JP4993507B2 - 水栓のバルブ - Google Patents
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Description
この例は自動温度調節機能付きの湯水混合のバルブの例で、図中300は弁ケース、302,304はそれぞれ第1流入口としての水(冷水)流入口,第2流入口としての湯(熱水)流入口で、306,308はそれぞれ弁ケース300内部に設けられた第1主弁としての水側主弁,第2主弁としての湯側主弁、307,309は水側主弁306,湯側主弁308に各対応した第1主弁座としての水側主弁座,第2主弁座としての湯側主弁座である。
水側主弁306は水側主弁座307に当接して閉弁し、また湯側主弁308は湯側主弁座309に当接して閉弁する。
ここで回止め機構314は、進退部材312から径方向外方に突出した係合爪318と、弁ケース300に設けられ、係合爪318を軸方向に移動可能且つ回転方向に移動不能に係入させるガイド溝320とを有している。
尚、328は形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばね、330はバイアスばねである。
そして進退部材312が図中右向きに前進移動すると、緩衝ばね機構322を介して主弁体316が図中右向きに移動し、水側主弁306が閉方向に、湯側主弁308が開方向に移動する。
特に湯水混合バルブの場合、ねじ部のねじのリード角が大きくとってあるため、そうした現象が起り易い。
使用者の意思に拘らずハンドルが勝手に回転してしまうことは、水栓の動作に対する信頼性を損なう原因となり、好ましくない。
またハンドルを強く回し過ぎたとき、ハンドルから手を離すとそのハンドルが、詳しくは回転部材が進退部材とのねじ結合に基づいて緩衝ばねの大きな反力により戻り側に回転(自転)してしまう現象を生ずる。
更に上記の回止め機構は、水側主弁の閉弁後に進退部材が第1設定ストローク分前進移動した後に、係合爪がガイド溝から外れて回止め作用を解除し、進退部材を回転部材の回転と一体に、回転部材の水側主弁を閉弁させる方向の正方向に空回転させ、また正方向の空回転と同じだけ逆方向に空回転した後に、再び係合爪をガイド溝に係入させて回止め作用を回復するものとなしておくか、又は/及び湯側主弁の閉弁後に進退部材が第二設定ストローク分後退移動した後に、係合爪がガイド溝から外れて回止め作用を解除し、進退部材を回転部材の回転と一体に、回転部材の湯側主弁を閉弁させる方向の逆方向に空回転させ、また逆方向の空回転と同じだけ正方向に空回転した後に、再び係合爪をガイド溝に係入させて回止め作用を回復するものとなしておくことができる。
詳しくは、混合水温度に感応して軸方向に伸縮し、混合水が設定温度よりも高くなったときに水側主弁を開き、湯側主弁を閉じる方向にそれらを移動(微動)させる感温体と、その逆方向の付勢力を作用させるばねとを有し、それら感温体とばねとによって水側主弁,湯側主弁をそれぞれ設定した弁開度に自動的に調整する機能を有するものに適用することができる(請求項3)。
詳しくは、水側主弁及び湯側主弁を有する主弁体を温調軸と別体に構成して、これを温調軸にて相対移動可能に保持するとともに、その温調軸には更に、感温ばねと、主弁体に対して感温ばねとは軸方向の逆向きに付勢力を及ぼすバイアスばねとを主弁体に対して軸方向の互いに逆の側に組み付け保持しておき、感温ばね及びバイアスばねを合計の長さを一定に保持させるようにして主弁体とともに温調軸と一体に軸方向に移動させるようになすことができる。
更に緩衝ばねのばね力を小さくできることから、これをコイルばねにて構成する場合においてその径を小さくでき、進退部材を空回転させる際の摺動抵抗も小さくすることができる。
詳しくは湯水混合バルブをパイロット弁を有するものとなし、そしてパイロット弁の進退移動により、水側主弁又は/及び湯側主弁に対して内部の圧力を閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室の圧力を増減させ、以て水側主弁又は/及び湯側主弁を開閉方向に移動させるとともに、水側主弁の閉弁時に湯側主弁を同期して全開させ、また湯側主弁の閉弁時に水側主弁を同期して全開させるパイロット式のバルブとなし、そしてそのパイロット弁を温調軸に保持させて、進退部材により温調軸を進退移動させるものとなしておくことができる。
