JPH1029653A - 注ぎパイプ付き容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、注ぎパイプが破損しにくく且
つ注ぎパイプが破損した場合でも注ぎパイプのみを容易
に交換することができる液体注ぎ容器を提供すること。 【解決手段】 上方に向かって開口する開口部を備えた
有底の容器本体（１）と、前記開口部に取付けられる中
蓋（２）と、略Ｕ字形状部分（１２）を備え前記中蓋
（２）に設けられた孔（１０）に挿通されて前記容器本
体（１）に取付けられる注ぎパイプ（３）とを備えた注
ぎパイプ付き容器（１００）であって、前記注ぎパイプ
（３）が、前記中蓋（２）に設けられた孔（１０）の内
径と略等しい外径を有し且つ可撓性材料で成形されてい
ることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術の分野】本発明は、注ぎパイプ付き
容器に関し、より詳細には、液体を注いだ後、液だれが
生じない注ぎパイプを備えた容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】注ぎパイプを通して液体を注いだ後、注
ぎパイプ内に残った液体を、サイホンの原理を利用し
て、速やかに注ぎパイプから容器本体に戻して、注ぎパ
イプの先端から液体が垂れることを防止することができ
る液体用容器（あるいは液体注出具）が知られている
（例えば、実公昭４２−１２１２１号公報など）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この種の容器は、液体
を収容する容器本体部の上部に取付けられた中蓋（ある
いは注出具基体）に、その全体あるいは一部分が略Ｕ字
形状をなす注ぎパイプ（注出管）が取付けられた構造を
有している。この注ぎパイプは、ＡＢＳ等の可撓性を有
していない合成樹脂で成形されており、中蓋に形成され
た孔に挿入され且つ接着されることにより、容器に取付
けられている。全体あるいは一部分が略Ｕ字型の注ぎパ
イプをＡＢＳ樹脂などの可撓性が極めて小さい合成樹脂
で成形する場合には、成形後に中子を取り出すことが困
難であるなどの理由から、ブロー成形が用いられる。し
かしながら、ブロー成形では、パイプの肉厚を一定にす
ることが難しいため、歩留りが悪いという問題があっ
た。又、成形された注ぎパイプは、中蓋に設けられた孔
に挿入され且つ接着剤により中蓋に接着されるので、注
ぎパイプの取付け時に、挿入および接着の２工程が必要
となり、且つ、接着剤が乾くまで、中蓋を容器に組付け
ることができず、生産性が悪いという問題があった。更
に、使用時において、注ぎパイプが折れ易く、また、注
ぎパイプが折れてしまった場合には、注ぎパイプが中蓋
に接着されているので、中蓋ごと交換しなければならず
無駄が多いという問題もあった。本発明は、前記問題に
鑑みてなされたものであり、生産性が高く、注ぎパイプ
が破損しにくく且つ注ぎパイプが破損した場合でも注ぎ
パイプのみを容易に交換することができる液体注ぎ容器
を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、上
方に向かって開口する開口部を備えた有底の容器本体
と、前記開口部に取付けられる中蓋と、略Ｕ字形状部分
を備え前記中蓋に設けられた孔に挿通されて前記容器本
体に取付けられる注ぎパイプとを備えた注ぎパイプ付き
容器であって、前記注ぎパイプが、前記中蓋に設けられ
た孔の内径と略等しい外径を有し且つ可撓性材料で成形
されている注ぎパイプ付き容器によって達成される。

【０００５】本発明によれば、注ぎパイプが、前記中蓋
に設けられた孔の内径と略等しい外径を有し且つ可撓性
材料で成形されているので、均一な肉厚の注ぎパイプを
容易につくることができ、さらに、注ぎパイプを中蓋に
設けられた孔に押し込んで、この孔に挿通させるだけ
で、注ぎパイプの外周面が孔の内周面にぴったりと接
し、注ぎパイプを中蓋に確実に取付けることができる。
したがって、注ぎパイプを中蓋に接着する工程が不要と
なる。また、可撓性材料で成形されているので、注ぎパ
イプが折れにくく、更に、注ぎパイプが中蓋に接着され
ていないので、何らかの事情で、注ぎパイプの交換が必
要になったときには、中蓋から注ぎパイプを引き抜い
て、新しい注ぎパイプを中蓋に設けられた孔に挿通する
だけで、注ぎパイプが交換できる。

