JP4994888B2 - 飲料容器 - Google Patents
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Description
このため、直接容器の開口の縁に口を着けて飲むのではなく、例えば、ストローなどの細い吸い口を備えた飲料容器で飲むほうが、飲料をこぼしたり、むせたりすることなく比較的飲み易い。
あるいは、特許文献2に示すものは、容器からほぼ垂直に延びるストローを備えており、該ストローには蛇腹状の曲折部が設けられており、該曲折部によって、ストロー先端部を任意の方向に曲げることができるようにされている。
特許文献2のストローは、任意の方向に曲げることができる点は便利であっても、その向きに固定保持することができず、先端部を口に含むたびごとに曲げ方向を決めなければならず、使い勝手がきわめて悪いという欠点がある。
また、ハンドル部は容器本体と別体ではなく、一体であるため、飲用時にハンドル部と容器本体とが位置ずれすることがなく、安定的に保持することができる。
さらに、フード部材が回動するようになっており、該フード部材はストロー飲み口を、傾斜させて外部に露出させるように案内するストロー傾斜案内部を備えているので、ストロー飲み口が任意の方向に延びるように調整することができる。
この場合、例えば、自分で使用する場合には、フード部材を回動調整して、ハンドル部の位置に対して、ストロー飲み口が傾斜して延びる方向が、略45度ないし90度の範囲で、個人の好みに合わせて設定することにより飲用しやすくなる。これに対して、介助者が飲用を介助する場合には、ハンドル部の位置に対して、ストロー飲み口が傾斜して延びる方向が、略180度程度に設定することで、飲用の介助が容易となる。
かくして、容器を保持しやすく、しかも吸い口部を任意の方向に選択して保持できることで自己飲みの場合にも、介助により飲用をする場合でも使い勝手に優れた飲料容器を提供することができる。
また、前記フード部材には、ストロー飲み口の先端部を受容する受容部が設けられているので、使用の途中などでストロー飲み口の先端部を折り曲げて収容することができ、ストロー飲み口からの液体の漏れを防止して、先端部をフード部材に受容させることで、清潔に保持することができる。
上記構成によれば、前記脆弱部の機能により、曲折が容易であるとともに、折り位置が一定なので、受容部にストロー飲み口の先端部を入れる際も作業性が良い。
上記構成によれば、使用の途中などでストロー飲み口の先端部を折り曲げて前記貫通孔の下部に収容することができるだけでなく、フード部材の(分解)着脱の際にも、前記貫通孔下部の拡径箇所に指を入れて作業することで、着脱がきわめて容易となる。
また、高齢者がストロー飲み口の先端部を前記受容部に差し入れる作業が容易である。
上記構成によれば、複数の孔の孔毎に異なる機能を持たせるもとで、使用者にとっても視覚的に機能を区別しやすく、使い勝手に優れている。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
これらの図に示すように、飲料容器10は、上面に開口部11aを有し、内部に飲料を収容することができる容器本体11を備えている。容器本体11は、ガラスやポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン等よりなる合成樹脂の比較的硬い成形品で形成することができ、この実施形態ではコップ状である。
容器本体11には、一体にハンドル部13が形成されている。ハンドル部13は片手持ちの取手であり、容器本体11と一体であるから、該ハンドル部13を把持して持った状態では、容器本体11は揺動等することはなく、安定的に保持できる。
アダプター部材20およびフード部材30はともに成形品であり、少なくとも一方が変形可能な材料で成形されている。この実施形態ではポリエチレン、ポリプロピレン、エラストマー等から選択される材料で成形されている。
このアダプター部材20は、下方に向かって開く溝部23を備えており、弾性を備えた変形可能な材料でなるアダプター部材20の溝部23に、容器本体11の開口の上端を嵌入することによって、アダプター部材20は容器本体11に対して、容易に装着されるようになっている。この場合、容器本体11の上端には、径方向外側に僅かに突出する凸部12を備えているので、装着状態が安定的に維持される。
また、アダプター部材20の外周には、所定幅でフランジ部が形成され、その外縁が下方に僅かに突出されることで指がかり26aが形成されている。この指がかり26aを利用することにより、容器本体11とアダプター部材20の着脱が容易となるようにされている。
一方、ドーム状のフード部材30の下端には、その周方向に沿って、内方に僅かに突出する凸部35が形成されており、該凸部35が、アダプター部材20の壁部21に形成された上記溝部22に嵌入されることにより、装着されるようになっている。
ここで、凸部35は、ドーム状のフード部材30の下端において、その周方向に沿って、全体に連続した状態で形成される凸条でもよいが、むしろ、部分的に、内周に沿って3箇所程度の位置に形成した短い凸条もしくは突起とされると好ましい。これにより、フード部材30とアダプター部材20との着脱がきわめて容易となる。