ここで湯水混合バルブをパイロット式のバルブとして構成するに際し、これを様々な形態のパイロット式バルブとなすことができる。
(A)(イ)水側主弁の背後に形成され、内部の圧力を水側主弁に対して閉弁方向の押圧力として作用させる背圧室としての水側背圧室と、(ロ)水流入口からの1次側の水を水側背圧室の内部に導入して圧力上昇させる水側導入小孔と、(ハ)水側背圧室内の水を水側主弁の下流側の2次側に抜いて圧力低下させる圧抜孔としての水側パイロット孔と、(ニ)水側主弁に形成された水側パイロット弁座に向けて進退移動して水側パイロット孔の開度を制御し、水側主弁を同方向に追従して進退移動させる水側パイロット弁とを有するものとなすとともに、湯側主弁を水側主弁と一体に構成して、水側主弁を駆動弁として湯側主弁を一体に移動させるようになしたパイロット式の湯水混合バルブ。
図1は、本発明を単水栓のバルブに適用した場合の実施形態を示したもので、図中10は弁ケースである。
弁ケース10には、第1流入口としての水(冷水)流入口12と流出口14、及び水流入口12に続く水流入通路16,流出口14に続く水流出通路18とが設けられている。
主弁20は主弁座22に向けて図中上下方向に移動し、そして図中下向きの移動により、弾性材から成るシール部材(弁シート)26を主弁座22に当接させて閉弁し、また図中上方向の移動により主弁座22から離間し且つその離間量に応じて弁開度を変化させる。
軸部30は、環状シール部材としてのOリング38により嵌合孔34に対し水密にシールされ、また弁ケース10からの突出部分にはハンドル連結部36が設けられており、そのハンドル連結部36において回転操作式のハンドル(図6中のハンドル130)と一体回転状態に連結されるようになっている。
この進退部材42には外周面に雄ねじ44が形成され、この雄ねじ44が、回転部材28における円筒部32の内周面に形成された雌ねじ46に螺合されている。
この進退部材42は図中下端部に径方向内向きの掛止部50を有し、この掛止部50を、主弁20の被掛止部としてのフランジ部52に掛止させ、主弁20を図中上向きに支持している。
緩衝ばね56は、図中上端を進退部材42の段付部58に当接させるとともに、下端を主弁20における上記のフランジ部52に当接させ、主弁20を図中下向きに付勢している。
尚、主弁20は図中上向きに突出した軸部60を有しており、また進退部材42には、この軸部60を上向きに挿入させる凹部62が設けられている。
ここで一対の係合爪64,66及び一対のガイド溝68,70は周方向に180°隔たった2個所に設けられている。
ここでストッパ部72は、一対のガイド溝68,70に対して、対応する一対の係合爪64,66の回転方向、詳しくは回転部材28の回転方向と逆の側で図中下向きに立ち下がっている。
この実施形態においては、ハンドルと一体回転状態に連結された回転部材28を、ハンドルに加えた操作力により図2中矢印方向に回転させると、図3(I)に示すように回止め機構48の回止め作用により進退部材42がねじ送りで図中下向きに前進移動させられる。
このとき、進退部材42に保持された主弁20もまた一体に図中下向きに、即ち閉弁方向に移動させられる。
そしてある位置で主弁20が主弁座22に当接し、図2(I)に示すように主弁20が閉弁する。
このときの緩衝ばね56の撓みによる弾性力によって、主弁20は主弁座22に対し図中下向きに押圧され、その押圧力に基づいて主弁20が良好にシール状態に保持される。即ち止水状態に保持される。
従って摺動面76に沿って係合爪64,66が摺動する際の摺動抵抗は小さい。
尚図3(III)において、ストッパ部72の左側の摺動面76は、係合爪64又は66とは180°異なった周方向位置の係合爪66又は64の摺動用のものである。
またハンドルを強く回し過ぎたとき、ハンドルから手を離すとそのハンドルが、詳しくは回転部材28が、進退部材42とのねじ結合に基づいて緩衝ばね56の大きな反力により戻り側に回転(自転)してしまう現象を生ずる。
図において78はパイロット弁で、この例では上記主弁20に代えてパイロット弁78が上記と同様の構造で進退部材42にて保持され、また同じく進退部材42が上記と同様の構造にて回転部材28にねじ結合され、また回止め機構48にて回止めされている。
更に上記と同様の緩衝ばね機構54にてパイロット弁78が図中下向きに付勢されている。
