JP4997309B2 - 電子放出素子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、これら2つのタイプの電子放出素子は、電子放出部表面近傍が強電界であるため、放出された電子は電界により大きなエネルギーを得て気体分子を電離しやすくなる。気体分子の電離により生じた陽イオンは強電界により素子の表面方向に加速衝突し、スパッタリングによる素子破壊が生じるという問題がある。また、大気中の酸素は電離エネルギーより解離エネルギーが低いため、イオンの発生より先にオゾンを発生する。オゾンは人体に有害である上、その強い酸化力により様々なものを酸化することから、素子の周囲の部材にダメージを与えるという問題が存在し、これを避けるために周辺部材には耐オゾン性の高い材料を用いなければならないという制限が生じている。
しかし、このような電子放出素子は、一般にピンホールや絶縁破壊等が生じやすい。このため、このような電子放出素子に、金属等の微粒子を有する絶縁膜を用いてピンホールや絶縁破壊等の発生を防止することが知られている。例えば、相対向する2枚の電極の間に金属等の微粒子を含む絶縁体を設けたMIM型の電子放出素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、この発明の発明者らは、上記絶縁体微粒子層における絶縁体微粒子の大きさにより電流の流れやすさに違いがあることに着目した。そして、上記絶縁体微粒子層上に大きな絶縁体微粒子による凸部を形成すると、上記絶縁体微粒子層における電流経路が限定され、放出される電子量が増加することを見出し、この発明を完成するに至った。
この発明によれば、十分な電子が放出されるとともに絶縁破壊が生じにくい電子放出素子を提供できる。
この発明は、第1電極から供給される電子を加速させる層(この明細書では、電子加速層ともいう。)が絶縁体微粒子で構成されるので、金属等の微粒子を含む絶縁体を設けたMIM型の電子放出素子と比較して、電子加速層における導電性の微粒子の分散(例えば、凝集)を考慮する必要がない。このため、電子加速層を薄く形成しても、この電子放出素子は絶縁破壊が生じにくい。
また、前記電子加速層が少なくとも2種類の絶縁体微粒子で構成されるので、その構成が簡便である。このため、この電子放出素子が容易に製造できる。また、前記電子加速層を形成するための材料が金属等の微粒子を含む絶縁体を設けたMIM型の電子放出素子と比較して少ないので、この電子放出素子は低い製造コストで製造できる。
ここで、凸部の大きさは、前記絶縁体微粒子層における第1絶縁体微粒子で形成された部分の表面を、前記絶縁体微粒子層の表面とした場合に、前記絶縁体微粒子層における第1絶縁体微粒子で形成された部分の表面からの幅、高さをいう。
また、第1絶縁体微粒子で形成された前記部分は、好ましくはその層厚が第1絶縁体微粒子の平均粒径よりも大きい。前記絶縁体微粒子層はその膜厚が薄いほど電流が流れやすいとされるところ、平均粒径とほぼ同じ層厚であれば、第1絶縁体微粒子が第1の基板上にほぼ均一に敷き詰められた状態となり、第1の基板上に第1絶縁体微粒子が存在しない個所が生じない。このため、その層厚が第1絶縁体微粒子の平均粒径よりも大きいことが好ましい。
また、より好ましくはその層厚が第1絶縁体微粒子が3個最密充填されたとき、つまり第1絶縁体微粒子の平均粒径の2.4倍よりも大きいことが好ましい。
第1絶縁体微粒子で形成された前記部分は電流を流れにくくし、第1および第2絶縁体微粒子で形成された凸部は電流が流れやすくすることで、凸部に電流を集中することができ、電子放出効率が向上する。
このため、その層厚が第1絶縁体微粒子の平均粒径の2.4倍よりも大きいことが好ましい。
第1及び第2絶縁体微粒子が金属酸化物や金属窒化物で形成された粒子であってもよいが、SiO2,Al2O3,TiO2の少なくとも1つの絶縁体で形成された粒子であれば、これらの絶縁体は絶縁性が高いので、これらの絶縁体の含有量を調整して、前記絶縁体微粒子層の電気抵抗の値を任意の範囲に調整できる。