また、フード部材30の外面には、図1に示すように僅かに外方に膨出した部分が形成されており、この膨出部はフード部材30の指がかり33とされている。フード部材30の指がかりは、図4に示されているように、該フード部材30の直径方向の両端部にそれぞれひとつずつ一対形成されている。
そして、アダプター部材20の溝部22内に入り込んだ凸部35が褶動することによって、フード部材30は、図3に示されているように、飲料容器10の上下方向に延びる仮想の中心線Cの軸周囲で矢印方向に回動できるようにされており、特に、指がかり33,33に手を添えることで、フード部材30の回動が容易となるようにされている。
すなわち、ストロー部材40は、着脱部42の下部に形成した通常の保持部48内に挿入されて、容器本体11の内部でその下端付近まで垂下された比較的硬い合成樹脂材料などでなるストロー基部44と、下部に着脱部42を備え、やや太くされた先端部41を有する自在に曲折可能な柔軟な材料で形成されたストロー飲み口45とを含んでいる。この場合、柔軟な材料とは、例えば、シリコンやエラストマー等である。
ストロー飲み口45の長さ寸法に関する中央部には、例えば、材料の肉厚を薄くして形成した脆弱部47が設けられている。これにより、例えば、飲用の途中で休憩の際などには、脆弱部47の箇所で、図3で示すように容易に曲折され、後述するように先端部41をフード部材30内に受容もしくは収容して隠すことで、清潔で衛生的に使用することができる。しかも放置しても戻りにくい。
このフランジ状の位置決め部46はその外形が真円ではなく、一部が切りかかれた形状とされることで、分解清掃の際に、転がりにくくなっている。
また、ストロー開口24の周縁には下方に僅かに突出する凸部27が形成されることにより、通気孔25を塞がないようになっている。
さらに、通気孔25はアダプター20の中心部、すなわちストロー開口24に接近して形成されている。このことにより、後述するようにフード部材30を回動させて、飲用の際に容器本体11の傾斜方向が実質的に変更された場合において、フード部材30の回動停止位置に応じて、どのような向きで傾斜しても、該通気孔25から液体が漏れ出にくいようになっている。
一方、ストロー部材40の上端側であるストロー飲み口45は、フード部材30に形成されたストロー傾斜案内部から、外部に導かれる。
ここで、ストロー傾斜案内部は、ストロー飲み口45の先端側を、使用者の口に向かって傾斜して延びるように、フード部材30の外部に導く機能を有するものである。この実施形態では、ストロー傾斜案内部は、例えば、後述する受容部と一体にされた比較的大きな(ストロー飲み口の外径と比較してかなり大きな)ストロー露出孔31とされている。
この実施形態では、ストロー飲み口45は、露出孔31から外部に露出されている。
このストロー露出孔31は、フード部材30に形成され、少なくともストロー飲み口45の外形より大きな内径を有する貫通孔で、上下方向において、アダプター20のストロー開口24と重ならない位置に形成されている。
これに対して、ストロー露出孔31をストロー開口24と重ならない位置に設けることで、このストロー開口24を通り、ストロー露出孔31から外に出るストロー飲み口45は、ストロー露出孔31に向かうように、必ず傾斜して延びることになる。
すなわち、ストロー露出孔31の上部は孔径が小さく、下部は孔径が大きな形態であり、受容孔32とされている。すなわち、ストロー露出孔31は、全体として孔径を大きくすることによって、その上部はストロー飲み口45が外部へ導かれるための露出孔であり、下部は図3で説明したように、ストロー飲み口45を脆弱部47で曲折して、内側に屈曲された時、先端部41を受容させて掛止できるようにした受容孔32とされている。
しかも、ストロー露出孔31の下部は、その径を大きく形成し、使用者の指を差し入れることができる大きさとされている。
これにより、ストロー露出孔31は、フード部材30の(分解)着脱の際にも、該ストロー露出孔31の下部に指を入れて作業するための指がかりとすることで、着脱がきわめて容易となる。
この飲料容器10のハンドル部13は片手用のハンドル部とされている点で、多くの取っ手付容器、例えばビールジョッキやコーヒーカップのように、大人が片手で容器を把持する使用形態に適している。
また、ハンドル部13は容器本体11と別体ではなく、一体であるため、飲用時にハンドル部13と容器本体11とが位置ずれすることがなく、安定的に保持することができる。
さらに、フード部材30が回動するようになっており、該フード部材30はストロー飲み口45を、傾斜させて外部に露出させるように案内するストロー露出孔31を備えているので、ストロー飲み口45が任意の方向に延びるように調整することができる。
フード部材30の位置を図3の矢印A方向に回動させて、図4のようにハンドル部13の位置に対して、飲み口部45がほぼ90度の角度で位置するようにする。これにより、右手でハンドル部13を把持した状態で、ストロー飲み口45は、自己の口の方向に傾斜して延びることになる。
