JP4996371B2 - 測量機用自動整準装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測量機用自動整準装置の改良に関する。
従来から、三脚を取り付けるための三脚取り付け座部と、測量機本体が着脱可能にセットされる整準装置本体と、この整準装置本体と三脚取り付け座部との間に設けられた整準ネジとからなる整準台を備え、整準装置本体にはチルトセンサと整準ネジ駆動用の駆動機構が設けられた測量機用自動整準装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
この測量機用自動整準装置では、チルトセンサの傾斜姿勢情報に基づいて整準装置本体が水平となるように駆動機構が自動的に制御される。
また、測量機本体の傾斜角度の検出可能範囲を拡大するために二個のチルトセンサを整準装置本体内に設けた測量機用自動整準装置も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
また、チルトセンサの検出範囲以上の傾斜角の場合、チルトセンサにより検出された検出方向に整準装置本体を傾動させて測量機を水平に整準する測量機用自動整準装置も知られている(例えば、特許文献4参照)。
更に、整準装置本体ではなく、測量機本体にチルトセンサを設け、整準装置本体に設けられた駆動機構を利用して整準動作を行う測量機用自動整準装置も開示されている(特許文献5参照。)。
特開平4−203924号公報 特開平1−318913号公報 実開平5−33014号公報 特開平5−71961号公報 特開平6−129854号公報
ところで、一般に、チルトセンサは、測定感度が高いものは、測定レンジが狭く、かつチルトセンサの応答速度も遅い。これに対して、チルトセンサの測定感度が低いものは、測定レンジが広くてセンサの応答速度が速い。
従って、測量機用自動整準装置の整準精度、整準に要する時間はそのチルトセンサに大きく左右される。特に、応答速度が遅いチルトセンサは、測量機用自動整準装置の整準駆動をゆっくりと行わなければ精度が安定しないため、整準に要する時間が大きくなる。
また、特許文献3に記載の測量機用自動整準装置は、整準精度を保ちながら検出範囲の拡大が図れるものの、二個のチルトセンサを整準装置本体内に設けなければならないため、その構成が複雑である。
また、特許文献4に記載の測量機用自動整準装置は、整準の精度が整準装置本体に搭載のチルトセンサの測定精度に依存する。
また、特許文献5に記載の測量機用自動整準装置は、測量機本体の目的に応じた整準精度を有しているが、測量機本体用チルトセンサの応答速度に応じて整準装置本体内の駆動機構の駆動速度を制御する必要がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、測量機器本体に応じた整準精度で整準が可能であると共に、チルトセンサによる傾斜角度の検出可能範囲が広く、迅速に整準作業を行うことのできる測量機用自動整準装置を提供することにある。
請求項1に記載の測量機用自動整準装置は、
整準装置本体に対して着脱可能な連結基盤部と該連結基盤部に対して回転可能な回転部とを有する測量機本体と、
該測量機本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該測量機本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する測量機本体用チルトセンサと、
前記整準装置本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該整準装置本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する整準台用チルトセンサと、
前記整準装置本体に設けられて該整準装置本体が水平となるように当該整準装置本体を駆動する駆動機構と、
前記整準装置本体に設けられた記憶部と、
前記整準装置本体に設けられて前記整準台用チルトセンサからの傾斜姿勢情報と前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜姿勢情報とが入力され、前記測量機本体用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報と前記整準台用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として前記記憶部に記憶させると共に前記駆動機構を駆動制御する処理部とを備え、
前記処理部は、前記整準台用チルトセンサからの傾斜姿勢情報を用いる整準台水平制御モードと前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜姿勢情報を用いる測量機本体水平制御モードと前記キャリブレーション情報を用いるキャリブレーション情報制御モードとのいずれのモードを用いるか否かを判断する判断部を有していることを特徴とする。
請求項2に記載の測量機用自動整準装置は、前記測量機本体用チルトセンサの感度が前記整準台用チルトセンサの感度よりも大きいことを特徴とする。
請求項3に記載の測量機用自動整準装置は、前記整準台用チルトセンサのダイナミックレンジが前記測量機本体用チルトセンサのダイナミックレンジよりも広いことを特徴とする。
