JP4924998B2 - コンクリート製貯槽 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体を貯蔵するコンクリート製貯槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート製貯槽の屋根内壁面などを、可撓性膜体にて被覆ライニングした貯槽が知られている。
例えば、本願出願人等に係る特許第2608474号「コンクリート製貯槽及びその構築法」の発明は、空気圧を受けた膜体を型枠としてその膜体上にコンクリートを打設して構築した屋根であって、この膜体は貯蔵液ベーパーから屋根内壁面を保護するシール層、つまりライニング材として機能している。
また、本願出願人による特願2000−329335号「骨組膜貯槽」の発明は、腐食性ガスを溶存した液体を貯蔵する貯槽の屋根下方に膜材を設け、この膜材をライニング材として機能させて屋根内壁面の腐食防止を図っているものである。
【0003】
また、本願出願人による特開平6−136989号「コンクリート製屋根」の発明はコンクリート製の底壁及び側壁の内壁面を鋼板のシール層にてライニングし、コンクリート製の屋根の内壁面を、空気圧を受けた可撓膜体でライニングし、さらにその外側に透気及び液漏れ防止のメタルシール層を設けて形成するものである。
【0004】
また、貯槽の底壁及び側壁に耐食性鋼板を使用し、屋根下方に膜体を設けて被覆ライニングした貯槽には、例えば、本願出願人による特開2000−302188号「可撓横隔膜タンク」の発明がある。この発明は、腐食性ガスを溶存した貯蔵液体と接触する底壁及び側壁には耐食性を備えた鋼板を使用し、貯蔵液体から分離気化した腐食性ガスを膜体で仕切ることによって、側壁上部及び屋根には高耐食性の鋼板を使用することなく、一般的な鋼板を使用することができるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許第2608474号「コンクリート製貯槽及びその構築法」の発明、及び上記特願2000−329335号「骨組膜貯槽」の発明に紹介した従来のコンクリート製貯槽は、コンクリート構造の底壁及び側壁の上方に構築するコンクリート製の屋根の内壁面を膜体でライニングするものであるが、側壁内壁面下方まで膜体又は鋼板でライニングするものではなかった。そして、コンクリート製貯槽の内壁面に、膜体及び鋼板を組合せて後施工などによってライニングする構造のコンクリート製貯槽ではなかった。
なお、側壁下方までライニングすることは、ライニングの必要性と経済性、ライニング施工の困難性などによって採用されてはいなかった。
【0006】
また、上記紹介した特開平6−136989号「コンクリート製屋根」の発明は、コンクリート製の底壁及び側壁の内壁面を、予め鋼板でライニングし、後に屋根の内壁面を可撓膜体でライニングするものであるが、貯蔵液体に対する耐食性に配慮して鋼板を選択し、かつ鋼板と膜体の結合する結合箇所を側壁の内壁面気相部に設けたものではなかった。
そして、側壁上部の形状に沿ってライニング鋼板を折曲げ加工や変形加工などをするのが難しく、殊に側壁上部が内側に張出している場合には、形状に合わせ密着させて施工するのに手間を要するものであった。
【0007】
また、上記紹介した従来の特開2000−302188号「可撓横隔膜タンク」の発明は、コンクリート製貯槽の側壁内壁面に鋼板をライニングし、この鋼板にコンクリート製屋根の内壁面を被覆する膜体の下縁部を一体に結合する構造としたものではなかった。
そして、コンクリート製貯槽の内壁面に、後施工によって鋼板をライニングし、その上部の膜体と結合する場合には、コンクリート壁面に鋼板と膜体を重ね合わせて気密に結合するのに適した構造が望まれていた。
【0008】
また、上記鋼板と膜体の結合箇所において、ボルトの先端、ワッシャ、ナット等の金物が露出した場合には、気相に含まれる腐食性成分の濃縮によって金物に腐食が生じたり、シーリング部に劣化などが生じて気密性が損なわれたりする心配があった。
【0009】
さらにまた、上記結合箇所に金物が突出していることによって、膜体の取付作業中に膜体などが引っ掛かって損傷などが発生するおそれもあった。
