JP4997383B2 - 水素の製造方法及び二酸化炭素の固定化方法 - Google Patents

水素の製造方法及び二酸化炭素の固定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、環境の浄化に寄与するものであり、汚染を生じないクリーンなエネルギーである水素を発生、製造する方法、及び二酸化炭素を固定化する方法に関する。
詳しくは、本発明は、鉄をはじめとする金属や合金、あるいはこれらの金属混合物など各種金属を用いて、常温・常圧で安価に水素を発生し、二酸化炭素を効果的に固定化することのできる方法に関する。
近年、地球規模での環境悪化が問題となってきた。地球温暖化とその防止策が叫ばれ、京都議定書の批准に象徴されるように化石燃料・石油エネルギー消費規制による二酸化炭素排出を抑制する条約の締結をめぐって各国間の利害にまで発展している。すなわち、二酸化炭素など温室効果ガスによる地球温暖化や排気ガスによる環境汚染が顕在化してきた昨今、燃焼しても二酸化炭素や有害なガスを発生することのない水素が、化石燃料に替わるクリーンな燃料として大いに期待されている。特に、燃料電池の実用化にあたり、その燃料である水素の効率的な製造・供給は重要な課題となっている。さらに、化石燃料使用に伴う二酸化炭素の大気中への排出を抑制するために、二酸化炭素を吸収・固定する手段、技術が求められている。
水素の製造技術としては、従来、各種製造方法が知られている。例えば、天然ガスつまりメタンの水蒸気改質や、石炭ガス化などが実用的な方法である。またこれら化石燃料に依存しない水の分解による水素製造として、金属の酸化反応によって水を還元する方法が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2)。
また、二酸化炭素を吸収・固定する方法としては、各種の吸収材料が研究されており、例えば、リチウムの複酸化物により化学的に吸収することが提案されている(例えば特許文献3)。さらにまた、二酸化炭素の固定方法として、深海や地中などに貯蔵する方法や、また植物の光合成を科学的に模倣したいわば人工光合成による固定法が提案されている。
しかしながら、上記金属の酸化反応を利用した水の分解を起こさせるためには最低でも200ないし300℃に加熱する必要があり、場合によっては850ないし900℃という高い温度に熱さなければならないことや金属の反応性を高めるため金属をあらかじめ微細化する必要があるなどの点で問題があった。
また、二酸化炭素をリチウム複酸化物等の材料で吸収・固定する上記提案は、吸収材料の質量あたりの二酸化炭素吸収量には限界があり、一方で削減すべき膨大な二酸化炭素の量を考慮した場合、膨大な量の吸収材料の確保を必要とし、この材料に依存した提案は、該吸収材料を製造するためのコストとエネルギーも膨大となり、現実的に実効性のある提案であるとは言いがたく、実際、その使用されているリチウム複酸化物は、永久的な固定化というよりは、二酸化炭素を吸収したあと二酸化炭素を放出して次のプロセスへ受け渡すという一時的分離剤・回収剤としての利用というのが実態であるにすぎない。
最後に挙げた深海等に貯蔵する方法や、人工光合成などによるシステムについては、この研究は緒についたばかりであり、またシステム的にも大規模、複雑になるために実用化への課題は多く、現実的に温暖化対策として直ちに実効性を伴った提案であるとは言いがたい。
特開2002−173301号公報 特開2004−359536号公報 特開2003−326159号公報
上記したように、水を原料とし、水と金属との反応によって水素を発生させ、製造するシステムにおいては、反応に際して高温に加熱することや、反応性を高めるためあらかじめ金属を粉末化することを要し、そのためかなりのエネルギー、コストを要するもので問題があったこと、また、上記特定の吸収材料による二酸化炭素固定化システムでは、今後膨大な量の吸収剤の確保とそのためのコスト、エネルギーも膨大となり、コスト的にもエネルギー的にも極めて問題であったことから、本発明は、このような問題のない全く新しい水素発生システムとこのシステムを利用した二酸化炭素固定化システムを提供しようというものである。