これにより、使用者は、ハンドル部13の手の位置よりも高い位置へストロー飲み口45の先端部41が延びているので、大きく首の姿勢を変えたりすることなく、該ストロー飲み口45を無理なく口腔内に受容することができる。
しかも、ストロー飲み口45による吸引量を口腔内で自分で調整することにより、液体が流れ込む量を任意に調整できるので、容器から直接筒状の細い吸い口が延び出しているような所謂吸い飲み具のようなものと比較すると、容器を傾ける必要がなく、それにより不用意に液体が多量に口腔内に入り込み、こぼしたりすることがないので、きわめて飲用しやすい。
フード部材30の位置を図3の矢印A方向に回動させて、図5のようにハンドル部13の位置に対して、ストロー飲み口45がほぼ180度の角度で位置するようにする。これにより、介助者がハンドル部13を把持した状態では、前方に延びるストロー飲み口45が、飲用する人の口の方向に傾斜して延びることになる。
これにより、使用者は、ハンドル部13の手の位置よりも高い位置へストロー飲み口45の先端部41が延びているので、必要以上に飲料容器10を持ち上げる必要がなく、ストロー飲み口45を無理なく口腔内に受容することができる。
しかも、ストロー飲み口45による吸引量は、飲用する人が、自分の口腔内で調整することにより、液体が流れ込む量を任意に調整できるので、容器から直接筒状の細い吸い口が延び出しているような所謂吸い飲み具のようなものと比較すると、容器を傾ける必要がなく、それにより不用意に液体が多量に口腔内に入り込み、こぼしたりすることがないので、きわめて飲用しやすい。
図7(a)は変形例1を示している。
図において、フード部材30−1に形成された貫通孔31−1は、ストロー傾斜案内部としてのストロー露出孔であり、フード部材30−1の比較的高い位置に設けられており、ストロー飲み口45の外形よりも僅かに大きな径とされて、該ストロー飲み口45を挿通するだけの機能を有している。
貫通孔32−1は、受容部兼指がかりである。
すなわち、貫通孔32−1は、貫通孔31−1よりも大きな径であり、指を挿入できる大きさである。
これにより、指がかりとして使用できるし、ストロー飲み口の先端部を受容し、掛止することもできる。
図において、フード部材30−2に形成された貫通孔31−2は、傾斜角度を変更できるようにしたストロー傾斜案内部としてのストロー露出孔である。この場合、同じ径の孔が縦方向に3つ並んでいる。このうちのどれかの貫通孔を選択してストロー飲み口45を挿通することで、外に露出するストロー飲み口45の傾斜高さを変更することができる。
そして、ストロー露出孔31−2とは別に、フード部材30−2の下部に比較的大きな貫通孔32−2を形成することによって、指がかりとすることができる。
なお、貫通孔32−2を省略し、複数の貫通孔31−2の下端の孔を受容部として使用できるようにしてもよい。
Claims (4)
- 上方に開放した開口部を有し、内部に飲料を収容する容器本体と、該容器本体に着脱され前記開口部を覆うとともに、ストロー開口を有するアダプター部材と、前記ストロー開口に着脱可能に挿通された柔軟なストロー飲み口を有するストロー部材とを備えた飲料容器であって、
前記容器本体に一体に設けた片手用のハンドル部と、
前記アダプター部材の上に配置されたフード部材と
を有しており、
前記フード部材には、前記ストロー開口に対して、上下方向の位置が重ならない箇所に形成されて、前記ストロー開口から延びるストロー飲み口を、傾斜させて外部に露出させるように案内するストロー傾斜案内部を備えており、
かつ、前記フード部材が、上下方向に延びる仮想の中心線の周囲に回動可能とされていて、
前記フード部材は、前記アダプター部材の上部を覆うドーム状の形態であり、その上部には前記ストロー傾斜案内部が形成されているとともに、下部には、前記ストロー飲み口の先端部を折り曲げて収容する受容部が設けられている
ことを特徴とする飲料容器。 - 前記ストロー飲み口が、柔軟なストロー状の形態であり、その長さ寸法に関する中央部が、前記ストロー傾斜案内部から外部に露出しているとともに、該中央部には脆弱部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の飲料容器。
- 前記ストロー傾斜案内部は、前記受容部を兼ねた比較的大きなひとつの貫通孔でなり、前記ストロー傾斜案内部として機能する該貫通孔の上部は孔径が小さく、前記受容部として機能する該貫通孔の下部は孔径が大きな形態であり、使用者の指を差し入れることができる大きさとされていることを特徴とする請求項2に記載の飲料容器。
- 前記フード部材には、前記ストロー開口に対して、上下方向の位置が重ならない箇所であって、該フード部材の上部から下部にかけて複数の貫通孔が形成されており、これら複数の貫通孔のうち、上方に位置する貫通孔が前記ストロー傾斜案内部とされ、下方に位置する孔が前記受容部とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の飲料容器。
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