【0010】
この発明の目的は、上述のような従来技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、コンクリート製貯槽の内壁面を、膜体と鋼板を組合せて機能的かつ経済的にライニング形成したコンクリート製貯槽を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るコンクリート製貯槽は、平版状の底壁と筒体状の側壁とその上方を覆う屋根とからなるコンクリート製貯槽の内壁面を、膜体及び鋼板を組合せてライニング形成するコンクリート製貯槽であって、屋根内壁面は膜体でライニングし、底壁内壁面と側壁内壁面の下端部から貯蔵液体の最高液面より上方の直胴部の気相部位にわたって鋼板でライニングし、上記屋根内壁面をライニングする膜体は、貯槽内部上方の気相に含まれる腐食性ガスに対して耐食性を有し、かつ強靭で気密性に優れた可撓性膜材よりなるシート体を使用し、上記底壁内壁面から側壁内壁面にわたってライニングする鋼板は、貯蔵液体の運用最低液面より下方の部分には、貯蔵液体に対して耐食性を有する耐食鋼ステンレス鋼板を使用し、運用最低液面から最高液面に至る部分である液変動部にライニングする鋼板は、高耐食性を有する高耐食性ステンレス鋼板を使用し、最高液面上方の気相にライニングする鋼板は、腐食性ガスに対して耐食性を有する高耐食鋼ステンレス鋼板を使用し、上記屋根内壁面をライニングする膜体は、側壁上部内壁面の張出し部に沿って下部周縁を垂れ下げて膜体下端部を設け、この膜体下端部の下部周縁を、上記鋼板の鋼板上端部の上部周縁の上面に重ね合わせて気相部位に位置する固定部にて気密に結合するものである。
【0012】
また、上記膜体下端部の下部周縁を、上記鋼板の鋼板上端部の上部周縁の上面に重ね合わせて気相部位に位置する固定部にて気密に結合する箇所は、側壁内壁面にアンカーボルトを植設し、このアンカーボルトに、鋼板の上端部を固定し、その上面に側壁上部内壁に沿って垂れ下げた膜体の下端部を結合し、鋼板上端部上面に突出するアンカーボルトの周囲に弾力性を有するシーリング材を設け、膜体下端部を挿通し、帯板状のプレートを挿通し当て、ワッシャを挿通してナットで締付けて気密に結合するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明に係るコンクリート製貯槽の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
図1は、コンクリート製貯槽の内壁面を、膜体及び鋼板を組合せてライニングした実施形態例である。図2は、図1の鋼板と膜体の結合箇所を拡大して示すものである。図3は、結合箇所の実施形態例を示すものである。
【0015】
図1は、有底筒体状のコンクリート製の貯槽であって、1はその上方を覆うドーム形状をした屋根、2は筒体状の側壁、3は平版状の底壁である。4は上水道水などの貯蔵液体、5はこの貯蔵液体4上方の気相である。
また、実線で示す水平線6は貯蔵液体4の最高液面を示し、一点鎖線で示す水平線7は運用最低液面を示す。この最高液面6と運用最低液面7との間の水位差は、給水時における液変動部Hに相当する。
このコンクリート製貯槽の内壁面を、膜体11と鋼板12を組合せてライニング形成するもので、屋根1の屋根内壁面8を可撓性を有する膜体11でライニングし、かつ側壁2の側壁内壁面9及び底壁3の底壁内壁面10を耐食性を有する鋼板12でライニングする。
【0016】
この鋼板12は、貯蔵液体4の最高液面6より上方の側壁内壁面9の直胴部の気相5にわたってライニングする。
このように、側壁内壁面9の直胴部における鋼板12でのライニングは、一定形状の直胴部に沿って密着性良く取付けを行うことができ、かつ複雑な形状に沿った曲げ加工などを要しないため、施工性及び耐久性が向上する。
【0017】
また、上記屋根内壁面8をライニングする膜体11は、側壁上部内壁の張出し部に沿って垂れ下げて膜体下端部11aを設ける。そしてこの膜体下端部11aの下部周縁を、上記鋼板12の鋼板上端部12aの上部周縁の上面に重ね合わせて気相5に位置する固定部13にて気密に結合するものである。