そのため、本発明者らにおいては上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、金属または低原子価の金属を含む物質体にひずみを与えたり、変形させたり、破壊させたりできる程度の大きさの機械的衝撃ないし応力を加え、水を接触させることにより、金属と水とが反応し、水素を発生することができること、さらにその際、水とともに二酸化炭素を導入することによって、二酸化炭素は金属の安定な炭酸塩として転換され、これによって固定化しうることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいてなされたものであって、その構成は、以下の通りである
)金属体または低原子価の金属を含む物質体に、機械的衝撃ないし応力を加えるとともに水と二酸化炭素とを供給することにより、水素を発生させると共に二酸化炭素を高原子価金属の炭酸塩を含む物質として転換、固定することを特徴とする、水素の発生と二酸化炭素の固定化とを行う方法。
)前記機械的衝撃ないし応力を与える態様が、前記金属体または低原子価の金属を含む物質体に、硬質体を衝突させることによることを特徴とする、()に記載する水素の発生と二酸化炭素の固定化とを行う方法。
発明は、上記した構成、すなわち、金属と水との反応の際に金属に機械的衝撃を与えることによって水素を発生、製造する際に、そこに二酸化炭素を介在、導入することによって、水素の発生と共に、二酸化炭素を金属の炭酸塩として固定化することができる特有な作用効果が奏せられるものである。

以下、本発明の実施の態様について詳しく説明、言及する。
本発明を実施するにおいて、機械的衝撃ないし応力とは、金属体または、低原子価の金属を含む物質体(以下、両者を合わせて金属体と呼ぶ)に対し、それ自体の構造を歪ませるかもしくは構造を破壊することのできる程度に十分大きい衝撃、力を指す。そのような力学的効果を与える方法の例としては硬質体を衝突させる方法が挙げられる。
硬質体は、金属体よりも硬質であるか、同程度に硬く、金属体と衝突したときに金属体を変形させたり破壊させたりできる物体であればよい。
金属体に硬質体を衝突させるには、硬質体で叩くのでもよいし、または静止している硬質体に向かって運動する金属体が、ある速度で衝突するのでもよい。また、一組の硬質体同士が接近し、衝突する際に金属体がそれらの間に挟まれるようにすると、効果的に機械的衝撃を与えることができ好ましい。
機械的衝撃を与えたり、硬質体と衝突させたりすることによって金属体を活性化させると同時に、または活性化させた直後に水と接触することによって、水が分解され、水素が発生される。
ここに、活性化させた直後とは、活性化した金属体がエネルギーを放出してエネルギー的に低い安定状態・基底状態へ戻る前までの時間であり、この間に活性化した金属体と水との接触によってエネルギーが与えられ、水が分解される。また、金属体の表面が空気中の酸素によって酸化するなど本発明の目的以外の反応過程で変質することも都合が悪いので、そのようなことが起こる前に水と接触させられると好ましい。水は、衝突の際や衝突の直後に衝突部に導入してもよいが、反応系に予め適量存在させておいてもよい。また、本発明を実施するにおいて衝突部とは、衝突したり、衝突による影響が伝播したりして活性化した金属体の部分を指すことは言うまでもない。
本発明を実施するにおいては、金属体と水との反応系に酸を添加する態様を含み得るものである。酸を添加することによって、水のみによる場合に比し、水の分解反応による水素の発生効果を高めることができ、金属の酸化・溶解と水素生成を一層促進することができ好ましい。
すなわち、本発明は、反応物である水素イオン濃度の増加によって酸化還元反応の速度が促進される。また酸から水素イオンが電離して現れた陰イオンが金属イオンに配位することで、金属イオンを安定的に溶存させられれば、この溶解効果が反応の進行をさらに促進すると考えられる。生成した高原子価金属は、上記陰イオンの塩として回収されるか、水溶性であれば、イオンの状態で水溶液として未反応原料(固体)から溶離し、その水溶液だけ分離してpHを調整して水酸化物として沈殿分離したり、適当な沈殿剤によって沈殿させたりして、回収することができる。
あるいは、その水溶液を蒸発乾固などの方法で水を除き塩として析出させることもできる。水酸化物や硝酸塩、炭酸塩等は、これを熱分解にすることにより酸化物として回収することもできる。
また、酸に代えて、水に溶けて酸性を示す気体を用いてもよい。このような気体として