従ってここでは対応する部分に符号のみを示して、それらについての更に詳しい説明は省略する。
83は、主弁80を貫通して設けられた導入小孔で、この導入小孔83は、水流入口12側の1次側の水を背圧室81に導いて背圧室81の圧力を増大させる。
主弁80には、背圧室81側においてパイロット孔86周りにパイロット弁座88が形成され、このパイロット弁座88に向けてパイロット弁78が図中上下方向に進退移動せしめられる。
尚、90はパイロット弁78に設けられた弾性材から成るシール部(弁シート)で、92はパイロット弁78の軸部94と、弁ケース10における軸部94の嵌合孔とを水密にシールする環状シール部材としてのOリングである。
その結果、主弁80が図中下向きに即ち閉弁方向に微小移動する。
そして背圧室81の圧力と水流入口12側の1次側の圧力がバランスしたところで、主弁80の下向きの移動が停止する。
このとき、パイロット弁78とパイロット弁座88との間の隙間は当初と同じ大きさの隙間となる。即ちパイロット孔86の開度が当初と同じ状態となる。
その際の主弁80の開弁量は、パイロット弁78の後退移動量によって規定される。
そして最終的にパイロット弁78がパイロット弁座88に当接して閉弁し、また主弁80が主弁座22に当接して閉弁するに到る(図5(I))。
そしてその緩衝ばね56の弾性変形により、パイロット弁78及び主弁80が閉弁方向に押圧され且つその押圧状態に保持される。
尚、この実施形態では、Oリング92にて水密にシールしているので、Oリング38は省略しても良い。
この例は、本発明を湯水混合弁(非パイロット式の湯水混合弁)に適用した場合の例で、この湯水混合弁は、上記実施形態と同様に弁ケース10を有し、その弁ケース10に、第1流入口としての水流入口12と、第2流入口としての湯(熱水)流入口100とが設けられている。またこれら水流入口12,湯流入口100に続いて水流入通路16,湯流入通路102が設けられている。
これら水流入口12と湯流入口100とから流入した水と湯とは、混合室104で混合された上、流出口106から図中右向きに流出する。
主弁体108には、第1主弁としての水側主弁110と、第2主弁としての湯側主弁112とが一体に構成されており、主弁体108の図中左右方向の移動によって、水側主弁110と湯側主弁112とが、互いに逆の関係で弁開度を大小変化させるようになっている。
そしてこれら水側主弁110,湯側主弁112の弁開度の変化により、水流入口12,湯流入口100から流入する水と湯との比率が変化し、混合水温度が調整される。
また湯側主弁112が湯側主弁座116に当接して閉弁する。
ここで周方向におけるアーム120と120との間には軸方向の通路122が形成されており、湯流入口100から流入した湯が、この通路122を通じて混合室104へと流れ、そこで水流入口12から流入した水と混合されて混合水となり、流出口106から図中右向きに流出する。
尚、水流入口12と湯流入口100とは、主弁体108の外周面に保持された環状シール部材としてのOリング124にて連通遮断されている。
この感温ばね126は、図中左端を温調軸118に当接させ、かかる温調軸118を介して主弁体108を図中左向きに付勢している。
この感温ばね126は、混合室104内部の混合水温度に感応して伸縮し、主弁体108に対する図中左向きの付勢力を増減変化させる。
上記主弁体108は、このバイアスばね128と感温ばね126との互いに逆向きの付勢力とが釣り合う位置に位置制御され、温調(温度調節)動作を行う。
ここで回転部材28は上記と同様の構成を有するもので、軸部30と円筒部32とを有し、その軸部30において弁ケース10の嵌合孔34に回転可能に嵌合され、そして軸部30に装着されたOリング38により嵌合孔34に対し水密にシールされている。
更に弁ケース10からの突出部分に設けられたハンドル連結部36にハンドル130に一体回転状態に連結されている。
温調軸118は、図中左側に小径部132を有しており、その小径部132に対して、円筒形状をなす第2の進退部材134が軸方向に相対移動可能に嵌合されている。
そしてこの進退部材134に対し、上記のバイアスばね128の図中左端が当接させられている。
尚この円筒形状をなす進退部材134の軸方向の両端にはスリップワッシャ135が設けられており、バイアスばね128は、このスリップワッシャ135を介して進退部材134に当接させられている。