請求項4に記載の測量機用自動整準装置は、前記測量機本体用チルトセンサが前記連結基盤部に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の測量機用自動整準装置は、前記測量機本体用チルトセンサが前記回転部に設けられていることを特徴とする。
請求項6に記載の測量機用自動整準装置は、前記処理部は、前記整準台用チルトセンサに基づき前記整準台が水平となるように前記駆動機構を制御した後、前記測量機本体用チルトセンサに基づき前記測量機本体が水平となるように前記駆動機構を制御すると共に、該測量機本体が水平にセットされたときの前記測量機本体用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報と該測量機本体を水平にセットするために前記整準装置本体が水平に対して傾けられたときの前記整準台用チルトセンサから出力された傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
請求項7に記載の測量機用自動整準装置は、前記連結基盤部は前記測量機本体用チルトセンサから出力された傾斜姿勢情報を送信する送信部を有し、前記整準台は前記送信部から出力された傾斜姿勢情報を受信して前記処理部に送信する受信部を有することを特徴とする。
請求項8に記載の測量機用自動整準装置は、前記整準台用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出することを特徴とする。
請求項9に記載の測量機用自動整準装置は、前記測量機本体用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出することを特徴とする。
請求項10に記載の測量機用自動整準装置は、前記測量機本体用チルトセンサが前記回転部に設けられ、前記整準台用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出し、前記測量機本体用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出し、前記処理部は、前記整準台用チルトセンサに基づき前記整準装置本体が水平となるように前記駆動機構を制御した後、前記測量機本体用チルトセンサに基づき前記測量機本体が水平となるように前記駆動機構を制御すると共に、前記測量機本体が水平にセットされたときの前記測量機本体用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報と該測量機本体を水平にセットするために前記整準装置本体が水平に対して傾けられたときに前記整準台用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として前記記憶部に記憶させることを特徴とする。
請求項11に記載の測量機用自動整準装置は、前記測量機本体は、前記整準台用チルトセンサの一の原点角度軸と他の原点角度軸との少なくとも一方に対する前記測量機本体用チルトセンサの一の原点角度軸と他の原点角度軸との少なくとも一方の水平面内での為す角度を方向情報として検出する方向検出部を有し、前記処理部は前記方向検出部からの方向情報に基づいて、前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜角度検出情報を、前記整準台用チルトセンサの一の原点角度軸と他の原点角度軸との少なくとも一方に対応する原点角度軸方向の傾斜角度に補正することを特徴とする。
請求項12に記載の測量機用自動整準装置は、前記測量機本体が垂直軸方向回りの水平角を検出するロータリエンコーダーを有し、該ロータリエンコーダが前記整準台用チルトセンサの原点角度軸に対する方向情報を検出する方向検出部となっていることを特徴とする。
請求項13に記載の測量機用自動整準装置は、前記回転部が方位センサを有し、該方位センサが前記整準台用チルトセンサの原点角度軸に対する方向情報を検出する方向検出部となっていることを特徴とする。
請求項14に記載の測量機用自動整準装置は、
整準装置本体に対して着脱可能な連結基盤部と該連結基盤部に対して回転可能な回転部とを有する測量機本体と、
該測量機本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該測量機本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する測量機本体用チルトセンサと、
前記整準装置本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該整準装置本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する整準台用チルトセンサと、
前記整準装置本体に設けられて該整準装置本体が水平となるように当該整準装置本体を駆動する駆動機構と、
前記整準装置本体と前記測量機本体との少なくとも一方に設けられていずれのチルトセンサを用いるか否かを選択する選択部と、
前記整準装置本体に設けられて前記整準台用チルトセンサからの傾斜姿勢情報と前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜姿勢情報とのいずれか一方が入力されて前記駆動機構を駆動制御する処理部とを備えていることを特徴とする。