は、窒素酸化物、酸化硫黄、二酸化炭素などが挙げられる。これらの気体を使用することによって、硝酸、硫酸、炭酸等を生成する。そして、生成した高原子価金属イオンとこれらの酸から生成するアニオンとが結合して、例えば硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩が生成するが、これらの塩を回収し、熱分解することによって、金属イオンは酸化物として回収され、アニオンは、分解されて窒素酸化物、酸化硫黄、二酸化炭素等の気体を発生し、これを回収して硝酸、硫酸、炭酸などに再生して繰り返し水素発生反応に使用することができる。
すなわち、このような酸性を示す気体を用いると触媒のように繰り返し使うことができ、循環系を形成しえるため材料に無駄がなく、熱分解に伴い別の気体に変化する割合、つまり副生成物を発生する割合も少ないために、エネルギー消費やクリーンエネルギーの観点からも好ましい態様であるといえる。
また、本発明は、酸を添加することによって上記作用効果以外に別の副次的効果も奏せられる。すなわち、通常水から水素が生成するにつれて、水素イオンの消費に伴い反応系には水酸化物イオンが増えてpHが上昇する。反応系のpHが上昇すると生成した高原子価金属イオンは水酸化物として沈殿するが、酸を添加しておけば、pHの上昇と水酸化物沈殿の生成を防ぐことができる。生成した高原子価金属が沈殿せず、水溶性が維持されれば、不溶性である原料金属との分離が極めて容易となり、副生する高原子価金属を容易に除去、回収することができる。
反応系から副生する高原子価金属を反応系から積極的に除去し、未反応原料のみを残すことによって、水素を発生する反応を効率的に継続させることが可能となる。金属の種類によって沈殿が生じる条件は一様ではないが、いずれにしても沈殿反応を抑えることによって、すなわち、水溶性とすることによって副生する反応物を除去しやすくし、水素発生反応を効率的に継続させることができることから好ましい。
硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、炭酸塩、炭酸水素塩、シュウ酸塩、ハロゲン化物などの各種金属塩のうちから水溶性となるものを生成させるためは、金属と水との反応系に、硝酸、硫酸、炭酸、シュウ酸、また塩酸などのハロゲン化水素酸(ハロゲン化水素の水溶液)を添加して上記機械的エネルギーを付与する操作を行うのがよい。
金属体と水との反応系に、水に溶けて酸性を示す気体として二酸化炭素を添加すると、酸の添加による水素生成の促進のみならず、別種の効果も得られる。すなわち、金属体に機械的エネルギーを与える際、水とともに二酸化炭素ないし二酸化炭素を含む気体を導入することによって、水素の生成とともに炭酸イオン(CO3 2−)や炭酸水素イオン(HC
3 )が生成し、さらには、酸化した金属体に起因する金属イオンと結合し、該金属の炭酸塩、炭酸水素塩に転換され、これにより、二酸化炭素を固定化することができる。すなわち、クリーン燃料の水素を製造すると同時に、言わばアンクリーン燃料等から発生した二酸化炭素を回収・固定できるという、一石二鳥の効果が得られる。なお、ここでいう炭酸塩は、炭酸塩や炭酸水素塩のほか、例えば水酸化炭酸塩M2CO3・nMOHのように水酸化物塩と炭酸塩が複合したものなど、他の陰イオン等が混ざったものを含み得、排除するものでない。
本発明は、以上記載したように、低温において水を分解して水素を発生することができると共に、その反応の際、反応系に二酸化炭素を導入することによって二酸化炭素を固定化することもできるが、その反応において使用する金属体として特別なものを用意する必要は全くない。また、通常、反応性を高めるためにあらかじめ金属に微細化などの加工をしたり、微細組織体を化学的に調製したりするようなことが必要であるが、このようなことも不要である。またさらに通常反応を効率よく行うため触媒の添加が必要になるが、本発明はこれも不要である。反応に際しては、手間のかかる準備や特別な前処理も不要であ
る。本発明は、スクラップのような使用済み金属材や不純物を含む金属片各種をそのまま原料として用いることができる。そのため通常の化学反応操作のように精製された純粋な原料を確保する等のことも必要なく、原料の確保は極めて容易であり、またその取り扱いも注意を要するといったこともない。