この実施形態において、緩衝ばね機構54は図中左右一対のスリップワッシャ140,142を有しており、これらスリップワッシャ140,142を介して、緩衝ばね56のばね力を進退部材134に及ぼすようになっている。
上記緩衝ばね56は、左右方向両端をこれらスリップワッシャ140,142に当接させ、そのばね力をこれらスリップワッシャ140,142を介して進退部材134に作用させる。
即ち進退部材42が図8中左方向に後退移動し、これに伴って係合爪64,66がガイド溝68,70内を図9中左方向に移動すると、図10(B)に示しているようにあるところで係合爪64,66がガイド溝68,70から外れて、摺動面146に沿って回転部材28の逆方向回転と一体に回転し、このことによって進退部材42に対する逆方向の回止め作用を解除して、進退部材42を回転部材28と一体に図8中矢印方向に空回転させる。
この実施形態では、図6に示しているように水側主弁110,湯側主弁112の開弁状態の下で、回転部材28を図7中矢印方向(正方向)に回転させると、進退部材42がねじ送りで図中右方向に前進移動する。
その前進移動は緩衝ばね機構54を介して第2の進退部材134に伝えられ、バイアスばね128を撓ませながら進退部材134が図中右向きに前進移動させられる。
この結果温調軸118が図中右向きに移動し、混合水の設定温度が高温側に設定変更される。
ここにおいて主弁体108が図中左向きに移動し、混合水の設定温度が低温側に設定変更される。
また混合室104内の混合水の温度が設定温度よりも低いときには、感温ばね126の付勢力が減少し、そのことによって主弁体108が図中右向きに移動して水側主弁110の弁開度を小、湯側主弁112の弁開度を大とし、混合水温度を上昇せしめる。
そしてそのような主弁体108の自動的な位置移動によって、混合水温度を設定温度に自動的に調整する。
このとき、進退部材42の図中右向きの前進移動は上記と同様に緩衝ばね機構54を介して第2の進退部材134に伝えられ、進退部材134がバイアスばね128を撓ませながら図中右向きに大きく前進移動する。
そしてその動きを温調軸118に伝えて、水側主弁110を水側主弁座114に当接させ閉弁させる。また併せて湯側主弁112を全開させる。
その過程で進退部材134が温調軸118の当接部148に当接して(図7(I)参照)、以後バイアスばね128を介さずに前進移動の力を温調軸118に、即ち主弁110に及ぼす。
その結果緩衝ばね56のばね力が、水側主弁座114に対する水側主弁110の弾性的な押圧力として作用し、それにより水側主弁110が一定の弾性力の下で閉弁状態に押圧保持される。
ここにおいて進退部材42の図中右向きの前進移動が停止する。従って進退部材42の図中右向きの前進移動による、水側主弁110への押圧力の増加も停止する。
そしてあるところで緩衝ばね56が当初の状態に戻って、進退部材42の図中左方向の後退移動を第2の進退部材134に伝え、これを後退移動させる。
これにより水側主弁110が開弁方向に、また湯側主弁112が閉弁方向に移動し、最終的に湯側主弁112が湯側主弁座116に当接し閉弁するに到る(図8(I))。
そして更に進退部材42が図8中左方向に後退移動すると、図8(II)及び図10(B)に示しているように、進退部材42が湯側主弁112の閉弁後において第二設定ストローク分移動したところで、回止め機構48における一対の係合爪64,66が、対応するガイド溝68,70から外れ、回止め機構48による進退部材42に対する回止め作用が解除される。
従ってその後は回転部材28の回転とともに、進退部材42が図10(B)に示しているように一対の係合爪64,66を摺動面146に沿って摺動させながら、回転部材28とともに一体に逆方向に空回転する。
しかもそのようにしても水側主弁110,湯側主弁112を緩衝ばね56の撓みによる弾性力によって所定の押圧力で閉弁状態に保持することができ、止水性を良好となすことができる。
また緩衝ばね56が不必要に大きく撓んでしまうことによって、その反力によりハンドル130が進退部材42と回転部材48との間のねじ部によるねじ送りで、勝手に戻り側に回転してしまうといった問題も解消することができる。
この例もまた、本発明を湯水混合バルブ(非パイロット式の湯水混合バルブ)に適用した場合の例である。