このような構成によれば、絶縁体微粒子を分散させた分散液を塗布して絶縁体微粒子層を形成する場合に、分散液における絶縁体微粒子の分散性が向上する。このため、分散液での凝集が生じにくく、より均一な絶縁体微粒子層を形成できる。
また、この発明の電子放出素子を、帯電装置、及びこの帯電装置を備えた画像形成装置に用いることにより、放電を伴わず、オゾンやNOxを始めとする有害な物質を発生させることなく、長期間安定して被帯電体を帯電させることができる。
また、この発明の電子放出素子を電子放出装置に用いてもよい。つまり、この発明は、前記いずれか一つの電子放出素子と、第1電極と第2電極との間に電圧を印加する電源部と、を備える電子放出装置であってもよい。例えば、第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加する電源部を備えてもよい。十分な電子が放出されるとともに絶縁破壊が生じにくい電子放出素子を提供できる。
なお、これらの装置、つまり、送風装置、冷却装置、帯電装置、画像形成装置及び電子放出装置は、複数の電子放出素子を含んでもよい。例えば、複数の電子放出素子が平面体上に配置されて、これらの装置に適用されてもよい。また、複数の電子放出素子が第1電極を兼用して用いられてもよい。
この発明によれば、十分な電子が放出されるとともに絶縁破壊が生じにくい電子放出素子の製造方法が提供できる。
図1は、この発明の電子放出素子の一実施形態煮に係る構成を示す模式図である。図1に示すように、この実施形態に係る電子放出素子10は、電極基板1と、電極基板1上に形成され、絶縁体微粒子で構成された電子加速層4とを備えている。
なお、絶縁体基板の表面を導電性物質で被覆する場合、電極を形成するため、周知のフォトリソやマスクを用いて方形等のパターンを形成してもよい。また、導電性物質や薄膜の膜厚は特に限定されないが、後述するように電極基板1に電子加速層等の構造体を形成するため、これらの構造体と接着性が良好であるとよい。
図2に示すように、電子加速層4は、A絶縁体微粒子2とA絶縁体微粒子2よりも大きいB絶縁体微粒子3とにより構成され、薄膜電極5側の表面に、絶縁体微粒子3Bによって構成される凸部6が形成されている。
A絶縁体微粒子2と同様に、シリカ粒子やスチレン/ジビニルベンゼンからなる高架橋微粒子、シリコーン樹脂微粒子を用いてもよい。
また、B絶縁体微粒子3は、A絶縁体微粒子2と異なる絶縁体材料で形成されてもよく、必ずしも同一の組成でなくてもよい。例えば、B絶縁体微粒子3にアルミナで形成された微粒子を用い、A絶縁体微粒子2にシリカで形成された微粒子を用いてもよい。
電子加速層4を作製する際に、A絶縁体微粒子2及びB絶縁体微粒子3を溶媒へ分散させて電極基板1に塗布して作製するが、粒子表面がシラノールおよびシリル基により表面処理されていると溶媒への分散性が向上し、A絶縁体微粒子2及びB絶縁体微粒子3が均一に分散した電子加速層4が容易に作製できる。また、A絶縁体微粒子2及びB絶縁体微粒子3が均一に分散することより、層厚が薄く、(特にA絶縁体微粒子2で形成される個所について)表面平滑性が高い電子加速層4を形成できる。このため、電子加速層4上の薄膜電極を薄く形成することができる。
乾式法は、例えば、撹拌機中で、絶縁体微粒子を撹拌しながら、シラン化合物、またはその希釈水溶液を滴下またはスプレー等を用いて噴霧した後に、加熱乾燥する方法である。これにより、目的とする表面処理された絶縁体微粒子を得ることができる。
湿式法は、例えば、絶縁体微粒子に溶剤を加えてゾルの状態にし、シラン化合物またはその希釈水溶液を加え、表面処理を行う。次にこの表面処理された微粒子のゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブする方法である。これにより、目的とする表面処理された絶縁体微粒子を得ることができる。なお、このようにして表面処理された絶縁体微粒子に再度表面処理を行っても構わない。
また、上記シラン化合物以外に、ジメチルシリコーンオイル、メチル水素シリコーンオイル等のシリコーンオイルを用いても良い。