また、本発明の方法を実施する装置設計としては、反応成分及び反応媒体を収納し、反応場を提供しうる構造のものならば全く制限はなく、後述するようにボールミルの容器構造のようにその構造は単純でよく、その装置設計におけるスケールアップも極めて簡単で、水素の生産量、二酸化炭素の処理量は、反応容器の容積と収容される反応成分量に依存し、大量の金属による処理、大量の水素の発生が可能である。また、二酸化炭素の固定化についても同様であり、従来のように二酸化炭素吸収剤としての物質を合成したり、材料を調製したりして特別なものを用意する必要はなく、ありふれた金属片を用いるだけでよく、二酸化炭素は、その使用する金属の炭酸塩として固定される。すなわち、二酸化炭素は、使用する金属体の金属成分によって例えばFeCO3、MnCO3などの炭酸塩として固定されうる。しかも、二酸化炭素固定量は、FeCO3、MnCO3などの場合、金属1モルに対し二酸化炭素1モルの割合で固定されるため、特許文献3で述べたリチウムオルトシリケートの二酸化炭素吸収能に比し極めて高いことも利点の一つとして挙げられる。
ちなみに、特許文献3の二酸化炭素固定における反応は、以下(1)に示す反応式で表される。
Li4SiO4+CO2→Li2SiO3+Li2CO3・・・・(1)
この反応式によると、FeやMnによるのと同じだけの二酸化炭素を吸収するLi4
iO4吸収剤は重量にして2倍以上であり、体積にして約7倍に相当し、本発明の固定化
は、極めて高い固定能力を有している。
さらに、本発明を実施するにおいて利用しえる金属片としては、特段何らの制限はなく、何れの金属でもよい。工場やプラント等だけでなく、街角や各家庭にも存在していて、すなわち地球上のどこにでもあるようなものである。したがって水素製造や、二酸化炭素の固定作業を大規模に進め易い。しかも不要となった金属片を利用することも可能である。不要とされて錆びる、すなわちただ酸化物になるよりは、水素製造もしくは二酸化炭素吸収に用いられれば廃物の有効利用にもつながり、省資源に適った方法、提案であるということができる。
本発明を実施する上において、金属体への機械的衝撃ないし応力の付与や、その結果として生じる歪み、変形、破壊、粉砕は、機械的な混合・攪拌・粉砕のための装置、例えばボールミルのようなミリング装置を用いることで効果的に行い得る。すなわち、ミルポットにボールと、金属粉または金属片(金属体)と、水を入れ、ポットを回転させる。金属体と水が激しく攪拌されながら、ボールやポット壁との衝突を繰り返して金属体が機械的衝撃を受け、粉砕、圧延され、一緒に混練されている水と反応して水素が生成する。この還元反応によって金属体中の金属は酸化される。すなわち水酸化物や酸化物等、金属の酸化数がより大きい化合物に変化する。
またポットにボールと、金属体と、水を入れ、気相中に二酸化炭素を満たしてポットを回転させる。水素が発生し、金属は酸化されると同時に炭酸イオンと結合して金属炭酸塩が生成する。これによって二酸化炭素は、炭酸塩として固定される。
衝撃等の機械的・力学的エネルギーは、ミリング装置を回転させるモータを駆動することによって与えられるが、風力や水力エネルギーを電気エネルギーに変換することなく直接運動エネルギーとして利用することも可能であり、エネルギー変換に伴うロスが少なく、自然エネルギーの抽出・有効利用といった観点からも有用である。また、自動車等車両
搭載用の燃料電池の燃料として水素を用いる場合に、車両の運転に伴う振動等の力学的エネルギーを有効に用いつつ、燃料の水素を供給するサイクルなども考えられる。
金属としては、マグネシウム、アルミニウム、チタン、マンガン、亜鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、錫、鉛、銅、銀、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、ランタン、セリウムなどが考えられる。中でもマグネシウム、アルミニウム、チタン、マンガン、亜鉛、鉄は活性が高く、また地球上に多く存在するためこれらを多く含む金属は金属材料としても普及しているので、本発明の方法や装置において利用しやすい。
それらの中でも特に鉄は、元素としては地殻中に豊富にあり、安価、無害であるために、鉄鋼材料、ステンレスなどとして生活の中のあらゆるところで使われている。消費量が高いためにスクラップも増えており、その有効利用は課題になっているところであるが、本発明における金属として用いることができる。
本発明で利用しえる金属は単体や純金属である必要はなく、2種以上の金属元素からなる合金であったり、耐食性を高めるため鉄板表面に亜鉛めっきをしたトタンや、錫メッキをしたブリキのように、金属に他の金属がめっきされたものであったりしてもよい。各金属を分離・精製しなくても、各金属が同時に本発明の作用を示すことができる。銅、亜鉛、ニッケルなどの金属が混ざった鉄鋼スクラップは製鋼原料としての再利用は容易ではないためリサイクル率は悪いが、本発明では元素組成を気にせず利用することができる。
