JP4993259B2 - コンクリート製貯槽の膜ライニング構造 - Google Patents
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Description
1は貯槽本体、2は平版状の底壁、3は平版状の側壁、4はその上方を覆う平版状の天井壁である。なお、流入管及び流出管などの付属設備は図示を省略している。
このコンクリート製貯槽の貯槽本体1の内壁面は、一般に防水塗装などの表面処理がされている。
この特許文献1の発明は、コンクリート製貯槽の内壁面を塗装などに代えて膜体を用いて現地にて熱溶着して機能的、施工性良く経済的にライニングするようにしたものである。
この特許文献2の発明は、液体や気体を貯蔵する鋼製の球形貯槽の内壁面全体を、可撓性膜体で被覆し、その複数箇所を膜体固定具で保持するものである。
そこで、コンクリート内壁面を耐久性に優れた耐食性鋼板や防水膜体で被覆ライニングすることが望まれていた。
天井内壁面は天井内面膜体によって腐食性ガスから保護され、側壁内壁面は側壁内面膜体によって腐食性ガス及び貯蔵液体から保護され、底壁内壁面は底壁内面膜体によって貯蔵液体から保護されるため、コンクリート壁の内壁面は腐食や損傷されることがなく、壁面にクラックが発生しても漏水防止を図ることができ、防食や防水を目的とした塗装などを不要とし、再塗装などのメンテナンスの経費を削減することができ、耐久性及び経済性に優れたライニング構造のコンクリート製貯槽を提供することができる。
図1は、コンクリート製貯槽の内壁面に膜体を内張りして防水ライニング形成した縦断面で、矩形貯槽を事例として示す。なお、平面多角形や円形、ドーム屋根形状の貯槽の場合にも、以下同様に適用することができる。
図2は、図1の膜ライニングに使用する膜体全体を説明する図である。
図3から図7は、図1の配管などの貫通箇所A〜Eをそれぞれ拡大して示す。
上水道水や農業用水などの液体を貯蔵する貯槽本体1のコンクリート壁面には、配管や付属品などの貫通部材が取付けられている。これら貫通部材の近傍箇所として、Aは流出部、Bは流入部、Cは梯子などの部材の取付部、Dは貯槽内へ出入りするためのマンホール部、Eは天井壁面膜体7の固定部をそれぞれ示している。
この貯槽本体1の内壁面のうち、底壁2の内壁面は可撓性を有する平面状の底壁内面膜体5で被覆ライニングし、側壁3の内壁面は可撓性を有する平面状の側壁内面膜体6で被覆ライニングし、天井壁4の内壁面は可撓性を有する平面状の天井壁内面膜体7で被覆ライニングする。
これらの筒状膜体X,Yの貫通部材相当箇所は、膜体全体を取付後に開口して貫通部材を取付け、その後に周縁を気密かつ液密にシールする。なお、貫通部材が既に施工されている箇所は、予め貫通部材相当箇所の膜体を大きめに開口しておいて、後から膜体片を現地溶着で取付けて貫通部材の周縁をシールする。
これら工場で製作した一体の筒状膜体X,Yを折畳みやロール状に巻いた状態で現地へ運搬し、マンホールDからコンクリート製貯槽内へ搬入する。そして、上記有天面筒状膜体Yを天井壁4に固定した後にその下端縁部は、天井壁コーナー部から側壁内壁面3に沿って下方に延長し、上記有底面筒状膜体Xを底壁から側壁に固定した後に、その延長した上端縁を上記有天面筒状膜体Yの下端縁上に重ね合せ、側壁面上方適所の取付部8に植設したアンカーボルトを介して固定してコンクリート製貯槽の内壁面を気密・液密に防水ライニング形成する。
9は流出管、10は流出取付管で、この流出管9と流出取付管10はフランジ11a,11bによってコンクリート側壁3の表面位置で接続するように設ける。このフランジ11a,11b間には、シール材12を介装して、側壁内面膜体6の端縁を挿み込んで気密かつ液密にシールし、ボルト13によって固定する。シール材12は、弾力性、耐食性、液密性などを有する材料、例えばシリコンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム材料などを使用する。
14は流入管、14aは流入口で、この流入管14の周壁に連結部材15を溶接し、この連結部材15の先端に専用フランジ16を固着する。この専用フランジ16は、コンクリート側壁3の表面位置に設け、この専用フランジ16にシール材18を介装し当て材19を設け、この間に側壁内面膜体6の端縁を挿み込んで気密かつ液密にシールし、アンカーボルト17とナット20によって固定する。21は専用フランジ16のシート面の円周方向に沿って設けた漏洩検知溝で、側壁内面膜体6を取付けた後の漏洩検査に使用する。