このように、垂れ下げた膜体下端部11aは、内側に張出した側壁上部の形状に沿ってなじませて押当て密着させ易いため、その下部周縁の取付け施工を簡単容易に行うことができる。
なお、側壁上部近傍の隅角部及び張出部などは、膜体を必ずしも密着させることなく湾曲させてなだらかに張ることもできるため、施工性が一層向上する。そして、この湾曲させて張った内部に空間が生じていても、膜体は可撓性を有するため、気相の圧力変動に対しても伸縮して追従するため、気密性を保持しコンクリート壁の表面を保護することができる。
【0018】
上記底壁内壁面10から側壁内壁面9にわたってライニングする鋼板12Cは、貯蔵液体4の運用最低液面7より下方の部分には、貯蔵液体4に対して耐食性を有する耐食鋼ステンレス鋼板、例えばSUS304などを使用し、運用最低液面7から最高液面6に至る部分、つまり液変動部Hにライニングする鋼板12Bは、高耐食性を有する高耐食性ステンレス鋼板、例えばSUS316などを使用し、最高液面6上方の気相5にライニングする鋼板12Aは、腐食性ガスに対して耐食性を有する高耐食鋼ステンレス鋼板、例えばSUS329J4Lなどを使用する。
このように、運用最低液面7より上方の液変動部Hから最高液面6上方の気相5に至る部分に、高耐食鋼ステンレス鋼板などの鋼板12B,12Aを使用することによって、貯蔵液体4から気化分離した腐食性ガスに侵されることなく、優れたライニング性能を得ることができる。
【0019】
上記屋根内壁面8をライニングする膜体11は、貯槽内部上方の気相5に含まれる腐食性ガスに対して耐食性を有し、かつ強靭で気密性に優れた可撓性膜材を使用する。この膜材よりなるシート体は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニール系樹脂、ポリ塩化ビニール樹脂等の合成樹脂材で形成したシート体、或いはポリエステル繊維やガラス繊維等の繊維に、上記合成樹脂をコーティングした布膜材などのシート体を用いる。
【0020】
上記のように、屋根内壁面8は膜体11でライニングし、かつ底壁3の底壁内壁面10は鋼板12でライニングするとともに、側壁2の側壁内壁面9の下端部から貯蔵液体4の最高液面6より上方の気相5部位にわたって鋼板12でライニングし、上記膜体11の膜体下端部11aを、側壁上部内壁面の張出し部に沿って垂れ下げて鋼板上端部12aと気相5に位置する固定部13にて気密に結合したので、膜体11及び固定部13が貯蔵液体4に浸積することなく膨潤や浸透などを発生することがない。
そして、コンクリート製屋根内壁面6は気相5に含まれる腐食性ガスに曝されることがなく保護されるため、コンクリート製の屋根内壁面6の損傷劣化を防止し耐久性を向上することができるとともに、側壁内壁面9の貯蔵液体4に浸る範囲から上方の気相5に至る範囲の側壁内壁面9は貯蔵液体4に浸積することなく保護されるため、コンクリート製の側壁内壁面9の損傷劣化を防止し強度及び遮水性を向上することができる。
【0021】
図2に基づいて、ライニングする鋼板12及び膜体11の固定部13の実施形態例について説明する。
側壁2の側壁内壁面8にアンカーボルト14を植設し、このアンカーボルト14に、鋼板12Aの上端部12aを固定し、その上面に側壁上部内壁に沿って垂れ下げた膜体11の下端部11aを結合するもので、鋼板上端部12a上面に突出するアンカーボルト14の周囲に必要に応じて弾力性を有するシーリング材15を設け、膜体下端部11aを挿通し、帯板状のプレート16を挿通し当て、ワッシャ17を挿通してナット18で締付けて気密に結合する。
【0022】
上記アンカーボルト14、プレート16、ワッシャ17、及びナット18などの部材は、耐食性を有し強靭な材料、例えばステンレス鋼材や合金材などの金属材料、或いは合成樹脂材料などを使用する。また、必要に応じて設けるシーリング材15は、弾力性、耐食性を有する材料、例えばシリコンゴム、クロロプレンゴム等の合成ゴム材料などを使用する。
【0023】
図3は、結合箇所の実施形態例であって、アンカーボルト14を使用して結合した固定部13の上部に当布状の覆膜19を設けた場合を示す。