凸部6の高さは、例えば、B絶縁体微粒子3が半球状の凸部6を形成している場合、0.5〜4.5μm(平均粒径の約半分)の高さで形成される。このような凸部6は、電子加速層4におけるA絶縁体微粒子2で形成された部分の層厚よりもその平均粒径が大きいB絶縁体微粒子3を用いることにより形成できる。
なお、凸部6の幅は、後述する実施例で説明するように、例えば、1〜9ミクロンのB絶縁体微粒子3を用いて、1〜30μmの幅で形成してもよい。
この実施形態に係る電子放出素子の電子を放出するメカニズムは、背景技術で説明したMIM型電子放出素子のメカニズムと類似すると考えられる。一般的にMIM型電子放出素子のメカニズムは、a)電極材料の絶縁体層中への拡散、b)絶縁体物質の結晶化、c)フィラメントと呼ばれる導電経路の形成、d)絶縁体物質の化学量論的なズレ、e)絶縁体物質の欠陥に起因する電子のトラップと、そのトラップ電子の形成する局所的な強電界領域等、により電子が放出されると説明されている。MIM型電子放出素子は様々な説で説明されているが、この実施形態に係る電子放出素子のメカニズムも、電子加速層4が絶縁体で構成されることから、同様のメカニズムによるものと考えられる。いずれの説によりにしても、この実施形態に係る電子放出素子は、絶縁体層に相当する絶縁体微粒子で構成される電子加速層に電界が印加されたときに、電流路が形成され、その電流の一部が2つの電極間の電界により加速された結果、弾道電子となり、電極基板から薄膜電極へ電子が通過して、電子が素子外へ放出されると考えられる。
一方、絶縁体微粒子層の表面には、B絶縁体微粒子による凸部が形成されているので、B絶縁体微粒子の表面を伝導した電子は、この凸部に向かって加速される。このため、凸部における薄膜電極から電子が放出される
このように、凸部6は、この実施形態に係る電子放出素子の作用に大きく関与していると考えられる。
次に、実施形態1に係る電子放出素子10の製造方法について説明する。
まず、溶媒にB絶縁体微粒子を分散させて分散液を作製する(分散工程1)。ここで用いられる溶媒としては、B絶縁体微粒子を分散でき、かつ塗布後に乾燥できれば、特に制限なく、用いることができる。例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、ヘキサン、メタノール、エタノール、プロパノール等を用いることができる。上記で説明したように、B絶縁体微粒子には、例えば、アルミナ粒子、シリカ粒子を用いる。この溶媒に、例えば、B絶縁体微粒子を0.3wt%の濃度で分散させる。なお、分散時には、溶媒にB絶縁体微粒子を十分拡散させるため、超音波分散器を用いてもよい。
上記で説明したように、A絶縁体微粒子には、例えば、シリカ粒子を用いる。A絶縁体微粒子は、所望の濃度となる量を上記分散液に混合して分散する。例えば、A絶縁体微粒子を分散液に対して8.0wt%の濃度で分散させる。A絶縁体微粒子の分散時にも超音波分散器を用いるとよい。
なお、分散工程1及び2は、ここで説明したように、粒径が大きい微粒子から溶媒に分散させているが、分散工程2の後に分散工程1を行ってもよい。
以下の実施例では、実施形態1に係る電子放出素子を用いて電流測定した実験について説明する。なお、この実験は実施の一例であって、この発明の内容を制限するものではない。
溶媒としてエタノールを3mL入れた試薬瓶を用意し、アルミナ微粒子1.0CR(バイコウスキー社製、バイカロックス1.0CR、メーカー公称値平均粒径1.0μm)を0.01g投入し、試薬瓶を超音波分散器にかけ、アルミナ粒子分散液を作製した。このアルミナ粒子分散液にヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理をしたシリカ粒子(平均粒径110nm、比表面積30m2/g)を0.25g投入し、試薬瓶を超音波分散器にかけ、絶縁体微粒子分散液を作製した。
なお、作製された電子放出素子をSEM顕微鏡で観察したところ、電子加速層上にアルミナ微粒子によって形成された凸部があることが確認できた。形成された凸部はその大きさが幅1μmから5μmであり、この大きさからも凸部はアルミナ微粒子で形成されていることが確認できた。