本発明に係わる請求項1ないし請求項10に記載の発明によれば、測量機器本体に応じた整準精度で整準が可能であると共に、チルトセンサによる傾斜角度の検出可能範囲が広く、迅速に整準作業を行うことができるという効果を奏する。
特に、請求項6に記載の発明によれば、一旦、測量機本体と整準台とが一体に組み付けられた状態で、ある測定点で水平に整準した後、別の場所に測量機本体と整準台と三脚とが一体に組み付けられた測量機を持ち運んで測量機本体の水平に対する整準を行う場合、その別の場所で検出された整準台用チルトセンサの傾斜姿勢情報がキャリブレーション情報に近づくように駆動機構を制御できるので、測量機本体の水平に対する整準を迅速に行うことができる。
本発明に係わる請求項11ないし請求項13に記載の発明は、整準台用チルトセンサの原点角度軸の方向と測量機本体用の原点角度軸の方向とが一致する方向に向けられているので、測量機本体の回動部に測量機本体用チルトセンサを設けた場合であっても、測量機本体を水平に確実にセットできる。
本発明に係わる請求項14に記載の測量機用自動整準装置は、整準台にセットされる測量機本体の内部に設置の測量機本体用チルトセンサと整準装置本体の内部に設置の整準台用チルトセンサとのいずれを用いるかを適宜選択できるので、整準台にセットされた測量機本体の目的に応じて適切なチルトセンサを選択できる。
以下に、本発明に係わる測量機用自動整準装置の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係わる測量機用自動整準装置の一例を示す外観図である。この図1において、1は整準台、2は測量機本体である。整準台1は三脚3を取り付けるための三脚取り付け座部4と、整準装置本体5と、三脚取り付け座部4と整準装置本体5とを連結する三個の整準ネジ6、7、8とから大略構成されている。
測量機本体2は、整準台1に着脱可能に連結される連結基盤部10と回転部11としての托架部とからなっている。この回転部11には水平軸部12を介して望遠鏡筒部13が設けられている。回転部11は垂直軸V0を中心にして水平面内で回転される。望遠鏡筒部13は水平軸部12を中心にして垂直面内で回転される。
その整準装置本体5には、例えば、図2、図3に具体的に示すように、その中央部に球心レーザー装置14(図5参照)を取り付けるための設置箇所15が設けられ、その設置箇所15を中心としてこの周回り方向に120度毎に間隔を開けて三個の係合孔16が設けられている。
また、整準装置本体5には整準ネジ取り付け部17、18、19が形成されている。連結基盤部10には、図4に示すように、係合孔16に対応する箇所に三個の係合突起20’が形成されている。測量装置本体5は図示を略すロック機構によって整準装置本体5に着脱可能にロックされる。測量機本体2はその整準装置本体5に必ずしも平行にセットされるものではなく、ガタ、ホコリ、加工精度等の傾きが生じる原因による若干の傾きがある。
三脚取り付け座部4には、図5に示すように、整準ネジ取り付け部17、18、19と対向する箇所に整準ネジ取り付け部20、21、22がそれぞれ設けられている。
各整準ネジ6、7、8は、整準ネジ取り付け部17、18、19と整準ネジ取り付け部20、21、22との間に設けられている。符号6a、7a、8aはその各整準ネジ6、7、8のネジ部である。
この三個の整準ネジ6、7、8は手動調整により整準装置本体5の傾斜角度を調整可能であるが、自動調整の際には、三個の整準ネジ6、7、8の少なくとも1個は固定され、他の二個の整準ネジが自動調整可能とされている。
ここでは、三個の整準ネジ6、7、8のうち、整準ネジ6、8が図5に示す駆動モータ23、24としてのステッピングモータによって駆動されることにより自動調整可能とされている。なお、整準ネジ7は自動調整不能とされている。その駆動モータ23、24は、駆動機構の一部を構成している。この駆動機構は歯車伝達機構により構成できるので、その詳細構造については説明を省略する。
回転部11には、図4に示すように回転板25が一体に固定され、連結基盤部10には回転板25を間に挟んで互いに対向する発光部26と受光部27とが設けられている。回転板25には透過パターン(図示を略す)が形成されている。その回転板25と発光部26と受光部27とは回転部11の回転角度位置を検出するロータリエンコーダ28を構成している。
整準装置本体5には、図5に示すように、整準台用チルトセンサ29、処理部30、記憶部31、操作表示部32、既述の駆動モータ23、24、受信部35、給電端子36が設けられている。
整準台用チルトセンサ29は、図6に示すように、水平面H1に対して直交する一の垂直面V1とその水平面H1とによって形成される交線を原点角度軸X1としてこの水平面H1に対する一の垂直面V1方向の整準台1の傾斜角度θ1を検出すると共に、一の垂直面V1に対して直交する他の垂直面V2と水平面H1とによって形成される交線を原点角度軸X2として他の垂直面V2方向の整準台1の傾斜角度θ2を検出する役割を果たす。
回転部11には、図3、図4に示す測量機本体用チルトセンサ40が設けられている。連結基盤部10には図5に示す送信部41、給電端子37が設けられている。測量機本体用チルトセンサ40は、整準台1の傾斜角度の検出の説明に用いた図6を参照して説明すると、水平面H1に対して直交する一の垂直面V1と水平面H1とによって形成される交線を原点角度軸X1’としてその水平面H1に対する一の垂直面V1方向の整準台1の傾斜角度を検出すると共に、一の垂直面V1に対して直交する他の垂直面V2と水平面H1とによって形成される交線を原点角度軸X2’として他の垂直面方向V2の整準台1の傾斜角度を検出する役割を果たす。