また本発明で利用しえる金属は非金属元素を含む合金相、樹脂がコーティングされたもの、樹脂や他金属板との合板や、母材に他の繊維状や粒子状の素材の分散した複合材料、さらに合成樹脂、油などの混在した混合体を用いてもよい。つまり、それらの中に含まれる金属の抽出、精製などをしなくても、金属以外の不純物が混在したまま機械的衝撃ないし応力を与えるなどして本発明の反応を進行させ、目的を達成することができる。
ステンレス鋼は耐食性に優れた鉄合金鋼で、種類によってクロムを十〜二十数%含んでいる。表面にクロムの酸化皮膜ができて不動態化するため、内部まで酸化させることは難しいが、本発明の水素発生・製造方法及び二酸化炭素固定化方法及びこれらの方法を実施する装置においては、ステンレス鋼を用いることも可能である。
本発明において、低原子価の金属を含む物質体としては、いわゆる0価の金属だけでなく、複数の原子価をとることのできる例えば鉄やマンガン、コバルトなどにおいて、価数の低いものを意味し、これらはより原子価の高い状態へ変化することで水の還元を行うことができるものを意味するものである。
本発明を実施する上において温度条件は、特に制限はなく、例えば20℃の室温においても前記反応が進行しえる。もちろん、プラントなどから燃焼過程で発生した高温の二酸化炭素をそのまま導入するなど、高い温度の条件下で二酸化炭素を固定したり、水素の製造をしたりすることも可能である。
以上述べたように、本発明は、上記構成によって特有な作用効果が奏せられ、従来技術と比較すると数々の利点を備えていることは明らかであり、これによって、今日地球的規模で問題となっている温暖化対策として問題となっている二酸化炭素排出ガスの固定化に対して非常に有利であり、今後予想される規制に対して充分に応えうる提案をなしたものである。
原理的には、金属は電気的に陽性であるために酸化され易く、水を還元して水素を発生させる能力をもっていることは周知である。例えば、ナトリウムのようなアルカリ金属は
非常に活性が高い。しかし、アルカリ金属は、空気中の水分とも反応してしまうことや、反応後にアルカリ性の強い水酸化ナトリウムを生成することから取り扱いが容易ではない。
一方、アルカリ金属に比べて相対的にイオン化傾向の小さい金属は取り扱い易いが、現実的に十分な反応速度をもたせ、またトータルの反応量を上げるためには、高温に熱することが必要であり、また金属を微細化しておく必要があった。
また、微細化したとしても鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウムなど多くの金属では、不動態皮膜が表面に形成されて反応が内部まで進行しなくなるという問題があり、これを防ぐために適当な添加剤や触媒を加えておく必要があった。
これに対し本発明は、金属片に機械的衝撃を与えてこれを活性化し、これと接触する水と化学反応を起こして常温でも効率的に水素を発生させることができる。
一般に固体に対し機械的衝撃や応力を与えると、構造が歪んだり破壊されたり、粉砕されたり展延されたりする。このとき固体は圧縮、摩擦、衝撃応力、せん断応力などを受けて励起され、エネルギーが蓄積される。これによって固体の形状が変わったり微細化したりするだけでなく、準安定相へ相転移したり、結晶構造が壊れて非晶質化するなどの現象が観測される。加えて周囲の物質との化学的相互作用が起こり易くなって固相反応が促進される、メカノケミカル反応と呼ばれる現象によって物質の合成が進められることも周知である。
本発明においても、メカノケミカル反応によって説明することができる。すなわち、金属片に機械的衝撃を与えることで、メカノケミカル反応が進行し、金属体は、機械的エネルギーが与えられて励起・活性化され、準安定状態に移行すると共に、また、機械的衝撃による微細化によって比表面積が大きくなり、水との接触面積が広がって反応を起こす金属の割合が増え、全体としての反応速度が上昇し、量的にも反応が促進されうると考えられる。
本発明は、機械的襲撃による微細化の効果に加えて、金属が活性化されて反応性が高められるという効果があるため、水との化学反応が促進され、効率的に水素を発生することができる。また機械的衝撃と同時に物質移動が促進される効果もある。