【０００６】本発明の好ましい態様では、前記注ぎパイ
プが、その略Ｕ字形状部分の一端から、前記略Ｕ字形状
部分の他端と反対の方向に外方に向かって、前記略Ｕ字
形状部分の立ち上がり部分と略直角に延びる直線部分を
備えており、該直線部分が、前記中蓋に設けられた孔に
挿通されている。本発明の好ましい態様によれば、注ぎ
パイプの一端に設けらえた直線部分を、中蓋に設けられ
た孔に挿通させることにより、Ｕ字形状部分の他端が側
方に向いた状態で、注ぎパイプが容器に取付けられる。
本発明の他の好ましい態様では、前記直線部分に、中蓋
の厚さと略等しい距離だけ離れた、一対のフランジ状部
分が設けられている。本発明の他の好ましい態様によれ
ば、フランジ状部分の各々が、それぞれ、中蓋の表面と
裏面に当接するようにして、注ぎパイプの直線部分が、
中蓋に設けられた孔に挿通される。このフランジ状部分
によって、注ぎパイプの中蓋に対する取付けが確実にな
ると共に、中蓋と注ぎパイプとの間がシールされる。本
発明のもう一つの好ましい態様では、可撓性材料がシリ
コンゴムである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、図面にしたがって、本発明
の好ましい実施の態様を詳細に説明する。図１は、本発
明の好ましい実施の態様の容器１００の略斜視図であ
り、図２は、図１のＡ−Ａ線に沿った略断面図である。
本発明の好ましい態様の容器１００は、正油、ソース、
酢などの液体調味料を収容するための容器である。図１
および図２に示されるように、容器１００は、液体調味
料を収容する上部に略円形の開口が設けられた本体部１
と、前記本体部１の開口を覆うように本体部１に取付け
られた中蓋２と、該中蓋に取付けられた注ぎパイプ３
と、前記中蓋２及び注ぎパイプ３を覆うように中蓋２に
取付けられたキャップ４とを備えている。本体部１は、
プラスチックで形成された有底の略円筒形状の中空体で
あり、上方に向かって開口する開口を上端に有する略円
筒状の口部分５を備えている。円筒状の口部分５の外周
には、ネジ部６が設けられている。本体部１の内部空間
の大きさは、容器１００の使用目的などに応じて、適
宜、選択される。中蓋２は、プラスチックなどの剛性の
高い合成樹脂で作られており、前記口部分５の開口を覆
う円盤状の蓋部７が、その高さ方向の略中間部に一体的
に取付けられた、略円筒形状を有している。中蓋２の下
方部分の内周面には、前記本体部１の口部分５に形成さ
れたネジ部６をねじ込むことができるネジ部８が形成さ
れており、口部分５の上端にＯリング９を載置した状態
で、中蓋２のネジ部８を、口部分５のネジ部６にねじ込
むことにより、中蓋２を本体部１に取付けることができ
るようになっている。

【０００８】前記中蓋２の蓋部７には、注ぎパイプ３が
挿通される孔１０と、空気孔１１が設けられている。孔
１０は、注ぎパイプ３の外径と等しいか或いはこれより
若干小さい内径を有しており、中蓋２が本体部１に取付
けられたとき、本体部１の内側に面することになる蓋部
７の裏側面から、本体部１の外側に面することになる蓋
部７の表側面に向かって延びて、蓋部７を貫通してい
る。又、空気孔１１は、中蓋２が本体部１に取付けられ
たとき、本体部１の内側に面することになる蓋部７の裏
側面から、本体部１の外部に面することになる蓋部７の
表側面に向かって延び、途中で、円盤状の蓋部７の半径
方向外方に向かって略９０度折れ曲がり、中蓋２の外周
面に開口しており、中蓋２が、本体部１に取付けられた
とき、本体部１の内部空間を、容器１００の外側と連通
させることになる。図３は、注ぎパイプ３の略斜視図で
ある。注ぎパイプ３は、シリコンゴムで一体成形されて
おり、略均一な径を有する貫通ボア（流路）が内部に設
けられている。図１ないし図３に示されるように、注ぎ
パイプ３は、略Ｕ字形状に湾曲した湾曲部分１２と、略
Ｕ字形状部分の一端から、略Ｕ字形状部分の他端１２ａ
と反対の方向に外方に向かって、前記略Ｕ字形状部分の
立ち上がり部分と略直角に延びる直線部分１３を備えて
おり、直線部分１３の先端部分が、前記中蓋２に設けら
れた孔１０に挿通されることによって、中蓋２に取付け
られている。