その測量機本体用チルトセンサ40の感度は整準台用チルトセンサ29の感度よりも大きい。その整準台用チルトセンサ29のダイナミックレンジは測量機本体用チルトセンサ40のダイナミックレンジよりも広い。送信部41は測量機本体用チルトセンサ40から出力された傾斜姿勢情報を受信部35を介して処理部30に送る役割を有する。
処理部30は、操作表示部32、記憶部31、駆動モータ(ステッピングモータ)23、24、給電端子36、整準台用チルトセンサ29、受信部35に接続され、自動整準作業を統括制御する役割を果たす。
処理部30には整準台用チルトセンサ29からの傾斜姿勢情報と測量機本体用チルトセンサ40からの傾斜姿勢情報とが入力されている。その処理部30は、測量機本体2が水平にセットされたときの測量機本体用チルトセンサ40から出力された水平に対する傾斜姿勢情報と測量機本体2を水平にセットするために整準装置本体5が水平に対して傾けられたときに整準台用チルトセンサ29から出力された水平に対する傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として記憶部31に記憶させると共に駆動機構を駆動制御する役割を果たす。
その処理部30は、整準台用チルトセンサ29からの傾斜姿勢情報を用いる整準台水平制御モードと測量機本体用チルトセンサ40からの傾斜姿勢情報を用いる測量機本体水平制御モードとキャリブレーション情報を用いるキャリブレーション情報制御モードとのいずれのモードを用いるか否かを判断する判断部を有している。この3個のモードのうちのいずれのモードを用いるかの選択は、操作表示部32の操作により選択される。
ここで、原点角度軸X1と原点角度軸X1’(原点角度軸X2と原点角度軸X2’)とが原点Oを中心に水平面H1内で垂直軸V0回り方向にずれていると、整準台用チルトセンサ29によって検出される空間的な傾斜姿勢情報と測量機本体用チルトセンサ40によって検出される空間的な傾斜姿勢情報とが異なる角度値となる。このため、測量機本体用チルトセンサ40の傾斜姿勢情報そのものを何らの補正もせずに用いて、測量機本体2の傾斜角度を駆動機構により調整すると、測量機本体2が水平にセットされないこととなる。
なお、ここで、原点Oとは、原点角度軸X1と原点角度軸X2との交点又は原点角度軸X1’と原点角度軸X2’との交点を意味し、原点角度軸X1と原点角度軸X2との交点と、原点角度軸X1’と原点角度軸X2’との交点とは必ずしも一致している必要はなく、図3に示すように、ずれていても良い。図6には、各原点Oが一致して示されているが、図6は説明の便宜のため、各原点Oを重ね合わせて示したにすぎないものである。
ここで、整準台用チルトセンサ29の原点角度軸X1(X2)方向を基準方向と定義する。図3は、その整準台用チルトセンサ29の原点角度軸X1(X2)方向と測量機本体用チルトセンサ40の原点角度軸X1’(X2’)方向とが一致している状態を示している。
この図3に示す状態から、例えば、回転部11を矢印M方向に回転させると、測量機本体用チルトセンサ40の姿勢が符号40’で示すように変化し、原点角度軸X1’(X2’)が基準方向に対して傾くことになる。
そこで、ここでは、ロータリエンコーダ28を用いて原点角度軸X1’(X2’)の基準方向に対する角度を検出する構成としている。すなわち、ここでは、ロータリエンコーダ28は整準台用チルトセンサ29の原点角度軸X1(X2)に対する測量機本体用チルトセンサ40の原点角度軸X1’(X2’)が為す角度(方向情報)を検出する方向検出部としての役割を果たす。この方向情報は送信部41から受信部35に向かって送信され、処理部30に入力される。
処理部30は方向検出部としてのロータリエンコーダ28からの方向情報に基づいて、測量機本体用チルトセンサ40からの傾斜角度検出情報を、整準台用チルトセンサ29の一の原点角度軸X1と他の原点角度軸X2との少なくとも一方に対応する原点角度軸の方向の傾斜角度に補正する。
なお、このロータリエンコーダ28を用いて基準方向に対する整準台チルトセンサ29の方向情報を検出する代わりに、回転部11に方位センサ45を設けて、この方位センサ45を用いて、整準台用チルトセンサ29の原点角度軸X1(X2)に対する方向情報を検出させる構成としても良い。
処理部30は、整準台用チルトセンサ29に基づき整準装置本体5が水平となるように駆動機構を制御した後、測量機本体用チルトセンサ40に基づき測量機本体2が水平となるように駆動機構を制御する。これと共に、処理部30は、測量機本体2が水平にセットされたときの測量機本体用チルトセンサ40から出力された水平に対する傾斜姿勢情報と測量機本体2を水平にセットするために整準装置本体5が水平に対して傾けられたときの整準台用チルトセンサ29から出力された傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として記憶部31に記憶させる。