図12に示しているように、この例では緩衝ばね機構54における緩衝ばね56が、図6におけるバイアスばね128を兼ねて構成してある。
そのためこの実施形態では、図6に示す第2の進退部材134が省略されており、緩衝ばね機構54が、進退部材42と温調軸118との間に直接介在せしめられている。
尚、他の点については基本的に図6〜図10に示す実施形態と同様であり、対応する部分に対応する符号のみを示して更なる詳しい説明は省略する。
また図14は湯側主弁112を強制閉弁させる際の動作を表したもので、緩衝ばね機構54,回止め機構48の作用は基本的に図8に示したものと同様である。
この例は、図6に示す湯水混合バルブにおいて、図15に示しているように主弁体108,感温ばね126,バイアスばね128を温調軸118に組み付け、それらをともに図中左右方向の軸方向に移動する弁ユニット154として構成した例である。
温調軸118には、左右一対のフランジ形状のばね受部158,160が設けられており、右側のばね受部158と主弁体108との間に感温ばね126が介装され、また左側のばね受部160と主弁体108との間にバイアスばね128が介装されている。
そしてそれら感温ばね126の付勢力と、バイアスばね128との付勢力とが、主弁体108に対し軸方向の互いに逆向きに及ぼされている。
また当接部148を主弁体108に当接させ、温調軸118の図中左向きの後退移動により主弁体108を同じ左方向に移動させ、湯側主弁112を強制閉弁させる(図17(I))。
尚、当接部148,150と主弁体108との間には、主弁体108が自動温調動作する際に必要なクリアランスが確保してある。
尚、他の構成については図6〜図10に示した実施形態と同様であり、対応する部分に対応する符号のみを示して更なる詳しい説明は省略する。
また逆に混合水温度が設定温度よりも低くなると、感温ばね126の付勢力の低下に基づいて、主弁体108を図中右方向に微動させ、主弁体108の位置を高温側にシフトさせて、混合水温度を設定温度に自動的に調節する。
また図17は、湯側主弁112を強制閉弁させる際の動作を示したもので、その作用は図8に示したものと基本的に同様である。
これにより水側主弁110,湯側主弁112の閉弁後におけるハンドル130の操作荷重を更に小さくすることができ、より一層の軽操作を実現することができる。
また緩衝ばね56としてばね力の小さなものを用いることができるため、進退部材42を回転部材28とともに空回転させる際の摺動抵抗を小さくすることができる。
円筒部166は図中左方向に延在しており、そしてこの円筒部166の外周側に形成された凹部138と、進退部材42の大径の円筒部168の凹部136とにまたがって、緩衝ばね機構54が設けられている。
またバイアスばねを兼ねた緩衝ばね128の図中左端を、進退部材42の円筒部168、即ちこれと一体の温調軸118側で受け、バイアスばね128の付勢力を円筒部166を介して主弁体108に対し図中右向きに作用させている。
このとき、温調軸118に組み付けられた主弁体108,感温ばね126及びバイアスばねを兼ねた緩衝ばね128が、温調軸118と一体に左右方向に移動する。またこのとき感温ばね126,緩衝ばね128は、それらの合計の長さを一定に維持しつつ、温調軸118とともに移動する。
尚、この実施形態において他の構成については図6〜図10に示した実施形態と基本的に同様であり、対応する部分に対応する符号のみを示して詳しい説明は省略する。
図20は、湯側主弁112を強制閉弁させる際の動作を表したもので、その作用は基本的に図8に示したのと同様である。
この例は、自動温度調節機能付きの湯水混合バルブをパイロット式バルブとして構成した例である。
この例では、弁ケース10における小径の円筒部10Aと、円筒形状の操作側ケース174との間に、回転部材28における円筒部32が配置され、更にその内側に円筒形状をなす第1の進退部材42が、更にその内側に有底の円筒形状をなす第2の進退部材134がそれぞれ配置されている。
また第2の進退部材134は、弁ケース10における円筒部10Aに対し軸方向に相対移動可能に嵌合されている。
また緩衝ばね機構54の構成、回止め機構48の構成も上記実施形態と基本的に同様の構造をなしている。
この実施形態ではまた、水側主弁110がダイヤフラム弁として構成してある。
この水側主弁110は、図23に詳しく示しているように硬質の主弁本体82と、ゴム製のダイヤフラム膜84とから成っており、そのダイヤフラム膜84が外周部において弁ケース10に固定されている。