すなわち、反応後に金属表面が酸化皮膜などの反応生成物によって覆われ、内部に未反応の金属が残ってしまったとしても、機械的衝撃によってこのような構造はすぐに破壊されるために未反応金属表面が露出し反応が進行する。また機械的衝撃が反応系の水にも及ぶと、水が攪拌されて金属表面へ迅速に供給されることになり、また同時に、生成した水素が金属表面から迅速に除去されるために表面に吸着残留等して反応進行を阻害するようなこともなく、反応速度が向上する。これらの相乗効果によって、従来技術のような高温への加熱を必ずしもする必要がなくなり、常温すなわち、20℃前後の室温やそれより低い温度においても水素を製造することができる。
なお、機械的衝撃を固体に与えて励起・活性化させたときに、局所的に温度が上昇する、との報告もなされ、微細化した金属に対し高温で水と反応させると水素が発生することは周知であり、特許文献1、特許文献2などの従来技術で用いているのはこの現象を利用したものであり、本発明においても同様であるとの見解があるかもしれないが、そして、衝撃による局所的温度上昇により十分効果のある高い温度に達し、上記周知の現象を起こさせているものであったとしても、本発明では反応容器を含む系全体を均一に加熱するようなことは必要がないため、そのような加熱装置は不要であると共に、反応は迅速に開始
され、反応に際しての物質移動促進の効果は如上のとおりで、従来技術には全くない効果であり、特許文献1、2とは本質的に異なるものであるであることは言うまでもない。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。但し、これらの実施例は、あくまでも本発明を具体的に開示し、説明するためのものであり、本発明を限定する趣旨ではない。発明に要旨を変更しない限り、水素発生条件、また二酸化炭素固定化条件は、適宜条件を変更しえるものであり、この開示した実施例によって限定されることはない。
実施例1;
容積80mlのSUS304ステンレス製ポットに、同材質の直径0.5インチ(12.7mm)、質量8.5gのボール15個と、原料とを入れて回転させる遊星型ボールミル(伊藤製作所LPC−400)を用いた。原料として粒径80〜100μm程度の鉄粉(添川理化学製99min%)0.15gと純水(ミリポア純水装置Elixより採取)2mlを入れ、空気を脱気して1気圧の二酸化炭素雰囲気または、1気圧の窒素雰囲気とし密閉した。
容積80mlからボール15個分の容積を差し引いた残りの容積に満たされた1気圧の気体のモル数は、0.15gの鉄のモル数にほぼ等しい。回転テーブルを毎分n回転の速度で公転運動させるとき、テーブル上のポットは公転運動するとともに、その回転方向とは逆方向に毎分n回転の速度で自転運動する。すなわち、ポットはテーブル上に固定した座標軸に対しては毎分2×n回転の運動をすることになる。n=200、または300の条件でミリングを行い、またミリング中は冷風をポットに吹き付けて冷却し、ポット内が摩擦熱によって熱くならないようにした。ポット回りは16℃前後に保たれた。数分後にミリングを止め、ポット内のガスをガスクロマトグラフィーによって分析すると、水素が生成していた。二酸化炭素雰囲気のときには、二酸化炭素が消費されていた。ポット内の水を乾燥させて除き、得られた粉末について粉末X線回折パターンを調べると、二酸化炭素雰囲気のときには、炭酸鉄(菱面体晶系FeCO3、鉱物名:菱鉄鉱)の生成が確認さ
れ、窒素雰囲気のときには、四三酸化鉄(立方晶系Fe34、逆スピネル型構造)の生成が確認された。
それぞれ反応式は(2)、(3)式で示される。
Fe + H2O + CO2 → FeCO3 + H2↑・・・・(2)
3/4Fe + H2O → 1/4Fe34 + H2↑・・・・(3)
(2)式によって生成した上記炭酸鉄はシリカゲルとともに密閉した結果、一ヶ月が経過しても分解を起こさずに安定に保管できることが確認された。
以上の結果から、水素発生と同時に二酸化炭素を固定する効果が確認された。回転数やガス雰囲気、ミリング時間を変えたときのガス発生量を表1に示す。表1からは、二酸化炭素雰囲気のときは、窒素雰囲気のときと比較して、同じミリング条件(回転数、時間)でも水素発生量が高いことがわかる。このことから酸(ここでは炭酸)の添加によって水素発生が促進されることも確認できた。
Figure 0004997383
実施例2;