試薬瓶に溶媒としてトルエンを2.5mL入れ、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理をしたシリカ粒子(平均粒径8.6μm、比表面積0.8m2/g)を0.003g投入し、試薬瓶を超音波分散器にかけ、シリカ粒子分散液を作製した。このシリカ粒子分散液に、高純度オルガノゾルPL−1−TOL(扶桑化学工業株式会社製、メーカー公称値粒子径10〜15nm、トルエン分散、固形分濃度40%)を0.36g投入、攪拌して、実施例2の絶縁体微粒子分散液を作製した。
この絶縁体微粒子分散液を用いて実施例1と同様に実施例2の電子放出素子を作製した。
なお、実施例2についても、作製された電子放出素子を光学顕微鏡で観察したところ、電子加速層上にシリカ粒子(平均粒径8.6μm)によって形成された凸部があることが確認できた。形成された凸部はその大きさが幅10μmから30μmであり、実施例1と同様に、この大きさから凸部はこのシリカ粒子で形成されていることが確認できた。
溶媒としてエタノールを3mL入れた試薬瓶を用意し、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面処理をしたシリカ粒子(平均粒径110nm、比表面積30m2/g)を0.25g投入し、試薬瓶を超音波分散器にかけ、絶縁体微粒子分散液を作製した。
この絶縁体微粒子分散液を用いて実施例1と同様に比較例1の電子放出素子を作製した。
試薬瓶に高純度オルガノゾルPL−1−TOL(扶桑化学工業株式会社製、メーカー公称値粒子径10〜15nm、トルエン分散、固形分濃度40%)を0.33g投入し、次いでトルエン2.0mLを少量ずつ分けて投入攪拌し、絶縁体微粒子分散液を作製した。
この絶縁体微粒子分散液を用いて実施例1と同様に比較例2の電子放出素子を作製した。
図4に、実施形態1に係る電子放出素子10を利用した帯電装置110の一例を示す。帯電装置90は、電子放出素子10とこれに電圧を印加する電源7とを有する電子放出装置100から成り、感光体111を帯電させるものである。この実施形態に係る画像形成装置は、この帯電装置110を具備している。この実施形態に係る画像形成装置において、帯電装置90を構成する電子放出素子10は、被帯電体である感光体111に対向して設置され、電圧を印加することにより、電子を放出させ、感光体111を帯電させる。この実施形態に係る画像形成装置では、帯電装置110以外の構成部材は、従来公知のものを用いればよい。ここで、帯電装置110として用いる電子放出素子10は、感光体111から、例えば3〜5mm隔てて配置するのが好ましい。また、電子放出素子10への印加電圧は25V程度が好ましく、電子放出素子10の電子加速層の構成は、例えば、25Vの電圧印加で、単位時間当たり1μA/cm2の電子が放出されるようになっていればよい。
図5及び図6に、実施形態1に係る電子放出素子10を用いた送風装置の例をそれぞれ示す。以下では、この送風装置を、冷却装置として用いた場合を例に挙げて説明する。
さらに、電子放出素子10は電子放出効率が高いため、送風装置120,130は、より効率よく冷却することができる。送風装置120および送風装置130は、大気中動作が期待できる。
2 A絶縁体微粒子(第1絶縁体微粒子)
3 B絶縁体微粒子(第2絶縁体微粒子)
4 電子加速層(絶縁体微粒子層)
5 薄膜電極(第2電極)
6 凸部
7 電源(電源部)
8 対向電極(回収電極)
9 絶縁体スペーサー
10 電子放出素子
11 支持体
100 電子放出装置
110 帯電装置
111 感光体
120 送風装置
121 被冷却体
130 送風装置
131 送風ファン
Claims (16)
- 第1電極と、
第1電極上に形成され、第1絶縁体微粒子と第1絶縁体微粒子よりも大きい第2絶縁体微粒子とにより構成され、その表面に第2絶縁体微粒子で形成された凸部が配置された絶縁体微粒子層と、
前記絶縁体微粒子層上に形成された第2電極と、
を備え、
前記絶縁体微粒子層は、その層が第1絶縁体微粒子で形成された部分と第1及び第2絶縁体微粒子で形成された部分とにより構成され、前記凸部は、前記第1及び第2絶縁体微粒子で形成された部分に形成され、