梯子22は、サポート部材23によって側壁3の内壁面に固定する。このサポート部材23の周囲に鍔付きの筒状固着金具24を取付け、側壁内面膜体6の端縁をボルトなどの固着具25などによって気密かつ液密に固着する。
27はマンホール内面のシール膜で、このシール膜27の端縁は固着部28a,28bにて気密かつ液密に固定する。29はマンホールの蓋である。
天井壁内面膜体7の垂れ下がりを防止するため、天井壁4の内壁面の適所にシールプレート31を介してオールインアンカー構造のアンカーボルト32を植設し、このアンカーボルト32に、天井壁内面膜体7を挿通して重ね合わせ、その上部から帯板状のプレート33を挿通して当てがい、ナット34で締付けて気密に結合する。
また、上記ナット34の上部には、膜保護用のキャップ35を設ける。
この可撓性膜材としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニール系樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂等の合成樹脂材で形成したシート体、或いはポリエステル繊維やガラス繊維等の繊維に、上記ポリオレフィン系樹脂等の合成樹脂をコーティングした布膜材などのシート体を使用する。
2 底壁
3 側壁
4 天井壁
5 底壁内面膜体
6 側壁内面膜体
7 天井壁内面膜体
8 取付部
X 有底面筒状膜体
Y 有天面筒状膜体
9 流出管
10 流出取付管
11a,11b フランジ
12 シール材
13 ボルト
14 流入管
14a 流入口
15 取付部材
16 専用フランジ
17 アンカーボルト
18 シーリング材
19 当て材
20 ナット
21 漏洩検知溝
22 梯子
23 サポート部材
24 筒状固着金具
25 固着具
26 マンホール
27 シール膜
28a,28b 固着具
29 蓋
30 固着部
31 シールプレート
32 アンカーボルト
33 当て材
34 ナット
35 キャップ
Claims (2)
- 底壁2と側壁3と天井壁4とからなるコンクリート製貯槽の内壁面を、膜体を用いて防水ライニング形成するコンクリート製貯槽であって、底壁内面膜体5と側壁内面膜体6を一体化した有底面筒状膜体Xに工場製作し、また天井壁内面膜体7と側壁内面膜体6を一体化した有天面筒状膜体Yに工場製作し、これら工場で製作した一体の筒状膜体X,Yを折畳みやロール状に巻いた状態で現地へ運搬して、マンホールDからコンクリート製貯槽内へ搬入し、上記有天面筒状膜体Yを天井壁4に固定した後にその下端縁部を天井壁コーナー部から側壁内壁面に沿って下方に延長し、上記有底面筒状膜体Xを底壁2から側壁3に固定した後にその上端縁部を重ね合せ、この重ね合せた両端縁部を側壁面適所の取付部8に植設したアンカーボルトを介して固定してコンクリート製貯槽の内壁面を気密・液密に防水ライニング形成することを特徴とするコンクリート製貯槽の膜ライニング構造。
- 底壁2と側壁3と天井壁4とからなるコンクリート製貯槽の内壁面を、膜体を用いて防水ライニング形成するコンクリート製貯槽であって、底壁内面膜体5と側壁内面膜体6を一体化した有底面筒状膜体Xに工場製作し、また天井壁内面膜体7と側壁内面膜体6を一体化した有天面筒状膜体Yに工場製作し、これら工場で製作した一体の筒状膜体X,Yを折畳みやロール状に巻いた状態で現地へ運搬して、マンホールDからコンクリート製貯槽内へ搬入し、上記有天面筒状膜体Yを天井壁4に固定した後にその下端縁部を天井壁コーナー部から側壁内壁面に沿って下方に延長し、上記有底面筒状膜体Xを底壁2から側壁3に固定した後に、その延長した上端縁を上記有天面筒状膜体Yの下端縁上に重ね合せ、該膜体X,Yを位置決めした後に上記コンクリート製貯槽の壁面を貫通する配管やサポート部材などの貫通部材に位置する上記有底面筒状膜体X及び有天面筒状膜体Yの該当位置を現場にて開口し、この開口部の貫通部材の周囲にフランジや鍔付きの筒状固着金具等の金具部材を取付け、この金具部材に開口部周縁の膜体を気密かつ液密にシールし、上記重ね合せて位置決めした有天面筒状膜体Yと有底面筒状膜体Xの両端縁部を側壁面適所の取付部8に植設したアンカーボルトを介して固定してコンクリート製貯槽の内壁面を気密・液密に防水ライニング形成することを特徴とするコンクリート製貯槽の膜ライニング構造。
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