膜体11の膜体下端部11aは下方を延長させた状態で、鋼板上端部12aの上面に突出するアンカーボルト14の上面にその周縁を挿通し、プレート、ワッシャ、及びナットを用いて結合し、当布状の覆膜19は、この固定部13の上部を被覆し、上下にわたる水平の接合部20a,20b、或いは周囲にわたる環状の接合部20にて、溶着又は接着などによって気密に固着する。この覆膜19は、気密性に優れ、強靭かつ耐食性、耐久性を有し、施工作業性に優れた可撓性膜材を使用する。
このように、結合箇所の上部を被覆する当布状の覆膜19を設けたことにより、プレート、ワッシャ及びナットなどの金属部材として、高価な高耐食性材料を使用する必要がなく、安価な通常の炭素鋼材料などを使用することができ、経済的に優れた結合部の構造となり、また、この金属部材は気相に露出することなく腐食性ガスから遮蔽されるため、金属部に腐食を生じることがなく、シーリング部が劣化する心配もない。
【0024】
【発明の効果】
上述の説明で明らかなように、この発明に係るコンクリート製貯槽は、屋根内壁面は膜体でライニングし、底壁内壁面と側壁内壁面の下端部から貯蔵液体の最高液面より上方の直胴部の気相部位にわたって鋼板でライニングし、上記屋根内壁面をライニングする膜体は、貯槽内部上方の気相に含まれる腐食性ガスに対して耐食性を有し、かつ強靭で気密性に優れた可撓性膜材よりなるシート体を使用し、上記底壁内壁面から側壁内壁面にわたってライニングする鋼板は、貯蔵液体の運用最低液面より下方の部分には、貯蔵液体に対して耐食性を有する耐食鋼ステンレス鋼板を使用し、運用最低液面から最高液面に至る部分である液変動部にライニングする鋼板は、高耐食性を有する高耐食性ステンレス鋼板を使用し、最高液面上方の気相にライニングする鋼板は、腐食性ガスに対して耐食性を有する高耐食鋼ステンレス鋼板を使用し、上記屋根内壁面をライニングする膜体は、側壁上部内壁面の張出し部に沿って下部周縁を垂れ下げて膜体下端部を設け、この膜体下端部の下部周縁を、上記鋼板の鋼板上端部の上部周縁の上面に重ね合わせて気相部位に位置する固定部にて気密に結合するので、垂れ下げた膜体下端部は、内側に張出した側壁上部の形状に沿ってなじませて押当て密着させ易いため、その下部周縁の取付け施工を簡単容易に行うことができる。
また、側壁上部近傍の隅角部及び張出部などは、膜体を必ずしも密着させることなく湾曲させてなだらかに張ることもできるため、施工性が一層向上する。そして、この湾曲させて張った内部に空間が生じていても、膜体は可撓性を有するため、気相の圧力変動に対しても伸縮して追従するため、気密性を保持しコンクリート壁の表面を保護することができる。
さらに、鋼板は直胴部の形状のため製作が容易で、密着性良く取付けを行うことが可能となる。
そして、屋根内壁面は膜体によって腐食性ガスから保護され、かつ最高液面上方の気相に位置する部分に、腐食性ガスに対して耐食性を有する高耐食鋼ステンレス鋼板を使用することによって腐食性ガスから保護され、運用最低液面より上方の液変動部から最高液面上方の気相に至る部分に、高耐食鋼ステンレス鋼板を使用することによって、腐食性ガス又は貯蔵液体から保護され、底壁内壁面から側壁内壁面にわたる貯蔵液体の運用最低液面より下方の部分に、貯蔵液体に対して耐食性を有する耐食鋼ステンレス鋼板を使用することによって貯蔵液体から保護されるため、優れたライニング性能を有するコンクリート製貯槽とすることができる。
このように、コンクリート壁の内壁面は気相に含まれる腐食性ガスに曝されることがなく保護されるため、コンクリート製の屋根内壁面の損傷劣化を防止し耐久性を向上することができるとともに、底壁及び側壁の内壁面は貯蔵液体に浸積することなく保護されるため、コンクリート製の内壁面の損傷劣化を防止し強度及び遮水性を向上することができるため、腐食や損傷されることなく耐久性が得られ、コンクリート表面の塗装やコーティングなどのメンテナンスの経費が削減できることによって経済性に優れたライニング構造のコンクリート製貯槽を提供することができる。
【0025】