この水側主弁110は、弁ケース10に設けられた水側主弁座114に当接することで閉弁し、またこれから図中左方向に離間することで開弁する。
詳しくは、水側主弁110の主弁本体82に湯側主弁112が一体に(一体移動する状態に)構成され、かかる湯側主弁112が、図中左側に位置する湯側主弁座116に当接して閉弁するようになっている。
また水側主弁110には、図23に示すようにその中心部に、背圧室81と水側主弁110よりも下流側の2次側とを連通させるパイロット孔(水側パイロット孔)96が、水側主弁110を貫通して設けられており、背圧室81内の水が、このパイロット孔96を通じて下流側へと抜き出され、そのことによって背圧室81が圧力減少する。
ここでパイロット弁78は、水側主弁110に形成されたパイロット弁座(水側パイロット弁座)88に当接して閉弁する。
またこれから図中左方向に離間することによって開弁し、パイロット孔96を開放する。
尚このパイロット弁78には環状溝が設けられていて、そこにシールリング176が保持され、このシールリング176によって、パイロット弁78と弁ケース10との間が水密にシールされている。
尚、図23において178はパイロット孔96の一部を成す透孔で、背圧室81からの水は、この透孔178を含むパイロット孔96を通じて下流側へと流出する。
この温調軸118には、スリーブ180-1,180-2,180-3,180-4が外嵌状態に嵌合されている。
そして図中真中のスリーブ180-1に、上記のパイロット弁78が径方向外方に突出する形態で一体に構成されている。
そして更にこのスリーブ180-1に対して、上記水側主弁110及び湯側主弁112を一体に有する主弁体108が、左右方向且つ軸方向に相対移動可能に外嵌されている。
そしてスリーブ180-2と180-3の各フランジ部182の間に上記の感温ばね126が介装され、その付勢力をスリーブ180-1に対して、即ちパイロット弁78に対して図中左向きに及ぼしている。
またスリーブ180-4のフランジ部182とパイロット弁78との間にバイアスばね128が介装され、その付勢力をスリーブ180-1に対して、即ちパイロット弁78に対して図中右向きに及ぼしている。
尚温調軸118の図中右端部は、弁ケース10の嵌合孔162に軸方向に移動可能に挿入され保持されている。
即ち、パイロット弁78が図中右向きに移動すると、水側主弁110が閉弁方向に、また湯側主弁112が開弁方向に追従して移動し、またパイロット弁78が図中左方向に移動すると、水側主弁110がこれに追従して開弁方向に移動し、また湯側主弁112が閉弁方向に移動する。
この実施形態では、進退部材42及び温調軸118における図中左方向の移動が前進移動であり、また右方向の移動が後退移動となる。
また弁ケースの側に係合爪を、進退部材の側にガイド溝を設けて、それらの係合により進退部材の回止めをなすといったことも可能である。その他、湯水混合のバルブにおいて、水側主弁を閉弁させた後にだけ進退部材を空回転させたり、或いは湯側主弁を閉弁させた後にだけ進退部材を空回転させるといったことも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 水流入口(第1流入口)
20 主弁(第1主弁)
22 主弁座(第1主弁座)
28 回転部材
42,134 進退部材
48 回止め機構
54 緩衝ばね機構
56 緩衝ばね
64,66 係合爪
68,70 ガイド溝
78 パイロット弁
80 主弁
81 背圧室
83 導入小孔
86 パイロット孔
100 湯流入口
108 主弁体
110 水側主弁
112 湯側主弁
114 水側主弁座
116 湯側主弁座
118 温調軸
126 感温ばね
128 バイアスばね
154 弁ユニット
Claims (4)
- (イ)弁ケースの内部に設けられ、第1主弁座に向けて進退移動して弁開度を変化させる第1主弁と、(ロ)ハンドル側の回転部材と、(ハ)該回転部材とねじ結合されるとともに、前記弁ケースに対して回止め機構により回止めされ、該回転部材の回転により軸方向にねじ送りで進退移動せしめられて前記第1主弁を開閉方向に移動させる進退部材と、を有し、該第1主弁の弁開度に応じて前記弁ケースに設けられた第1流入口からの該弁ケース内部への水の流入量を制御する水栓のバルブであって、