この実施例の測量機用自動整準装置によれば、測量機本体2が水平にセットされたときの測量機本体用チルトセンサ40から出力された水平に対する傾斜姿勢情報と測量機本体2を水平にセットするために整準装置本体5が水平に対して傾けられたときの整準台用チルトセンサ29から出力された傾斜姿勢情報との差分情報がキャリブレーション情報として記憶部31に記憶されているので、測量機本体2と整準台1とが一体に組み付けられた状態で、ある測定点で水平に整準した後、別の場所に測量機本体2と整準台1と三脚3とが一体に組み付けられた測量機を持ち運んで測量機本体2の水平に対する整準を行う場合、操作表示部32の操作モードをキャリブレーション情報制御モードに設定すれば、処理部30がその別の場所で検出された整準台用チルトセンサ29の傾斜姿勢情報をキャリブレーション情報に近づくように駆動機構を制御することになるので、測量機本体2の水平に対する整準を迅速に行うことができる
また、操作表示部32を整準台水平制御モードに設定すれば、その処理部30は、整準台用チルトセンサ29からの傾斜姿勢情報を用いる整準台水平制御モードで駆動機構を制御し、操作表示部32を測量機本体水平制御モードに設定すれば、測量機本体用チルトセンサ40からの傾斜姿勢情報を用いる測量機本体水平制御モードで駆動機構を制御する。
この実施例では、回転部11に測量機本体用チルトセンサ40を設置する構成であるので、整準台用チルトセンサ29の方向に対する測量機本体用チルトセンサ40の原点角度軸の方向を検出して、測量機本体用チルトセンサ40の傾斜姿勢情報を補正することにしたが、図7に示すように、この実施例では、測量機本体用チルトセンサ40を連結基盤部10に固定して設ける構成とすれば、測量機本体用チルトセンサ40の原点角度軸が、整準台用チルトセンサ29の原点角度軸に対して為す角度は回転部11の回転にかかわらず一定であるので、方向情報を検出して測量機本体用チルトセンサ40の傾斜姿勢情報を補正する必要はない。
本発明に係わる測量機用自動整準装置の外観図である。 図1に示す整準台の外観図である。 図1に示す整準装置本体の概要を示す平面図である。 図1に示す測量機本体の本発明に係わる要部を模式的に示す図である。 図1に示す整準装置本体の要部構成を示すブロック図である。 本発明のチルトセンサの原点角度軸の説明図である。 図1に示す測量機用自動整準装置の他の実施例を示す模式図である。
符号の説明
2…測量機本体
5…整準装置本体
29…整準台用チルトセンサ
40…測量機本体用チルトセンサ

Claims (14)

  1. 整準装置本体に対して着脱可能な連結基盤部と該連結基盤部に対して回転可能な回転部とを有する測量機本体と、
    該測量機本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該測量機本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する測量機本体用チルトセンサと、
    前記整準装置本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該整準装置本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する整準台用チルトセンサと、
    前記整準装置本体に設けられて該整準装置本体が水平となるように当該整準装置本体を駆動する駆動機構と、
    前記整準装置本体に設けられた記憶部と、
    前記整準装置本体に設けられて前記整準台用チルトセンサからの傾斜姿勢情報と前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜姿勢情報とが入力され、前記測量機本体用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報と前記整準台用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として前記記憶部に記憶させると共に前記駆動機構を駆動制御する処理部とを備え、
    前記処理部は、前記整準台用チルトセンサからの傾斜姿勢情報を用いる整準台水平制御モードと前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜姿勢情報を用いる測量機本体水平制御モードと前記キャリブレーション情報を用いるキャリブレーション情報制御モードとのいずれのモードを用いるか否かを判断する判断部を有していることを特徴とする測量機用自動整準装置。
  2. 前記測量機本体用チルトセンサの感度が前記整準台用チルトセンサの感度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の測量機用自動整準装置。
  3. 前記整準台用チルトセンサのダイナミックレンジが前記測量機本体用チルトセンサのダイナミックレンジよりも広いことを特徴とする請求項2に記載の測量機用自動整準装置。
  4. 前記測量機本体用チルトセンサが前記連結基盤部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の測量機用自動整準装置。
  5. 前記測量機本体用チルトセンサが前記回転部に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の測量機用自動整準装置。