【０００９】直線部分１３の先端部分には、外方に向か
って延びる一対のフランジ状部分１４、１５が一体的に
形成されている。この一対のフランジ状部分１４、１５
の間の距離は、中蓋２に設けられた孔１０の軸線方向の
長さすなわち孔１０が設けられている部分の蓋部７の厚
さに等しくなっている。したがって、一対のフランジ状
部分１４、１５は、注ぎパイプ３の直線部分１３を孔１
０に挿通したときに、一方のフランジ状部分１４が蓋部
７の表側面に、他方のフランジ状部分１５が、蓋部７の
裏側面に当接して、注ぎパイプ３が、中蓋２に対して軸
線方向に動かないようにするストッパとして機能すると
ともに、注ぎパイプ２の直線部分１３と孔１０の内周面
との間に、本体部１に収容された醤油などの内容物が侵
入するのを防ぐシールとしても機能する。尚、このフラ
ンジ状部分１５もシリコンゴムで成形されているので、
弾性変形させることにより、孔１０の中を挿通させるこ
とができる。又、注ぎパイプ３の直線部分１３の軸線
と、湾曲部分１２の他端１２ａ（直線部分１３とは反対
側の端）部の軸線は、略９０度の角度をなしており、し
たがって、注ぎパイプの直線部分１３を、中蓋２の蓋部
７の孔１０に挿通すると、湾曲部分１２の他端１２ａ側
部分は、円盤状の蓋部７の半径方向外方に向かって、蓋
部７と略平行に配置されることになる。

【００１０】尚、注ぎパイプ３は、中蓋２の蓋部７の孔
１０に挿通されたとき、孔１０に挿通されている部分の
外周面が、孔１０の内周面に密着するような肉厚および
寸法・形状に成形されている。図１および図２に示され
るように、容器１００は、更に、中空の半球状のキャッ
プ４を備えている。キャップ４は、透明なプラスチック
などの合成樹脂で成形されており、着脱自在に、円筒形
状の中蓋２の上端に嵌合される寸法形状を有しており、
円盤状の蓋部７と平行に半径方向外方を向いた注ぎパイ
プ３の湾曲部分１２の他端１２ａが挿通される、長孔１
６が設けられている。次に、容器１００の組み立て方法
を説明する。先ず、本体部１、中蓋２、注ぎパイプ３お
よびキャップ４をそれぞれ別々に製造しておく。ここ
で、注ぎパイプ３の材料は、弾性および可撓性に富んだ
シリコンゴム製であるので、中子を使用したプレス成形
により、均一な肉厚の注ぎパイプ３を容易に得ることが
できる。次いで、中蓋２の表側面から、注ぎパイプ３の
直線部分１３の先端部分を、中蓋２の蓋部７に設けられ
て孔１０に挿通することによって、注ぎパイプ３を中蓋
２に取付ける。

【００１１】上述したように、注ぎパイプ３およびフラ
ンジ状部分１５はシリコンゴムで成形されているので、
弾性変形させることにより、孔１０の中を容易に挿通さ
せることができる。また、孔１０は、注ぎパイプ３の外
径と等しいか或いはこれより若干小さい内径を有してお
り、且つ、注ぎパイプ３の材質は、可撓性を有するシリ
コンゴムであり、さらに、注ぎパイプ３は、孔１０に挿
通されたとき、孔１０に挿通されている部分の外周面
が、孔１０の内周面に密着するような肉厚および寸法・
形状に成形されているので、注ぎパイプ３の直線部分１
３を孔１０に押し込んで、孔１０内に挿通させるだけ
で、直線部分１３の外周面が孔１０の内周面に密着す
る。このため、接着剤などを用いることなく、注ぎパイ
プ３と孔１０との間で内容物の漏れを防止しつつ、注ぎ
パイプ３が孔１０に着脱自在に取付けられている。した
がって、注ぎパイプ３のみの交換も容易に行うことがで
きる。更に、本体部１と中蓋２の間にＯリング９を介在
させた状態で、中蓋２のネジ部８を、本体部１のネジ部
６にねじ込むことにより、注ぎパイプ３が取付けられた
中蓋２を本体部１に取付け、さらに、注ぎパイプ３の湾
曲部分の他端１２ａ側の先端が、長孔１６から突出する
ように、キャップ４を中蓋２に嵌合させる。

