと共に記憶データを新ガスメータに移植することができるため、予め登録されている識別コードに基づいて従来通りの設定内容に基づく流量管理が可能になると共に、異常履歴等旧ガスメータに記憶されている情報を引き継いで監視することができ、具体的な交換作業においても経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。
また、メータ交換用IDは、機能あるいは流量計測範囲等で互換性を有するグループ毎に付与することで、メータ交換時における機種間違い等のトラブルを事前に解消することができる。
また、旧ガスメータから新ガスメータに交換したとき、同一の識別コードを移植しても交換履歴を確認できる符号を付与することで、メータ交換作業が行われたガスメータであることを容易に確認できるものである。
さらに、操作部23またはリモコンに設けたスイッチ等で簡単に旧メータから新メータにデータの移植指示を行うことができ、経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。
また、情報入力手段32を介して入力されるガス器具の種類または使用形態等の器具情報に対応した器具判別用の流量パターンを登録記憶手段16に記憶することで精度の高い器具判別が可能となり、また、器具登録手段16は家庭内のガス器具の使用状況に応じて変更が可能な構成としているため、器具の追加、使用停止、あるいは使用形態の変更があった場合に容易に変更することができる。さらに、ガス事業者が提供するサービスに対応して分類した監視項目ごとに流量計測データを管理するようにし、かつその監視項目を提供サービスに応じて選択することができるようにしているため、使用者にとって付加価値の高いガス供給事業を実現することができる。また、器具登録手段16の変更、監視項目の変更を行うときは所定の認証処理を行わないとできないため、ガス事業者の意に反する交換やいたずらによる交換を防止することができる。
また、ガス事業者が提供するサービスが多岐にわたる場合等においても操作部23より入力するだけで簡単に選択設定することができ、経験の浅い作業者でも間違いなく確実に行うことができる。
また、器具情報を入力する情報入力手段32を備えることで、容易に器具判別用の流量パターンを登録記憶手段16に記憶させることが可能となり、器具の追加、使用停止、あるいは使用形態の変更があった場合に容易に変更することができる。
また、所定の認証処理を行わずデータ移植作業を行った場合は、ガス事業者の意に反した交換またはいたずらによる交換と判断して警告報知を行ったり、ガス流路を遮断しガスの使用を停止することで、信頼性、安全性の確保を図ることができる。
そして、超音波を用いることで瞬時流量の計測を可能とし、より精度の高い器具判別を行うことができるものである。
本発明は、家庭内で使用するガス器具の種類、使用形態を特定し流量データと共に管理する監視装置に限らず、オフィスや店舗で使用する複数の器具に対して種類、使用形態を特定し、電力使用量、水道使用量と共に管理する装置等にも適用できる。
本発明の実施の形態1におけるガス監視装置の全体構成図 同ガス監視装置におけるガスメータ側の制御ブロック図 同ガス監視装置におけるガスメータの操作部を表示した図 同ガス監視装置におけるガスメータ間の通信状態を表示した図 同ガス監視装置における流量パターンの一例を示す図
符号の説明
2 ガスメータ
3 ガス配管
10 ワイヤレスキー(認証コード送信手段)
12 流量計測部
16 登録記憶手段
20 器具特定手段
21 器具別監視手段
22 ID認証手段
23 操作部
24 器具判定手段
25 メータ側無線通信手段
26 認証コード確認手段
27 警報手段
32 情報入力手段
33 分類項目選択手段
34 表示手段
35 異常履歴記憶手段

Claims (9)

  1. ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視する装置であって、ガス流量を計測する流量計測手段と、異常時にガス流路を遮断するガス遮断弁と、各種設定を行う設定手段と、設定内容や流量計測情報等を表示する表示手段と、異常履歴を記憶する異常履歴記憶手段と、各種情報の送受信を行うメータ側無線通信手段と、ガス器具の種類または使用形態を判別するための比較基準データとなる流量パターンを記憶する登録記憶手段と、前記登録記憶手段に記憶された器具情報に基づいて使用するガス器具の種類を特定する器具信号を設定し登録する器具信号登録手段、及び使用するガス器具の用途別に使用形態を特定する用途別信号登録手段、及びこの器具信号登録手段と用途別信号登録手段の登録情報よりガス事業者が提供するサービスを対象として予め分類した項目毎に前記器具信号登録手段及び用途別信号登録手段の設定信号を割り当て分類する器具分類手段とを有する器具特定手段と、ガス事業者の提供サービスに対応して前記器具分類手段の分類項目を選択する分類項目選択手段と、前記登録記憶手段の流量パターンと前記流量計測手段で計測されるガス流量値とを比較し使用ガス器具または使用形態を判断する器具判定手段と、前記分類項目選択手段で選択された前記器具分類手段の項目毎に使用状況を監視する器具別監視手段とを備え、ガスメータには固有の識別コートが付与されると共にガス事業者がメータ交換用に特別に付与したメータ交換用IDを有し、ガスメータの交換作業が行われるとき、新ガスメータと旧ガスメータの間でメータ交換用IDの認証作業を行い、両ガスメータの認証IDが一致した場合、旧ガスメータの識別コードと共に記憶データを新ガスメータに移植するようにしたガス器具監視装置。
  2. メータ交換用IDは、機能あるいは流量計測範囲等で互換性を有するグループ毎に付与するようにした請求項1記載のガス器具監視装置。
  3. 移植された識別コードは交換履歴が確認できる符号を付与するようにした請求項1または2記載のガス器具監視装置。
  4. 操作部またはリモコンに設けた移植指示手段の操作によりメータ交換用IDの認証作業を開始するようにした請求項1〜3のいずれか1項記載のガス器具監視装置。
  5. ガス事業者が提供するサービスに対応した分類項目を操作部より入力可能とした請求項1〜4のいずれか1項記載のガス器具監視装置。
  6. 複数の流量パターンを記憶する記憶手段と、ガス器具の種類又は使用形態を入力する情報入力手段を備え、前記情報入力手段で入力した情報に対応する流量パターンを登録記憶手段に記憶するようにした請求項1〜4いずれか1記載のガス器具監視装置。
  7. 警報手段を備え、所定の認証フローを経過せずデータ移植作業を行った場合、警告報知を行う請求項1〜のいずれか1項記載のガス器具監視装置。
  8. ガス遮断弁を備え、所定の認証フローを経過せずデータ移植作業を行った場合、ガス流路を遮断する請求項1〜のいずれか1項記載のガス器具監視装置。
  9. 流量計測手段として超音波を用いた請求項1〜のいずれか1項記載のガス器具監視装置。
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