  6. 前記処理部は、前記整準台用チルトセンサに基づき前記整準台が水平となるように前記駆動機構を制御した後、前記測量機本体用チルトセンサに基づき前記測量機本体が水平となるように前記駆動機構を制御すると共に、該測量機本体が水平にセットされたときの前記測量機本体用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報と該測量機本体を水平にセットするために前記整準装置本体が水平に対して傾けられたときの前記整準台用チルトセンサから出力された傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の測量機用自動整準装置。
  7. 前記連結基盤部は前記測量機本体用チルトセンサから出力された傾斜姿勢情報を送信する送信部を有し、前記整準台は前記送信部から出力された傾斜姿勢情報を受信して前記処理部に送信する受信部を有することを特徴とする請求項6に記載の測量機用自動整準装置。
  8. 前記整準台用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出することを特徴とする請求項7に記載の測量機用自動整準装置。
  9. 前記測量機本体用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出することを特徴とする請求項8に記載の測量機用自動整準装置。
  10. 前記測量機本体用チルトセンサが前記回転部に設けられ、前記整準台用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記整準装置本体の傾斜角度を検出し、前記測量機本体用チルトセンサは、水平面に対して直交する一の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として該水平面に対する前記一の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出すると共に、前記一の垂直面に対して直交する他の垂直面と前記水平面とによって形成される交線を原点角度軸として前記他の垂直面方向の前記測量機本体の傾斜角度を検出し、前記処理部は、前記整準台用チルトセンサに基づき前記整準装置本体が水平となるように前記駆動機構を制御した後、前記測量機本体用チルトセンサに基づき前記測量機本体が水平となるように前記駆動機構を制御すると共に、前記測量機本体が水平にセットされたときの前記測量機本体用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報と該測量機本体を水平にセットするために前記整準装置本体が水平に対して傾けられたときに前記整準台用チルトセンサから出力された水平に対する傾斜姿勢情報との差分情報をキャリブレーション情報として前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項3に記載の測量機用自動整準装置。
  11. 前記測量機本体は、前記整準台用チルトセンサの一の原点角度軸と他の原点角度軸との少なくとも一方に対する前記測量機本体用チルトセンサの一の原点角度軸と他の原点角度軸との少なくとも一方の水平面内での為す角度を方向情報として検出する方向検出部を有し、前記処理部は前記方向検出部からの方向情報に基づいて、前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜角度検出情報を、前記整準台用チルトセンサの一の原点角度軸と他の原点角度軸との少なくとも一方に対応する原点角度軸方向の傾斜角度に補正することを特徴とする請求項10に記載の測量機用自動整準装置。
  12. 前記測量機本体が垂直軸方向回りの水平角を検出するロータリエンコーダーを有し、該ロータリエンコーダが前記整準台用チルトセンサの原点角度軸に対する方向情報を検出する方向検出部となっていることを特徴とする請求項11に記載の測量機用自動整準装置。
  13. 前記回転部が方位センサを有し、該方位センサが前記整準台用チルトセンサの原点角度軸に対する方向情報を検出する方向検出部となっていることを特徴とする請求項11に記載の測量機用自動整準装置。
  14. 整準装置本体に対して着脱可能な連結基盤部と該連結基盤部に対して回転可能な回転部とを有する測量機本体と、
    該測量機本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該測量機本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する測量機本体用チルトセンサと、
    前記整準装置本体に設けられてその水平面に対する傾きを検出して当該整準装置本体の水平に対する傾斜姿勢情報を出力する整準台用チルトセンサと、
    前記整準装置本体に設けられて該整準装置本体が水平となるように当該整準装置本体を駆動する駆動機構と、
    前記整準装置本体と前記測量機本体との少なくとも一方に設けられていずれのチルトセンサを用いるか否かを選択する選択部と、
    前記整準装置本体に設けられて前記整準台用チルトセンサからの傾斜姿勢情報と前記測量機本体用チルトセンサからの傾斜姿勢情報とのいずれか一方が入力されて前記駆動機構を駆動制御する処理部とを備えていることを特徴とする測量機用自動整準装置。
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