実施例1と同様の遊星型ボールミル(伊藤製作所LPC−400)において、ミルポット(容積80ml)とボールの材質として、タングステンカーバイド鋼(WC:88%−Co:12%、ボール直径10mm、ボール質量7.9g、ボール個数23個)、または実施例1と同じSUS304(ボール直径0.5インチ、ボール質量8.5g、ボール個数15個)を用いた。原料は、鉄粉(添川理化学製99min%)、市販の飲料用スチール缶(粉末状にしたもの)、SUS304粉末、アルミニウム粉末(和光純薬製99.5%)、マンガン粉末(フルウチ化学製99.9%)、銅粉末(フルウチ化学製99.99%)のいずれかを用い、これに純水(ミリポア純水装置Elixより採取)を加えた。1気圧の空気、窒素、または二酸化炭素のいずれかの雰囲気下に密閉し、毎分200回転の速度で回転テーブルを公転運動させ、テーブル上のポットは公転運動するとともにその回転方向とは逆方向に毎分200回転の速度で自転運動させた。ミリング中は冷風をポットに吹き付けて冷却し、ポット内が摩擦熱によって熱くならないようにした。ポット回りは16℃前後に保たれた。所定時間後にミリングを止め、ポット内のガスをガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。また、ポット内の水を乾燥させて除き、生成した粉末について粉末X線回折パターン(XRD)を調べた。
実験条件を下記にまとめ、実験結果を表2に記した。表2からわかるとおり、純鉄の他、使用済みのスチール缶、耐食性に優れるため従来錆び難い(つまり酸化し難い)ステンレススチールといった鉄含有材料を本発明の金属体として用いることが可能である。さらに、アルミニウム、マンガン、銅といった金属を金属体として用いても水素発生や二酸化炭素固定が可能であることがわかった。
実験条件;
ボールミル:遊星型ボールミル(伊藤製作所LPC−400)
ポット容量:80ml
ポットおよびボール材質(WC):WC−88%、Co−12%
ポットおよびボール材質(SUS):SUS304
ボール(WC):直径=10mm、質量7.9g、個数=23個
ボール(SUS):直径=12.7mm、質量8.5g、個数=15個
温度:約16℃
純水:ミリポア純水装置Elixより採水
Figure 0004997383
以上に示すとおり、各種金属体に機械的衝突エネルギーを与え、水と反応させることによって水素の発生が確認された。また、その際に、二酸炭素を存在せしめることによって二酸化炭素が炭酸塩として固定化されうることを確認した。
以上、本発明は金属に対してひずみを与えたり、変形させたり、破壊させたりすることのできる程度の大きさの機械的衝撃を与え、そこに水を導入、存在させておくことによって、全く加熱することなく、室温で水素を発生させることに成功し、また、そこに二酸化炭素を導入、存在させておくことによって二酸化炭素を固定化することにも成功したものであり、今日、地球温暖化対策の一環として二酸化炭素を排出しないクリーンな水素エネルギーを求める強いニーズ、あるいは、温暖化の対策としての二酸化炭素固定化技術を求める強いニーズに対して、これに応えられるシステムを開発したもので、その意義は極めて大である。
何よりも、本発明は全く無公害であり、問題となる副生物を一切排出しないことから、極めて優れた提案であり、大いに注目され、実施されるものと期待される。しかも、その実施にあたっては格別入手困難な原料や装置に依存せず、ありふれた原材料と極めて単純簡単な構造の装置でよく、しかも、任意にスケールアップ可能であり、電力以外のエネルギーも利用することが出来る等数々の利点を有しており、今後、クリーンな水素エネルギーにおける主要な技術となりうるものと考えられる。また、二酸化炭素排出権をめぐって今後国際間で大きな問題となってくる二酸化炭素排出規制問題に対して極めて時宜に適っ
た意義のある提案であり、今後、本発明の技術は地球的規模で世界的に普及し、産業界のみならず人類社会全般に広く利用され、実施されていくものと期待される。

Claims (2)

  1. 金属体または低原子価の金属を含む物質体に、機械的衝撃ないし応力を加えるとともに水と二酸化炭素とを供給することにより、水素を発生させると共に、二酸化炭素を高原子価金属の炭酸塩を含む物質に転換、固定することを特徴とする、水素の発生と二酸化炭素の固定化とを行う方法。
  2. 前記機械的衝撃ないし応力を与える態様が、前記金属体または低原子価の金属を含む物質体に、硬質体を衝突させることによることを特徴とする、請求項に記載する水素の発生と二酸化炭素の固定化とを行う方法。
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