【００１２】尚、本体部１への液体調味料の充填あるい
補充は、本体部１に対して中蓋２を回転させ、取り外す
ことによって行われる。使用にあたっては、図１および
図２に示される正立位置から、容器１００を、注ぎパイ
プ３の湾曲部分１２の他端１２ａが下向きになるように
傾けていく。湾曲部分１２の他端１２ａの高さ方向の位
置が、本体部１内の液体調味料の表面の高さ方向の位置
より低くなると、湾曲部分１２の他端１２ａから、液体
調味料が注ぎ出される。注ぎ出しを停止する時には、容
器１００を正立位置に戻す。このとき、湾曲部分１２の
他端１２ａの高さ方向の位置が、本体部１内の液体調味
料の表面の高さ方向の位置より、若干高くなると、注ぎ
パイプ３内に残っていた液体調味料は、湾曲部分１２の
他端１２ａにかかる空気圧により、素早く容器１００の
本体部１内に押し戻され、注ぎパイプ１の湾曲部分１２
の他端１２ａから垂れたり、漏れだしたりしない。以上
詳述したように、上記実施例態様によれば、注ぎパイプ
３が、接着剤などを用いることなく、孔１０に着脱自在
に取付けられるので、接着工程が不要となり、製造工程
が簡略化されるとともに、必要に応じて、注ぎパイプ３
のみの交換が可能となる。また、注ぎパイプ３が、可撓
性に富んだシリコンゴムで成形されているので、折れる
ことはほとんどない。

【００１３】本発明は上記実施の態様に限定されること
なく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種
々の変更が可能であり、それらも、本発明の範囲内に包
含されることはいうまでもない。たとえば、上記実施の
態様では、液体調味料容器を例に本発明を説明したが、
本発明は、他の液体を収容しかつ注ぎ出すために使用さ
れる容器であってもよく、これに限定されるものではな
い。又、上記実施の態様では、シリコンゴムで製造され
た注ぎパイプ３を例に、本発明を説明したが、弾性に富
んだ他の可撓性材料、例えば、ＥＰＴゴム、クロロプレ
ンゴム、ウレタンゴム、あるいは、ＮＢＲゴムなどで、
注ぎパイプを形成してもよい。

【００１４】

【発明の効果】上記のような構成を有している本発明に
よれば、生産性が高く、注ぎパイプが破損しにくく且つ
注ぎパイプが破損した場合でも注ぎパイプのみを容易に
交換することができる液体注ぎ容器が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明の好ましい実施の態様の容器１
００の略斜視図である。

【図２】図２は、図１のＡ−Ａ線に沿った略断面図であ
る。

【図３】図３は、注ぎパイプ３の略斜視図である。

【符号の説明】

１ 本体部 ２ 中蓋 ３ 注ぎパイプ ４ キャップ ５ 口部分 ６ ネジ部 ７ 蓋部 ８ ネジ部 １０ 孔 １１ 空気孔 １２ 湾曲部分 １３ 直線部分 １４ フランジ状部分 １５ フランジ状部分

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方に向かって開口する開口部を備えた
   有底の容器本体と、前記開口部に取付けられる中蓋と、
   略Ｕ字形状部分を備え前記中蓋に設けられた孔に挿通さ
   れて前記容器本体に取付けられる注ぎパイプとを備えた
   注ぎパイプ付き容器であって、 前記注ぎパイプが、前記中蓋に設けられた孔の内径と略
   等しい外径を有し且つ可撓性材料で成形されていること
   を特徴とする注ぎパイプ付き容器。
2. 【請求項２】 前記注ぎパイプが、その略Ｕ字形状部分
   の一端から、略Ｕ字形状部分の他端と反対の方向に外方
   に向かって、前記略Ｕ字形状部分の立ち上がり部分と略
   直角に延びる直線部分を備えており、該直線部分が、前
   記中蓋に設けられた孔に挿通されていること、を特徴と
   する請求項１に記載の注ぎパイプ付き容器。
3. 【請求項３】 前記直線部分に、中蓋の厚さと略等しい
   距離だけ離れた一対のフランジ状部分が設けられている
   こと、を特徴とする請求項２に記載の注ぎパイプ付き容
   器。
4. 【請求項４】 前記可撓性材料がシリコンゴムであるこ
   と、を特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれかに
   記載の注ぎパイプ付き容器。