前記進退部材と前記第1主弁との間に介在し、該進退部材の進退移動を前記第1主弁に伝えて該第1主弁を開閉方向に移動させ、弁開度を変化させるとともに、該第1主弁が前記第1主弁座に当接して閉弁し移動停止した後においては、緩衝ばねを撓ませることによって前記第1主弁の閉弁後における前記進退部材の更なる前進移動を吸収する緩衝ばね機構を設けるとともに、
前記回止め機構を、(a)前記進退部材の側と前記弁ケースの側との一方に径方向に突出状態に設けられた係合爪と、(b)他方に設けられ、該係合爪を軸方向に移動可能且つ回転方向に移動不能に係入させるガイド溝とを含んで構成し、
且つ該回止め機構は、前記第1主弁の閉弁後に前記進退部材が第一設定ストローク分前進移動した後に、前記係合爪が前記ガイド溝から外れて回止め作用を解除し、前記進退部材を前記回転部材の回転と一体に、該回転部材の前記第1主弁を閉弁させる方向の正方向に空回転させ、また該正方向の空回転と同じだけ逆方向に空回転した後に、再び前記係合爪を前記ガイド溝に係入させて回止め作用を回復するものとなしてあることを特徴とする水栓のバルブ。 - (イ)弁ケースの内部に設けられ、温調軸の進退移動により、第1主弁座としての水側主弁座に向けて進退移動して弁開度を変化させる第1主弁としての水側主弁、及び第2主弁座としての湯側主弁座に向けて進退移動して弁開度を変化させる第2主弁としての湯側主弁と、(ロ)ハンドル側の回転部材と、(ハ)該回転部材とねじ結合されるとともに、前記弁ケースに対して回止め機構により回止めされ、該回転部材の回転により軸方向にねじ送りで進退移動せしめられる進退部材と、を有し、該進退部材の進退移動により緩衝ばね機構を介して前記温調軸を進退移動させ、該温調軸の前進により前記水側主弁を閉方向、前記湯側主弁を開方向に、該温調軸の後退移動により前記水側主弁を開方向、前記湯側主弁を閉方向にそれぞれ移動させ、前記弁ケースに設けられた第1流入口としての冷水流入口、第2流入口としての熱水流入口からの該弁ケース内部への冷水,熱水の流入量を制御する水栓の湯水混合のバルブであって、
前記回止め機構は、(a)前記進退部材の側と前記弁ケースの側との一方に径方向に突出状態に設けられた係合爪と、(b)他方に設けられ、該係合爪を軸方向に移動可能且つ回転方向に移動不能に係合させるガイド溝とを含んで構成し、
前記緩衝ばね機構は、前記水側主弁が前記水側主弁座に当接して閉弁し移動停止した後においては、緩衝ばねを撓ませることによって該水側主弁の閉弁後における前記進退部材の更なる前進移動を吸収し、また前記湯側主弁が前記湯側主弁座に当接して閉弁し移動停止した後においては、前記緩衝ばねを撓ませることによって該湯側主弁の閉弁後における前記進退部材の更なる後退移動を吸収するものとなしてあり、
更に前記回止め機構は、前記水側主弁の閉弁後に前記進退部材が第1設定ストローク分前進移動した後に、前記係合爪が前記ガイド溝から外れて回止め作用を解除し、該進退部材を前記回転部材の回転と一体に、該回転部材の前記水側主弁を閉弁させる方向の正方向に空回転させ、また該正方向の空回転と同じだけ逆方向に空回転した後に、再び前記係合爪を前記ガイド溝に係入させて回止め作用を回復するものとなしてあるか、
又は/及び前記湯側主弁の閉弁後に前記進退部材が第2設定ストローク分後退移動した後に、前記係合爪が前記ガイド溝から外れて回止め作用を解除し、該進退部材を前記回転部材の回転と一体に、該回転部材の前記湯側主弁を閉弁させる方向の逆方向に空回転させ、また該逆方向の空回転と同じだけ正方向に空回転した後に、再び前記係合爪を前記ガイド溝に係入させて回止め作用を回復するものとなしてあることを特徴とする水栓の湯水混合のバルブ。 - 請求項2において、前記湯水混合のバルブが自動温度調節機能付のものであって、混合水温度に感応して軸方向に伸縮し、混合水が設定温度よりも高くなったときに前記水側主弁を開き、前記湯側主弁を閉じる方向にそれら水側主弁及び湯側主弁を移動させる感温体と、該水側主弁及び湯側主弁に対し該感温体による移動方向と逆方向の付勢力を作用させるばねと、を有していることを特徴とする水栓の湯水混合のバルブ。
- 請求項3において、前記感温体が形状記憶合金製のコイルばねから成る感温ばねであることを特徴とする水栓の湯水混合のバルブ。
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