また、膜体は軽量で形状変化に対応して製作が容易で取扱い易く、可撓性を有するため密着性が良く、長期間の気密性及び耐久性も得られるため、貯槽内壁面を経済的に被覆保護することができる。また、鋼板はコンクリート壁の表面を被覆し、腐食性ガス及び貯蔵液体から保護するため、コンクリート壁面が損傷されることなく長期間の耐久性が得られ、底壁内壁面から側壁内壁面の直胴部を鋼板にて被覆形成することによって、液密性及び耐食性により優れたものとなる。
上記のように、膜体の膜体下端部を、側壁上部内壁面の張出し部に沿って垂れ下げて鋼板上端部と気相に位置する固定部にて気密に結合したので、膜体及び固定部が貯蔵液体に浸積することなく膨潤や浸透などを発生することがない。
【0026】
また、上記膜体下端部の下部周縁を、上記鋼板の鋼板上端部の上部周縁の上面に重ね合わせて気相部位に位置する固定部にて気密に結合する箇所は、側壁内壁面にアンカーボルトを植設し、このアンカーボルトに、鋼板の上端部を固定し、その上面に側壁上部内壁に沿って垂れ下げた膜体の下端部を結合し、鋼板上端部上面に突出するアンカーボルトの周囲に弾力性を有するシーリング材を設け、膜体下端部を挿通し、帯板状のプレートを挿通し当て、ワッシャを挿通してナットで締付けて気密に結合するので、上記アンカーボルト、プレート、ワッシャ、及びナットなどの部材は耐食性を有し強靭な材料を使用し、シーリング材は、弾力性、耐食性を有する材料を使用して内壁面に気密性良く結合することができるため、耐久性に優れたライニング構造のコンクリート製貯槽にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るコンクリート製貯槽の実施形態例を示す縦断面説明図である。
【図2】 図1に示す固定部の拡大説明図である。
【図3】 図2に示す結合箇所の上部に当布状の覆膜を設けた実施形態例である。
【符号の説明】
1 屋根
2 側壁
3 底壁
4 貯蔵液体
5 気相
6 最高液面
7 運用最低液面
8 屋根内壁面
側壁内壁面
10 底壁内壁面
11 膜体
11a 膜体下端部
12,12A,12B,12C 鋼板
12a 鋼板上端部
13 固定部
14 アンカーボルト
15 シーリング材
16 プレート
17 ワッシャ
18 ナット
19 覆膜
20,20a,20b 接合部
H 液変動部

Claims (2)

  1. 平版状の底壁と筒体状の側壁とその上方を覆う屋根とからなるコンクリート製貯槽の内壁面を、膜体及び鋼板を組合せてライニング形成するコンクリート製貯槽であって、屋根内壁面は膜体でライニングし、底壁内壁面と側壁内壁面の下端部から貯蔵液体の最高液面より上方の直胴部の気相部位にわたって鋼板でライニングし、上記屋根内壁面をライニングする膜体は、貯槽内部上方の気相に含まれる腐食性ガスに対して耐食性を有し、かつ強靭で気密性に優れた可撓性膜材よりなるシート体を使用し、上記底壁内壁面から側壁内壁面にわたってライニングする鋼板は、貯蔵液体の運用最低液面より下方の部分には、貯蔵液体に対して耐食性を有する耐食鋼ステンレス鋼板を使用し、運用最低液面から最高液面に至る部分である液変動部にライニングする鋼板は、高耐食性を有する高耐食性ステンレス鋼板を使用し、最高液面上方の気相にライニングする鋼板は、腐食性ガスに対して耐食性を有する高耐食鋼ステンレス鋼板を使用し、上記屋根内壁面をライニングする膜体は、側壁上部内壁面の張出し部に沿って下部周縁を垂れ下げて膜体下端部を設け、この膜体下端部の下部周縁を、上記鋼板の鋼板上端部の上部周縁の上面に重ね合わせて気相部位に位置する固定部にて気密に結合することを特徴とするコンクリート製貯槽。
  2. 上記膜体下端部の下部周縁を、上記鋼板の鋼板上端部の上部周縁の上面に重ね合わせて気相部位に位置する固定部にて気密に結合する箇所は、側壁内壁面にアンカーボルトを植設し、このアンカーボルトに、鋼板の上端部を固定し、その上面に側壁上部内壁に沿って垂れ下げた膜体の下端部を結合し、鋼板上端部上面に突出するアンカーボルトの周囲に弾力性を有するシーリング材を設け、膜体下端部を挿通し、帯板状のプレートを挿通し当て、ワッシャを挿通してナットで締付けて気密に結合することを特徴とする請求項1記載のコンクリート製貯槽。
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