前記第1絶縁体微粒子で形成された部分は、第1絶縁体微粒子のみから形成され、
第1電極と第2電極との間に電圧が印加されると、第1電極から供給される電子を前記絶縁体微粒子層で加速させて前記凸部を介して第2電極から放出させるように構成されることを特徴とする電子放出素子。 - 第1絶縁体微粒子が、7〜400nmの平均粒径である請求項1に記載の電子放出素子。
- 前記第1絶縁体微粒子で形成された部分が1μm以下の層厚である請求項1または2に記載の電子放出素子。
- 第2絶縁体微粒子は、その平均粒径が第1絶縁体微粒子の平均粒径の9倍以上である請求項1から3のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 第1及び第2絶縁体微粒子が、SiO2,Al2O3,TiO2の少なくとも1つの絶縁体で形成された粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 第1及び第2絶縁体微粒子が、有機ポリマーからなる微粒子である請求項1から4のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 前記絶縁体微粒子層は、表面処理が施された第1及び第2絶縁体微粒子が分散された分散液を塗布することにより形成された層である請求項1から6のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 第2電極が、金、銀、タングステン、チタン、アルミ、及びパラジウムの少なくとも1つの金属で形成された請求項1から7のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 送風装置に用いられ、電子を放出して送風する請求項1から8のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 冷却装置に用いられ、電子を放出して被冷却体を冷却する請求項1から8のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 帯電装置に用いられ、電子を放出して感光体を帯電する請求項1から8のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 画像形成装置に用いられる請求項11に記載の帯電装置。
- さらに、第1電極と第2電極との間に電圧を印加する電源部を備える請求項1から8のいずれか1項に記載の電子放出素子。
- 前記電源部は、第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加する請求項13に記載の電子放出素子。
- 第1電極と、第1電極上に形成され、第1絶縁体微粒子と第1絶縁体微粒子よりも大きい第2絶縁体微粒子とにより構成され、その表面に第2絶縁体微粒子で形成された凸部が配置された絶縁体微粒子層と、前記絶縁体微粒子層上に形成された第2電極と、を備え、前記絶縁体微粒子層は、その層が第1絶縁体微粒子で形成された部分と第1及び第2絶縁体微粒子で形成された部分とにより構成され、前記凸部は、前記第1及び第2絶縁体微粒子で形成された部分に形成され、前記第1絶縁体微粒子で形成された部分は、第1絶縁体微粒子のみから形成され、第1電極と第2電極との間に第1電極を陰極とする直流電圧が印加されると、第1電極から供給される電子を前記絶縁体微粒子層で加速させて前記凸部を介して第2電極から放出させるように構成される電子放出素子の製造方法であって、
第1電極上に第1及び第2絶縁体微粒子で構成される絶縁体微粒子層を形成する工程と、前記絶縁体微粒子層上に第1電極と対向する第2電極を形成する工程と、
を備え、
前記絶縁体微粒子層を形成する工程が第1及び第2絶縁体微粒子が分散された分散液を第1電極上に塗布する工程であることを特徴とする電子放出素子の製造方法。 - 前記絶縁体微粒子層を形成する工程における第1及び第2絶縁体微粒子は、表面処理が施された絶縁体微粒子である請求項15に記載の電子放出素子の製造方法。
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